JPWO2007007901A1 - 電源及び簡易電気泳動装置 - Google Patents
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Abstract
交流出力波形をそのピーク電圧の時間から所定の時間間隔を遮断するように断続した交流断続出力を電気泳動用電気出力として出力する交流断続出力手段を有し、当該断続するタイミングを、交流出力波形に対して、振幅値に基づいて行うことで、電気泳動出力の電圧値を可変容易にすると共に、構成を極めて簡素化することができる電源。交流出力を全波整流する整流手段と、前記整流手段の整流出力値に対し、所定の閾値に達したとき、整流出力を遮断した出力を電気泳動出力端に出力し、かつ前記整流手段の整流出力が閾値を下回ったとき、整流出力を電気泳動出力端に接続するように出力する制御駆動部とを備える電源、そしてかかる電源と電気泳動槽とを一体的に備えた、より簡易化した電気泳動装置も開示される。
Description
本発明は電気泳動技術、すなわち、生体試料やその他の試料を分離及び分析するのに有用な電気泳動技術に関する。さらに詳しく述べると、本発明は、電気泳動装置において泳動用電気出力を行う電源に関する。また、本発明は、かかる電源を備えた小型及び軽量で操作が容易な簡易電気泳動装置に関する。
電気泳動法は、例えば、生体分子(主にDNA、RNA、タンパク質等)の混合試料を分子サイズの違いに応じて分離する方法であり、また、この方法を実施するため、いろいろな方式を採用した電気泳動装置が市販されている。電気泳動装置は、例えば、生命科学、医学、薬学、農学、環境科学などの分野で用いられている。
ところで、簡易なサブマリンタイプの電気泳動装置には、商用電源の交流波形を、半波整流化、全波整流化して出力するため電源部と電気泳動槽とを一体化したものがある。例えば特開平10−38848号公報は、汎用交流電源の交流を整流回路により整流し、その電気出力を泳動槽に配置された担体に印加する簡易電気泳動装置であって、前記整流回路の電気出力を操作する駆動部及びこの駆動を外部入力に基き間接的に行うための制御手段からなる電気制御装置を有することを特徴とする簡易電気泳動装置を記載している。
他方、電源部と電気泳動槽とを一体化した電気泳動装置には、AC−DCコンバータ、スイッチング電源等を利用して、電気泳動用電気出力を形成することで、様々な電圧値を有する世界の商用電源に対応した電気泳動装置も提案されている。例えば特開2002−139474号公報は、入力される電圧を目的とする電圧出力へ変換する電圧変換手段と、前記電圧変換手段が入力した目的とする電圧が変動した場合、帰還的に調整し変動を補正する帰還調整手段とを有することを特徴とする簡易電気泳動装置を記載している。
これらの2つの特許文献に記載された簡易電気泳動装置の何れも、電源部と電気泳動槽が、着脱自在に一体化され、使い勝手がよくしかも優れて電気泳動能を有しており、広範囲に普及するに至っている。
ところで、簡易なサブマリンタイプの電気泳動装置には、商用電源の交流波形を、半波整流化、全波整流化して出力するため電源部と電気泳動槽とを一体化したものがある。例えば特開平10−38848号公報は、汎用交流電源の交流を整流回路により整流し、その電気出力を泳動槽に配置された担体に印加する簡易電気泳動装置であって、前記整流回路の電気出力を操作する駆動部及びこの駆動を外部入力に基き間接的に行うための制御手段からなる電気制御装置を有することを特徴とする簡易電気泳動装置を記載している。
他方、電源部と電気泳動槽とを一体化した電気泳動装置には、AC−DCコンバータ、スイッチング電源等を利用して、電気泳動用電気出力を形成することで、様々な電圧値を有する世界の商用電源に対応した電気泳動装置も提案されている。例えば特開2002−139474号公報は、入力される電圧を目的とする電圧出力へ変換する電圧変換手段と、前記電圧変換手段が入力した目的とする電圧が変動した場合、帰還的に調整し変動を補正する帰還調整手段とを有することを特徴とする簡易電気泳動装置を記載している。
これらの2つの特許文献に記載された簡易電気泳動装置の何れも、電源部と電気泳動槽が、着脱自在に一体化され、使い勝手がよくしかも優れて電気泳動能を有しており、広範囲に普及するに至っている。
上述のような既存の一体型の電気泳動装置用の電源は、小型簡易であるがために、出力電圧を全波整流時100Vとすれば、半波整流で50V、4分の1波で25Vといった限られた整数分の一の平均電圧出力しか得られず、また、出力を自在に変える電気泳動装置用電源は、AC−DCコンバータ、DC−DCコンバータ等の複雑な回路構成を必要とするため、コイル、トランスをスイッチング的に使用する際に生じる電磁波、電気エネルギーの蓄積と放電に伴う発熱等に対応する対策を施すための構成を更に付加するためにより重く大きくなってしまい簡易的とは言い難い。
本発明は、このような既存の一体型の電気泳動装置用の電源の問題点を解決すべくなされたもので、その1面において、交流出力波形をそのピーク電圧の時間から所定の時間間隔を遮断するように断続した交流断続出力を電気泳動用電気出力として出力する交流断続出力手段を有することを特徴とする電気泳動装置用電源、そして交流出力を全波整流する整流手段と、前記整流手段の整流出力値に対し、所定の閾値に達したとき、整流出力を遮断した出力を電気泳動出力端に出力し、かつ前記整流手段の整流出力が閾値を下回ったとき、整流出力を電気泳動出力端に接続するように出力する制御駆動部とを備えることを特徴とする電気泳動装置用電源にある。
本発明によると、交流出力波形を断続した交流断続出力を電気泳動用電気出力として出力する交流断続出力手段とすることにより、極めてシンプルでありながら、泳動に必要な任意の実行値電圧を出力でき、発熱を生じず、泳動用電気出力として充分足りる電源を具えた簡易電気泳動装置を実現する。
ここで、試料が担体上で泳動する際の泳動速度は、電圧実行値で決まり、泳動槽内の、緩衝液やゲル担体の発熱量は、波高値の二乗で決まるため、より波高値を抑える必要があるが、本発明は、交流出力波形を、出力電圧値によって断続した断続波形を泳動用出力とするため、電圧波高値を抑えながら泳動出力として自在な電圧実行値を得られるのである。
また、本発明における断続とは、波形を時間軸で切断することを示し、一つの波形に対し、複数の切断を形成し、複数のパルス状の交流断続波を形成してもよい。また、一つおき、2つおきの波形を断続するものであってもよい場合もある。
本発明は、交流波形の振幅の変化に対して一定の閾値電圧を設定し、閾値電圧を超えると、出力が遮断したり、接続したりする構成をとるものであるが、その他、交流波形の立ち上がりを捉えて、そこから所定時間後を遮断又は接続したりしてもよい。
また、その出力も、一方向に限らず、交番した電気出力、一定時間で、極性が切り替わる出力であってもよい。
本発明は、そのもう1つの面において、電極部位及び電気泳動部位を含む電気泳動槽と、該電気泳動槽と一体的に組み込まれた、本発明の電源とを含んでなることを特徴とする簡易電気泳動装置にある。
ここで、電気泳動装置は、特に限定されるものではなく、例えば、一体型で、サブマリン型の電気泳動装置や、分離型あるいは縦型の電気泳動装置なども包含する。サブマリン型の電気泳動装置がとりわけ有用である。
本発明によると、より簡易な構成でありながら、出力電圧を可変できる構成であることから、利用者の要望に応じた出力電圧であって、波高値を抑えながら自在な電圧実行値を有する泳動出力を行う電気泳動用の電源を提供できる。また、より小型簡易な電気泳動装置でありながら、自在な出力調整とタイマー等の制御能力を備えさせることができる構成を取り得る。
本発明は、このような既存の一体型の電気泳動装置用の電源の問題点を解決すべくなされたもので、その1面において、交流出力波形をそのピーク電圧の時間から所定の時間間隔を遮断するように断続した交流断続出力を電気泳動用電気出力として出力する交流断続出力手段を有することを特徴とする電気泳動装置用電源、そして交流出力を全波整流する整流手段と、前記整流手段の整流出力値に対し、所定の閾値に達したとき、整流出力を遮断した出力を電気泳動出力端に出力し、かつ前記整流手段の整流出力が閾値を下回ったとき、整流出力を電気泳動出力端に接続するように出力する制御駆動部とを備えることを特徴とする電気泳動装置用電源にある。
本発明によると、交流出力波形を断続した交流断続出力を電気泳動用電気出力として出力する交流断続出力手段とすることにより、極めてシンプルでありながら、泳動に必要な任意の実行値電圧を出力でき、発熱を生じず、泳動用電気出力として充分足りる電源を具えた簡易電気泳動装置を実現する。
ここで、試料が担体上で泳動する際の泳動速度は、電圧実行値で決まり、泳動槽内の、緩衝液やゲル担体の発熱量は、波高値の二乗で決まるため、より波高値を抑える必要があるが、本発明は、交流出力波形を、出力電圧値によって断続した断続波形を泳動用出力とするため、電圧波高値を抑えながら泳動出力として自在な電圧実行値を得られるのである。
また、本発明における断続とは、波形を時間軸で切断することを示し、一つの波形に対し、複数の切断を形成し、複数のパルス状の交流断続波を形成してもよい。また、一つおき、2つおきの波形を断続するものであってもよい場合もある。
本発明は、交流波形の振幅の変化に対して一定の閾値電圧を設定し、閾値電圧を超えると、出力が遮断したり、接続したりする構成をとるものであるが、その他、交流波形の立ち上がりを捉えて、そこから所定時間後を遮断又は接続したりしてもよい。
また、その出力も、一方向に限らず、交番した電気出力、一定時間で、極性が切り替わる出力であってもよい。
本発明は、そのもう1つの面において、電極部位及び電気泳動部位を含む電気泳動槽と、該電気泳動槽と一体的に組み込まれた、本発明の電源とを含んでなることを特徴とする簡易電気泳動装置にある。
ここで、電気泳動装置は、特に限定されるものではなく、例えば、一体型で、サブマリン型の電気泳動装置や、分離型あるいは縦型の電気泳動装置なども包含する。サブマリン型の電気泳動装置がとりわけ有用である。
本発明によると、より簡易な構成でありながら、出力電圧を可変できる構成であることから、利用者の要望に応じた出力電圧であって、波高値を抑えながら自在な電圧実行値を有する泳動出力を行う電気泳動用の電源を提供できる。また、より小型簡易な電気泳動装置でありながら、自在な出力調整とタイマー等の制御能力を備えさせることができる構成を取り得る。
第1図は、本発明の一実施形態を示す配線図であり、
第2図は、第1図に示した実施形態の各部の動作波形図であり、
第3図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図であり、
第4図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図であり、
第5図は、第4図に示した実施形態の動作を説明するための出力波形図であり、
第6図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図であり、
第7図は、本発明の電源を備えたサブマリンタイプの電気泳動装置を説明するための模式図であり、そして
第8図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図である。
第2図は、第1図に示した実施形態の各部の動作波形図であり、
第3図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図であり、
第4図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図であり、
第5図は、第4図に示した実施形態の動作を説明するための出力波形図であり、
第6図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図であり、
第7図は、本発明の電源を備えたサブマリンタイプの電気泳動装置を説明するための模式図であり、そして
第8図は、本発明のもう1つの実施形態を示す配線図である。
本発明は、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、本発明をその好ましい形態に関して添付の図面を参照して説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではないことを理解されたい。
特に、本発明は、簡易な構成でありながら、泳動用の電気出力を可変できる電源を提供できることから、電源と電気泳動槽が一体化されたサブマリン型の電気泳動装置に好適であり、しかし、その他のタイプの電気泳動装置、例えば、電気泳動槽と電源を別々にした分離型の電気泳動装置、縦型の電気泳動装置などにも本発明は有効に利用できる。
また、入力される電源は、商用電源からの交流電気出力であれば特に限定されるものではなく、100Vを問わず、欧米の商用電源で用いられている200V前後であってもよい。本発明では、その他の回路構成を要することなく出力電圧を自在に変えることができる電気泳動出力を形成することができる。
〔第1の実施形態〕
第1図において、参照番号11は、サージアブソーバであり、商用電源路中に混入するピークが高いスパイク状の電気出力を、短絡的に吸収しようとするものである。
12は、ブリッジタイプの整流回路であり、接続する端子によって、全波整流出力、半波整流出力が得られるが、本実施例では全波整流出力を行うものとして利用した。
13は、分圧部であり、全波整流出力から、制御用出力を得るための分圧と、オペアンプ入力に適した電圧範囲を得るためのクランプダイオード等の組み合わせ構成を有する。
14は、制御用出力安定回路であり、例えば、オペアンプ141、NPNタイプのトランジスタ142等の組み合わせによるフォロワ回路が用いられる。
15は、電圧調整用の可変抵抗回路であり、アナログタイプの可変抵抗器、デジタル選択タイプの抵抗アレイの組み合わせ等で構成され、ワンチップのマイコンを利用する場合は、デジタル選択タイプの抵抗アレイを用いることが好ましい。
16は、制御用スイッチング回路であり、制御用入力に対し、所定の閾値電圧Vrefを持つものであればよく、例えば、オンオフ閾値Vrefが0.7V前後のトランジスタ、電界効果トランジスタ(FET;Field Effect Transistor)、ゲート回路等さまざまな回路構成を用いることができる。ここでは、オンオフ閾値を0.7V前後もつNPNタイプのトランジスタを用いた。
17は、スイッチング駆動部であり、オン抵抗が小さいものであれば、トランジスタ、PUT、サイリスタ、TD等の負性抵抗素子であってもよい。ここでは、NチャネルタイプのFETを用いた。
サージアブソーバ11は、一端がヒューズHを介して商用電源を入力する入力端Vinに並列に接続している。入力端Vinには、家庭用又は商用の2端子コンセントに対するプラグ、3端子コンセントに対する3端子プラグが接続される。
整流回路12の入力側は、サージアブソーバ11の一端及びヒューズHを介して、入力端Vinと接続し、出力側は、分圧部13及び出力端Voutの一端と接続している。
分圧部13は、制御用出力安定回路14を構成するオペアンプ141の入力端の一つと接続する。
制御用出力安定回路14のオペアンプ141の出力端は、NPNタイプのトランジスタ142のベースに接続し、トランジスタ142のエミッタは、可変抵抗回路15の一端及び制御用出力安定回路14を構成するオペアンプ141の他の入力端と接続する。
可変抵抗回路15の他端は、制御用スイッチング回路16のベースに接続し、コレクタは、抵抗を介して電源電圧Vccと接続している。
電源電圧Vccは、例えば、オペアンプを動作させるための電圧、NPNトランジスタのコレクタ電圧等を示し、電源電圧Vccを形成するための回路が別途用意されている。
制御用スイッチング回路16のコレクタには、スイッチング駆動部17のゲートが接続する。
スイッチング駆動部17のドレイン側は、出力端Voutの他端と接続し、ソース側は、整流回路12の出力端の他端と接続している(接地している)。なお、出力端Voutの両端には、電気泳動用の電極が接続されるが、極性切換器を介して接続される場合もある。
電気泳動用の電極としては、例えば第6図で示すようなサブマリンタイプの電気泳動槽内の白金製の電極対601及び602が示される。
ここで、第6図について説明する。なお、第6図は、サブマリンタイプの電気泳動装置の断面の一例を示すものであり、電源部600の内部構造は省略してある。
第6図において、電源部600の内部には第1図、第3図等で示す回路が内蔵され、その他、電源電圧Vcc発生回路が含まれ、上方向の表面には、例えばオンオフスイッチ、極性切替スイッチ、出力調整スイッチ、表示LED等が必要に応じて配置されている。また、電源部600のVoutは、第1図、第3図等で示すVoutと同じである。
61は、電気泳動槽であり、中央には担体63を置くために上方向へ突出した栽置部が形成されている。
電気泳動槽61の左右両底面には、白金やその他の貴金属等で形成されるワイヤー状の電極601及び602が配置され、担体63を覆うように緩衝液62が注入されている。
次いで、第1で示した実施形態の動作を、第2図を参照して説明する。
第1図で示す入力端Vinには商用電源交流電圧が入力される。電圧値は、国内であれば、100V前後であるが、構成する素子の定格を調整すれば、欧米で使用されている240V前後の交流電圧を供給可能とすることができる。
入力端Vinに接続したプラグを例えば家庭用のコンセントに挿入した状態で動作を開始させる。
入力された交流電圧は、サージアブソーバ11を介して整流回路12に供給され、第2図(a)で示す全波整流波形ZMを有する電気出力を行う。
分圧部13では、整流回路12の整流電圧が分圧される。さらに、この分圧整流電圧は、電源電圧Vcc以下の電圧に調整されながら、制御用出力安定回路14に供給される。
制御用出力安定回路14では、電源電圧Vcc以下の電圧で更に制御用スイッチング回路16を作動させるための制御信号に安定化される。
可変抵抗回路15は、制御用出力安定回路14の出力信号電圧を可変的に分圧した信号を制御用スイッチング回路16のベース部へ供給する。
可変抵抗回路15を調整して、接続点1bに第2図(b)で示す制御出力GV0を出力する。制御出力GV0は、制御用スイッチング回路16を構成するトランジスタ固有の閾値電圧Vrefを越えないため、制御用スイッチング回路16はオフしている。スイッチング駆動部17へは、電源電圧Vccが加わった状態が維持され、スイッチング駆動部17は、オフすることなく、第1図で示す出力端Voutは、第2図(c)で示す全波整流波形ZMを出力する。
可変抵抗回路15を調整して、制御用スイッチング回路16のベースに入力される制御信号が第2図(d)のGV1となるようにすると、制御信号GV1が、閾値Vrefを越えた時、制御用スイッチング回路16がオンし、スイッチング駆動部17へ電源電圧Vccが供給されなくなり、スイッチング駆動部17は、オフする。
スイッチング駆動部17がオフすると出力端Voutに出力されていた電気泳動用出力も停止する。
分圧した制御信号GV1が下降し、制御用スイッチング回路16の閾値Vrefより下回ると制御用スイッチング回路16は、オフし、スイッチング駆動部17は、電源電圧Vccがゲートに供給されることによりオンする。
出力端Voutへは、第2図(e)で示す波形のように中心が抜けた波形Mが出力され、電圧値Vmは、例えば第2図(a)で示す周期T1の全波整流の波高値Vsを240V、面積をZMTで表し、第2図(b)で示す面積をMTで表すと、周期T1において、次式で示すような関係となる。
Vm=(MT×4÷ZMT×2)×240(V)
次いで、可変抵抗回路15を調整して、制御用スイッチング回路16へ出力される制御信号を第2図(f)で示すGV2とすると、制御用スイッチング回路16の閾値電圧Vrefに対して制御信号GV2が大きくなった分、制御用スイッチング回路16は、短時間でオンする。制御用スイッチング回路16がオンすると、上述のようにスイッチング駆動部17は、オフするが、その際、スイッチング駆動部17のゲートに入力されている電圧に基づき、第2図(c)で示すように電源電圧Vccの振幅値を示す最低出力電圧が、出力端Voutに矩形波状の波形Sの出力がされる。その際の電圧値Vsは、第2図(c)で示す一つの出力波形の面積をSTとすると、周期T1において、次のような値となる。
Vs=(ST×2÷ZMT×2)×220(V)
本形態で示す閾値電圧の決定は、制御用スイッチング回路16を構成する素子の固有値に基づくため、改めて回路を構成する必要がなく、簡易的な回路を形成するのに役立ち、泳動槽と電源を一体化する簡易型電気泳動装置には好適であるが、これに限るものではない。
〔第2の実施形態〕
さらに安定した電気泳動出力を行う実施形態を、第6図を参照しながら説明する。
第6図において、参照番号17aは、第1図のスイッチング駆動部17と同様のスイッチングFETであり、ドレイン側が、整流回路12の出力端、及び2つの直列ダイオード17bと接続し、ソース側が、出力端Voutと接続する。
2つの直列ダイオード17bは、制御用スイッチング回路16の出力によりスイッチング駆動部17aにスイッチング駆動を行わせるべく電圧降下1.4V程度を得るために直列接続したものである。
スイッチング駆動部17aのゲートは、制御用スイッチング回路16を構成するトランジスタのコレクタ側に接続する。
その他は、先に説明した第1図と同じ構成を有するものであるから、その説明は省略する。
第6図で示す実施形態の動作は、第2図で示す出力波形とほぼ同様であるが、本形態の場合、スイッチング駆動部17aのソース側が、電気泳動槽側の負荷に接続されている。
スイッチング駆動部17aのスイッチングのスイッチング駆動は、制御用スイッチング回路16の出力によって行われるが、スイッチング駆動部17aのスイッチング駆動の際、負荷の影響がない接続構成を有している為、安定したパルス出力が行われる。
〔第3の実施形態〕
安全回路を備えた他の実施形態を、第3図を参照しながら説明する。
第3図は、第1図に示し、先に説明した実施形態に安全回路を付加したものである。よって、第1図で説明した部分は、同一番号を付して説明を省略した。なお、制御用スイッチング回路16のコレクタとスイッチング駆動部17のゲート間には、スイッチング駆動部17方向に順接続したダイオードD1が接続されている。
第3図において、参照番号18は、参照用抵抗であり、出力端Vout及び泳動槽内の電極、緩衝液、生体試料が適用されたゲル等を介して流れる電流により電位差を生じさせる。
抵抗19とコンデンサ20は、平均化回路を形成している。
21は、比較制御回路であり、オペアンプなどで構成され、入力部の一方を参照電圧Vref2とするように設定構成され、入力端の他方が、前記平均化回路に接続されており、参照電圧Vref2よりも上回った場合は、オンするような構成を有する。
参照用抵抗18の一端は、整流回路12の出力端の他端と接続し、参照用抵抗18の他端は、スイッチング駆動部17のソースと接続すると共に抵抗19の一端と接続する。
抵抗19の他端は、一端が接地したコンデンサ20の他端及びアノードが電源Vccと接続したカソード側及びカソードが接地したダイオードのアノード側に接続しながら、比較制御回路21の入力端の一つと接続している。比較制御回路21の他端は、一端が接地した抵抗及び電源Vcc、及び比較制御回路21の出力端と一端と接続した抵抗の他端と接続している。
さらに、比較制御回路21の出力端は、ダイオードD2のアノード側に接続している。
ダイオードD2のカソード側は、制御用スイッチング回路16のコレクタ及びダイオードD1のカソード側と接続している。
次いで、第3図で示す安全回路の動作を説明する。
出力端Voutに接続された電極対及び緩衝液、生体試料が適用された担体を介して流れる電流は、参照用抵抗18において、電位差を生じさせ、この電位差は、抵抗19,コンデンサ20により構成される平均化回路で平均化されて、比較制御回路21の一端に入力される。
比較制御回路21は、他端に供給されている閾値電圧Vtref2と、一端に入力された平均電圧とを比較し、平均電圧が、閾値電圧Vref2を越えた時、異常電流が流れていると判断して、比較制御回路21の出力端がオンしてローレベルとなる。
比較制御回路21がオンすることで、ダイオードD2及びダイオードD1を介して接続したスイッチング駆動部17のゲートがローレベルとなるためオフして制御用スイッチング回路16の動作にかかわらず、出力端Voutの出力は停止する。
平均化回路のコンデンサ20が放電し、比較制御回路21の一端の電圧が、参照電圧Vref2を下回った時、比較制御回路21の出力端はオフして、ハイレベルとなり、再び出力端Voutに対し、制御用スイッチング回路16のスイッチング動作に従い、スイッチング駆動部17は、スイッチング駆動を行う。
〔第4の実施形態〕
他の実施形態を、第4図及び第5図を参照しながら説明する。
第4図は、第1図で示し、先に説明した実施形態にダイオード41及びコンデンサ42からなる平滑的な回路を加えたものである。その他は、第1図と同一の構成を示すものである。よって、第1図で説明した部分は、同一番号を付して説明を省略した。また、第5図は、第4図で示す回路の各部動作波形図である。
第4図で示す実施形態は、出力端Voutから出力される電気泳動出力を平滑化してパルス状に成形した出力を行うことができる。
ここで、入力端Vinに接続したプラグを例えば家庭用のコンセントに挿入した状態で動作を開始させる。
入力された交流電圧は、サージアブソーバ11を介して整流回路12に供給され、第4図で示す接続点4aには、第5図(a)で示す全波整流波形ZMが出力される。
第4図で示す可変抵抗回路15を調整して、接続点4bで表れる制御波形を第5図(b)で示す5bとすることで、制御波形が、制御用スイッチング回路16の閾値Vrefを越えることが無いようにすると、出力端Voutへ出力される電気泳動出力は、第5図(b)の5cで示すような直流に近い出力として出力される。
次に、可変抵抗回路15を調整して、接続点4bの制御出力を第5図(c)の5dに示すようにすると、制御出力5dが、閾値電圧を超えている範囲で、制御用スイッチング回路16がオンすると共にスイッチング駆動部17がオフすることで、出力端Voutへの出力が遮断される。この結果、出力端Voutに出力される電気泳動出力は、第5図(d)で示す矩形状の出力波形5eとなる。第5図(b)及び(e)で示す波形5eは、負荷が接続されていない状態での見かけ上の波形であり、実際は泳動時の緩衝液、泳動ゲルによる負荷の値で変化する。
なお、第4図で示す実施形態のような平滑的回路は、第6図で示す回路にもさらに組み込むこともできる。
〔第5の実施形態〕
タイマーにより出力を停止させる機能や、出力状態を表示するためのマイコンを備えた他の実施形態を、第8図を参照しながら説明する。なお、第8図は、第1図に示し、先に説明した実施形態にタイマーやマイコンを付加したものである。よって、第1図で説明した部分は、同一番号を付して説明を省略した。
第8図において、参照番号151は、抵抗アレイであり、一端は、トランジスタ142のエミッタと接続し、他端は、アナログスイッチ153と接続する。
アナログスイッチ153のスイッチ制御入力部には、マイコン154が接続され、アナログスイッチ153のアナログ出力端には、他端が接地した抵抗152の一端及び制御用スイッチング回路16を構成するトランジスタのベースに接続する。
154は、マイコンであり、4ビット程度の処理能力を有するものが示されるが、これに限るものではなく、ゲートアレイ等、処理能力を特化したカスタムICが例示される。
155は、表示部であり、タイマー表示、出力表示、泳動状態等を表示するためのものであって、LED、液晶画面等が利用される。
マイコン154は、予めプログラムが内蔵されており、図示していないが、入力用スイッチを備えている。
マイコン154は、ユーザによる入力用スイッチの操作により、内蔵するプログラムを実行させ、アナログスイッチ153へ抵抗アレイ151の一つを選択させ、出力端と接続するための命令を出力する。この選択された抵抗と抵抗152により決定される抵抗比により、制御用スイッチング回路16のベースへ供給される分圧電圧が設定される。
制御用スイッチング回路16のベースに入力する分圧された信号がトランジスタ固有のオン電圧で決定されている閾値電圧Vrefを越えると、制御用スイッチング回路16がオンし、スイッチング駆動部17をオフさせる。
制御用スイッチング回路16のベースに入力する分圧された信号が閾値電圧Vrefを下回ると、制御用スイッチング回路16はオフし、スイッチング駆動部17をオンさせる。
マイコン154が、アナログスイッチ153に抵抗アレイ151の抵抗の一つを選択する信号を出力することにより、選択された抵抗アレイ151の抵抗と、抵抗152で決定される分圧電圧をプログラムにより任意に設定することができる。泳動用出力も、予めプログラムされた電圧を出力し、任意の泳動時間をタイマー機能によって設定できる。
〔簡易電気泳動装置〕
本発明は、先に第6図を参照して説明したように、本発明の電源を電気泳動槽と組み合わせて一体的に備えた簡易電気泳動装置にある。ここで、簡易電気泳動装置は、図示したサブマリンタイプの簡易電気泳動装置に限定されるものではなく、その他の簡易電気泳動装置も包含することができる。その他の簡易電気泳動装置の一例として、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、分離型簡易電気泳動装置、縦型簡易電気泳動装置、横型簡易電気泳動装置、円柱(ディスク)型簡易電気泳動装置、キャピラリー型簡易電気泳動装置、チップ型簡易電気泳動装置などを挙げることができる。
本発明の実施において、試料の種類や分析条件の詳細は、特に限定されるものではなく、本発明の範囲において任意に変更することができる。例えば、分離及び分析されるべき試料は、好ましくは生体試料であり、具体的には、例えばDNA、RNA、タンパク質等の生体分子を挙げることができる。
本発明による電気泳動装置は、上記したように電源に変更がある相違点を除いて、その必須の構成要素として、常用の電気泳動装置と同様な構成要素を有することができる。すなわち、本発明の電気泳動装置は、1基もしくはそれ以上の電気泳動槽と、電気泳動槽内に配置された陽極及び陰極からなる一対の電極あるいは陽極及び陰極のいずれか一方(電気泳動槽ごとに電極を使い分ける場合)と、電気泳動槽内に収容された緩衝液とを含んで構成される。なお、本発明の電気泳動装置は、これらの構成要素の他に、追加の構成要素、例えばパルス出力又は直流出力用の電源、緩衝液排出口、泳動カバー、ゲルトレー、コームなどを備えることができる。以下、主たる構成要素について説明する。
電気泳動槽
電気泳動槽は、任意の形状を有することができるが、通常、ボックス型、円筒型、円柱型などである。取扱い性や他の構成要素の取付け、コンパクト化などを考慮した場合、ボックス型の電気泳動槽の使用が推奨される。電気泳動槽のサイズは特に限定されないが、本発明の電気泳動槽は、その特定の構成に由来して小型化することができる。例えば、コンパクトな電気泳動装置の一例を示すと、幅130mm前後、長さ120mm前後及び深さ50mm前後、緩衝液容量250mL前後のボックス型電気泳動槽を挙げることができる。また、電気泳動槽の材料は、電解液などに対して耐性があり、長期間にわたって安定に使用することができる限りにおいて特に限定されるものではない。電気泳動槽は、一般に、ステンレス鋼板などの金属板のフォーミング加工によって製造するか、例えばポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂などのプラスチック材料の成形によって製造することができる。場合によっては、FRPを材料に使用してもよい。
電気泳動槽は、1基で使用してもよく、必要に応じて2基もしくはそれ以上の電気泳動槽を連結して使用してもよい。例えば、サブマリン型の電気泳動装置では1基の電気泳動槽を使用するのが一般的であるが、縦型の電気泳動装置や円柱型、キャピラリー型等の電気泳動装置では2基の電気泳動槽を組み合わせて使用するのが一般的である。2基以上の電気泳動槽を使用する場合には、それぞれの泳動槽を任意の連通部材で接続し、緩衝液の移動を図ることができる。連通部材としては、例えば、毛細管、中空チューブなどを挙げることができる。なお、複数の泳動槽を使用する場合、それぞれの泳動槽の形状、サイズなどは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
電極
電極は、電気泳動装置において一般的に使用されている電極であってよく、その材質、形状、サイズなどが特に限定されるものではない。例えば、陽極は、緩衝液などに対して耐性を有する導電性の材料、例えば白金、白金めっき材料、カーボンなどから細線、ロッド、薄膜、薄板などの形で形成することができる。陽極のサイズは、上記したサイズのボックス型泳動槽に細線(白金)からなる陽極を取付けた場合を例にとると、長さ122mm前後×直径0.25mm前後である。
陽極と同様に、陰極も、その材質、形状、サイズなどが特に限定されるものではない。陽極と同様な材料から、同様な形状及び同様なサイズで形成することができる。
緩衝液
電気泳動槽で用いられる緩衝液は、電気泳動装置で一般的に使用されている緩衝液であってよい。緩衝液は、通常、電解質と、電解質を溶解した溶媒とを含んで構成され、必要に応じて任意の添加剤が併用される。
電解質:
電解質は、電気泳動装置の緩衝液で一般的に使用されている化合物であってよい。適当な電解質は、例えば、以下に列挙するような化合物を包含する。なお、下記の化合物名において、その後に括弧で括って示す文字又は略号は、該当する化合物の通称名である。なお、下記の化合物は、単独で使用してもよく、2種類もしくはそれ以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、酢酸、N−(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロライド(CHOLAMINE)、アスコルビン酸、アンモニア溶液、バルビツール酸、ベンゼンケキサカルボン酸(mellitic)、ベンゼンペンタカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸(pyromellitic)、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸(hemimellitic)、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸(trimesic)、安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ギリシン(BICINE)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(BIS−TRIS)、ホウ酸、ブルシンテトラハイドレート、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、n−酪酸、炭酸、クエン酸、シクロヘキサン二酢酸、3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、シクロペンタン二酢酸、シクロペンタン二酢酸(3,3−テトラメチレングルタル酸)、シクロペンタンテトラ−1,2,3,4−カルボン酸、ジエチルアミン、ジメチルアミン、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ジメチルマロン酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,2−ジエチルコハク酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(EMTA)、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、蟻酸、フマル酸、グリセロリン酸、グリシンアミド、グリシン、N−グリシルグリシン、馬尿酸、ヒスチジン、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタンスルホン酸(HEPES)、ヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシエチルイミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(MONO−TRIS)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、イミダゾール、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メチルアミン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリスカルボン酸、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)、2−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)、硝酸、蓚酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(tricarballyllic)、ピロリン酸、リン酸、フタル酸、1,4−ピペラジンビス(エタンスルホン酸)(PIPES)、プロピオン酸、ピリジン、サリチル酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(TRICINE)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、トリメチルアミン、その他。
また、これらの化合物において、その化合物が酸である場合は、酸としての使用のほかに、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、モリブデン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、錫、アルミニウム等の金属イオンとの複合された化合物としての使用も包含する。また、塩基である場合は、以下の任意の酸との複合された化合物としての使用も包含する。
溶媒:
電解質は、緩衝液を調製するため、任意の溶媒に溶解して用いられる。適当な溶媒としては、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、水、重水あるいは水溶性の有機溶媒、例えば一価、二価、三価もしくはそれよりも多価のアルコール、第一級、第二級、第三級もしくはそれよりも高級のアルコール、アセトニトリル、アセトン、アセチルアセトン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、N−エチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコール、N−メチルアミド、ピリジン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
特に、本発明は、簡易な構成でありながら、泳動用の電気出力を可変できる電源を提供できることから、電源と電気泳動槽が一体化されたサブマリン型の電気泳動装置に好適であり、しかし、その他のタイプの電気泳動装置、例えば、電気泳動槽と電源を別々にした分離型の電気泳動装置、縦型の電気泳動装置などにも本発明は有効に利用できる。
また、入力される電源は、商用電源からの交流電気出力であれば特に限定されるものではなく、100Vを問わず、欧米の商用電源で用いられている200V前後であってもよい。本発明では、その他の回路構成を要することなく出力電圧を自在に変えることができる電気泳動出力を形成することができる。
〔第1の実施形態〕
第1図において、参照番号11は、サージアブソーバであり、商用電源路中に混入するピークが高いスパイク状の電気出力を、短絡的に吸収しようとするものである。
12は、ブリッジタイプの整流回路であり、接続する端子によって、全波整流出力、半波整流出力が得られるが、本実施例では全波整流出力を行うものとして利用した。
13は、分圧部であり、全波整流出力から、制御用出力を得るための分圧と、オペアンプ入力に適した電圧範囲を得るためのクランプダイオード等の組み合わせ構成を有する。
14は、制御用出力安定回路であり、例えば、オペアンプ141、NPNタイプのトランジスタ142等の組み合わせによるフォロワ回路が用いられる。
15は、電圧調整用の可変抵抗回路であり、アナログタイプの可変抵抗器、デジタル選択タイプの抵抗アレイの組み合わせ等で構成され、ワンチップのマイコンを利用する場合は、デジタル選択タイプの抵抗アレイを用いることが好ましい。
16は、制御用スイッチング回路であり、制御用入力に対し、所定の閾値電圧Vrefを持つものであればよく、例えば、オンオフ閾値Vrefが0.7V前後のトランジスタ、電界効果トランジスタ(FET;Field Effect Transistor)、ゲート回路等さまざまな回路構成を用いることができる。ここでは、オンオフ閾値を0.7V前後もつNPNタイプのトランジスタを用いた。
17は、スイッチング駆動部であり、オン抵抗が小さいものであれば、トランジスタ、PUT、サイリスタ、TD等の負性抵抗素子であってもよい。ここでは、NチャネルタイプのFETを用いた。
サージアブソーバ11は、一端がヒューズHを介して商用電源を入力する入力端Vinに並列に接続している。入力端Vinには、家庭用又は商用の2端子コンセントに対するプラグ、3端子コンセントに対する3端子プラグが接続される。
整流回路12の入力側は、サージアブソーバ11の一端及びヒューズHを介して、入力端Vinと接続し、出力側は、分圧部13及び出力端Voutの一端と接続している。
分圧部13は、制御用出力安定回路14を構成するオペアンプ141の入力端の一つと接続する。
制御用出力安定回路14のオペアンプ141の出力端は、NPNタイプのトランジスタ142のベースに接続し、トランジスタ142のエミッタは、可変抵抗回路15の一端及び制御用出力安定回路14を構成するオペアンプ141の他の入力端と接続する。
可変抵抗回路15の他端は、制御用スイッチング回路16のベースに接続し、コレクタは、抵抗を介して電源電圧Vccと接続している。
電源電圧Vccは、例えば、オペアンプを動作させるための電圧、NPNトランジスタのコレクタ電圧等を示し、電源電圧Vccを形成するための回路が別途用意されている。
制御用スイッチング回路16のコレクタには、スイッチング駆動部17のゲートが接続する。
スイッチング駆動部17のドレイン側は、出力端Voutの他端と接続し、ソース側は、整流回路12の出力端の他端と接続している(接地している)。なお、出力端Voutの両端には、電気泳動用の電極が接続されるが、極性切換器を介して接続される場合もある。
電気泳動用の電極としては、例えば第6図で示すようなサブマリンタイプの電気泳動槽内の白金製の電極対601及び602が示される。
ここで、第6図について説明する。なお、第6図は、サブマリンタイプの電気泳動装置の断面の一例を示すものであり、電源部600の内部構造は省略してある。
第6図において、電源部600の内部には第1図、第3図等で示す回路が内蔵され、その他、電源電圧Vcc発生回路が含まれ、上方向の表面には、例えばオンオフスイッチ、極性切替スイッチ、出力調整スイッチ、表示LED等が必要に応じて配置されている。また、電源部600のVoutは、第1図、第3図等で示すVoutと同じである。
61は、電気泳動槽であり、中央には担体63を置くために上方向へ突出した栽置部が形成されている。
電気泳動槽61の左右両底面には、白金やその他の貴金属等で形成されるワイヤー状の電極601及び602が配置され、担体63を覆うように緩衝液62が注入されている。
次いで、第1で示した実施形態の動作を、第2図を参照して説明する。
第1図で示す入力端Vinには商用電源交流電圧が入力される。電圧値は、国内であれば、100V前後であるが、構成する素子の定格を調整すれば、欧米で使用されている240V前後の交流電圧を供給可能とすることができる。
入力端Vinに接続したプラグを例えば家庭用のコンセントに挿入した状態で動作を開始させる。
入力された交流電圧は、サージアブソーバ11を介して整流回路12に供給され、第2図(a)で示す全波整流波形ZMを有する電気出力を行う。
分圧部13では、整流回路12の整流電圧が分圧される。さらに、この分圧整流電圧は、電源電圧Vcc以下の電圧に調整されながら、制御用出力安定回路14に供給される。
制御用出力安定回路14では、電源電圧Vcc以下の電圧で更に制御用スイッチング回路16を作動させるための制御信号に安定化される。
可変抵抗回路15は、制御用出力安定回路14の出力信号電圧を可変的に分圧した信号を制御用スイッチング回路16のベース部へ供給する。
可変抵抗回路15を調整して、接続点1bに第2図(b)で示す制御出力GV0を出力する。制御出力GV0は、制御用スイッチング回路16を構成するトランジスタ固有の閾値電圧Vrefを越えないため、制御用スイッチング回路16はオフしている。スイッチング駆動部17へは、電源電圧Vccが加わった状態が維持され、スイッチング駆動部17は、オフすることなく、第1図で示す出力端Voutは、第2図(c)で示す全波整流波形ZMを出力する。
可変抵抗回路15を調整して、制御用スイッチング回路16のベースに入力される制御信号が第2図(d)のGV1となるようにすると、制御信号GV1が、閾値Vrefを越えた時、制御用スイッチング回路16がオンし、スイッチング駆動部17へ電源電圧Vccが供給されなくなり、スイッチング駆動部17は、オフする。
スイッチング駆動部17がオフすると出力端Voutに出力されていた電気泳動用出力も停止する。
分圧した制御信号GV1が下降し、制御用スイッチング回路16の閾値Vrefより下回ると制御用スイッチング回路16は、オフし、スイッチング駆動部17は、電源電圧Vccがゲートに供給されることによりオンする。
出力端Voutへは、第2図(e)で示す波形のように中心が抜けた波形Mが出力され、電圧値Vmは、例えば第2図(a)で示す周期T1の全波整流の波高値Vsを240V、面積をZMTで表し、第2図(b)で示す面積をMTで表すと、周期T1において、次式で示すような関係となる。
Vm=(MT×4÷ZMT×2)×240(V)
次いで、可変抵抗回路15を調整して、制御用スイッチング回路16へ出力される制御信号を第2図(f)で示すGV2とすると、制御用スイッチング回路16の閾値電圧Vrefに対して制御信号GV2が大きくなった分、制御用スイッチング回路16は、短時間でオンする。制御用スイッチング回路16がオンすると、上述のようにスイッチング駆動部17は、オフするが、その際、スイッチング駆動部17のゲートに入力されている電圧に基づき、第2図(c)で示すように電源電圧Vccの振幅値を示す最低出力電圧が、出力端Voutに矩形波状の波形Sの出力がされる。その際の電圧値Vsは、第2図(c)で示す一つの出力波形の面積をSTとすると、周期T1において、次のような値となる。
Vs=(ST×2÷ZMT×2)×220(V)
本形態で示す閾値電圧の決定は、制御用スイッチング回路16を構成する素子の固有値に基づくため、改めて回路を構成する必要がなく、簡易的な回路を形成するのに役立ち、泳動槽と電源を一体化する簡易型電気泳動装置には好適であるが、これに限るものではない。
〔第2の実施形態〕
さらに安定した電気泳動出力を行う実施形態を、第6図を参照しながら説明する。
第6図において、参照番号17aは、第1図のスイッチング駆動部17と同様のスイッチングFETであり、ドレイン側が、整流回路12の出力端、及び2つの直列ダイオード17bと接続し、ソース側が、出力端Voutと接続する。
2つの直列ダイオード17bは、制御用スイッチング回路16の出力によりスイッチング駆動部17aにスイッチング駆動を行わせるべく電圧降下1.4V程度を得るために直列接続したものである。
スイッチング駆動部17aのゲートは、制御用スイッチング回路16を構成するトランジスタのコレクタ側に接続する。
その他は、先に説明した第1図と同じ構成を有するものであるから、その説明は省略する。
第6図で示す実施形態の動作は、第2図で示す出力波形とほぼ同様であるが、本形態の場合、スイッチング駆動部17aのソース側が、電気泳動槽側の負荷に接続されている。
スイッチング駆動部17aのスイッチングのスイッチング駆動は、制御用スイッチング回路16の出力によって行われるが、スイッチング駆動部17aのスイッチング駆動の際、負荷の影響がない接続構成を有している為、安定したパルス出力が行われる。
〔第3の実施形態〕
安全回路を備えた他の実施形態を、第3図を参照しながら説明する。
第3図は、第1図に示し、先に説明した実施形態に安全回路を付加したものである。よって、第1図で説明した部分は、同一番号を付して説明を省略した。なお、制御用スイッチング回路16のコレクタとスイッチング駆動部17のゲート間には、スイッチング駆動部17方向に順接続したダイオードD1が接続されている。
第3図において、参照番号18は、参照用抵抗であり、出力端Vout及び泳動槽内の電極、緩衝液、生体試料が適用されたゲル等を介して流れる電流により電位差を生じさせる。
抵抗19とコンデンサ20は、平均化回路を形成している。
21は、比較制御回路であり、オペアンプなどで構成され、入力部の一方を参照電圧Vref2とするように設定構成され、入力端の他方が、前記平均化回路に接続されており、参照電圧Vref2よりも上回った場合は、オンするような構成を有する。
参照用抵抗18の一端は、整流回路12の出力端の他端と接続し、参照用抵抗18の他端は、スイッチング駆動部17のソースと接続すると共に抵抗19の一端と接続する。
抵抗19の他端は、一端が接地したコンデンサ20の他端及びアノードが電源Vccと接続したカソード側及びカソードが接地したダイオードのアノード側に接続しながら、比較制御回路21の入力端の一つと接続している。比較制御回路21の他端は、一端が接地した抵抗及び電源Vcc、及び比較制御回路21の出力端と一端と接続した抵抗の他端と接続している。
さらに、比較制御回路21の出力端は、ダイオードD2のアノード側に接続している。
ダイオードD2のカソード側は、制御用スイッチング回路16のコレクタ及びダイオードD1のカソード側と接続している。
次いで、第3図で示す安全回路の動作を説明する。
出力端Voutに接続された電極対及び緩衝液、生体試料が適用された担体を介して流れる電流は、参照用抵抗18において、電位差を生じさせ、この電位差は、抵抗19,コンデンサ20により構成される平均化回路で平均化されて、比較制御回路21の一端に入力される。
比較制御回路21は、他端に供給されている閾値電圧Vtref2と、一端に入力された平均電圧とを比較し、平均電圧が、閾値電圧Vref2を越えた時、異常電流が流れていると判断して、比較制御回路21の出力端がオンしてローレベルとなる。
比較制御回路21がオンすることで、ダイオードD2及びダイオードD1を介して接続したスイッチング駆動部17のゲートがローレベルとなるためオフして制御用スイッチング回路16の動作にかかわらず、出力端Voutの出力は停止する。
平均化回路のコンデンサ20が放電し、比較制御回路21の一端の電圧が、参照電圧Vref2を下回った時、比較制御回路21の出力端はオフして、ハイレベルとなり、再び出力端Voutに対し、制御用スイッチング回路16のスイッチング動作に従い、スイッチング駆動部17は、スイッチング駆動を行う。
〔第4の実施形態〕
他の実施形態を、第4図及び第5図を参照しながら説明する。
第4図は、第1図で示し、先に説明した実施形態にダイオード41及びコンデンサ42からなる平滑的な回路を加えたものである。その他は、第1図と同一の構成を示すものである。よって、第1図で説明した部分は、同一番号を付して説明を省略した。また、第5図は、第4図で示す回路の各部動作波形図である。
第4図で示す実施形態は、出力端Voutから出力される電気泳動出力を平滑化してパルス状に成形した出力を行うことができる。
ここで、入力端Vinに接続したプラグを例えば家庭用のコンセントに挿入した状態で動作を開始させる。
入力された交流電圧は、サージアブソーバ11を介して整流回路12に供給され、第4図で示す接続点4aには、第5図(a)で示す全波整流波形ZMが出力される。
第4図で示す可変抵抗回路15を調整して、接続点4bで表れる制御波形を第5図(b)で示す5bとすることで、制御波形が、制御用スイッチング回路16の閾値Vrefを越えることが無いようにすると、出力端Voutへ出力される電気泳動出力は、第5図(b)の5cで示すような直流に近い出力として出力される。
次に、可変抵抗回路15を調整して、接続点4bの制御出力を第5図(c)の5dに示すようにすると、制御出力5dが、閾値電圧を超えている範囲で、制御用スイッチング回路16がオンすると共にスイッチング駆動部17がオフすることで、出力端Voutへの出力が遮断される。この結果、出力端Voutに出力される電気泳動出力は、第5図(d)で示す矩形状の出力波形5eとなる。第5図(b)及び(e)で示す波形5eは、負荷が接続されていない状態での見かけ上の波形であり、実際は泳動時の緩衝液、泳動ゲルによる負荷の値で変化する。
なお、第4図で示す実施形態のような平滑的回路は、第6図で示す回路にもさらに組み込むこともできる。
〔第5の実施形態〕
タイマーにより出力を停止させる機能や、出力状態を表示するためのマイコンを備えた他の実施形態を、第8図を参照しながら説明する。なお、第8図は、第1図に示し、先に説明した実施形態にタイマーやマイコンを付加したものである。よって、第1図で説明した部分は、同一番号を付して説明を省略した。
第8図において、参照番号151は、抵抗アレイであり、一端は、トランジスタ142のエミッタと接続し、他端は、アナログスイッチ153と接続する。
アナログスイッチ153のスイッチ制御入力部には、マイコン154が接続され、アナログスイッチ153のアナログ出力端には、他端が接地した抵抗152の一端及び制御用スイッチング回路16を構成するトランジスタのベースに接続する。
154は、マイコンであり、4ビット程度の処理能力を有するものが示されるが、これに限るものではなく、ゲートアレイ等、処理能力を特化したカスタムICが例示される。
155は、表示部であり、タイマー表示、出力表示、泳動状態等を表示するためのものであって、LED、液晶画面等が利用される。
マイコン154は、予めプログラムが内蔵されており、図示していないが、入力用スイッチを備えている。
マイコン154は、ユーザによる入力用スイッチの操作により、内蔵するプログラムを実行させ、アナログスイッチ153へ抵抗アレイ151の一つを選択させ、出力端と接続するための命令を出力する。この選択された抵抗と抵抗152により決定される抵抗比により、制御用スイッチング回路16のベースへ供給される分圧電圧が設定される。
制御用スイッチング回路16のベースに入力する分圧された信号がトランジスタ固有のオン電圧で決定されている閾値電圧Vrefを越えると、制御用スイッチング回路16がオンし、スイッチング駆動部17をオフさせる。
制御用スイッチング回路16のベースに入力する分圧された信号が閾値電圧Vrefを下回ると、制御用スイッチング回路16はオフし、スイッチング駆動部17をオンさせる。
マイコン154が、アナログスイッチ153に抵抗アレイ151の抵抗の一つを選択する信号を出力することにより、選択された抵抗アレイ151の抵抗と、抵抗152で決定される分圧電圧をプログラムにより任意に設定することができる。泳動用出力も、予めプログラムされた電圧を出力し、任意の泳動時間をタイマー機能によって設定できる。
〔簡易電気泳動装置〕
本発明は、先に第6図を参照して説明したように、本発明の電源を電気泳動槽と組み合わせて一体的に備えた簡易電気泳動装置にある。ここで、簡易電気泳動装置は、図示したサブマリンタイプの簡易電気泳動装置に限定されるものではなく、その他の簡易電気泳動装置も包含することができる。その他の簡易電気泳動装置の一例として、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、分離型簡易電気泳動装置、縦型簡易電気泳動装置、横型簡易電気泳動装置、円柱(ディスク)型簡易電気泳動装置、キャピラリー型簡易電気泳動装置、チップ型簡易電気泳動装置などを挙げることができる。
本発明の実施において、試料の種類や分析条件の詳細は、特に限定されるものではなく、本発明の範囲において任意に変更することができる。例えば、分離及び分析されるべき試料は、好ましくは生体試料であり、具体的には、例えばDNA、RNA、タンパク質等の生体分子を挙げることができる。
本発明による電気泳動装置は、上記したように電源に変更がある相違点を除いて、その必須の構成要素として、常用の電気泳動装置と同様な構成要素を有することができる。すなわち、本発明の電気泳動装置は、1基もしくはそれ以上の電気泳動槽と、電気泳動槽内に配置された陽極及び陰極からなる一対の電極あるいは陽極及び陰極のいずれか一方(電気泳動槽ごとに電極を使い分ける場合)と、電気泳動槽内に収容された緩衝液とを含んで構成される。なお、本発明の電気泳動装置は、これらの構成要素の他に、追加の構成要素、例えばパルス出力又は直流出力用の電源、緩衝液排出口、泳動カバー、ゲルトレー、コームなどを備えることができる。以下、主たる構成要素について説明する。
電気泳動槽
電気泳動槽は、任意の形状を有することができるが、通常、ボックス型、円筒型、円柱型などである。取扱い性や他の構成要素の取付け、コンパクト化などを考慮した場合、ボックス型の電気泳動槽の使用が推奨される。電気泳動槽のサイズは特に限定されないが、本発明の電気泳動槽は、その特定の構成に由来して小型化することができる。例えば、コンパクトな電気泳動装置の一例を示すと、幅130mm前後、長さ120mm前後及び深さ50mm前後、緩衝液容量250mL前後のボックス型電気泳動槽を挙げることができる。また、電気泳動槽の材料は、電解液などに対して耐性があり、長期間にわたって安定に使用することができる限りにおいて特に限定されるものではない。電気泳動槽は、一般に、ステンレス鋼板などの金属板のフォーミング加工によって製造するか、例えばポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂などのプラスチック材料の成形によって製造することができる。場合によっては、FRPを材料に使用してもよい。
電気泳動槽は、1基で使用してもよく、必要に応じて2基もしくはそれ以上の電気泳動槽を連結して使用してもよい。例えば、サブマリン型の電気泳動装置では1基の電気泳動槽を使用するのが一般的であるが、縦型の電気泳動装置や円柱型、キャピラリー型等の電気泳動装置では2基の電気泳動槽を組み合わせて使用するのが一般的である。2基以上の電気泳動槽を使用する場合には、それぞれの泳動槽を任意の連通部材で接続し、緩衝液の移動を図ることができる。連通部材としては、例えば、毛細管、中空チューブなどを挙げることができる。なお、複数の泳動槽を使用する場合、それぞれの泳動槽の形状、サイズなどは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
電極
電極は、電気泳動装置において一般的に使用されている電極であってよく、その材質、形状、サイズなどが特に限定されるものではない。例えば、陽極は、緩衝液などに対して耐性を有する導電性の材料、例えば白金、白金めっき材料、カーボンなどから細線、ロッド、薄膜、薄板などの形で形成することができる。陽極のサイズは、上記したサイズのボックス型泳動槽に細線(白金)からなる陽極を取付けた場合を例にとると、長さ122mm前後×直径0.25mm前後である。
陽極と同様に、陰極も、その材質、形状、サイズなどが特に限定されるものではない。陽極と同様な材料から、同様な形状及び同様なサイズで形成することができる。
緩衝液
電気泳動槽で用いられる緩衝液は、電気泳動装置で一般的に使用されている緩衝液であってよい。緩衝液は、通常、電解質と、電解質を溶解した溶媒とを含んで構成され、必要に応じて任意の添加剤が併用される。
電解質:
電解質は、電気泳動装置の緩衝液で一般的に使用されている化合物であってよい。適当な電解質は、例えば、以下に列挙するような化合物を包含する。なお、下記の化合物名において、その後に括弧で括って示す文字又は略号は、該当する化合物の通称名である。なお、下記の化合物は、単独で使用してもよく、2種類もしくはそれ以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、酢酸、N−(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロライド(CHOLAMINE)、アスコルビン酸、アンモニア溶液、バルビツール酸、ベンゼンケキサカルボン酸(mellitic)、ベンゼンペンタカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸(pyromellitic)、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸(hemimellitic)、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸(trimesic)、安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ギリシン(BICINE)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(BIS−TRIS)、ホウ酸、ブルシンテトラハイドレート、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、n−酪酸、炭酸、クエン酸、シクロヘキサン二酢酸、3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、シクロペンタン二酢酸、シクロペンタン二酢酸(3,3−テトラメチレングルタル酸)、シクロペンタンテトラ−1,2,3,4−カルボン酸、ジエチルアミン、ジメチルアミン、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、ジメチルマロン酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,2−ジエチルコハク酸、3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(EMTA)、エタノールアミン、エチルアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、蟻酸、フマル酸、グリセロリン酸、グリシンアミド、グリシン、N−グリシルグリシン、馬尿酸、ヒスチジン、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタンスルホン酸(HEPES)、ヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシエチルイミノ−トリス(ヒドロキシメチル)メタン(MONO−TRIS)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、イミダゾール、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メチルアミン、2−メチルプロパン−1,2,3−トリスカルボン酸、2−(N−モルホリノ)−エタンスルホン酸(MES)、2−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)、硝酸、蓚酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸(tricarballyllic)、ピロリン酸、リン酸、フタル酸、1,4−ピペラジンビス(エタンスルホン酸)(PIPES)、プロピオン酸、ピリジン、サリチル酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(TRICINE)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、トリメチルアミン、その他。
また、これらの化合物において、その化合物が酸である場合は、酸としての使用のほかに、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、モリブデン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、錫、アルミニウム等の金属イオンとの複合された化合物としての使用も包含する。また、塩基である場合は、以下の任意の酸との複合された化合物としての使用も包含する。
溶媒:
電解質は、緩衝液を調製するため、任意の溶媒に溶解して用いられる。適当な溶媒としては、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、水、重水あるいは水溶性の有機溶媒、例えば一価、二価、三価もしくはそれよりも多価のアルコール、第一級、第二級、第三級もしくはそれよりも高級のアルコール、アセトニトリル、アセトン、アセチルアセトン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、N−エチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコール、N−メチルアミド、ピリジン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明は、実験者の要請に応じた電圧設定が可能な電気泳動が行える電気泳動装置であって、しかも構成が簡易であることから、電気泳動実験に適した泳動槽との組み合わせを容易に取り得ることができ、簡易でありながら世界中の商業電源に容易に対応できる構成を持つ。
Claims (7)
- 交流出力波形をそのピーク電圧の時間から所定の時間間隔を遮断するように断続した交流断続出力を電気泳動用電気出力として出力する交流断続出力手段を有することを特徴とする簡易電気泳動装置用電源。
- 前記交流は、商用電源又は家庭用電源から得られる出力であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の簡易電気泳動装置用電源。
- 前記交流断続出力手段は、電界効果トランジスタ(FET)であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の簡易電気泳動装置。
- 交流出力を全波整流する整流手段と、前記整流手段の整流出力値に対し、所定の閾値に達したとき、整流出力を遮断した出力を電気泳動出力端に出力し、かつ前記整流手段の整流出力が閾値を下回ったとき、整流出力を電気泳動出力端に接続するように出力する制御駆動部とを備えることを特徴とする簡易電気泳動装置用電源。
- 前記所定の閾値は、前記整流手段に固有の値であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の簡易電気泳動装置用電源。
- 電極部位及び電気泳動部位を含む電気泳動槽と、該電気泳動槽と一体的に組み込まれた、請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の電源とを含んでなることを特徴とする簡易電気泳動装置。
- サブマリンタイプの電気泳動装置であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の簡易電気泳動装置。
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