JPWO2006118072A1 - 人工耳管 - Google Patents

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Abstract

患者の耳管内に挿置して鼓室側と鼻腔側との間の空気及び滲出液の流通を正常化させるための、完全埋め込み可能な人工耳管であって、鼓室内滲出液の鼻腔側への排泄効率を高めた人工耳管が開示されている。当該人工耳管は、先端、後端及び管腔を有し、骨部耳管側から耳管峡部を通して軟骨部耳管に該先端を臨ましめ、耳管峡部に挟持された状態で、患者の耳管内に挿置しておくための人工耳管であって、少なくとも耳管峡部に挟持させる部位において、外周面に、複数の突出部を外周回りに分散させて備えており、該人工耳管の該部位及び/又はこれより先端寄りにおいて、該管腔が少なくとも1個の先端側開口を介して外部に開いており、該部位より後方において、該管腔が少なくとも1個の後方開口を介して外部に開いていることを特徴とする。

Description

本発明は、患者の耳管内に埋め込んでおくことにより患者の耳管機能を回復させることのできる人工耳管に関する。
耳は、外耳、中耳及び内耳で構成される。外耳と中耳とは、外耳道の内端に位置する鼓膜によって仕切られている。中耳は、鼓膜と前庭窓(内耳の前庭に通じる)とを連絡する耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨及びアブミ骨)を収容した空間である鼓室(中耳腔)と、鼓室から延びて咽頭に開口する耳管とからなる。耳管は、鼓室前庭に始まり(鼓室耳管口)、上後外側から下前内側に向かって斜めに延びて咽頭側壁において開口(耳管咽頭口)する。耳管は全長約33mmで、上側約1/3は側頭骨の中を通っており、下側約2/3は軟骨で包まれている。骨部耳管は、狭まった鼓室耳管口を通って一旦やや広がった後次第に細くなり、軟骨部の入口部位で最も細くなり(耳管峡部)、この位置で通常は閉じている。耳管峡部より下方では耳管は次第に太くなってラッパ状に耳管咽頭口に開いている。耳管の機能の1つとして換気機能が挙げられる。これは、あくびや嚥下の際に口蓋帆張筋の収縮により軟骨部の下壁が下方に引かれて耳管峡部の内腔が一時的に開き、咽頭から鼓室へと空気が流入するという能動的なものと、外界の圧変化に伴って受動的に換気が行われる受動的なものとに分けられる。健常な耳では、耳管の換気機能、特に能動的な換気機能のため、鼓室内圧は外気圧と等しく保たれている。また耳管は、中耳の分泌物を咽頭へと排泄する機能をも有する。これらの機能が障害されている状態、すなわち耳管機能不全症としては、耳管狭窄症(耳管閉塞症)、耳管開放症、耳管閉鎖不全症、滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎、癒着性中耳炎等が挙げられる。
耳管狭窄症は、嚥下や欠伸等で起こる筈の耳管の開大が、何らかの原因で障害され、耳管を介する中耳の換気が障害された状態である。その原因としては、上咽頭の炎症等による耳管の器質的な狭窄と、口蓋裂のように耳管開大筋(口蓋帆張筋)の機能不全による機能的狭窄とがある。耳管狭窄により中耳の換気が妨げられると、鼓室中の酸素が周囲粘膜から吸収される結果、鼓室内が陰圧となり鼓膜は内陥する。その結果、耳閉感、難聴、自声強聴等の症状をきたす。また耳管狭窄が持続すると、滲出性中耳炎に移行することがある。これは鼓室内の陰圧状態が持続する結果、中耳腔に滲出液が漏出する疾患であり、鼓室に滲出液が充満し伝音性難聴や耳閉塞感を生じるほか、反復性の急性中耳炎にも罹患し易くなる。このほか、鼓室が慢性的且つ不可逆的な陰圧状態に置かれると、鼓膜が中耳壁に癒着する極めて難治性の疾患である癒着性中耳炎、あるいは、本来上皮ではない中耳腔の粘膜において鼓膜の角化扁平上皮が増殖しその過程で周囲の骨を破壊していく疾患である真珠腫性中耳炎の原因ともなる。
耳管狭窄症の治療には、耳管咽頭口にカテーテルを挿入して通気させる、いわゆる耳管通気療法が頻用されている。また、その他の処置治療として、咽頭側あるいは鼓室側からステロイドホルモンを耳管内に注入する方法や、耳管咽頭口周囲にステロイドホルモンを粘膜下に注射する方法があるが、効果が客観的に確立されたものとはなっていない。投薬による保存的治療では、消炎酵素製剤や抗アレルギー作用を有する薬剤の全身投与や、ステロイド剤の点鼻が行われているが、長期間の投薬を要するほか、中等度以上の症例では効果が十分得られない場合が多いという問題がある。薬物療法で効果が得られない症例に対しては、鼓室の換気を確保するため鼓膜チューブ留置術も行われている。鼓膜チューブとは、鼓膜に設けた穿孔に嵌められるチューブであり、種々のサイズや形状のものが市販されている。約3mm程度の長さを有する、中央の括れたチューブが一般に用いられているものの一つである。しかし鼓膜チューブによっては、鼓室の換気は得られるが、耳管狭窄そのものはこれでは充分に改善されず、耳管を通した換気や排泄機能は必ずしも回復しない。また鼓膜チューブは、鼓膜の穿孔の修復に伴い通常数ヶ月〜1年で自然に脱落してしまうため、耳管狭窄が改善されていない場合には、換気を確保するために再度の鼓膜チューブ留置も必要となる。薬剤による治療に抵抗する症例に対し、最近では、レーザ(炭酸ガスレーザ、KTPレーザ)によって、耳管咽頭口側から耳管内粘膜を焼灼するという治療方法が開発されている。しかしながら、耳管峡部に近い奥の部分を焼灼した場合の周囲組織への影響については不明な点も多く、耳管焼灼術を施すには、十分な解剖学的知識と高度な外科的技術をマスターすることが必須であり、広く手軽に行われるには至っていない。
また耳管開放症は、耳管が常に開放した状態にあるものをいい、患者の自覚症状としては、自分の声が耳管を介して中耳に到達することによる自声強聴、自分の呼吸音が聞こえること、耳閉感等があり、めまいを訴える例もみられる。患者の鼓膜は正常であるが、呼吸に伴って前後するのが観察される。耳管開放症の原因として、加齢や神経疾患による鼻粘膜の萎縮、体重減少による耳管周囲粘膜の萎縮、アデノイド手術後の瘢痕化などが挙げられるが、多くは原因不明である。
耳管開放症の薬物療法としては、硼酸とサリチル酸の混合粉末を耳管カテーテルで耳管内に噴霧するものであるベゾルト(Bezold)法、ゼラチンスポンジ溶液の耳管内腔への注入等が挙げられ、外科的療法としては、液状シリコーンの注射、耳粘膜焼灼、口蓋帆張筋移動、耳管周囲への軟骨片あるいは脂肪組織の埋め込みやコラーゲン注入等が挙げられるが、薬物療法は、長期間の継続的治療を必要とし、外科療法は効果が不十分であるという問題があった。なお、耳管開放症、耳管閉鎖不全症の治療のための器具として、中耳管内腔へと、鼓膜から5〜15mm程度奥まで留置される、テーパを有する扁平形状の耳管ピンが提案されている(特許文献1を参照)が、これは耳管の断面を塞ぐように働くものであり、耳管狭窄症には適用できない。
また、いわゆるフロッピーチューブが耳管機能の面から最近注目されている。フロッピーチューブとは、閉塞し易いと共に開放状態にもなり易い耳管であり、あくびや嚥下をきっかけに耳管開放状態となり、自声強聴や耳閉感を生ずる。これらの不快症状を解消するために患者は無意識に鼻すすり(これにより鼓室が陰圧になり耳管が閉鎖される)をすることが多くなるが、これが習慣化して鼓室が慢性的且つ不可逆的な陰圧状態に置かれると耳管狭窄症との関連で前述したように、滲出性中耳炎、癒着性中耳炎及び真珠腫性中耳炎の原因ともなる。
以上のように耳管機能の異常が中耳の種々の疾患の原因となるが、耳管狭窄症、耳管開放症あるいは閉塞と開放の両方を起こすフロッピーチューブを効果的に且つ簡便に治療でき、また、癒着性中耳炎の治療、滲出性中耳炎手術後の鼓膜の癒着防止や真珠種の再発防止等のために用いることのできる確かな治療方法が求められている。
この目的のため、本発明者は先に、通気用の開口を管壁に有する所定形態のチューブを開発した。そしてこれを、鼓膜を通して鼓室側から耳管峡部に挿入して先端を軟骨部耳管内に位置させる一方、管壁の開口を鼓室内に位置させ、チューブの後端を、鼓膜に取り付けた鼓膜チューブに通して固定することで、耳管狭窄症(耳管閉塞症)に対しては鼻腔と鼓室とを連絡して、耳管を介した換気機能及び排泄機能を生理的に近い状態に回復できること、及び、耳管開放症や耳管閉鎖不全症に対しても、過度に広がった耳管峡部断面の少なくとも一部を塞ぎチューブ内腔を通して鼻腔と鼓室との間の適度な連絡が確保できることを見出した。そしてそのようなチューブが耳管機能不全症の治療に極めて効果的であり、「人工耳管」となり得ることに着目し、これに基づき、所定形態のチューブよりなる人工耳管を開発し、これにつき国際出願を行った(国際出願日2004年10月28日:特許文献2)。
更に本発明者は、後端を鼓膜に固定する必要がなく、従って鼓膜の穿孔閉鎖を可能にし、より一層生理的な状態に近い鼓室内環境を回復しつつ同じ治療効果をもたらすことのできる、2種類の完全埋め込みが可能なタイプの人工耳管を開発し、それらについても特許出願及び国際出願をそれぞれ行った(出願日2004年11月5日特許文献3、国際出願日2005年2月21日特許文献4)。これら完全埋め込みタイプの人工耳管のうち、前者は耳管峡部に挟み込まれるべき部位に環状突起を多段に設けたものであり、後者は鼓室内壁に対して自らを固定する構造を後端部に備えるか、又は耳管峡部に挟み込まれるべき部位に括れ部(又は更に括れ部の前方の突起)を設けたものである。これらの完全埋め込みタイプの人工耳管は、何れも、耳管峡部に挟み込まれる部位で横断面が円又は楕円のように滑らかな外周を有しており、このため耳管峡部の内壁との接触は、面で密着するものである。
特開2002−224157 PCT/JP2004/015995 PCT/JP2005/002724 特願2004−323016
上記背景において、本発明は、患者の耳管内に挿置して鼓室側と鼻腔側との間の空気及び滲出液の流通を正常化させるための完全埋め込み可能なタイプの人工耳管であって、鼓室内の滲出液の鼻腔側への排泄の効率を更に高めることのできる人工耳管の提供を目的とする。
本発明者は、先の完全埋め込みタイプの人工耳管においては、耳管峡部に挟み込まれる部位で横断面が円又は楕円のように滑らかな外周を有しており、このため耳管峡部の内壁との接触が面同士の密着の形でなされる点に着眼した。すなわち、耳管峡部の内壁と人工耳管の外周面との密着部位では、人工耳管の外周に沿った滲出液の流れは起こらないため、滲出液の流れは専ら人工耳管の管腔を介して行われるが、これに対し、耳管峡部に挟み込まれる部位において、人工耳管の位置保持の機能を維持しつつ人工耳管の周囲に前後方向の流路を確保できれば、完全埋め込み可能タイプの人工耳管での浸出液の流出を更に促進することができることとなる。本発明者は、耳管峡部に挟み込まれる部位において、複数の突出部を外周回りに分散させて備えることにより、それらの突出部間に前後方向の流路を確保することで、これを達成できることを見出し、更に検討を重ねて本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下を提供するものである。
(1) 先端、後端及び管腔を有し、骨部耳管側から耳管峡部を通して軟骨部耳管に該先端を臨ましめ、耳管峡部に挟持された状態で、患者の耳管内に挿置しておくための人工耳管であって、
少なくとも耳管峡部に挟持させる部位において、外周面に、複数の突出部を外周回りに分散させて備えており、
該人工耳管の該部位及び/又はこれより先端寄りにおいて、該管腔が少なくとも1個の先端側開口を介して外部に開いており、
該部位より後方において、該管腔が少なくとも1個の後方開口を介して外部に開いている
ことを特徴とする人工耳管。
(2) 少なくとも耳管峡部に挟持させる部位において、外周面に、複数の突出部を更に該人工耳管の長手方向にも分散させて備えるものである、上記1の人工耳管。
(3) 外周回り及び長手方向に分散させて備えられた複数の該突出部が、全体としてそれらの先端の高さが、該人工耳管の先端側へ向けて低下しているものである、上記2の人工耳管。
(4)
該突出部が、イボ状の突起である、上記1ないし3の何れかの人工耳管。
(5) 該突出部が、該人工耳管の長手方向に延びた突条であり、その先端側において後方へ向かって高さを増加しつつ立ち上がっているものである、上記1ないし3の何れかの人工耳管。
(6) 該突出部が、該人工耳管の長手方向に延びた突条であり、該突条がその側方断面において上縁に複数の切り欠きを有するものである、上記1ないし3の何れかの人工耳管。
(7) 該突条がその側方断面において複数連なった三角刃状をなすものである、上記6の人工耳管。
(8) 該突条が、その後端側において後方へ向かって高さを減じるものである、上記6又は7の人工耳管。
(9) 該突出部が、該人工耳管の外周面から突き出た棒状突起である、上記1ないし3の何れかの人工耳管。
(10) 耳管峡部に挟持させる部位が、該人工耳管の先端から20mm以内に位置するものである、上記1ないし9の何れかの人工耳管。
(11) 該突出部が、該人工耳管の長手方向に5mm以上の範囲にわたって備えられているものである、上記1ないし10の何れかの人工耳管。
(12) 該突出部が、該人工耳管の先端から4.5mmの位置より後方側に備えられているものである、上記1ないし11の何れかの人工耳管。
(13) 耳管峡部に挟持させる部位において、突出部の先端が、人工耳管の中心軸から半径0.3〜3.0mmの範囲に位置するものである、上記1ないし12の何れかの人工耳管。
(14) 該人工耳管の先端から4.5mmの位置より後方側、且つ、分散して備えられた突出部に隣接してその人工耳管の先端側に環状の括れ部を含むものである、上記1ないし13の何れかの人工耳管。
(15) 該先端側開口、該管腔及び該後方開口が、それらを通って該人工耳管の内部と外部とを連通する少なくとも内径0.2mm以上である流路を提供しており、且つ、該流路が、内径0.9mm以下の部分を有するものである、上記1ないし14の何れかの人工耳管。
(16) 後方開口が、人工耳管の側壁に開いているものである、上記1ないし15の何れかの人工耳管。
(17) 後方開口が、人工耳管の後端にも開いているものである、上記16の人工耳管。
(18) 全長が22mm以上である、上記1ないし17の何れかの人工耳管。
(19) 可撓性樹脂製である、上記1ないし18の何れかの人工耳管。
上記構成になる本発明によれば、耳管峡部に挟み込まれる部位において人工耳管と耳管峡部との接触部位に前後方向の流れを確保することができるため、人工耳管の管腔が提供する流路と合わせて、鼓室内の滲出液の鼻腔側への排出を一層促進することが可能となる。従って、耳管狭窄症、耳管開放症あるいは閉塞と開放の両方を起こすフロッピーチューブの効果的且つ簡便な治療や、癒着性中耳炎の治療、滲出性中耳炎手術後の鼓膜の癒着防止や真珠種の再発防止のために使用できる、滲出液排泄の機能を一層高めた人工耳管が提供される。
実施例1の人工耳管の、やや後方から見た平面図 実施例2の人工耳管の、やや後方から見た平面図 実施例3の人工耳管の、やや後方から見た平面図 実施例4の人工耳管の、やや後方から見た平面図 実施例5の人工耳管の、やや後方から見た平面図 実施例6の人工耳管の、やや後方から見た平面図 加圧減圧法による耳管機能検査の原理を示す概念図 音響耳管機能検査法の原理を示す概念図 耳管カテーテル通気度検査の原理を示す概念図 症例1における術前の音響耳管検査法の結果を示すチャート 症例1における術前のバルサルバ通気法による試験結果を示すチャート 症例1における術前の鼻深呼吸法による試験結果を示すチャート 症例1における術前の加圧減圧試験の結果を示すチャート 症例1における術後の音響耳管検査法の結果を示すチャート 症例1における術後の耳管カテーテル通気による試験結果を示すチャート
符号の説明
1=管状体、2=細径部、3=先端、4=開口、5、5’=開口、6=開口、7=突起、8=先端側軸部、9=括れ部、11=管状体、12=細径部、13=先端、14=開口、15=開口、16=開口、17=突起、18=先端側軸部、19=括れ部、21=管状体、22=細径部、23=先端、24=開口、25=開口、26=開口、27=突起、28=先端側軸部、29=括れ部、31=管状体、32=細径部、33=先端、34=開口、35=開口、36=開口、37=突起、38=先端側軸部、39=括れ部、41=管状体、42=細径部、43=先端、44=開口、45=開口、46=開口、47=突起、48=先端側軸部、49=括れ部、51=管状体、52=細径部、53=先端、54=開口、55=開口、56=開口、57=突起5、8=先端側軸部、59=括れ部、141=圧トランスデューサ、142=アンプ、143=レコーダ、151=音響検査機能分析装置、161=外耳道圧センサー、162=耳管カテーテル、163=通気圧センサー
本発明の人工耳管は、鼓室側から患者の耳管内に挿入し、先端を軟骨部耳管に臨ましめ、後端を、原則として、鼓室中に位置させた状態で(すなわち鼓膜より内側に終わる)、患者の耳管内に留め置かれる。取り扱い易さを考慮すれば、本発明の人工耳管は全長22mm以上であることが好ましい。通常は、全長30mm以上であれば殆どの患者に対して使用可能である。これに対し、本発明の人工耳管は、使用時には、患者の中耳のサイズに適した長さとなるよう後端側を適宜切除して用いてよいから、その全長には特に上限はない。45mm程度あれば殆どの患者には十分であるが、切除する部分も含めて、取り扱いの便宜を考慮し、50mm、70mm等と、所望により定めてもよい。
本発明の人工耳管は、鼓膜側から患者の耳管内に挿入される関係上、全体としは細長い形態のものである。外周面に備えられた複数の突出部より後方の部分の外径は、一定であってもなくてもよいが、通常は3mm程度までに止めておくことが好ましい。但し、この部分は、手前側程広がっている骨部耳管と、更に広い鼓室内に配置されることになるから、全体として細長い形態である限り、3mmより多少大きな外径となることも許容される。
本発明の人工耳管の断面形状は特に限定されない。通常は円形とすればよが、耳管峡部の断面が扁平であることから、楕円のような扁平な横断面のものとしてもよい。また断面形状は人工耳管の全長にわたって同じであってもよいが、そうでなくてもよく、例えば全長の大部分において円形で一部(例えば、先端から耳管峡部に挟持させる部位まで)において楕円形であっても、また全長の大部分において楕円形で一部(例えば、先端から耳管峡部に挟持させる部位まで)において円形であってもよい。耳管峡部の断面は、左右より前後方向に伸びた扁平な形状であるため、人工耳管が楕円形の断面を有する場合、耳管峡部の内周面の大部分に突出部ば当接して人工耳管の固定の安定性を高める。様々なタイプの患者に対して、できるだけ数少ない寸法規格の人工耳管で対処できるためには、楕円形のような扁平な断面形状の場合も、長軸/短軸比は、5までに止めるのが好ましい。例えば5、4、3、2等とすることができる。本発明の人工耳管のうち、どのような断面形状及び寸法のものを選択するかは、治療すべき患者の耳管の形態及び状態に合わせて担当医師により個々に決定される。なお、楕円形等の扁平な断面形状の場合、本発明の人工耳管について「外径」及び「内径」というときの「径」は、短い方の径(短軸)を意味する。
本発明において、「耳管峡部に挟持させる部位」は、本発明の人工耳管が、骨部耳管側から耳管峡部を通して軟骨部耳管に該先端を臨ましめ、耳管峡部に挟持された状態で、患者の耳管内に挿置しておくための人工耳管である関係上、軟骨部耳管のおよその長さ(耳管全体の約2/3)を考慮し、先端が耳管咽頭口に接近し過ぎない、適宜の位置に設定すればよい。通常は、人工耳管の先端から数mm〜十数mmの範囲で設定すればよいが、体格の大きく耳管の長い患者に用いるものでは、先端から20mm程度離れた部位とすることもできる。通常は、先端から20mm以内とするのが好ましく、16mm以内とするのがより好ましい。
本発明において、「複数の突出部」は、耳管峡部に当接して耳管峡部から受ける抗力によって人工耳管を一定位置に保持するためのものであり、人工耳管の「外周回りに分散」させてある限り、種々の形態のものを採用することができる。ここに、「外周回りに分散」とは、人工耳管の横断面で見たとき、複数の突出部が間隙を有して備えられていることをいう。従って、「外周回りの分散」は、放射状の等間隔の分散であっても、不等間隔の分散であってもよい。分散して備えられた複数の突出部間の間隙は、本発明の人工耳管が耳管峡部に挟持された状態において、耳管峡部内壁面と人工耳管の外周面との間に前後方向の流路を確保するように働く。
本発明において、複数の突出部について「長手方向にも分散させて備える」というときは、隣接する前後の突出部の群間は、等間隔でもよく、不等間隔でもよい。また、外周回りに分散させて備えられた一群の突出部とその直後に隣接する一群の突出部とは、前後の各突出部が外周回りの同じ位置に揃っていてもよく、前の突出部の間隙に後ろの突出部が位置するように互い違いに配列してもよく、更には、全くランダムに配列してもよい。
種々の内径の耳管峡部に効果的に挟持させるためには、突出部は、人工耳管の長手方向に、5mm以上の範囲にわたって備えられていることが好ましく、6mm以上の範囲にわたって備えられていることがより好ましい。通常は、5〜10mm程度の範囲とすればよい。
外周回り及び長手方向に分散させて備えられた複数の突出部は、全体としてそれらの先端の高さが、人工耳管の先端側へ向けて低下しているものである。これは、突出部のサイズを人工耳管の先端寄りのものほど小さくしておくか、又は、同一サイズの突出部であっても、それらが配置される人工耳管の先端側の外周面を先細りにしておくことによって、達成することができる。そのようにすることによって、耳管峡部に挟持させる部位が突起群全体として見たとき先細りとなるため、耳管峡部に挿入し易くなり、且つ、挿入の深さを加減することで挿入時の抵抗を術者が手で感じ取りながら、人工耳管の最適な太さの部位を耳管峡部に挟持させることができるため、固定の安定性が高まる。
突出部の形状は、人工耳管の外周面を離れて耳管峡部内壁に当接できる限り、特に限定されないが、組織を傷つけるおそれがないよう鋭い角を持たないものとするのが好ましい。突出部の一例は、半球状、切り株状、円錐状、円錐台状、角錐状、角錐台状、立方体状その他の多面体等の概略形状で、幅と高さの比率が1:2〜2:1程度の範囲の、幅に比して高さの比較的低い突起(本発明において包括的に「イボ状の突起」という。)である。但し、円錐状、角錐状などの形状でも先端は丸める等により、鋭い角をなくしておくことが好ましい。また、それらの突起は、可撓性のものとしてもよい。
突出部の別の一例は、長手方向に延びた突条であり、これは、厚みに対して高さの高いヒレ状の突条でも、より肉厚の断面アーチ状の突条でも、また、断面長方形状の突条でもよい。そのような突条は、その高さが長手方向に変化するものであってよく、特に、耳管峡部への挿入の便のためには、先端側において後方へ向かって高さが増加するものであるのが好ましい。また突条は、側方断面において複数の切り欠きを有するものとしてもよく、その場合それらの切り欠きは、耳管峡部内壁の曲面と係合し、人工耳管の前後方向への位置変化に対する抵抗を高める働きをする。そのような切り欠きの典型例は、一連のV字状の切り欠きであり、それにより突条の側方断面において上縁が複数連なった三角刃状になるようなものである。また、上縁に複数の切り欠きを有する場合、それらの切り欠き部分によって人工耳管を固定できるため、突条の後端側の高さは適宜でよく、高さが後方に向かって減少するものとしてもよい。また、それらの突起は、可撓性のものとしてもよい。
突出部の更なる別の一例は、外周面から突き出た棒状の突起である。ここに「棒状の突起」とは、真直ぐに延びるものであってもよく、弯曲したものであってもよい。またその太さは一定であってもよいが、先細り等、太さが長さに沿って変化するものであってもよい。棒状の突起は、外周面から半径方向に垂直に突き出ていてもよいが、耳管峡部への挿入のし易さと後方への抜けに対する固定の安定化のためには、後方へ傾斜したものとするのが好ましい。また棒状の突起は、可撓性であることが好ましい。
なお、人工耳管の外径は、耳管狭窄症(耳管閉塞症)、耳管開放症などの状態や体格により影響を受ける耳管峡部の内径に応じて適宜選択されるべき事項である。種々の耳管峡部の内径に対して、1つの人工耳管の汎用性をなるべく高めるためには、通常は、耳管峡部に挟持させる部位において、突出部の先端が、人工耳管の中心軸から半径0.3〜3.0mmの範囲に位置するように作成することが好ましく、0.3〜1.8mmの範囲に位置するように作成することがより好ましい。
本発明の人工耳管の先端部にある先端側開口は、管腔を軟骨部耳管側(すなわち鼻腔側)に開くための開口であるから、管腔の軸方向に開いたものとしてもよいが、軸方向には盲端として先端側開口を先端部の側方に設けてもよい。先端部を盲端とした場合は、管腔に通したガイドワイヤーを用いて人工耳管を耳管内に挿入する際に、その先端が人工耳管の盲端に当たって止まり、前方へ抜け出るおそれがなく、人工耳管挿入後のガイドワイヤーのみの抜去が容易となるため、手術が簡便となる。尤も、先端側開口を人工耳管の先端に管腔と同じ軸方向に設けた場合も、先端側開口の径を管腔の径より、0.2mm以上狭めるなど、先端又はその付近(例えば先端から5mm以内又は10mm以内の範囲)において、流路の内径を狭め、それより後方の管腔の内径に比して0.2mm以上狭くした部位を設けておけば、先端側開口より大きい径のガイドワイヤーを用いることでガイドワイヤーの前方付き抜けを防止できるため、支障はない。また、先端側開口を先端部の側方に設ける場合、開口の数は1個でよいが、複数設けてもよく、例えば、管腔の両側に1対の開口として設けてもよい。先端側開口を人工耳管の先端以外の側壁に設ける場合には、その位置は、人工耳管の先端から耳管峡部に挟持させる部位までに間で適宜選べばよい。
本発明の人工耳管は、先端側開口以外に、耳管峡部に挟持させる部位より後方で、少なくとも1個の開口(本明細書において、「後方開口」という。)を介して外部に開いている。後方開口は、管腔の側壁に設けられたものであってもよく、軸方向に開いた管腔の末端であってもよく、また双方を含んでいてもよい。管腔の側壁に開口を設けることは、鼓室内に滲出液がある場合管腔を介してこれを鼻腔側へと排出するのを容易にするという利点がある。後方開口を管腔の側壁に設ける場合、その位置及び個数は適宜であってよく、例えば、耳管峡部に挟持させる部位に備えられた一群の突出部のすぐ後方、或いは、人工耳管の先端から20〜25mm付近等とすることができる。側壁に設ける開口は1個でもよいが、複数設けてもよく、管腔の両側に一対の開口として設けてもよい。また、本発明の人工耳管は、耳管峡部に挟持させる部位に備えられた一群の突出部の間に開口(例えば、該部位の全長にわたって延びるスリット状の開口や、該部位の長手方向に配列された1個又は複数個の開口)を更に備えていることもできる。このような開口を追加する場合、滲出液の流下及び通気が、嚥下運動と連動する形で更に促進されることとなり、一層好ましい効果が得られる。このような追加の開口は、前記後方開口と別個に設けることができるが、前記後方開口が一群の突出部のすぐ後方に隣接して設けられる場合には、これと融合一体化したものとしてもよい。
なお、本発明の患者への人工耳管の挿入は、典型的には、その後端側から内腔にガイドワイヤーを通し、これによって支持しつつ耳管内に挿入して先端部を耳管峡部に通し、先端を軟骨部耳管に臨ましめた後、ガイドワイヤーのみが抜去されて、人工耳管が、その後端部が鼓室内又は骨部耳管内に配置された状態で残される。従って、典型的には、挿入時は人工耳管の後端に管腔がそのまま貫通して開いていることが好ましい。但し、十分に腰の強い材料で人工耳管を形成した場合には、ガイドワイヤーの使用は必須でなく、後端部が閉じていることもできる。
先端側開口、管腔及び後方開口は、軟骨部耳管と(すなわち鼻腔と)と鼓室との間で空気(及び、外周の突出部の間隙と協働して滲出液の)の流通をはかることにより、患者本来の耳管の機能を果たす流路を構成する。この流路は、内径が少なくとも0.20mm以上であることが好ましい。これは、管腔の径が余り狭いと、その中の空気(及び場合により滲出液)の流れに抵抗を生じ得るが、0.20mm以上であれば実質的にその懸念が少ないためである。逆に、流路の内径が全長に亘って余りに大きいと、自声が鼓室内に空気伝導するおそれが生じる。これを防止するためには、当該流路の少なくとも何れかの部分の内径を好ましくは0.9mm以下、より好ましくは0.8以下としておけばよい。そのような部分を設けておくことにより、流路の残り部分の径がより大きい場合でも、自声が鼓室へ空気伝導されるのが確実に防止される。
本発明の人工耳管は、人工耳管の管腔を介して患者の鼓室と軟骨部耳管との連通を達成して、鼓室と鼻腔との間の通気を確保することを一目的とする。従って、患者への人工耳管の挿入は、人工耳管がその耳管峡部又はその近傍の組織と係合して人工耳管の先端が軟骨部耳管に臨み、先端側開口が軟骨部耳管内に又はこれに向かって開くように行われる。患者の耳管内に挿入された人工耳管は、後端部分の長さに余分がある場合はこれを切除して、典型的には、後端を鼓膜より内側、鼓室内に位置させた状態で、患者内に留められる。
本発明の人工耳管は、複数の突出部よりも前方に延びる軸部(「先端側軸部」という。)を、必須ではないが含むことができる。先端側軸部は、挿入時にガイドとして役立つから、通常は、先端側軸部を有することが好ましい。強度や管腔の内径を考慮すると、先端側軸部の外径は通常、0.6〜2mmとすることが好ましいが、耳管峡部が取り分け狭い患者用には0.4mm程度まで細くすることも可能である。これらの点を除けば、先端側軸部の外径は、これに隣接する最も先端側の突出部の高さとの関係で、適宜決めればよい。また、先端側軸部の長さは適宜決めればよく、例えば、4.5〜6mm程度とすればよい。
本発明の人工耳管は、先端側軸部を含むときは、先端側軸部は、複数の突出部の先端側に隣接して環状の括れ部、すなわち外径の絞られた部分を含むことができる。環状の括れ部は、長手方向に0.5〜2.5mmの幅のものであることが好ましい。患者の耳管峡部の寸法によっては、環状の括れ部を耳管峡部と係合させるために用いることができる。環状の括れ部は、当該部分に隣接する先端側軸部の外径より0.1〜0.4mmだけ小さいものとしておけばよい。
本発明の人工耳管を構成する素材としては、生体適合性の、すなわち生体に有害な異物反応などを惹起するおそれがなく、かつ生体内で分解、劣化等を起こすおそれのない、可撓性の材料が好ましい。そのような材料として、従来医療用途で生体内埋込や留置等に用いられることのある種々の材料を、人工耳管の作製に適宜用いることができる。例えば、可撓性の合成樹脂として、塩化ビニル、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリペンテン、ポリウレタン系樹脂その他が挙げられるが、それらに限定されない。一部(例えば括れ部)には金属(例えばチタン)やセラミックを用いることもできる。また、体温まで加温されたとき柔らかさを増すように設計された樹脂は、挿入時に適度の硬さを保ち得るので扱い易い一方、挿入後は体温で一層柔らかくなるため患者に異物感を与えるおそれがないことから、一層好ましい。更には、生体材料として、培養して形成した自家軟骨を用いることで、より安全性に優れた人工耳管を得ることもできる。
以下、典型的な実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが、本発明が当該実施例に限定されることは意図しない。
〔実施例1〕
図1は、本発明の人工耳管(ポリウレタン製)の一実施例のやや後方から見た平面図である。図において、1は、人工耳管の管部分を構成している管状体であり、図の制約上、長さ方向は短縮して描かれている。管状体1は、後端付近に細径部2を含む。細径部2は、人工耳管を患者の耳管内に挿入した後に、経過観察のために後端の一部を鼓膜経由で突出させておく場合に備え、鼓膜からの突出部分を細くしたものであるが、本発明の目的には必須ではなく、除去しても太いままとしてもよい。管状体1の中には先端3の付近から後端まで管腔が通っており、後端において開口4(後方開口の1つ)を介して外部に開いている。開口4は、人工耳管を挿入する際にガイドワイヤーをこれに通して行う場合に利用できるが、ガイドワイヤーを用いないで挿入できる場合には、必須ではなく、省く(すなわち後端を盲端とする)こともできる。管状体1には、側壁にも開口5(後方開口の1つである)が設けられており、これを介しても外部に開いている。開口5は、図では管状体1の側壁の手前側に1つのみが描かれているが、管状体1の側壁の背面側にも、管状体1の中心軸に関して対称な位置に、更なる開口を設けていてもよい。また、開口5に加えて又はその代わりに、破線で示した位置に開口5’設けてもよい。管状体1は先端3の付近に更に開口6(先端側開口)を有し、これを介して管腔が先端側で外部に開いている。こうして管状体1は、先端付近と後端側との間で外部と連通した流路を備えている。
管状体1には、先端寄りの領域に、大小の複数の突起7が、管状体の外周回りに分散した状態で備えられている。理解を助けるため、図では突起7の高さは幾分誇張してある。本実施例では突起7は人工耳管の長手方向にも分散した状態で備えられており、人工耳管の先端側から後端側へと、次第に高さを増すように、すなわち全体としてみたとき先端の高さが人工耳管の先端側へ向けて低下する(先細る)ように配列されている。本実施例では、人工耳管の外周回りには、4個を一群とする突起7(うち一部は管状体1の背後に隠れて見えない)が、長手方向に分散して5群配置されており、各群の突起同士では、前方の突起の間に後方の突起の一部が入り込むように配列されている。この相互に入り込んだ互い違いの配列は、群間での高さの漸増と相俟って、種々の寸法の耳管峡部に対する人工耳管の適合性を高めると共に、突起7間にさまざまな方向の流路を提供する。各突起7は、断面が放物線状であり、人工耳管の先端側から後方へ向かって高さを増加しつつ立ち上がっている。この構造は、耳管峡部への人工耳管の挿入を容易にする。
人工耳管の先端から突起7までの間には、管状体1の一部である先端側軸部8が、突起7を備えない状態で延びている。また、先端側軸部8の突起に隣接する領域には、環状の括れ部9が設けられている。括れ部9は、耳管峡部が特に狭い患者の場合にこの部位を耳管峡部で挟持させるためのものであり、本発明の目的のためには必須ではないが、種々の寸法の耳管峡部に対する人工耳管の適合性を高めるにためには有用である。
本実施例における人工耳管の各寸法は、患者の耳管峡部の内径や耳管の長さを考慮して種々に定めることができる。例としては、管状体1から細径部2を除いた残りの長さ30〜32.5mm、細径部2の長さ10mm、先端側軸部8の長さ6〜8.5mm、うち括れ部9の長さ1.5〜2.5mm、管状体1の中央部の外径1.50mm、細径部2の外径1.00mm、先端側軸部8の最大径1.45mm、括れ部9の外径1.30〜1.35mmであり、突起7は、人工耳管の長手方向に6〜8mmの範囲にわたって備えられ、それらの高さは、管状体1の外周面から0.2〜0.6mmの範囲である。
〔実施例2〕
図2は、本発明の人工耳管の別の一実施例のやや後方から見た平面図である。図において、11は、人工耳管の管部分を構成している管状体であり、図の制約上、長さ方向は短縮して描かれている。管状体11は、後端付近に細径部12を含み、細径部12の目的及び機能は、実施例1の細径部2と同一である。管状体11の中には先端13の付近から後端まで管腔が通っており、後端において開口14(後方開口の1つ)を介して外部に開いている。開口14の目的及び機能は実施例1の対応する開口と同一である。15は、管状体11の側壁に設けられた開口(後方開口の1つである)であり、16は先端付近に設けられた開口(先端側開口)である。開口15及び16は、管状体11の背面側の対称な位置に更に設けられていてもよい。
管状体11には、先端寄りの領域に、複数の突条17が、管状体の外周回りに分散した状態で備えられ、それらの間隙が前後方向の流路を形成している。理解を助けるため、図では突起17の高さは幾分誇張してある。突条17は、厚みに対して高さの高いヒレ状の突条であり、一連のV字状の切り欠きをNを有し、その結果、三角刃状(ノコギリ状)の形状を有する。また突条17は、先端側において後方へ向かって高さが増加し、且つ後端側において後方に向かって高さが減少しており、中間部分にもっとも高い部分を有している。種々の高さの切り欠き部分は、種々の患者の耳管峡部の寸法に対する人工耳管の適合性を高め、固定を安定化させる。先端側開口13、先端側軸部18、括れ部19は、それぞれ実施例1の対応する各部と同一である。
〔実施例3〕
図3は、本発明の更なる別の一実施例のやや後方から見た平面図である。図において、21は、人工耳管の管部分を構成している管状体であり、図の制約上、長さ方向は短縮して描かれている。管状体21は、後端付近に細径部22を含み、細径部22の目的及び機能は、実施例1の細径部2と同一である。管状体21の中には先端23の付近から後端まで管腔が通っており、後端において開口24(後方開口の1つ)を介して外部に開いている。開口24の目的及び機能は実施例1の対応する開口と同一である。25は、管状体21の側壁に設けられた開口(後方開口の1つである)であり、26は先端付近に設けられた開口(先端側開口)である。開口25及び26は、管状体21の背面側の対称な位置に更に設けられていてもよい。
管状体21には、先端寄りの領域に、大小の複数の弯曲した棒状の突起27が、管状体21の外周回りに分散し且つ人工耳管の長手方向にも分散した状態で備えられている。理解を助けるため、図では突起27の高さは幾分誇張してある。突起27は、人工耳管の先端側から後端側へと、次第に高さを増すように、すなわち全体としてみたとき先端の高さが人工耳管の先端側へ向けて低下する(先細る)ように配列されている。高さの異なるこれらの棒状の突起27は、種々の寸法の耳管峡部に対する人工耳管の適合性を高めると共に、後方への抜けに対する抵抗性を強め、人工耳管の固定の安定性を特に高める。また突起27間には、さまざまな方向の流路が提供される。図では、例えば人工耳管の最も先端寄りに一群14個(うち6個は管状体21に隠れて見えない)の突起27が外周回りに分散させて備えられているように、外周回りには典型的には、6〜14個の突条27が分散して備えられる。先端側開口23、先端側軸部28、括れ部29は、それぞれ実施例1の対応する各部と同一である。
〔実施例4〕
図4は、本発明の更なる別の一実施例のやや後方から見た平面図である。図において、31は、人工耳管の管部分を構成している管状体であり、図の制約上、長さ方向は短縮して描かれている。管状体31は、後端付近に細径部32を含み、細径部32の目的及び機能は、実施例1の細径部2と同一である。管状体31の中には先端33の付近から後端まで管腔が通っており、後端において開口34(後方開口の1つ)を介して外部に開いている。開口34の目的及び機能は実施例1の対応する開口と同一である。35は、管状体31の側壁に設けられた開口(後方開口の1つである)であり、36は先端付近に設けられた開口(先端側開口)である。開口35及び36は、管状体21の背面側の対称な位置に更に設けられていてもよい。
管状体31には、先端寄りの領域に、大小の複数のほぼ真直ぐな棒状の突起37が、管状体の外周回りに、分散した状態で後方に傾斜して備えられている。本実施例では突起37は人工耳管の長手方向にも分散した状態で備えられており、人工耳管の先端側から後端側へと、次第に高さを増すように、すなわち全体としてみたとき先端の高さが人工耳管の先端側へ向けて低下する(先細る)ように配列されている。本実施例では、人工耳管の外周回りには、6個を一群とする突起37(うち一部は管状体31の背後に隠れて見えない)が、長手方向に分散して4群配置されており、各群の突起同士では、前方の突起の間に後方の突起が位置するように配列されている。高さの異なるこれらの棒状の突起37は、種々の寸法の耳管峡部に対する人工耳管の適合性を高めると共に、後方への抜けに対する抵抗性を強め、人工耳管の固定の安定性を特に高める。また突起37間には、さまざまな方向の流路が提供される。先端側開口33、先端側軸部38、括れ部39は、それぞれ実施例1の対応する各部と同一である。
〔実施例5〕
図5は、本発明の更なる別の一実施例のやや後方から見た平面図である。図において、41は、人工耳管の管部分を構成している管状体であり、図の制約上、長さ方向は短縮して描かれている。管状体41は、後端付近に細径部42を含み、細径部42の目的及び機能は、実施例1の細径部2と同一である。管状体41の中には先端43の付近から後端まで管腔が通っており、後端において開口44(後方開口の1つ)を介して外部に開いている。開口44の目的及び機能は実施例1の対応する開口と同一である。45は、管状体41の側壁に設けられた開口(後方開口の1つである)であり、46は先端付近に設けられた開口(先端側開口)である。開口45及び46は、管状体41の背面側の対称な位置に更に設けられていてもよい。
管状体41には、先端寄りの領域に、大小の半球状の複数の突起47が、管状体の外周回りに、分散した状態で備えられている。本実施例では突起47は人工耳管の長手方向にも分散した状態で備えられており、人工耳管の先端側から後端側へと、次第に高さを増すように、すなわち全体としてみたとき先端の高さが人工耳管の先端側へ向けて低下する(先細る)ように配列されている。本実施例では、人工耳管の外周回りには、最先端側に8個を一群とする突起47(うち4個は管状体41の背後に隠れて見えない)が配置され、より後端側には、4個を一群とする突起47(一部は管状体41の背後に隠れて見えない)が、長手方向に分散して5群配置されており、各群の突起同士では、前方の突起の間に後方の突起が位置するように配列されている。高さの異なるこれらの突起47は、種々の寸法の耳管峡部に対する人工耳管の適合性を高めると共に、後方への抜けに対する抵抗性を強め、人工耳管の固定の安定性を高める。また突起47間には、さまざまな方向の流路が提供される。先端側開口43、先端側軸部48、括れ部49は、それぞれ実施例1の対応する各部と同一である。
〔実施例6〕
図6は、実施例5の人工耳管を一部変更した更なる別の一実施例のやや後方から見た平面図である。本実施例においては、突起57のサイズは全て同一であるが、管状体51の外径を一部で拡大することによってその表面に先細りの領域を設けてあり(なお、本実施例では、後方で再度外径を元に戻している)、その先細りの表面上に突起57が配列されることによって、突起群全体として見たときに先細りの形態となっている。先端側開口53、先端側軸部58、括れ部59は、それぞれ実施例1の対応する各部と同一である。
〔臨床試験〕
本発明の人工耳管を患者に挿置することによって治療した臨床試験の成績の一部を以下に記載する。
(試験方法)
耳管機能検査: 耳管機能の検査は、加圧減圧法、音響耳管法及び耳管カテーテル通気法により行った。
加圧減圧法による検査は、鼓膜穿孔を介して外耳道側より鼓室内に一定速度で空気圧を加え、耳管が自然に開く圧(受動的開大圧又は逆通気圧という。)を調べる静的検査と、外耳道側から中耳に一定の陽圧、あるいは陰圧を負荷しておき、嚥下運動によって耳管が開く(能動的開大)程度を調べる動的検査とがある。加圧減圧法によれば、健常な耳管の場合、外耳側から鼓室の気圧を高めても、嚥下運動により耳管が開くため、急激な減圧による回復が見られる。また負荷する空気圧を徐々に高めて行っても、ある程度以上になると耳管が受動的に押し広げられて開き(受動的開大)空気が流出するため、その時点で気圧の下行が見られる。耳管狭窄症では、これとは対照的に、嚥下運動時も耳管が閉じたままであるため、鼓室側の空気圧は嚥下を繰り返しても低下せず、また、鼓室の気圧がかなり高くならないと耳管の受動的開大が起こらない。受動的開大圧は、正常耳の平均が約355daPaであり、標準偏差×2以内を正常とみなし、545daPaを超えるとき、異常であると判断することができる。
加圧減圧法による検査には永島医科器械株式会社製の耳管機能検査装置ET−1000を用いた(図7に概念的に示す)。装置のチャネルを加圧減圧法のプロットダイアグラム作成に合わせて、鼓膜穿孔患者の外耳側から空気圧(陽圧又は陰圧)を負荷し、耳管が開放するとき(嚥下による、又は、負荷した空気圧の増大による)の圧変化を圧トランシュデューサ141で測定しアンプ142で増幅してレコーダ143に記録し、評価した。
音響耳管法は、負荷音源からの音を鼻腔内に投射しつつ、外耳道に取り付けたマイクを用いて嚥下時の音圧変化をモニターすることによって、耳管の開閉状況を調べる方法である。嚥下時に耳管の開大があれば鼻腔内の音が耳管中を空気伝導して外耳側に達するため、外耳道側のマイクで捉えた音圧変化により、耳管狭窄の有無と程度を評価することができる。
音響耳管法による検査には永島医科器械株式会社製の耳管機能検査装置ET−1000用いた(図8に概念的に示す)。装置151のチャネルを音響耳管機能検査に合わせ、嚥下運動と外耳道の音圧とを同時にモニターして、嚥下の際の耳管の開放の有無を評価した。
耳管カテーテル通気法による検査は、図9に概念的に示すように、鼻腔側から挿入したカテーテルの通気圧を上げて行き、中耳腔圧の変化を測定する方法である。健常の場合、通常は通気圧8kPa前後で中耳圧の開大が見られる。図において、161は外耳道圧センサー、162は耳管カテーテル、163は通気圧センサーである。また点Aにおける通気圧が、耳管開大圧(kPa)である。
(症例1) 16歳男性患者。右耳管開放症で、ほとんど常時、耳と鼻の空気が流通したままの状態にあり、耳管機能検査の音響法で、耳管開大持続時間が長い、スキースロープ様の曲線を呈し(図10)、TTAGでのバルサルバ通気でも耳管開大圧が14daPaと異常に低く(図11)、鼻深呼吸でも中耳圧の変動が大きい(図12)。術前からある鼓膜穿孔を介しての加圧減圧テスト(図13)では、中耳圧が10daPaに上昇する時点で耳管が開大し、負荷圧が解除され、耳管がかなり低い圧で開いた。何れも耳管開放症の所見であった。実施例2のタイプの三角刃状の突起を持つ人工耳管を作成して挿入術を行った。術後10日目では、耳のつまりや呼吸音が聞こえるなどの自覚症状も大幅に改善し、音響法ではスキースロープ様の曲線は消失し、嚥下時の耳管の開大持続時間は正常化した(図14)。カテーテルを用いた耳管カテーテル通気では、耳管開大圧は9kPaで、ほぼ正常範囲となった(図15)。なお、耳管開大圧は耳管カテーテル通気度の客観的測定で、カテーテルの通気圧を上げていくときに中耳腔圧変化が圧センサーで捉えられたときとし、正常では8kPa前後が多いが、この症例では術前の耳管開大圧は約1kPaで明らかに耳管開放症と診断した(図15)。
本発明によれば、耳管狭窄症、耳管開放症あるいは閉塞と開放の両方を起こすフロッピーチューブの効果的且つ簡便な治療や、癒着性中耳炎の治療、滲出性中耳炎手術後の鼓膜の癒着防止や真珠種の再発防止のために使用できる、滲出液排泄の機能を大きく高めた人工耳管が提供される。

Claims (19)

  1. 先端、後端及び管腔を有し、骨部耳管側から耳管峡部を通して軟骨部耳管に該先端を臨ましめ、耳管峡部に挟持された状態で、患者の耳管内に挿置しておくための人工耳管であって、
    少なくとも耳管峡部に挟持させる部位において、外周面に、複数の突出部を外周回りに分散させて備えており、
    該人工耳管の該部位及び/又はこれより先端寄りにおいて、該管腔が少なくとも1個の先端側開口を介して外部に開いており、
    該部位より後方において、該管腔が少なくとも1個の後方開口を介して外部に開いている
    ことを特徴とする人工耳管。
  2. 少なくとも耳管峡部に挟持させる部位において、外周面に、複数の突出部を更に該人工耳管の長手方向にも分散させて備えるものである、請求項1の人工耳管。
  3. 外周回り及び長手方向に分散させて備えられた複数の該突出部が、全体としてそれらの先端の高さが、該人工耳管の先端側へ向けて低下しているものである、請求項2の人工耳管。
  4. 該突出部が、イボ状の突起である、請求項1ないし3の何れかの人工耳管。
  5. 該突出部が、該人工耳管の長手方向に延びた突条であり、その先端側において後方へ向かって高さを増加しつつ立ち上がっているものである、請求項1ないし3の何れかの人工耳管。
  6. 該突出部が、該人工耳管の長手方向に延びた突条であり、該突条がその側方断面において上縁に複数の切り欠きを有するものである、請求項1ないし3の何れかの人工耳管。
  7. 該突条がその側方断面において複数連なった三角刃状をなすものである、請求項6の人工耳管。
  8. 該突条が、その後端側において後方へ向かって高さを減じるものである、請求項6又は7の人工耳管。
  9. 該突出部が、該人工耳管の外周面から突き出た棒状突起である、請求項1ないし3の何れかの人工耳管。
  10. 耳管峡部に挟持させる部位が、該人工耳管の先端から20mm以内に位置するものである、請求項1ないし9の何れかの人工耳管。
  11. 該突出部が、該人工耳管の長手方向に5mm以上の範囲にわたって備えられているものである、請求項1ないし10の何れかの人工耳管。
  12. 該突出部が、該人工耳管の先端から4.5mmの位置より後方側に備えられているものである、請求項1ないし11の何れかの人工耳管。
  13. 耳管峡部に挟持させる部位において、突出部の先端が、人工耳管の中心軸から半径0.3〜3.0mmの範囲に位置するものである、請求項1ないし12の何れかの人工耳管。
  14. 該人工耳管の先端から4.5mmの位置より後方側、且つ、分散して備えられた突出部に隣接してその人工耳管の先端側に環状の括れ部を含むものである、請求項1ないし13の何れかの人工耳管。
  15. 該先端側開口、該管腔及び該後方開口が、それらを通って該人工耳管の内部と外部とを連通する少なくとも内径0.2mm以上である流路を提供しており、且つ、該流路が、内径0.9mm以下の部分を有するものである、請求項1ないし14の何れかの人工耳管。
  16. 後方開口が、人工耳管の側壁に開いているものである、請求項1ないし15の何れかの人工耳管。
  17. 後方開口が、人工耳管の後端にも開いているものである、請求項16の人工耳管。
  18. 全長が22mm以上である、請求項1ないし17の何れかの人工耳管。
  19. 可撓性樹脂製である、請求項1ないし18の何れかの人工耳管。
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