JPWO2006117862A1 - 有害物質を除去し得るタバコフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】喫煙時にタバコ独特の風味及びフィルタの通気性を損なうことなく、同時にタバコから発生するピレン等の有害物質をより効果的に除去し得るタバコフィルタの提供。【解決手段】タバコの煙が通過するフィルタ繊維束体と、該フィルタ繊維束体の中に混入され点在する高比表面積微粉末と、該高比表面積微粉末の外表面に付着された二本鎖DNA分子とを備えてなり、タバコの煙に含まれるベンゾ[a]ピレン等の有害物質を前記二本鎖DNA分子にインターカレーション捕捉して除去し得ることを特徴とするタバコフィルタ。【選択図】なし

Description

本発明は、タバコフィルタ、詳細には、喫煙時にタバコ独特の風味及びフィルタの通気性を損なうことが少なく、同時にタバコから発生するピレン等の有害物質をより効果的に除去し得るタバコフィルタに関する。
紙巻タバコに備えられるフィルタは従来、タバコの健康に与える影響が考えられた結果、タバコのタール様物質、すなわちヤニを除去することができるものとして開発されたものである。近年、喫煙による健康障害がさらに一層注目されるようになっており、喫煙時にタバコから発生するピレン等の有害物質が除去され得るフィルタの要望が高まりつつある。関連する技術として、特許文献1は、活性成分としてDNAをフィルタに直接に付着させたタバコ用フィルタを提案し、該フィルタは、タバコ煙に含有される発ガン性の毒性生成物を捕捉することを記載している。他方、特許文献2においては、本発明者らにより、紫外線照射によりDNAをタバコフィルタ等の支持体に直接に固定する技術が提案されている。
仏国特許発明第2798302号明細書 特開2001−81098号公報
ところで、有害物質が除去され得るタバコフィルタとしては、煙に含まれる有害物質を出来る限り多く取り除くことができる性能を有するだけでなく、それと同時に、タバコ独特の風味を損なわない、すなわち風味の元となる化学物質の円滑なフィルタ通過を確保し、さらにフィルタの良好な通気性を維持することが要求される。風味の元となる物質まで除去すると、タバコを吸っても味気ないものとなり、また、フィルタの通気性が悪化すると、タバコの煙の吸い込みに抵抗感が感じられてしまい、タバコとしての商品価値が下がってしまう。
これに対し、特許文献1に記載されるタバコ用フィルタは、喫煙時におけるタバコ風味の維持並びに通気性についてまで考慮されたものではない。他方、特許文献2に記載された技術にあっては、DNAを固定したフィルタをタバコフィルタとして用いた場合の、有害物質の除去効果の程、並びにタバコの風味及びフィルタの通気性についてまで記載されておらず、タバコフィルタとしての実用段階にはまだ至っていない。
そこでかような事実に鑑み、本発明者は、タバコから発生するピレン等の有害物質をより一層効果的に除去し得るという特性に加え、喫煙時にタバコ独特の風味及びフィルタの通気性を損なうことがないという特性をも併せ持ったタバコフィルタを開発するべく、鋭意研究を重ねた。本発明者は、その開発にあたり、まず、例えばピレン等の有害物質を吸着するが、タバコの風味成分の一つとなるニコチンや嗜好成分の吸着は少ない性質を有する物質として二本鎖DNAが好適であると着想し、これを選択することとした。次に、フィルタ繊維束体に二本鎖DNAを付着させたとき、該二本鎖DNAがフィルタ繊維束体全体に散在すると、特に多量に分布すると、フィルタの通気性が低下してしまう傾向にあることを考慮し、二本鎖DNAがフィルタ繊維束体の全体ではなく、部分的に点在する形態につき、色々と考えた。そして、二本鎖DNAをセルロースビーズ微粉末に付着させ、それから該二本鎖DNAが付着されたセルロースビーズ微粉末をフィルタ繊維束体に点在させるという手法を思い付き、これを試みたところ、有害物質が効果的に除去され、かつ、タバコ独特の風味の元となる物質は円滑に流通し、そしてフィルタの通気性の低下は抑えられるという良好な結果を得た。また、その際、より多くの二本鎖DNAは、セルロースビーズ微粉末の外表面に付着していることを確認した。
本発明は、以上のような経緯から為されたものであり、セルロースビーズのような大きな表面積を有する微粉末に二本鎖DNAを付着させ、これをフィルタ繊維束体に混入させると、得られたタバコフィルタが、タバコから発生するピレン等の有害物質をより一層効果的に除去し得るという特性及び、喫煙時にタバコ独特の風味及びフィルタの通気性を損なうことが少ないという特性をすべて兼ね備えるものとなり得ることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本願請求項に係る発明は、タバコの煙が通過するフィルタ繊維束体と、
該フィルタ繊維束体の中に混入され点在する高比表面積微粉末と、
該高比表面積微粉末の外表面に付着された二本鎖DNA分子とを備えてなり、
タバコの煙に含まれるベンゾ[a]ピレン等の有害物質を前記二本鎖DNA分子にインターカレーション捕捉して除去し得ることを特徴とするタバコフィルタに関する。
本発明の好ましい態様は、前記高比表面積微粉末は、セルロースビーズからなることを特徴とするタバコフィルタに関する。
本発明の別の好ましい態様は、前記高比表面積微粉末は、平均粒径が50ないし2000μm、好ましくは300ないし800μmを有することを特徴とするタバコフィルタに関する。
また本発明は、前記フィルタ繊維束体の重量に基づき、前記高比表面積微粉末が1ないし50重量%、及び二本鎖DNA分子が0.01ないし10重量%含まれていることを特徴とするタバコフィルタに関する。
本発明の別の態様は、これらのタバコフィルタが備えられた紙巻タバコにも関する。
本発明に係るタバコフィルタは、タバコの煙が通過するフィルタ繊維束体、該フィルタ繊維束体の中に混入された微粉末であって、その外表面に、二本鎖DNA分子が付着し得る高比表面積微粉末、及び該高比表面積微粉末の外表面に付着された二本鎖DNA分子とを備えてなる。かかる構成により、喫煙時のタバコの煙の通気性を確保し得ると共に、煙に含まれるタール等の旨み成分の吸着及び除去は少なく抑えて喫煙感を維持するだけでなく、ベンゾ[a]ピレン等の有害物質を二本鎖DNA分子間にインターカレーション捕捉して効果的に除去し得るという効果を奏する。なおまた、二本鎖DNA分子は高比表面積微粉末に付着されることによって、タバコフィルタに直接に付着されるよりも脱落しにくくなるため、有害物質の除去効果が長期にわたり持続し得るという利点をも有する。
本発明に使用される高比表面積微粉末の電子顕微鏡写真を示す図である。 本発明に使用される二本鎖DNAが付着した高比表面積微粉末の電子顕微鏡写真を示す図である。 本発明に使用される二本鎖DNAが付着した高比表面積微粉末の電子顕微鏡写真を示す別の図である。 (a)は、本発明のタバコフィルタの縦断面を示す模式図の一例であり、(b)は、二本鎖DNAをフィルタ繊維束体に直接付着させたタバコフィルタの縦断面を示す模式図である。
本発明においては、二本鎖DNA分子をより集中して多く付着させ得る為に、図1に示すような、例えば外表面に多数の隙間1を有する特殊な構造の高比表面積微粉末2が用いられる。そして二本鎖DNA3は、かような高比表面積微粉末2の外表面に付着されることとなる(図2及び図3)。高比表面積微粉末2は二本鎖DNA分子が付着し得ることが出来る構造であれば特に問題はなく、例えば、隙間の他、襞、皺又は縒りなどが形成されていてもよい。また、本発明に係る高比表面積微粉末は、その外表面だけでなく、内部にまでかような隙間、襞、皺又は縒りなどが形成された構造であってもよい。高比表面積微粉末自体の形状もまた特に制限はなく、該形状として、例えば多孔質形状が挙げられる。
より多くの二本鎖DNA分子が保持された高比表面積微粉末が混入され点在された本発明のタバコフィルタは、フィルタの通気性が効果的に確保されるという点で、DNAを直接にフィルタに保持させた従来のタバコフィルタよりも大変に有利である。このことを、二本鎖DNA分子が直接にフィルタ繊維束体に付着された従来のタバコフィルタと比較して以下説明する。
図4(a)に示すように、二本鎖DNA3が上記のような構造を有する高比表面積微粉末2の外表面に付着され、そしてかかる二本鎖DNA3が付着した高比表面積微粉末2がフィルタ繊維束体4に混入され点在した本発明のタバコフィルタ5においては、一定量の二本鎖DNA3をフィルタ繊維束体4に分布させるのには、それら二本鎖DNA3が保持された高比表面積微粉末2を、点在した状態でフィルタ繊維束体4に混入させる必要がある。その結果、二本鎖DNA3が付着した高比表面積微粉末2の各々は、互いに離れた位置になる為、タバコフィルタ5の内部は、タバコの煙6の通過路が十分に確保された状態となっている。
これに対し、図2(b)に示すように、二本鎖DNA3をフィルタ繊維束体4に直接に付着させた(例えばDNA水溶液にフィルタ繊維束体を浸漬した後、該フィルタ繊維束体を乾燥してDNAをフィルタ繊維束体に保持させる態様など)タバコフィルタ7においては、同量の二本鎖DNA3をフィルタ繊維束体4に分布させるには、必然的にフィルタ繊維束体4の全体にほぼ均等に拡散する状態となる。つまり、各々の二本鎖DNA3は、互いにその位置が接近した位置となる為、喫煙時のタバコの煙6の通過路が狭く、通気性が良好とは言えない状態となっている。
このように、本発明のタバコフィルタにあっては、フィルタの通気性が効果的に維持されるよう工夫されたものでもある。
本発明における高比表面積微粉末は、フィルタ繊維束体の目詰まりの防止の点から、その平均粒径が50ないし2000μmを有するであることが望ましく、平均粒径が300ないし800μmを有することがより好ましい。高比表面積微粉末は、タバコの煙を通すことができ、かつ、大きな比表面積を有する構造のもので、二本鎖DNA分子がその外表面に付着され得る構造のものであれば、その材質及び形状は特に問われず、例えば、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、澱粉、天然ゴム、ゼラチン、キチン、キトサン、アセテート等の合成高分子及び天然高分子、或いはシリカ、アルミナ、活性炭、珪藻土等の無機類等、及びこれらの混合体であり得る。高比表面積微粉末の好ましい材質としては、例えばセルロース系高分子、特に酢酸セルロースからなるものが挙げられる。高比表面積微粉末の形状としては、例えばビーズ状のものが好ましく、セルロースビーズが最も好ましい。高比表面積微粉末は、フィルタ繊維束体に対して単に混入した状態で存在していれば十分である。そして二本鎖DNA分子は高比表面積微粉末に対して、物理的な力により、例えば分子間力、静電気力により、或いは化学的結合により、例えば共有結合、イオン結合、配位結合により、もしくはそれら両方の結合によって付着され得る。なお、本発明においては、二本鎖DNA分子が高比表面積微粉末から脱落しない状態で存在していれば、該二本鎖DNA分子は高比表面積微粉末に付着されていると言うものとする。
一方、本発明で用いる二本鎖DNAは、螺旋型を有する二本のポリヌクレオチド鎖(二重螺旋)からなり、例えばサケ、ニシン、タラ等の魚類の白子(精巣)から得られるDNA、もしくはウシ、ブタ、ニワトリ等の哺乳動物もしくは鳥類の胸腺から得られる二本鎖DNAが好ましい。二本鎖DNAは、二本のポリヌクレオチド鎖の糖−リン酸骨格から、構造的相補性を有する平面的な塩基同士が螺旋の軸に対して垂直に、らせんの中央部に向かって突出し合い、水素結合で結合している。DNAの二本鎖の塩基対と塩基対の間には、B型構造の場合、幅約1.1nm、高さ0.34nmの隙間があり、平面構造を有する小分子はこの隙間に入り込むことが可能であり、これをインターカレーションと呼ぶ。この現象は小分子の電荷や疎水性により促進される場合がある。ダイオキシン類などの人間にとっての有害な物質は複数のベンゼン環からなるものが多く、平面構造を有することから、二本鎖DNAを利用して、喫煙時にタバコから発生する有害物質をより効果的に除去することが可能である。本発明において使用される二本鎖DNAの形態としては、高比表面積微粉末の外表面に付着され得る範囲内のものであれば特に制限されず、例えば粉末状、繊維状又はフィルム状の形態が挙げられ、粉末状、特に微粉末の形態が好ましい。二本鎖DNAを微粉末となすことにより、同量での二本鎖DNAの表面積をより大きなものとし、有害物質を吸着・除去する効果をさらに高めることが出来る。
本発明のタバコフィルタに含まれる高比表面積微粉末及び二本鎖DNA分子は、有害物質の除去の効率を考慮すると、フィルタ繊維束体の重量に基づきそれぞれ、1ないし50重量%及び0.01ないし10重量%の範囲内である。
本発明のタバコフィルタはまた、活性炭、有害物質を除去し得る二本鎖DNA以外の物質、又は香料などをさらに含む態様をとってももちろんよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1
図4(a)に示す構成の本発明のタバコフィルタ5及び該タバコフィルタ5が備えられたタバコAを、以下に記載するように製造した。
高比表面積微粉末としてのセルロースビーズ(平均粒径:300ないし800μm)およそ100gに対して、微粉末状の二本鎖DNA750mgを散布し付着させた。続いて、タバコフィルタ製造機を用い、この二本鎖DNAが付着したセルロースビーズ0.1g(二本鎖DNA含量:0.75mg)を、酢酸セルロースからなるフィルタ繊維束体(重量:およそ1.0g)に混入し、タバコフィルタ製造機を用いてライスペーパーで包み、丸棒状に成形して本発明のタバコフィルタを得た。更に、Research Cigarette 2R4F(商品名、米国 ケンタッキー大学)タバコのフィルタを取り除き、その取り除いた部位に、上記で得られた本発明のタバコフィルタを取り付け、本発明のタバコAを製造した。
比較例1
Research Cigarette 2R4F(商品名、米国 ケンタッキー大学)タバコのフィルタを取り除き、その取り除いた部位に、上記実施例1で用いたフィルタ繊維束体から作ったフィルタ(二本鎖DNA及びこれを保持したセルロースビーズ無し)を取り付け、タバコBを製造した。
比較例2
タバコBの製造に用いたフィルタ繊維束体およそ1.0gを5重量%の二本鎖DNA水溶液におよそ1分間浸した。続いて該フィルタ繊維束体を二本鎖DNA水溶液から引き上げ、およそ37℃にて十分に乾燥させ、さらに260nmの波長の紫外線を照射してタバコフィルタを得た。測定したところ、タバコフィルタに付着された二本鎖DNAはおよそ1mgであった。該タバコフィルタを、タバコフィルタ製造機を用いてライスペーパーで包み、丸棒状に成形した。そしてさらに、Research Cigarette 2R4F(商品名、米国 ケンタッキー大学)タバコのフィルタを取り除き、その取り除いた部位に、上記丸棒状に成形したタバコフィルタを取り付け、タバコCを製造した。
比較例3
タバコBの製造に用いたフィルタ繊維束体およそ1.0gを5重量%の二本鎖DNA水溶液を噴霧した。続いて、該フィルタ繊維束体をおよそ37℃にて十分に乾燥させ、タバコフィルタを得た。測定したところ、タバコフィルタに付着された二本鎖DNAはおよそ1mgであった。該タバコフィルタを、タバコフィルタ製造機を用いてライスペーパーで包み、丸棒状に成形した。そしてさらに、Research Cigarette 2R4F(商品名、米国 ケンタッキー大学)タバコのフィルタを取り除き、その取り除いた部位に、上記丸棒状に成形したタバコフィルタを取り付け、タバコDを製造した。
比較例4
タバコBの製造に用いたフィルタ繊維束体およそ1.0gを5重量%の二本鎖DNA及び0.1重量%のNaF0.1%を含む水溶液中およそ1分間浸漬した。続いて該フィルタをDNA水溶液から引き上げ、およそ37℃にて十分に乾燥させて、タバコフィルタを得た。測定したところ、タバコフィルタに付着されたDNAはおよそ3mgであった。該タバコフィルタを、タバコフィルタ製造機を用いてライスペーパーで包み、丸棒状に成形した。そしてさらに、Research Cigarette 2R4F(商品名、米国 ケンタッキー大学)タバコのフィルタを取り除き、その取り除いた部位に、上記丸棒状に成形したタバコフィルタを取り付け、タバコEを製造した。
試験例1
タバコA、B、C、D及びEを喫煙した場合において、発生するベンゾ[a]ピレンの除去効果に関する実験を行った。
(試験方法)
HamburgII自動喫煙装置に、上記で得られたタバコA、B、C、D及びEのそれぞれの主流煙(空気:タバコ煙=7:3)を1puff/35ml/2秒で20本/日、計10回喫煙させた。そして、喫煙後に外へ流出した総気体に含まれるベンゾaピレン量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2006117862
(結果)
表1の結果より、ベンゾ[a]ピレンの、喫煙後に外へ流出した量は、タバコB、C、D及びEに対して、それぞれ0.45ng/UNK、0.25ng/UNK、0.31ng/UNK、及び0.41ng/UNKであったのに対し、本発明のタバコフィルタが用いられたタバコAの場合には、およそ0.15ng/UNKしか外へ流出しなかった。特に、タバコAは、二本鎖DNAが0.75mgしか保持されていないにもかかわらず、二本鎖DNAがそれぞれ1mg、1mg及び3mg保持されたタバコC、D及びEよりも、ベンゾ[a]ピレンの除去効果が高かった。同時に、二本鎖DNAをセルロースビーズに保持させ、それを繊維束体に混入させた態様のタバコAは、二本鎖DNAを水溶液の状態で浸漬又は噴霧により繊維束体に直接に付着させた態様のタバコC及びDよりもベンゾ[a]ピレンの除去効果が高いと言うことも出来る。つまり、多量の二本鎖DNAをセルロースビーズに保持させ、そしてこれを繊維束体に混入させてなる本発明のタバコフィルタは、ベンゾ[a]ピレンなどピレン類の吸着・除去効果がより一層優れているものであると判る。
試験例2
上記実施例1及び比較例1ないし4のタバコA、B、C、D及びEについて、喫煙感の度合いについて試験を行った。
試験方法:
タバコA、B、C、D及びEを30人の被験者に対して喫煙してもらい、そのうち、二本鎖DNAを有するもの、すなわちタバコA、C、D及びEの風味及び煙の吸い込み感を、二本鎖DNAを有していないタバコBのそれと比較した。評価は、タバコBと比較して、風味及び煙の吸い込み感のそれぞれがどの程度低下したかを、
変わらないか或いは全く気付かなかった…3点
やや違和感が感じられた…2点
明らかに違和感が感じられた…1点
とし、タバコA、B、C、D及びEそれぞれについて平均点を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2006117862
上記の結果より、本発明のタバコフィルタが用いられたタバコAは、二本鎖DNAを有するものではあるが、煙の吸い込み易さ及び風味が、二本鎖DNAを有していないタバコフィルタを備えたタバコBと変わらない結果となった。これに対し、二本鎖DNAを直接にフィルタ繊維束体に付着させた態様のタバコC、D及びEは、特に、タバコAほどには煙の吸い込み感の低下が抑制され得ないこともまた判った。この結果は、二本鎖DNAが直接にではなく、セルロースビーズという高比表面積微粉末に集中して付着され、かかる高比表面積微粉末が、タバコのフィルタ繊維束体に互いに十分な間隔を保って点在された形態による為であると推測される。





















Claims (6)

  1. タバコの煙が通過するフィルタ繊維束体と、
    該フィルタ繊維束体の中に混入され点在する高比表面積微粉末と、
    該高比表面積微粉末の外表面に付着された二本鎖DNA分子とを備えてなり、
    タバコの煙に含まれるベンゾ[a]ピレン等の有害物質を前記二本鎖DNA分子にインターカレーション捕捉して除去し得ることを特徴とするタバコフィルタ。
  2. 前記高比表面積微粉末は、セルロースビーズからなることを特徴とする請求項1記載のタバコフィルタ。
  3. 前記高比表面積微粉末は、平均粒径が50ないし2000μmを有することを特徴とする請求項1記載のタバコフィルタ。
  4. 前記高比表面積微粉末は、平均粒径が300ないし800μmを有することを特徴とする請求項1記載のタバコフィルタ。
  5. 前記フィルタ繊維束体の重量に基づき、前記高比表面積微粉末が1ないし50重量%、及び二本鎖DNA分子が0.01ないし10重量%含まれていることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載のタバコフィルタ。
  6. 請求項1ないし5のうちいずれか1項記載のタバコフィルタが備えられた紙巻タバコ。

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