JPWO2006106663A1 - 防霜剤組成物 - Google Patents

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Abstract

強力に霜や氷を解凍するとともに、長期に渡り霜の付着を防止することができ、また、壁面等に適用してもダレを防止することができる。(a)グリコール類、グリコールエーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール誘導体、グリセリン及びグリセリン誘導体から選ばれる少なくとも1種、(b)石けん、ウレア化合物、微粒子シリカゲル、レシチン及び多糖類から選ばれる少なくとも1種、(c)カルボン酸金属塩、硝酸金属塩、リン酸金属塩、金属塩化物、及び金属臭化物から選ばれる少なくとも1種の金属塩、及び(d)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ひまし油、硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンひまし油、及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種を、それぞれ特定量含有するグリース状の防霜剤組成物である。

Description

本発明は、霜や氷を解凍するとともに、霜や雪の付着を防止するグリース状の防霜剤組成物に関する。
冷凍倉庫の運転時には、空気中の水分や庫内の被冷凍物からもたらされる水分により、冷凍倉庫の内壁に霜が付着する。これを放置すると次第に壁面が氷で覆われてしまい、熱効率が極端に悪化するため、定期的に霜や氷を除去する必要がある。霜や氷を除去するためには冷凍運転を一時停止し、庫内の被冷凍物を外部に運び出した上で、人手にて行う必要があった。
これらの問題を解決するために、凍結を防止する薬剤組成物がこれまでに提案されてきた。例えば、水−混和性有機液体にアルミナを加えた増粘有機組成物(特許文献1)が提案されている。しかし、アルミナは、冷凍庫内等に食品を保存する場合、これらが接触する可能性のある用途には適していない。また、エチルアルコールにベントナイト、酸性白土、砥石粉、タルクを加えた組成物(特許文献2)が知られているが、エチルアルコールは気化しやすいため、防霜効果を持続することが困難であった。さらに、特許文献1、特許文献2の上記組成物は、液体凍結防止剤を特定の固体で増粘したものであるが、本発明のグリース状物とは異なり、基油の保持性に欠け、液体凍結防止剤の分離や硬さ変化により長期に渡り安定な解凍効果は得られないという問題があった。
また、エチレングリコールやプロピレングリコール等のアルコール類にヒドロキシメチルセルロース等の増粘剤を混合してゲル状とした組成物が例示されている(特許文献3)が、その凍結防止効果はアルコール等による水の凝固点降下作用のみによっており、自動車のフロントガラスの短期の氷結防止には適用できても、冷凍倉庫内部の厳しい環境下における長期間にわたる防霜効果、凍結防止効果は期待できない。その他に、主に路面の融雪、凍結防止を目的とした薬剤組成物が各種提案されており、例えば、特許文献4では、炭素数1〜10のカルボン酸の塩と水溶性多価アルコールとの混合物に水溶性高分子、無機物質を加えた凍結防止剤を提案している。しかしながら、冷凍倉庫の内壁に防霜、凍結防止剤を適用するためには少なくとも半年間性能を保持する必要があるが、これらの路面に適用することを目的とした凍結防止剤を垂直な壁面に塗布した場合、短期間のうちに剥落してしまうという問題もあった。
特表平8−506130号公報 特許第144709号公報 特開2000−328047号公報 特開平10−251622号公報
本発明は、強力に霜や氷を解凍するとともに、長期に渡り霜の付着を防止することができ、また、壁面等に適用した際にもダレを防止することができ、さらには、食品と直接接触する可能性のある食品冷凍庫等でも安心して使用することができる防霜剤組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、(1)(a)グリコール類、グリコールエーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール誘導体、グリセリン及びグリセリン誘導体から選ばれる少なくとも1種を10.0〜96.7質量%、(b)石けん、ウレア化合物、微粒子シリカゲル、レシチン及び多糖類から選ばれる少なくとも1種を0.3〜25.0質量%、及び(c)カルボン酸金属塩、リン酸金属塩、硝酸金属塩、金属塩化物、及び金属臭化物から選ばれる少なくとも1種の金属塩を3.0〜89.7質量%含有し、かつ(d)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ひまし油、硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンひまし油、及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種を、(a)成分と(b)成分と(c)成分との合計100質量部に対し0.1〜5.2質量部含有する、グリース状の防霜剤組成物、に関する。
本発明の防霜剤組成物によれば、強力に霜や氷を解凍することができ、長期に渡って、防霜効果が持続し、省エネルギーの観点から優れたものである。また壁面等に適用した際にもダレを防止でき、さらには、食品が直接接触する可能性のある食品冷凍庫等でも安心して使用することができる。
本発明者等は、霜や氷を解凍するとともに、霜や雪の付着を防止する液体を、壁面等に適用するに当たって、単に液体の粘度を上げるだけではなく、グリース化することによりダレを防止することが可能であるとの知見に基づき本発明に至った。
本発明の防霜剤組成物は、(b)成分の3次元網目構造に、特定の金属塩((c)成分)を含有する(a)成分を保持する構造からなり、防霜に十分な量の吸湿性成分を確保でき、更に(d)成分によりその構造を安定化させることで上記本発明の目的を達成できる。
以下、上記(a)〜(d)の各成分について説明する。
[(a)成分]
(a)成分は、グリコール類、グリコールエーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール誘導体、グリセリン、及びグリセリン誘導体から選ばれる少なくとも1種であり、これらは、本発明において基油の機能を有することができる。
上記(a)成分は、25℃において水100ml中に10g以上溶解することができるものが好ましく、この場合、組成物にしたときに十分な吸湿性が得られ、優れた防霜効果が発揮される。
グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルキレングリコール類及び、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール等のアルキレングリコール類のオリゴマー等が挙げられる。これらの中で、水溶性や低温粘度の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、又はトリプロピレングリコールが好ましく、プロピレングリコール、ジエチレングリコールが更に好ましい。
グリコールエーテル類としては、アルキレングリコール類のアルキルエーテル、例えば、エチレングリコールやプロピレングリコール等のモノメチルエーテル、ジメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノノルマルプロピルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノノルマルブチルエーテル、モノイソブチルエーテル等が挙げられ、さらに、アルキレングリコール類のオリゴマーのアルキルエーテル、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のモノメチルエーテル、ジメチルエーテル、モノエチルエーテル、ジエチルエーテル、モノノルマルプロピルエーテル、モノイソプロピルエーテル、モノノルマルブチルエーテル、モノイソブチルエーテル等が挙げられる。これらの中で、水溶性や低温粘度の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールの上記アルキルエーテルが好ましく、プロピレングリコール、ジエチレングリコールの上記アルキルエーテルが更に好ましく選ばれる。
ポリアルキレングリコール類としては、例えば、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドの単独重合体や、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びテトラヒドロフランから選ばれる1種以上のモノマーとの共重合体が挙げられる。これらの中で、水溶性及び低温での粘度の点からから、エチレンオキシドの単独重合体、プロピレンオキシドの単独重合体、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体が好ましく、分子量としては500以下が好ましく選ばれる。
ポリアルキレングリコール誘導体としては、上記ポリアルキレングリコール類のアルキルエーテル、脂肪酸エステルやポリオキシアルキレン多価アルコール等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール類のアルキルエーテルとしては、具体的には、上記ポリアルキレングリコール類のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノヘキシルエーテル、モノオクチルエーテル、モノデシルエーテル、モノドデシルエーテル、モノテトラデシルエーテル、モノヘキサデシルエーテル、モノオクタデシルエーテル、モノオレイルエーテル、モノアリルエーテル、モノコレステリルエーテル等が挙げられる。これらの中で、水溶性と低温粘度の観点から、ポリアルキレングリコール類としてはエチレンオキシドの単独共重合体又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体で分子量が500以下のものが好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の場合にはエチレンオキシドの比率が50質量%以上であることが好ましい。
また、アルキルエーテルとしては、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノヘキシルエーテル、モノオクチルエーテル、モノデシルエーテル、モノドデシルエーテル、モノオレイルエーテルが好ましく、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルが更に好ましい。
ポリアルキレングリコール類の脂肪酸エステルとしては、具体的には、上記ポリアルキレングリコール類のモノ酢酸エステル、モノプロパン酸エステル、モノブタン酸エステル、モノヘキサン酸エステル、モノオクタン酸エステル、モノデカン酸エステル、モノドデカン酸エステル、モノテトラデカン酸エステル、モノヘキサデカン酸エステル、モノオクタデカン酸エステル、モノオレイン酸エステル等が挙げられる。これらの中で、水溶性と低温粘度の観点から、ポリアルキレングリコール類としてはエチレンオキシドの単独共重合体又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体で分子量が500以下のものが好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の場合にはエチレンオキシドの比率が50質量%以上であることが好ましい。
また、脂肪酸エステルとしては、モノ酢酸エステル、モノプロパン酸エステル、モノブタン酸エステル、モノヘキサン酸エステル、モノオクタン酸エステル、モノデカン酸エステル、モノドデカン酸エステルが好ましく、モノ酢酸エステル、モノプロパン酸エステル、モノブタン酸エステルが更に好ましい。
ポリオキシアルキレン多価アルコール類としては、上記ポリアルキレングリコール類と多価アルコール類とのエーテルであり、多価アルコール類としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、グルコース、スクロース、メチルグルコシド、ソルビトール等が挙げられる。これらの中で、水溶性と低温粘度の観点から、ポリアルキレングリコール類としてはエチレンオキシドの単独共重合体又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体で分子量が500以下のものが好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体の場合にはエチレンオキシドの比率が50質量%以上であることが好ましい。
グリセリンあるいはグリセリン誘導体としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンや、これらのアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等が挙げられる。
グリセリン、ジグリセリン又はポリグリセリンのアルキルエーテル類としては、具体的には、グリセリン、ジグリセリン又はポリグリセリンのメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチルエーテル、デシルエーテル、ドデシルエーテル、テトラデシルエーテル、ヘキサデシルエーテル、オクタデシルエーテル、オレイルエーテル、アリルエーテル、コレステリルエーテル等が挙げられる。これらの中で、水溶性の観点から、アルキルエーテルとしては、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチルエーテル、デシルエーテル、ドデシルエーテル、オレイルエーテルが好ましく、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテルがさらに好ましい。また、グリセリン、ジグリセリン又はポリグリセリン中のヒドロキシル基のエーテル化率としては、50%以下であることが好ましい。
グリセリン、ジグリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル類としては、具体的には、グリセリン、ジグリセリン又はポリグリセリンの酢酸エステル、プロパン酸エステル、ブタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、オクタン酸エステル、デカン酸エステル、ドデカン酸エステル、テトラデカン酸エステル、ヘキサデカン酸エステル、オクタデカン酸エステル、オレイン酸エステル等が挙げられる。これらの中で、水溶性の観点から、酢酸エステル、プロパン酸エステル、ブタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、オクタン酸エステル、デカン酸エステル、ドデカン酸エステルが好ましく、酢酸エステル、プロパン酸エステル、ブタン酸エステルが更に好ましい。また、グリセリン、ジグリセリン又はポリグリセリン中のヒドロキシル基のエステル化率としては、50%以下であることが好ましい。
本発明においては、(a)成分として、アルキレングリコール類、アルキレングリコール類のオリゴマー及びグリセリンから選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
上記の(a)成分のうち、凝固点が低く、水溶性の高いジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが高い防霜効果を示し、最も好ましい。また、食品冷蔵庫、食品冷凍庫用防霜剤等の食品と接触する可能性のある用途で用いるためには、これらのうち、食品と接触することが許容されているプロピレングリコール、グリセリンを用いることが好ましい。
本発明において、上記(a)成分は防霜剤組成物中10.0質量%以上含有されることが好ましく、15質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。(a)成分の含有量が10.0質量%より少ないと防霜効果が充分得られないため好ましくない。また、上記(a)成分は防霜剤組成物中に96.7質量%以下含有され、90質量%以下がより好ましい。
[(b)成分]
(b)成分としては、石けん、ウレア化合物、微粒子シリカゲル、レシチン及び多糖類から選ばれる少なくとも1種を使用する。本発明においては、これら(b)成分は増ちょう剤として作用することができる。
石けんとしては、高級脂肪酸のナトリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、これらのコンプレックス石けん等が挙げられ、高級脂肪酸としては炭素数12〜22のものが好ましく、炭素数16〜22のものが更に好ましい。
ウレア化合物とは、ウレア基(−NH−CO−NH−)を有する有機化合物をいい、ウレア基を2個以上有することが増ちょう効果を高めるために好ましい。例えば、芳香族ジウレア、脂肪族ジウレア、脂環式ジウレア、トリウレア、テトラウレア等が好ましい。
微粒子シリカゲルとしては、微粒子で多孔性のシリカゲルが用いられ、乾式シリカゲル、湿式シリカゲルのいずれも用いることができ、一次粒子の平均粒径が5〜20nmのものが好ましい。
レシチンとしては、大豆、卵黄等から抽出されたレシチンを用いることができる。レシチンに原料油脂が混合した精製度の低い大豆レシチンや、卵黄レシチンを用いてもよいし、原料油脂やその他の物質を除去精製して主に医薬用に用いられる高純度レシチンを用いてもよい。本発明においては、大豆レシチンが好適に用いられる。
本発明において、多糖類とは、グリコシド結合が連続することで生じる分子式(C6105nで表される高分子化合物をいう。多糖類としては、小麦デンプン、甘藷デンプン、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、可溶性デンプンの他、水酸基部分に官能基を導入したカルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のデンプン類とセルロース類が代表的なものとして例示される。その他多糖類として、コンニャクマンナン、ペクチン、寒天、布海苔、アルギン酸塩、アラビアゴム、デキストリン、レバン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、カラギーナン、キサンタンガム等が使用できる。本発明においては、精製カラギーナンが好適に用いられる。
また、食品冷蔵庫や食品冷凍庫用防霜剤等の食品と接触する可能性のある用途で用いるためには、食品と接触することが許容されている微粒子シリカゲル、大豆レシチンなどのレシチン、精製カラギーナンなどの多糖類、ステアリン酸カルシウムなどの炭素数16〜22の脂肪酸の金属塩が好ましい。
本発明に使用する上記(b)成分は、防霜剤組成物中0.3〜25.0質量%含有され、好ましくは0.5〜20.0質量%である。25.0質量%を超えると増ちょう作用が強すぎるために、得られる組成物が固くなったり、混合が困難になって取り扱い辛く、0.3質量%より少ないと増ちょう作用が弱いためにグリース性状を保つことが困難で、防霜剤の使用箇所からの流出を生じるため好ましくない。(b)成分の含有量が上記範囲内にあれば、増ちょう作用が適度であり、グリース性状を保つことができ、ダレの防止の点で好ましい。
[(c)成分]
本発明においては、(c)成分として、カルボン酸金属塩、リン酸金属塩、硝酸金属塩、金属塩化物、及び金属臭化物から選ばれる少なくとも1種の金属塩(以下、特定の金属塩という)が用いられる。
特定の金属塩のうち、カルボン酸金属塩としては、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、グルコン酸、アジピン酸等のカルボン酸と、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との塩;金属塩化物としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化亜鉛等;金属臭化物としては、臭化亜鉛、臭化カルシウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム等;硝酸金属塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム等;リン酸金属塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等を挙げることができる。上記の塩が2価以上の塩である場合は、水素塩や複塩であってもよい。上記特定の金属塩は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
安全性などの観点から、上記特定の金属塩としては、カルボン酸金属塩、クエン酸金属塩、リン酸金属塩、硝酸金属塩、金属塩化物等が好ましく用いられる。
具体的には、上記特定の金属塩は、安全性の観点から、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素一ナトリウム等が好ましい。
また、食品冷蔵庫や食品冷凍庫など食品と接触する可能性のあるところで使用する場合には、酢酸ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸二カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素一ナトリウム等が好ましい。
上記、(c)成分は防霜剤組成物中3.0〜89.7質量%含有される。89.7質量%を超えると、被塗物に対する塗布性が低下するため好ましくない。また、3.0質量%より少ないと霜や氷を解凍するとともに霜や雪の付着を防止する効果が低くなるため好ましくない。(c)成分の含有量が上記範囲内にあれば、塗布性が良好であり、霜や氷の解凍効果及び付着防止効果が良好である。この観点から、(c)成分の防霜剤組成物中の含有量は、10.0〜50.0質量%であることが好ましく、10.0〜40.0質量%であることがより好ましい。
[(d)成分]
本発明の防霜剤組成物には、グリース構造を長期に渡って安定化するために(d)成分を含有する。本発明においては、(d)成分は上記のようにグリース構造を安定化する構造安定剤として作用する。(d)成分は、壁面等に塗布した場合のダレや剥落による脱落を長期に渡って防止し、防霜効果をさらに持続させるために、脂肪酸エステル構造を有することが好ましい。
(d)成分としては、好ましくは、脂肪酸エステルを有する多価アルコールの誘導体等を使用することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ひまし油、硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンひまし油、及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油等を好ましく挙げることができる。
本発明においては、このうち、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ひまし油、硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンひまし油、及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油等を好適に使用することができ、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種を更に好ましく使用することができる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンモノカプリル酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノミリスチン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタンモノベヘニン酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、上記のソルビタン脂肪酸エステルとポリアルキレングリコール類とのエーテルが挙げられるが、ポリアルキレングリコール類としては、例えば、(a)成分として用いられたポリアルキレングリコール類と同様のものが使用できるが、特にポリエチレングリコールが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンひまし油及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油はいずれも、ポリアルキレングリコール類とアルキルエーテル、ひまし油又は硬化ひまし油とから得られるものであり、ポリアルキレングリコール類としては、上記と同様のものが使用できる。
ポリオキシアルキレンひまし油及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油は、ポリオキシアルキレン部位としてその50質量%以上がポリオキシエチレンであるものが好ましい。
上記(d)成分は、本発明の防霜剤組成物中に、0.1〜5.0質量%、すなわち、上記(a)成分と(b)成分と(c)成分の合計100質量部に対し0.1〜5.2質量部含有する。上記含有量が0.1質量%以上ではグリース構造を安定化する効果が向上するため好ましく、また、通常防霜剤組成物中5.0質量%以下で所望の効果を上げることができるので、経済的な観点から5.0質量%以下含有することが望ましい。
本発明の防霜剤組成物は必要に応じて、公知の酸化防止剤、腐食防止剤、香料等の添加剤を含有することができる。これら添加剤は、防霜効果を阻害しない範囲で用いられ、一般的にはその含有量は5質量%以下である。
また、本発明の防霜剤組成物には、粘度調整のために、水やエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール等の溶剤を加えてもよい。溶剤を配合するに当たっては、その含有量は防霜効果高める観点から70質量%以下が好ましい。
本発明の防霜剤組成物を塗布するにあたっては、ローラーやこて、刷毛等を用いて塗布しても、スプレー噴射によりエアロゾルとして塗布しても、圧縮空気を用いた吹き付けにより塗布してもよい。本発明の防霜剤組成物はグリース状であり、著しいチキソトロピー性を示すため、塗布時には流動性が増して、好適に塗布することが可能であり、被塗物への付着後には(b)成分の網目構造が再構成されるため、垂直面に塗布した場合にもダレが起こらず好ましい。
本発明の防霜剤組成物は、冷凍倉庫内壁や冷却機等の防霜の他、建造物や車両、電線ケーブルの融雪、氷結防止にも使用することができる。
また、本発明の防霜剤組成物に用いられる(a)〜(d)成分として、食品又は食品添加物として使用可能な物質を用いることで、食品に直接接触する用途にも好適に使用し得る。
以下に、本発明を実施例等を挙げて更に具体的に示すが、本発明は以下の実施例、比較例によって限定されるものではない。
実施例1
ステアリン酸リチウム65gとジエチレングリコール830gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOT−221)5gとを攪拌しながら200℃で加熱溶解し、冷却後酢酸マグネシウム100gを添加し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
実施例2
ステアリン酸カルシウム110g、プロピレングリコール770g、ソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOP−80R)10g、水10gを100℃で2時間攪拌し、冷却後酢酸マグネシウム100gを添加し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
実施例3
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)170gとグリセリン700gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOT−221)10gと酢酸マグネシウム120gとを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
実施例4
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)90gとグリセリン740gとソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOP−80R)10gと酢酸カリウム160gとを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
実施例5
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)40gとグリセリン170gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOT−221)10gと水450gと酢酸カリウム330gを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
実施例6
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)30gとグリセリン170gとソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOP−80R)10gと水470gと酢酸ナトリウム160gと塩化カルシウム160gを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
実施例7
精製カラギーナン(マリン・サイエンス株式会社製精製カラギーナンKS−50)5gと水155gを混合し、十分膨潤させた後60℃で加熱溶解する。冷却後、グリセリン720gとポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOT−221)20gと塩化カルシウム100gを添加し45℃で加熱攪拌し防霜剤組成物を得た。
比較例1
ステアリン酸リチウム80gとアジピン酸ジオクチル920gから実施例1と同様な工程で組成物を得た。
比較例2
ステアリン酸カルシウム120g、鉱油(出光興産株式会社製ダイアナフレシアU−56)770g、水10g、酢酸マグネシウム100gから実施例2と同様な工程で組成物を得た。
比較例3
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)100gとグリセリン890gとソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOP−80R)10gから実施例4と同様な工程で組成物を得た。
比較例4
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)50gとポリα−オレフィン油(ライオン株式会社製リポルーブ100)850gと酢酸カリウム100gから実施例5と同様な工程で組成物を得た。
比較例5
大豆レシチン(味の素株式会社製レシチン)100gと水400gと鉱油(出光興産株式会社製ダイアナフレシアU−56)300gと酢酸マグネシウム100gと酢酸カリウム100gから実施例6と同様な工程で組成物を得た。
比較例6
グリセリン170gと水500gと酢酸カリウム330gを均一になるまで混合撹拌し、組成物を得た。
なお、上記実施例1〜7及び比較例1〜6の各組成物について、性状、ちょう度及び冷凍庫内暴露後の霜付着性の評価を以下の方法により行った。結果を表1、表2に示す。
(性状の評価)
実施例及び比較例で得られた各組成物の外観がグリース状か、液状かを目視にて判断した。
(ちょう度の評価)
JIS K 2220 5.3ちょう度測定方法に従いちょう度測定装置を用いて、実施例及び比較例で得られた組成物の混和ちょう度を測定した。
(冷凍庫内暴露後の霜付着性の評価)
実施例及び比較例で得られた組成物を、−40℃の冷凍庫内壁面に1g/100cm2の条件で塗布し、12ヶ月間放置して、その間の組成物の保持状態と霜の付着状態を目視にて判断した。
表1、表2中の食品、食品添加物、非食品の区分を以下に記す。
食品:精製カラギーナン
食品添加物:プロピレングリコール、グリセリン、ステアリン酸カルシウム、微粒子シリカゲル、大豆レシチン、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(厚生労働省にて検討中)、酢酸ナトリウム、塩化カルシウム
非食品:ジエチレングリコール、アジピン酸ジオクチル、ステアリン酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、鉱油、ポリα−オレフィン油
Figure 2006106663
Figure 2006106663
実施例8
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)40g、グリセリン170g、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOT−221)10g、水450gおよびクエン酸三カリウム一水和物330gを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
25℃、相対湿度50%に設定した恒温恒湿室に、冷凍冷蔵庫(株式会社東芝製 GR-W10A)を設置し、その冷凍室の扉部分を除いた5面に、上記で調整した防霜剤組成物を、膜厚が均一となるよう塗布した(塗布量約40g)。イオン交換水250gが入った300mlビーカー2個および温度計を冷凍室に入れ、小型電力量計(株式会社システムアートウェア製ワットアワーメーターSHW3A)を介しコンセントプラグを差し込み、温度調整スイッチを強のままでコンセントプラグを差し込んでから840時間後までの消費電力を測定したところ総電力消費量は61.2kWであった。840時間経過後の冷凍室内温度は−31℃であり、壁面への霜の付着はみられなかった。
実施例9
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)40g、グリセリン170g、ソルビタンモノオレイン酸エステル(日本油脂株式会社製ノニオンOP−80R)10g、水450gおよび硝酸ナトリウム330gを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
防霜剤組成物を、実施例8と同様の条件で、コンセントプラグを差し込んでから840時間後までの消費電力を測定したところ総電力消費量は62.4kWであった。840時間経過後の冷凍室内温度は−29℃であり、壁面への霜の付着はみられなかった。
実施例10
微粒子シリカゲル(日本アエロジル株式会社製AEROSIL#200)40g、グリセリン170g、ポリオキシエチレン硬化ひまし油(日本油脂株式会社製ユニオックスHC−40)10g、水450gおよびりん酸水素二カリウム330gを混合攪拌し、ロールミルにより防霜剤組成物を得た。
防霜剤組成物を、実施例8と同様の条件で、コンセントプラグを差し込んでから840時間後までの消費電力を測定したところ総電力消費量は61.9kWであった。840時間経過後の冷凍室内温度は−29℃であり、壁面への霜の付着はみられなかった。
比較例7
防霜剤の塗布を行わない以外は、実施例8と同様の条件で、冷凍冷蔵庫の冷凍室にイオン交換水250gが入った300mlビーカー2個および温度計を冷凍室に入れ、実施例と同じ小型電力量計を介しコンセントプラグを差し込み、温度調整スイッチを強のままで、コンセントプラグを差し込んでから840時間後までの消費電力を測定したところ総電力消費量は67.2kWであった。840時間経過後の冷凍室内温度は−24℃であり、壁面へは霜が付着しており強固で容易には除去できなかった。
実施例1〜10及び比較例1〜7から、(a)〜(c)成分を添加した本発明の組成物は長期に渡って高い防霜効果を維持していることが明らかである。また、(d)成分を添加することにより、グリース構造を維持する効果が高まっていることがわかる。
防霜剤を塗布しなかった比較例7では冷凍庫内に霜の付着がみられたが、実施例8〜10の本発明の防霜剤組成物を塗布した冷凍室に霜の付着はみられなかった。さらに、本発明の防霜剤の塗布により総消費電力は何れも比較例より低下し、省エネルギーの観点からも有用であることがわかる。
本発明の防霜剤組成物は霜や氷を解凍するとともに、霜、雪、氷の付着の防止やその量を著しく低減する事ができることから、冷凍倉庫や冷凍輸送コンテナ、冷却機等の防霜に好適に使用できるだけでなく、建造物、屋外広告、ケーブル、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、船舶艤装品、漁労具、建設重機や、発電設備、鉄道設備、港湾設備および航空設備やそれらに設けられる標識や保安部品、寒冷地の油田や鉱山など天然資源採掘設備などの融雪、氷結防止にも使用することができる。
また、冷却機等の熱交換面に使用することで、消費電力の低減が可能となり、省エネルギーによる環境負荷の低減効果をもたらす。
更に、本発明の防霜剤組成物は、リフトやゴンドラを初めとする氷結防止効果を兼ね備えた低温用潤滑グリースとして用いることができる。また、その組成成分として食品又は食品添加物として使用しうる物質を用いることで、食品が直接接触する可能性のある食品冷凍庫等でも安心して使用することができる。

Claims (6)

  1. (a)グリコール類、グリコールエーテル類、ポリアルキレングリコール類、ポリアルキレングリコール誘導体、グリセリン及びグリセリン誘導体から選ばれる少なくとも1種を10.0〜96.7質量%、(b)石けん、ウレア化合物、微粒子シリカゲル、レシチン及び多糖類から選ばれる少なくとも1種を0.3〜25.0質量%、及び(c)カルボン酸金属塩、リン酸金属塩、硝酸金属塩、金属塩化物、及び金属臭化物から選ばれる少なくとも1種の金属塩を3.0〜89.7質量%含有し、かつ(d)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ひまし油、硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンひまし油、及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種を、(a)成分と(b)成分と(c)成分との合計100質量部に対し0.1〜5.2質量部含有する、グリース状の防霜剤組成物。
  2. (a)成分がアルキレングリコール類、アルキレングリコール類のオリゴマー及びグリセリンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の防霜剤組成物。
  3. (a)成分がジエチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の防霜剤組成物。
  4. (b)成分が、炭素数16〜22の脂肪酸の金属塩、微粒子シリカゲル、レシチン、及び多糖類から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の防霜剤組成物。
  5. (c)成分が、カルボン酸金属塩、リン酸金属塩及び金属塩化物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の防霜剤組成物。
  6. (d)成分が、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレン硬化ひまし油から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の防霜剤組成物。

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