JPWO2006080532A1 - 2次元フォトニック結晶 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、所定の波長領域でTE偏波とTM偏波の双方に対してフォトニックバンドギャップ(PBG)となる完全PBGを形成し、且つ、その完全PBG幅を十分に確保することができる2次元フォトニック結晶を提供することである。複屈折材料から成るスラブ状の本体21に、平面形状が正三角形の空孔22を三角格子状に周期的に配置する。本体21の屈折率の異方性、即ち本体21に垂直な方向の屈折率と本体21に平行な方向の屈折率を調整することにより、TE偏波に対するPBGとTM偏波に対するPBGを独立に設定することができる。これにより、完全PBG幅を十分に確保することができる。

Description

本発明は、光分合波器等の光デバイスに用いられる2次元フォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、可視光以外の電磁波も含むものとする。
光通信は今後のブロードバンド通信の中心的役割を担う通信方式であることから、その普及のために、光通信システムに使用される光部品類に対して更なる高性能化、小型化、低価格化が求められている。このような要求を満たす次世代光通信部品の有力候補のひとつとして、フォトニック結晶を利用した光通信用デバイスがある。これは既に一部で実用段階に入っており、偏波分散補償用フォトニック結晶ファイバーなどが実用に供されている。現在では更に、波長分割多重通信(Wavelength Division Multiplexing:WDM)に使用される光分合波器等の開発が実用化に向けて進められている。
フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を形成したものである。この周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を誘電体本体内に周期的に配置することにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関するバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域は「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ばれる。
このフォトニック結晶中に適切な欠陥を設けることにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。点状に形成された欠陥はその波長の光の光共振器として使用することができ、線状に形成された欠陥は導波路として使用することができる。
上記技術の一例として、特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を設けた2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。
特許文献1に記載のものを含め、多くの2次元フォトニック結晶では、電場が本体に平行に振動するTE偏波又は磁場が本体に平行に振動するTM偏波のいずれか一方の偏波に対してPBGが形成されるように設計される。この場合、他方の偏波に対してはPBGが形成されない場合や、形成されたとしてもそれが該一方の偏波のPBGとは異なるエネルギー領域に形成される場合には、同一の周波数(波長、エネルギー)のTE偏波とTM偏波を一緒に用いることはできない。
そこで、TE偏波及びTM偏波の両方に対してPBGを形成し、その両PBGが共通域を持つようにした2次元フォトニック結晶を作製することが検討されている。以下、この共通域を「完全フォトニックバンドギャップ(完全PBG)」と呼ぶ。例えば、特許文献2には、スラブ状の本体に三角形(三角柱状)の空孔(異屈折率領域)を三角格子状に配置すること等により完全PBGが形成された2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶では、完全PBG内の周波数の光は、TE偏波及びTM偏波を一緒に用いることができる。
特開2001-272555号公報([0023]〜[0027]、[0032]、図1、図5〜6) 特開2004-294517号公報([0021]〜[0022]、[0041]〜[0043]、図1、図13〜18)
完全PBGについて、更に図1を用いて説明する。TE偏波に対するPBG(TE-PBG)11とTM偏波に対するPBG(TM-PBG)12に共通するエネルギー領域が完全PBG13となる。完全PBG13が大きいと、TE偏波とTM偏波を一緒に用いることができるエネルギー(周波数、波長)の幅が広くなるため有用である。例えば、この2次元フォトニック結晶を波長合分波器として用いる場合には、完全PBGが大きくなる程、TE偏波とTM偏波を共に合波・分波することができる周波数(波長)の数は増加するため、WDMにおいて単位時間あたりの情報の送信量を増加させることができる。
完全PBG13を大きくするためには、TE-PBG11又はTM-PBG12のいずれか一方又は双方のエネルギー領域を移動させて両者が重なるエネルギー領域を大きくすればよい。例えば図1に示すように、TE-PBG11とTM-PBG12のエネルギー領域の一部が重なって完全PBG13が形成された状態(a-1)から、TE-PBG11を高エネルギー側に移動させることにより、TM-PBG12のエネルギー領域の全体がTE-PBG11のエネルギー領域内に収まるようにし(a-2)、完全PBGを大きくすることができる。ここで、TE-PBG11やTM-PBG12のエネルギー領域を移動させるには、異屈折率領域の周期(格子定数)・大きさ及び形状、本体の厚さ、本体及び異屈折率領域の屈折率等のパラメータを調整すればよい。しかし、これらのパラメータとTE-PBG11及びTM-PBG12の関係は互いに独立ではなく、いずれか一方のエネルギー領域を移動させるようにパラメータを設定すると他方のPBGのエネルギー領域も移動してしまう。このため、この方法で完全PBG13を大きくすることは難しい。
また、上記パラメータのうち、本体の屈折率については、以下の問題点がある。一般に、本体の屈折率を大きくするとPGBが大きくなり、光は本体に閉じ込められやすくなる。従って、本体に屈折率の大きな材料を用いることによりTE-PGB及びTM-PGBを共に大きくし、完全PGBを大きくするという方法をとることができる。しかし、2次元フォトニック結晶の製造時に空孔の径や形状に誤差が生じた場合、本体の屈折率が大きいほど本体と空孔の屈折率の差も大きくなり、この誤差による影響を受けやすくなる。その結果、光学的特性が低下し、光の損失が生じやすいという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、TE-PBG及びTM-PBGを独立に調整することができ、それにより完全PBGを大きくすることができる2次元フォトニック結晶を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る2次元フォトニック結晶は、
a) 本体がスラブ状の複屈折材料から成り、
b) 電界が本体に垂直な方向に振動する光に対する屈折率と、電界が本体に平行な方向に振動する光に対する屈折率が異なるように該複屈折材料の向きが設定されており、
c) 前記本体に、本体とは屈折率が異なる異屈折率領域が多数周期的に配置されており、
d) 前記異屈折率領域の形状及び配置が、TM偏波に対するフォトニックバンドギャップとTE偏波に対するフォトニックバンドギャップが共通のエネルギー領域を有するように設定されている、
ことを特徴とする。
本発明において「複屈折材料」は、少なくとも光の電界の振動方向により光が感じる屈折率が異なる材料一般を指し、その中には例えばルチル(TiO2)のような単一結晶の他、柱状の微結晶が一定の方向に配向した配向性柱状構造体等の、特有の構造を有する多結晶体も含まれる。この場合、Siのような、単結晶の場合には等方性であるものも、そのような特有の構造を付与することにより、本発明においては複屈折材料として本体を構成することができる。
本願では、「垂直方向の屈折率」は電界が本体に垂直な方向に振動する光に対する屈折率を、「水平方向の屈折率」は電界が本体に平行な方向に振動する光に対する屈折率を、それぞれ意味する。また、屈折率に関して「等方的」とは、屈折率が光の電界の振動方向に依存していないことを意味する。
前記異屈折率領域には形状が3mの対称性を有するものを用いることができる。また、前記異屈折率領域には空孔とすることが望ましい。
前記本体に、異屈折率領域の線状の欠陥から成る導波路を形成したり、異屈折率領域の点状の欠陥から成る共振器を形成したりすることができる。これにより、波長合分波器や偏波合分波器等の光機能素子を構成することができる。
本発明に係る2次元フォトニック結晶を用いることにより完全PBGを大きくすることを説明する図。 本発明に係る2次元フォトニック結晶を用いることにより完全PBGを形成することを説明する図。 本発明に係る2次元フォトニック結晶の第1実施例の上面図(a)、及び、ルチル結晶の配向方向を示す、2次元フォトニック結晶の断面図(b)。 比較例(a)、及び第1実施例(b)の2次元フォトニック結晶のバンド計算の結果を示すグラフ。 Siから成る配向性柱状構造体の製造方法を説明する断面図。 本発明に係る2次元フォトニック結晶の第2実施例の上面図。 第2実施例の2次元フォトニック結晶のバンド計算の結果を示すグラフ。 比較例の2次元フォトニック結晶のバンド計算の結果を示すグラフ。 本発明に係る2次元フォトニック結晶を用いた波長合分波器の一実施例の上面図。
符号の説明
11、31a、31b、51…TE-PBG
12、32a、32b、52…TM-PBG
13、33a、33b、53…完全PBG
20…2次元フォトニック結晶
21、45…本体
22、46…空孔
23…導波路
24…共振器
41…基板
42…イオンビーム
43…柱状微結晶
44…Si-配向性柱状構造体
発明の実施の形態及び効果
本発明の2次元フォトニック結晶では、スラブ状(板状)の本体を複屈折材料により形成する。この複屈折材料の向きは、垂直方向の屈折率と平行方向の屈折率が異なるように設定する。複屈折材料がルチル等の単一結晶である場合には結晶軸の向きにより、配向性柱状構造体である場合には柱状微結晶の配向方向により、本体の屈折率の異方性を設定することができる。
このように形成された本体に、異屈折率領域を多数、周期的に配置することにより、TE偏波に対するPGBであるTE-PGBとTM偏波に対するPGBであるTM-PGBを形成する。TE-PGBとTM-PGBを形成するために異屈折率領域をどのように配置すべきかは、従来の等方性材料における多くの経験により、当業者は容易に決定することができる。例えば、3回回転対称軸とその回転軸を含む垂直鏡映面を持つ対称性を有する形状(例えば正三角形)の異屈折率領域を三角格子状に配置することにより、TE-PBGとTM-PBGの双方を形成することができる。この対称性は、国際表記であるヘルマンモーガン表記では「3m」と表され、シェーンフリース表記では「C3v」と表される。なお、異屈折率領域は、本体とは屈折率の異なる物質を本体に埋め込むことにより形成することも可能ではあるが、本体に空孔を設けて形成する方が、製造が容易であるため望ましい。
本発明では、複屈折材料の向きを適宜設定することにより、垂直方向の屈折率nと平行方向の屈折率n//が異なるようにしているが、このように両方向の屈折率を異なるものとすることにより、TE-PGBとTM-PGBをほぼ独立に変化させることができるようになる。例えば、まず、本体の屈折率が等方的であると仮定して、前述の方法によりTE-PBGとTM-PBGの双方が形成されるように異屈折率領域の形状及び配置周期を定める。次に、この時のTE-PBGとTM-PBGの関係により、以下のように複屈折材料の向きを定める。(i)本体の屈折率が等方的である時にTM-PBGの高エネルギー側の端部14がTE-PBGよりも高エネルギー側にある場合(図1(a-1)のように完全PBG13が形成される場合、及び図2(a-1)のように完全PBGが形成されない場合の双方を含む)には、n>n//となるように複屈折材料の向きを設定する。(ii)本体の屈折率が等方的である時にTM-PBGの低エネルギー側の端部15がTE-PBGよりも低エネルギー側にある場合(図1(b-1)のように完全PBG13が形成される場合、及び図2(b-1)のように完全PBGが形成されない場合の双方を含む)には、n<n//となるように複屈折材料の向きを設定する。
(i)の場合、TM偏波の電界振動方向である垂直方向の屈折率nを平行方向の屈折率n//よりも大きくすることにより、図1(a-2)に示すように、TE-PBG11がTM-PBG12に対して相対的に高エネルギー側に移動し、完全PBG13が大きくなる。また、図2(a-1)のように、本体の屈折率が等方的である場合に完全PBGが形成されていないときも、n>n//とすることにより、TE-PBG11がTM-PBG12に対して相対的に高エネルギー側に移動し、完全PBGが形成される。
(ii)の場合、TE偏波の電界振動方向である平行方向の屈折率n//を垂直方向の屈折率nよりも大きくすることにより、図1(b-2)に示すように、TE-PBG11がTM-PBG12に対して相対的に低エネルギー側に移動し、完全PBG13が大きくなる。また、図2(b-1)のように本体の屈折率が等方的である場合に完全PBGが形成されていないときも、n<n//とすることにより、TE-PBG11がTM-PBG12に対して相対的に低エネルギー側に移動し、完全PBG13が形成される。
このようにして形成した2次元フォトニック結晶に、異屈折率領域の線状の欠陥を設けることにより、完全PBG13内の所定の周波数帯においてTE偏波及びTM偏波の双方が伝播することのできる導波路を形成することができる。また、異屈折率領域の点状の欠陥を設けることにより、完全PBG13内の所定の周波数において、双方に共振する共振器を形成することができる。もちろん、TE偏波又はTM偏波のいずれかのみに共振する共振器を形成することもできる。これらの導波路及び共振器は、特許文献1等に記載の従来の2次元フォトニック結晶と同様の方法により形成することができる。
上記のように導波路を形成し、その近傍に共振器を設けることにより、この2次元フォトニック結晶は、その共振器に共振する波長及び偏波の光を導波路から分波する光分波器として機能する。これと同じ構成により、その波長及び偏波の光を導波路に合波する光合波器にもなる。また、導波路の近傍に、共振する光の波長及び偏光面が互いに異なる共振器を多数個設けることにより、導波路を伝播する複数種の波長及び偏光面の重畳光を波長及び偏光面毎に各共振器から分波することができる。合波の場合も同様である。本発明に係る2次元フォトニック結晶では完全PBGを大きくすることができるため、合波・分波することができる周波数(波長)の数を増加させることができ、それによりWDMにおける単位時間あたりの情報の送信量を増加させることができる。
(発明の効果)
本発明では、本体に複屈折材料を用い、垂直方向の屈折率n及び平行方向の屈折率n//を適切に設定することにより、TE-PBG及びTM-PBGを独立に調整することができる。それにより、等方性材料を用いる場合よりも容易に、大きな完全PBGを有する2次元フォトニック結晶を得ることができる。このような2次元フォトニック結晶により、波長及び偏光面が異なる多数種の光を分波・合波することのできる波長合分波器を得ることができる。
また、本発明によれば、本体の材料に比較的屈折率が小さいものを用いても完全PBGを形成することができる。そのような屈折率が小さい材料を用いることにより、製造時に空孔の径や形状に誤差が生じても、その影響を小さくすることができる。
本発明に係る2次元フォトニック結晶の実施例を図3〜図9を用いて説明する。
図3(a)は第1の実施例の2次元フォトニック結晶20の平面図である。第1実施例の2次元フォトニック結晶20の本体21の材料にはルチル(TiO2)を用いる。ルチルは正方晶系の一軸性結晶であり、その有効屈折率は1.55μm帯の光に対して常光線屈折率noが2.45、異常光線屈折率neが2.71である。ルチルの場合、noは結晶のc軸に垂直な方向の光に対する屈折率、neはc軸に平行な方向の光に対する屈折率である。スラブ状の本体21は、ルチル結晶のc軸が本体21に平行な方向かつΓ−J方向を向くように形成する(図3(b))。このようにルチル結晶が配向したスラブは、通常のTiO2膜の製造方法を用いて作製することができる。なお、TiO2にはルチルとは結晶構造が異なるアナターゼがあるが、アナターゼはnoとneの差がわずかである(no=2.554, ne=2.493)ため、第1実施例では上述の通りルチルを用いる。
本体21に、空孔22を三角格子状に周期的に配置する。空孔22の平面形状は、正三角形の角を丸めた形状とする。特許文献2に記載のように、この形状・配置の空孔を有する2次元フォトニック結晶は、本体が等方的な屈折率を有する場合であってもTE-PBGとTM-PBGの双方を有することが知られている。
比較例の2次元フォトニック結晶(a)、及び第1実施例の2次元フォトニック結晶20(b)に対してエネルギーバンド計算を行った。比較例の2次元フォトニック結晶は、本体の屈折率が等方的であることを除いて、第1実施例の2次元フォトニック結晶20と同じ構成を有する。比較例の本体の屈折率は、本体に垂直な方向、水平な方向とも、ルチルのnoと同じ値(2.45)である。その他のパラメータは、三角格子の格子定数を600nm、本体の厚さを720nm、空孔22の正三角形の角部分の曲率半径を120nm、2次元フォトニック結晶20中の空孔22が占める体積の割合(フィリングファクター)を0.62とした。計算には3次元時間領域差分(3D-FDTD)法を用いた。
図4にバンド計算の結果を示す。図の縦軸は、周波数をc/a(cは光速)で除した規格化周波数である。比較例(a)では、TE-PBG31a及びTM-PBG32aが共に形成され、TM-PBG32aのエネルギー(周波数)領域の一部がTE-PBG31aのエネルギー領域と共通する。この共通エネルギー領域が完全PBG43aである。完全PBG43aのエネルギー(周波数)幅は3.1%であった。ここで、完全PBGの幅は、完全PBGの中心値を、その上限値と下限値の差で除した値で定義される。TM-PBG32aの低エネルギー(低周波数)側にはTE-PBG31aのエネルギー領域に含まれない部分34がある。なお、本体の屈折率が等方的であってルチルのneと同じ値(2.71)を持つ場合に同様の計算を行ったところ、完全PBGの幅は3.4%であった(図示せず)。
それに対して、第1実施例(b)では、TE-PBG31b及びTM-PBG32bが共に形成されている点では比較例(a)と同様であるが、完全PBG43bの幅は4.6%であり、比較例(a)の完全PBG43aの幅や本体の屈折率2.71である場合の完全PBGの幅よりも大きい。これは、以下の理由による。
TM-PBG32bとTM-PBG32aは同じエネルギー領域(従って幅も同じ)に形成されるのに対して、TE-PBG31bはTE-PBG31aよりも低エネルギー(低周波数)側に形成される。これは、本体に垂直な方向に電界が振動するTM偏波のPBGに関しては、その方向の屈折率が比較例と第1実施例では同じであるのに対して、本体に平行な方向に電界が振動するTE偏波のPBGに関しては、その方向の屈折率が比較例よりも第1実施例の方が大きいことによる。このようにTE-PBG31bがTE-PBG31aよりも低エネルギー側に形成されることにより、TM-PBG32aではTE-PBG31aのエネルギー領域に含まれない低エネルギー(低周波数)側の部分34も、TM-PBG32bではTE-PBG31bのエネルギー領域に含まれるようになり、それにより完全PBGの幅が(a)の場合よりも大きくなる。
次に、本体にSiから成る配向性柱状構造体を用いた、2次元フォトニック結晶の第2の実施例について説明する。
まず、Siから成る配向性柱状構造体の製造方法について、図5を用いて説明する。SiO2から成る基板41上に、基板41の表面に対して斜め方向にSiのイオンビーム42を照射する(a)。これにより、Siの柱状の微結晶43が基板41の表面に対して斜め方向に成長したSi-配向性柱状構造体44が得られる(b)。イオンビーム42の入射角(基板41表面への垂線とイオンビーム42の成す角)αを大きくする程、柱状微結晶43の成長角(基板41表面の法線と柱状微結晶43の長軸の成す角)θも大きくなる。イオンビーム42の入射角を90°近くにすることにより、θ=58〜59°のSi-配向性柱状構造体が得られる。なお、Si-配向性柱状構造体については、『1997年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演論文集』第174頁(講演番号C-3-65)『大きな偏光分離特性を有する斜め配向柱状Si膜の作製』(著者:青柳知行他)に詳細に記載されている。
こうして得られたSi-配向性柱状構造体44を本体45として、この本体に空孔46を周期的に配置することにより、第2実施例の2次元フォトニック結晶が得られる。本実施例では、図6に示すように、3つの円柱46a、46b、46cを正三角形状に配置することにより1個の空孔46を形成する。
Si-配向性柱状構造体は波長1.55μmの光に対して、θ=59°の時に偏光分離角は27°となる。このような柱状微結晶43の成長角θを有するSi-配向性柱状構造体を本体に用いることにより、本体の屈折率には常光線屈折率noが3.46、異常光線屈折率neが4.00という異方性が生じる。
図7に、第2実施例の、本体がSi-配向性柱状構造体から成り該本体の常光線屈折率noが3.46、異常光線屈折率neが4.00である2次元フォトニック結晶について、3D-FDTD法を用いて行ったバンド計算の結果を示す。三角格子の格子定数は420nm、本体44の厚さは336nm、空孔46を形成する3つの円46a、46b、46cの半径rは84nm、これらの円46a、46b、46c同士の中心間の距離は168nmとした。また、比較例として、本体が等方的な屈折率(3.46)を有する点のみが第2実施例とは異なる従来の2次元フォトニック結晶について行ったバンド計算の結果を図8に示す。比較例の2次元フォトニック結晶ではTE-PBG51’とTM-PBG52’が共通のエネルギー(周波数)領域を持たない。即ち比較例では完全PBGは形成されない。それに対して第2実施例の2次元フォトニック結晶では、TM-PBG52のエネルギー領域の全体がTE-PBG51のエネルギー領域に含まれ、これによりTM-PBG52のエネルギー領域全体が完全PBG53となる。これは、Si-配向性柱状構造体が屈折率の異方性を有することにより、TM-PBG52が比較例のTM-PBG52’よりも低エネルギー側に移動したことによる。完全PBG53の幅は5.3%である。
図9に本発明に係る2次元フォトニック結晶を用いた波長合分波器の例を示す。本体21及び空孔22は図3の2次元フォトニック結晶と同様に形成する。更に、本体21に、空孔22による周期構造を設けない線状の空間である線状欠陥を形成する。この線状欠陥が導波路23となる。また、導波路23の近傍に点状欠陥から成る共振器24を形成する。図9には、導波路23から3列の空孔22を介した位置に、直線状に並んだ空孔22の3個分の点状欠陥を設けることにより共振器24を形成する例を示した。従来の2次元フォトニック結晶と同様に、点状欠陥の形状、大きさ、位置等のパラメータを調節することにより、共振器24に共振する光の周波数(波長)及び偏光面を設定することができる。この波長合分波器は、共振器24に共振する周波数・偏光面の光を導波路23から結晶外部へ分波し、この波長・偏光面の光を結晶外部から導波路23へ合波することができる。
また、形状、大きさ、位置等のパラメータが異なる複数種の共振器を導波路の近傍に形成することにより、光の周波数及び偏光面が異なる光を、それぞれ分波・合波することができる。本発明により、完全PBGの幅を従来よりも大きくすることができるため、TE偏波とTM偏波を共に合波・分波することができる周波数(波長)の数を増加させることができ、それによりWDMにおける単位時間あたりの情報の送信量を増加させることができる。

Claims (8)

  1. a) 本体がスラブ状の複屈折材料から成り、
    b) 電界が本体に垂直な方向に振動する光に対する屈折率と、電界が本体に平行な方向に振動する光に対する屈折率が異なるように該複屈折材料の向きが設定されており、
    c) 前記本体に、本体とは屈折率が異なる異屈折率領域が多数周期的に配置されており、
    d) 前記異屈折率領域の形状及び配置が、TM偏波に対するフォトニックバンドギャップとTE偏波に対するフォトニックバンドギャップが共通のエネルギー領域を有するように設定されている、
    ことを特徴とする2次元フォトニック結晶。
  2. 前記異屈折率領域の形状が3mの対称性を有することを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶。
  3. 前記異屈折率領域が空孔であることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。
  4. 前記複屈折材料がルチルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。
  5. 前記複屈折材料が配向性柱状構造体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。
  6. 前記配向性柱状構造体がSiから成ることを特徴とする請求項5に記載の2次元フォトニック結晶。
  7. 前記本体に、異屈折率領域の線状の欠陥から成る導波路を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。
  8. 前記本体に、異屈折率領域の点状の欠陥から成る共振器を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶。
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