JPWO2006049154A1 - デジタルアンプ装置 - Google Patents

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Abstract

デジタルアンプ装置は、正相アンプ(203a)および反転アンプ(203b)と、一対のLPF(204a,204b)と、+,−ノイズ成分抽出手段(205a,205b)と、−,+ノイズ成分抽出手段(205b,205a)により抽出した−,+ノイズ成分(206b,206a)を+,−PWM信号(207a,207b)にそれぞれ含まれる+,−ノイズ成分と合成するノイズ成分合成手段(208a,208b)と、を備える。

Description

この発明は、デジタルアンプ装置に関する。ただし、本発明の利用は、前述のデジタルアンプ装置には限らない。
正相アンプと反転アンプとから構成されるデジタルアンプの出力端にスピーカを接続するいわゆるBalanced Transformerless接続(以下、BTL接続と略す)のデジタルアンプ装置では、正相アンプおよび反転アンプのD級動作によって両アンプから逆位相の波形が出力される。それにより、かかるデジタルアンプ装置では、通常のアンプを備えた装置よりも出力電圧の向上が図られる。
図1は、D級動作が実行されるデジタルアンプ(以下、D級アンプと呼ぶ)を備えたデジタルアンプ装置の概略構成を示す模式的なブロック図である。図1に示すように、かかるデジタルアンプ装置は、D級アンプ部101と、当該D級アンプ部101からの出力を処理するアンプ出力処理部102とから構成されている。D級アンプ部101は、正相アンプ101aと反転アンプ101bとを備える。また、アンプ出力処理部102は、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bの出力端にそれぞれ接続されるローパスフィルタ(以下、LPFと略す)102a,102bを備える。
かかる構成のデジタルアンプ装置では、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bの出力端が、それぞれLPF102a,102bを介してスピーカ103に接続された構成を有し、それにより、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bが、スピーカ103に対して一台のBTL接続のアンプとして機能する。
デジタルアンプ装置では、入力されたデジタルオーディオ信号がPWM変調(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)により逆位相の一対のPWM信号に変換される。そして、この逆位相のPWM信号のうち、+のPWM信号が正相アンプ101aに供給され、−のPWM信号が反転アンプ101bに供給される。
そして、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bによってD級動作が実現され、かかる動作により、+,−のPWM信号が所定の直流電圧をスイッチングし、これらの信号が電力増幅される。電力増幅された+,−のPWM信号の各々は、LPF102a,102bを経てアナログ波形のオーディオ信号とされ、当該オーディオ信号がスピーカ103に供給される。
ここで、上記のデジタルアンプ装置のD級動作では、+,−のPWM信号によるスイッチングの際に、ノイズ(以下、スイッチングノイズと呼ぶ)が発生する。このスイッチングノイズは、LPF102a,102bによる除去が不可であるノイズ成分を含む。
例えば、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bにおけるスイッチング周波数およびその高周波が、ラジオ周波数帯もしくはその近傍である場合、オーディオのラジオ受信における再生信号にノイズが発生することになる。この場合には、LPF102a,102bのカットオフ周波数を低周波数側へ設定することにも限界があり、よって、スイッチングノイズに含まれるラジオ周波数帯のノイズ成分をLPF102a,102bにより除去することが困難である。したがって、この場合には、LPF102a,102bでは除去されずに残留するノイズ成分によって、ラジオ周波数帯の放送の受信が妨害され、ラジオ受信に悪影響を与える。
このような残留ノイズ成分を除去する方法として、例えば、LPF102a,102bとスピーカ103との間に、残留するノイズ成分を除去するためのフィルタ構成を配設する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−46345号公報
残留するノイズ成分の除去については種々検討されているが、十分な除去は実現困難であり、よって、ノイズ成分の有効な除去の実現が望まれる。特に、BTL接続のデジタルアンプ装置では、同位相のノイズ成分と逆位相のノイズ成分とが含まれることから、両位相のノイズ成分を有効に除去する方法が要求され、かつ、当該除去を低コストおよび簡素な構成で実現することが望まれる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるデジタルアンプ装置は、入力される逆位相の正負の各信号をスイッチング方式により電力増幅する一対のアンプと、前記一対のアンプの各々から出力される正負の各信号がそれぞれ入力される一対のローパスフィルタとを備え、前記一対のローパスフィルタの各々から出力される正負の各信号がBTL接続されるスピーカにそれぞれ出力されるデジタルアンプ装置において、前記一対のローパスフィルタからそれぞれ出力される前記正負の各信号に含まれる正のノイズ成分および負のノイズ成分をそれぞれ抽出するノイズ成分抽出手段と、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記正のノイズ成分と、一方の前記ローパスフィルタから出力される前記負の信号に含まれる負のノイズ成分とを合成するとともに、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記負のノイズ成分と、他方の前記ローパスフィルタから出力される前記正の信号に含まれる正のノイズ成分とを合成するノイズ成分合成手段と、を備えたことを特徴とする。
図1は、従来のデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図3は、図2のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施例1におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図5は、図4のデジタルアンプ装置の各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。 図6は、本発明の実施の形態2にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図7は、図6のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施例2におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図9は、図8のデジタルアンプ装置の各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。 図10は、本発明の実施例3におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図11は、本発明にかかるデジタルアンプ装置を車載用オーディオ装置1110に適用した場合の図である。
符号の説明
201 D級アンプ部
202 アンプ出力処理部
203a 正相アンプ
203b 反転アンプ
204a,204b LPF
205a +ノイズ成分抽出手段
205b −ノイズ成分抽出手段
208a,208b ノイズ成分合成手段
209 スピーカ
600 同位相成分除去手段
800 同位相成分除去回路
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、LPFの後段において残留するノイズ成分を有効に除去することが可能なデジタルアンプ装置を提供することを目的の一つとする。以下に、添付図面を参照して、本発明にかかるデジタルアンプ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。また、図3は、図2のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施の形態のデジタルアンプ装置は、D級アンプ部201と、当該D級アンプ部201からの出力を処理するアンプ出力処理部202とから構成される。そして、このデジタルアンプ装置は、音声出力手段であるスピーカ209に接続されている。
D級アンプ部201は、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bとを備える。また、アンプ出力処理部202は、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bの出力端にそれぞれ接続されるLPF204a,204bと、このLPF204a,204bの出力端にそれぞれ接続される+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bと、ノイズ成分合成手段208a,208bとを備える。
ここでは、正相アンプ203a、LPF204a、ノイズ成分合成手段208aによって+PWM信号の出力経路210aが形成されており、また、反転アンプ203b、LPF204b、ノイズ成分合成手段208bによって−PWM信号の出力経路210bが形成されている。各+,−PWM信号の出力経路210a,210bでは、上記各構成要素203a〜205a,208a,203b〜205b,208bが、配線を通じて上記の順で接続されている。
さらに、この場合、+ノイズ成分抽出手段205aは、抽出した後述の+ノイズ成分206aをノイズ成分合成手段208bに出力可能に構成されており、また、−ノイズ成分抽出手段205bは、抽出した後述の−ノイズ成分206bをノイズ成分合成手段208aに出力可能に構成されている。そして、各ノイズ成分合成手段208a,208bの出力端が、スピーカ209の両端にそれぞれ接続され、それにより、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bがスピーカ209に対して一台のBTL接続のアンプとして機能する構成が実現される。
図3に示すように、図2のデジタルアンプ装置では、まず、入力されたデジタルオーディオ信号が、PWM変調により、逆位相の一対の+,−PWM信号に変換される(ステップS101)。そして、+PWM信号が図2の正相アンプ203aに入力されるとともに(ステップS102a)、−PWM信号が図2の反転アンプ203bに入力される(ステップS102b)。このように+,−PWM信号がそれぞれ入力された図2の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bでは、いわゆるD級動作が実現される。それにより、+,−PWM信号が、所定の直流電圧をスイッチングして電力増幅する。
このようにして電力増幅された+,−PWM信号のうち、+PWM信号が図2のLPF204aに供給され、−PWM信号が図2のLPF204bに供給される。そして、+,−PWM信号の各々は、図2のLPF204a,204bによりアナログ波形のオーディオ信号とされ、また、LPF204a,204bのカットオフ周波数に対応する周波数成分が除去される(ステップS103a,S103b)。
ここで、従来技術において前述したように、図2の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bでは、D級動作の際の+,−PWM信号によるスイッチングにおいて、スイッチングノイズが発生する。このスイッチングノイズは、+ノイズ成分および−ノイズ成分を含み、これらの成分が広い周波数帯にわたって分布する。
スイッチングノイズの+,−ノイズ成分のうち、図2のLPF204a,204bのカットオフ周波数に対応する周波数の成分は、LPF204a,204b(図2参照)により多くは除去される。一方、LPF204a,204b(図2参照)により除去されない残留成分、例えば、スイッチングノイズのうちラジオ周波数帯の+,−ノイズ成分は、+,−PWM信号の各々に重畳されたままLPF204a,204b(図2参照)を通過してから出力される。
そこで、本実施の形態では、残留する+,−ノイズ成分を、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bおよびノイズ成分合成手段208a,208bを用いて除去する。まず、+,−ノイズ成分が各々重畳された+,−PWM信号は、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bにそれぞれ出力される。そして、+ノイズ成分抽出手段205aにより、+PWM信号から+ノイズ成分206a(図2参照)を抽出するとともに(ステップS104a)、−ノイズ成分抽出手段205bにより、−PWM信号から−ノイズ成分206b(図2参照)を抽出する(ステップS104b)。
続いて、上記のようにして抽出した+,−ノイズ成分206a,206b(図2参照)の各々を、ノイズ成分合成手段208bおよびノイズ成分合成手段208aに供給する。
この時、ノイズ成分合成手段208aには、上記の−ノイズ成分206b(図2参照)の他に、+ノイズ成分抽出手段205aを経た+PWM信号207a(図2参照)が供給される。一方、ノイズ成分合成手段208bには、上記の+ノイズ成分206a(図2参照)の他に、−ノイズ成分抽出手段205bを経た−PWM信号207b(図2参照)が供給される。ここで、このようにノイズ成分合成手段208a,208bにそれぞれ供給される+,−PWM信号207a,207bは、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bでは抽出されなかった+,−ノイズ成分が含まれる。
ノイズ成分合成手段208aは、供給された+PWM信号207a(図2参照)に−ノイズ成分206bを合成(すなわち重畳)する。かかる合成により、+PWM信号207a(図2参照)に含まれる+ノイズ成分のうち、重畳された−ノイズ成分206b(図2参照)と出力波形が同一で逆位相の成分が、当該−ノイズ成分206b(図2参照)により相殺される。それゆえ、+PWM信号207a(図2参照)では、相殺により、+ノイズ成分の除去が図られる(ステップS105a)。
上記と同様に、ノイズ成分合成手段208bは、供給された−PWM信号207b(図2参照)に+ノイズ成分206a(図2参照)を合成し、−PWM信号207b(図2参照)に含まれる−ノイズ成分のうち、重畳された+ノイズ成分206a(図2参照)と出力波形が同一で逆位相の成分を、当該+ノイズ成分206a(図2参照)により相殺する。それにより、−PWM信号207b(図2参照)では、相殺により、−ノイズ成分の除去が図られる(ステップS105b)。
このような+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bによる+,−ノイズ成分206a,206b(図2参照)の抽出と、ノイズ成分合成手段208a,208bによる上記合成とにより+,−ノイズ成分の低減化が図られた+,−PWM信号207a,207bの各々は、各出力経路210a,210bを通じて、それぞれスピーカ209に出力される(ステップS106)。
以上のように、本実施の形態のデジタルアンプ装置によれば、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bのD級動作におけるスイッチングにより発生するスイッチングノイズの+,−ノイズ成分を、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bおよびノイズ成分合成手段208a,208bを用いて除去し、+,−ノイズ成分の低減化が図られた+,−PWM信号207a,207bをスピーカ209に出力することが可能となる。
図4は、本発明の実施例1におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図4において、図2と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素についての説明は省略する。
図4に示すように、本実施例のデジタルアンプ装置は、D級アンプ部201が正相アンプ203aおよび反転アンプ203bを備え、アンプ出力処理部202では、正相アンプ203aの出力端に順次接続されたインダクタ401aおよびコンデンサ402aによりLPF204aが構成され、また、反転アンプ203bの出力端に順次接続されたインダクタ401bおよびコンデンサ402bによりLPF204bが構成される。
また、LPF204aの後段には、図2の+ノイズ成分抽出手段205aに相当するコンデンサ403aおよびインダクタ404aが順次配設されており、一方、LPF204bの後段には、図2の−ノイズ成分抽出手段205bに相当するコンデンサ403bおよびインダクタ404bが順次配設されている。
図2の+ノイズ成分抽出手段205aのノイズ成分出力端に相当するインダクタ404aの一端は、相対する信号出力経路である−PWM信号の出力経路210bに接続されている。ここでは、インダクタ404aのノイズ成分出力端が−PWM信号の出力経路210bに接続される構成が、図2のノイズ成分合成手段208bに相当する。−PWM信号の出力経路210bでは、このインダクタ404a出力端との接続部と、前述の−ノイズ成分抽出手段205bに相当するコンデンサ403bおよびインダクタ404bとの間に、インダクタ405bがさらに配設されている。
一方、図2の−ノイズ成分抽出手段205bのノイズ成分出力端に相当するインダクタ404bの一端は、相対する信号経路である+PWM信号の出力経路210aに接続されている。ここでは、インダクタ404bのノイズ成分出力端が+PWM信号の出力経路210aに接続される構成が、図2のノイズ成分合成手段208aに相当する。+PWM信号の出力経路210aでは、このインダクタ404bの出力端との接続部と、前述の+ノイズ成分抽出手段205aに相当するコンデンサ403aおよびインダクタ404aとの間に、インダクタ405aがさらに配設されている。
デジタルアンプ装置では、配線を介した接続によって上記の各構成要素401a〜405a,401b〜405bの接続が実現され、それにより、+,−PWM信号の各出力経路210a,210bが形成されている。また、ここでは、インダクタ401a,404a,405a,401b,404b,405bとして、コイルを利用している。各インダクタ401a,404a,405a,401b,404b,405bと各コンデンサ402a,403a,402b,403bとを一対直列に配設することにより、フィルタ構成が実現される。
+PWM信号の出力経路210aは、インダクタ404bの出力端との接続部より後段において、スピーカ209に接続されている。また、−PWM信号の出力経路210bは、インダクタ404aの出力端との接続部より後段において、スピーカ209に接続されている。それにより、本実施例のデジタルアンプ装置において、BTL接続が実現される。
次に、上記構成を有する本実施例のデジタルアンプ装置における動作を、図5を参照して説明する。図5は、図4に示すデジタルアンプ装置の矢印A〜Iの各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。具体的には、図5(a)は、図4の矢印Aの部分における信号波形を示しており、図5(b)は、図4の矢印Bの部分における信号波形を示しており、図5(c)は、図4の矢印Cの部分における信号波形を示しており、図5(d)は、図4の矢印Dの部分における信号波形を示しており、図5(e)は、図4の矢印Eの部分におけるノイズ波形を示しており、図5(f)は、図4の矢印Fの部分におけるノイズ波形を示しており、図5(g)は、図4の矢印Gの部分における信号波形を示しており、図5(h)は、図4の矢印Hの部分における信号波形を示しており、図5(i)は、図4の矢印Iの部分における信号波形を示している。
まず、図5(a),(b)に示すように、図4の矢印A,Bの部分では、図4の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bのD級動作により電力増幅されたデジタルの+,−PWM信号がそれぞれ得られる。そして、図5(c),(d)に示すように、図4の矢印C,Dの部分では、図5(a),(b)に示すデジタルの+,−PWM信号が図4のLPF204a,204bによりアナログに変換された+,−PWM信号W1,W3が得られる。
このようにして得られたLPF204a,204b通過後の+,−PWM信号W1,W3では、図4の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bにおけるスイッチングにより発生した+,−ノイズ成分の一部は各LPF204a,204bにより完全には除去されないため、+,−ノイズ成分W2,W4が残留している。
本実施例では、図5(e),(f)に示すように、この残留する図5(c),(d)の+,−ノイズ成分W2,W4を、図4の各コンデンサ403a,403bおよび各インダクタ404a,404bで構成される+,−ノイズ成分抽出手段205a,205b(図2参照)により抽出する。そして、抽出した図5(e)の+ノイズ成分W2を、図4の−PWM信号の出力経路210bに出力するとともに、抽出した図5(f)の−ノイズ成分W4を、図4の+PWM信号の出力経路210aに出力する。
本実施例のデジタルアンプ装置では、図5(c)のように+ノイズ成分W2が重畳された+PWM信号W1に、相対する信号経路において抽出した図5(f)の−ノイズ成分W4を混合する。それにより、図5(c)の+PWM信号W1に重畳された+ノイズ成分W2と、当該混合された図5(f)の−ノイズ成分W4とが合成される。
そして、かかる合成により、図5(c)の+PWM信号W1に重畳された+ノイズ成分W2のうち、混合された図5(f)の−ノイズ成分W4と出力波形が同一または近似であって逆位相である成分が、当該−ノイズ成分W4によって相殺されて除去される。それにより、図5(g)に示すように、+PWM信号の出力経路210aからスピーカ209に出力される+PWM信号W1では、+ノイズ成分の低減化が図られる。
本実施例のデジタルアンプ装置では、図5(d)のように−ノイズ成分W4が重畳された−PWM信号W3に、相対する信号経路において抽出した図5(e)の+ノイズ成分W2を混合する。それにより、図5(d)の−PWM信号W3に重畳された−ノイズ成分W4と、当該混合された図5(e)の+ノイズ成分W2とが合成される。
そして、かかる合成により、図5(d)の−PWM信号W3に重畳された−ノイズ成分W4のうち、混合された図5(e)の+ノイズ成分W2と出力波形が同一または近似であって逆位相である成分が、当該+ノイズ成分W2によって相殺されて除去される。それにより、図5(h)に示すように、−PWM信号の出力経路210bからスピーカ209に出力される−PWM信号W3では、−ノイズ成分の低減化が図られる。
以上のように、+,−ノイズ成分W2,W4の低減化が図られた逆位相の+,−PWM信号W1,W3(図5(g),(h)参照)がそれぞれ出力されるスピーカ209では、図5(i)に示すように、出力電圧の向上が図られる。したがって、本実施例のデジタルアンプ装置では、出力が大きくかつスイッチングノイズの低減化が図られたパワーアンプ装置を実現することが可能となる。
また、ここでは、+,−PWM信号の出力経路210a,210bの各々において抽出した+,−ノイズ成分W2,W4を、相対する信号出力経路、すなわち−,+PWM信号の出力経路210b,210aにそれぞれ出力するという、容易で従来のBTL接続のデジタルアンプ装置の構成を大きく変更しない構成によって、スピーカ209へ出力する+,−PWM信号W1,W3に含まれる+,−ノイズ成分W2,W4の低減化が図られる。したがって、上記のようなパワーアンプ装置を、低コストおよび簡易な構成により実現することが可能となる。
また、+,−ノイズ成分W2,W4を互いに相殺することにより除去するので、逆位相のノイズ成分毎に除去手段を配設する必要がなく、また、スイッチングノイズの周波数帯がいずれの周波数帯であっても、当該周波数帯のノイズ成分を除去することが可能である。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。また、図7は、図6のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。なお、図6において、図2と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素についての説明は省略する。
図6に示すように、本実施の形態のデジタルアンプ装置は、図2に示す実施の形態1のデジタルアンプ装置と同様の構成を有するが、ノイズ成分合成手段208a,208bの後段に、同位相成分除去手段600がさらに配設された点が、実施の形態1とは異なる。このように同位相成分除去手段600が配設されたデジタルアンプ装置は、図3に示す実施の形態1の動作と同様の動作を行うが、以下の点が実施の形態1とは異なっている。
すなわち、図7に示すように、本実施の形態のデジタルアンプ装置では、図6の各構成要素203a〜208a,203b〜208bにより、図3に示す実施の形態1の場合のステップS101,S102a〜S105a,S102b〜S105bの動作と同様の動作がステップS201,S202a〜S205a,S202b〜S205bにおいて行われる。
そして、本実施の形態では、図6の同位相成分除去手段600により、ノイズ成分合成手段208a,208bにおける前述のノイズ成分合成では除去されない残留した+,−ノイズ成分、すなわち、出力波形が異なる+,−ノイズ成分や、打ち消しあう位相関係にない+,−ノイズ成分の除去をさらに行う(ステップS206)。それにより、+,−ノイズ成分の低減化がさらに図られた+,−PWM信号をスピーカ209に出力することが可能となる(ステップS207)。
以下に、本実施の形態の特徴的構成であるステップS206の詳細を説明する。まず、ステップS205a,S205bでは、実施の形態1のステップS105a,105bで前述した+,−ノイズ成分の合成により、出力波形が同一または近似であって逆位相のノイズ成分同士は相殺されて除去されるが、出力波形が異なる+,−ノイズ成分や、出力波形が打ち消しあう位相関係にない+,−ノイズ成分は、相殺されないので除去できない。
ここで、このようにステップS205a,205bでは除去されない+,−ノイズ成分は、ノイズ成分合成手段208a,208bによるノイズ成分合成によって、同位相で同一波形または近似波形となっている。そこで、本実施の形態では、ステップS206において、図6の同位相成分除去手段600により、+,−PWM信号中に含まれる同位相の+,−ノイズ成分を除去する。それにより、ノイズ成分合成手段208a,208bによるノイズ成分の合成では除去できない+,−ノイズ成分の除去が可能となり、+,−PWM信号における+,−ノイズ成分の低減化がさらに図られる。
以上のように、本実施の形態のデジタルアンプ装置では、実施の形態1と同様にしてノイズ成分合成手段208a,208bにより+,−ノイズ成分の除去を行い、さらに、かかるノイズ成分合成手段208a,208bでは除去できない同位相の+,−ノイズ成分を、同位相成分除去手段600によって除去することが可能となり、さらにノイズ成分の低減化を図ることが可能となる。
図8は、本発明の実施例2におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図8では、図4と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素については説明を省略する。
図8に示すように、本実施例のデジタルアンプ装置は、図4に示す実施例1のデジタルアンプ装置と同様の構成を有するが、+,−PWM信号の出力経路210a,210bにおいて、図6のノイズ成分合成手段208a,208bを構成するインダクタ404b,404a出力端と+,−PWM信号の出力経路210a,210bとの各接続部の後段に、図6の同位相成分除去手段600に相当する同位相成分除去回路800がさらに配設された点が、実施例1とは異なる。
ここでは、同位相成分除去回路800が、コモンモードチョークコイルにより構成される。このような同位相成分除去回路800を備えた本実施例のデジタルアンプ装置では、実施例1の場合と同様の動作が行われるが、同位相成分除去回路800によりさらに+,−ノイズ成分の除去を行う点が、実施例1とは異なる。
以下に、図9を参照して、本実施例のデジタルアンプ装置の動作を説明する。図9は、図8のデジタルアンプ装置の矢印A〜Kの各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。具体的には、図9(a)は、図8の矢印Aの部分における信号波形を示しており、図9(b)は、図8の矢印Bの部分における信号波形を示しており、図9(c)は、図8の矢印Cの部分における信号波形を示しており、図9(d)は、図8の矢印Dの部分における信号波形を示しており、図9(e)は、図8の矢印Eの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(f)は、図8の矢印Fの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(g)は、図8の矢印Gの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(h)は、図8の矢印Hの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(i)は、図8の矢印Iの部分における信号波形を示しており、図9(j)は、図8の矢印Jの部分における信号波形を示しており、図9(k)は、図8の矢印Kの部分における信号波形を示している。
図8のデジタルアンプ装置では、実施例1の場合と同様にして、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bにおけるD級動作、LPF204a,204bによる処理、コンデンサ403aおよびインダクタ404aによる+ノイズ成分の抽出、コンデンサ403bおよびインダクタ404bによる−ノイズ成分の抽出が行われる。そして、抽出した+ノイズ成分が−PWM信号の出力経路210bに出力され、−PWM信号中に含まれる−ノイズ成分と合成されるとともに、抽出した−ノイズ成分が+PWM信号の出力経路210aに出力され、+PWM信号中に含まれる+ノイズ成分と合成される。したがって、かかるデジタルアンプ装置の図8の矢印A〜Fの各部で得られる信号波形は、図9(a)〜(f)に示すように、図5(a)〜(f)に示す実施例1の信号およびノイズ波形と同様となる。
ところで、上記のノイズ成分合成では、−ノイズ成分が混合された+PWM信号において、+PWM信号中に含まれる+ノイズ成分のうち、混合された−ノイズ成分と出力波形が同一または近似であって逆位相の成分同士は当該−ノイズ成分によって相殺されて除去されるが、出力波形が異なる成分や、打ち消しあう位相関係にない成分は、当該−ノイズ成分では相殺されないので除去されない。それゆえ、+PWM信号には、+ノイズ成分が残留する。また、−PWM信号においても、同様の理由により、−ノイズ成分が残留する。
図9(g),(h)に示すように、+,−PWM信号W1,W3(図9(c),(d)参照)中に残留する+,−ノイズ成分W2,W4は、図9(f),(e)の−,+ノイズ成分W4およびW2の各々と一旦合成されているため、同位相で同一波形または近似波形となっている。したがって、このような同位相で同一波形または近似波形である残留の+,−ノイズ成分W2,W4は、図8の同位相成分除去回路800により除去することが可能となる。そして、このように同相の+,−ノイズ成分W2,W4がさらに除去された図9(i),(j)に示す+,−PWM信号W1,W3は、スピーカ209(図8参照)に出力され、図9(k)に示すように出力増幅される。
以上のように、本実施例のデジタルアンプ装置では、実施例1の場合と同様にしてノイズ成分合成により+,−ノイズ成分を相殺して除去し、さらに、かかるノイズ成分合成では相殺できない同位相同一波形または近似波形の+,−ノイズ成分を、同位相成分除去回路800により除去することが可能となる。それゆえ、実施例1で前述した効果と同様の効果が得られるとともに、さらにノイズ成分の低減化を図ることが可能となる。
図10は、本発明の実施例3におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図10において、図8と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素については説明を省略する。
図10に示すように、本実施例のデジタルアンプ装置は、図8に示す実施例2のデジタルアンプ装置と同様の構成を有するが、+,−PWM信号の出力経路210a,210bの各々において、同位相成分除去回路800とスピーカ209との間にコンデンサ1001a,1001bがそれぞれ配設された点が、実施例2とは異なる。
かかる構成の本実施例のデジタルアンプ装置では、実施例2で前述した効果と同様の効果が得られる。特に、このデジタルアンプ装置では、同位相成分除去回路800の後段に配設したコンデンサ1001a,1001bにより、同位相成分除去回路800を通過した+,−PWM信号中に含まれる高周波のノイズ成分をさらに除去することが可能となるため、ノイズ成分のさらなる低減化が図られる。
上記の実施例1〜実施例3で例示したデジタルアンプ装置の構成は、本発明にかかるデジタルアンプ装置の構成の例示であり、これに限定されるものではない。また、本発明にかかるデジタルアンプ装置は、種々のオーディオ装置に適用可能なアンプ装置として有用であるが、特に、図11に示すように、スピーカライン1111とアンテナ1112とが近接配置されたノイズの影響を受けやすい構成の車載用オーディオ装置1110等に適用した場合に、より有効な効果が奏される。

【0003】
ンプ装置は、入力される逆位相の正負の各信号をスイッチング方式により電力増幅する一対のアンプと、前記一対のアンプの各々から出力される正負の各信号がそれぞれ入力される一対のローパスフィルタとを備え、前記一対のローパスフィルタの各々から出力される正負の各信号がBTL接続されるスピーカにそれぞれ出力されるデジタルアンプ装置において、前記一対のローパスフィルタからそれぞれ出力される前記正負の各信号に含まれる、前記正の信号を出力するアンプから発生するスイッチングノイズのうち前記ローパスフィルタによって除去されない第一の残留成分と、前記負の信号を出力するアンプから発生するスイッチングノイズのうち前記ローパスフィルタによって除去されない第二の残留成分と、をそれぞれ抽出するノイズ成分抽出手段と、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記第一の残留成分と、一方の前記ローパスフィルタから出力される前記負の信号に含まれる前記第二の残留成分とを合成するとともに、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記第二の残留成分と、他方の前記ローパスフィルタから出力される前記正の信号に含まれる前記第一の残留成分とを合成するノイズ成分合成手段と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
[0013][図1]図1は、従来のデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。
[図2]図2は、本発明の実施の形態1にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。
[図3]図3は、図2のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。
[図4]図4は、本発明の実施例1におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。
[図5]図5は、図4のデジタルアンプ装置の各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。
[図6]図6は、本発明の実施の形態2にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。
[図7]図7は、図6のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。
[図8]図8は、本発明の実施例2におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。
[図9]図9は、図8のデジタルアンプ装置の各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。
[図10]図10は、本発明の実施例3におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的
この発明は、デジタルアンプ装置に関する。ただし、本発明の利用は、前述のデジタルアンプ装置には限らない。
正相アンプと反転アンプとから構成されるデジタルアンプの出力端にスピーカを接続するいわゆるBalanced Transformerless接続(以下、BTL接続と略す)のデジタルアンプ装置では、正相アンプおよび反転アンプのD級動作によって両アンプから逆位相の波形が出力される。それにより、かかるデジタルアンプ装置では、通常のアンプを備えた装置よりも出力電圧の向上が図られる。
図1は、D級動作が実行されるデジタルアンプ(以下、D級アンプと呼ぶ)を備えたデジタルアンプ装置の概略構成を示す模式的なブロック図である。図1に示すように、かかるデジタルアンプ装置は、D級アンプ部101と、当該D級アンプ部101からの出力を処理するアンプ出力処理部102とから構成されている。D級アンプ部101は、正相アンプ101aと反転アンプ101bとを備える。また、アンプ出力処理部102は、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bの出力端にそれぞれ接続されるローパスフィルタ(以下、LPFと略す)102a,102bを備える。
かかる構成のデジタルアンプ装置では、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bの出力端が、それぞれLPF102a,102bを介してスピーカ103に接続された構成を有し、それにより、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bが、スピーカ103に対して一台のBTL接続のアンプとして機能する。
デジタルアンプ装置では、入力されたデジタルオーディオ信号がPWM変調(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)により逆位相の一対のPWM信号に変換される。そして、この逆位相のPWM信号のうち、+のPWM信号が正相アンプ101aに供給され、−のPWM信号が反転アンプ101bに供給される。
そして、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bによってD級動作が実現され、かかる動作により、+,−のPWM信号が所定の直流電圧をスイッチングし、これらの信号が電力増幅される。電力増幅された+,−のPWM信号の各々は、LPF102a,102bを経てアナログ波形のオーディオ信号とされ、当該オーディオ信号がスピーカ103に供給される。
ここで、上記のデジタルアンプ装置のD級動作では、+,−のPWM信号によるスイッチングの際に、ノイズ(以下、スイッチングノイズと呼ぶ)が発生する。このスイッチングノイズは、LPF102a,102bによる除去が不可であるノイズ成分を含む。
例えば、正相アンプ101aおよび反転アンプ101bにおけるスイッチング周波数およびその高周波が、ラジオ周波数帯もしくはその近傍である場合、オーディオのラジオ受信における再生信号にノイズが発生することになる。この場合には、LPF102a,102bのカットオフ周波数を低周波数側へ設定することにも限界があり、よって、スイッチングノイズに含まれるラジオ周波数帯のノイズ成分をLPF102a,102bにより除去することが困難である。したがって、この場合には、LPF102a,102bでは除去されずに残留するノイズ成分によって、ラジオ周波数帯の放送の受信が妨害され、ラジオ受信に悪影響を与える。
このような残留ノイズ成分を除去する方法として、例えば、LPF102a,102bとスピーカ103との間に、残留するノイズ成分を除去するためのフィルタ構成を配設する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−46345号公報
残留するノイズ成分の除去については種々検討されているが、十分な除去は実現困難であり、よって、ノイズ成分の有効な除去の実現が望まれる。特に、BTL接続のデジタルアンプ装置では、同位相のノイズ成分と逆位相のノイズ成分とが含まれることから、両位相のノイズ成分を有効に除去する方法が要求され、かつ、当該除去を低コストおよび簡素な構成で実現することが望まれる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるデジタルアンプ装置は、入力される逆位相の正負の各信号をスイッチング方式により電力増幅する一対のアンプと、前記一対のアンプの各々から出力される正負の各信号がそれぞれ入力される一対のローパスフィルタとを備え、前記一対のローパスフィルタの各々から出力される正負の各信号がBTL接続されるスピーカにそれぞれ出力されるデジタルアンプ装置において、前記一対のローパスフィルタからそれぞれ出力される前記正負の各信号に含まれる、前記正の信号を出力するアンプから発生するスイッチングノイズのうち前記ローパスフィルタによって除去されない第一の残留成分と、前記負の信号を出力するアンプから発生するスイッチングノイズのうち前記ローパスフィルタによって除去されない第二の残留成分と、をそれぞれ抽出するノイズ成分抽出手段と、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記第一の残留成分と、一方の前記ローパスフィルタから出力される前記負の信号に含まれる前記第二の残留成分とを合成するとともに、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記第二の残留成分と、他方の前記ローパスフィルタから出力される前記正の信号に含まれる前記第一の残留成分とを合成するノイズ成分合成手段と、前記ノイズ成分合成手段によるノイズ成分合成を経て出力された正負の各信号がそれぞれ入力される同位相成分除去手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、LPFの後段において残留するノイズ成分を有効に除去することが可能なデジタルアンプ装置を提供することを目的の一つとする。以下に、添付図面を参照して、本発明にかかるデジタルアンプ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。また、図3は、図2のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施の形態のデジタルアンプ装置は、D級アンプ部201と、当該D級アンプ部201からの出力を処理するアンプ出力処理部202とから構成される。そして、このデジタルアンプ装置は、音声出力手段であるスピーカ209に接続されている。
D級アンプ部201は、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bとを備える。また、アンプ出力処理部202は、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bの出力端にそれぞれ接続されるLPF204a,204bと、このLPF204a,204bの出力端にそれぞれ接続される+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bと、ノイズ成分合成手段208a,208bとを備える。
ここでは、正相アンプ203a、LPF204a、ノイズ成分合成手段208aによって+PWM信号の出力経路210aが形成されており、また、反転アンプ203b、LPF204b、ノイズ成分合成手段208bによって−PWM信号の出力経路210bが形成されている。各+,−PWM信号の出力経路210a,210bでは、上記各構成要素203a〜205a,208a,203b〜205b,208bが、配線を通じて上記の順で接続されている。
さらに、この場合、+ノイズ成分抽出手段205aは、抽出した後述の+ノイズ成分206aをノイズ成分合成手段208bに出力可能に構成されており、また、−ノイズ成分抽出手段205bは、抽出した後述の−ノイズ成分206bをノイズ成分合成手段208aに出力可能に構成されている。そして、各ノイズ成分合成手段208a,208bの出力端が、スピーカ209の両端にそれぞれ接続され、それにより、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bがスピーカ209に対して一台のBTL接続のアンプとして機能する構成が実現される。
図3に示すように、図2のデジタルアンプ装置では、まず、入力されたデジタルオーディオ信号が、PWM変調により、逆位相の一対の+,−PWM信号に変換される(ステップS101)。そして、+PWM信号が図2の正相アンプ203aに入力されるとともに(ステップS102a)、−PWM信号が図2の反転アンプ203bに入力される(ステップS102b)。このように+,−PWM信号がそれぞれ入力された図2の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bでは、いわゆるD級動作が実現される。それにより、+,−PWM信号が、所定の直流電圧をスイッチングして電力増幅する。
このようにして電力増幅された+,−PWM信号のうち、+PWM信号が図2のLPF204aに供給され、−PWM信号が図2のLPF204bに供給される。そして、+,−PWM信号の各々は、図2のLPF204a,204bによりアナログ波形のオーディオ信号とされ、また、LPF204a,204bのカットオフ周波数に対応する周波数成分が除去される(ステップS103a,S103b)。
ここで、従来技術において前述したように、図2の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bでは、D級動作の際の+,−PWM信号によるスイッチングにおいて、スイッチングノイズが発生する。このスイッチングノイズは、+ノイズ成分および−ノイズ成分を含み、これらの成分が広い周波数帯にわたって分布する。
スイッチングノイズの+,−ノイズ成分のうち、図2のLPF204a,204bのカットオフ周波数に対応する周波数の成分は、LPF204a,204b(図2参照)により多くは除去される。一方、LPF204a,204b(図2参照)により除去されない残留成分、例えば、スイッチングノイズのうちラジオ周波数帯の+,−ノイズ成分は、+,−PWM信号の各々に重畳されたままLPF204a,204b(図2参照)を通過してから出力される。
そこで、本実施の形態では、残留する+,−ノイズ成分を、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bおよびノイズ成分合成手段208a,208bを用いて除去する。まず、+,−ノイズ成分が各々重畳された+,−PWM信号は、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bにそれぞれ出力される。そして、+ノイズ成分抽出手段205aにより、+PWM信号から+ノイズ成分206a(図2参照)を抽出するとともに(ステップS104a)、−ノイズ成分抽出手段205bにより、−PWM信号から−ノイズ成分206b(図2参照)を抽出する(ステップS104b)。
続いて、上記のようにして抽出した+,−ノイズ成分206a,206b(図2参照)の各々を、ノイズ成分合成手段208bおよびノイズ成分合成手段208aに供給する。
この時、ノイズ成分合成手段208aには、上記の−ノイズ成分206b(図2参照)の他に、+ノイズ成分抽出手段205aを経た+PWM信号207a(図2参照)が供給される。一方、ノイズ成分合成手段208bには、上記の+ノイズ成分206a(図2参照)の他に、−ノイズ成分抽出手段205bを経た−PWM信号207b(図2参照)が供給される。ここで、このようにノイズ成分合成手段208a,208bにそれぞれ供給される+,−PWM信号207a,207bは、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bでは抽出されなかった+,−ノイズ成分が含まれる。
ノイズ成分合成手段208aは、供給された+PWM信号207a(図2参照)に−ノイズ成分206bを合成(すなわち重畳)する。かかる合成により、+PWM信号207a(図2参照)に含まれる+ノイズ成分のうち、重畳された−ノイズ成分206b(図2参照)と出力波形が同一で逆位相の成分が、当該−ノイズ成分206b(図2参照)により相殺される。それゆえ、+PWM信号207a(図2参照)では、相殺により、+ノイズ成分の除去が図られる(ステップS105a)。
上記と同様に、ノイズ成分合成手段208bは、供給された−PWM信号207b(図2参照)に+ノイズ成分206a(図2参照)を合成し、−PWM信号207b(図2参照)に含まれる−ノイズ成分のうち、重畳された+ノイズ成分206a(図2参照)と出力波形が同一で逆位相の成分を、当該+ノイズ成分206a(図2参照)により相殺する。それにより、−PWM信号207b(図2参照)では、相殺により、−ノイズ成分の除去が図られる(ステップS105b)。
このような+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bによる+,−ノイズ成分206a,206b(図2参照)の抽出と、ノイズ成分合成手段208a,208bによる上記合成とにより+,−ノイズ成分の低減化が図られた+,−PWM信号207a,207bの各々は、各出力経路210a,210bを通じて、それぞれスピーカ209に出力される(ステップS106)。
以上のように、本実施の形態のデジタルアンプ装置によれば、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bのD級動作におけるスイッチングにより発生するスイッチングノイズの+,−ノイズ成分を、+,−ノイズ成分抽出手段205a,205bおよびノイズ成分合成手段208a,208bを用いて除去し、+,−ノイズ成分の低減化が図られた+,−PWM信号207a,207bをスピーカ209に出力することが可能となる。
図4は、本発明の実施例1におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図4において、図2と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素についての説明は省略する。
図4に示すように、本実施例のデジタルアンプ装置は、D級アンプ部201が正相アンプ203aおよび反転アンプ203bを備え、アンプ出力処理部202では、正相アンプ203aの出力端に順次接続されたインダクタ401aおよびコンデンサ402aによりLPF204aが構成され、また、反転アンプ203bの出力端に順次接続されたインダクタ401bおよびコンデンサ402bによりLPF204bが構成される。
また、LPF204aの後段には、図2の+ノイズ成分抽出手段205aに相当するコンデンサ403aおよびインダクタ404aが順次配設されており、一方、LPF204bの後段には、図2の−ノイズ成分抽出手段205bに相当するコンデンサ403bおよびインダクタ404bが順次配設されている。
図2の+ノイズ成分抽出手段205aのノイズ成分出力端に相当するインダクタ404aの一端は、相対する信号出力経路である−PWM信号の出力経路210bに接続されている。ここでは、インダクタ404aのノイズ成分出力端が−PWM信号の出力経路210bに接続される構成が、図2のノイズ成分合成手段208bに相当する。−PWM信号の出力経路210bでは、このインダクタ404a出力端との接続部と、前述の−ノイズ成分抽出手段205bに相当するコンデンサ403bおよびインダクタ404bとの間に、インダクタ405bがさらに配設されている。
一方、図2の−ノイズ成分抽出手段205bのノイズ成分出力端に相当するインダクタ404bの一端は、相対する信号経路である+PWM信号の出力経路210aに接続されている。ここでは、インダクタ404bのノイズ成分出力端が+PWM信号の出力経路210aに接続される構成が、図2のノイズ成分合成手段208aに相当する。+PWM信号の出力経路210aでは、このインダクタ404bの出力端との接続部と、前述の+ノイズ成分抽出手段205aに相当するコンデンサ403aおよびインダクタ404aとの間に、インダクタ405aがさらに配設されている。
デジタルアンプ装置では、配線を介した接続によって上記の各構成要素401a〜405a,401b〜405bの接続が実現され、それにより、+,−PWM信号の各出力経路210a,210bが形成されている。また、ここでは、インダクタ401a,404a,405a,401b,404b,405bとして、コイルを利用している。各インダクタ401a,404a,405a,401b,404b,405bと各コンデンサ402a,403a,402b,403bとを一対直列に配設することにより、フィルタ構成が実現される。
+PWM信号の出力経路210aは、インダクタ404bの出力端との接続部より後段において、スピーカ209に接続されている。また、−PWM信号の出力経路210bは、インダクタ404aの出力端との接続部より後段において、スピーカ209に接続されている。それにより、本実施例のデジタルアンプ装置において、BTL接続が実現される。
次に、上記構成を有する本実施例のデジタルアンプ装置における動作を、図5を参照して説明する。図5は、図4に示すデジタルアンプ装置の矢印A〜Iの各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。具体的には、図5(a)は、図4の矢印Aの部分における信号波形を示しており、図5(b)は、図4の矢印Bの部分における信号波形を示しており、図5(c)は、図4の矢印Cの部分における信号波形を示しており、図5(d)は、図4の矢印Dの部分における信号波形を示しており、図5(e)は、図4の矢印Eの部分におけるノイズ波形を示しており、図5(f)は、図4の矢印Fの部分におけるノイズ波形を示しており、図5(g)は、図4の矢印Gの部分における信号波形を示しており、図5(h)は、図4の矢印Hの部分における信号波形を示しており、図5(i)は、図4の矢印Iの部分における信号波形を示している。
まず、図5(a),(b)に示すように、図4の矢印A,Bの部分では、図4の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bのD級動作により電力増幅されたデジタルの+,−PWM信号がそれぞれ得られる。そして、図5(c),(d)に示すように、図4の矢印C,Dの部分では、図5(a),(b)に示すデジタルの+,−PWM信号が図4のLPF204a,204bによりアナログに変換された+,−PWM信号W1,W3が得られる。
このようにして得られたLPF204a,204b通過後の+,−PWM信号W1,W3では、図4の正相アンプ203aおよび反転アンプ203bにおけるスイッチングにより発生した+,−ノイズ成分の一部は各LPF204a,204bにより完全には除去されないため、+,−ノイズ成分W2,W4が残留している。
本実施例では、図5(e),(f)に示すように、この残留する図5(c),(d)の+,−ノイズ成分W2,W4を、図4の各コンデンサ403a,403bおよび各インダクタ404a,404bで構成される+,−ノイズ成分抽出手段205a,205b(図2参照)により抽出する。そして、抽出した図5(e)の+ノイズ成分W2を、図4の−PWM信号の出力経路210bに出力するとともに、抽出した図5(f)の−ノイズ成分W4を、図4の+PWM信号の出力経路210aに出力する。
本実施例のデジタルアンプ装置では、図5(c)のように+ノイズ成分W2が重畳された+PWM信号W1に、相対する信号経路において抽出した図5(f)の−ノイズ成分W4を混合する。それにより、図5(c)の+PWM信号W1に重畳された+ノイズ成分W2と、当該混合された図5(f)の−ノイズ成分W4とが合成される。
そして、かかる合成により、図5(c)の+PWM信号W1に重畳された+ノイズ成分W2のうち、混合された図5(f)の−ノイズ成分W4と出力波形が同一または近似であって逆位相である成分が、当該−ノイズ成分W4によって相殺されて除去される。それにより、図5(g)に示すように、+PWM信号の出力経路210aからスピーカ209に出力される+PWM信号W1では、+ノイズ成分の低減化が図られる。
本実施例のデジタルアンプ装置では、図5(d)のように−ノイズ成分W4が重畳された−PWM信号W3に、相対する信号経路において抽出した図5(e)の+ノイズ成分W2を混合する。それにより、図5(d)の−PWM信号W3に重畳された−ノイズ成分W4と、当該混合された図5(e)の+ノイズ成分W2とが合成される。
そして、かかる合成により、図5(d)の−PWM信号W3に重畳された−ノイズ成分W4のうち、混合された図5(e)の+ノイズ成分W2と出力波形が同一または近似であって逆位相である成分が、当該+ノイズ成分W2によって相殺されて除去される。それにより、図5(h)に示すように、−PWM信号の出力経路210bからスピーカ209に出力される−PWM信号W3では、−ノイズ成分の低減化が図られる。
以上のように、+,−ノイズ成分W2,W4の低減化が図られた逆位相の+,−PWM信号W1,W3(図5(g),(h)参照)がそれぞれ出力されるスピーカ209では、図5(i)に示すように、出力電圧の向上が図られる。したがって、本実施例のデジタルアンプ装置では、出力が大きくかつスイッチングノイズの低減化が図られたパワーアンプ装置を実現することが可能となる。
また、ここでは、+,−PWM信号の出力経路210a,210bの各々において抽出した+,−ノイズ成分W2,W4を、相対する信号出力経路、すなわち−,+PWM信号の出力経路210b,210aにそれぞれ出力するという、容易で従来のBTL接続のデジタルアンプ装置の構成を大きく変更しない構成によって、スピーカ209へ出力する+,−PWM信号W1,W3に含まれる+,−ノイズ成分W2,W4の低減化が図られる。したがって、上記のようなパワーアンプ装置を、低コストおよび簡易な構成により実現することが可能となる。
また、+,−ノイズ成分W2,W4を互いに相殺することにより除去するので、逆位相のノイズ成分毎に除去手段を配設する必要がなく、また、スイッチングノイズの周波数帯がいずれの周波数帯であっても、当該周波数帯のノイズ成分を除去することが可能である。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。また、図7は、図6のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。なお、図6において、図2と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素についての説明は省略する。
図6に示すように、本実施の形態のデジタルアンプ装置は、図2に示す実施の形態1のデジタルアンプ装置と同様の構成を有するが、ノイズ成分合成手段208a,208bの後段に、同位相成分除去手段600がさらに配設された点が、実施の形態1とは異なる。このように同位相成分除去手段600が配設されたデジタルアンプ装置は、図3に示す実施の形態1の動作と同様の動作を行うが、以下の点が実施の形態1とは異なっている。
すなわち、図7に示すように、本実施の形態のデジタルアンプ装置では、図6の各構成要素203a〜208a,203b〜208bにより、図3に示す実施の形態1の場合のステップS101,S102a〜S105a,S102b〜S105bの動作と同様の動作がステップS201,S202a〜S205a,S202b〜S205bにおいて行われる。
そして、本実施の形態では、図6の同位相成分除去手段600により、ノイズ成分合成手段208a,208bにおける前述のノイズ成分合成では除去されない残留した+,−ノイズ成分、すなわち、出力波形が異なる+,−ノイズ成分や、打ち消しあう位相関係にない+,−ノイズ成分の除去をさらに行う(ステップS206)。それにより、+,−ノイズ成分の低減化がさらに図られた+,−PWM信号をスピーカ209に出力することが可能となる(ステップS207)。
以下に、本実施の形態の特徴的構成であるステップS206の詳細を説明する。まず、ステップS205a,S205bでは、実施の形態1のステップS105a,105bで前述した+,−ノイズ成分の合成により、出力波形が同一または近似であって逆位相のノイズ成分同士は相殺されて除去されるが、出力波形が異なる+,−ノイズ成分や、出力波形が打ち消しあう位相関係にない+,−ノイズ成分は、相殺されないので除去できない。
ここで、このようにステップS205a,205bでは除去されない+,−ノイズ成分は、ノイズ成分合成手段208a,208bによるノイズ成分合成によって、同位相で同一波形または近似波形となっている。そこで、本実施の形態では、ステップS206において、図6の同位相成分除去手段600により、+,−PWM信号中に含まれる同位相の+,−ノイズ成分を除去する。それにより、ノイズ成分合成手段208a,208bによるノイズ成分の合成では除去できない+,−ノイズ成分の除去が可能となり、+,−PWM信号における+,−ノイズ成分の低減化がさらに図られる。
以上のように、本実施の形態のデジタルアンプ装置では、実施の形態1と同様にしてノイズ成分合成手段208a,208bにより+,−ノイズ成分の除去を行い、さらに、かかるノイズ成分合成手段208a,208bでは除去できない同位相の+,−ノイズ成分を、同位相成分除去手段600によって除去することが可能となり、さらにノイズ成分の低減化を図ることが可能となる。
図8は、本発明の実施例2におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図8では、図4と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素については説明を省略する。
図8に示すように、本実施例のデジタルアンプ装置は、図4に示す実施例1のデジタルアンプ装置と同様の構成を有するが、+,−PWM信号の出力経路210a,210bにおいて、図6のノイズ成分合成手段208a,208bを構成するインダクタ404b,404a出力端と+,−PWM信号の出力経路210a,210bとの各接続部の後段に、図6の同位相成分除去手段600に相当する同位相成分除去回路800がさらに配設された点が、実施例1とは異なる。
ここでは、同位相成分除去回路800が、コモンモードチョークコイルにより構成される。このような同位相成分除去回路800を備えた本実施例のデジタルアンプ装置では、実施例1の場合と同様の動作が行われるが、同位相成分除去回路800によりさらに+,−ノイズ成分の除去を行う点が、実施例1とは異なる。
以下に、図9を参照して、本実施例のデジタルアンプ装置の動作を説明する。図9は、図8のデジタルアンプ装置の矢印A〜Kの各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。具体的には、図9(a)は、図8の矢印Aの部分における信号波形を示しており、図9(b)は、図8の矢印Bの部分における信号波形を示しており、図9(c)は、図8の矢印Cの部分における信号波形を示しており、図9(d)は、図8の矢印Dの部分における信号波形を示しており、図9(e)は、図8の矢印Eの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(f)は、図8の矢印Fの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(g)は、図8の矢印Gの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(h)は、図8の矢印Hの部分におけるノイズ波形を示しており、図9(i)は、図8の矢印Iの部分における信号波形を示しており、図9(j)は、図8の矢印Jの部分における信号波形を示しており、図9(k)は、図8の矢印Kの部分における信号波形を示している。
図8のデジタルアンプ装置では、実施例1の場合と同様にして、正相アンプ203aおよび反転アンプ203bにおけるD級動作、LPF204a,204bによる処理、コンデンサ403aおよびインダクタ404aによる+ノイズ成分の抽出、コンデンサ403bおよびインダクタ404bによる−ノイズ成分の抽出が行われる。そして、抽出した+ノイズ成分が−PWM信号の出力経路210bに出力され、−PWM信号中に含まれる−ノイズ成分と合成されるとともに、抽出した−ノイズ成分が+PWM信号の出力経路210aに出力され、+PWM信号中に含まれる+ノイズ成分と合成される。したがって、かかるデジタルアンプ装置の図8の矢印A〜Fの各部で得られる信号波形は、図9(a)〜(f)に示すように、図5(a)〜(f)に示す実施例1の信号およびノイズ波形と同様となる。
ところで、上記のノイズ成分合成では、−ノイズ成分が混合された+PWM信号において、+PWM信号中に含まれる+ノイズ成分のうち、混合された−ノイズ成分と出力波形が同一または近似であって逆位相の成分同士は当該−ノイズ成分によって相殺されて除去されるが、出力波形が異なる成分や、打ち消しあう位相関係にない成分は、当該−ノイズ成分では相殺されないので除去されない。それゆえ、+PWM信号には、+ノイズ成分が残留する。また、−PWM信号においても、同様の理由により、−ノイズ成分が残留する。
図9(g),(h)に示すように、+,−PWM信号W1,W3(図9(c),(d)参照)中に残留する+,−ノイズ成分W2,W4は、図9(f),(e)の−,+ノイズ成分W4およびW2の各々と一旦合成されているため、同位相で同一波形または近似波形となっている。したがって、このような同位相で同一波形または近似波形である残留の+,−ノイズ成分W2,W4は、図8の同位相成分除去回路800により除去することが可能となる。そして、このように同相の+,−ノイズ成分W2,W4がさらに除去された図9(i),(j)に示す+,−PWM信号W1,W3は、スピーカ209(図8参照)に出力され、図9(k)に示すように出力増幅される。
以上のように、本実施例のデジタルアンプ装置では、実施例1の場合と同様にしてノイズ成分合成により+,−ノイズ成分を相殺して除去し、さらに、かかるノイズ成分合成では相殺できない同位相同一波形または近似波形の+,−ノイズ成分を、同位相成分除去回路800により除去することが可能となる。それゆえ、実施例1で前述した効果と同様の効果が得られるとともに、さらにノイズ成分の低減化を図ることが可能となる。
図10は、本発明の実施例3におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図10において、図8と同一の構成要素については同一符号を付し、かかる構成要素については説明を省略する。
図10に示すように、本実施例のデジタルアンプ装置は、図8に示す実施例2のデジタルアンプ装置と同様の構成を有するが、+,−PWM信号の出力経路210a,210bの各々において、同位相成分除去回路800とスピーカ209との間にコンデンサ1001a,1001bがそれぞれ配設された点が、実施例2とは異なる。
かかる構成の本実施例のデジタルアンプ装置では、実施例2で前述した効果と同様の効果が得られる。特に、このデジタルアンプ装置では、同位相成分除去回路800の後段に配設したコンデンサ1001a,1001bにより、同位相成分除去回路800を通過した+,−PWM信号中に含まれる高周波のノイズ成分をさらに除去することが可能となるため、ノイズ成分のさらなる低減化が図られる。
上記の実施例1〜実施例3で例示したデジタルアンプ装置の構成は、本発明にかかるデジタルアンプ装置の構成の例示であり、これに限定されるものではない。また、本発明にかかるデジタルアンプ装置は、種々のオーディオ装置に適用可能なアンプ装置として有用であるが、特に、図11に示すように、スピーカライン1111とアンテナ1112とが近接配置されたノイズの影響を受けやすい構成の車載用オーディオ装置1110等に適用した場合に、より有効な効果が奏される。
従来のデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図2のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施例1におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図4のデジタルアンプ装置の各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。 本発明の実施の形態2にかかるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図6のデジタルアンプ装置の動作の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施例2におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 図8のデジタルアンプ装置の各部における信号およびノイズ波形を示す模式図である。 本発明の実施例3におけるデジタルアンプ装置の構成を示す模式的なブロック図である。 本発明にかかるデジタルアンプ装置を車載用オーディオ装置1110に適用した場合の図である。
符号の説明
201 D級アンプ部
202 アンプ出力処理部
203a 正相アンプ
203b 反転アンプ
204a,204b LPF
205a +ノイズ成分抽出手段
205b −ノイズ成分抽出手段
208a,208b ノイズ成分合成手段
209 スピーカ
600 同位相成分除去手段
800 同位相成分除去回路

Claims (6)

  1. 入力される逆位相の正負の各信号をスイッチング方式により電力増幅する一対のアンプと、前記一対のアンプの各々から出力される正負の各信号がそれぞれ入力される一対のローパスフィルタとを備え、前記一対のローパスフィルタの各々から出力される正負の各信号がBTL接続されるスピーカにそれぞれ出力されるデジタルアンプ装置において、
    前記一対のローパスフィルタからそれぞれ出力される前記正負の各信号に含まれる正のノイズ成分および負のノイズ成分をそれぞれ抽出するノイズ成分抽出手段と、
    前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記正のノイズ成分と、一方の前記ローパスフィルタから出力される前記負の信号に含まれる負のノイズ成分とを合成するとともに、前記ノイズ成分抽出手段により抽出した前記負のノイズ成分と、他方の前記ローパスフィルタから出力される前記正の信号に含まれる正のノイズ成分とを合成するノイズ成分合成手段と、を備えたことを特徴とするデジタルアンプ装置。
  2. 前記ノイズ成分合成手段は、
    前記抽出した前記正のノイズ成分を、前記一対のローパスフィルタの一方の前記ローパスフィルタから出力される前記負の信号に混合するとともに、
    前記抽出した前記負のノイズ成分を、前記一対のローパスフィルタの他方の前記ローパスフィルタから出力される前記正の信号に混合することを特徴とする請求項1に記載のデジタルアンプ装置。
  3. 前記ノイズ成分抽出手段は、
    一方の前記ローパスフィルタから出力される前記正の信号から前記正のノイズ成分を抽出する第一の抽出手段と、
    他方の前記ローパスフィルタから出力される前記負の信号から前記負のノイズ成分を抽出する第二の抽出手段とを備え、
    正の信号を出力する前記アンプと、一方の前記ローパスフィルタと、前記第一の抽出手段とが接続されて正の信号出力経路が形成されるとともに、負の信号を出力する前記アンプと、他方の前記ローパスフィルタと、前記第二の抽出手段とが接続されて負の信号出力経路が形成され、
    前記ノイズ成分合成手段は、
    前記第一の抽出手段により抽出した前記正のノイズ成分を前記負の信号出力経路に供給する第一のノイズ合成経路と、
    前記第二の抽出手段により抽出した前記負のノイズ成分を前記正の信号出力経路に供給する第二のノイズ合成経路と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタルアンプ装置。
  4. 前記ノイズ成分抽出手段は、コンデンサとインダクタとを備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタルアンプ装置。
  5. 前記ノイズ成分合成手段によるノイズ成分合成を経て出力された正負の各信号がそれぞれ入力される同位相成分除去手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のデジタルアンプ装置。
  6. 前記同位相成分除去手段は、コモンモードチョークコイルを備えることを特徴とする請求項5に記載のデジタルアンプ装置。

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