JPWO2005106485A1 - 肝癌治療後の再発予測判定薬 - Google Patents

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Abstract

肝癌治療後の再発予測方法の提供。抗GPC3抗体を用いて被検試料中のGPC3を測定することを特徴とする肝癌治療後の再発予測方法。

Description

本発明は、肝癌治療後の再発を予測する方法および当該予測判定薬に関する。
原発性肝細胞癌(以下、肝癌という)の多くが、慢性肝炎から肝硬変に進行した後に生じる。ウイルス肝炎および肝硬変患者が多く認知される一方、肝癌の発生も近年増加傾向である。さらに、治療手段として肝切除、経皮的局所療法(ラジオ波焼灼療法・エタノール注入療法など)、肝動脈塞栓療法(TAE)、持続動注化学療法、放射線療法等が行われている。
肝癌治療においては癌の分布、大きさに加え、背景の肝障害(肝炎や肝硬変)に応じて治療法が選択される。一方で、根治性の高い治療を行ったにも関わらず、治療後の肝内異所性再発率は年率1−3割と高く、治療後再発が担癌患者の予後を悪化させている。一方で高い異所性再発率をふまえて肝癌治療後の患者は頻回の画像診断、腫瘍マーカー検査によるフォローアップが行われている。
従来、肝癌の診断に用いる腫瘍マーカーとしては、αフェトプロテイン(AFP)、αフェトプロテインレクチン分画(L3分画)、PIVKA−IIなどが用いられている。これらの腫瘍マーカーは、ウイルス肝炎、肝硬変などの高リスク患者における肝癌の診断、治療効果判定、治療後再発の診断にある程度有用であるが、偽陽性・偽陰性が多く、臨床においては他の画像診断(腹部超音波検査、CTスキャン)などと組み合わせたり、時系列を追うことによって診断を行っているのが現状である。そのため治療後早期に背景肝組織の再発リスクを評価する腫瘍マーカーが存在すれば、再発の早期発見が可能となり、より根治的で背景肝障害を悪化させない治療が可能になること、再発リスクの低い患者で頻回の検査の負担を軽減させることなどのメリットが享受できることから、肝癌治療後の再発予測に有用な診断マーカーが求められている。
細胞表面上に存在するヘパラン硫酸プロテオグリカンの新しいファミリーとしてグリピカンファミリーの存在が報告されている。現在までのところ、グリピカンファミリーのメンバーとして、6種類のグリピカン(グリピカン1、グリピカン2、グリピカン3、グリピカン4、グリピカン5およびグリピカン6)が存在することが報告されている。このファミリーのメンバーは、均一なサイズ(約60kDa)のコアタンパク質を持ち、特異的でよく保持されたシステインの配列を共有しており、グリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)アンカーにより細胞膜に結合している。
グリピカン3(GPC3)は、発生における細胞分裂やそのパターンの制御に深く関わっていることが知られている。又、GPC3遺伝子が肝癌細胞において高発現しており、GPC3遺伝子が肝細胞癌マーカーとして利用できる可能性があることが知られている。さらに、GPC3を測定することによる癌を診断する方法として、既に特許文献1および特許文献2が知られている。しかし、GPC3が肝癌治療後にどのように変化するか、さらには、その変化を解析することにより、治療方針がたてられるとは全く知られていなかった。
国際公開第03/100429号パンフレット 国際公開第2004/018667号パンフレット
従って、本発明の目的は、従来予測が困難であった、肝癌治療後の再発予測手段を提供するものである。
本発明者らは、肝癌治療前後の患者体液中のGPC3濃度を測定し、再発との関係を長期間に渡って追跡調査した結果、通常の腫瘍マーカーであるAFP、AFP−L3分画およびPIVKA−IIでは再発との十分な相関関係は認められなかったにもかかわらず、血中GPC3は再発予測因子として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、抗GPC3抗体を含有する肝癌治療後の再発予測判定薬を提供するものである。
また、本発明は、抗GPC3抗体を用いて被検試料中のGPC3を測定することを特徴とする肝癌治療後の再発予測方法を提供するものである。
本発明によれば、従来の腫瘍マーカーでは予測が困難であった肝癌治療後の再発予測が可能となり、新たな治療計画の策定が可能となる。
術前(A)、術後1〜2週間後(早期)(B)、および術後2週間〜2ヶ月後(中期)(C)のGPC3値が1ng/mL以上の患者と1ng/mL未満の患者における無再発生存率を示す図である。右下の数値はLog−rank testの結果を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、抗GPC3抗体を用いて被検試料中のGPC3を測定することにより肝癌治療後の再発を予測する方法である。
測定とは、定量的又は非定量的な測定を含み、例えば、非定量的な測定としては、単にGPC3が存在するか否かの測定、GPC3が一定の量以上存在するか否かの測定、GPC3の量を他の試料(例えば、コントロール試料など)と比較する測定などを挙げることができ、定量的な測定としては、GPC3の濃度の測定、GPC3の量の測定などを挙げることができる。
被検試料とは、GPC3が含まれる可能性のある試料であれば特に制限されないが、哺乳類などの生物の体から採取された試料が好ましく、さらに好ましくはヒトから採取された試料である。被検試料の具体的な例としては、例えば、血液、間質液、血漿、血管外液、脳脊髄液、滑液、胸膜液、血清、リンパ液、唾液、尿などを挙げることができるが、好ましいのは血液、血清、血漿である。又、生物の体から採取された細胞の培養液などの、被検試料から得られる試料も本発明の被検試料に含まれる。
本発明に用いられる被検試料としては、肝癌治療後の患者の血液、血清、血漿が特に好ましい。ここで肝癌治療後の患者としては、肝切除、ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法、肝動脈塞栓術、持続動注化学療法等の治療後の患者が挙げられるが、根治性の高い治療後、すなわち肝切除後あるいはラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法後の患者が特に好ましい。
本発明に用いられる抗GPC3抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれでもよいが、モノクローナル抗体が特に好ましい。また、抗GPC3抗体としては、血液、血清、血漿を被検試料とする点から、分泌型GPC3に対する抗体、すなわち抗可溶性GPC3抗体が好ましい。さらには、抗可溶性GPC3モノクローナル抗体を用いるのが特に好ましい。以下抗GPC3モノクローナル抗体を用いた場合について詳細に説明する。
1.抗GPC3モノクローナル抗体の作製
本発明で用いられる抗GPC3モノクローナル抗体はGPC3タンパク質に特異的に結合すればよく、その由来および形状を問わない。具体的には、マウス抗体、ラット抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト型化抗体などの公知のモノクローナル抗体を用いることができる。又、支持体に固定される抗GPC3モノクローナル抗体と標識物質で標識される抗GPC3モノクローナル抗体はGPC3分子の異なるエピトープを認識することが好ましく、部位は特に制限されない。
本発明で使用される抗GPC3モノクローナル抗体は、公知の手段を用いて得ることができる。本発明で使用される抗GPC3モノクローナル抗体として、特に哺乳動物由来のモノクローナル抗体が好ましい。哺乳動物由来のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマに産生されるもの、および遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主に産生されるものを含む。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、GPC3又は可溶性GPC3ならびにその断片ペプチドを感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞をスクリーニングすることによって作製できる。
具体的には、モノクローナル抗体を作製するには次のようにすればよい。
まず、抗体取得の感作抗原として使用されるGPC3は、HuH6、HepG2細胞株等を培養してその上清に含まれる天然のGPC3を精製して、得ることができる。さらに、Lage,H.etal.,Gene 188(1997),151−156に開示されたGPC3(MXR7)遺伝子/アミノ酸配列を発現することによっても得ることができる。すなわち、GPC3をコードする遺伝子配列を公知の発現ベクター系に挿入して適当な宿主細胞を形質転換させた後、その宿主細胞中又は培養上清中から目的のヒトGPC3タンパク質を公知の方法で精製する。
次に、この精製GPC3を感作抗原として用いるが、GPC3の部分ペプチドを感作抗原として使用することもできる。この際、部分ペプチドはヒトGPC3のアミノ酸配列より化学合成により得ることもできるし、GPC遺伝子の一部を発現ベクターに組込んで得ることもでき、さらに天然のGPC3をタンパク質分解酵素により分解することによっても得ることができる。部分ペプチドとして用いるGPC3の部分および大きさは限られない。本発明においては、感作抗原として全長GPC3を用いるのが好ましい。
感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモットあるいはウサギ、サル、鶏等が使用される。
感作抗原を動物に免疫するには、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内又は皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate−Buffered Saline)や生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものに所望により通常のアジュバント、例えばフロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4〜21日毎に数回投与する。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することもできる。特に分子量の小さい部分ペプチドを感作抗原として用いる場合には、アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン等の担体タンパク質と結合させて免疫することが望ましい。
このように哺乳動物を免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞を採取し、細胞融合に付されるが、好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。
前記免疫細胞と融合される他方の親細胞として、哺乳動物のミエローマ細胞を用いる。このミエローマ細胞は、公知の種々の細胞株、例えば、P3(P3×63Ag8.653)(J.Immnol.(1979)123,1548−1550)、P3x63Ag8U.1(Current Topics in Microbiology and Immunology(1978)81,1−7)、NS−1(Kohler.G.and Milstein,C.Eur.J.Immunol.(1976)6,511−519)、MPC−11(Margulies.D.H.et al.,Cell(1976)8,405−415)、SP2/0(Shulman,M.et al.,Nature(1978)276,269−270)、FO(de St.Groth,S.F.etal.,J.Immunol.Methods(1980)35,1−21)、S194(Trowbridge,I.S.J.Exp.Med.(1978)148,313−323)、R210(Galfre,G.et al.,Nature(1979)277,131−133)等が好適に使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler.G.and Milstein,C.,Methods Enzymol.(1981)73,3−46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等が使用され、さらに所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定することができる。例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1〜10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したPEG溶液(例えば平均分子量1000〜6000程度)を通常30〜60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドーマ)を形成する。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去する。
このようにして得られたハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えばHAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。上記HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間(通常、数日〜数週間)継続する。ついで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニングを行う。
目的とする抗体のスクリーニングおよび単一クローニングは、公知の抗原抗体反応に基づくスクリーニング方法で行えばよい。例えば、ポリスチレン等でできたビーズや市販の96ウェルのマイクロタイタープレート等の担体に抗原を結合させ、ハイブリドーマの培養上清と反応させ、担体を洗浄した後に酵素標識第2次抗体等を反応させることにより、培養上清中に感作抗原と反応する目的とする抗体が含まれるかどうか決定できる。目的とする抗体を産生するハイブリドーマを限界希釈法等によりクローニングすることができる。この際、抗原としては免疫に用いたものを用いればよい。
また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitroでGPC3に感作し、感作リンパ球をヒト由来の永久分裂能を有するミエローマ細胞と融合させ、GPC3への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1−59878号公報参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物に抗原となるGPC3を投与して抗GPC3モノクローナル抗体産生細胞を取得し、これを不死化させた細胞からGPC3に対するヒト抗体を取得してもよい(WO94/25585、WO93/12227、WO92/03918、WO94/02602参照)。
このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
当該ハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法に従い培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。
本発明では、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた組換え型のものを用いることができる(例えば、Vandamme,A.M.et al.,Eur.J.Biochem.(1990)192,767−775,1990参照)。具体的には、抗GPC3モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから、抗GPC3モノクローナル抗体の可変(V)領域をコードするmRNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、グアニジン超遠心法(Chirgwin,J.M.et al.,Biochemistry(1979)18,5294−5299)、AGPC法(Chomczynski,P.et al.,Anal.Biochem.(1987)162,156−159)等により行って全RNAを調製し、mRNA Purification Kit(Pharmacia製)等を使用して目的のmRNAを調製する。また、QuickPrep mRNA Purification Kit(Pharmacia製)を用いることによりmRNAを直接調製することもできる。
得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体V領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse Transcriptase First−strand cDNA Synthesis Kit(生化学工業社製)等を用いて行う。また、cDNAの合成および増幅を行うには、5’−Ampli FINDER RACE Kit(Clontech製)およびPCRを用いた5’−RACE法(Frohman,M.A.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1988)85,8998−9002、Belyavsky,A.et al.,Nucleic Acids Res.(1989)17,2919−2932)等を使用することができる。
得られたPCR産物から目的とするDNA断片を精製し、ベクターDNAと連結する。さらに、これより組換えベクターを作製し、大腸菌等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクターを調製する。そして、目的とするDNAの塩基配列を公知の方法、例えば、ジデオキシヌクレオチドチェインターミネーション法等により確認する。
目的とする抗GPC3モノクローナル抗体のV領域をコードするDNAを得たのち、これを、所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAを含有する発現ベクターへ組み込む。
本発明で使用される抗GPC3モノクローナル抗体を製造するには、抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより、宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させる。
抗体遺伝子の発現は、抗体重鎖(H鎖)又は軽鎖(L鎖)をコードするDNAを別々に発現ベクターに組み込んで宿主細胞を同時形質転換させてもよいし、あるいはH鎖およびL鎖をコードするDNAを単一の発現ベクターに組み込んで宿主細胞を形質転換させてもよい(WO94/11523参照)。
また、組換え型抗体の産生には上記宿主細胞だけではなく、トランスジェニック動物を使用することができる。例えば、抗体遺伝子を、乳汁中に固有に産生されるタンパク質(ヤギβカゼインなど)をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝子として調製する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子を含むDNA断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から所望の抗体を得る。また、トランスジェニックヤギから産生される所望の抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,K.M.et al.,Bio/Technology(1994)12,699−702)。
本発明では、上記抗体のほかに、人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト型化(Humanized)抗体を使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体は、前記のようにして得た抗体V領域をコードするDNAをヒト抗体C領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。この既知の方法を用いて、本発明に有用なキメラ抗体を得ることができる。
ヒト型化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、これは、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている(EP125023、WO96/02576参照)。
具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)とを連結するように設計したDNA配列を、CDRおよびFR両方の末端領域にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCR法により合成する(WO98/13388に記載の方法を参照)。
CDRを介して連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res.(1993)53,851−856)。
キメラ抗体およびヒト型化抗体のC領域には、ヒト抗体のものが使用され、例えばH鎖では、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4を、L鎖ではCκ、Cλを使用することができる。また、抗体又はその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体C領域を修飾してもよい。
キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の可変領域とヒト抗体由来の定常領域とからなる。一方、ヒト型化抗体は、ヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域およびC領域とからなる。
本発明で使用される抗体は、抗体の全体分子に限られず、GPC3に結合する限り、抗体の断片又はその修飾物であってもよく、二価抗体も一価抗体も含まれる。例えば、抗体の断片としては、Fab、F(ab’)2、Fv、1個のFabと完全なFcを有するFab/c、又はH鎖若しくはL鎖のFvを適当なリンカーで連結させたシングルチェインFv(scFv)が挙げられる。具体的には、抗体を酵素、例えばパパイン、ペプシンで処理し抗体断片を生成させるか、又は、これら抗体断片をコードする遺伝子を構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させる(例えば、Co,M.S.et al.,J.Immunol.(1994)152,2968−2976、Better,M.&Horwitz,A.H.Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press,Inc.、Plueckthun,A.&Skerra,A.Methods in Enzymology(1989)178,476−496,Academic Press,Inc.、Lamoyi,E.,Methods in Enzymology(1989)121,652−663、Rousseaux,J.et al.,Methods in Enzymology(1989)121,663−669、Bird,R.E.et al.,TIBTECH(1991)9,132−137参照)。
scFvは、抗体のH鎖V領域とL鎖V領域とを連結することにより得られる。このscFvにおいて、H鎖V領域とL鎖V領域は、リンカー、好ましくはペプチドリンカーを介して連結される(Huston,J.S.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.(1988)85,5879−5883)。scFvにおけるH鎖V領域およびL鎖V領域は、本明細書に抗体として記載されたもののいずれの由来であってもよい。V領域を連結するペプチドリンカーとしては、例えばアミノ酸12〜19残基からなる任意の一本鎖ペプチドが用いられる。
scFvをコードするDNAは、前記抗体のH鎖又はH鎖V領域をコードするDNA、およびL鎖又はL鎖V領域をコードするDNAのうち、それらの配列のうちの全部又は所望のアミノ酸配列をコードするDNA部分を鋳型とし、その両端を規定するプライマー対を用いてPCR法により増幅し、次いで、さらにペプチドリンカー部分をコードするDNA、およびその両端が各々H鎖、L鎖と連結されるように規定するプライマー対を組み合せて増幅することにより得られる。
また、一旦scFvをコードするDNAが作製されると、それらを含有する発現ベクター、および該発現ベクターにより形質転換された宿主を常法に従って得ることができ、また、その宿主を用いることにより、常法に従ってscFvを得ることができる。
これら抗体の断片は、前記と同様にしてその遺伝子を取得し発現させ、宿主により産生させることができる。本発明における「抗体」にはこれらの抗体の断片も包含される。
抗体の修飾物として、標識物質等の各種分子と結合した抗GPC3抗体を使用することもできる。本発明における「抗体」にはこれらの抗体修飾物も包含される。このような抗体修飾物は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。なお、抗体の修飾方法はこの分野においてすでに確立されている。
さらに、本発明で使用される抗体は、二重特異性抗体(bispecific antibody)であってもよい。二重特異性抗体はGPC3分子上の異なるエピトープを認識する抗原結合部位を有する二重特異性抗体であってもよいし、一方の抗原結合部位がGPC3を認識し、他方の抗原結合部位が標識物質等を認識してもよい。二重特異性抗体は2種類の抗体のHL対を結合させて作製することもできるし、異なるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを融合させて二重特異性抗体産生融合細胞を作製し、得ることもできる。さらに、遺伝子工学的手法により二重特異性抗体を作製することも可能である。
前記のように構築した抗体遺伝子は、公知の方法により発現させ、取得することができる。哺乳類細胞の場合、常用される有用なプロモーター、発現させる抗体遺伝子、その3’側下流にポリAシグナルを機能的に結合させて発現させることができる。例えばプロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロウイルス前期プロモーター/エンハンサー(human cytomegalovirus immediate early promoter/enhancer)を挙げることができる。
また、その他に本発明で使用される抗体発現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レトロウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、シミアンウイルス40(SV40)等のウイルスプロモーター/エンハンサー、あるいはヒトエロンゲーションファクター1a(HEF1a)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エンハンサー等が挙げられる。
SV40プロモーター/エンハンサーを使用する場合はMulliganらの方法(Nature(1979)277,108)により、また、HEF1aプロモーター/エンハンサーを使用する場合はMizushimaらの方法(Nucleic Acids Res.(1990)18,5322)により、容易に遺伝子発現を行うことができる。
大腸菌の場合、常用される有用なプロモーター、抗体分泌のためのシグナル配列および発現させる抗体遺伝子を機能的に結合させて当該遺伝子を発現させることができる。プロモーターとしては、例えばlaczプロモーター、araBプロモーターを挙げることができる。laczプロモーターを使用する場合はWardらの方法(Nature(1098)341,544−546;FASEB J.(1992)6,2422−2427)により、あるいはaraBプロモーターを使用する場合はBetterらの方法(Science(1988)240,1041−1043)により発現することができる。
抗体分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei,S.P.et al J.Bacteriol.(1987)169,4379)を使用すればよい。そして、ペリプラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を適切に組み直して(refold)使用する。
複製起源としては、SV40、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス(BPV)等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは、選択マーカーとしてアミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH)遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明で使用される抗体の製造のために、任意の発現系、例えば真核細胞又は原核細胞系を使用することができる。真核細胞としては、例えば樹立された哺乳類細胞系、昆虫細胞系、真糸状菌細胞および酵母細胞などの動物細胞等が挙げられ、原核細胞としては、例えば大腸菌細胞等の細菌細胞が挙げられる。
好ましくは、本発明で使用される抗体は、哺乳類細胞、例えばCHO、COS、ミエローマ、BHK、Vero、HeLa細胞中で発現される。
次に、形質転換された宿主細胞をin vitro又はin vivoで培養して目的とする抗体を産生させる。宿主細胞の培養は公知の方法に従い行う。例えば、培養液として、DMEM、MEM、RPMI1640、IMDMを使用することができ、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
前記のように発現、産生された抗体は、細胞、宿主動物から分離し均一にまで精製することができる。本発明で使用される抗体の分離、精製はアフィニティーカラムを用いて行うことができる。例えば、プロテインAカラムを用いたカラムとして、Hyper D、POROS、Sepharose F.F.(Pharmacia製)等が挙げられる。その他、通常のタンパク質で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、上記アフィニティーカラム以外のクロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせることにより、抗体を分離、精製することができる(Antibodies A Laboratory Manual.Ed Harlow,David Lane,Cold Spring Harbor Laboratory,1988)。
本発明に使用される抗体のエピトープは特に限定されないが、全長GPC3又はそのペプチド断片を認識すれば良い。より具体的には、WO03/10049、WO2004/018667、PCT/JP2002/008990等に記載のハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が利用できるが、実施例2および3にて作製したモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を使用するのが特に好ましい。
2.GPC3の測定
本発明において測定するGPC3は、ヘパラン硫酸などが付加されたGPC3タンパク質でも、GPC3コアタンパク質でもよい。
被検試料に含まれるGPC3の測定は、抗GPC3抗体を用いた免疫学的方法により測定される。免疫学的方法としては、例えば、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、発光イムノアッセイ、免疫沈降法、免疫比濁法、ウエスタンブロット、免疫染色、免疫拡散法などを挙げることができるが、好ましくはエンザイムイムノアッセイであり、特に好ましいのは酵素結合免疫吸着定量法(enzyme−linked immunosorbent assay:ELISA)(例えば、sandwich ELISA)である。ELISAなどの上述した免疫学的方法は当業者に公知の方法により行うことが可能である。
抗GPC3抗体を用いた一般的な測定方法としては、例えば、抗GPC3抗体を支持体に固定し、ここに被検試料を加え、インキュベートを行い抗GPC3抗体とGPC3タンパク質を結合させた後に洗浄して、抗GPC3抗体を介して支持体に結合したGPC3タンパク質を測定することにより、被検試料中のGPC3タンパク質の測定を行う方法を挙げることができる。
本発明において用いられる支持体としては、例えば、アガロース、セルロースなどの不溶性の多糖類、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネイト樹脂などの合成樹脂や、ガラスなどの不溶性の支持体を挙げることができる。これらの支持体は、ビーズやプレートなどの形状で用いることが可能である。ビーズの場合、これらが充填されたカラムなどを用いることができる。プレートの場合、マルチウェルプレート(96穴マルチウェルプレート等)や、バイオセンサーチップなどを用いることができる。抗GPC3抗体と支持体との結合は、化学結合や物理的な吸着などの通常用いられる方法により結合することができる。これらの支持体はすべて市販のものを用いることができる。
抗GPC3抗体とGPC3タンパク質との結合は、通常、緩衝液中で行われる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、などが使用される。また、インキュベーションの条件としては、すでによく用いられている条件、例えば、4℃〜室温にて1時間〜24時間のインキュベーションが行われる。インキュベート後の洗浄は、GPC3タンパク質と抗GPC3抗体の結合を妨げないものであれば何でもよく、例えば、Tween20等の界面活性剤を含む緩衝液などが使用される。
本発明のGPC3タンパク質測定方法においては、GPC3タンパク質を測定したい被検試料の他に、コントロール試料を設置してもよい。コントロール試料としては、GPC3タンパク質を含まない陰性コントロール試料やGPC3タンパク質を含む陽性コントロール試料などがある。この場合、GPC3タンパク質を含まない陰性コントロール試料で得られた結果、GPC3タンパク質を含む陽性コントロール試料で得られた結果と比較することにより、被検試料中のGPC3タンパク質を測定することが可能である。また、濃度を段階的に変化させた一連のコントロール試料を調製し、各コントロール試料に対する測定結果を数値として得て、標準曲線を作成し、被検試料の数値から標準曲線に基づいて、被検試料に含まれるGPC3タンパク質を定量的に測定することも可能である。
抗GPC3抗体を介して支持体に結合したGPC3タンパク質の測定の好ましい態様として、標識物質で標識された抗GPC3抗体を用いる方法を挙げることができる。
例えば、支持体に固定された抗GPC3抗体に被検試料を接触させ、洗浄後に、GPC3タンパク質を特異的に認識する標識抗体を用いて測定する。
抗GPC3抗体の標識は通常知られている方法により行うことが可能である。標識物質としては、蛍光色素、酵素、補酵素、化学発光物質、放射性物質などの当業者に公知の標識物質を用いることが可能であり、具体的な例としては、ラジオアイソトープ(32P、14C、125I、H、131Iなど)、フルオレセイン、ローダミン、ダンシルクロリド、ウンベリフェロン、ルシフェラーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ホースラディッシュパーオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカリドオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、ビオチンなどを挙げることができる。標識物質としてビオチンを用いる場合には、ビオチン標識抗体を添加後に、アルカリホスファターゼなどの酵素を結合させたアビジンをさらに添加することが好ましい。標識物質と抗GPC3抗体との結合には、グルタルアルデヒド法、マレイミド法、ピリジルジスルフィド法、過ヨウ素酸法、などの公知の方法を用いることができる。
具体的には、抗GPC3抗体を含む溶液をプレートなどの支持体に加え、抗GPC3抗体を支持体に固定する。プレートを洗浄後、タンパク質の非特異的な結合を防ぐため、例えばBSA、ゼラチン、アルブミンなどでブロッキングする。再び洗浄し、被検試料をプレートに加える。インキュベートの後、洗浄し、標識抗GPC3抗体を加える。適度なインキュベーションの後、プレートを洗浄し、プレートに残った標識抗GPC3抗体を測定する。測定は当業者に公知の方法により行うことができ、例えば、放射性物質による標識の場合には液体シンチレーションやRIA法により測定することができる。酵素による標識の場合には基質を加え、基質の酵素的変化、例えば発色を吸光度計により測定することができる。基質の具体的な例としては、2,2−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)、1,2−フェニレンジアミン(オルソ−フェニレンジアミン)、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TME)などを挙げることができる。蛍光物質の場合には蛍光光度計により測定することができる。
本発明のGPC3タンパク質測定方法の特に好ましい態様として、ビオチンで標識された抗GPC3抗体およびアビジンを用いる方法を挙げることができる。
具体的には、抗GPC3抗体を含む溶液をプレートなどの支持体に加え、抗GPC3抗体を固定する。プレートを洗浄後、タンパク質の非特異的な結合を防ぐため、例えばBSAなどでブロッキングする。再び洗浄し、被検試料をプレートに加える。インキュベートの後、洗浄し、ビオチン標識抗GPC3抗体を加える。適度なインキュベーションの後、プレートを洗浄し、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素と結合したアビジンを加える。インキュベーション後、プレートを洗浄し、アビジンに結合している酵素に対応した基質を加え、基質の酵素的変化などを指標にGPC3タンパク質を測定する。
本発明のGPC3タンパク質測定方法の他の態様として、GPC3タンパク質を特異的に認識する一次抗体を一種類以上、および該一次抗体を特異的に認識する二次抗体を一種類以上用いる方法を挙げることができる。
例えば、支持体に固定された一種類以上の抗GPC3抗体に被検試料を接触させ、インキュベーションした後、洗浄し、洗浄後に結合しているGPC3タンパク質を、一次抗GPC3抗体および該一次抗体を特異的に認識する一種類以上の二次抗体により測定する。この場合、二次抗体は好ましくは標識物質により標識されている。
本発明のGPC3タンパク質の測定方法の他の態様としては、凝集反応を利用した測定方法を挙げることができる。該方法においては、抗GPC3抗体を感作した担体を用いてGPC3を測定することができる。抗体を感作する担体としては、不溶性で、非特異的な反応を起こさず、かつ安定である限り、いかなる担体を使用してもよい。例えば、ラテックス粒子、ベントナイト、コロジオン、カオリン、固定羊赤血球等を使用することができるが、ラテックス粒子を使用するのが好ましい。ラテックス粒子としては、例えば、ポリスチレンラテックス粒子、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス粒子、ポリビニルトルエンラテックス粒子等を使用することができるが、ポリスチレンラテックス粒子を使用するのが好ましい。感作した粒子を試料と混合し、一定時間攪拌する。試料中に抗GPC3抗体が高濃度で含まれるほど粒子の凝集度が大きくなるので、凝集を肉眼でみることによりGPC3を測定することができる。また、凝集による濁度を分光光度計等により測定することによってもGPC3を測定可能である。
本発明のGPC3タンパク質の測定方法の他の態様としては、例えば、表面プラズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーを用いた方法を挙げることができる。表面プラズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーはタンパク質−タンパク質間の相互作用を微量のタンパク質を用いてかつ標識することなく、表面プラズモン共鳴シグナルとしてリアルタイムに観察することが可能である。例えば、BIAcore(Pharmacia製)等のバイオセンサーを用いることによりGPC3タンパク質と抗GPC3抗体の結合を測定することが可能である。具体的には、抗GPC3抗体を固定化したセンサーチップに、被検試料を接触させ、抗GPC3抗体に結合するGPC3タンパク質を共鳴シグナルの変化として測定することができる。
本発明の測定方法は、種々の自動検査装置を用いて自動化することもでき、一度に大量の試料について検査を行うことも可能である。
本発明は、肝癌治療後の再発予測判定薬の提供を目的とするが、該判定薬は少なくとも抗GPC3抗体を含む。該判定薬がELISA法に基づく場合は、抗体を固相化する担体を含んでいてもよく、抗体があらかじめ担体に結合していてもよい。該判定薬がラテックス等の担体を用いた凝集法に基づく場合は抗体が吸着した担体を含んでいてもよい。また、該判定薬は、適宜、ブロッキング溶液、反応溶液、反応停止液、試料を処理するための試薬等を含むキットとしてもよい。
肝癌治療後の肝癌再発を予測するには、肝癌治療前、治療後早期(1〜2週間後)又は治療後中期(2週間〜2ヶ月後)のGPC濃度を測定すればよい。これらの時期の血清中GPC3濃度が高ければ高いほど肝癌が再発する。例えば、治療前、治療後早期又は治療後中期の血清GPC3濃度が1ng/mL以上の場合には、再発する可能性が高く、1ng/mL未満の場合には、再発しない可能性が高いと予測できる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 可溶性リコンビナントGPC3の取得
完全長ヒトGPC3 cDNAを含むプラスミドDNAを用い、flag付加可溶型GPC3、すなわちリコンビナントGPC3 cDNA発現プラスミドDNAを構築した。C末端側の疎水領域(564−580アミノ酸)を除くように設計した下流プライマー(5’−ATAGAATTCCACCATGGCCGGGACCGTGCGC−3’(配列番号1))とEcoRI認識配列、Kozak配列を加えた上流プライマー(5’−ATAGGATCCCTTCAGCGGGGAATGAACGTTC−3’(配列番号2))を用いてPCRを行った。得られたPCR断片(1711bp)をpCXND2−Flagにクローニングした。作製された発現プラスミドDNAをCHO細胞DXB11株へ導入し、500μg/mL Geneticin での選抜により、可溶型GPC3高発現CHO株を得た。
1700cmローラーボトルを用いflag付加可溶型GPC3高発現CHO株の大量培養を行い、培養上清を回収し精製を行った。培養上清をDEAE Sepharose Fast Flow(Amersham CAT# 17−0709−01)にチャージし、洗浄後、500mM NaClを含むバッファーにより溶出した。次に、Anti−Flag M2 agarose affinity gel(SIGMA CAT#A−2220)を用いてアフィニティー精製を行った。溶出は200μg/mLのFLAGペプチドにより行った。Centriprep−10(Millipore CAT#4304)による濃縮後、Superdex 200 HR 10/30(Amersham CAT# 17−1088−01)によるゲルろ過を行いFLAGペプチドを除去した。最後にDEAE Sepharose Fast Flowカラムを用いて濃縮し、同時にTween20を含まないPBS(500mMのNaClを含む)で溶出を行うことによりバッファー置換を行うことにより、可溶性リコンビナントGPC3を得た。
実施例2 可溶性天然型GPC3の取得
可溶性GPC3の産生細胞として、肝芽腫由来細胞株であるHuH6細胞を理研細胞バンクよりより購入し、10% FBS/ダルベッコの改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle Medium,DMEM)(SIGMA CAT# D6429)/penicillin・streptomycin(GIBCO BRL CAT# 15140−122)で培養を行った。すなわち、直径150mmのディシュを用い、HuH6細胞の大量培養を行い、培養上清を回収し精製を行った。培養上清をDEAE Sepharose Fast Flow(Amersham CAT#17−0709−01)にチャージし、洗浄後、500mM NaClを含むバッファーにより溶出した。次に、Centriprep−10(Millipore CAT#4304)で濃縮後、Superdex 200 HR 10/30(Amersham CAT# 17−1088−01)によるゲルろ過にて精製することにより粗精製天然型GPC3を得た。
高純度の天然型GPC3の取得には、抗マウスモノクローナル抗体あるいは抗モルモットポリクローナル抗体を用いてアフィニティーカラムを作製し、それにHuH6細胞株培養上清をチャージした後、pH3.5、0.1Mグリシン塩酸にて洗浄後、4MのMgCl・6HOにて溶出し、ついで、50mM Tris−HCl(pH7.5)、150mM NaClに対して透析を行い、高純度の可溶性天然型GPC3を得た。
実施例3 抗可溶性GPC3ポリクローナル抗体の作製
可溶性リコンビナントGPC3あるいは可溶性天然型GPC3を用いて、モルモットポリクローナル抗体の作製を行った。作製には、公知の方法を用いた。GPC3を、アジュバントを用いてエマルジョン化したものを皮下に投与し、免疫を行った。これを数回繰り返し、抗体価が上昇したのを確認した後、採血を行い、血清を得た後、硫安沈殿によりポリクローナル抗体を取得した。
実施例4 抗GPC3モノクローナル抗体の作製
Balb/Cマウス(CRL)5匹に、可溶性リコンビナントGPC3あるいは可溶性天然型GPC3を免疫した。初回免疫には免疫タンパク質を、可溶性天然型GPC3の場合は10μg/匹、可溶性リコンビナントGPC3の場合は100μg/匹となるように調製し、FCA(フロイント完全アジュバント(H37 Ra)、Difco(3113−60)、ベクトンディッキンソン(cat#231131))を用いてエマルジョン化したものを皮下に投与した。2週間後に可溶性天然型GPC3の場合は5μg/匹、可溶性リコンビナントGPC3の場合は50μg/匹となるように調製したものをFIA(フロイント不完全アジュバント、Difco(0639−60)、ベクトンディッキンソン(cat#263910))でエマルジョン化したものを皮下に投与した。以降1週間間隔で追加免疫を合計5回行った。最終免疫については、可溶性天然型GPC3の場合は5μg/匹、可溶性リコンビナントGPC3の場合は50μg/匹となるようにPBSに希釈し尾静脈内に投与した。GPC3コアタンパク質をコートしたイムノプレートを用いたELISAによりGPC3に対する血清中の抗体価が飽和しているのを確認後、マウスミエローマ細胞P3U1とマウス脾臓細胞を混合し、PEG1500(ロシュ・ダイアグノスティック、cat#783 641)により細胞融合を行った。96穴培養プレートに播種し、翌日よりHAT培地で選択後培養上清をELISAでスクリーニングした。陽性クローンについては限界希釈法によりモノクローン化した後、拡大培養を行い培養上清を回収した。ELISAによるスクリーニングは、GPC3コアタンパク質との結合活性を指標に行い、強い結合能を有する抗GPC3モノクローナル抗体を得た。
抗体の精製はHi Trap ProteinG HP(Amersham CAT#17−0404−01)を用いて行った。ハイブリドーマ培養上清を直接カラムにチャージし、結合バッファー(20mM リン酸ナトリウム(pH7.0))にて洗浄後、溶出バッファー(0.1M グリシン−HCl(pH2.7))で溶出した。溶出は中和バッファー(1M Tris−HCl(pH9.0))を加えたチューブに行い直ちに中和した。抗体画分をプールした後、0.05%Tween20/PBSで一昼夜透析を行いバッファー置換した。精製された抗体は0.02%となるようにNaNを添加した後、4℃で保管した。
可溶性天然型GPC3より得られたハイブリドーマは、PPMX008及びPPMX009と命名した。また、可溶性リコンビナントGPC3より得られたハイブリドーマは、PPMX0010およびPPMX031と命名した。
なお、複数得られたハイブリドーマのうち以下に示すELISAにて高感度・特異性に優れたPPMX009をM18D04と命名し、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託した(日本国 〒305−8566 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、原寄託日;2004年9月7日、受託番号;FERM ABP−10325)。
実施例5 抗GPC3モノクローナル抗体の解析
抗体濃度はヤギ抗マウス IgG(gamma)(ZYMED CAT# 62−6600)とアルカリホスファターゼ−ヤギ抗マウス IgG(gamma)(ZYMED CAT# 62−6622)を用いたマウスIgGサンドイッチELISAを行い、市販の精製マウスIgG1抗体(ZYMED CAT#02−6100)をスタンダードとして定量した。
抗GPC3モノクローナル抗体のアイソタイピングは、ImmunoPure Monoclonal Antibody Isotyping Kit II(PIERCE CAT# 37502)を用い、方法は添付のマニュアルに従った。アイソタイピングの結果全てIgG1タイプであった。
実施例6 サンドイッチELISA系の構築
血中のGPC3を測定するため、GPC3のサンドイッチELISA系を多数構築し、感度および特異性に優れた測定系を選択した。最も優れた結果は、ポリクローナル抗体であるPPMX042抗体を96ウェルプレートにコートし、M18D04抗体をビオチンで標識した系であった。尚、発色には高い測定感度を達成するためScytek社のTMBを用いた。
96ウェルイムノプレートに10μg/mLとなるように抗GPC3モノクローナル抗体あるいはポリクローナル抗体をPBS(−)で希釈したものをコートし、4℃で一晩インキュベートした。翌日300μL/wellのPBSで3回洗浄後、ABI社のイムノアッセイスタビライザー(ABI #10−601−001)を150μL加え、ブロッキングを行った。室温で数時間後、あるいは4℃で一晩保管後、精製タンパク質、ヒト血清などを、動物血清などを含む希釈バッファー(50mM Tris−Cl pH8.0, 0.15M NaCl)で適当に希釈したものを加え2時間室温でインキュベートした。次いで、動物血清などを含むPBS(−)で20μg/mLとなるように希釈したビオチン標識した抗GPC3モノクローナル抗体あるいはポリクローナル抗体を加え2時間室温でインキュベートした。反応液を捨てた後、動物血清を適当量含んだCygnus社のStab−ELISA−r(Cygnus#I−030)を用いて、Vector社のストレプトアビジン−HRPO(Vector#SA−5004)を3ug/mLに希釈したものを加え、0.5時間室温でインキュベートした。300μL/wellの洗浄バッファーで5回洗浄した後、添付のプロトコールに従いScytek社のTMB(Cat#TM4999)を用いて発色させ、マイクロプレートリーダーで吸光度を測定した。
抗体のビオチン化にはPierce社のSulfo−NHS−LC−Biotin (CAT# 21335)を用いた。また、サンプル中のGPC3濃度の換算には、表計算ソフトGlaphPad PRISM(GlaphPad software Inc. ver.3.0)を用いて解析した。精製GPC3を用いてスタンダードカーブを作製した結果、標準品未添加時吸光度が低いのみならずGPC3添加時の吸光度が高い測定系を構築することができた。
実施例7 肝動脈塞栓術後の患者GPC3濃度と再発との関係
(1)対象および方法
実施例5で得られたELISA系(ポリクローナル抗体であるPPMX042抗体を96ウェルプレートにコートし、M18D04抗体をビオチンで標識した系)を用い、下記検体を測定した。
肝癌手術例67例(初発48例、再発19例)で、断端陰性かつ術前診断にて脈管浸潤および遠隔転移を認めなかった症例を対象とした(平均年齢64.2歳(26−88歳)、男:女=55:12例)。無再発生存に寄与する因子について、Cox比例ハザードモデルを用いて検討を行った。
(検討因子)年齢、性別、病因、腫瘍因子(最大腫瘍径、個数)、病理所見(分化度、背景肝、娘結節、脈管侵襲の有無)、術前、術後早期(1〜2週間)、術後中期(2週間〜2ヶ月後)GPC3値。
血清GPC3濃度の測定は、前記実施例5に記載の方法に従い実施した。
(2)結果
再発症例は30例でリンパ節再発、遠隔転移、断端周囲再発をそれぞれ1例、27例は肝内異所性再発であった。観察期間は0.5〜32ヶ月、平均観察期間は9.0ヶ月であった。6ヶ月間の無再発生存率は73%であった。図1に、術前(A)、術後1〜2週間後(B)および術後2週間〜2ヶ月後(C)のGPC3値が1ng/mL未満の患者およびGPC3値が1ng/mL以上の患者の無再発生存率を比較した結果を示す。統計解析は、Log−rank testで行った。その結果、術前、術後早期および術後中期のいずれの場合にもGPC3濃度が1ng/mL未満の患者の再発率は、1ng/mL以上の患者の再発率よりも有意に高かった。(Log−rank testで術前P=0.0443、術後早期P=0.0415、術後中期P=0.0007。)従って、その結果、GPC3濃度測定は手術後再発の予測に有用であり、肝癌治療後の再発の予測因子として血清GPC3が有用なマーカーとなりうることが判明した。
実施例8 肝動脈塞栓術後GPC3濃度と再発との関係を示す典型症例
実施例6にて解析した症例のうち他の腫瘍マーカーであるAFP、PIVKA−IIおよびAFP−L3分画を測定した症例の一部を表1に示した。いずれの症例も術後のGPC3濃度がcut off値0.4以上を示した症例である。他の腫瘍マーカーのうち、AFPに関しては、症例834において2回目のTAE後、症例287においては全般にcut off値20以上を示すものの全体的に低値であった。PIVKA−IIにおいては症例975の術後でcut off値40以上を示すものの、他の症例では低値であった。AFP−L3分画においては症例184の3回目TAE後および症例975の再発時にcut off値15以上を示したに過ぎなかった。これら、症例からも他の腫瘍マーカーでは肝癌再発の予知が不可能であるにもかかわらず、GPC3では再発が予知できることが示された。
Figure 2005106485

Claims (6)

  1. 抗GPC3抗体を含有する肝癌治療後の再発予測判定薬。
  2. 抗GPC3抗体が、抗可溶性GPC3抗体である請求項1記載の予測判定薬。
  3. 抗GPC3抗体を用いて被検試料中のGPC3を測定することを特徴とする肝癌治療後の再発予測方法。
  4. 抗GPC3抗体が、抗可溶性GPC3抗体である請求項3記載の予測方法。
  5. 被検試料が、血液、血清又は血漿である請求項3又は4記載の予測方法。
  6. 支持体に固定した抗GPC3抗体と標識物質で標識された抗GPC3抗体を用いる請求項3〜5のいずれか1項記載の予測方法。
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