JPWO2005103017A1 - 難溶性薬物の比表面積増大方法 - Google Patents
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Abstract
酸性基を有する難溶性薬物(例えば、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸等)を金属塩の溶液にし、中和して析出させる工程を含むことを特徴とする溶解速度が向上した粉末の製造方法。本発明の方法によれば、粉末の比表面積が増大し、溶解速度が向上した粉末が得られるため、医薬品原末の製造方法として非常に有用である。
Description
本発明は、溶解性が改善された難溶性薬物の粉末、および難溶性薬物の比表面積増大方法に関する。より詳しく言えば、本発明は溶解性が改善された3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末、および酸性基を有する難溶性薬物の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする酸性基を有する難溶性薬物の比表面積増大方法に関する。
経口投与製剤において、一般に薬物は消化管内で溶解して吸収され、体循環血に入った後、有効性を発揮する。しかしながら、難溶性薬物は溶解速度が遅いため、生体内に十分に吸収されずに体外へ排出されてしまい、生物学的利用能(バイオアベイラビリティー)が向上しないという問題点がある。例えばWO02/051820号パンフレットには、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸が記載され、この化合物がペルオキシソーム増殖薬活性化受容体(PPAR)作動(アゴニスト)作用を有しており、糖尿病や高脂血症等の予防および/または治療剤として有用であることが知られている。しかしながら、この化合物の溶解性は低いため、経口投与に供するには問題を有していた。
難溶性薬物の溶解速度を向上させる方法は数多く提案されているが、それらの中でも実用性の高い方法としては、(1)シクロデキストリンを用いて包接化する方法、(2)固溶体を形成して非晶質化する方法、(3)粉砕機で微粒子化する方法等が知られている。
しかしながら、(1)の方法は、シクロデキストリンの孔径に包接される難溶性化合物の大きさが適している必要があるため、薬物によっては適当なシクロデキストリンが見出せない場合があり、あまり汎用性のある方法とは言い難い。(2)の方法は、水に分散したときに溶解度は一時的に高くなるが、一定時間経過後に薬物が析出して溶解度が低下しやすいという問題がある。また、非晶質は、元々不安定な状態であるため、光、熱、湿度等の影響を受けやすい、あるいは経時的に安定形である結晶形に変化しやすいという問題がある。(3)の方法は最も汎用されている方法であり、平均粒子径を1ミクロン以下にする方法も知られている(特開平3−66613号公報参照)。しかしながら、薬物は一般的に微粒子化されると、粒子の凝集性や付着性が増すため、粉砕機器に付着し、粉砕が困難になりやすいため、工業的な方法として問題がある。
難溶性薬物の溶解速度を向上させる方法は数多く提案されているが、それらの中でも実用性の高い方法としては、(1)シクロデキストリンを用いて包接化する方法、(2)固溶体を形成して非晶質化する方法、(3)粉砕機で微粒子化する方法等が知られている。
しかしながら、(1)の方法は、シクロデキストリンの孔径に包接される難溶性化合物の大きさが適している必要があるため、薬物によっては適当なシクロデキストリンが見出せない場合があり、あまり汎用性のある方法とは言い難い。(2)の方法は、水に分散したときに溶解度は一時的に高くなるが、一定時間経過後に薬物が析出して溶解度が低下しやすいという問題がある。また、非晶質は、元々不安定な状態であるため、光、熱、湿度等の影響を受けやすい、あるいは経時的に安定形である結晶形に変化しやすいという問題がある。(3)の方法は最も汎用されている方法であり、平均粒子径を1ミクロン以下にする方法も知られている(特開平3−66613号公報参照)。しかしながら、薬物は一般的に微粒子化されると、粒子の凝集性や付着性が増すため、粉砕機器に付着し、粉砕が困難になりやすいため、工業的な方法として問題がある。
従って、本発明の目的は溶解性が改善された難溶性薬物を提供すること、および難溶性薬物の溶解速度をより簡便かつ効果的に向上させる方法を提供することにある。
前記課題に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、酸性基を有する難溶性薬物(例えば、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(以下、化合物Aと略する。))を金属塩の溶液にし、中和して析出させることにより、驚くべきことに比表面積が増大し、溶解速度が向上した粉末が得られることを初めて見出した。また、本発明者らは特定の比表面積を有する前記化合物Aは、溶解速度が格段に向上し、医薬品の原末として用いるに当たり、非常に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.比表面積を9〜18m2/gに調整した3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末を含有する医薬組成物、
2.粉末のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3である前項1記載の医薬組成物、
3.溶出試験において、溶出率85%に達する時間が30分以内である前項1記載の医薬組成物、
4.比表面積が9〜18m2/gの3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末を含有する医薬組成物であって、粉末のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3であり、溶出試験において、溶出率85%に達する時間が30分以内である医薬組成物、
5.3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末の比表面積の増大方法、
6.3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする、比表面積9〜18m2/gの3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末の製造方法、
7.金属塩がナトリウム塩である前項6記載の製造方法、
8.中和の工程において、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の水およびアルコール系溶媒の混合溶液に酸を投入する前項6記載の製造方法、
9.比表面積を9〜18m2/gに調整した3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末、および
10.前項6記載の方法で製造される前項9記載の粉末に関する。
酸性基を有する難溶性薬物としては、例えば3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(化合物A;WO02/051820記載化合物)等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、他の酸性基を有する難溶性薬物も含まれる。
3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末としては、例えば結晶性粉末や非晶質(アモルファス)性粉末等が挙げられる。
金属塩としては、例えばアルカリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム等)塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等)塩等が挙げられる。好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩である。
本発明において化合物の中和方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
1)酸性基を有する難溶性薬物を水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、アルコール、プロパノール、イソプロパノール等)およびアルカリ(土類)金属水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)の混合溶液に加えた後、加熱溶解し、酸性基を有する難溶性薬物の金属塩の溶液を調製する。次いで、酸(例えば、濃塩酸、希塩酸水溶液等)に上記で調製した溶液を滴下し、析出物を常法に従って、ろ別、洗浄および乾燥することにより、比表面積が増大した粉末を得ることができる。
2)酸性基を有する難溶性薬物を水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、アルコール、プロパノール、イソプロパノール等)およびアルカリ(土類)金属水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)の混合溶液に加えた後、加熱溶解し、酸性基を有する難溶性薬物の金属塩の溶液を調製する。次いで、酸(例えば、濃塩酸、希塩酸水溶液等)を上記で調製した溶液に滴下し、析出物を常法に従って、ろ別、洗浄および乾燥することにより、比表面積が増大した粉末を得ることができる。
上記中和方法において、酸性基を有する難溶性薬物の金属塩を含む溶液の温度を調整したり、水およびアルコール系溶媒の比を調整することにより、得られる粉末の比表面積を調整することができる。
例えば、化合物Aの粉末(例えば、結晶)の比表面積を9〜18m2/gに調整する方法として、好ましくは化合物Aを水、アルコール系溶媒およびアルカリ(土類)金属水酸化物の混合溶液に加えた後、加熱溶解し、化合物Aの金属塩の溶液を調製し、次いで、酸を上記で調製した溶液に滴下し、析出物を常法に従って、ろ別、洗浄および乾燥する方法が挙げられる。アルコール系溶媒として好ましくはメタノールまたはエタノールであり、より好ましくはエタノールである。アルカリ(土類)金属水酸化物として好ましくは水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。酸として好ましくは、塩酸である。酸を投与する際の溶液の内温として好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは45〜55℃である。水およびアルコール系溶媒の溶媒比(容量)として好ましくは水:アルコール系溶媒=1.5〜3.5:1であり、より好ましくは水:アルコール系溶媒=2.0〜3.0:1である。
上記方法および後記実施例で得られる化合物Aの粉末の比表面積は、公知の方法、例えばBET多点法により測定することができる。
化合物Aの粉末の比表面積は、好ましくは約9〜約45m2/gであり、より好ましくは約9〜約30m2/gであり、さらに好ましくは約9〜約18m2/gであり、特段好ましくは約9〜約15m2/gである。特に比表面積約9〜約18m2/gの化合物Aの粉末は溶出性が優れているだけでなく、特にろ過性等も優れているため、工業的スケールで製造する際に非常に適した粉末である。
化合物Aの粉末のかさ密度は、好ましくは約0.05〜約0.3g/cm3であり、より好ましくは約0.05〜約0.2g/cm3である。かさ密度は公知の方法で測定することができる。例えば約3gの試料を精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、目盛の最小単位まで読み取り、粉粒体の重量(g)を粉粒体のかさ体積(cm3)で除したものをかさ密度(g/cm3)とする方法や後記実施例記載の方法等が挙げられる。
化合物Aの粉末のタップ密度は、好ましくは約0.1〜約0.4g/cm3であり、より好ましくは約0.1〜約0.3g/cm3である。タップ密度は公知の方法で測定することができる。例えば約3gの試料を精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、メスシリンダーをかさ密度用タッピング機にセットしたのち、60回/分で3分間のタップを行ない、最終かさ体積を求め、粉粒体の重量(g)を粉粒体の最終かさ体積(cm3)で除したものをタップ密度(g/cm3)とする方法や後記実施例記載の方法等が挙げられる。
本発明における溶出試験の溶出率は、日局一般試験法溶出試験法第2法(パドル法)に従い、2.0%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウムを含むpH6.8のMcIlvaine緩衝液溶液中で毎分50回転の条件で実施した値である。より詳細には、後記実施例に記載した方法、またはそれに準じた方法等が挙げられる。
化合物Aの粉末として好ましくは、溶出試験において溶出率85%に達する時間が30分以内である粉末、より好ましくは20分以内、さらに好ましくは15分以内である。
化合物Aの粉末を含有する医薬組成物を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤等として用いられる。好ましい形態としては、内服用固形剤を経口投与することが挙げられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
化合物Aの粉末を含有する医薬組成物は、PPAR(特にPPARαおよびγ)作動作用を有しているため、血糖降下剤や脂質低下剤、PPAR介在性疾患の予防および/または治療剤として有用である。PPAR介在性疾患としては、例えば代謝異常疾患(例えば、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、高脂血症(例えば、抗コレステロール血症、低HDL(高密度リポ蛋白)血症、高LDL(低密度リポ蛋白)血症、高TG(トリグリセライド)血症等)等)、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、過食症が挙げられる。
[発明の効果]
本発明の方法によれば、比表面積が増大し、溶解速度が向上した粉末が得られるため、医薬品原末の製造方法として極めて有用である。
前記課題に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、酸性基を有する難溶性薬物(例えば、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(以下、化合物Aと略する。))を金属塩の溶液にし、中和して析出させることにより、驚くべきことに比表面積が増大し、溶解速度が向上した粉末が得られることを初めて見出した。また、本発明者らは特定の比表面積を有する前記化合物Aは、溶解速度が格段に向上し、医薬品の原末として用いるに当たり、非常に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.比表面積を9〜18m2/gに調整した3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末を含有する医薬組成物、
2.粉末のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3である前項1記載の医薬組成物、
3.溶出試験において、溶出率85%に達する時間が30分以内である前項1記載の医薬組成物、
4.比表面積が9〜18m2/gの3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末を含有する医薬組成物であって、粉末のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3であり、溶出試験において、溶出率85%に達する時間が30分以内である医薬組成物、
5.3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末の比表面積の増大方法、
6.3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする、比表面積9〜18m2/gの3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末の製造方法、
7.金属塩がナトリウム塩である前項6記載の製造方法、
8.中和の工程において、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の水およびアルコール系溶媒の混合溶液に酸を投入する前項6記載の製造方法、
9.比表面積を9〜18m2/gに調整した3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末、および
10.前項6記載の方法で製造される前項9記載の粉末に関する。
酸性基を有する難溶性薬物としては、例えば3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(化合物A;WO02/051820記載化合物)等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、他の酸性基を有する難溶性薬物も含まれる。
3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末としては、例えば結晶性粉末や非晶質(アモルファス)性粉末等が挙げられる。
金属塩としては、例えばアルカリ金属(例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム等)塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等)塩等が挙げられる。好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩である。
本発明において化合物の中和方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
1)酸性基を有する難溶性薬物を水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、アルコール、プロパノール、イソプロパノール等)およびアルカリ(土類)金属水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)の混合溶液に加えた後、加熱溶解し、酸性基を有する難溶性薬物の金属塩の溶液を調製する。次いで、酸(例えば、濃塩酸、希塩酸水溶液等)に上記で調製した溶液を滴下し、析出物を常法に従って、ろ別、洗浄および乾燥することにより、比表面積が増大した粉末を得ることができる。
2)酸性基を有する難溶性薬物を水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、アルコール、プロパノール、イソプロパノール等)およびアルカリ(土類)金属水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)の混合溶液に加えた後、加熱溶解し、酸性基を有する難溶性薬物の金属塩の溶液を調製する。次いで、酸(例えば、濃塩酸、希塩酸水溶液等)を上記で調製した溶液に滴下し、析出物を常法に従って、ろ別、洗浄および乾燥することにより、比表面積が増大した粉末を得ることができる。
上記中和方法において、酸性基を有する難溶性薬物の金属塩を含む溶液の温度を調整したり、水およびアルコール系溶媒の比を調整することにより、得られる粉末の比表面積を調整することができる。
例えば、化合物Aの粉末(例えば、結晶)の比表面積を9〜18m2/gに調整する方法として、好ましくは化合物Aを水、アルコール系溶媒およびアルカリ(土類)金属水酸化物の混合溶液に加えた後、加熱溶解し、化合物Aの金属塩の溶液を調製し、次いで、酸を上記で調製した溶液に滴下し、析出物を常法に従って、ろ別、洗浄および乾燥する方法が挙げられる。アルコール系溶媒として好ましくはメタノールまたはエタノールであり、より好ましくはエタノールである。アルカリ(土類)金属水酸化物として好ましくは水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。酸として好ましくは、塩酸である。酸を投与する際の溶液の内温として好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは45〜55℃である。水およびアルコール系溶媒の溶媒比(容量)として好ましくは水:アルコール系溶媒=1.5〜3.5:1であり、より好ましくは水:アルコール系溶媒=2.0〜3.0:1である。
上記方法および後記実施例で得られる化合物Aの粉末の比表面積は、公知の方法、例えばBET多点法により測定することができる。
化合物Aの粉末の比表面積は、好ましくは約9〜約45m2/gであり、より好ましくは約9〜約30m2/gであり、さらに好ましくは約9〜約18m2/gであり、特段好ましくは約9〜約15m2/gである。特に比表面積約9〜約18m2/gの化合物Aの粉末は溶出性が優れているだけでなく、特にろ過性等も優れているため、工業的スケールで製造する際に非常に適した粉末である。
化合物Aの粉末のかさ密度は、好ましくは約0.05〜約0.3g/cm3であり、より好ましくは約0.05〜約0.2g/cm3である。かさ密度は公知の方法で測定することができる。例えば約3gの試料を精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、目盛の最小単位まで読み取り、粉粒体の重量(g)を粉粒体のかさ体積(cm3)で除したものをかさ密度(g/cm3)とする方法や後記実施例記載の方法等が挙げられる。
化合物Aの粉末のタップ密度は、好ましくは約0.1〜約0.4g/cm3であり、より好ましくは約0.1〜約0.3g/cm3である。タップ密度は公知の方法で測定することができる。例えば約3gの試料を精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、メスシリンダーをかさ密度用タッピング機にセットしたのち、60回/分で3分間のタップを行ない、最終かさ体積を求め、粉粒体の重量(g)を粉粒体の最終かさ体積(cm3)で除したものをタップ密度(g/cm3)とする方法や後記実施例記載の方法等が挙げられる。
本発明における溶出試験の溶出率は、日局一般試験法溶出試験法第2法(パドル法)に従い、2.0%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウムを含むpH6.8のMcIlvaine緩衝液溶液中で毎分50回転の条件で実施した値である。より詳細には、後記実施例に記載した方法、またはそれに準じた方法等が挙げられる。
化合物Aの粉末として好ましくは、溶出試験において溶出率85%に達する時間が30分以内である粉末、より好ましくは20分以内、さらに好ましくは15分以内である。
化合物Aの粉末を含有する医薬組成物を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤等として用いられる。好ましい形態としては、内服用固形剤を経口投与することが挙げられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
化合物Aの粉末を含有する医薬組成物は、PPAR(特にPPARαおよびγ)作動作用を有しているため、血糖降下剤や脂質低下剤、PPAR介在性疾患の予防および/または治療剤として有用である。PPAR介在性疾患としては、例えば代謝異常疾患(例えば、糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、高脂血症(例えば、抗コレステロール血症、低HDL(高密度リポ蛋白)血症、高LDL(低密度リポ蛋白)血症、高TG(トリグリセライド)血症等)等)、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、過食症が挙げられる。
[発明の効果]
本発明の方法によれば、比表面積が増大し、溶解速度が向上した粉末が得られるため、医薬品原末の製造方法として極めて有用である。
図1は、調整例1で製造した比表面積42.24m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(1000倍および2万倍)を示す。
図2は、調整例3で製造した比表面積20.6m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
図3は、調整例4で製造した比表面積12.51m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
図4は、調整例6で製造した比表面積5.46m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
図5は、調整例4および6で製造した化合物Aの粉末の溶出試験の結果を示す。
図2は、調整例3で製造した比表面積20.6m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
図3は、調整例4で製造した比表面積12.51m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
図4は、調整例6で製造した比表面積5.46m2/gの化合物Aの粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
図5は、調整例4および6で製造した化合物Aの粉末の溶出試験の結果を示す。
以下、製造例、比表面積の調整例等によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。
NMRデータは特に記載しない限り、1H−NMRのデータである。
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development Inc.社製)またはACD/Nameバッチ(登録商標、Advanced Chemistry Development Inc.社製)を用いるか、またはIUPAC命名法に準じて命名したものである。
製造例1:(2S)−4−メトキシ−2−[(4−メチルベンゾイル)アミノ]−4−オキソブタン酸の製造
アルゴン雰囲気下、L−アスパラギン酸−β−メチルエステル(100g)のテトラヒドロフラン(1000mL)懸濁液に、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(145.5g)を室温で滴下し、60℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、p−トルイル酸クロリド(110.9g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(92.3g)を35℃以下で順次滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液にメタノール(50mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、褐色油状物(600g)を得た。得られた油状物に、冷却下、5%メチルアミン水溶液(465g)を加えた後、tert−ブチル メチル エーテル(400mL)で抽出した。水層を6mol/L塩酸(136mL)で酸性にし、酢酸エチル(300mLおよび200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(184g)を得た。得られた化合物はこれ以上の精製を行なわず次の反応に用いた。
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ 7.72(d,J=8.0Hz,2H),7.36(d,J=7.2Hz,1H),7.25(d,J=8.0Hz,2H),5.09−5.04(m,1H),3.74(s,3H),3.17(dd,J=17.2,4.4Hz,1H),2.98(dd,J=17.2,4.8Hz,1H),2.41(s,3H)。
製造例2:メチル 3−[(4−メチルベンゾイル)アミノ]−4−オキソペンタノアートの製造
無水酢酸(250mL)、氷酢酸(15mL)および4−ジメチルアミノピリジン(1.9g)の混合液を84℃に加熱後、製造例1で製造した化合物(132g)のピリジン(265mL)および酢酸エチル(530mL)溶液を加え、81〜89℃で1時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、内温8〜18℃で水(800mL)を加えた。反応溶液に酢酸エチル(660mL)を加え、分液した。水層を酢酸エチル(400mL)で抽出した。合わせた有機層を3mol/L塩酸(200mLを2回)、混合水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液400mL、水300mL)および飽和食塩水(200mL)で順次洗浄後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(115.3g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.45(d,J=8.2Hz,1H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),4.95(ddd,J=8.2,4.6,4.2Hz,1H),3.70(s,3H),3.11(dd,J=17.2,4.2Hz,1H),2.88(dd,J=17.2,4.6Hz,1H),2.41(s,3H),2.29(s,3H)。
製造例3:メチル [5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]アセタートの製造
製造例2で製造した化合物(61.6g)の酢酸エチル(185mL)溶液に、内温15〜19℃で無水酢酸(35.7g)および硫酸(11.4g)を順次加え、1時間還流した。反応溶液を冷却後、水(307mL)を加えた後、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、水層のpHを7〜8にした。反応溶液を酢酸エチル(185mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(307mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(154mL)で洗浄後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(54.6g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.91(d,J=8.2Hz,2H),7.24(d,J=8.2Hz,2H),3.73(s,3H),3.60(s,2H),2.39(s,3H),2.36(s,3H)。
製造例4:2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エタノールの製造
アルゴン置換後、水素化リチウムアルミニウム(826mg)にテトラヒドロフラン(20mL)を加えて懸濁液とした後、内温5℃まで冷却し、製造例3で製造した化合物(4.1g)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液をゆっくりと滴下し、10〜20℃で1時間撹拌した。反応液を冷却後、酢酸エチル(3mL)をゆっくりと滴下し、10分間撹拌し、次いでメタノール(5mL)をゆっくり加え、30分間撹拌した。反応混合物に酒石酸水素ナトリウム(4.8g)の水(70mL)溶液を加え、酢酸エチル(35mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(35mL)で抽出した。合わせた有機層を水(35mLを2回)および飽和食塩水(20mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(3.3g)を得た。
TLC :Rf 0.18(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.86(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=8.2Hz,2H),3.92(dt,J=6.0,5.4Hz,2H),3.31(t,J=6.0Hz,1H),2.71(t,J=5.4Hz,2H),2.39(s,3H),2.33(s,3H)。
製造例5:2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エチル 4−メチルベンゼンスルホナートの製造
アルゴン雰囲気下、製造例4で製造した化合物(500mg)および塩化パラトルエンスルホニル(483mg)にアセトニトリル(5mL)を加え、懸濁液とした。氷冷下、懸濁液にトリエチルアミン(0.48mL)を加え、室温で20時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。得られた固体を吸引ろ過でろ取し、混合溶液(アセトニトリル2mLおよび水2mL)で洗浄後、40℃で一晩減圧乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(732mg)を得た。
TLC:Rf 0.69(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.75(d,J=8.2Hz,2H),7.66(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=8.8Hz,2H),7.18(d,J=8.2Hz,2H),4.30(t,J=6.4Hz,2H),2.81(t,J=6.4Hz,2H),2.39(s,3H),2.29(s,3H),2.22(s,3H)。
製造例6:5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル ピバラートの製造
5−ヒドロキシ−1−テトラロン(160g)およびトリエチルアミン(151mL)のテトラヒドロフラン(960mL)懸濁液に、塩化ピバロイル(130.8g)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応溶液に水(480mL)を加え、tert−ブチル メチル エーテル(1280mL)で抽出した。有機層を水(480mLを2回)および飽和食塩水(480mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣に炭酸ジエチル(100mL)を加えて、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(299.6g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3,):δ 7.73(d,J=7.8Hz,1H),7.11(t,J=7.8Hz,1H),6.97(dd,J=1.4,7.8Hz,1H),2.56(t,J=6.0Hz,2H),2.42(t,J=6.0Hz,2H),1.90(m,2H),1.17(s,9H)。
製造例7:5−ブロモ−7,8−ジヒドロナフタレン−1−イル ピバラートの製造
製造例6で製造した化合物(20g)のアセトニトリル(100mL)溶液に、ホスホン酸トリフェニル(25.4mL)およびピリジン(3.8g)を加えた。氷冷下、反応液に臭素(14.2g)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(100mL)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)を加え、分液した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=25:1→15:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(15.1g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.44(d,J=7.6Hz,1H),7.22(t,J=7.6Hz,1H),6.91(d,J=7.6Hz,1H),6.43(t,J=5Hz,1H),2.68(t,J=7.8Hz,2H),2.35(m,2H),1.39(s,9H)。
製造例8:エチル 3−ヨードプロパノアートの製造
エチル 3−クロロプロパノアート(100g)およびヨウ化ナトリウム(274g)をアセトニトリル(300mL)に懸濁し、5時間還流した。反応溶液を室温まで冷却後、水(300mL)およびトルエン(275mL)を加え、分液した。水層をトルエン(75mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣にテトラヒドロフラン(200mL)を加え濃縮した。得られた残渣にもう一度テトラヒドロフラン(200mL)を加えて、濃縮した。残渣を一晩乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(150.1g)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ 4.19(q,J=7.2Hz,2H),3.33(t,J=7.0Hz,2H),2.97(t,J=7.0Hz,2H),1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
製造例9:5−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−7,8−ジヒドロナフタレン−1−イル ピバラートの製造
アルゴン雰囲気下、亜鉛粉末(2.5g)および臭化銅(0.58g)にアセトニトリル(12mL)を加え、臭化銅由来の緑色が消失するまで室温で撹拌した。反応溶液を60℃まで加熱後、製造例8で製造した化合物(5.9g)のアセトニトリル(14mL)溶液を加え、60℃で2時間撹拌した。反応溶液に製造例7で製造した化合物(4.0g)、酢酸パラジウム(15mg)およびビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル(DPEphos;69.5mg)のアセトニトリル(15mL)溶液を滴下し、80℃で一晩撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、不溶物を吸引ろ過した。ろ液に1mol/L塩酸(20mL)およびtert−ブチル メチル エーテル(60mL)を加え、分液した。水層をtert−ブチル メチル エーテル(20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣(5.1g)の一部(1.0g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(591mg)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 1.25(t,J=7.05Hz,3H),1.38(s,9H),2.22(m,2H),2.53(m,4H),2.78(m,2H),4.14(q,J=7.14Hz,2H),5.90(t,J=4.58Hz,1H),6.86(dd,J=7.51,1.83Hz,1H),7.16(m,2H)。
製造例10:エチル 3−(5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパノアートの製造
氷冷下、製造例9で製造した化合物(8.0g)のエタノール(24mL)溶液にナトリウムエチラートの20%エタノール溶液(13.2mL)を加え、室温で4時間撹拌した。冷クエン酸(3.25g)の水(20mL)溶液に先の反応溶液を滴下した。反応溶液に水(17.2mL)および酢酸エチル(20mL)を加え、分液した。水層を酢酸エチル(15mLを2回)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=25:1→10:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(3.7g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3,):δ 7.06(t,J=7.87Hz,1H),6.87(d,J=7.51Hz,1H),6.69(d,J=7.87Hz,1H),5.88(t,J=4.49Hz,1H),5.17(s,1H),4.15(q,J=7.14Hz,2H),2.73(m,4H),2.52(m,2H),2.24(m,2H),1.26(t,J=7.14Hz,3H)。
製造例11:エチル 3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパノアートの製造
製造例5で製造した化合物(5.4g)、製造例10で製造した化合物(3.0g)およびリン酸カリウム(4.7g)のアセトニトリル(30mL)溶液を80℃で4.5時間撹拌した。反応溶液に更に製造例5で製造した化合物(0.9g)を加え、同温度で14.5時間撹拌した。反応溶液に内温70℃で水(30mL)を加えた後、30分間氷冷した。析出した結晶を吸引ろ過し、得られた結晶を混合溶液(アセトニトリル15mLおよび水15mL)で洗浄し、40℃で10時間減圧乾燥し、黄色結晶の下記物性値を有する標題化合物(5.4g)を得た。
1HNMR(300MHz,CDCl3):δ 7.85(d,J=8Hz,2H),7.25(d,J=8Hz,2H),7.15(dd,J=8,8Hz,1H),6.90(d,J=8Hz,1H),6.80(d,J=8Hz,1H),5.85(m,1H),4.25(t,J=7Hz,2H),4.15(q,J=10Hz,2H),3.00(t,J=7Hz,2H),2.80−2.65(m,4H),2.50(m,2H),2.40(s,3H),2.38(s,3H),2.20(m,2H),1.25(t,J=10Hz,3H)。
製造例12:3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(化合物A)
製造例11で製造した化合物(2.0g)をメタノール(5mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)の混合溶媒に溶解し、活性炭(400mg)および2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.4mL)を加え、内温約60℃で6時間撹拌した。反応溶液を30℃以下まで冷却後、活性炭をろ過により除去し、メタノール(7mL)およびテトラヒドロフラン(7mL)の混合溶媒で洗浄した。ろ液を20〜30℃に設定後、2mol/L塩酸(5.4mL)を加え、20〜30℃で10分間撹拌した。得られたスラリーの内温を0〜5℃まで冷却し、30分間撹拌した後、生成した結晶をろ取した。得られた結晶を水(16mL)で洗浄後、40℃減圧下で乾燥することにより、比表面積が2.4m2/gである化合物Aの結晶性粉末(1.65g)を得た。
1HNMR(200MHz,DMSO−d6):δ 12.1(br,s,1H),7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.29(d,J=8.0Hz,2H),7.14(t,J=7.87Hz,1H),6.88(t,J=8.15Hz,2H),5.84(t,J=4.76Hz,1H),4.19(t,J=6.32Hz,2H),2.91(t,J=6.32Hz,2H),2.57(m,4H),2.36(m,2H),2.34(s,3H),2.33(s,3H),2.09(m,2H)。
製造例13:3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸 ナトリウム塩の製造
製造例11で製造した化合物(5.0g)のエタノール(5.0mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(6.5mL)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応溶液にtert−ブチル メチル エーテル(125mL)を加え、30分間氷冷した。析出した結晶を吸引ろ過し、得られた結晶を混合溶液(エタノール30mLおよびtert−ブチル メチル エーテル30mL)で洗浄し、40℃で10時間減圧乾燥し、白色結晶の標題化合物(4.6g)を得た。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6)δ 7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.29(d,J=8.4Hz,2H),7.13(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),6.89(d,J=8.1Hz,1H),6.86(d,J=8.1Hz,1H),5.79(dd,J=4.5,4.5Hz,1H),4.18(t,J=6.3Hz,2H),2.91(t,J=6.3Hz,2H),2.60−2.47(m,4H),2.34(s,3H),2.33(s,3H),2.12−1.96(m,4H)。
製造例14:3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸 カリウム塩の製造
製造例12で製造した化合物(1.0g)のエタノール(9.0mL)溶液に2mol/L水酸化カリウム水溶液(1.2mL)を加え、30分間還流した。反応溶液を室温まで冷却後、tert−ブチル メチル エーテルを加えた。析出した固体をろ取し、下記物性値を有する標題化合物(985mg)を得た。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ 7.84(d,J=8.7Hz,2H),7.29(d,J=8.7Hz,2H),7.13−7.08(m,1H),6.98(d,J=8.1Hz,1H),6.83(d,J=8.1Hz,1H),5.89−5.86(m,1H),4.24(t,J=6.6Hz,2H),2.97(t,J=6.6Hz,2H),2.72−2.58(m,4H),2.38(s,3H),2.35−2.30(m,5H),2.13−2.05(m,2H)。
[化合物Aの比表面積の調整]
以下に示す方法により、化合物Aの比表面積を調整して、比表面積の異なる結晶性粉末を得た。なお、比表面積の測定はBET多点法により行なった。
調整例1:
製造例12で製造した化合物A(475g)をエタノール(2L)、水(2L)および水酸化ナトリウム(49.6g)の混合物に加え、40℃に加熱し溶解させた。濃塩酸(142g)を水(15.6L)に希釈した塩酸水溶液を調製し、内温10℃に冷却した。塩酸水溶液に、上記で調製した混合溶液を滴下後、エタノール(500mL)および水(500mL)の混合溶液を加え、析出物をろ過した。析出物を水(30L)で洗浄し、減圧下50℃で乾燥し、次いで70℃で乾燥することにより、比表面積が42.24m2/gである化合物Aの粉末(389g)を凝集体として得た。図1に本粉末の電子顕微鏡写真(1000倍および2万倍)を示す。
調整例2:
製造例12で製造した化合物A(9.5g)をエタノール(50mL)、水(26.3mL)および1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(23.7mL)の混合物に加え、加熱溶解後、内温25℃に冷却し、2mol/L塩酸(14mL)を加えた。混合溶液に水(100mL)を加え、撹拌し、析出物をろ過した。析出物を水(30mLを5回)で洗浄後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が20.43m2/gである化合物Aの粉末(9.16g)を得た。
調整例3:
製造例13で製造した化合物Aのナトリウム塩(35kg)をエタノール(175.5L)および水(175.5L)の混合溶媒に加え、内温30〜50℃に加熱し、溶解させた。この溶液の内温を30℃まで冷却後、2mol/L塩酸(43.8L)を加えた後、水(350L)を加え、30分間撹拌した。析出物をろ過し、水洗後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が19.6m2/gである化合物Aの粉末(30.7kg、未粉砕品)を得た。さらにこの粉末をジェットミル粉砕することにより、比表面積が20.6m2/gの化合物Aの粉末(粉砕品)を得た。図2に本粉末(粉砕品)の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
調整例4:
製造例12で製造した化合物A(4.5kg)をエタノール(12L)、水(31.1L)および10%水酸化ナトリウム水溶液(4.5kg)の混合物に加え、内温50〜60℃に加熱し、溶解させた。この溶液に2mol/塩酸(6.87kg)を内温50℃を保ちながら滴下後、内温50℃の水(47L)を加え、50℃で30分間撹拌した。混合溶液を内温30℃に冷却した。析出物をろ過し、水洗後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が12.51m2/gである化合物Aの粉末(4268g)を得た。図3に本粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
調整例4(1):
2mol/塩酸を滴下する際の溶液の内温を60℃に保つ以外は、調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が6.7m2/gの化合物Aの粉末を得た。
調整例4(2):
2mol/塩酸を滴下する際の溶液の内温を40℃に保つ以外は、調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が17.8m2/gの化合物Aの粉末を得た。
調整例4(3):
調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が11.0m2/gの化合物Aの粉末(未粉砕品)を得た。さらにこの粉末をジェットミル粉砕することにより、比表面積が12.7m2/gの化合物Aの粉末(粉砕品)を得た
調整例4(4):
調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が11.2m2/gの化合物Aの粉末(未粉砕品)を得た。さらにこの粉末をジェットミル粉砕することにより、比表面積が13.4m2/gの化合物Aの粉末(粉砕品)を得た。
調整例5:
製造例12で製造した化合物A(9.5g)をエタノール(50mL)、水(26.3mL)および1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(23.7mL)の混合物に加え、内温52℃まで加熱し溶解させた。この混合溶液に内温52℃を保ちながら、2mol/L塩酸(14mL)を加えた後、水(100mL)を加え、52℃で撹拌した。析出物をろ過した。析出物を水(30mLを5回)で洗浄後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が5.00m2/gである化合物Aの粉末(9.5g)を得た。
調整例6:
製造例13で製造した化合物Aのナトリウム塩(27.6kg)をエタノール(110.3kg)および水(137.7kg)の混合溶媒に加え、内温50℃に加熱し、溶解させた。この溶液に濃塩酸(7.04kg)および水(28.5kg)からなる塩酸水溶液を内温50℃を保ちながら加えた後、水(276L)を加え、50℃で1時間撹拌した。混合溶液を内温0〜5℃まで冷却した。析出物をろ過し、水洗後、70℃で減圧乾燥することにより、比表面積が5.46m2/gである化合物Aの粉末(24.1kg)を得た。図4に本粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
[溶出試験]
上記調整例4(比表面積=12.51m2/g)および調整例6(比表面積=5.46m2/g)で製造した化合物Aの粉末をそれぞれ60メッシュ(250μm)篩で篩過を行ない、篩過品を30mg量り取った後、試験液に投入し、下記溶出試験条件で溶出試験を行なった。ただし、試験液への化合物Aの投入は約2mLの試験液で懸濁させた後に行なった。
各サンプリング時間に採取した溶出液10mLを孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液2mLを除き、残りのろ液を試料溶液とした。
製造例12で製造した化合物A約33.3mgを精密に計り、メタノールを加えて溶解し、100mLとした。この液のうち、5mLを量りとり、試験液を加えて50mLとし、化合物Aが100%溶出した標準溶液(0.0333mg/mL)を作成した。
紫外可視吸光度測定法により波長278nmにおける試料溶液および標準溶液それぞれの吸光度を測定し、下記数式に従って、溶出率を求めた。
溶出試験条件:
装置 :日局一般試験法溶出試験法第2法(パドル法)、
試験液 :2.0%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウムを含有するpH6.8のMcIlvaine緩衝液溶液、
試験液量 :900mL、
温度 :37±0.5℃、
回転数 :毎分50回転、
溶出液採取量:10mL、
サンプリング時間:5,10,15,30,45,60及び90分。
W:標準溶液に含まれる化合物A量(33.3mg)
t:サンプリング回数
C:試験液に投入した化合物A量(30mg)
Ct:t回目サンプリング時の試料溶液中の化合物Aの濃度
ΣCn:n=1からt−1までの試料溶液中の化合物Aの濃度の和
At:試料溶液の吸光度
As:標準溶液を繰り返し3回測定した吸光度の平均値
V:試験液量(900mL)
v:溶出液採取量(10mL)
結果を表1および図5に示す。
[結果]
上記結果から、比表面積が増大した粉末(調整例4)はそうでないもの(調整例6)に比べ、溶出速度が向上することが明らかとなった。
[かさ密度の測定]
化合物Aの粉末を約3g精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、目盛の最小単位まで読みとった。粉粒体の重量(g)を粉粒体のかさ体積(cm3)で除したものをかさ密度(g/cm3)とした。
その結果、調整例4(3)で製造した化合物Aの粉末のかさ密度は、0.18g/cm3(未粉砕品)および0.08g/cm3(粉砕品)であった。調整例4(4)で製造した化合物Aの粉末のかさ密度は、0.18g/cm3(未粉砕品)および0.08g/cm3(粉砕品)であった。
[タップ密度の測定]
化合物Aの粉末を約3g精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、メスシリンダーをかさ密度用タッピング機にセットした後、60回/分で3分間のタップを行ない、最終かさ体積を求めた。粉粒体の重量(g)を粉粒体の最終かさ体積(cm3)で除したものをタップ密度(g/cm3)とした。
その結果、調整例4(3)で製造した化合物Aの粉末のタップ密度は、0.28g/cm3(未粉砕品)および0.13g/cm3(粉砕品)であった。調整例4(4)で製造した化合物Aの粉末のかさ密度は、0.23g/cm3(未粉砕品)および0.16g/cm3(粉砕品)であった。
[ろ過時間の比較]
調整例3および4の工程におけるろ過時間を測定した。なお、ろ過は桐山ロートによる吸引ろ過およびろ紙の直径40mmの同一条件で行なった。
その結果、調整例4(化合物Aの粉末の比表面積12.51m2/g)では約2.8分であったのに対し、調整例3(化合物Aの粉末の比表面積19.6m2/g)では約16分であった。これらの結果より、調整例4で製造した化合物Aの粉末はろ過性に優れ、工業的スケールで製造するのに適していることが明らかとなった。
[加速試験]
二重のポリ袋に化合物Aの粉末1gを入れ、結束バンドで堅く閉じた。これをミニチュアファイバードラムに入れた後、安定性試験器で6ヶ月間、40℃、相対湿度75%の条件下で保存後、化合物Aの粉末の純度(定量値)および水分含量(%)の測定を行なった。水分含量の測定は、公知の方法である水分気化法・カールフィッシャー電量滴定法によって行なった。純度の定量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行なった。測定条件を以下に示す。
絶対検量線法:
測定手順:
化合物A標準物質および測定試料の約0.04mg/mLのN,N−ジメチルホルムアミド/アセトニトリル(3/7)溶液を調製した。この際、濃度は正確に求めておき、これらの溶液を下記試験条件に付して、得られたピークの面積値から測定試料の純度を算出した。
試験条件:
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長:278nm)、
カラム :YMC−Pack ODS−A−302(内径4.6mm、長さ15cm)、
移動相 :アセトニトリル/5mmol/L酢酸ナトリウム緩衝液(酢酸を用いてpH4.5に調整)/2−プロパノール混液(5/4/1)、
流量 :化合物Aの保持時間が約12分になるように調整(約1.0mL/min)、
カラム温度:40℃付近の一定温度、
注入量 :20μL。
調整例3で製造した化合物Aの粉末(粉砕品、比表面積:20.6m2/g)、および調整例4(4)で製造した化合物Aの粉末(粉砕品、比表面積:13.4m2/g)の測定結果を以下の表2に示す。
[結果]
純度については、調整例3は1.0%低下したのに対し、調整例4(4)は0.3%減少しただけであった。また、水分含量については、調整例3は0.3%増加したのに対し、調整例4(4)は変化無しであった。これらのことから、調整例4(4)で製造した粉末は長期保存において安定であることが明らかとなった。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。
NMRデータは特に記載しない限り、1H−NMRのデータである。
NMRの箇所に示されているカッコ内は測定に使用した溶媒を示す。
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標、Advanced Chemistry Development Inc.社製)またはACD/Nameバッチ(登録商標、Advanced Chemistry Development Inc.社製)を用いるか、またはIUPAC命名法に準じて命名したものである。
製造例1:(2S)−4−メトキシ−2−[(4−メチルベンゾイル)アミノ]−4−オキソブタン酸の製造
アルゴン雰囲気下、L−アスパラギン酸−β−メチルエステル(100g)のテトラヒドロフラン(1000mL)懸濁液に、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(145.5g)を室温で滴下し、60℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、p−トルイル酸クロリド(110.9g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(92.3g)を35℃以下で順次滴下し、室温で2時間撹拌した。反応液にメタノール(50mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮し、褐色油状物(600g)を得た。得られた油状物に、冷却下、5%メチルアミン水溶液(465g)を加えた後、tert−ブチル メチル エーテル(400mL)で抽出した。水層を6mol/L塩酸(136mL)で酸性にし、酢酸エチル(300mLおよび200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(184g)を得た。得られた化合物はこれ以上の精製を行なわず次の反応に用いた。
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ 7.72(d,J=8.0Hz,2H),7.36(d,J=7.2Hz,1H),7.25(d,J=8.0Hz,2H),5.09−5.04(m,1H),3.74(s,3H),3.17(dd,J=17.2,4.4Hz,1H),2.98(dd,J=17.2,4.8Hz,1H),2.41(s,3H)。
製造例2:メチル 3−[(4−メチルベンゾイル)アミノ]−4−オキソペンタノアートの製造
無水酢酸(250mL)、氷酢酸(15mL)および4−ジメチルアミノピリジン(1.9g)の混合液を84℃に加熱後、製造例1で製造した化合物(132g)のピリジン(265mL)および酢酸エチル(530mL)溶液を加え、81〜89℃で1時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、内温8〜18℃で水(800mL)を加えた。反応溶液に酢酸エチル(660mL)を加え、分液した。水層を酢酸エチル(400mL)で抽出した。合わせた有機層を3mol/L塩酸(200mLを2回)、混合水溶液(飽和炭酸ナトリウム水溶液400mL、水300mL)および飽和食塩水(200mL)で順次洗浄後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(115.3g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.72(d,J=8.4Hz,2H),7.45(d,J=8.2Hz,1H),7.26(d,J=8.4Hz,2H),4.95(ddd,J=8.2,4.6,4.2Hz,1H),3.70(s,3H),3.11(dd,J=17.2,4.2Hz,1H),2.88(dd,J=17.2,4.6Hz,1H),2.41(s,3H),2.29(s,3H)。
製造例3:メチル [5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]アセタートの製造
製造例2で製造した化合物(61.6g)の酢酸エチル(185mL)溶液に、内温15〜19℃で無水酢酸(35.7g)および硫酸(11.4g)を順次加え、1時間還流した。反応溶液を冷却後、水(307mL)を加えた後、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、水層のpHを7〜8にした。反応溶液を酢酸エチル(185mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(307mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(154mL)で洗浄後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(54.6g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.91(d,J=8.2Hz,2H),7.24(d,J=8.2Hz,2H),3.73(s,3H),3.60(s,2H),2.39(s,3H),2.36(s,3H)。
製造例4:2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エタノールの製造
アルゴン置換後、水素化リチウムアルミニウム(826mg)にテトラヒドロフラン(20mL)を加えて懸濁液とした後、内温5℃まで冷却し、製造例3で製造した化合物(4.1g)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液をゆっくりと滴下し、10〜20℃で1時間撹拌した。反応液を冷却後、酢酸エチル(3mL)をゆっくりと滴下し、10分間撹拌し、次いでメタノール(5mL)をゆっくり加え、30分間撹拌した。反応混合物に酒石酸水素ナトリウム(4.8g)の水(70mL)溶液を加え、酢酸エチル(35mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(35mL)で抽出した。合わせた有機層を水(35mLを2回)および飽和食塩水(20mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(3.3g)を得た。
TLC :Rf 0.18(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.86(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=8.2Hz,2H),3.92(dt,J=6.0,5.4Hz,2H),3.31(t,J=6.0Hz,1H),2.71(t,J=5.4Hz,2H),2.39(s,3H),2.33(s,3H)。
製造例5:2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エチル 4−メチルベンゼンスルホナートの製造
アルゴン雰囲気下、製造例4で製造した化合物(500mg)および塩化パラトルエンスルホニル(483mg)にアセトニトリル(5mL)を加え、懸濁液とした。氷冷下、懸濁液にトリエチルアミン(0.48mL)を加え、室温で20時間撹拌した。反応溶液に水(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。得られた固体を吸引ろ過でろ取し、混合溶液(アセトニトリル2mLおよび水2mL)で洗浄後、40℃で一晩減圧乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(732mg)を得た。
TLC:Rf 0.69(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.75(d,J=8.2Hz,2H),7.66(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=8.8Hz,2H),7.18(d,J=8.2Hz,2H),4.30(t,J=6.4Hz,2H),2.81(t,J=6.4Hz,2H),2.39(s,3H),2.29(s,3H),2.22(s,3H)。
製造例6:5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル ピバラートの製造
5−ヒドロキシ−1−テトラロン(160g)およびトリエチルアミン(151mL)のテトラヒドロフラン(960mL)懸濁液に、塩化ピバロイル(130.8g)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応溶液に水(480mL)を加え、tert−ブチル メチル エーテル(1280mL)で抽出した。有機層を水(480mLを2回)および飽和食塩水(480mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣に炭酸ジエチル(100mL)を加えて、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(299.6g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3,):δ 7.73(d,J=7.8Hz,1H),7.11(t,J=7.8Hz,1H),6.97(dd,J=1.4,7.8Hz,1H),2.56(t,J=6.0Hz,2H),2.42(t,J=6.0Hz,2H),1.90(m,2H),1.17(s,9H)。
製造例7:5−ブロモ−7,8−ジヒドロナフタレン−1−イル ピバラートの製造
製造例6で製造した化合物(20g)のアセトニトリル(100mL)溶液に、ホスホン酸トリフェニル(25.4mL)およびピリジン(3.8g)を加えた。氷冷下、反応液に臭素(14.2g)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応溶液に酢酸エチル(100mL)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)を加え、分液した。水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=25:1→15:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(15.1g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 7.44(d,J=7.6Hz,1H),7.22(t,J=7.6Hz,1H),6.91(d,J=7.6Hz,1H),6.43(t,J=5Hz,1H),2.68(t,J=7.8Hz,2H),2.35(m,2H),1.39(s,9H)。
製造例8:エチル 3−ヨードプロパノアートの製造
エチル 3−クロロプロパノアート(100g)およびヨウ化ナトリウム(274g)をアセトニトリル(300mL)に懸濁し、5時間還流した。反応溶液を室温まで冷却後、水(300mL)およびトルエン(275mL)を加え、分液した。水層をトルエン(75mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣にテトラヒドロフラン(200mL)を加え濃縮した。得られた残渣にもう一度テトラヒドロフラン(200mL)を加えて、濃縮した。残渣を一晩乾燥し、下記物性値を有する標題化合物(150.1g)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3):δ 4.19(q,J=7.2Hz,2H),3.33(t,J=7.0Hz,2H),2.97(t,J=7.0Hz,2H),1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
製造例9:5−(3−エトキシ−3−オキソプロピル)−7,8−ジヒドロナフタレン−1−イル ピバラートの製造
アルゴン雰囲気下、亜鉛粉末(2.5g)および臭化銅(0.58g)にアセトニトリル(12mL)を加え、臭化銅由来の緑色が消失するまで室温で撹拌した。反応溶液を60℃まで加熱後、製造例8で製造した化合物(5.9g)のアセトニトリル(14mL)溶液を加え、60℃で2時間撹拌した。反応溶液に製造例7で製造した化合物(4.0g)、酢酸パラジウム(15mg)およびビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル(DPEphos;69.5mg)のアセトニトリル(15mL)溶液を滴下し、80℃で一晩撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、不溶物を吸引ろ過した。ろ液に1mol/L塩酸(20mL)およびtert−ブチル メチル エーテル(60mL)を加え、分液した。水層をtert−ブチル メチル エーテル(20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣(5.1g)の一部(1.0g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(591mg)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3):δ 1.25(t,J=7.05Hz,3H),1.38(s,9H),2.22(m,2H),2.53(m,4H),2.78(m,2H),4.14(q,J=7.14Hz,2H),5.90(t,J=4.58Hz,1H),6.86(dd,J=7.51,1.83Hz,1H),7.16(m,2H)。
製造例10:エチル 3−(5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパノアートの製造
氷冷下、製造例9で製造した化合物(8.0g)のエタノール(24mL)溶液にナトリウムエチラートの20%エタノール溶液(13.2mL)を加え、室温で4時間撹拌した。冷クエン酸(3.25g)の水(20mL)溶液に先の反応溶液を滴下した。反応溶液に水(17.2mL)および酢酸エチル(20mL)を加え、分液した。水層を酢酸エチル(15mLを2回)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=25:1→10:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(3.7g)を得た。
1HNMR(200MHz,CDCl3,):δ 7.06(t,J=7.87Hz,1H),6.87(d,J=7.51Hz,1H),6.69(d,J=7.87Hz,1H),5.88(t,J=4.49Hz,1H),5.17(s,1H),4.15(q,J=7.14Hz,2H),2.73(m,4H),2.52(m,2H),2.24(m,2H),1.26(t,J=7.14Hz,3H)。
製造例11:エチル 3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパノアートの製造
製造例5で製造した化合物(5.4g)、製造例10で製造した化合物(3.0g)およびリン酸カリウム(4.7g)のアセトニトリル(30mL)溶液を80℃で4.5時間撹拌した。反応溶液に更に製造例5で製造した化合物(0.9g)を加え、同温度で14.5時間撹拌した。反応溶液に内温70℃で水(30mL)を加えた後、30分間氷冷した。析出した結晶を吸引ろ過し、得られた結晶を混合溶液(アセトニトリル15mLおよび水15mL)で洗浄し、40℃で10時間減圧乾燥し、黄色結晶の下記物性値を有する標題化合物(5.4g)を得た。
1HNMR(300MHz,CDCl3):δ 7.85(d,J=8Hz,2H),7.25(d,J=8Hz,2H),7.15(dd,J=8,8Hz,1H),6.90(d,J=8Hz,1H),6.80(d,J=8Hz,1H),5.85(m,1H),4.25(t,J=7Hz,2H),4.15(q,J=10Hz,2H),3.00(t,J=7Hz,2H),2.80−2.65(m,4H),2.50(m,2H),2.40(s,3H),2.38(s,3H),2.20(m,2H),1.25(t,J=10Hz,3H)。
製造例12:3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(化合物A)
製造例11で製造した化合物(2.0g)をメタノール(5mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)の混合溶媒に溶解し、活性炭(400mg)および2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.4mL)を加え、内温約60℃で6時間撹拌した。反応溶液を30℃以下まで冷却後、活性炭をろ過により除去し、メタノール(7mL)およびテトラヒドロフラン(7mL)の混合溶媒で洗浄した。ろ液を20〜30℃に設定後、2mol/L塩酸(5.4mL)を加え、20〜30℃で10分間撹拌した。得られたスラリーの内温を0〜5℃まで冷却し、30分間撹拌した後、生成した結晶をろ取した。得られた結晶を水(16mL)で洗浄後、40℃減圧下で乾燥することにより、比表面積が2.4m2/gである化合物Aの結晶性粉末(1.65g)を得た。
1HNMR(200MHz,DMSO−d6):δ 12.1(br,s,1H),7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.29(d,J=8.0Hz,2H),7.14(t,J=7.87Hz,1H),6.88(t,J=8.15Hz,2H),5.84(t,J=4.76Hz,1H),4.19(t,J=6.32Hz,2H),2.91(t,J=6.32Hz,2H),2.57(m,4H),2.36(m,2H),2.34(s,3H),2.33(s,3H),2.09(m,2H)。
製造例13:3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸 ナトリウム塩の製造
製造例11で製造した化合物(5.0g)のエタノール(5.0mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(6.5mL)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応溶液にtert−ブチル メチル エーテル(125mL)を加え、30分間氷冷した。析出した結晶を吸引ろ過し、得られた結晶を混合溶液(エタノール30mLおよびtert−ブチル メチル エーテル30mL)で洗浄し、40℃で10時間減圧乾燥し、白色結晶の標題化合物(4.6g)を得た。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6)δ 7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.29(d,J=8.4Hz,2H),7.13(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),6.89(d,J=8.1Hz,1H),6.86(d,J=8.1Hz,1H),5.79(dd,J=4.5,4.5Hz,1H),4.18(t,J=6.3Hz,2H),2.91(t,J=6.3Hz,2H),2.60−2.47(m,4H),2.34(s,3H),2.33(s,3H),2.12−1.96(m,4H)。
製造例14:3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸 カリウム塩の製造
製造例12で製造した化合物(1.0g)のエタノール(9.0mL)溶液に2mol/L水酸化カリウム水溶液(1.2mL)を加え、30分間還流した。反応溶液を室温まで冷却後、tert−ブチル メチル エーテルを加えた。析出した固体をろ取し、下記物性値を有する標題化合物(985mg)を得た。
1HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ 7.84(d,J=8.7Hz,2H),7.29(d,J=8.7Hz,2H),7.13−7.08(m,1H),6.98(d,J=8.1Hz,1H),6.83(d,J=8.1Hz,1H),5.89−5.86(m,1H),4.24(t,J=6.6Hz,2H),2.97(t,J=6.6Hz,2H),2.72−2.58(m,4H),2.38(s,3H),2.35−2.30(m,5H),2.13−2.05(m,2H)。
[化合物Aの比表面積の調整]
以下に示す方法により、化合物Aの比表面積を調整して、比表面積の異なる結晶性粉末を得た。なお、比表面積の測定はBET多点法により行なった。
調整例1:
製造例12で製造した化合物A(475g)をエタノール(2L)、水(2L)および水酸化ナトリウム(49.6g)の混合物に加え、40℃に加熱し溶解させた。濃塩酸(142g)を水(15.6L)に希釈した塩酸水溶液を調製し、内温10℃に冷却した。塩酸水溶液に、上記で調製した混合溶液を滴下後、エタノール(500mL)および水(500mL)の混合溶液を加え、析出物をろ過した。析出物を水(30L)で洗浄し、減圧下50℃で乾燥し、次いで70℃で乾燥することにより、比表面積が42.24m2/gである化合物Aの粉末(389g)を凝集体として得た。図1に本粉末の電子顕微鏡写真(1000倍および2万倍)を示す。
調整例2:
製造例12で製造した化合物A(9.5g)をエタノール(50mL)、水(26.3mL)および1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(23.7mL)の混合物に加え、加熱溶解後、内温25℃に冷却し、2mol/L塩酸(14mL)を加えた。混合溶液に水(100mL)を加え、撹拌し、析出物をろ過した。析出物を水(30mLを5回)で洗浄後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が20.43m2/gである化合物Aの粉末(9.16g)を得た。
調整例3:
製造例13で製造した化合物Aのナトリウム塩(35kg)をエタノール(175.5L)および水(175.5L)の混合溶媒に加え、内温30〜50℃に加熱し、溶解させた。この溶液の内温を30℃まで冷却後、2mol/L塩酸(43.8L)を加えた後、水(350L)を加え、30分間撹拌した。析出物をろ過し、水洗後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が19.6m2/gである化合物Aの粉末(30.7kg、未粉砕品)を得た。さらにこの粉末をジェットミル粉砕することにより、比表面積が20.6m2/gの化合物Aの粉末(粉砕品)を得た。図2に本粉末(粉砕品)の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
調整例4:
製造例12で製造した化合物A(4.5kg)をエタノール(12L)、水(31.1L)および10%水酸化ナトリウム水溶液(4.5kg)の混合物に加え、内温50〜60℃に加熱し、溶解させた。この溶液に2mol/塩酸(6.87kg)を内温50℃を保ちながら滴下後、内温50℃の水(47L)を加え、50℃で30分間撹拌した。混合溶液を内温30℃に冷却した。析出物をろ過し、水洗後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が12.51m2/gである化合物Aの粉末(4268g)を得た。図3に本粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
調整例4(1):
2mol/塩酸を滴下する際の溶液の内温を60℃に保つ以外は、調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が6.7m2/gの化合物Aの粉末を得た。
調整例4(2):
2mol/塩酸を滴下する際の溶液の内温を40℃に保つ以外は、調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が17.8m2/gの化合物Aの粉末を得た。
調整例4(3):
調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が11.0m2/gの化合物Aの粉末(未粉砕品)を得た。さらにこの粉末をジェットミル粉砕することにより、比表面積が12.7m2/gの化合物Aの粉末(粉砕品)を得た
調整例4(4):
調整例4と同様の操作を行なうことにより、比表面積が11.2m2/gの化合物Aの粉末(未粉砕品)を得た。さらにこの粉末をジェットミル粉砕することにより、比表面積が13.4m2/gの化合物Aの粉末(粉砕品)を得た。
調整例5:
製造例12で製造した化合物A(9.5g)をエタノール(50mL)、水(26.3mL)および1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(23.7mL)の混合物に加え、内温52℃まで加熱し溶解させた。この混合溶液に内温52℃を保ちながら、2mol/L塩酸(14mL)を加えた後、水(100mL)を加え、52℃で撹拌した。析出物をろ過した。析出物を水(30mLを5回)で洗浄後、50℃で減圧下乾燥することにより、比表面積が5.00m2/gである化合物Aの粉末(9.5g)を得た。
調整例6:
製造例13で製造した化合物Aのナトリウム塩(27.6kg)をエタノール(110.3kg)および水(137.7kg)の混合溶媒に加え、内温50℃に加熱し、溶解させた。この溶液に濃塩酸(7.04kg)および水(28.5kg)からなる塩酸水溶液を内温50℃を保ちながら加えた後、水(276L)を加え、50℃で1時間撹拌した。混合溶液を内温0〜5℃まで冷却した。析出物をろ過し、水洗後、70℃で減圧乾燥することにより、比表面積が5.46m2/gである化合物Aの粉末(24.1kg)を得た。図4に本粉末の電子顕微鏡写真(2万倍)を示す。
[溶出試験]
上記調整例4(比表面積=12.51m2/g)および調整例6(比表面積=5.46m2/g)で製造した化合物Aの粉末をそれぞれ60メッシュ(250μm)篩で篩過を行ない、篩過品を30mg量り取った後、試験液に投入し、下記溶出試験条件で溶出試験を行なった。ただし、試験液への化合物Aの投入は約2mLの試験液で懸濁させた後に行なった。
各サンプリング時間に採取した溶出液10mLを孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液2mLを除き、残りのろ液を試料溶液とした。
製造例12で製造した化合物A約33.3mgを精密に計り、メタノールを加えて溶解し、100mLとした。この液のうち、5mLを量りとり、試験液を加えて50mLとし、化合物Aが100%溶出した標準溶液(0.0333mg/mL)を作成した。
紫外可視吸光度測定法により波長278nmにおける試料溶液および標準溶液それぞれの吸光度を測定し、下記数式に従って、溶出率を求めた。
溶出試験条件:
装置 :日局一般試験法溶出試験法第2法(パドル法)、
試験液 :2.0%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウムを含有するpH6.8のMcIlvaine緩衝液溶液、
試験液量 :900mL、
温度 :37±0.5℃、
回転数 :毎分50回転、
溶出液採取量:10mL、
サンプリング時間:5,10,15,30,45,60及び90分。
W:標準溶液に含まれる化合物A量(33.3mg)
t:サンプリング回数
C:試験液に投入した化合物A量(30mg)
Ct:t回目サンプリング時の試料溶液中の化合物Aの濃度
ΣCn:n=1からt−1までの試料溶液中の化合物Aの濃度の和
At:試料溶液の吸光度
As:標準溶液を繰り返し3回測定した吸光度の平均値
V:試験液量(900mL)
v:溶出液採取量(10mL)
結果を表1および図5に示す。
上記結果から、比表面積が増大した粉末(調整例4)はそうでないもの(調整例6)に比べ、溶出速度が向上することが明らかとなった。
[かさ密度の測定]
化合物Aの粉末を約3g精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、目盛の最小単位まで読みとった。粉粒体の重量(g)を粉粒体のかさ体積(cm3)で除したものをかさ密度(g/cm3)とした。
その結果、調整例4(3)で製造した化合物Aの粉末のかさ密度は、0.18g/cm3(未粉砕品)および0.08g/cm3(粉砕品)であった。調整例4(4)で製造した化合物Aの粉末のかさ密度は、0.18g/cm3(未粉砕品)および0.08g/cm3(粉砕品)であった。
[タップ密度の測定]
化合物Aの粉末を約3g精密に量り、乾いた50mLメスシリンダー(目盛:0.1mL刻み)に圧密せずに入れ、メスシリンダーをかさ密度用タッピング機にセットした後、60回/分で3分間のタップを行ない、最終かさ体積を求めた。粉粒体の重量(g)を粉粒体の最終かさ体積(cm3)で除したものをタップ密度(g/cm3)とした。
その結果、調整例4(3)で製造した化合物Aの粉末のタップ密度は、0.28g/cm3(未粉砕品)および0.13g/cm3(粉砕品)であった。調整例4(4)で製造した化合物Aの粉末のかさ密度は、0.23g/cm3(未粉砕品)および0.16g/cm3(粉砕品)であった。
[ろ過時間の比較]
調整例3および4の工程におけるろ過時間を測定した。なお、ろ過は桐山ロートによる吸引ろ過およびろ紙の直径40mmの同一条件で行なった。
その結果、調整例4(化合物Aの粉末の比表面積12.51m2/g)では約2.8分であったのに対し、調整例3(化合物Aの粉末の比表面積19.6m2/g)では約16分であった。これらの結果より、調整例4で製造した化合物Aの粉末はろ過性に優れ、工業的スケールで製造するのに適していることが明らかとなった。
[加速試験]
二重のポリ袋に化合物Aの粉末1gを入れ、結束バンドで堅く閉じた。これをミニチュアファイバードラムに入れた後、安定性試験器で6ヶ月間、40℃、相対湿度75%の条件下で保存後、化合物Aの粉末の純度(定量値)および水分含量(%)の測定を行なった。水分含量の測定は、公知の方法である水分気化法・カールフィッシャー電量滴定法によって行なった。純度の定量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行なった。測定条件を以下に示す。
絶対検量線法:
測定手順:
化合物A標準物質および測定試料の約0.04mg/mLのN,N−ジメチルホルムアミド/アセトニトリル(3/7)溶液を調製した。この際、濃度は正確に求めておき、これらの溶液を下記試験条件に付して、得られたピークの面積値から測定試料の純度を算出した。
試験条件:
検出器 :紫外吸光光度計(測定波長:278nm)、
カラム :YMC−Pack ODS−A−302(内径4.6mm、長さ15cm)、
移動相 :アセトニトリル/5mmol/L酢酸ナトリウム緩衝液(酢酸を用いてpH4.5に調整)/2−プロパノール混液(5/4/1)、
流量 :化合物Aの保持時間が約12分になるように調整(約1.0mL/min)、
カラム温度:40℃付近の一定温度、
注入量 :20μL。
調整例3で製造した化合物Aの粉末(粉砕品、比表面積:20.6m2/g)、および調整例4(4)で製造した化合物Aの粉末(粉砕品、比表面積:13.4m2/g)の測定結果を以下の表2に示す。
純度については、調整例3は1.0%低下したのに対し、調整例4(4)は0.3%減少しただけであった。また、水分含量については、調整例3は0.3%増加したのに対し、調整例4(4)は変化無しであった。これらのことから、調整例4(4)で製造した粉末は長期保存において安定であることが明らかとなった。
本方法によって、比表面積が増大し、溶解速度が向上した難溶性薬物の粉末を製造することが可能となるため、医薬品原末の製造方法として非常に優れている。
Claims (10)
- 比表面積を9〜18m2/gに調整した3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末を含有する医薬組成物。
- 粉末のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3である請求の範囲1記載の医薬組成物。
- 溶出試験において、溶出率85%に達する時間が30分以内である請求の範囲1記載の医薬組成物。
- 比表面積が9〜18m2/gの3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末を含有する医薬組成物であって、粉末のかさ密度が0.05〜0.3g/cm3であり、溶出試験において、溶出率85%に達する時間が30分以内である医薬組成物。
- 3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末の比表面積の増大方法。
- 3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の溶液を中和して析出させる工程を含むことを特徴とする、比表面積9〜18m2/gの3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末の製造方法。
- 金属塩がナトリウム塩である請求の範囲6記載の製造方法。
- 中和の工程において、3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の金属塩の水およびアルコール系溶媒の混合溶液に酸を投入する請求の範囲6記載の製造方法。
- 比表面積を9〜18m2/gに調整した3−(5−{2−[5−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸の粉末。
- 請求の範囲6記載の方法で製造される請求の範囲9記載の粉末。
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