JPWO2005069559A1 - 動的ネットワーク管理装置及び動的ネットワーク管理方法 - Google Patents

動的ネットワーク管理装置及び動的ネットワーク管理方法 Download PDF

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Abstract

モバイルネットワークにおける動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにする技術が開示され、その技術によればホームエージェント1000は、モバイルルータからバインディングアップデートを受けた場合に、バインディングアクノレッジメントに比較的短いライフタイム値を設定する。この短い期間のうちに、モバイルルータは、ホームエージェントに対して、ルーティングアップデートメッセージを送信することが可能となる。これにより、例えば、ホームエージェントは、バインディングアップデートに記載されているプリフィックス情報と、ルーティングアップデートメッセージによって導入されるルートとの整合性をチェックすることが可能となる。また、本発明は、バインディングアップデートにプリフィックスが記載されている場合、及び、記載されていない場合の2つの異なるモードのどちらにも対応している。

Description

本発明は、モバイルネットワークにおける動的ルーティングのエラーチェックのための装置及び方法に関し、特に、モバイルIPを利用したモバイルネットワークにおいて、モバイルルータとホームエージェントとの間の双方向トンネル上における動的ルーティングのエラーチェックのための装置及び方法に関する。
現在、インターネットは、無線技術の出現及び発展に従って、多数のデータ通信の端末が、移動端末で構成される段階にまで発展してきている。この多数の移動端末は、それぞれ異なるドメインに移動(ローミング)して、その時々に応じて、異なる接続ポイントから、例えば、パケット交換データ通信ネットワーク(例えば、インターネット)に接続を行う。
そのようなローミングの実現は、例えば、電話システムなどの回線交換ネットワークではかなり発達しているが、パケット交換通信ネットワークでは、このようなローミングの特徴に対応することは困難である。これは、パケット交換通信ネットワークにおける端末がユニークなアドレスを使用することによって、その端末の位置が特定可能となるからであり、また、そのようなアドレスは、通常、空間的なトポロジにおいて有意でなければならない部分(通常は、ネットワークプリフィックス)を含んでいるからである。
さらに、移動端末がパケット交換データ通信ネットワークへの接続ポイントを複数回変更した後でも、移動端末の位置を同一のアドレスによって、特定し続けられることが望ましい。これによって、パケット交換データ通信ネットワークへの接続ポイントが異なる場合でも、セッション(例えば、ファイル転送)がシームレスに継続されるようになる。
そのようなローミングの機能に対応するために、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)(下記の非特許文献2)におけるモバイルIPv4(下記の非特許文献1)や、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)(下記の非特許文献4)におけるモバイルIPv6(下記の非特許文献3)によって取り扱われているモビリティサポートの解決策が発展してきている。モバイルIPでは、データ通信端末(モバイルノードと呼ばれる)は、ホームドメインを有しており、モバイルノードがそのホームネットワークに接続している場合には、ホームアドレスとして知られる永続的に使用可能なグローバルアドレスが割り当てられている。
一方、モバイルノードがホームネットワークから離れており、すなわち、他のフォーリンネットワークに接続している場合には、通常、気付アドレス(CoA:Care−of−address)として知られる一時的なグローバルアドレスが割り当てられる。そのような一時的なアドレスは、通常、モバイルノードが接続するアクセスルータによって割り当てられ、CoAがグローバルネットワークのルーティングにおいて、トポロジ的に整合性を有するように、アクセスルータのアドレスのトポロジによって統合されている。
モビリティサポートの考え方は、モバイルノードが他のフォーリンネットワークに接続した状態でさえ、ホームアドレスによって、その位置を特定可能とするものであり、その結果、パケット交換データ通信ネットワーク内の他のノードは、モバイルノードのホームアドレスを用いて、モバイルノードを特定するだけでよい。
上記の事柄は、非特許文献1や非特許文献3において、ホームエージェントとして知られるホームネットワークのエンティティの導入によって実現されている。モバイルノードは、バインディングアップデートとして知られるメッセージを利用して、ホームエージェントにCoAの登録を行う。
また、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスを送信先とするメッセージを受信し、IP−in−IPトンネリング(下記の非特許文献5及び下記の非特許文献6)を利用して、そのパケットをモバイルノードのCoAあてに転送するよう要請されている。IP−in−IPトンネリングでは、オリジナルのIPパケットを別のIPパケットによってカプセル化することが行われる。オリジナルのパケットは、インナパケットと呼ばれることがあり、インナパケットをカプセル化するための新しいパケットはアウタパケットと呼ばれることがある。このようなホームアドレスとCoAとのバインディングによって、モバイルノードがどこにいる場合でも、その位置が特定可能となる。
また、非特許文献1及び非特許文献3に規定されているホストのモビリティサポートの概念は、ネットワークのモビリティサポート(NEMO)(下記の特許文献1及び下記の非特許文献7)に拡張可能である。このNEMOは、モバイルノード自体がモバイルルータである場合であり、このモバイルルータがモバイルネットワークを形成しており、モバイルルータと共に複数のノードが移動する場合である。モバイルルータが、そのホームエージェントに対して、バインディングアップデートを送信した後は、モバイルネットワークに向けて送信されるパケットは、ホームエージェントによって受信され、モバイルルータに対してトンネリングされる。
そして、モバイルルータは、このトンネルパケットの脱カプセル化を行って、インナパケットをその送信先に転送する。また、同様に、モバイルネットワーク内のノードから送信されたパケットは、モバイルルータによって、ホームエージェントにトンネリングされ、その後、正確な送信先に転送される。なお、モバイルルータ自体がアクセスルータとしての機能を有してもよく、他のモバイルノード(モバイルホスト又はモバイルルータ)がモバイルルータと接続し、このアクセスルータとして機能するモバイルルータを通じて、グローバル通信ネットワークに対してアクセスを行うことも可能である。
また、非特許文献7によれば、モバイルルータから送信されるバインディングアップデートメッセージは、2つの異なるモードによって構成され得る。これらの2つの異なるモードは、モバイルネットワークのプリフィックスに関する情報が特定されない暗黙モード(implicit mode)と、モバイルルータが、バインディングアップデートメッセージ内に、そのモバイルネットワークのプリフィックスを記載する明示モード(explicit mode)である。
暗黙モードは、プリフィックスの情報がホームエージェントにおいて手動で構成される場合に使用され、モバイルルータがそのモバイルネットワークのプリフィックスを明らかに示さなくても、ホームエージェントが、モバイルネットワークに対して送信されるパケットを転送するためのルーティングテーブルを構成することが可能となる。
一方、明示モードは、モバイルルータが、管理しているモバイルネットワークのプリフィックスを明らかに示すことが可能である。この場合には、ホームエージェントは、あらかじめプリフィックスに係る情報を知っておく必要はない。
また、ホームエージェントは、モバイルルータに対して、バインディングアップデートのステータスを示す応答を、バインディングアクノレッジメントメッセージによって返信しなければならない。バインディングに失敗した場合には、バインディングアクノレッジメントにおいて異なったステータスの値を設定することにより、その失敗の理由が示される。例えば、パケット転送のメカニズムを設定する際のエラーや、モバイルルータがその特定のプリフィックスとのバインディングの設定を行う許可を有していないなどの理由が、上記の失敗の理由として挙げられる。
また、ホームエージェントが、モバイルルータに係るプリフィックスをあらかじめ知らない場合には、ホームエージェントは、転送設定が失敗に終わった旨を、暗黙モードのバインディングアップデートに対するアクノレッジメントとして返信することが可能である。また、明示モードのバインディングアップデートによって、誤ったプリフィックスや許可されていないプリフィックスが特定された場合には、ホームエージェントは、プリフィックスが許可されていない旨を、バインディングアクノレッジメントとして返信することが可能である。
Perkins,C.E.et.al.,″IP Mobility Support″,IETF RFC 3344,Aug 2002. DARPA,″Internet Protocol″,IETF RFC 791,Sep 1981. Johnson,D.B.,Perkins,C.E.,and Arkko,J.,″Mobility Support in IPv6″,IETF Internet Draft:draft−ietf−mobileip−ipv6−24.txt,Work In Progress,Jun 2003. Deering,S.,and Hinden,R.,″Internet Protocol Version 6(IPv6)Specification″,IETF RFC 2460,Dec 1998. Simpson,W.,″IP in IP Tunneling″,IETF RFC 1853,Oct 1995. Conta,A.,and Deering,S.,″Generic Packet Tunneling in IPv6″,IETF RFC 2473,Dec 1998. Devarapalli,V.,et.al.,″NEMO Basic Support Protocol″,IETF Internet Draft:draft−ietf−nemo−basic−support−01.txt,Sep 2003. Leung,K.K.,″Mobile IP mobile router″,US Patent 6,636,498,Oct 2003.
特許文献1及び非特許文献7によれば、モバイルルータは、そのホームエージェントと直接接続している場合のように、モバイルルータとホームエージェントとの間で確立した双方向トンネルを通じて、動的ルーティングプロトコル(例えば、IGP(Inter Gateway Protocol)、RIP(Realm Specific Internet Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)など)を任意に動作させることが可能である。モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを動作させた場合には、このルーティングプロトコルの使用によって、モバイルネットワークのプリフィックスに係るルーティング情報が伝達されることとなる。しかしながら、このルーティング情報には、モバイルルータがバインディングアップデートを送信する際に使用すべきモード(暗黙モード又は明示モード)は記載されていない。
したがって、仮に、モバイルルータが、暗黙モードの使用を選択する場合には、ホームエージェントの応答は、不明確なものとなってしまう。すなわち、双方向トンネルが確立された後に動的ルーティングプロトコルが使用されるので、ホームエージェントは、暗黙モードのバインディングアップデートを受けた場合には、モバイルネットワークのプリフィックスを把握することができない。したがって、ホームエージェントは、双方向トンネルが確立された後にプリフィックス情報を取得できるものと思っており、非特許文献7の記載に反して、否定的なバインディングアクノレッジメントを送信することができない。
さらに、仮に、ホームエージェントが、肯定的なバインディングアクノレッジメントによる応答を行ったとしても、モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを実際に動作させることが可能か否かを知ることは不可能である。モバイルルータが、動的ルーティングプロトコルを動作させていないのであれば、ホームエージェントは、その他の考えられる動作を行うか、あるいは、転送セットアップが失敗した旨を通知する否定的なバインディングアクノレッジメントを送信しなくてはならないが、このときには既に、動的ルーティングプロトコルが動作可能であると予測して肯定的なバインディングアクノレッジメントが送信されてしまっている。
一方、モバイルルータが明示モードの使用を選択する場合には、バインディングアップデートによって伝えられるプリフィックス情報が、後にモバイルルータから送られる動的ルーティングメッセージと一致しないときや矛盾しているときに、ホームエージェントがどのように応じるべきかが明確とはなっていない。
したがって、どちらのモードであっても、ホームエージェントで動的ルーティングプロトコルを動作させるためのエラーチェックメカニズムや完全なフェイルオーバメカニズムは、現状では、ほとんど存在していない。
さらに、別の態様として、モバイルルータが、動的ルーティングプロトコルやその他の技術を使用して、ホームエージェントからプリフィックスを委譲される(delegated)場合も考えられる。この場合には、モバイルルータは、ホームエージェントからプリフィックス情報が送られてくるのを待つことになるが、ホームエージェントがモバイルルータに対して、プリフィックス委譲情報(prefix delegation information)を送ることができない場合に、モバイルルータがどのような動作を行うべきかが明確とはなっていない。また、モバイルルータは、ノードがアドレスを自律的に構成できるように、その内部ネットワークに対して、プリフィックスを報知する必要がある。したがって、モバイルルータは、プリフィックスの委譲(delegation)があるかをテストするための処理や、既知の期間内に、あるデフォルトのプリフィックスを速やかに使用できるようになるための処理を行えることが重要となる。
本発明の第1の実施の形態では、ホームエージェントに導入されるエラーチェックメカニズム及びフェイルオーバメカニズムを提供することによって、ホームエージェントが直面する課題について言及する。ここでは、暫定承認技術(Temporary Acceptance Technique)と呼ばれる技術に関する改良が含まれている。この暫定承認技術によれば、ホームエージェントは、バインディングアクノレッジメントにおいて比較的短いライフタイム値を設定することによって、最初にモバイルルータからバインディングアップデートを受信したときに、モバイルルータに対して、ある短い期間が与えられる。これにより、モバイルルータは、その後、現在確立されている双方向トンネルを通じて、ルーティングアップデートメッセージを送信することが可能となる。また、さらに短いライフタイム値を用いることによって、非常に短い期間で、モバイルルータにバインディングの更新を行わせることが可能となる。
また、エラーがある場合には、次にモバイルルータがバインディングアップデートを送信した際に、ホームエージェントがエラー通知を行うことができるようになる。なお、ライフタイムフィールドは、バインディングキャッシュエントリ内にも格納されており、モバイルルータが、新たなバインディングアップデートメッセージによってバインディングの更新を行わない場合でも、バインディングキャッシュエントリは、自動的に更新されることになる。
また、本発明によれば、ホームエージェントの応答を構成するためのコンフィギュレーションパラメータ(非常に有効なコンフィギュレーションパラメータのセット)が提供される。これにより、バインディングアップデートメカニズムによって導入されたルートと、双方向トンネルを通じて動的ルーティングプロトコルによって導入されたルートとの間に競合が生じた場合でも、管理者は、ホームエージェントの動作の構成を適切に行うことが可能となる。
さらに、本発明の第2の実施の形態では、モバイルルータが、ホームエージェントからのプリフィックス委譲の待機状態にある場合について言及する。モバイルルータは、最初に、ホームエージェントがプリフィックスの委譲をサポートしているか否かをチェックするために、短いライフタイム値が設定された暗黙モードのバインディングアップデートメッセージを送信する。そして、ある特定の回数だけ、ライフタイム値が示す期間が満了した場合には、モバイルルータは、デフォルトのプリフィックスを用いて、明示モードのバインディングアップデートメッセージを送信するように構成されている。これによって、モバイルルータは、ホームエージェントがプリフィックスを委譲するかどうかのテストを最初に行うことによって、双方向トンネルの完全な確立処理を行うことが可能となり、ホームエージェントがプリフィックスを委譲しない場合には、デフォルトのプリフィックスのセットを用いることができるようになる。
本発明に係る装置及び方法は、モバイルネットワークにおける動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにするという効果を有しており、特に、モバイルIPを利用したモバイルネットワークにおいて、モバイルルータとホームエージェントとの間の双方向トンネル上における動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにするという効果を有している。
本発明の実施の形態において、ホームエージェントの構成を示す図 本発明の実施の形態において、暫定承認技術の考え方を例示するためのメッセージ交換シーケンスの一例を示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータから新たに受信したバインディングアップデートメッセージに係る処理を行う際に、ホームエージェントによって使用される一般的なアルゴリズムを示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータから新たに受信した暗黙モードのバインディングアップデートメッセージに係る処理を行う際に、ホームエージェントによって使用されるアルゴリズムを示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータから新たに受信した明示モードのバインディングアップデートメッセージに係る処理を行う際に、ホームエージェントによって使用されるアルゴリズムを示す図 本発明の実施の形態において、暫定承認技術を用いた場合のホームエージェントとモバイルルータとの間における様々なメッセージ交換シーケンスの一例を示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータの構成を示す図 本発明の実施の形態において、ホームエージェントに対して、バインディングアップデートを送信する際に、モバイルルータによって使用されるアルゴリズムを示す図
本明細書では、エラーチェックのための装置及び方法、及び、ホームエージェントに搭載されるフェイルオーバメカニズムが開示される。以下、本発明の理解を容易にするため、用語の定義を行う。
(i)「パケット」は、データネットワーク上で伝送可能な、任意のフォーマットのデータの独立した(self−contained)ユニットである。通常、「パケット」は「ヘッダ」部分と「ペイロード」部分の2つの部分により構成される。「ペイロード」部分には、伝送されるデータが含まれており、「ヘッダ」部分には、パケットの伝送を支援するための情報が含まれている。なお、「ヘッダ」部分には、「パケット」の送信者及び受信者のそれぞれを識別するために、送信元アドレス及び送信先アドレスが含まれる必要がある。
(ii)「パケットトンネリング」は、別のパケットをカプセルに入れたパケットに関連するものである。「パケットトンネリング」の動作は、パケットの「カプセル化」とも呼ばれ、カプセル化されたパケットは、「トンネル化されたパケット」又は「インナパケット」と呼ばれ、「インナパケット」をカプセル化するパケットは「トンネリングパケット」又は「アウタパケット」とも呼ばれる。なお、カプセル化されたパケットでは、「インナパケット」全体が、「アウタパケット」のペイロード部分を形成する。
(iii)「モバイルノード」は、グローバルデータ通信ネットワークへの接続ポイントを変更するネットワークエレメントである。この「モバイルノード」は、エンドユーザ端末、ゲートウェイやルータなどの中継端末、グローバルデータ通信ネットワークへの接続ポイントを変更することが可能なインテリジェントネットワークハブを示す用語として使用する場合もある。また、「モバイルノード」がエンドユーザ端末の場合には、より明確に「モバイルホスト」と呼ばれ、「モバイルノード」が、ゲートウェイ、ルータ、インテリジェントネットワークハブなどとして機能する中間的なネットワークエレメントの場合には、より明確に「モバイルルータ」と呼ばれる。
(iv)任意のネットワークエレメントの「デフォルトルータ」とは、そのネットワークエレメントと同一のリンク上に存在するルータであり、この「デフォルトルータ」には、リンク上のネットワークエレメントから送信された、送信先までの転送ルートが不明であるすべてのパケットが転送される。
(v)モバイルノードの「アクセスルータ」とは、モバイルノードがデータ通信ネットワークに接続するために通信を行うルータであり、通常は、モバイルノードのデフォルトルータである。なお、モバイルノードのアクセスルータ自身が、移動可能であってもよい。
(vi)「ホームアドレス」は、モバイルノードに割り当てられている基本的なグローバルアドレスであり、モバイルノードが接続しているグローバルデータ通信ネットワークの接続ポイントによらずに、モバイルノードの位置を特定するために利用可能である。なお、本明細書では、ホームアドレス(home−address)を簡略化して、HoAと呼ぶことがある。
(vii)グローバルデータ通信ネットワークに接続されたモバイルノードに関し、そのモバイルノードのホームアドレスが、接続ポイントの周辺領域で使用されているアドレスと一致するトポロジを有している場合、このモバイルノードは「ホームに存在する(at home)」と呼ばれる。また、この接続ポイントの近隣領域は、ただ1つの管理権限者によって制御されており、モバイルノードの「ホームドメイン」と呼ばれる。
(viii)グローバルデータ通信ネットワークに接続されたモバイルノードに関し、そのモバイルノードのホームアドレスが、接続ポイントの周辺領域で使用されているアドレスと一致しないトポロジを有している場合、このモバイルノードは「ホームから離れている(away)」と呼ばれる。また、この場合の接続ポイントの周辺領域は、「フォーリンドメイン」と呼ばれる。
(ix)「気付アドレス」は、ホームから離れた状態にあるモバイルノードに対して割り当てられる一時的なグローバルアドレスであり、割り当てられた「気付アドレス」は、モバイルノードがグローバルデータ通信ネットワークに接続する接続ポイントの周辺領域で使用されているアドレスと、同一のトポロジを有している。なお、本明細書では、気付アドレス(care−of−address)を簡略化して、CoAと呼ぶことがある。
(x)「ホームエージェント」は、モバイルノードのホームドメインに存在するネットワークエンティティである。「ホームエージェント」は、モバイルノードがホームから離れている場合の気付アドレスの登録サービスを行うものであり、モバイルノードのホームアドレスが送信先に設定されているパケットを、モバイルノードの気付アドレスに転送することが可能である。なお、ホームエージェントは、ルータでもある。
(xi)「バインディングアップデート」は、モバイルノードから、そのホームエージェントに対して送られるメッセージであり、ホームエージェントに対して、モバイルノードが現在使用している気付アドレスの通知を行うためのメッセージである。これによって、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとの間の関係を「バインディング」することが可能となる。また、このメッセージには、このバインディングの有効期間を指定するためのライフタイムフィールドが含まれている。なお、本明細書では、「バインディングアップデート(Binding Update)」を簡略化して、BUと呼ぶことがある。
(xii)「バインディングアクノレッジメント」は、ホームエージェントからモバイルノードに対して送られる上述のバインディングアップデートの応答のメッセージであり、バインディングアップデートのステータス(例えば、バインディングアップデートが成功したか否か)を示すためのメッセージである。また、このメッセージには、バインディングの有効期間を示すライフタイムフィールドが含まれている。なお、この有効期間は、対応するバインディングアップデートメッセージに記載されたライフタイムを無視したものを用いてもよい。なお、本明細書では、「バインディングアクノレッジメント(Binding Acknowledgement)」を簡略化してBAと呼び、「成功を示すバインディングアクノレッジメント」を簡略化してBA−OKと呼び、「失敗を示すバインディングアクノレッジメント」を簡略化してBA−NEGと呼ぶことがある。
(xiii)「ルーティングアップデート」は、利用可能なルートを通知するために、ルータ間でやり取りされるメッセージである。このルーティングアップデートメッセージは、動的ルーティングプロトコルがルート情報を広めるために動作する場合に、ルータ間でやり取りされるすべてのメッセージを示すものである。なお、本明細書では、「ルーティングアップデート」を簡略化して、RUと呼ぶことがある。
なお、以下の説明では、本発明を詳細に理解できるように、特定の数、時間、構造、その他のパラメータなどが詳しく説明されるが、こうした詳細な設定は一例であり、当業者は、こうした特定の詳細な設定を行わなくても、本発明を実行できることは明白である。
<第1の実施の形態>
本発明に係る第1の実施の形態では、モバイルルータとホームエージェントとの間で確立された双方向トンネルを通じて、ホームエージェントが、登録されているモバイルルータ上で動作する動的ルーティングプロトコルに起因したエラー条件をチェックするチェックメカニズムと、当該エラー条件に対して動作を行う動作メカニズムとについて説明する。なお、図1に示される装置は、ホームエージェントを示すものである。
図1には、本発明で利用されるホームエージェント1000の構成が図示されている。図1に示すホームエージェント1000は、入力パケット処理部1001、出力パケット処理部1002、バインディングマネージャ1003、ルートマネージャ1004、転送ユニット1005、コンフィギュレーションインターフェイス1006により構成されている。また、パケットフローパス1011〜1018は、データパケットのフローパスを示しており、シグナルパス1021〜1024は、各機能ブロック間の通信チャンネルを示している。なお、これらのパスは模式的なものであり、これらのパスの結合に際し、実際に配線が存在してもよく、また、存在しなくてもよい。また、機能ブロックの大部分をソフトウェアによって実現することも可能であり、この場合も同様に、これらのパスは、異なるソフトウェアモジュールが相互に通信可能なプログラミングインターフェイスによって実現可能である。
ホームエージェント1000が受信したパケットは、パケットフローパス1011を通じて、あらゆる標準ネットワークプロトコル処理(例えば、インターネットプロトコル処理)が行われるように、入力パケット処理部1001に供給される。このパケットがモビリティに関係したパケット(例えば、BUメッセージなど)であることが特定された場合には、入力パケット処理部1001は、パケットフローパス1012を通じて、このパケットをバインディングマネージャ1003に供給する。また、このパケットがルーティングに関係したパケット(例えば、RUメッセージなど)であることが特定された場合には、入力パケット処理部1001は、パケットフローパス1013を通じて、このパケットをルートマネージャ1004に供給する。また、通常は、ホームエージェント1000はルータであり、他のノードに転送する必要があるパケットの場合には、このパケットは、パケットフローパス1014を通じて転送ユニット1005に渡される。なお、入力パケット処理部1001は、確立した双方向トンネルから受信したパケットを脱カプセル化する機能を有している。
また、出力パケット処理部1002は、物理的なネットワーク配線にパケットを送出する前に必要となるパケット処理を行う。この処理は、送信モジュールによってルートの指示がない場合にはデフォルトルートを選択し、送信パケットにおいて必須なプロトコルヘッダ内の空のフィールドに、デフォルト値を挿入する処理を含んでいる。そして、処理後のパケットは、パケットフローパス1018を通じて、物理的な通信媒体に送出される。
一方、バインディングマネージャ1003は、モバイルノードのアドレスのバインディングの管理を担っている。通常、バインディング情報は、バインディングキャッシュの形式で管理され、各キャッシュエントリにおいて、モバイルノードの気付アドレスに対するホームアドレスのバインディングが明記される。また、モバイルノードがモバイルルータの場合には、BUのモード(暗黙モード又は明示モード)などのような他の情報や、BUに含まれるモバイルネットワークのプリフィックスも、バインディングキャッシュに格納される。なお、バインディングマネージャ1003では、ルートマネージャ1004における転送メカニズム(モバイルルータの気付アドレスに対してパケットのトンネリングを行うことによって、モバイルネットワークのプリフィックスに送られるパケットを、モバイルルータに転送するメカニズムなど)の設定処理や設定破棄処理も行われる。こうした処理を行うために、バインディングマネージャ1003をルートマネージャ1004に接続するシグナルパス1021が示されている。また、さらに、バインディングマネージャ1003は、BUメッセージなどのようなモビリティに関連したパケットの処理を行う必要がある。これにより、バインディングキャッシュの更新が可能となり、BAメッセージを返信するとが可能となる。なお、BAメッセージの送信時には、BAメッセージは、出力パケット処理部1002に渡される。
また、ルートマネージャ1004は、ルートの管理を担っている。通常、ルートは、ルーティングテーブルの形式で管理され、ルーティングテーブルでは、各列によって、特定のネットワークのプリフィックスへのルーティング情報が示されている。また、このルートマネージャ1004では、他のルータから受信したRUメッセージの処理や、他のノードに対して、自装置のルーティングメッセージを送信する処理も行われる。なお、RUメッセージを送信する場合には、RUメッセージは、パケットフローパス1016を通じて、実際に送信を行う出力パケット処理部1002に渡される。
また、ルートマネージャ1004が、双方向トンネルを通じて、モバイルルータからRUメッセージを受信する場合には、モバイルルータによって導入されているルートのリストを保持する必要がある。これにより、ホームエージェント1000とモバイルルータとの間の双方向トンネルを破棄する場合に、バインディングマネージャ1003は、ルートマネージャ1004に対して、モバイルルータによって導入されているすべてのルートを削除するよう要求することが容易となる。
また、転送ユニット1005は、他のノードへのパケット(双方向トンネルを通る送信パケットを含む)のルーティング処理を担っている。転送ユニット1005は、ルートマネージャ1004から供給されたパケットのルーティング方法に係る情報を取得する。なお、このルーティング情報の取得が可能となるよう、転送ユニット1005とルートマネージャ1004とを接続するシグナルパス1022が示されている。これにより、転送ユニット1005は、パケットの転送場所に係る指示を同時に行うことが可能となり、パケットフローパス1015を通じて、データパケットを出力パケット処理部1002に渡すことが可能となる。
また、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、コンフィギュレーション情報をバインディングマネージャ1003とルートマネージャ1004とに供給するモジュールである。このコンフィギュレーション情報は、システムが起動している間、コンフィギュレーションインターフェイス1006によって補助記憶装置から読み込まれるようにすることが可能である。上記の方法によって、コンフィギュレーションインターフェイス1006が情報を読み込む場合、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、システムの起動後に、情報の変更がなかったかどうかを頻繁に監視する必要があり、情報が変更されている場合には、情報の再読み込みをする必要がある。また、管理者が、リアルタイムにコンフィギュレーションパラメータの調整を行うことができるように、コンフィギュレーションインターフェイス1006をアクティブなプロセスとすることも可能である。なお、管理者は、端末の前に座って操作することも可能であり、離れた場所からコンフィギュレーションプロセスにリモートでログインすることも可能である。
また、さらに、コンフィギュレーションインターフェイス1006が、リモートの主要データベースから、コンフィギュレーション情報を読み込めるようにすることも可能である。実際、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、データベースクライアントエージェントとして実現可能であり、この場合には、各コンフィギュレーションの問い合わせが、コンフィギュレーションインターフェイス1006によってリモートの主要データベースにリレーされることになる。また、コンフィギュレーション情報をホームエージェント1000に読み込むために、他の異なる技術を適用することも可能であり、例えば、外部エージェントが、管理情報データベース(MIB:Management Information Base)を含むパケットをホームエージェント1000に送信するSNMP(Simple Network Management Protocol)を使用することが可能である。こうしたMIBには、ホームエージェント1000が必要とするコンフィギュレーション情報が含まれている。したがって、コンフィギュレーションインターフェイス1006において、リモートエージェントに対して問い合わせを送信するSNMPエージェントとしての機能が実現され、MIBを含む応答を解釈して、コンフィギュレーション情報を構成することが可能となる。
コンフィギュレーションインターフェイス1006は、他のモジュールに対して、システム全体コンフィギュレーション情報(System−wide configuration information)、及び、モバイルルータ特定コンフィギュレーション情報(Mobile router specific configuration information)の2つのタイプのコンフィギュレーション情報を提供する。
システム全体コンフィギュレーション情報には、下記の情報が含まれている。
(i)gDynRtgEnabled:ホームから離れているモバイルルータが、動的ルーティングプロトコルを利用することが可能か否かを示す情報
(ii)gMaxBULifetime:バインディングキャッシュエントリにおけるライフタイムの最大値
(iii)gMaxRULifetime:ルーティングテーブルエントリにおけるライフタイムの最大値
(iv)gTempBULifetime:ホームから離れているモバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが動作可能か否かが不明の場合に利用されるバインディングキャッシュのライフタイム
(v)gMaxTempBU:ホームから離れているモバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが動作可能かどうかが不明な状態で受け入れ可能なバインディングアップデートの最大数
一方、モバイルルータ特定コンフィギュレーション情報には、下記の情報が含まれている。
(i)mrSecAssoc:モバイルルータのセキュリティ関係の情報(例えば、モバイルルータに関連付けられている、あらかじめ設定されたセキュリティキー)
(ii)mrDynRtgEnabled:特定のモバイルルータが動的ルーティングプロトコルを動作させることが可能か否かを示す情報
(iii)mrDynRtgProtocol:モバイルルータが、動的ルーティングを利用することが可能か否かを示す情報(この値によって、モバイルルータにおいて動作可能な動的ルーティングプロトコルのタイプが示される)
(iv)mrDefaultPrefixList:モバイルルータに関連付けられているすべてのデフォルトネットワークプリフィックス
(v)mrValidPrefixList:モバイルルータとの関連付けを行うことが可能な正当なネットワークプリフィックスの範囲
(vi)mrBURUErrAction:BUメッセージに含まれるプリフィックス情報が、モバイルルータによって送信されるルーティング情報との間で競合するかあるいは、矛盾している場合に取られるべきデフォルトの操作
また、上記のmrBURUErrActionに関しては、下記の値が取られ得る。
(i)BURUErrTeardown:エラーがあり、双方向トンネルを破棄する場合
(ii)BURUErrIgnoreBU:BUメッセージで与えられるプリフィックス情報を無視するとともに、プリフィックス情報を無視した旨を通知せずにBA−OKメッセージを返信する場合
(iii)BURUErrWarnBU:BUメッセージで与えられるプリフィックス情報を無視して、プリフィックス情報を無視した旨を示す特別のオプションを含むBA−OKメッセージを返信する場合
(iv)BURUErrIgnoreRU:RUメッセージを無視して、プリフィックス情報を無視した旨を通知しない場合
(v)BURUErrWarnRU:RUメッセージを無視し、動的ルーティングプロトコルを使用して、エラーメッセージを返信する場合
また、先に述べたように、バインディングマネージャ1003は、バインディングキャッシュ内のバインディング情報を保持している。本発明では、バインディングキャッシュにおける各エントリが、少なくとも下記の情報を含むようにする。
(i)bceHoA:モバイルルータのホームアドレス
(ii)bceCoA:モバイルルータの気付アドレス
(iii)bceMode:受信した成功を示す最後のBUメッセージのモード(暗黙モード又は明示モード)
(iv)bceExpiry:当該エントリの有効性がなくなる(削除される)時刻
(v)bcePrefix:成功を示す最後のBUメッセージに含まれるプリフィックス情報
(vi)bceNumTempBU:モバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが動作可能か否かが不明な状態のときに、受信可能なBUメッセージの数
グローバルなコンフィギュレーション情報(システム全体コンフィギュレーション情報)のgTempBULifetime及びgMaxTempBUと共に、末尾の情報のbceNumTempBUによって、バインディングマネージャ1003は、暫定承認技術(Temporary Acceptance Technique)と呼ばれる技術を実現することが可能となる。図2に例示される暫定承認技術は、サービス提供者2000が、単一又は複数のサービス要求者2100に対してサービスを提供する状況において使用されるものである。なお、サービス要求者2100は、こうしたサービスを受けるために、何らかの要件を満たしている必要があるが、サービスが与えられるまでは、その要件が満たされているか否かを知ることはできず、また、その要件を満たそうとすることも不可能である。
暫定承認技術が基づく基本的な考え方は、サービス提供者2000が、通常よりもはるかに短い有効期間T_tempを条件とした要求に対して承認を与えられるようにすることにあり、サービス要求者2100に対して、この短い有効期間の後に要求を更新させるようにすることにある。これにより、サービス要求者2100には、いくつかの特定の要件(例えば、図2に示す動作2003)を満たすための、ある限定された時間が与えられる。この要件が満たされた場合に、サービス要求者2100が要求(図2に示す要求2004)を更新する次の機会に、サービス提供者2000は、サービス要求者2100に対して、通常のアクセス許可(図2に示す完全な許可2005)を与えることが可能となる。
しかしながら、サービス要求者2100は、特定の要件を満たすための動作を行わない場合も考えられる。この場合には、サービス提供者2000は、サービス要求者2100に何回かのトライ数(MAXTRY)を与えるような選択を行うことも可能である。このとき、サービス要求者2100が要求可能な最大数を超えても特定の要件を満たせなかった場合に、サービス提供者2000は、要求を拒絶することができるようにすることも可能である。上記の一例として、図2には、要求2011及び2013の後に、サービス要求者2100が、まだいくつかの要件を満たさなければならない場合が図示されており、また、例として、“MAXTRY”回目の要求2015において、サービス提供者2000が、拒絶2016を送信する場合が図示されている。
したがって、この暫定承認技術は、要求を承認するまでの要求イベント(すなわち、動作2003)の待機状態を制限するために、MAXTRYとT_tempとによって与えられる期間を超えるか否かという条件を利用できるようにしたものである。これによって、サービス提供者2000は、要求に対する許可を与えるか否かの決定を行う際、所定の遅延時間内に要件が満たされるか否かに基づいて決定を行うことによって、この決定を遅らせることが可能となる。
本発明において適用されているホームエージェント1000(サービス提供者2000)は、BA−OKメッセージにおいて、より短いライフタイム値を使用することによって、最初にモバイルルータ(サービス要求者2100)からBUメッセージを受信したときに、モバイルルータに対して短い期間を与えることが可能となる。この短いライフタイム値は、gTempBULifetimeであり、これによって、モバイルルータは、現在確立している双方向トンネルを通じて、RUメッセージの送信(必要な動作)を行うことが可能となる。コンフィギュレーションパラメータgMAXTempBUは、ホームエージェントがRUメッセージの受信前に許容しているBUメッセージの最大受信可能数である。また、バインディングキャッシュエントリ値bceNumTempBUは、RUメッセージの前に受信するBUメッセージの受信回数を制限するために利用されるものであり、gMaxTempBUが、bceNumTempBUと同値になった場合には、ホームエージェント1000は、BUメッセージを拒絶することが可能となる。なお、バインディングキャッシュエントリには、ライフタイムフィールドを格納することも可能であり、モバイルルータがgTempBULifeTime以降に新たなBUメッセージによってバインディングの更新を行わない場合でも、バインディングキャッシュエントリは、自動的に更新可能である。
上述の技術を利用することによって、バインディングマネージャ1003は、モバイルルータから受信したBUメッセージの処理時に、以下の方法を利用することが可能である。図3には、バインディングマネージャ1003に対してBUメッセージが渡される際の一般的な処理が示されている。まず、ステップS3000において、バインディングマネージャ1003は、BUメッセージの送信者が、ホームエージェント1000によって提供されるサービスの利用が認可されたモバイルルータ(登録されている正当なノード)か否かを確認する(ステップS3000:送信者が登録されている正当なノードか?)。これは、例えば、コンフィギュレーションインターフェイス1006に対して、モバイルルータのホームアドレスによって与えられるモバイルルータの情報のセットを検索するように要求することによって実現可能である。モバイルルータが認可されているものである場合には、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、コンフィギュレーション情報のセットを用いて応答を行う。一方、モバイルルータが認可されていないものである場合には、「コンフィギュレーションが見つかりません」や「モバイルルータは有効なエントリではありません」などのような理由で検索要求は失敗となる。
また、送信者(すなわち、モバイルルータ)が認可されていないものである場合には、ステップS3100に示されているように、ホームエージェント1000は、BA−NEGメッセージを用いて返信を行い、BUを破棄する(ステップS3100:BA−NEGの送信、BUの破棄)。一方、送信者が登録されている正当なモバイルルータである場合には、ステップS3200に示されるように、BUメッセージのライフタイムフィールドをチェックして、その値がゼロか否かを確認する(ステップS3200:BUのライフタイム=0?)。ライフタイム値がゼロの場合には、モバイルルータがバインディングの登録の削除を行おうとしており、ステップS3300において、モバイルルータのバインディングキャッシュエントリが削除され、モバイルルータに導入されているすべてのルートが、ルートマネージャ1004から削除されるとともに、登録が削除された旨を含むBA−OKメッセージが送信される(ステップS3300:BA−OKの送信、バインディングキャッシュエントリの削除、送信者によって導入されているルートの削除)。また、ライフタイムフィールドがゼロではない場合には、BUメッセージのモードに依存した処理が行われる(ステップS3400:BUのモードが暗黙モード?)。すなわち、暗黙モードを示すBUメッセージの場合には、図4に示される暗黙モードに係る処理が行われ(ステップS3600:暗黙モードに係る処理)、明示モードを示すBUメッセージの場合には、図5に示される明示モードに係る処理が行われる(ステップS3500:明示モードに係る処理)。
図4に示される暗黙モードに係る処理では、最初のステップS4000において、このモバイルルータで動的ルーティングが利用可能か否かのチェックが行われる(ステップS4000:動的ルーティングが利用可能?)。このチェックは、例えば、バインディングマネージャ1003が、mrDynRtgEnabledのコンフィギュレーションパラメータのチェックすることによって行われる。動的ルーティングの利用が不可能な場合には、ステップS4100に進み、バインディングマネージャ1003によって、モバイルルータに適用可能なデフォルトのプリフィックスが存在するか否かのチェックが行われる(ステップS4100:適用可能なデフォルトのプリフィックス有り?)。このチェックは、例えば、mrDefaultPrefixListのコンフィギュレーションパラメータのチェックによって行われる。適用可能なデフォルトのプリフィックスが全く存在しない場合には、ホームエージェント1000はルートマネージャ1004に転送メカニズムをセットアップすることは不可能であり、ステップS4200において、BA−NEGメッセージが返信されるとともに、BUメッセージは破棄される(ステップS4200:BA−NEGの送信、BUの破棄)。一方、適用可能なデフォルトのプリフィックスが存在する場合には、バインディングマネージャ1003は、ステップS4300に進み、BA−OKメッセージを返信するとともに、バインディングキャッシュエントリの更新を行い、ルートマネージャ1004にデフォルトのプリフィックスへの転送メカニズムをセットアップする(ステップS4300:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャにルートを設定)。
また、モバイルルータにおいて動的ルーティングの利用が可能な場合には、ステップS4400に進み、バインディングマネージャ1003は、ルートマネージャ1004に対して、モバイルルータがホームエージェント1000にRUメッセージを既に送っているか否かを確認するよう要求する(ステップS4400:ルートマネージャはルートの更新を受信している?)。RUメッセージが既に送られてきている場合には、暗黙モードのBUメッセージを問題なく使用することが可能であり、ステップS4500において、BA−OKメッセージが返信されるとともに、バインディングキャッシュエントリが更新される(ステップS4500:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新)。しかしながら、RUメッセージを(まだ)受信していない場合には、バインディングマネージャ1003は、上述の暫定承認技術を使用することになる。ステップS4600において、カウンタの機能を有するbceNumTempBUの値が、グローバルなコンフィギュレーションパラメータgMaxTempBUの値以上であるか否かの確認が行われる(ステップS4600:bceNumTempBU≧gMaxTempBU?)。もし、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUの値以上の場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信できる猶予期間が切れており、ホームエージェント1000は、ステップS4800に示すように、BA−NEGメッセージを送るとともに、そのモバイルルータに係るバインディングキャッシュエントリを削除する(ステップS4800:BA−NEGの送信、バインディングキャッシュエントリの削除)。一方、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUより小さい場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信することが可能な期間はまだ残っており、ステップS4700において、ホームエージェント1000は、ライフタイムフィールドをgTempBULifetimeに変えたBA−OKメッセージを送ることになる。また、カウンタbceNumTempBUがインクリメントされるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われる(ステップS4700:ライフタイム=gTempBULifetimeに設定されたBA−OKを送信、バインディングキャッシュの更新、bceNumTempBUのインクリメント)。
また、図5には、明示モードのバインディングアップデートに係る処理が示されている。明示モードのBUでは、モバイルルータがBUメッセージ内にプリフィックス情報を挿入する。したがって、まず、バインディングマネージャ1003は、ステップS5000において、BUメッセージ内の特定のプリフィックスが有効であるか否かをチェックする(ステップS5000:BUのプリフィックスは有効?)。この有効性のチェックは、モバイルルータのコンフィギュレーションインターフェイス1006から、コンフィギュレーションパラメータmrValidPrefixListに関する問い合わせを行うことによって可能となる。特定のプリフィックスが有効ではない場合には、ステップS5100に示されるように、BA−NEGメッセージが送信されるとともに、BUメッセージは破棄される(ステップS5100:BA−NEGの送信、BUの破棄)。一方、特定のプリフィックスが有効である場合には、ステップS5200において、バインディングマネージャ1003は、モバイルルータにおいて動的ルーティングの利用が可能か否かのチェックを行う(ステップS5200:動的ルーティングが利用可能?)。このチェックは、mrDynRtgEnabledのコンフィギュレーションパラメータのチェックによって可能である。動的ルーティングの利用が不可能な場合には、ステップS5650に進み、BA−OKメッセージが送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われ、ルートマネージャ1004において、そのプリフィックスへの転送メカニズムのセットアップが行われる(ステップS5650:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャにルートを設定)。
一方、動的ルーティングが利用可能な場合には、ステップS5300において、モバイルルータからRUメッセージを受信しているか否かのチェックがルートマネージャ1004に対して行われる(ステップS5300:ルートマネージャはルートの更新を受信している?)。RUメッセージを受信していない場合には、バインディングマネージャ1003は、上述の暫定承認技術を使用することになる。ステップS5400において、カウンタの機能を有するbceNumTempBUの値が、グローバルなコンフィギュレーションパラメータgMaxTempBUの値以上であるか否かの確認が行われる(ステップS5400:bceNumTempBU≧gMaxTempBU?)。もし、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUの値以上の場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信できる猶予期間が切れており、モバイルルータは、動的ルーティングプロトコルを動作させないと判断される。この場合には、ステップS5650に進み、BA−OKメッセージが送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われ、ルートマネージャ1004において、そのプリフィックスへの転送メカニズムのセットアップが行われる。一方、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUより小さい場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信することが可能な期間はまだ残っており、ステップS5500において、ホームエージェント1000は、ライフタイムフィールドをgTempBULifetimeに変えたBA−OKメッセージを送ることになる。また、カウンタbceNumTempBUがインクリメントされるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われる(ステップS5500:ライフタイム=gTempBULifetimeに設定されたBA−OKを送信、バインディングキャッシュの更新、bceNumTempBUのインクリメント)。
また、モバイルルータからRUメッセージを受信している場合には、ホームエージェント1000は、そのプリフィックス、あるいは、BUメッセージ内に指定されている複数のプリフィックスと、RUメッセージによって導入されるルートとの整合性のチェックを行う。すなわち、ステップS5600において、ルートマネージャ1004に対して、BUメッセージ内のプリフィックスと、RUメッセージによって導入されるルートとの間に、競合が生じていないかどうかのチェックを要求する(ステップS5600:RUとの競合有り?)。こうした競合がない場合には、ステップS5650に進み、BA−OKメッセージが送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われ、ルートマネージャ1004において、そのプリフィックスへの転送メカニズムのセットアップが行われる。
また、BUのプリフィックスと動的ルーティングプロトコルによって導入されるルートとの間に競合がある場合には、ステップS5700において、適切な動作が行えるように、コンフィギュレーションパラメータmrBURUErrActionのチェックが行われる(ステップS5700:mrBURUErrAction=?)。このとき、双方向トンネルの破棄動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrTeardown)、ステップS5800に示されるように、BA−NEGメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリが削除され、モバイルルータによって導入されたすべてのルートが、ルートマネージャ1004から削除される(ステップS5800:BA−NEGの送信、バインディングキャッシュの削除、送信者によって導入されているルートの削除)。また、BUメッセージ内で指定されているプリフィックスを(通知なく)無視する動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrIgnoreBU)、ステップS5850において、BA−OKメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュの更新が行われる(ステップS5850:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新)。また、BUメッセージ内で指定されているプリフィックスを無視して、モバイルルータに対して警告を与える動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrWarnBU)、ステップS5900に進み、プリフィックスが無視された旨を示す特別なオプションが付加されたBA−OKメッセージが、モバイルルータに対して送信され、さらに、バインディングキャッシュエントリの更新も行われる(ステップS5900:BUのプリフィックスが無視された旨を示す特別なオプションが付加されたBA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新)。
また、RUメッセージによって送られたルートを(通知なく)無視する動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrIgnoreRU)、ステップS5950に進み、BA−OKメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われて、BUメッセージ内のプリフィックスと一致したルートのみが残るように、ルートマネージャ1004内のルートが破棄される(ステップS5950:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャ内のルートの破棄)。また、RUメッセージによって送られたルートを(警告を行って)無視する動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrWarnRU)、ステップS5999に進み、BA−OKメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われて、BUメッセージ内のプリフィックスと一致したルートのみが残るように、ルートマネージャ1004内のルートが破棄された後、さらに、ルートマネージャ1004からモバイルルータに対して、動的ルーティングプロトコルによって導入されたルートのいくつかが削除された旨を通知するRUメッセージが送信される(ステップS5999:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャ内のルートの破棄、モバイルルータへのRUの送信)。
また、本発明の第1の実施の形態に係る詳細な説明に関連して、図6に、ホームエージェント1000によって適用された暫定承認技術を例示する。モバイルルータ6000が、暗黙モードのBUメッセージ6001をホームエージェント1000に対して送信した場合には、ホームエージェント1000は、コンフィギュレーションのチェックを行って、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることが可能なよう構成されていることを把握し、暫定承認技術を適用する。mrNUMTempBUがゼロの場合には、gTempBULifetimeの値に短いライフタイム値が設定されたBA−OKメッセージ6002の返信が行われる。これによって、双方向トンネルの確立が行われ、モバイルルータ6000は、ホームエージェント1000に対して、RUメッセージ6003を送信することが可能となる。また、gTempBULifetimeの経過後にバインディングの有効性が消滅した場合には、モバイルルータ6000は、バインディングの再更新を行うように要請され、ホームエージェント1000に対して、新たな暗黙モードのBUメッセージ6004を送信する。ホームエージェント1000は、RUメッセージ6003を既に受信しているので、BA−OKメッセージ6005を用いて、双方向トンネルに対して通常のライフタイム値を設定する。
また、別のシナリオとして、モバイルルータが暗黙モードのBUメッセージ6011をホームエージェント1000に送信する一方、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000からのRUメッセージを予測して、gTempBULifetimeの短いライフタイム値を用いて、双方向トンネルを確立する(BA−OKメッセージ6012)ことも可能である。しかしながら、このとき、モバイルルータ6000は、動的ルーティングプロトコルを動作させず、gTempBULifetimeの期間が切れた後に、バインディングの更新を行おうとする。したがって、カウンタmrNumTempBUがgMaxTempBUに達した場合、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることはないと判断して、BA−NEGメッセージ6016によって、バインディングを拒絶する。
また、明示モードのBUにおいて、BUメッセージによって通知されたプリフィックスと、RUメッセージを用いて拡散されるルーティング情報との整合性のチェックに係る処理を行う際に、暫定承認技術が利用される。図6において、モバイルルータ6000は、明示モードのBUメッセージ6021をホームエージェント1000に送信する。ホームエージェント1000は、コンフィギュレーションのチェックを行って、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることが可能なよう構成されていることを把握し、暫定承認技術を適用する。mrNUMTempBUがゼロの場合には、gTempBULifetimeの値に短いライフタイム値が設定されたBA−OKメッセージ6022の返信が行われる。これによって、双方向トンネルの確立が行われ、モバイルルータ6000は、ホームエージェント1000に対して、RUメッセージ6023を送信することが可能となる。また、gTempBULifetimeの経過後にバインディングの有効性が消滅した場合には、モバイルルータ6000は、バインディングの再更新を行うように要請され、ホームエージェント1000に対して、新たな明示モードのBUメッセージ6024を送信する。ホームエージェント1000は、RUメッセージ6023を既に受信しているので、競合がない場合(競合のチェック6025によって確認)には、BA−OKメッセージ6026を用いて、双方向トンネルに対して通常のライフタイム値を設定する。また、競合がある場合には、BA−NEGメッセージ6027を送信することによって、バインディングを拒絶する。
また、別のシナリオとして、モバイルルータが明示モードのBUメッセージ6031をホームエージェント1000に送信する一方、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000からのRUメッセージを予測して、gTempBULifetimeの短いライフタイム値を用いて、双方向トンネルを確立する(BA−OKメッセージ6032)ことも可能である。しかしながら、このとき、モバイルルータ6000は、動的ルーティングプロトコルを動作させず、gTempBULifetimeの期間が切れた後に、バインディングの更新を行おうとする。したがって、カウンタmrNumTempBUがgMaxTempBUに達した場合、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることはないと判断して、BA−NEGメッセージ6036によって、バインディングを拒絶する。
以上のように、上記の第1の実施の形態において開示される本発明を適用することによって、ホームエージェント1000は、確立される双方向トンネルを通じて、動的ルーティングプロトコルを動作させるモバイルルータに生じるエラー条件のチェックを効率良く行うことが可能となる。また、暫定承認技術を使用することによって、ホームエージェント1000は、エラーが発生する期間を、エラーの修正を行うことが可能な期間に制限することも可能となる。これにより、エラーに関して完全なフェイルオーバを考慮することも可能となる。また、さらに、本発明は、コンフィギュレーションインターフェイス1006を完全に構成するエラーチェックのアルゴリズムの制御パラメータにより、ネットワーク管理者に対して、エラー修正を迅速に行えるような適応性のある環境を提供することも可能となる。なお、暫定承認技術により提供される暫定的なサービスは、動的ルーティングプロトコルだけを可能とするように選択的に制御されていることが、セキュリティの面から望ましい。
<第2の実施の形態>
本発明に係る第2の実施の形態では、モバイルルータが、ホームエージェントとの間の双方向トンネルのセットアップを行うためのメカニズムと、ホームエージェントから委譲されるプリフィックスを取得するためのメカニズムとについて説明する。なお、ホームエージェントによってプリフィックスの委譲が行われない場合には、モバイルルータは、完全にデフォルトのプリフィックスを利用することになる。なお、図7に示される装置は、モバイルルータを示すものである。
図7には、本発明で利用されるモバイルルータ7000の構成が図示されている。図7に示すモバイルルータ7000は、入力パケット処理部7001、出力パケット処理部7002、NEMOプロトコルユニット7003、転送ユニット7004により構成されている。また、パケットフローパス7011〜7017は、データパケットのフローパスを示している。
モバイルルータ7000が受信したパケットは、パケットフローパス7011を通じて、あらゆる標準ネットワークプロトコル処理(例えば、インターネットプロトコル処理)を行われるように、入力パケット処理部7001に供給される。パケットがモビリティに関係したもの(例えば、BAメッセージなど)であることが特定された場合には、入力パケット処理部7001は、パケットフローパス7012を通じて、このパケットをNEMOプロトコルユニット7003に供給する。また、他のノードに転送する必要があるパケットの場合には、このパケットは、パケットフローパス7013を通じて転送ユニット7004に渡される。なお、入力パケット処理部7001は、確立した双方向トンネルから受信したパケットを脱カプセル化する機能を有している。
また、出力パケット処理部7002は、物理的なネットワーク配線にパケットを送出する前に必要となるパケット処理を行う。この処理は、送信モジュールによってルートの指示がない場合にはデフォルトルートを選択し、送信パケットにおいて必須なプロトコルヘッダ内の空のフィールドに、デフォルト値を挿入する処理を含んでいる。そして、処理後のパケットは、パケットフローパス7017を通じて、物理的な通信媒体に送出される。
また、転送ユニット7004は、他のノードへのパケット(双方向トンネルを通る送信パケットを含む)のルーティング処理を担っている。モバイルルータ7000のホームエージェントに送信するパケットのカプセル化を行うために、転送ユニット7004は、パケットフローパス7015を通じて、パケットをNEMOプロトコルユニット7003に渡すことができる。また、モバイルルータ7000のモバイルネットワーク内に存在するノードにパケットを送信するために、パケットフローパス7014を通じて、パケットを出力パケット処理部7002に渡すことができる。
また、NEMOプロトコルユニット7003は、NEMO(ネットワークモビリティ)に関連したパケット(例えば、BAメッセージ)の処理を担っている。また、NEMOプロトコルユニット7003は、モバイルルータ7000のホームエージェントとの間の双方向トンネルをセットアップする機能も有している。したがって、NEMOプロトコルユニット7003は、ホームエージェントに対して、BUメッセージを送信する必要があり、例えば、パケットフローパス7016を通じて、BUメッセージの送信を行うことができる。また、さらに、NEMOプロトコルユニット7003は、ホームエージェントから転送されてくるトンネリングパケットの処理機能も有している。したがって、転送ユニット7004は、パケットのカプセル化を行う際には、モバイルルータ7000によって制御されているモバイルネットワークの外に存在するノードに対して送信するパケットを、NEMOプロトコルユニット7003に渡す必要がある。なお、上述のパケットフローパス7015を通じて、転送ユニット7004は、NEMOプロトコルユニット7003に対して、パケットを渡すことが可能である。
本発明では、NEMOプロトコルユニット7003が、変数を保持するための下記のメモリ領域を有する必要がある。
(i)numImBU:モバイルルータ7000が、そのホームエージェントに対して送信した暗黙モードのBUメッセージの数を格納するためのカウンタ
(ii)maxImBU:送信する暗黙モードのBUメッセージの最大数を与える定数
(iii)defaultPrefix:モバイルルータ7000が、そのホームエージェントによって委譲されたプリフィックスを取得できなかった場合に使用される、モバイルネットワークのプリフィックスのデフォルトリスト
(iv)actualPrefix:モバイルルータ7000が現在の双方向トンネルセッションに使用しているモバイルネットワークのプリフィックスの現在のリスト
また、図8には、双方向トンネルをセットアップする際に、モバイルルータ7000によって使用されるアルゴリズムが示されている。ステップS8000において、モバイルルータ7000は、まず、カウンタnumImBU7021の値が最大値maxImBU7022より小さいか否かをチェックする(ステップS8000:numImBU(7021)<maxImBU(7022)?)。numImBU7021の値がmaxImBU 7022以上の場合には、モバイルルータは、デフォルトのプリフィックスを使用する。この処理は、ステップS8400に示されており、ここでは、defaultPrefix7023のリストを、actualPrefix7024のリストとして格納する(ステップS8400:defaultPrefix(7023)を、actualPrefix(7024)に格納)。そして、明示モードのBUメッセージは、actualPrefix7024のリストを使用して、ホームエージェントに送信される(ステップS8800:actualPrefix(7024)のプリフィックスを用いて、明示モードのBUを送信)。また、numImBU7021の値がmaxImBU7022より小さい場合には、モバイルルータ7000は、ステップS8100に示されるように、ホームエージェントに対して、短いライフタイム値が設定された暗黙モードのBUメッセージを送信し(ステップS8100:短いライフタイム値が設定された暗黙モードのBUを送信)、ホームエージェントからのBAメッセージの返信を待機する(ステップS8200:BAを待機)。BAメッセージが所定のタイムアウト値(例えば、暗黙モードのBUメッセージに設定される短いライフタイム値と等しい値を使用することが可能である)を経過する前に到着しなかった場合にはタイムアウトとなって、ステップS8600に進み、カウンタnumImBU7021をインクリメントして(ステップS8600:numImBU(7021)をインクリメント)、再度、ステップS8000に戻る。
また、モバイルルータ7000がBA−NEGメッセージを受信した場合、これは、ホームエージェントがモバイルルータ7000に対して委譲可能なプリフィックスを有していないことを意味している。この場合、モバイルルータ7000は、ステップS8400及びステップS8800に示されるように、defaultPrefix7023のリストを使用する。また、モバイルルータ7000が、BA−OKメッセージを受信した場合には、ステップS8500に示されているように、モバイルルータ7000は、プリフィックスの委譲の待機ループに入る(ステップS8500:プリフィックスの委譲を待機)。そして、プリフィックスの委譲が所定のタイムアウト値(例えば、暗黙モードのBUメッセージに設定される短いライフタイム値と等しい値を使用することが可能である)を経過する前に到着しなかった場合には、ステップS8600に進み、カウンタnumImBU7021をインクリメントして、再度、ステップS8000に戻る。また、プリフィックスが委譲された場合(プリフィックスを受信した場合)には、ステップS8700に示されるように、委譲されたプリフィックスをactualPrefix7024のリストに格納して(ステップS8700:プリフィックスをactualPrefix(7024)に格納)、その後の明示モードのBUメッセージの送信(ステップS8800:actualPrefix(7024)のプリフィックスを用いて、明示モードのBUを送信)の際に使用する。
以上のように、本発明の第2の実施の形態において開示される装置及び方法によれば、モバイルルータは、ホームエージェントが委譲可能なプリフィックスを有しているか否かの確認をまず行うことによって、双方向トンネルの詳細な確立処理を行うことが可能となる。また、ホームエージェントからプリフィックスが委譲されない場合には、モバイルルータは、デフォルトのプリフィックスのセットを使えるようにすることが可能となる。
本発明に係る装置及び方法は、モバイルネットワークにおける動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにするという効果を有し、モバイルネットワーク技術に適用可能であり、特に、モバイルIPを利用したモバイルネットワークにおいて、モバイルルータとホームエージェントとの間の双方向トンネル上における動的ルーティングに係る技術に適用可能である。
本発明は、モバイルネットワークにおける動的ルーティングのエラーチェックのための装置及び方法に関し、特に、モバイルIPを利用したモバイルネットワークにおいて、モバイルルータとホームエージェントとの間の双方向トンネル上における動的ルーティングのエラーチェックのための装置及び方法に関する。
現在、インターネットは、無線技術の出現及び発展に従って、多数のデータ通信の端末が、移動端末で構成される段階にまで発展してきている。この多数の移動端末は、それぞれ異なるドメインに移動(ローミング)して、その時々に応じて、異なる接続ポイントから、例えば、パケット交換データ通信ネットワーク(例えば、インターネット)に接続を行う。
そのようなローミングの実現は、例えば、電話システムなどの回線交換ネットワークではかなり発達しているが、パケット交換通信ネットワークでは、このようなローミングの特徴に対応することは困難である。これは、パケット交換通信ネットワークにおける端末がユニークなアドレスを使用することによって、その端末の位置が特定可能となるからであり、また、そのようなアドレスは、通常、空間的なトポロジにおいて有意でなければならない部分(通常は、ネットワークプリフィックス)を含んでいるからである。
さらに、移動端末がパケット交換データ通信ネットワークへの接続ポイントを複数回変更した後でも、移動端末の位置を同一のアドレスによって、特定し続けられることが望ましい。これによって、パケット交換データ通信ネットワークへの接続ポイントが異なる場合でも、セッション(例えば、ファイル転送)がシームレスに継続されるようになる。
そのようなローミングの機能に対応するために、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)(下記の非特許文献2)におけるモバイルIPv4(下記の非特許文献1)や、インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)(下記の非特許文献4)におけるモバイルIPv6(下記の非特許文献3)によって取り扱われているモビリティサポートの解決策が発展してきている。モバイルIPでは、データ通信端末(モバイルノードと呼ばれる)は、ホームドメインを有しており、モバイルノードがそのホームネットワークに接続している場合には、ホームアドレスとして知られる永続的に使用可能なグローバルアドレスが割り当てられている。
一方、モバイルノードがホームネットワークから離れており、すなわち、他のフォーリンネットワークに接続している場合には、通常、気付アドレス(CoA:Care-of-address)として知られる一時的なグローバルアドレスが割り当てられる。そのような一時的なアドレスは、通常、モバイルノードが接続するアクセスルータによって割り当てられ、CoAがグローバルネットワークのルーティングにおいて、トポロジ的に整合性を有するように、アクセスルータのアドレスのトポロジによって統合されている。
モビリティサポートの考え方は、モバイルノードが他のフォーリンネットワークに接続した状態でさえ、ホームアドレスによって、その位置を特定可能とするものであり、その結果、パケット交換データ通信ネットワーク内の他のノードは、モバイルノードのホームアドレスを用いて、モバイルノードを特定するだけでよい。
上記の事柄は、非特許文献1や非特許文献3において、ホームエージェントとして知られるホームネットワークのエンティティの導入によって実現されている。モバイルノードは、バインディングアップデートとして知られるメッセージを利用して、ホームエージェントにCoAの登録を行う。
また、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスを送信先とするメッセージを受信し、IP-in-IPトンネリング(下記の非特許文献5及び下記の非特許文献6)を利用して、そのパケットをモバイルノードのCoAあてに転送するよう要請されている。IP-in-IPトンネリングでは、オリジナルのIPパケットを別のIPパケットによってカプセル化することが行われる。オリジナルのパケットは、インナパケットと呼ばれることがあり、インナパケットをカプセル化するための新しいパケットはアウタパケットと呼ばれることがある。このようなホームアドレスとCoAとのバインディングによって、モバイルノードがどこにいる場合でも、その位置が特定可能となる。
また、非特許文献1及び非特許文献3に規定されているホストのモビリティサポートの概念は、ネットワークのモビリティサポート(NEMO)(下記の特許文献1及び下記の非特許文献7)に拡張可能である。このNEMOは、モバイルノード自体がモバイルルータである場合であり、このモバイルルータがモバイルネットワークを形成しており、モバイルルータと共に複数のノードが移動する場合である。モバイルルータが、そのホームエージェントに対して、バインディングアップデートを送信した後は、モバイルネットワークに向けて送信されるパケットは、ホームエージェントによって受信され、モバイルルータに対してトンネリングされる。
そして、モバイルルータは、このトンネルパケットの脱カプセル化を行って、インナパケットをその送信先に転送する。また、同様に、モバイルネットワーク内のノードから送信されたパケットは、モバイルルータによって、ホームエージェントにトンネリングされ、その後、正確な送信先に転送される。なお、モバイルルータ自体がアクセスルータとしての機能を有してもよく、他のモバイルノード(モバイルホスト又はモバイルルータ)がモバイルルータと接続し、このアクセスルータとして機能するモバイルルータを通じて、グローバル通信ネットワークに対してアクセスを行うことも可能である。
また、非特許文献7によれば、モバイルルータから送信されるバインディングアップデートメッセージは、2つの異なるモードによって構成され得る。これらの2つの異なるモードは、モバイルネットワークのプリフィックスに関する情報が特定されない暗黙モード(implicit mode)と、モバイルルータが、バインディングアップデートメッセージ内に、そのモバイルネットワークのプリフィックスを記載する明示モード(explicit mode)である。
暗黙モードは、プリフィックスの情報がホームエージェントにおいて手動で構成される場合に使用され、モバイルルータがそのモバイルネットワークのプリフィックスを明らかに示さなくても、ホームエージェントが、モバイルネットワークに対して送信されるパケットを転送するためのルーティングテーブルを構成することが可能となる。
一方、明示モードは、モバイルルータが、管理しているモバイルネットワークのプリフィックスを明らかに示すことが可能である。この場合には、ホームエージェントは、あらかじめプリフィックスに係る情報を知っておく必要はない。
また、ホームエージェントは、モバイルルータに対して、バインディングアップデートのステータスを示す応答を、バインディングアクノレッジメントメッセージによって返信しなければならない。バインディングに失敗した場合には、バインディングアクノレッジメントにおいて異なったステータスの値を設定することにより、その失敗の理由が示される。例えば、パケット転送のメカニズムを設定する際のエラーや、モバイルルータがその特定のプリフィックスとのバインディングの設定を行う許可を有していないなどの理由が、上記の失敗の理由として挙げられる。
また、ホームエージェントが、モバイルルータに係るプリフィックスをあらかじめ知らない場合には、ホームエージェントは、転送設定が失敗に終わった旨を、暗黙モードのバインディングアップデートに対するアクノレッジメントとして返信することが可能である。また、明示モードのバインディングアップデートによって、誤ったプリフィックスや許可されていないプリフィックスが特定された場合には、ホームエージェントは、プリフィックスが許可されていない旨を、バインディングアクノレッジメントとして返信することが可能である。
Perkins, C. E. et. al., "IP Mobility Support", IETF RFC 3344, Aug 2002. DARPA, "Internet Protocol", IETF RFC 791, Sep 1981. Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J., "Mobility Support in IPv6", IETF Internet Draft: draft-ietf-mobileip-ipv6-24.txt, Work In Progress, Jun 2003. Deering, S., and Hinden, R., "Internet Protocol Version 6 (IPv6) Specification", IETF RFC 2460, Dec 1998. Simpson, W., "IP in IP Tunneling", IETF RFC 1853, Oct 1995. Conta, A., and Deering, S., "Generic Packet Tunneling in IPv6", IETF RFC 2473, Dec 1998. Devarapalli, V., et. al., "NEMO Basic Support Protocol", IETF Internet Draft: draft-ietf-nemo-basic-support-01.txt, Sep 2003. Leung, K. K., "Mobile IP mobile router", US Patent 6,636,498, Oct 2003.
特許文献1及び非特許文献7によれば、モバイルルータは、そのホームエージェントと直接接続している場合のように、モバイルルータとホームエージェントとの間で確立した双方向トンネルを通じて、動的ルーティングプロトコル(例えば、IGP(Inter Gateway Protocol)、RIP(Realm Specific Internet Protocol)、OSPF(Open Shortest Path First)など)を任意に動作させることが可能である。モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを動作させた場合には、このルーティングプロトコルの使用によって、モバイルネットワークのプリフィックスに係るルーティング情報が伝達されることとなる。しかしながら、このルーティング情報には、モバイルルータがバインディングアップデートを送信する際に使用すべきモード(暗黙モード又は明示モード)は記載されていない。
したがって、仮に、モバイルルータが、暗黙モードの使用を選択する場合には、ホームエージェントの応答は、不明確なものとなってしまう。すなわち、双方向トンネルが確立された後に動的ルーティングプロトコルが使用されるので、ホームエージェントは、暗黙モードのバインディングアップデートを受けた場合には、モバイルネットワークのプリフィックスを把握することができない。したがって、ホームエージェントは、双方向トンネルが確立された後にプリフィックス情報を取得できるものと思っており、非特許文献7の記載に反して、否定的なバインディングアクノレッジメントを送信することができない。
さらに、仮に、ホームエージェントが、肯定的なバインディングアクノレッジメントによる応答を行ったとしても、モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを実際に動作させることが可能か否かを知ることは不可能である。モバイルルータが、動的ルーティングプロトコルを動作させていないのであれば、ホームエージェントは、その他の考えられる動作を行うか、あるいは、転送セットアップが失敗した旨を通知する否定的なバインディングアクノレッジメントを送信しなくてはならないが、このときには既に、動的ルーティングプロトコルが動作可能であると予測して肯定的なバインディングアクノレッジメントが送信されてしまっている。
一方、モバイルルータが明示モードの使用を選択する場合には、バインディングアップデートによって伝えられるプリフィックス情報が、後にモバイルルータから送られる動的ルーティングメッセージと一致しないときや矛盾しているときに、ホームエージェントがどのように応じるべきかが明確とはなっていない。
したがって、どちらのモードであっても、ホームエージェントで動的ルーティングプロトコルを動作させるためのエラーチェックメカニズムや完全なフェイルオーバメカニズムは、現状では、ほとんど存在していない。
さらに、別の態様として、モバイルルータが、動的ルーティングプロトコルやその他の技術を使用して、ホームエージェントからプリフィックスを委譲される(delegated)場合も考えられる。この場合には、モバイルルータは、ホームエージェントからプリフィックス情報が送られてくるのを待つことになるが、ホームエージェントがモバイルルータに対して、プリフィックス委譲情報(prefix delegation information)を送ることができない場合に、モバイルルータがどのような動作を行うべきかが明確とはなっていない。また、モバイルルータは、ノードがアドレスを自律的に構成できるように、その内部ネットワークに対して、プリフィックスを報知する必要がある。したがって、モバイルルータは、プリフィックスの委譲(delegation)があるかをテストするための処理や、既知の期間内に、あるデフォルトのプリフィックスを速やかに使用できるようになるための処理を行えることが重要となる。
本発明の第1の実施の形態では、ホームエージェントに導入されるエラーチェックメカニズム及びフェイルオーバメカニズムを提供することによって、ホームエージェントが直面する課題について言及する。ここでは、暫定承認技術(Temporary Acceptance Technique)と呼ばれる技術に関する改良が含まれている。この暫定承認技術によれば、ホームエージェントは、バインディングアクノレッジメントにおいて比較的短いライフタイム値を設定することによって、最初にモバイルルータからバインディングアップデートを受信したときに、モバイルルータに対して、ある短い期間が与えられる。これにより、モバイルルータは、その後、現在確立されている双方向トンネルを通じて、ルーティングアップデートメッセージを送信することが可能となる。また、さらに短いライフタイム値を用いることによって、非常に短い期間で、モバイルルータにバインディングの更新を行わせることが可能となる。
また、エラーがある場合には、次にモバイルルータがバインディングアップデートを送信した際に、ホームエージェントがエラー通知を行うことができるようになる。なお、ライフタイムフィールドは、バインディングキャッシュエントリ内にも格納されており、モバイルルータが、新たなバインディングアップデートメッセージによってバインディングの更新を行わない場合でも、バインディングキャッシュエントリは、自動的に更新されることになる。
また、本発明によれば、ホームエージェントの応答を構成するためのコンフィギュレーションパラメータ(非常に有効なコンフィギュレーションパラメータのセット)が提供される。これにより、バインディングアップデートメカニズムによって導入されたルートと、双方向トンネルを通じて動的ルーティングプロトコルによって導入されたルートとの間に競合が生じた場合でも、管理者は、ホームエージェントの動作の構成を適切に行うことが可能となる。
さらに、本発明の第2の実施の形態では、モバイルルータが、ホームエージェントからのプリフィックス委譲の待機状態にある場合について言及する。モバイルルータは、最初に、ホームエージェントがプリフィックスの委譲をサポートしているか否かをチェックするために、短いライフタイム値が設定された暗黙モードのバインディングアップデートメッセージを送信する。そして、ある特定の回数だけ、ライフタイム値が示す期間が満了した場合には、モバイルルータは、デフォルトのプリフィックスを用いて、明示モードのバインディングアップデートメッセージを送信するように構成されている。これによって、モバイルルータは、ホームエージェントがプリフィックスを委譲するかどうかのテストを最初に行うことによって、双方向トンネルの完全な確立処理を行うことが可能となり、ホームエージェントがプリフィックスを委譲しない場合には、デフォルトのプリフィックスのセットを用いることができるようになる。
本発明に係る装置及び方法は、モバイルネットワークにおける動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにするという効果を有しており、特に、モバイルIPを利用したモバイルネットワークにおいて、モバイルルータとホームエージェントとの間の双方向トンネル上における動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにするという効果を有している。
本明細書では、エラーチェックのための装置及び方法、及び、ホームエージェントに搭載されるフェイルオーバメカニズムが開示される。以下、本発明の理解を容易にするため、用語の定義を行う。
(i)「パケット」は、データネットワーク上で伝送可能な、任意のフォーマットのデータの独立した(self-contained)ユニットである。通常、「パケット」は「ヘッダ」部分と「ペイロード」部分の2つの部分により構成される。「ペイロード」部分には、伝送されるデータが含まれており、「ヘッダ」部分には、パケットの伝送を支援するための情報が含まれている。なお、「ヘッダ」部分には、「パケット」の送信者及び受信者のそれぞれを識別するために、送信元アドレス及び送信先アドレスが含まれる必要がある。
(ii)「パケットトンネリング」は、別のパケットをカプセルに入れたパケットに関連するものである。「パケットトンネリング」の動作は、パケットの「カプセル化」とも呼ばれ、カプセル化されたパケットは、「トンネル化されたパケット」又は「インナパケット」と呼ばれ、「インナパケット」をカプセル化するパケットは「トンネリングパケット」又は「アウタパケット」とも呼ばれる。なお、カプセル化されたパケットでは、「インナパケット」全体が、「アウタパケット」のペイロード部分を形成する。
(iii)「モバイルノード」は、グローバルデータ通信ネットワークへの接続ポイントを変更するネットワークエレメントである。この「モバイルノード」は、エンドユーザ端末、ゲートウェイやルータなどの中継端末、グローバルデータ通信ネットワークへの接続ポイントを変更することが可能なインテリジェントネットワークハブを示す用語として使用する場合もある。また、「モバイルノード」がエンドユーザ端末の場合には、より明確に「モバイルホスト」と呼ばれ、「モバイルノード」が、ゲートウェイ、ルータ、インテリジェントネットワークハブなどとして機能する中間的なネットワークエレメントの場合には、より明確に「モバイルルータ」と呼ばれる。
(iv)任意のネットワークエレメントの「デフォルトルータ」とは、そのネットワークエレメントと同一のリンク上に存在するルータであり、この「デフォルトルータ」には、リンク上のネットワークエレメントから送信された、送信先までの転送ルートが不明であるすべてのパケットが転送される。
(v)モバイルノードの「アクセスルータ」とは、モバイルノードがデータ通信ネットワークに接続するために通信を行うルータであり、通常は、モバイルノードのデフォルトルータである。なお、モバイルノードのアクセスルータ自身が、移動可能であってもよい。
(vi)「ホームアドレス」は、モバイルノードに割り当てられている基本的なグローバルアドレスであり、モバイルノードが接続しているグローバルデータ通信ネットワークの接続ポイントによらずに、モバイルノードの位置を特定するために利用可能である。なお、本明細書では、ホームアドレス(home-address)を簡略化して、HoAと呼ぶことがある。
(vii)グローバルデータ通信ネットワークに接続されたモバイルノードに関し、そのモバイルノードのホームアドレスが、接続ポイントの周辺領域で使用されているアドレスと一致するトポロジを有している場合、このモバイルノードは「ホームに存在する(at home)」と呼ばれる。また、この接続ポイントの近隣領域は、ただ1つの管理権限者によって制御されており、モバイルノードの「ホームドメイン」と呼ばれる。
(viii)グローバルデータ通信ネットワークに接続されたモバイルノードに関し、そのモバイルノードのホームアドレスが、接続ポイントの周辺領域で使用されているアドレスと一致しないトポロジを有している場合、このモバイルノードは「ホームから離れている(away)」と呼ばれる。また、この場合の接続ポイントの周辺領域は、「フォーリンドメイン」と呼ばれる。
(ix)「気付アドレス」は、ホームから離れた状態にあるモバイルノードに対して割り当てられる一時的なグローバルアドレスであり、割り当てられた「気付アドレス」は、モバイルノードがグローバルデータ通信ネットワークに接続する接続ポイントの周辺領域で使用されているアドレスと、同一のトポロジを有している。なお、本明細書では、気付アドレス(care-of-address)を簡略化して、CoAと呼ぶことがある。
(x)「ホームエージェント」は、モバイルノードのホームドメインに存在するネットワークエンティティである。「ホームエージェント」は、モバイルノードがホームから離れている場合の気付アドレスの登録サービスを行うものであり、モバイルノードのホームアドレスが送信先に設定されているパケットを、モバイルノードの気付アドレスに転送することが可能である。なお、ホームエージェントは、ルータでもある。
(xi)「バインディングアップデート」は、モバイルノードから、そのホームエージェントに対して送られるメッセージであり、ホームエージェントに対して、モバイルノードが現在使用している気付アドレスの通知を行うためのメッセージである。これによって、ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとの間の関係を「バインディング」することが可能となる。また、このメッセージには、このバインディングの有効期間を指定するためのライフタイムフィールドが含まれている。なお、本明細書では、「バインディングアップデート(Binding Update)」を簡略化して、BUと呼ぶことがある。
(xii)「バインディングアクノレッジメント」は、ホームエージェントからモバイルノードに対して送られる上述のバインディングアップデートの応答のメッセージであり、バインディングアップデートのステータス(例えば、バインディングアップデートが成功したか否か)を示すためのメッセージである。また、このメッセージには、バインディングの有効期間を示すライフタイムフィールドが含まれている。なお、この有効期間は、対応するバインディングアップデートメッセージに記載されたライフタイムを無視したものを用いてもよい。なお、本明細書では、「バインディングアクノレッジメント(Binding Acknowledgement)」を簡略化してBAと呼び、「成功を示すバインディングアクノレッジメント」を簡略化してBA−OKと呼び、「失敗を示すバインディングアクノレッジメント」を簡略化してBA−NEGと呼ぶことがある。
(xiii)「ルーティングアップデート」は、利用可能なルートを通知するために、ルータ間でやり取りされるメッセージである。このルーティングアップデートメッセージは、動的ルーティングプロトコルがルート情報を広めるために動作する場合に、ルータ間でやり取りされるすべてのメッセージを示すものである。なお、本明細書では、「ルーティングアップデート」を簡略化して、RUと呼ぶことがある。
なお、以下の説明では、本発明を詳細に理解できるように、特定の数、時間、構造、その他のパラメータなどが詳しく説明されるが、こうした詳細な設定は一例であり、当業者は、こうした特定の詳細な設定を行わなくても、本発明を実行できることは明白である。
<第1の実施の形態>
本発明に係る第1の実施の形態では、モバイルルータとホームエージェントとの間で確立された双方向トンネルを通じて、ホームエージェントが、登録されているモバイルルータ上で動作する動的ルーティングプロトコルに起因したエラー条件をチェックするチェックメカニズムと、当該エラー条件に対して動作を行う動作メカニズムとについて説明する。なお、図1に示される装置は、ホームエージェントを示すものである。
図1には、本発明で利用されるホームエージェント1000の構成が図示されている。図1に示すホームエージェント1000は、入力パケット処理部1001、出力パケット処理部1002、バインディングマネージャ1003、ルートマネージャ1004、転送ユニット1005、コンフィギュレーションインターフェイス1006により構成されている。また、パケットフローパス1011〜1018は、データパケットのフローパスを示しており、シグナルパス1021〜1024は、各機能ブロック間の通信チャンネルを示している。なお、これらのパスは模式的なものであり、これらのパスの結合に際し、実際に配線が存在してもよく、また、存在しなくてもよい。また、機能ブロックの大部分をソフトウェアによって実現することも可能であり、この場合も同様に、これらのパスは、異なるソフトウェアモジュールが相互に通信可能なプログラミングインターフェイスによって実現可能である。
ホームエージェント1000が受信したパケットは、パケットフローパス1011を通じて、あらゆる標準ネットワークプロトコル処理(例えば、インターネットプロトコル処理)が行われるように、入力パケット処理部1001に供給される。このパケットがモビリティに関係したパケット(例えば、BUメッセージなど)であることが特定された場合には、入力パケット処理部1001は、パケットフローパス1012を通じて、このパケットをバインディングマネージャ1003に供給する。また、このパケットがルーティングに関係したパケット(例えば、RUメッセージなど)であることが特定された場合には、入力パケット処理部1001は、パケットフローパス1013を通じて、このパケットをルートマネージャ1004に供給する。また、通常は、ホームエージェント1000はルータであり、他のノードに転送する必要があるパケットの場合には、このパケットは、パケットフローパス1014を通じて転送ユニット1005に渡される。なお、入力パケット処理部1001は、確立した双方向トンネルから受信したパケットを脱カプセル化する機能を有している。
また、出力パケット処理部1002は、物理的なネットワーク配線にパケットを送出する前に必要となるパケット処理を行う。この処理は、送信モジュールによってルートの指示がない場合にはデフォルトルートを選択し、送信パケットにおいて必須なプロトコルヘッダ内の空のフィールドに、デフォルト値を挿入する処理を含んでいる。そして、処理後のパケットは、パケットフローパス1018を通じて、物理的な通信媒体に送出される。
一方、バインディングマネージャ1003は、モバイルノードのアドレスのバインディングの管理を担っている。通常、バインディング情報は、バインディングキャッシュの形式で管理され、各キャッシュエントリにおいて、モバイルノードの気付アドレスに対するホームアドレスのバインディングが明記される。また、モバイルノードがモバイルルータの場合には、BUのモード(暗黙モード又は明示モード)などのような他の情報や、BUに含まれるモバイルネットワークのプリフィックスも、バインディングキャッシュに格納される。なお、バインディングマネージャ1003では、ルートマネージャ1004における転送メカニズム(モバイルルータの気付アドレスに対してパケットのトンネリングを行うことによって、モバイルネットワークのプリフィックスに送られるパケットを、モバイルルータに転送するメカニズムなど)の設定処理や設定破棄処理も行われる。こうした処理を行うために、バインディングマネージャ1003をルートマネージャ1004に接続するシグナルパス1021が示されている。また、さらに、バインディングマネージャ1003は、BUメッセージなどのようなモビリティに関連したパケットの処理を行う必要がある。これにより、バインディングキャッシュの更新が可能となり、BAメッセージを返信することが可能となる。なお、BAメッセージの送信時には、BAメッセージは、出力パケット処理部1002に渡される。
また、ルートマネージャ1004は、ルートの管理を担っている。通常、ルートは、ルーティングテーブルの形式で管理され、ルーティングテーブルでは、各列によって、特定のネットワークのプリフィックスへのルーティング情報が示されている。また、このルートマネージャ1004では、他のルータから受信したRUメッセージの処理や、他のノードに対して、自装置のルーティングメッセージを送信する処理も行われる。なお、RUメッセージを送信する場合には、RUメッセージは、パケットフローパス1016を通じて、実際に送信を行う出力パケット処理部1002に渡される。
また、ルートマネージャ1004が、双方向トンネルを通じて、モバイルルータからRUメッセージを受信する場合には、モバイルルータによって導入されているルートのリストを保持する必要がある。これにより、ホームエージェント1000とモバイルルータとの間の双方向トンネルを破棄する場合に、バインディングマネージャ1003は、ルートマネージャ1004に対して、モバイルルータによって導入されているすべてのルートを削除するよう要求することが容易となる。
また、転送ユニット1005は、他のノードへのパケット(双方向トンネルを通る送信パケットを含む)のルーティング処理を担っている。転送ユニット1005は、ルートマネージャ1004から供給されたパケットのルーティング方法に係る情報を取得する。なお、このルーティング情報の取得が可能となるよう、転送ユニット1005とルートマネージャ1004とを接続するシグナルパス1022が示されている。これにより、転送ユニット1005は、パケットの転送場所に係る指示を同時に行うことが可能となり、パケットフローパス1015を通じて、データパケットを出力パケット処理部1002に渡すことが可能となる。
また、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、コンフィギュレーション情報をバインディングマネージャ1003とルートマネージャ1004とに供給するモジュールである。このコンフィギュレーション情報は、システムが起動している間、コンフィギュレーションインターフェイス1006によって補助記憶装置から読み込まれるようにすることが可能である。上記の方法によって、コンフィギュレーションインターフェイス1006が情報を読み込む場合、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、システムの起動後に、情報の変更がなかったかどうかを頻繁に監視する必要があり、情報が変更されている場合には、情報の再読み込みをする必要がある。また、管理者が、リアルタイムにコンフィギュレーションパラメータの調整を行うことができるように、コンフィギュレーションインターフェイス1006をアクティブなプロセスとすることも可能である。なお、管理者は、端末の前に座って操作することも可能であり、離れた場所からコンフィギュレーションプロセスにリモートでログインすることも可能である。
また、さらに、コンフィギュレーションインターフェイス1006が、リモートの主要データベースから、コンフィギュレーション情報を読み込めるようにすることも可能である。実際、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、データベースクライアントエージェントとして実現可能であり、この場合には、各コンフィギュレーションの問い合わせが、コンフィギュレーションインターフェイス1006によってリモートの主要データベースにリレーされることになる。また、コンフィギュレーション情報をホームエージェント1000に読み込むために、他の異なる技術を適用することも可能であり、例えば、外部エージェントが、管理情報データベース(MIB:Management Information Base)を含むパケットをホームエージェント1000に送信するSNMP(Simple Network Management Protocol)を使用することが可能である。こうしたMIBには、ホームエージェント1000が必要とするコンフィギュレーション情報が含まれている。したがって、コンフィギュレーションインターフェイス1006において、リモートエージェントに対して問い合わせを送信するSNMPエージェントとしての機能が実現され、MIBを含む応答を解釈して、コンフィギュレーション情報を構成することが可能となる。
コンフィギュレーションインターフェイス1006は、他のモジュールに対して、システム全体コンフィギュレーション情報(System-wide configuration information)、及び、モバイルルータ特定コンフィギュレーション情報(Mobile router specific configuration information)の2つのタイプのコンフィギュレーション情報を提供する。
システム全体コンフィギュレーション情報には、下記の情報が含まれている。
(i)gDynRtgEnabled:ホームから離れているモバイルルータが、動的ルーティングプロトコルを利用することが可能か否かを示す情報
(ii)gMaxBULifetime:バインディングキャッシュエントリにおけるライフタイムの最大値
(iii)gMaxRULifetime:ルーティングテーブルエントリにおけるライフタイムの最大値
(iv)gTempBULifetime:ホームから離れているモバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが動作可能か否かが不明の場合に利用されるバインディングキャッシュのライフタイム
(v)gMaxTempBU:ホームから離れているモバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが動作可能かどうかが不明な状態で受け入れ可能なバインディングアップデートの最大数
一方、モバイルルータ特定コンフィギュレーション情報には、下記の情報が含まれている。
(i)mrSecAssoc:モバイルルータのセキュリティ関係の情報(例えば、モバイルルータに関連付けられている、あらかじめ設定されたセキュリティキー)
(ii)mrDynRtgEnabled:特定のモバイルルータが動的ルーティングプロトコルを動作させることが可能か否かを示す情報
(iii)mrDynRtgProtocol:モバイルルータが、動的ルーティングを利用することが可能か否かを示す情報(この値によって、モバイルルータにおいて動作可能な動的ルーティングプロトコルのタイプが示される)
(iv)mrDefaultPrefixList:モバイルルータに関連付けられているすべてのデフォルトネットワークプリフィックス
(v)mrValidPrefixList:モバイルルータとの関連付けを行うことが可能な正当なネットワークプリフィックスの範囲
(vi)mrBURUErrAction:BUメッセージに含まれるプリフィックス情報が、モバイルルータによって送信されるルーティング情報との間で競合するかあるいは、矛盾している場合に取られるべきデフォルトの操作
また、上記のmrBURUErrActionに関しては、下記の値が取られ得る。
(i)BURUErrTeardown:エラーがあり、双方向トンネルを破棄する場合
(ii)BURUErrIgnoreBU:BUメッセージで与えられるプリフィックス情報を無視するとともに、プリフィックス情報を無視した旨を通知せずにBA−OKメッセージを返信する場合
(iii)BURUErrWarnBU:BUメッセージで与えられるプリフィックス情報を無視して、プリフィックス情報を無視した旨を示す特別のオプションを含むBA−OKメッセージを返信する場合
(iv)BURUErrIgnoreRU:RUメッセージを無視して、プリフィックス情報を無視した旨を通知しない場合
(v)BURUErrWarnRU:RUメッセージを無視し、動的ルーティングプロトコルを使用して、エラーメッセージを返信する場合
また、先に述べたように、バインディングマネージャ1003は、バインディングキャッシュ内のバインディング情報を保持している。本発明では、バインディングキャッシュにおける各エントリが、少なくとも下記の情報を含むようにする。
(i)bceHoA:モバイルルータのホームアドレス
(ii)bceCoA:モバイルルータの気付アドレス
(iii)bceMode:受信した成功を示す最後のBUメッセージのモード(暗黙モード又は明示モード)
(iv)bceExpiry:当該エントリの有効性がなくなる(削除される)時刻
(v)bcePrefix:成功を示す最後のBUメッセージに含まれるプリフィックス情報
(vi)bceNumTempBU:モバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが動作可能か否かが不明な状態のときに、受信可能なBUメッセージの数
グローバルなコンフィギュレーション情報(システム全体コンフィギュレーション情報)のgTempBULifetime及びgMaxTempBUと共に、末尾の情報のbceNumTempBUによって、バインディングマネージャ1003は、暫定承認技術(Temporary Acceptance Technique)と呼ばれる技術を実現することが可能となる。図2に例示される暫定承認技術は、サービス提供者2000が、単一又は複数のサービス要求者2100に対してサービスを提供する状況において使用されるものである。なお、サービス要求者2100は、こうしたサービスを受けるために、何らかの要件を満たしている必要があるが、サービスが与えられるまでは、その要件が満たされているか否かを知ることはできず、また、その要件を満たそうとすることも不可能である。
暫定承認技術が基づく基本的な考え方は、サービス提供者2000が、通常よりもはるかに短い有効期間T_tempを条件とした要求に対して承認を与えられるようにすることにあり、サービス要求者2100に対して、この短い有効期間の後に要求を更新させるようにすることにある。これにより、サービス要求者2100には、いくつかの特定の要件(例えば、図2に示す動作2003)を満たすための、ある限定された時間が与えられる。この要件が満たされた場合に、サービス要求者2100が要求(図2に示す要求2004)を更新する次の機会に、サービス提供者2000は、サービス要求者2100に対して、通常のアクセス許可(図2に示す完全な許可2005)を与えることが可能となる。
しかしながら、サービス要求者2100は、特定の要件を満たすための動作を行わない場合も考えられる。この場合には、サービス提供者2000は、サービス要求者2100に何回かのトライ数(MAXTRY)を与えるような選択を行うことも可能である。このとき、サービス要求者2100が要求可能な最大数を超えても特定の要件を満たせなかった場合に、サービス提供者2000は、要求を拒絶することができるようにすることも可能である。上記の一例として、図2には、要求2011及び2013の後に、サービス要求者2100が、まだいくつかの要件を満たさなければならない場合が図示されており、また、例として、“MAXTRY”回目の要求2015において、サービス提供者2000が、拒絶2016を送信する場合が図示されている。
したがって、この暫定承認技術は、要求を承認するまでの要求イベント(すなわち、動作2003)の待機状態を制限するために、MAXTRYとT_tempとによって与えられる期間を超えるか否かという条件を利用できるようにしたものである。これによって、サービス提供者2000は、要求に対する許可を与えるか否かの決定を行う際、所定の遅延時間内に要件が満たされるか否かに基づいて決定を行うことによって、この決定を遅らせることが可能となる。
本発明において適用されているホームエージェント1000(サービス提供者2000)は、BA−OKメッセージにおいて、より短いライフタイム値を使用することによって、最初にモバイルルータ(サービス要求者2100)からBUメッセージを受信したときに、モバイルルータに対して短い期間を与えることが可能となる。この短いライフタイム値は、gTempBULifetimeであり、これによって、モバイルルータは、現在確立している双方向トンネルを通じて、RUメッセージの送信(必要な動作)を行うことが可能となる。コンフィギュレーションパラメータgMAXTempBUは、ホームエージェントがRUメッセージの受信前に許容しているBUメッセージの最大受信可能数である。また、バインディングキャッシュエントリ値bceNumTempBUは、RUメッセージの前に受信するBUメッセージの受信回数を制限するために利用されるものであり、gMaxTempBUが、bceNumTempBUと同値になった場合には、ホームエージェント1000は、BUメッセージを拒絶することが可能となる。なお、バインディングキャッシュエントリには、ライフタイムフィールドを格納することも可能であり、モバイルルータがgTempBULifeTime以降に新たなBUメッセージによってバインディングの更新を行わない場合でも、バインディングキャッシュエントリは、自動的に更新可能である。
上述の技術を利用することによって、バインディングマネージャ1003は、モバイルルータから受信したBUメッセージの処理時に、以下の方法を利用することが可能である。図3には、バインディングマネージャ1003に対してBUメッセージが渡される際の一般的な処理が示されている。まず、ステップS3000において、バインディングマネージャ1003は、BUメッセージの送信者が、ホームエージェント1000によって提供されるサービスの利用が認可されたモバイルルータ(登録されている正当なノード)か否かを確認する(ステップS3000:送信者が登録されている正当なノードか?)。これは、例えば、コンフィギュレーションインターフェイス1006に対して、モバイルルータのホームアドレスによって与えられるモバイルルータの情報のセットを検索するように要求することによって実現可能である。モバイルルータが認可されているものである場合には、コンフィギュレーションインターフェイス1006は、コンフィギュレーション情報のセットを用いて応答を行う。一方、モバイルルータが認可されていないものである場合には、「コンフィギュレーションが見つかりません」や「モバイルルータは有効なエントリではありません」などのような理由で検索要求は失敗となる。
また、送信者(すなわち、モバイルルータ)が認可されていないものである場合には、ステップS3100に示されているように、ホームエージェント1000は、BA−NEGメッセージを用いて返信を行い、BUを破棄する(ステップS3100:BA−NEGの送信、BUの破棄)。一方、送信者が登録されている正当なモバイルルータである場合には、ステップS3200に示されるように、BUメッセージのライフタイムフィールドをチェックして、その値がゼロか否かを確認する(ステップS3200:BUのライフタイム=0?)。ライフタイム値がゼロの場合には、モバイルルータがバインディングの登録の削除を行おうとしており、ステップS3300において、モバイルルータのバインディングキャッシュエントリが削除され、モバイルルータに導入されているすべてのルートが、ルートマネージャ1004から削除されるとともに、登録が削除された旨を含むBA−OKメッセージが送信される(ステップS3300:BA−OKの送信、バインディングキャッシュエントリの削除、送信者によって導入されているルートの削除)。また、ライフタイムフィールドがゼロではない場合には、BUメッセージのモードに依存した処理が行われる(ステップS3400:BUのモードが暗黙モード?)。すなわち、暗黙モードを示すBUメッセージの場合には、図4に示される暗黙モードに係る処理が行われ (ステップS3600:暗黙モードに係る処理)、明示モードを示すBUメッセージの場合には、図5に示される明示モードに係る処理が行われる(ステップS3500:明示モードに係る処理)。
図4に示される暗黙モードに係る処理では、最初のステップS4000において、このモバイルルータで動的ルーティングが利用可能か否かのチェックが行われる(ステップS4000:動的ルーティングが利用可能?)。このチェックは、例えば、バインディングマネージャ1003が、mrDynRtgEnabledのコンフィギュレーションパラメータのチェックすることによって行われる。動的ルーティングの利用が不可能な場合には、ステップS4100に進み、バインディングマネージャ1003によって、モバイルルータに適用可能なデフォルトのプリフィックスが存在するか否かのチェックが行われる(ステップS4100:適用可能なデフォルトのプリフィックス有り?)。このチェックは、例えば、mrDefaultPrefixListのコンフィギュレーションパラメータのチェックによって行われる。適用可能なデフォルトのプリフィックスが全く存在しない場合には、ホームエージェント1000はルートマネージャ1004に転送メカニズムをセットアップすることは不可能であり、ステップS4200において、BA−NEGメッセージが返信されるとともに、BUメッセージは破棄される(ステップS4200:BA−NEGの送信、BUの破棄)。一方、適用可能なデフォルトのプリフィックスが存在する場合には、バインディングマネージャ1003は、ステップS4300に進み、BA−OKメッセージを返信するとともに、バインディングキャッシュエントリの更新を行い、ルートマネージャ1004にデフォルトのプリフィックスへの転送メカニズムをセットアップする(ステップS4300:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャにルートを設定)。
また、モバイルルータにおいて動的ルーティングの利用が可能な場合には、ステップS4400に進み、バインディングマネージャ1003は、ルートマネージャ1004に対して、モバイルルータがホームエージェント1000にRUメッセージを既に送っているか否かを確認するよう要求する(ステップS4400:ルートマネージャはルートの更新を受信している?)。RUメッセージが既に送られてきている場合には、暗黙モードのBUメッセージを問題なく使用することが可能であり、ステップS4500において、BA−OKメッセージが返信されるとともに、バインディングキャッシュエントリが更新される(ステップS4500:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新)。しかしながら、RUメッセージを(まだ)受信していない場合には、バインディングマネージャ1003は、上述の暫定承認技術を使用することになる。ステップS4600において、カウンタの機能を有するbceNumTempBUの値が、グローバルなコンフィギュレーションパラメータgMaxTempBUの値以上であるか否かの確認が行われる(ステップS4600:bceNumTempBU≧gMaxTempBU?)。もし、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUの値以上の場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信できる猶予期間が切れており、ホームエージェント1000は、ステップS4800に示すように、BA−NEGメッセージを送るとともに、そのモバイルルータに係るバインディングキャッシュエントリを削除する(ステップS4800:BA−NEGの送信、バインディングキャッシュエントリの削除)。一方、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUより小さい場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信することが可能な期間はまだ残っており、ステップS4700において、ホームエージェント1000は、ライフタイムフィールドをgTempBULifetimeに変えたBA−OKメッセージを送ることになる。また、カウンタbceNumTempBUがインクリメントされるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われる(ステップS4700:ライフタイム=gTempBULifetimeに設定されたBA−OKを送信、バインディングキャッシュの更新、bceNumTempBUのインクリメント)。
また、図5には、明示モードのバインディングアップデートに係る処理が示されている。明示モードのBUでは、モバイルルータがBUメッセージ内にプリフィックス情報を挿入する。したがって、まず、バインディングマネージャ1003は、ステップS5000において、BUメッセージ内の特定のプリフィックスが有効であるか否かをチェックする(ステップS5000:BUのプリフィックスは有効?)。この有効性のチェックは、モバイルルータのコンフィギュレーションインターフェイス1006から、コンフィギュレーションパラメータmrValidPrefixListに関する問い合わせを行うことによって可能となる。特定のプリフィックスが有効ではない場合には、ステップS5100に示されるように、BA−NEGメッセージが送信されるとともに、BUメッセージは破棄される(ステップS5100:BA−NEGの送信、BUの破棄)。一方、特定のプリフィックスが有効である場合には、ステップS5200において、バインディングマネージャ1003は、モバイルルータにおいて動的ルーティングの利用が可能か否かのチェックを行う(ステップS5200:動的ルーティングが利用可能?)。このチェックは、mrDynRtgEnabledのコンフィギュレーションパラメータのチェックによって可能である。動的ルーティングの利用が不可能な場合には、ステップS5650に進み、BA−OKメッセージが送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われ、ルートマネージャ1004において、そのプリフィックスへの転送メカニズムのセットアップが行われる(ステップS5650:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャにルートを設定)。
一方、動的ルーティングが利用可能な場合には、ステップS5300において、モバイルルータからRUメッセージを受信しているか否かのチェックがルートマネージャ1004に対して行われる(ステップS5300:ルートマネージャはルートの更新を受信している?)。RUメッセージを受信していない場合には、バインディングマネージャ1003は、上述の暫定承認技術を使用することになる。ステップS5400において、カウンタの機能を有するbceNumTempBUの値が、グローバルなコンフィギュレーションパラメータgMaxTempBUの値以上であるか否かの確認が行われる(ステップS5400:bceNumTempBU≧gMaxTempBU?)。もし、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUの値以上の場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信できる猶予期間が切れており、モバイルルータは、動的ルーティングプロトコルを動作させないと判断される。この場合には、ステップS5650に進み、BA−OKメッセージが送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われ、ルートマネージャ1004において、そのプリフィックスへの転送メカニズムのセットアップが行われる。一方、bceNumTempBUの値がgMaxTempBUより小さい場合には、モバイルルータがRUメッセージを送信することが可能な期間はまだ残っており、ステップS5500において、ホームエージェント1000は、ライフタイムフィールドをgTempBULifetimeに変えたBA−OKメッセージを送ることになる。また、カウンタbceNumTempBUがインクリメントされるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われる(ステップS5500:ライフタイム=gTempBULifetimeに設定されたBA−OKを送信、バインディングキャッシュの更新、bceNumTempBUのインクリメント)。
また、モバイルルータからRUメッセージを受信している場合には、ホームエージェント1000は、そのプリフィックス、あるいは、BUメッセージ内に指定されている複数のプリフィックスと、RUメッセージによって導入されるルートとの整合性のチェックを行う。すなわち、ステップS5600において、ルートマネージャ1004に対して、BUメッセージ内のプリフィックスと、RUメッセージによって導入されるルートとの間に、競合が生じていないかどうかのチェックを要求する(ステップS5600:RUとの競合有り?)。こうした競合がない場合には、ステップS5650に進み、BA−OKメッセージが送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われ、ルートマネージャ1004において、そのプリフィックスへの転送メカニズムのセットアップが行われる。
また、BUのプリフィックスと動的ルーティングプロトコルによって導入されるルートとの間に競合がある場合には、ステップS5700において、適切な動作が行えるように、コンフィギュレーションパラメータmrBURUErrActionのチェックが行われる(ステップS5700:mrBURUErrAction=?)。このとき、双方向トンネルの破棄動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrTeardown)、ステップS5800に示されるように、BA−NEGメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリが削除され、モバイルルータによって導入されたすべてのルートが、ルートマネージャ1004から削除される(ステップS5800:BA−NEGの送信、バインディングキャッシュの削除、送信者によって導入されているルートの削除)。また、BUメッセージ内で指定されているプリフィックスを(通知なく)無視する動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrIgnoreBU)、ステップS5850において、BA−OKメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュの更新が行われる(ステップS5850:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新)。また、BUメッセージ内で指定されているプリフィックスを無視して、モバイルルータに対して警告を与える動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrWarnBU)、ステップS5900に進み、プリフィックスが無視された旨を示す特別なオプションが付加されたBA−OKメッセージが、モバイルルータに対して送信され、さらに、バインディングキャッシュエントリの更新も行われる(ステップS5900:BUのプリフィックスが無視された旨を示す特別なオプションが付加されたBA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新)。
また、RUメッセージによって送られたルートを(通知なく)無視する動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrIgnoreRU)、ステップS5950に進み、BA−OKメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われて、BUメッセージ内のプリフィックスと一致したルートのみが残るように、ルートマネージャ1004内のルートが破棄される(ステップS5950:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャ内のルートの破棄)。また、RUメッセージによって送られたルートを(警告を行って)無視する動作が行われる場合には(mrBURUErrAction=BURUErrWarnRU)、ステップS5999に進み、BA−OKメッセージがモバイルルータに対して送信されるとともに、バインディングキャッシュエントリの更新が行われて、BUメッセージ内のプリフィックスと一致したルートのみが残るように、ルートマネージャ1004内のルートが破棄された後、さらに、ルートマネージャ1004からモバイルルータに対して、動的ルーティングプロトコルによって導入されたルートのいくつかが削除された旨を通知するRUメッセージが送信される(ステップS5999:BA−OKの送信、バインディングキャッシュの更新、ルートマネージャ内のルートの破棄、モバイルルータへのRUの送信)。
また、本発明の第1の実施の形態に係る詳細な説明に関連して、図6に、ホームエージェント1000によって適用された暫定承認技術を例示する。モバイルルータ6000が、暗黙モードのBUメッセージ6001をホームエージェント1000に対して送信した場合には、ホームエージェント1000は、コンフィギュレーションのチェックを行って、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることが可能なよう構成されていることを把握し、暫定承認技術を適用する。mrNUMTempBUがゼロの場合には、gTempBULifetimeの値に短いライフタイム値が設定されたBA−OKメッセージ6002の返信が行われる。これによって、双方向トンネルの確立が行われ、モバイルルータ6000は、ホームエージェント1000に対して、RUメッセージ6003を送信することが可能となる。また、gTempBULifetimeの経過後にバインディングの有効性が消滅した場合には、モバイルルータ6000は、バインディングの再更新を行うように要請され、ホームエージェント1000に対して、新たな暗黙モードのBUメッセージ6004を送信する。ホームエージェント1000は、RUメッセージ6003を既に受信しているので、BA−OKメッセージ6005を用いて、双方向トンネルに対して通常のライフタイム値を設定する。
また、別のシナリオとして、モバイルルータが暗黙モードのBUメッセージ6011をホームエージェント1000に送信する一方、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000からのRUメッセージを予測して、gTempBULifetimeの短いライフタイム値を用いて、双方向トンネルを確立する(BA−OKメッセージ6012)ことも可能である。しかしながら、このとき、モバイルルータ6000は、動的ルーティングプロトコルを動作させず、gTempBULifetimeの期間が切れた後に、バインディングの更新を行おうとする。したがって、カウンタmrNumTempBUがgMaxTempBUに達した場合、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることはないと判断して、BA−NEGメッセージ6016によって、バインディングを拒絶する。
また、明示モードのBUにおいて、BUメッセージによって通知されたプリフィックスと、RUメッセージを用いて拡散されるルーティング情報との整合性のチェックに係る処理を行う際に、暫定承認技術が利用される。図6において、モバイルルータ6000は、明示モードのBUメッセージ6021をホームエージェント1000に送信する。ホームエージェント1000は、コンフィギュレーションのチェックを行って、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることが可能なよう構成されていることを把握し、暫定承認技術を適用する。mrNUMTempBUがゼロの場合には、gTempBULifetimeの値に短いライフタイム値が設定されたBA−OKメッセージ6022の返信が行われる。これによって、双方向トンネルの確立が行われ、モバイルルータ6000は、ホームエージェント1000に対して、RUメッセージ6023を送信することが可能となる。また、gTempBULifetimeの経過後にバインディングの有効性が消滅した場合には、モバイルルータ6000は、バインディングの再更新を行うように要請され、ホームエージェント1000に対して、新たな明示モードのBUメッセージ6024を送信する。ホームエージェント1000は、RUメッセージ6023を既に受信しているので、競合がない場合(競合のチェック6025によって確認)には、BA−OKメッセージ6026を用いて、双方向トンネルに対して通常のライフタイム値を設定する。また、競合がある場合には、BA−NEGメッセージ6027を送信することによって、バインディングを拒絶する。
また、別のシナリオとして、モバイルルータが明示モードのBUメッセージ6031をホームエージェント1000に送信する一方、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000からのRUメッセージを予測して、gTempBULifetimeの短いライフタイム値を用いて、双方向トンネルを確立する(BA−OKメッセージ6032)ことも可能である。しかしながら、このとき、モバイルルータ6000は、動的ルーティングプロトコルを動作させず、gTempBULifetimeの期間が切れた後に、バインディングの更新を行おうとする。したがって、カウンタmrNumTempBUがgMaxTempBUに達した場合、ホームエージェント1000は、モバイルルータ6000が動的ルーティングプロトコルを動作させることはないと判断して、BA−NEGメッセージ6036によって、バインディングを拒絶する。
以上のように、上記の第1の実施の形態において開示される本発明を適用することによって、ホームエージェント1000は、確立される双方向トンネルを通じて、動的ルーティングプロトコルを動作させるモバイルルータに生じるエラー条件のチェックを効率良く行うことが可能となる。また、暫定承認技術を使用することによって、ホームエージェント1000は、エラーが発生する期間を、エラーの修正を行うことが可能な期間に制限することも可能となる。これにより、エラーに関して完全なフェイルオーバを考慮することも可能となる。また、さらに、本発明は、コンフィギュレーションインターフェイス1006を完全に構成するエラーチェックのアルゴリズムの制御パラメータにより、ネットワーク管理者に対して、エラー修正を迅速に行えるような適応性のある環境を提供することも可能となる。なお、暫定承認技術により提供される暫定的なサービスは、動的ルーティングプロトコルだけを可能とするように選択的に制御されていることが、セキュリティの面から望ましい。
<第2の実施の形態>
本発明に係る第2の実施の形態では、モバイルルータが、ホームエージェントとの間の双方向トンネルのセットアップを行うためのメカニズムと、ホームエージェントから委譲されるプリフィックスを取得するためのメカニズムとについて説明する。なお、ホームエージェントによってプリフィックスの委譲が行われない場合には、モバイルルータは、完全にデフォルトのプリフィックスを利用することになる。なお、図7に示される装置は、モバイルルータを示すものである。
図7には、本発明で利用されるモバイルルータ7000の構成が図示されている。図7に示すモバイルルータ7000は、入力パケット処理部7001、出力パケット処理部7002、NEMOプロトコルユニット7003、転送ユニット7004により構成されている。また、パケットフローパス7011〜7017は、データパケットのフローパスを示している。
モバイルルータ7000が受信したパケットは、パケットフローパス7011を通じて、あらゆる標準ネットワークプロトコル処理(例えば、インターネットプロトコル処理)を行われるように、入力パケット処理部7001に供給される。パケットがモビリティに関係したもの(例えば、BAメッセージなど)であることが特定された場合には、入力パケット処理部7001は、パケットフローパス7012を通じて、このパケットをNEMOプロトコルユニット7003に供給する。また、他のノードに転送する必要があるパケットの場合には、このパケットは、パケットフローパス7013を通じて転送ユニット7004に渡される。なお、入力パケット処理部7001は、確立した双方向トンネルから受信したパケットを脱カプセル化する機能を有している。
また、出力パケット処理部7002は、物理的なネットワーク配線にパケットを送出する前に必要となるパケット処理を行う。この処理は、送信モジュールによってルートの指示がない場合にはデフォルトルートを選択し、送信パケットにおいて必須なプロトコルヘッダ内の空のフィールドに、デフォルト値を挿入する処理を含んでいる。そして、処理後のパケットは、パケットフローパス7017を通じて、物理的な通信媒体に送出される。
また、転送ユニット7004は、他のノードへのパケット(双方向トンネルを通る送信パケットを含む)のルーティング処理を担っている。モバイルルータ7000のホームエージェントに送信するパケットのカプセル化を行うために、転送ユニット7004は、パケットフローパス7015を通じて、パケットをNEMOプロトコルユニット7003に渡すことができる。また、モバイルルータ7000のモバイルネットワーク内に存在するノードにパケットを送信するために、パケットフローパス7014を通じて、パケットを出力パケット処理部7002に渡すことができる。
また、NEMOプロトコルユニット7003は、NEMO(ネットワークモビリティ)に関連したパケット(例えば、BAメッセージ)の処理を担っている。また、NEMOプロトコルユニット7003は、モバイルルータ7000のホームエージェントとの間の双方向トンネルをセットアップする機能も有している。したがって、NEMOプロトコルユニット7003は、ホームエージェントに対して、BUメッセージを送信する必要があり、例えば、パケットフローパス7016を通じて、BUメッセージの送信を行うことができる。また、さらに、NEMOプロトコルユニット7003は、ホームエージェントから転送されてくるトンネリングパケットの処理機能も有している。したがって、転送ユニット7004は、パケットのカプセル化を行う際には、モバイルルータ7000によって制御されているモバイルネットワークの外に存在するノードに対して送信するパケットを、NEMOプロトコルユニット7003に渡す必要がある。なお、上述のパケットフローパス7015を通じて、転送ユニット7004は、NEMOプロトコルユニット7003に対して、パケットを渡すことが可能である。
本発明では、NEMOプロトコルユニット7003が、変数を保持するための下記のメモリ領域を有する必要がある。
(i)numImBU:モバイルルータ7000が、そのホームエージェントに対して送信した暗黙モードのBUメッセージの数を格納するためのカウンタ
(ii)maxImBU:送信する暗黙モードのBUメッセージの最大数を与える定数
(iii)defaultPrefix:モバイルルータ7000が、そのホームエージェントによって委譲されたプリフィックスを取得できなかった場合に使用される、モバイルネットワークのプリフィックスのデフォルトリスト
(iv)actualPrefix:モバイルルータ7000が現在の双方向トンネルセッションに使用しているモバイルネットワークのプリフィックスの現在のリスト
また、図8には、双方向トンネルをセットアップする際に、モバイルルータ7000によって使用されるアルゴリズムが示されている。ステップS8000において、モバイルルータ7000は、まず、カウンタnumImBU7021の値が最大値maxImBU7022より小さいか否かをチェックする(ステップS8000:numImBU(7021)<maxImBU(7022)?)。numImBU7021の値がmaxImBU 7022以上の場合には、モバイルルータは、デフォルトのプリフィックスを使用する。この処理は、ステップS8400に示されており、ここでは、defaultPrefix7023のリストを、actualPrefix7024のリストとして格納する(ステップS8400:defaultPrefix(7023)を、actualPrefix(7024)に格納)。そして、明示モードのBUメッセージは、actualPrefix7024のリストを使用して、ホームエージェントに送信される(ステップS8800:actualPrefix(7024)のプリフィックスを用いて、明示モードのBUを送信)。また、numImBU7021の値がmaxImBU7022より小さい場合には、モバイルルータ7000は、ステップS8100に示されるように、ホームエージェントに対して、短いライフタイム値が設定された暗黙モードのBUメッセージを送信し(ステップS8100:短いライフタイム値が設定された暗黙モードのBUを送信)、ホームエージェントからのBAメッセージの返信を待機する(ステップS8200:BAを待機)。BAメッセージが所定のタイムアウト値(例えば、暗黙モードのBUメッセージに設定される短いライフタイム値と等しい値を使用することが可能である)を経過する前に到着しなかった場合にはタイムアウトとなって、ステップS8600に進み、カウンタnumImBU7021をインクリメントして(ステップS8600:numImBU(7021)をインクリメント)、再度、ステップS8000に戻る。
また、モバイルルータ7000がBA−NEGメッセージを受信した場合、これは、ホームエージェントがモバイルルータ7000に対して委譲可能なプリフィックスを有していないことを意味している。この場合、モバイルルータ7000は、ステップS8400及びステップS8800に示されるように、defaultPrefix7023のリストを使用する。また、モバイルルータ7000が、BA−OKメッセージを受信した場合には、ステップS8500に示されているように、モバイルルータ7000は、プリフィックスの委譲の待機ループに入る(ステップS8500:プリフィックスの委譲を待機)。そして、プリフィックスの委譲が所定のタイムアウト値(例えば、暗黙モードのBUメッセージに設定される短いライフタイム値と等しい値を使用することが可能である)を経過する前に到着しなかった場合には、ステップS8600に進み、カウンタnumImBU7021をインクリメントして、再度、ステップS8000に戻る。また、プリフィックスが委譲された場合(プリフィックスを受信した場合)には、ステップS8700に示されるように、委譲されたプリフィックスをactualPrefix7024のリストに格納して(ステップS8700:プリフィックスをactualPrefix(7024)に格納)、その後の明示モードのBUメッセージの送信(ステップS8800:actualPrefix(7024)のプリフィックスを用いて、明示モードのBUを送信)の際に使用する。
以上のように、本発明の第2の実施の形態において開示される装置及び方法によれば、モバイルルータは、ホームエージェントが委譲可能なプリフィックスを有しているか否かの確認をまず行うことによって、双方向トンネルの詳細な確立処理を行うことが可能となる。また、ホームエージェントからプリフィックスが委譲されない場合には、モバイルルータは、デフォルトのプリフィックスのセットを使えるようにすることが可能となる。
本発明に係る装置及び方法は、モバイルネットワークにおける動的ルーティングの動作及びエラーチェックに係る処理を確実に行えるようにするという効果を有し、モバイルネットワーク技術に適用可能であり、特に、モバイルIPを利用したモバイルネットワークにおいて、モバイルルータとホームエージェントとの間の双方向トンネル上における動的ルーティングに係る技術に適用可能である。
本発明の実施の形態において、ホームエージェントの構成を示す図 本発明の実施の形態において、暫定承認技術の考え方を例示するためのメッセージ交換シーケンスの一例を示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータから新たに受信したバインディングアップデートメッセージに係る処理を行う際に、ホームエージェントによって使用される一般的なアルゴリズムを示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータから新たに受信した暗黙モードのバインディングアップデートメッセージに係る処理を行う際に、ホームエージェントによって使用されるアルゴリズムを示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータから新たに受信した明示モードのバインディングアップデートメッセージに係る処理を行う際に、ホームエージェントによって使用されるアルゴリズムを示す図 本発明の実施の形態において、暫定承認技術を用いた場合のホームエージェントとモバイルルータとの間における様々なメッセージ交換シーケンスの一例を示す図 本発明の実施の形態において、モバイルルータの構成を示す図 本発明の実施の形態において、ホームエージェントに対して、バインディングアップデートを送信する際に、モバイルルータによって使用されるアルゴリズムを示す図

Claims (17)

  1. パケット交換データネットワークにおいて、モバイルルータのホームエージェントとして機能する通信ノードであって、前記ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記通信ノード内で使用される装置であって、
    すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、
    物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、
    登録されているモバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとのバインディングを保持するとともに、登録されている前記モバイルルータのアドレスのバインディングに関連するデータパケットを前記入力パケット処理部から受信して、前記データパケットの処理を行うバインディングマネージャと、
    ルーティング情報を保持し、前記入力パケット処理部によって受信したルーティングアップデートメッセージの処理を行うルートマネージャと、
    ホームエージェント及びすべての正当なモバイルルータのユーザに関するコンフィギュレーション情報を供給するコンフィギュレーションインターフェイスと、
    他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを、
    有する装置。
  2. 前記コンフィギュレーションインターフェイスは、システム起動中に、補助記憶装置からコンフィギュレーション情報を読み込み、前記コンフィギュレーション情報に係る変更が検出された場合に前記コンフィギュレーション情報の再読み込みを行う請求項1に記載の装置。
  3. 前記コンフィギュレーションインターフェイスは、管理者によってリアルタイムに行われるコンフィギュレーションパラメータの調整に係る入力に基づいてコンフィギュレーション情報の検索を行う請求項1に記載の装置。
  4. 前記コンフィギュレーションインターフェイスは、リモートのデータベースからコンフィギュレーション情報を読み込む請求項1に記載の装置。
  5. 前記コンフィギュレーションインターフェイスは、他の構成要素からコンフィギュレーションパラメータに係る問い合わせを受けた場合に、リモートのデータベースに対して問い合わせを行い、前記リモートのデータベースから前記コンフィギュレーション情報を取得して、前記問い合わせを行った前記他の構成要素に対して、前記コンフィギュレーション情報を返信する請求項1に記載の装置。
  6. 前記コンフィギュレーションインターフェイスが、下記の前記ホームエージェントに関するコンフィギュレーションパラメータの特定のセットを提供する請求項1に記載の装置:
    (i)ホームから離れている前記モバイルルータにおいて、動的ルーティングプロトコルが利用可能か否かを示す情報;
    (ii)バインディングキャッシュエントリのライフタイムの最大値;
    (iii)ルーティングテーブルエントリのライフタイムの最大値;
    (iv)ホームから離れている前記モバイルルータによって、前記動的ルーティングプロトコルに係る動作が行われるか否かが不明の場合に使用されるバインディングキャッシュエントリのライフタイム;
    (v)ホームから離れている前記モバイルルータによって、前記動的ルーティングプロトコルに係る動作が行われるか否かが不明の場合におけるバインディングアップデートメッセージの最大受信可能数。
  7. 前記コンフィギュレーションインターフェイスが、前記ホームエージェントの正当なユーザであるモバイルルータのそれぞれに対して、下記のコンフィギュレーションパラメータの特定のセットを提供する請求項1に記載の装置:
    (i)前記モバイルルータのセキュリティ関係の情報;
    (ii)特定の前記モバイルルータが、動的ルーティングプロトコルを動作させるための認可を受けているか否かを示す情報;
    (iii)モバイルルータが動作させるための認可を受けている前記動的ルーティングプロトコルのタイプ;
    (iv)前記モバイルルータに関連付けられているデフォルトのネットワークプリフィックスのセット;
    (v)モバイルルータに対して、正当に関連付けを行うことができるネットワークプリフィックスの範囲;
    (vi)バインディングアップデートメッセージに含まれるプリフィックス情報が、モバイルルータから送信されるルーティング情報と競合しているか、又は、矛盾している場合に行われるデフォルトの動作を示す情報。
  8. 前記バインディングマネージャが、登録されている各モバイルルータに関する下記の情報をさらに保持している請求項1に記載の装置:
    (i)前記モバイルルータのホームアドレス;
    (ii)前記モバイルルータの気付アドレス;
    (iii)前記モバイルルータから受信した成功を示す最後のバインディングアップデートメッセージのモード;
    (iv)当該情報のセットの有効期間が切れる時間;
    (v)成功を示す最後のバインディングアップデートメッセージに含まれるプリフィックス情報;
    (vi)前記モバイルルータによって、前記動的ルーティングプロトコルに係る動作が行われるか否かが不明の場合に、前記モバイルルータから受信するバインディングアップデートメッセージの数。
  9. 前記バインディングマネージャは、モバイルネットワークのプリフィックスを明らかに指定しないモバイルルータであり、かつ、デフォルトのネットワークプリフィックスを持たない前記モバイルルータからのバインディングアップデートを暫定的に受け入れるとともに、バインディングアクノレッジメントにおいて短いライフタイム値を設定することによって、前記モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを動作させるのを待機し、最初のバインディングアップデートを受信してから所定の期間経過後に、前記モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを使ったプリフィックス情報の送信に失敗した場合には、その後のバインディングアップデートを拒絶する請求項1に記載の装置。
  10. 前記バインディングマネージャは、1つ又は複数のモバイルネットワークのプリフィックスを明らかに指定するモバイルルータからのバインディングアップデートを暫定的に受け入れるとともに、バインディングアクノレッジメントにおいて短いライフタイム値を設定することによって、前記モバイルルータが動的ルーティングプロトコルを動作させるのを待機し、明らかに指定された前記プリフィックスのいずれか1つが、動的ルーティングプロトコルを動作させているモバイルルータから送信されたルーティングアップデートメッセージによって導入されたルートと競合する場合には、その後のバインディングアップデートを拒絶し、最初のバインディングアップデートを受信してから所定の期間経過後に競合がない場合には、通常のライフタイム値が設定されたその後のバインディングアップデートを受け入れる請求項1に記載の装置。
  11. パケット交換データネットワークにおいて、モバイルルータのホームエージェントとして機能する通信ノードであって、前記ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記通信ノード内で使用される装置であって、すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、登録されているモバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとのバインディングを保持するとともに、登録されている前記モバイルルータのアドレスのバインディングに関連するデータパケットを前記入力パケット処理部から受信して、前記データパケットの処理を行うバインディングマネージャと、ルーティング情報を保持し、前記入力パケット処理部によって受信したルーティングアップデートメッセージの処理を行うルートマネージャと、ホームエージェント及びすべての正当なモバイルルータのユーザに関するコンフィギュレーション情報を供給するコンフィギュレーションインターフェイスと、他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを有する装置を含む前記モバイルルータの前記ホームエージェントが受信したバインディングアップデートメッセージの処理を行うための方法であり、前記モバイルネットワークのプリフィックス情報が含まれない場合の前記バインディングアップデートメッセージの処理方法であって、
    前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているか否かをチェックするステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されておらず、前記モバイルルータに関連付けられるデフォルトのネットワークプリフィックスが存在しない場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを返信するステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されておらず、前記モバイルルータに関連付けられる1つ又は複数のデフォルトのネットワークプリフィックスが存在する場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信して、前記バインディングマネージャ内のバインディング情報を更新し、前記ルートマネージャ内のデフォルトのネットワークプリフィックスにルートを設定するステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されている場合には、前記モバイルルータがルーティングアップデートメッセージを既に送信しているか否かをルートマネージャに確認するステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されており、前記モバイルルータがルーティングアップデートメッセージを送信している場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて前記バインディング情報の更新が行われるステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータからの前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数よりも小さい場合には、短いライフタイム値が設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて前記バインディング情報の更新が行われるステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータからの前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数以上の場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャ内の前記バインディング情報の削除が行われるステップとを、
    有する方法。
  12. パケット交換データネットワークにおいて、モバイルルータのホームエージェントとして機能する通信ノードであって、前記ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記通信ノード内で使用される装置であって、すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、登録されているモバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとのバインディングを保持するとともに、登録されている前記モバイルルータのアドレスのバインディングに関連するデータパケットを前記入力パケット処理部から受信して、前記データパケットの処理を行うバインディングマネージャと、ルーティング情報を保持し、前記入力パケット処理部によって受信したルーティングアップデートメッセージの処理を行うルートマネージャと、ホームエージェント及びすべての正当なモバイルルータのユーザに関するコンフィギュレーション情報を供給するコンフィギュレーションインターフェイスと、他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを有する装置を含む前記モバイルルータの前記ホームエージェントが前記モバイルルータから受信したバインディングアップデートメッセージの処理を行うための方法であり、1つ又は複数の前記モバイルネットワークのプリフィックス情報が含まれ、前記モバイルルータが動作させる動的ルーティングプロトコルによって導入されたルートとの競合がある場合の前記バインディングアップデートメッセージの処理方法であって、
    前記モバイルルータの前記コンフィギュレーション情報におけるエラー処理の構成をチェックするステップと、
    前記エラー処理によって、前記双方向トンネルが破棄される場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を削除し、前記ルートマネージャから、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを削除するステップと、
    前記エラー処理によって、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックスが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記モバイルルータに関連する前記バインディング情報を更新するステップと、
    前記エラー処理によって、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックスが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われる場合には、前記プリフィックスが無視される旨を通知する特別なオプションが設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記モバイルルータに関連する前記バインディング情報を更新するステップと、
    前記エラー処理によって、使用する動的ルーティングプロトコルで導入されるルートが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を更新し、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記エラー処理によって、使用する動的ルーティングプロトコルで導入されるルートが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われる場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を更新し、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入し、動的ルーティングプロトコルを用いて、ルートの変更を前記モバイルルータに通知するよう前記ルートマネージャに指示を行なうステップとを、
    有する方法。
  13. パケット交換データネットワークにおいて、モバイルルータのホームエージェントとして機能する通信ノードであって、前記ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記通信ノード内で使用される装置であって、すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、登録されているモバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとのバインディングを保持するとともに、登録されている前記モバイルルータのアドレスのバインディングに関連するデータパケットを前記入力パケット処理部から受信して、前記データパケットの処理を行うバインディングマネージャと、ルーティング情報を保持し、前記入力パケット処理部によって受信したルーティングアップデートメッセージの処理を行うルートマネージャと、ホームエージェント及びすべての正当なモバイルルータのユーザに関するコンフィギュレーション情報を供給するコンフィギュレーションインターフェイスと、他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを有する装置を含む前記モバイルルータの前記ホームエージェントが前記モバイルルータから受信したバインディングアップデートメッセージの処理を行うための方法であり、1つ又は複数の前記モバイルネットワークのプリフィックス情報が含まれる前記バインディングアップデートメッセージの処理方法であって、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が無効である場合には、否定的なバインディングアップデートを返信し、バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を削除するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されていない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されている場合には、前記モバイルルータが既にルーティングアップデートメッセージを送信しているか否かを前記ルートマネージャに確認させるステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、前記ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータから受信した前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数よりも小さい場合には、短いライフタイム値が設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、前記ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータから受信した前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数以上の場合には、通常のライフタイム値が設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、前記ルーティングアップデートメッセージを既に送信している場合には、前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が、ルーティングアップデートメッセージを介して前記モバイルルータによって導入されたルートと競合しているか否かを前記ルートマネージャにチェックさせるステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、かつ、前記ルーティングアップデートメッセージを介して前記モバイルルータによって導入されたルートと競合していない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であるが、前記ルーティングアップデートメッセージを介して前記モバイルルータによって導入されたルートと競合している場合には、
    前記モバイルルータの前記コンフィギュレーション情報におけるエラー処理の構成をチェックするステップと、
    前記エラー処理によって、前記双方向トンネルが破棄される場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を削除し、前記ルートマネージャから、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを削除するステップと、
    前記エラー処理によって、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックスが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記モバイルルータに関連する前記バインディング情報を更新するステップと、
    前記エラー処理によって、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックスが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われる場合には、前記プリフィックスが無視される旨を通知する特別なオプションが設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記モバイルルータに関連する前記バインディング情報を更新するステップと、
    前記エラー処理によって、使用する動的ルーティングプロトコルで導入されるルートが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を更新し、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記エラー処理によって、使用する動的ルーティングプロトコルで導入されるルートが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われる場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を更新し、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入し、動的ルーティングプロトコルを用いて、ルートの変更を前記モバイルルータに通知するよう前記ルートマネージャに指示を行なうステップとを、
    有する方法を実行するステップとを、
    有する方法。
  14. パケット交換データネットワークにおいて、モバイルルータのホームエージェントとして機能する通信ノードであって、前記ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記通信ノード内で使用される装置であって、すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、登録されているモバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとのバインディングを保持するとともに、登録されている前記モバイルルータのアドレスのバインディングに関連するデータパケットを前記入力パケット処理部から受信して、前記データパケットの処理を行うバインディングマネージャと、ルーティング情報を保持し、前記入力パケット処理部によって受信したルーティングアップデートメッセージの処理を行うルートマネージャと、ホームエージェント及びすべての正当なモバイルルータのユーザに関するコンフィギュレーション情報を供給するコンフィギュレーションインターフェイスと、他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを有する装置を含む前記モバイルルータの前記ホームエージェントが前記モバイルルータから受信したバインディングアップデートメッセージの処理を行うための方法であって、
    前記モバイルルータが、前記ホームエージェントの正式なユーザであるか否かを確認して、前記モバイルユーザが妥当なユーザではない場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを返信するステップと、
    前記モバイルルータが、前記ホームエージェントの正式なユーザであり、前記バインディングアップデートメッセージのライフタイムフィールドがゼロの場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を削除し、前記ルートマネージャにおいて、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除するステップと、
    前記モバイルルータが、前記ホームエージェントの正式なユーザであり、前記バインディングアップデートメッセージのライフタイムフィールドがゼロではない場合、バインディングアップデートメッセージにネットワークプリフィックス情報が含まれていない場合には、
    前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているか否かをチェックするステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されておらず、前記モバイルルータに関連付けられるデフォルトのネットワークプリフィックスが存在しない場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを返信するステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されておらず、前記モバイルルータに関連付けられる1つ又は複数のデフォルトのネットワークプリフィックスが存在する場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信して、前記バインディングマネージャ内のバインディング情報を更新し、前記ルートマネージャ内のデフォルトのネットワークプリフィックスにルートを設定するステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されている場合には、前記モバイルルータがルーティングアップデートメッセージを既に送信しているか否かをルートマネージャに確認するステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されており、前記モバイルルータがルーティングアップデートメッセージを送信している場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて前記バインディング情報の更新が行われるステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータからの前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数よりも小さい場合には、短いライフタイム値が設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて前記バインディング情報の更新が行われるステップと、
    前記モバイルルータによる前記動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータからの前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数以上の場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャ内の前記バインディング情報の削除が行われるステップとを、
    有する方法を使用してバインディングアップデートメッセージを処理するステップと、
    前記モバイルルータが、前記ホームエージェントの正式なユーザであり、前記バインディングアップデートメッセージのライフタイムフィールドがゼロではない場合、バインディングアップデートメッセージに1つ又は複数のネットワークプリフィックス情報が含まれている場合には、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が無効である場合には、否定的なバインディングアップデートを返信し、バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を削除するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されていない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されている場合には、前記モバイルルータが既にルーティングアップデートメッセージを送信しているか否かを前記ルートマネージャに確認させるステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、前記ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータから受信した前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数よりも小さい場合には、短いライフタイム値が設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータによる動的ルーティングプロトコルの動作が認可されているが、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、前記ルーティングアップデートメッセージをまだ送信しておらず、前記モバイルルータから受信した前記バインディングアップデートメッセージの回数が所定の正の数以上の場合には、通常のライフタイム値が設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信するとともに、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、前記モバイルルータが前記ホームエージェントに対して、前記ルーティングアップデートメッセージを既に送信している場合には、前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が、ルーティングアップデートメッセージを介して前記モバイルルータによって導入されたルートと競合しているか否かを前記ルートマネージャにチェックさせるステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であり、かつ、前記ルーティングアップデートメッセージを介して前記モバイルルータによって導入されたルートと競合していない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを返信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記バインディング情報を更新し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記バインディングアップデートメッセージ内のプリフィックス情報が有効であるが、前記ルーティングアップデートメッセージを介して前記モバイルルータによって導入されたルートと競合している場合には、
    前記モバイルルータの前記コンフィギュレーション情報におけるエラー処理の構成をチェックするステップと、
    前記エラー処理によって、前記双方向トンネルが破棄される場合には、否定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を削除し、前記ルートマネージャから、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを削除するステップと、
    前記エラー処理によって、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックスが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記モバイルルータに関連する前記バインディング情報を更新するステップと、
    前記エラー処理によって、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックスが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われる場合には、前記プリフィックスが無視される旨を通知する特別なオプションが設定された肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記モバイルルータに関連する前記バインディング情報を更新するステップと、
    前記エラー処理によって、使用する動的ルーティングプロトコルで導入されるルートが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われない場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を更新し、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入するステップと、
    前記エラー処理によって、使用する動的ルーティングプロトコルで導入されるルートが無視され、かつ、無視された旨の通知が行われる場合には、肯定的なバインディングアクノレッジメントを前記モバイルルータに送信し、前記バインディングマネージャにおいて、前記モバイルルータに関連するバインディング情報を更新し、前記モバイルルータによって導入されたすべてのルートを前記モバイルルータから削除し、前記バインディングアップデートメッセージに記載されているプリフィックス情報に基づくルートを前記ルートマネージャに導入し、動的ルーティングプロトコルを用いて、ルートの変更を前記モバイルルータに通知するよう前記ルートマネージャに指示を行なうステップとを有する方法を実行するステップとを、
    有する方法を使用してバインディングアップデートメッセージを処理するステップとを、
    有する方法。
  15. パケット交換データネットワークにおけるモバイルルータであって、ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記モバイルルータ内で使用される装置であって、
    すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、
    物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、
    前記双方向トンネルを通じて転送されるパケットのカプセル化処理、バインディングアップデートメッセージのパケットの送信処理、バインディングアクノレッジメントメッセージのパケットの受信処理を含むプロトコルに関連したパケット処理を行うネットワークモビリティプロトコルユニットと、
    他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを、
    有する装置。
  16. 前記ネットワークモビリティプロトコルユニットが、下記のデータを保持するためのメモリ領域を有する請求項15に記載の装置:
    (i)前記モバイルルータが、そのホームエージェントに対して送信した、プリフィックス情報を含まない前記バインディングアップデートメッセージの数を格納するためのカウンタ;
    (ii)前記プリフィックス情報を含まない前記バインディングアップデートメッセージの最大数を与える定数;
    (iii)前記モバイルルータが、そのホームエージェントによって委譲されたプリフィックスを取得できなかった場合に使用される、モバイルネットワークのプリフィックスのデフォルトリスト;
    (iv)前記モバイルルータが現在の双方向トンネルセッションに使用しているモバイルネットワークのプリフィックスの現在のリスト。
  17. パケット交換データネットワークにおいて、モバイルルータのホームエージェントとして機能する通信ノードであって、前記ホームエージェントと前記モバイルルータとの間で双方向トンネルが確立され、前記モバイルルータの配下に存在するモバイルネットワークに送信されるパケットが、前記ホームエージェントによって、前記双方向トンネルを通じて前記モバイルルータに転送される一方、前記モバイルネットワークのノードから送信されるパケットが、前記モバイルルータによって前記双方向トンネルを通じて前記ホームエージェントに転送され、さらに適切な送信先に送られるように構成されている前記通信ノード内で使用される装置であって、すべての入力パケットに対して、標準ネットワークプロトコル処理を行い、前記入力パケットのタイプが特定された場合に、パケットを他の処理部に渡す入力パケット処理部と、物理的な媒体にパケットを送信する前に必要なすべての処理を行う出力パケット処理部と、登録されているモバイルノードのホームアドレスと気付アドレスとのバインディングを保持するとともに、登録されている前記モバイルルータのアドレスのバインディングに関連するデータパケットを前記入力パケット処理部から受信して、前記データパケットの処理を行うバインディングマネージャと、ルーティング情報を保持し、前記入力パケット処理部によって受信したルーティングアップデートメッセージの処理を行うルートマネージャと、ホームエージェント及びすべての正当なモバイルルータのユーザに関するコンフィギュレーション情報を供給するコンフィギュレーションインターフェイスと、他のノードへのパケットのルーティングに係る処理を行う転送ユニットとを有する装置を含む前記モバイルルータから、双方向トンネルをセットアップするための方法であって、
    プリフィックス情報を含まずに送信されたバインディングアップデートメッセージの総数が所定の最大値より少ない場合には、短いライフタイム値が設定され、プリフィックス情報を含まないバインディングアップデートメッセージを前記ホームエージェントに送信するステップと、
    プリフィックス情報を含まずに送信されたバインディングアップデートメッセージの総数が所定の最大値以上の場合には、デフォルトのプリフィックス情報を含むバインディングアップデートメッセージを前記ホームエージェントに送信するステップと、
    前記ホームエージェントが、以前に受信したプリフィックス情報を含まないバインディングアップデートメッセージを拒絶した場合には、デフォルトのプリフィックス情報を含むバインディングアップデートメッセージを前記ホームエージェントに送信するステップと、
    前記モバイルルータが前記ホームエージェントから受信したプリフィックス情報を含むバインディングアップデートメッセージを前記ホームエージェントに送信するステップとを、
    有する方法。
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