JPWO2005021703A1 - 微生物の培養装置、培養装置への袋の挿入方法 - Google Patents

微生物の培養装置、培養装置への袋の挿入方法 Download PDF

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Abstract

本発明の培養装置は、雑菌繁殖が起こり難く、同じ培養空間を繰り返し形成することが容易である。培養装置の容器として透明な袋(H)を用いる。気体導入管(J)と気体供給管(L1,L2)を、袋(H)の中に配置する。この袋(H)を箱体内に入れ、この箱体により、培養液を入れた状態で袋(H)を略直方体の形状に保持する。箱体は、平たい直方体の骨組みを形成する枠体と、その正面および背面に着脱自在に固定される透明な平板とで構成する。

Description

本発明は微生物の培養装置に関する。
微生物の培養装置の従来技術としては、下記の特許文献1〜4に記載されたものが挙げられる。
特許文献1(国際公開第99/50384号パンフレット)には、培養液を入れる容器を密閉式のドーム形状とし、この容器に炭酸ガスの導入部と培養液の排出部を設けた培養装置が記載されている。
特許文献2(特開平10−150974号公報)には、光透過性材料からなる1対の板材(側面材)が2cm以下の間隔(ライトパス)で配置された平たい箱体を、培養槽として使用することが記載されている。この培養槽の上部は蓋で塞がれて、シールにより密封されている。また、培養槽の下側から供給された気体が上側から排出される構造になっている。
特許文献3(特開2000−139444号公報)には、対をなす透明板と枠状の支持部材とからなる培養装置が記載されている。この培養装置は、対をなす透明板を所定間隔で平行に配置し、その周縁部に支持部材を固定することで、両透明板の周縁部が支持部材により密封状態となっている。そして、この支持部材の内部に、培養液の供給流路および排出流路と、温度調整水の供給流路および排出流路が形成され、培養液にガスを供給するガス供給管が、培養液の供給流路内に配置されている。また、透明板の周縁部と支持部材との固定方法として、ねじ止めまたはクランプを用いた方法が記載されている。
さらに、この特許文献3には、培養装置の底面を水平ではなく、幅方向(一対の透明板で形成される間隔)の中央部に向けて下向き傾斜した、一対の斜面状に形成し、この中央部からガスを供給することが記載されている。また、その実施形態として、一対の斜面で形成される底面の下端部に、培養液の供給流路を設け、この供給流路内にガス供給管を配置することが記載されている。これにより、ガスの供給を止めた時に沈降した藻類を、前記中央部に集まり易くして、再びガスの供給を始めた時に藻類が浮上し易いようにしている。
特許文献4(特開平6−209757号公報)には、ポリエチレン等の材料で作られた透明な可撓性の培養セルが垂直支持部材によって支持され、前記培養セルから回収されたバイオマスを搬送させる搬送手段を備えた微生物成長装置が記載されている。また、この文献に記載された好ましい実施例の培養セルでは、横断面が楕円形状である多数の培養空間が、楕円の長軸方向に沿って配置されている。さらに、この培養セルを、二枚のポリエチレン板を向かい合わせて溶接して形成することが記載されている。
ところで、微生物の培養を効率よく行うためには、培養槽内を定期的に洗浄し、培養槽に付着した微生物や雑菌やゴミ等を除去することにより、光量不足防止や雑菌の繁殖を防止する必要がある。しかしながら、上記従来技術(特許文献1乃至4に記載された培養装置)には、培養槽内の清掃のしやすさという点で改善の余地がある。特に、特許文献3に記載された培養装置は、構造が複雑であるため、そのまま洗浄するのは難しく、分解洗浄するとしても、部材の接合面が多数存在するため煩雑である。
また、特許文献4には、培養セルの洗浄方法についての記載がなく、培養セルを洗浄す
ることは想定されていない。そして、特許文献4の微生物成長装置は、可撓性の培養セルが垂直支持部材によって支持されているため、洗浄毎に分解組み立てを行う場合、均一な培養空間を毎回同一に形成することは難しい。
本発明の課題は、培養液の雑菌繁殖が抑制でき、同じ培養空間を繰り返し形成することができる培養装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、微生物と、前記微生物を培養するための培養液と、前記培養液を入れる容器と、前記容器を収める支持体を備え、前記容器は、前記支持体に支持されて所定の形状に保持されていることを特徴とする培養装置を提供する。
この培養装置によれば、培養液を容器に入れて支持体で支持するようにしたことにより、支持体(例えば箱体)を洗うことなく、容器を交換することによって培養作業の1サイクルを終了できる。すなわち、培養装置の洗浄作業を容器の交換作業に置き換えることができるので省力化できる。また、培養装置の支持体を毎回洗浄する必要はないため、洗浄液を削減することができる。また、培養装置の支持体を水密構造にする必要がなく容器だけを水密構造にすればよいので、培養装置のコストを低減できる。
また、前記容器は、前記支持体に支持されて所定の形状に保持されることにより一定の形状となるため、分解、組立を繰り返しても同じ培養空間で微生物の培養が可能となる。これにより、同じ培養条件で操業できるため、工業生産用の培養装置として好適である。
さらに、容器を袋とすると、袋は不定形な形状であるので、支持体からの出し入れに伴う容器交換作業の省力化が可能である。
本願の請求項2に係る発明は、前記支持体は、前記容器を所定の形状に保持するために底面を形成する底部とその側面を形成する側板を有し、前記側板と前記容器は、透明な部分があり、前記側板の透明な部分と前記容器の透明な部分がそれぞれ重なっていることを特徴とする請求項1記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、側板の透明な部分と容器の透明な部分が重なっている部分から培養液に光が入射するため、光合成により増殖する微生物の培養に使用することができる。また、培養液中の微生物の状態を、前記透明な部分より観察することができる。
本願の請求項3に係る発明は、前記側板は平板で形成され、一対の平板同士が少なくとも一組以上面対向することを特徴とする請求項2記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、側板の平板同士が面対向することによって、ライトパスが一定に保たれ、培養装置内の入光状態が均一となり、より高効率で均一な培養条件にて培養することができる。
本願の請求項4に係る発明は、前記支持体は、その側面を形成する側板と前記側板を支持する枠体を備え、前記側板は、前記側板の端部に前記枠体と係合するための取り付け部を有し、前記枠体に対して脱着可能に固定されていることを特徴とする請求項1記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、枠体と側板が脱着可能に固定されていることにより、側板と枠体の係合を解除すれば容易に側板を外すことができるため、洗浄作業が容易にできる。組み立て作業も同様に容易になる。例えば、培養液の温度を調整する目的で側板に水を掛けることで、側板に水垢が付いたり粉塵等が付着すると、側板の透過率が低下して光量が不足する場合があるが、この場合でも、培養装置すべてを分解しないで十分な洗浄を行うことができる。
本願の請求項5に係る発明は、鉛直方向に配置され前記枠体に両端を固定された支柱と
、前記支柱の外側に前記支柱と平行に配置された押さえ部材とを有し、前記押さえ部材は、前記支柱との間に側板を挟んで前記側板を押さえ、前記押さえ部材を前記支柱に対して固定することを特徴とする請求項4記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、押さえ部材全面で側板の取り付け部を押さえることができるので、より強固に側板を枠体と締結できる。
本願の請求項6に係る発明は、前記側板は前記枠体の長手方向に配置された複数の平板からなり、前記平板が前記長手方向で前記支柱を介して連結され、一つの押さえ部材により隣り合う二枚の平板の端部が一つの支柱に固定されていることを特徴とする請求項5記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、一つの押さえ部材により隣り合う二枚の平板の端部が一つの支柱に固定されるため、押さえ部材および支柱の個数を少なくすることができるとともに、各平板毎に支柱を設けた場合よりも省スペース化が図れる。また、側板が複数の平板からなるため、一枚の重量を軽くできる。よって、培養装置のメンテナンスに必要な分解による清掃作業性や組立性が向上する。さらに、一つの枠体内に複数の培養空間を並列に配置できるため、限られたスペースで大量生産と多品種少量生産の両方を行うことができるようになる。
本願の請求項7に係る発明は、前記容器内に、培養液に気体を導入する気体導入管を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、気体導入管を容器内に設置することによって、溶存ガス量を高くすることができ、高密度かつ高効率な培養ができる。さらに、容器を袋とした場合、培養液を入れた袋が支持体に支持されて所定の形状に保持されることによって、袋内の培養液の気体分散状態が良好になる。
本願の請求項8に係る発明は、前記側板は、前記取り付け部と前記枠体との固定が解除された状態で、底部側における前記側板の端部を支点として回転自在に支持されていることを特徴とする請求項4記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、前記側板の底部側端部を支点として回転自在に支持しされていることにより、枠体と側板との間隔を容易に広げられるため、枠体を分解することなく、側板の洗浄作業が容易にできる。また、枠体の組み立て作業も不要になる。
本願の請求項9に係る発明は、前記側板は、枠体上部側における前記側板の端部と前記枠体上部をワイヤーで繋ぐことを特徴とする請求項8記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、側板と枠体をワイヤーで繋ぐことによって、開き過ぎや急激な回動によるガラス破損を防止することができる。
本願の請求項10に係る発明は、底部に前記側板の回動範囲を規制するためのストッパーを備えたことを特徴とする請求項8記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、ストッパーをつけることによって、開き過ぎや急激な回動によるガラス破損を防止することができる。
本願の請求項11に係る発明は、前記取り付け部と前記枠体との固定が解除された状態で前記枠体と前記側板は相対移動可能であり、この相対移動により、前記枠体上部と前記枠体上部側における前記側板の端部との間に隙間が生じることを特徴とする請求項4記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、培養装置の上部で枠体と側板との間に隙間が生じるため、培養装置の上部から清掃用道具を挿入して側板を洗浄する動作が容易にでき、側板の洗浄作業が容易にできる。また、従来の培養装置では、培養装置の上部を大きく開くために枠体を分解する必要があるが、本発明の培養装置ではその必要がない。
本願の請求項12に係る発明は、微生物を培養液中で培養する培養装置であって、培養空間を形成するための側面を形成する側板と、培養液を入れるため前記培養装置の底を形成する底部を有し、前記底部は、幅方向中央部に向かって鉛直下向きになる凸状に形成され、前記凸状に形成された部分の下端で前記底部の上部に、培養液へ気体を導入する気体導入管を配置することを特徴とする培養装置を提供する。
この培養装置によれば、前記凸状部の下端であって前記底部の上部となる位置に、培養液へ気体を供給する気体導入管を設けたので、凸状部に集まった微生物がその最下部へ集まり、さらに底部全体へ沈降しても、流路全体が微生物で埋まらなければ、培養液へ気体が出る流路が詰まることはない。また、一時的に気体供給を止めたときに沈降した微生物が、再度の気体供給時に、底部と側面との角部に留まらずに浮上し易くなる。
これに対して、前記凸状部の下端であって前記底部の下部となる位置に、培養液へ気体を導入する気体導入管を設けた場合には、底板の傾斜により沈殿して集まってきた微生物が最下部へ集まって層を形成すると、少量であっても培養液へ気体が出る流路が詰まる可能性がある。
本願の請求項13に係る発明は、前記気体導入管の断面円の全周に渡って孔が形成されていることを特徴とする請求項12記載の培養装置を提供する。
この培養装置によれば、前記気体導入管の断面円の全周に渡って孔が形成されているため、前記断面円の周方向の一部に孔が形成されているものと比較して、一つの孔当たりのガス流量が少なくなるため、気泡の再結合が抑制でき微細な気泡が維持できる。また、孔径を小さくすることで気泡粒径を小さくできる。
したがって、微細な気泡が安定して得られ、気体単位体積当たりの気泡表面積が大きくなる。そのため、酸素や二酸化炭素等有用ガス成分が、培養液中へ拡散する速度が向上する。よって、微生物の生育に必要な溶存酸素量や溶存二酸化炭素量を容易に確保できる。
さらに、微生物がより大量に気泡表面に吸着することで、微生物が重力による沈降に抗して培養液上部に運搬されるため、微生物を培養空間に均一に分散させることが低流量で実現できる。また、通気流量を低くすることで製造コストが低減できるため、本発明の培養装置を使用することにより、微生物の培養を高効率且つ低コストで行うことができる。
本願の請求項14に係る発明は、前記容器は、断面円の全周に渡って微細な孔を有する気体導入管と、この気体導入管に気体を供給するための気体供給管と、を内部に有し、微生物およびその培養液を入れるための開口部を一カ所にだけ有し、前記気体供給管の一端は前記気体導入管に接続され、前記気体供給管の他端は前記開口部から外部に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の培養装置を提供する。
本願の請求項15に係る発明は、前記容器は、長辺と短辺とからなる長方形の袋であり、前記開口部は、前記長方形の短辺の一端部に配置され、前記気体導入管は、前記長方形の短辺の他端部に、この長方形の長辺に沿って配置され、前記開口部が配置された側の長辺部に沿って、軸を通す通軸部が設けてある請求項14記載の培養装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、微生物およびその培養液を入れる容器と、この容器内の培養液に気体を導入する気体導入管と、を備えた微生物の培養装置において、前記容器は袋であり、前記気体導入管は前記袋の中に配置され、前記袋は支持体に支持されて所定形状に保持されていることを特徴とする培養装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、微生物およびその培養液を入れる容器と、この容器内の培養液に気体を導入する気体導入管と、を備えた微生物の培養装置において、前記容器は透明な袋であり、前記気体導入管は前記袋の中に配置され、前記袋は、培養液を入れた状態で支持体に支持されて略直方体の形状に保持され、前記支持体は、前記直方体
をなす二対の鉛直面を構成する第1および第2の鉛直面部材を有し、前記第1の鉛直面部材間の距離は前記第2の鉛直面部材間の距離より小さく、前記第1の鉛直面部材は透明な部材からなることを特徴とする培養装置を提供する。
本発明の培養装置によれば、容器を袋で構成しているため、容器を使い捨てにすることが可能である。したがって、培養を一回行う毎に培養装置の容器内を洗浄することが省略できる。また、密封された袋を用意することは、密封された箱体を用意することよりも容易で低コストであり、袋を支持する支持体は密封状態にする必要がないため、本発明の培養装置は製造コストを低くできる。また、袋と前記第1の鉛直面部材を透明にしたことにより、光合成により培養される微生物用の培養装置として使用可能になる。
本発明の培養装置において、第1の鉛直面部材は透明な平板からなることが好ましい。これによれば、第1の鉛直面部材が網や格子板からなる場合よりも、ライトパスが一定に保持され易くなる。
本発明の培養装置において、前記支持体は、前記第1の鉛直面部材を構成する透明な平板と、前記直方体の上面を構成し前記第1の鉛直面部材の鉛直面に平行な一対の梁部材と、前記直方体の下面を構成する床部材と、前記第2の鉛直面部材と、で構成された枠体と、この枠体に前記平板を着脱自在に固定する固定部材と、からなる箱体であり、前記梁部材および床部材は、対をなす前記平板を所定間隔で前記枠体に係合させる係合部を有することが好ましい。
これによれば、透明度を高く保持するために洗浄を行う必要がある平板を、枠体から外して容易に洗浄することができる。また、袋を支持する支持体を枠体と平板とからなる箱体としたことにより、袋を確実に支持できるとともに、培養装置の分解および組み立てが容易にできる。
また、前記箱体が、対をなす平板を、所定間隔で枠体の梁部材および床部材に係合させて固定することにより得られるため、複数のライトパスに対応させて、前記係合部を前記梁部材および床部材の短手方向に複数個設けたり、梁部材および床部材に対する取り付け部の寸法が異なる平板を用意したりすることによって、容易にライトパスを変更できるようになる。
本発明の培養装置においては、前記第1の鉛直面部材を、前記梁部材および床部材の長手方向で分割された複数の平板により構成し、両端が前記梁部材および床部材に固定され、且つ前記長手方向で隣り合う前記平板間に配置される支柱と、この支柱に係合され、前記隣り合う平板を外側から押さえる押さえ部材と、この押さえ部材と前記支柱とを着脱自在に固定する固定部材と、により、前記複数の平板が前記長手方向で連結されていることが好ましい。
これによれば、第1の鉛直面が同じ面積である場合、第1の鉛直面に一枚の平板でなく複数の平板を配置することで、一枚の平板の面積が小さくなるため、平板の取り扱いが容易になる。
本発明の培養装置は、前記固定部材による固定を解除した状態で、前記平板の下端を中心として、前記平板が前記床部材に対して回動自在に支持されていることが好ましい。この場合、前記平板と前記梁部材を、前記回動を許容可能に線状材で接続することが好ましい。また、前記床部材に、前記平板の回動範囲を規制するストッパーを設けることが好ましい。
本発明の培養装置において、前記気体導入管は、その断面円の全周に渡って微細な孔を有し、前記対をなす平板間の床部材側の端部に底面部材を設け、この底面部材により、前記箱体の底面を、前記平板間の中央部に向けて鉛直下向きとなる凸状に形成し、この凸状
部の下端より上方に前記気体導入管を設けたことを特徴とすることが好ましい。
これによれば、前記気体導入管から微細な気泡が、上方だけでなく箱体の底面側を含む気体導入管の断面円の全周方向に向かうため、一時的に気体供給を止めた時に沈降した微生物が、再度の気体供給時に、底面と平板との角部に留まらずに浮上し易くなる。
本発明はまた、本発明の培養装置で使用される袋であって、断面円の全周に渡って微細な孔を有する気体導入管と、この気体導入管に気体を供給するための気体供給管と、を内部に有し、微生物およびその培養液を入れるための開口部を一カ所にだけ有し、前記気体供給管の一端は前記気体導入管に接続され、前記気体供給管の他端は前記開口部から外部に延びていることを特徴とする袋を提供する。
本発明の袋は、長辺と短辺とからなる長方形に形成され、前記開口部は、前記長方形の短辺の一端部に配置され、前記気体導入管は、前記長方形の短辺の他端部に、この長方形の長辺に沿って配置され、前記開口部が配置された側の長辺部に沿って、軸を通す通軸部が設けてあることが好ましい。
本発明はまた、本発明の特定の培養装置(前記支持体が、前記平板と前記枠体とで構成された箱体からなるもの)で前記支持体内に袋を入れる方法であって、本発明の袋を使用し、この袋の前記通軸部に、前記長辺より長い軸を通し、前記気体導入管をこの軸と平行に袋内の下部に配置した状態で、この軸を回転させることにより、前記袋をこの軸に、前記気体導入管が入っている部分が最も外側となるように、且つこの軸の両端が露出するように巻き付けた後、この軸と袋とからなる巻き体を、前記枠体の上方に配置し、前記軸から袋を巻き戻すことにより、この袋を前記枠体内に入れることを特徴とする培養装置への袋の挿入方法を提供する。
これによれば、本発明の前記特定の培養装置の支持体内に容易に本発明の袋を入れることができる。
本発明はまた、微生物およびその培養液を入れる容器と、この容器内の培養液に気体を導入する気体導入管と、を備えた微生物の培養装置において、前記気体導入管は、その断面円の全周に渡って微細な孔を有し、前記容器の底面を、幅方向の中央部に向けて鉛直下向きとなる凸状に形成し、この凸状部の下端より上方に前記気体導入管を設けたことを特徴とする培養装置を提供する。
これによれば、前記気体導入管から微細な気泡が、上方だけでなく箱体の底面側を含む気体導入管の断面円の全周方向に向かうため、一時的に気体供給を止めた時に沈降した微生物が、再度の気体供給時に、底面と平板との角部に留まらずに浮上し易くなる。
[図1]第1実施形態の培養装置を構成する箱体を示す正面図である。
[図2]第1実施形態の培養装置を構成する箱体を示す平面図である。
[図3]第1実施形態の培養装置を構成する箱体を示す側面図であって、図1のA矢視図に相当する。
[図4]図1のB−B断面図である。
[図5]図1のC−C断面図である。
[図6]図1のD−D断面図である。
[図7]図1の箱体から平板を外した状態を示す正面図である。
[図8]第1実施形態で使用する袋を示す正面図である。
[図9]第1実施形態の培養装置を示す図であって、袋を箱体内に入れ、この袋内に液体を入れた状態を示す、図1のE−E断面に相当する図である。
[図10]第1実施形態の培養装置を示す図であって、袋を箱体内に入れ、この袋内に液体を入れた状態を示す、図1のF−F断面に相当する図である。
[図11]図7に示す状態の枠体および支柱に、平板を取り付けた状態を示す正面図である。
[図12]第2実施形態の培養装置を構成する箱体を示す正面図である。
[図13]第2実施形態の培養装置を構成する箱体を示す平面図である。
[図14]図12のG−G断面図である。
[図15]図14の上部の部分拡大図である。
[図16]図14の下部の部分拡大図である。
[図17]図12の箱体の組み立て途中を示す正面図である。
[図18]袋の別の実施形態を示す正面図である。
[図19]袋の挿入方法を説明する斜視図である。
[図20]両梁部材の間隔を保持する方法が第1および第2実施形態とは異なる例を説明する断面図である。
符号の説明
1,10 箱体(支持体)
2 枠体
21 梁部材
22 床部材(底部)
23 側面部材(第2の鉛直面部材)
3A〜3C 平板(第1の鉛直面部材)
31 強化ガラス板(透明な平板)
32 強化ガラス板を外側から保持する枠
41 支柱
42 押さえ部材
43 ボルト
91 ヒンジ
92 ストッパー
93 ワイヤー(線状材)
H,H2 袋(容器)
H20 巻き体
K 開口部
J 気体導入管
L1,L2 気体供給管
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1〜11を用いて、本発明の第1実施形態に相当する微生物の培養装置を説明する。
この実施形態の培養装置は、培養液を入れるための容器の例として袋を備え、その袋を支持する支持体の例として箱体を備えている。
図1はこの箱体を示す正面図であり、図2はその平面図である。図3はこの箱体の側面図であって、図1のA矢視図に相当する。図4は図1のB−B断面図であり、図5は図1のC−C断面図であり、図6は図1のD−D断面図である。
図1に示すように、この箱体1は、平たい直方体の骨組みを形成する枠体2と、三対の長方形の平板(第1の鉛直面部材)3A〜3Cと、中央の平板3Aとその左右の平板3B,3Cとの連結部材(支柱41、押さえ部材42、およびボルト43)とで構成されている。この箱体1は屋外の所定位置に設置され、枠体2の下部が地面に形成された水平面120上に固定されている。
また、この実施形態の培養装置は、枠体2の上部に、温度調節水を箱体1の正面および
背面に供給する配管5を備えている。この配管5を設置するための鉤部51a,51bが、枠体2の上部に固定されている。また、この配管5から供給されて箱体1を伝って落下した水を受ける樋6が、箱体1の下部に設けてある。また、図2に示すように、この樋6で受けた水を排出する排水管61も備えている。なお、図1では、樋6の正面側を省略して、箱体1の下部を露出させている。
図1および6に示すように、平板3A〜3Cは、長方形の透明な強化ガラス板31と、その周縁部を保持するアルミ製の枠32とで構成されている。強化ガラス板31の表面には、光触媒である酸化チタン(TiO2)からなる薄膜がコーティングされている。このコーティングは、強化ガラス板31の表面の汚れを分解する目的で設けてある。
各平板3A〜3Cの枠32の上端には、枠体2と係合するための取り付け部に相当する上部接続板33aが、下端には枠体2と係合するための取り付け部に相当する下部接続板33bが連続して形成されている。また、左側の平板3Bの枠32の左端には、枠体2と係合するための取り付け部に相当する側部接続板33cが連続して形成されている。右側の平板3Cの枠32の右端には、枠体2と係合するための取り付け部に相当する側部接続板33dが連続して形成されている。
図7は、図1の箱体1から平板3A〜3Cを外した状態を示す正面図である。図8は、この実施形態で使用する袋を示す正面図である。図9および10は、この袋を箱体内に入れ、この袋内に液体を入れた状態を示す図であって、図9は図1のE−E断面図であり、図10は図1のF−F断面図である。
これらの図に示すように、枠体2は直方体であり、その上面を構成する一対の梁部材21と、水平面120上に配置され、その下面を構成する底部の例として床部材22と、直方体の左右の側面を構成する一対の側面部材(第2の鉛直面部材)23とで構成されている。また、図7に示すように、支柱41の上端および下端が枠体2に固定されている。図4に示すように、この支柱41の上部は、袋を入れるときに傷がつかないように、角部をなくした形状になっている。なお、「側板」に相当するこの実施形態の部材は、三対の長方形の平板からなる第1の鉛直面部材と、第2の鉛直面部材である。つまり、支持体は、下部を形成する底面に相当する底部と側面を形成する側板によって、培養液が入った容器を所定の形状に保持することができる。
図7および9に示すように、梁部材21は角パイプからなり、その下端に、平板3A〜3Cの上部を接続するための接続板21aが固定されている。図9に示すように、この接続板21aに、平板3A〜3Cの上部接続板33aが、ボルト213およびナット214により固定される。すなわち、この接続板21aが、梁部材に設けた係合部(対をなす平板を所定間隔で枠体に係合させる係合部)に相当する。
なお、図9の符号「34」は、平板3A〜3Cの強化ガラス板31の上側周縁部を、内側から保持する部材であって、袋Hに傷をつけないように角部をなくした形状になっている。また、符号「35」は、枠32と強化ガラス板31との隙間を塞ぐシール材である。
床部材22はレール状の鋼材からなり、その断面形状は、図10に示すように、幅方向中央の中央水平板22aと、これより低い幅方向端部の端部水平板22bと、両者を連結する鉛直板22cとが一体化された形状である。この端部水平板22bに、地面への固定用の貫通孔が形成されている。中央水平板22aの上に、平板3A〜3Cの枠32の下端部が配置される。鉛直板22cの外側に、平板3A〜3Cの下部接続板33bが、ボルト223およびナット224により固定される。すなわち、この鉛直板22cが、床部材に設けた係合部(対をなす平板を所定間隔で枠体に係合させる係合部)に相当する。
なお、図10の符号「36」は、平板3A〜3Cの強化ガラス板31を下側周縁で、内側から保持する部材であって、シール材35を介して外側から保持する枠32と一体に形成されている。また、符号「37」は底面部材であって、対向配置される平板3A〜3Cの一方の保持部材36に固定されている。
側面部材23は、図3および図6に示すように、ウエブ32aおよびフランジ23bからなるH形鋼で構成されている。図6に示すように、フランジ23bのウエブ32aより枠体2内側となる部分に、平板3B,3Cの側部接続板33c,33dが、ボルト233およびナット234により固定される。また、側面部材23には、図3に示すように、ウエブ32aの長さ方向複数箇所に、長方形の開口部231が形成されている。
そして、この枠体2には、図6および7に示すように、平板3A〜3Cを接続するボルトを通す貫通孔210,220,230が、梁部材21の接続板21a、床部材22の鉛直板22c、側面部材23のフランジ部23bにそれぞれ形成されている。また、支柱41には雌ねじ410が形成されている。さらに、図3、図4、図5に示すように、側面部材23の上方の梁部材21に鉤部51aが固定され、支柱41の上部に鉤部51bが固定されている。
また、両梁部材21の対向する位置に、ピン8を通す鍵穴80が設けてある。この鍵穴80は、図7に示すように、ピン8の断面円の直径より少し大きな直径の丸穴81と、その下側に連続する角穴82とからなる。ピン8には、図9に示すように、角穴82に嵌まる溝8aが所定間隔で設けてある。
袋Hは、図8に示すように、透明な長方形の袋であって、長方形の短辺の一端部に開口部Kが設けてある。この袋H内に、気体導入管Jと、その両端に接続された気体供給管L1,L2が入れてある。気体導入管Jは断面円の全周に渡って微細な孔を有するものであり、株式会社ユニホース製の多孔質ゴム製ホース「シーパーホース(商品名)」等の市販品が使用できる。また、図10に示すように、この気体導入管J内には、棒状の重りMが挿入されている。そして、この気体導入管Jは、袋Hに対して一方の長辺側に設けられた開口部Kとは反対側の長辺に沿って配置されている。
気体供給管L1,L2は、気体導入管Jの各端部に気体を供給するものであり、市販の軟質樹脂製のホースが使用できる。気体供給管L2は、袋H内の開口部K付近で気体供給管L1に接続されていて、気体供給管L1のみが開口部Kから袋Hの外部に延びている。
この袋Hは、例えば、透明な軟質樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂)からなるシートを半分に折り重ねて、シートの開口している三方の縁部h1〜h3を溶着することにより作製できる。この袋H内に、開口部Kから、接続された状態の気体導入管Jおよび気体供給管L1,L2を、開口部Kから気体供給管L1を外に出した状態となるように入れる。
この箱体1を組み立てる際には、先ず、図7および10に示すように、枠体2の床部材22を、ブチルゴム製のシート121と樋6を介して水平面(地面)120に固定する。この固定は、アンカーボルト71と袋ナット72とにより行う。このアンカーボルト71を通す貫通孔が、床部材22の端部水平板22bに形成されている。
次に、床部材22の長手方向両端に側面部材23を配置して、側面部材23の下部と床部材22を図示しないボルトにより固定する。次に、両側面部材23の上部に一対の梁部材21を渡して、梁部材21間が所定間隔となるように配置し、この状態で側面部材23の上部と梁部材21を図示しないボルトにより固定する。これにより、枠体2が水平面(地面)120に設置されて、図7に示す状態となる。
次に、図7に示す状態の枠体2および支柱41に平板3A〜3Cを取り付けて、図11に示す状態とする。
すなわち、図9および11に示すように、平板3A〜3Cの上部接続板33aを枠体2の上部接続板21aに合わせて、両者をボルト213およびナット214により固定する。また、図10および11に示すように、平板3A〜3Cの下側接続板33bを枠体2の下側接続板22cに合わせて、両者をボルト223およびナット224により固定する。また、図1および11に示すように、平板3Bの左側接続板33cを枠体2の左側の側面部材23に合わせて、両者をボルト233およびナット234により固定する。また、図1および6および11に示すように、平板3Cの右側接続板33dを枠体2の右側の側面部材23に合わせて、両者をボルト233およびナット234により固定する。
また、この状態で、図6に示すように、支柱41を挟んで隣り合う平板3Cの左端と平板3Bの右端に押さえ部材42を係合させて、外側からボルト43を入れ、支柱41に設けた雌ねじで側板面に対して法線方向となるように螺合させる。平板3Bと平板3Aも同様にして支柱41に固定する。
このようにして組み立てられた箱体1は、対向配置された平板3A〜3Cと側面部材23とにより空間が形成され、その空間の底面は、図10に示すように、底面部材37によって、平板間の中央部に向けて鉛直下向きとなる凸状に形成されている。
次に、この箱体1内に上方から袋Hを入れた後、箱体1の鍵穴80にピン8を装着する。すなわち、鍵穴80の丸穴81にピン8を通して、両梁部材21を貫通させた後、ピン8の各溝8aを各梁部材21の角穴82に嵌める。このピン8の溝8aと角穴82との嵌合により、梁部材21間の間隔を長手方向の中間部分(両端以外)の3カ所で一定に保持する。
次に、袋Hの開口部Kから外部に延びている気体供給管L1を気体供給装置に接続する。
次に、袋H内に開口部Kから、先ず、滅菌された培養液を所定量入れた後、培養する微生物を入れて、図9に示すように、袋H内を所定の水位となるまで液体Wで満たす。この状態で図10に示すように、気体導入管Jは重りMによって底面部材37の近傍に配置される。
次に、配管5から温度調節水を箱体1の正面および背面に供給するとともに、気体供給管L1,L2に気体を供給して培養を開始する。これに伴って、気体導入管Jから液体W内の全体に微細な気泡Vが供給されるとともに、平板3A〜3Cの透明な強化ガラス板31を通った日光が液体W内に入ることで、微生物の培養が行われる。
この培養時に、袋H内の液体Wの圧力によって、両梁部材21間および対をなす平板3A〜3C間を広げる向きの力が作用するが、ピン8の溝8aと角穴82との嵌合により長手方向中間部の3カ所で両梁部材21間の間隔が一定に保持されているため、梁部材21および平板3A〜3Cが外側に湾曲することが防止される。また、液体W内に供給された気体は上昇して袋Hの上部に溜まるが、この気体は開口部Kから排出される。なお、緊急時には、側面部材の開口部231から袋Hに千枚通しなどの工具で孔を開けて、袋H内の液体を排出することができる。
培養が終了したら、開口部Kにポンプを接続して、袋Hから液体Wを回収した後、ピン8を外して、袋Hを箱体1の上部から取り出す。次の培養の際に別の袋Hを用いて行えば、容器の洗浄が省略できる。また、平板3A〜3Cを洗浄する際には、ボルト213,223,233,43を外すことにより、枠体2から簡単に取り外すことができる。そのため、平板3A〜3Cの洗浄が容易である。
図12〜17を用いて、本発明の第2実施形態に相当する微生物の培養装置を説明する。
この実施形態の培養装置は、袋を支持する支持体として箱体10を備えている。図12はこの箱体10を示す正面図であり、図13はその平面図である。図14は図12のG−G断面図である。図15は図14の上部の部分拡大図である。図16は図14の下部の部分拡大図である。なお、図12のB−B断面図は図4と同じであり、図12のC−C断面図は図5と同じであり、図12のD−D断面図は図6と同じである。
第2実施形態の培養装置は第1実施形態との培養装置と類似のものであるが、以下の点で異なる。
図12に示すように、箱体10は平板3A〜3Cを六対備えている。そのため、第1実施形態の枠体2のほぼ倍の幅の枠体20を用いている。また、図12および16に示すように、各平板3A〜3Cの下部接続板33bと枠体20の床部材22の端部水平板22bとが、ヒンジ91で結合されている。すなわち、ヒンジ91の一方の板91aが端部水平板22bに固定され、他方の板91bが下部接続板33bに固定されている。また、このヒンジ91を設けたことによる平板3A〜3Cの回動範囲を規制するストッパー92が、ヒンジ91の一方の板91aにボルト92aで固定されている。
さらに、図12および15に示すように、各平板3A〜3Cの上端と枠体2の梁部材21とが所定長さのワイヤー(線状材)93で接続されている。図15に示すように、このワイヤー93の一端を固定するリング93aが、各平板3A〜3Cの上部接続板33aに固定されている。このワイヤー93の他端を固定するリング93bが、梁部材21の対応する各位置に固定されている。
図17は、この箱体10の組み立て途中を示す正面図であり、地面に固定した枠体20に対して、右側の4つの平板3A,3Cを取り付けた状態を示す。すなわち、第2実施形態では、枠体2に対して、平板3A〜3Cを第1実施形態と同じ方法で取り付けた後に、ヒンジ91とストッパー92とワイヤー93の取り付けを行う。
第2実施形態の培養装置によれば、第1実施形態の培養装置で得られる効果に加えて以下の効果が得られる。
ボルト213,223,233,43を外すと、平板3A〜3Cの下部はヒンジ91により回動し、上部が開口する。その際に、ストッパー92により平板3A〜3Cの回動範囲は規制され、平板3A〜3Cの上部はワイヤー93により、ワイヤーの長さ分だけ開口する。この状態で平板3A〜3Cを洗浄することができるため、第1実施形態の培養装置よりも、平板3A〜3Cの洗浄が容易にできる。
また、平板3A〜3Cを六対設けたため、培養できる容積が第1実施形態の培養装置の二倍になる。
図18および19を用いて、本発明の袋の挿入方法の実施形態を説明する。この実施形態の方法では、図18に示す形状の袋H2を使用する。
この袋H2は、図8の袋Hと同様に、透明な長方形の袋であって、長方形の短辺の一端部に開口部Kが設けてある。この袋H2内に、気体導入管Jと、その両端に接続された気体供給管L1,L2が入れてある。気体導入管Jは図8の袋Hで使用したものと同じである。気体供給管L1,L2は図8の袋Hで使用したものより断面が平たいものを使用している。また、開口部Kに、気体供給管L1,L2への気体導入口L3を設け、これを開口部Kから袋Hの外部に延ばした。
また、この袋H2には、開口部Kが配置された側の長辺部に沿って、プラスチックシートを切り出して形成した輪(通軸部)Tが設けてある。
図19に示すように、この輪Tに、袋H2をなす長方形の長辺より長い軸Sを通して、この軸Sに袋H2を巻き付けた巻き体H20を、箱体10の上方に配置する。袋H2の巻き方は、気体導入管Jを軸Sと平行に袋H2内の下部に配置した状態で、軸Sを回転させることにより行い、気体導入管Jが入っている部分が最も外側となるように、且つ軸Sの
両端が露出するように行う。
図19の状態で、軸Sを支持し、この軸Sから袋H2を巻き戻すことにより、袋H2を梁部材21間から箱体1内に入れる。
なお、上記各実施形態では、強化ガラス板31をアルミ製の枠32に取り付けた平板3A〜3Cを用いているが、袋Hを支持して所定形状に保持できるものであれば、強化ガラス板に限らず、網や格子体等を用いてもよい。また、支持体の下部を形成する底部について、上記各実施形態では、水平面120上に配置された底部材22を用いているが、水平面120をそのまま支持体の底部とすることもできる。
また、上記各実施形態では、枠体2の鍵穴80にピン8を装着する方法で、両梁部材21の間隔を保持している。これ以外の方法の一例を以下に示す。
この例では、図20に示すように、ピン800の長さ方向一端側に雄ネジ801を形成し、他端側にハンドル802と当て板803を形成する。また、枠体2の両梁部材21にピン800を通す貫通穴211を形成し、一方の梁部材21には、ピン800の雄ネジ801を螺合させる雌ネジ212を形成する。そして、ハンドル802を持ってピン800を梁部材21の貫通穴211に通し、ハンドル802を回転して、先端の雄ネジ801を梁部材21の雌ネジ212に螺合させ、当て板803を梁部材21に当てることにより、両梁部材21の間隔を保持する。
さらに、複数のライトパスに対応させて、枠32の厚さ方向の寸法A(図10参照)が異なる平板3A〜3Cを予め用意しておけば、平板3A〜3Cを取り替えるだけでライトパスを変更することができる。
これによれば、例えば、大量生産を目的として、ライトパスを培養条件に応じた最大値に設定し、培養装置一台あたりの培養容量を大きくして行う培養と、強い入光を必要とする微生物を対象として、ライトパスを小さくして行う培養の両方を、同じ培養装置を用いて行うことが可能となる。
また、本発明の培養装置にて培養を行う微生物は、肉眼では観察できない微小な生物である。具体的には、原核生物や、原生動物、酵母、糸状菌、変形菌、担子菌、および微細藻類等の真核生物が挙げられる。
本発明の培養装置は、光合成微生物(太陽光や人工光を培養空間に取り込んで光合成を行う微生物)の培養に好適であり、特に、微細藻類の培養に好適である。
光合成微生物には光合成に赤外光を利用する生物も多いが、微細藻類は光合成のために主に可視光を利用し、赤外光を利用しない。赤外光は熱線であるため、赤外光を除いた光を培養液に入射することによって、培養液の温度上昇を抑えることができる。したがって、容器内に主に可視光が入射され赤外光が入射されないようにして、本発明の培養装置で微細藻類を培養することにより、培養液の温度上昇を抑えながら、効率のよい培養を行うことができる。
本発明の培養装置で容器内に可視光が入射され赤外光が入射されないようにする方法としては、側板または容器を、可視光を透過して赤外光を透過しない材料で形成するか、側板および容器のいずれか一方の外側または内側に、可視光を透過して赤外光を透過しないフィルターを配置する方法、あるいは可視成分を含み赤外成分を含まない光源を用いる方法が挙げられる。
以上説明したように、本発明の培養装置によれば、培養液を入れる容器と容器を収める支持体で構成したため、培養液の雑菌繁殖を抑制することができるとともに、同じ培養空
間を繰り返し形成することができる。
さらに、袋(容器)を使い捨てにすることによって、洗浄を毎回行わなくても雑菌繁殖を起こり難くすることができる。

Claims (16)

  1. 微生物と、前記微生物を培養するための培養液と、前記培養液を入れる容器と、前記容器を収める支持体を備え、
    前記容器は、前記支持体に支持されて所定の形状に保持されていることを特徴とする培養装置。
  2. 前記支持体は、前記容器を所定の形状に保持するために底面を形成する底部とその側面を形成する側板を有し、
    前記側板と前記容器は、透明な部分があり、
    前記側板の透明な部分と前記容器の透明な部分がそれぞれ重なっていることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  3. 前記側板は平板で形成され、一対の平板同士が少なくとも一組以上面対向することを特徴とする請求項2記載の培養装置。
  4. 前記支持体は、その側面を形成する側板と前記側板を支持する枠体を備え、
    前記側板は、前記側板の端部に前記枠体と係合するための取り付け部を有し、前記枠体に対して脱着可能に固定されていることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  5. 鉛直方向に配置され前記枠体に両端を固定された支柱と、前記支柱の外側に前記支柱と平行に配置された押さえ部材とを有し、
    前記押さえ部材は、前記支柱との間に側板を挟んで前記側板を押さえ、前記押さえ部材を前記支柱に対して固定することを特徴とする請求項4記載の培養装置。
  6. 前記側板は前記枠体の長手方向に配置された複数の平板からなり、前記平板が前記長手方向で前記支柱を介して連結され、一つの押さえ部材により隣り合う二枚の平板の端部が一つの支柱に固定されていることを特徴とする請求項5記載の培養装置。
  7. 前記容器内に、培養液に気体を導入する気体導入管を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の培養装置。
  8. 前記側板は、前記取り付け部と前記枠体との固定が解除された状態で、底部側における前記側板の端部を支点として回転自在に支持されていることを特徴とする請求項4記載の培養装置。
  9. 前記側板は、枠体上部側における前記側板の端部と前記枠体上部をワイヤーで繋ぐことを特徴とする請求項8記載の培養装置。
  10. 底部に前記側板の回動範囲を規制するためのストッパーを備えたことを特徴とする請求項8記載の培養装置。
  11. 前記取り付け部と前記枠体との固定が解除された状態で前記枠体と前記側板は相対移動可能であり、
    この相対移動により、前記枠体上部と前記枠体上部側における前記側板の端部との間に隙間が生じることを特徴とする請求項4記載の培養装置。
  12. 微生物を培養液中で培養する培養装置であって、
    培養空間を形成するための側面を形成する側板と、培養液を入れるため前記培養装置の底を形成する底部を有し、
    前記底部は、幅方向中央部に向かって鉛直下向きになる凸状に形成され、
    前記凸状に形成された部分の下端で前記底部の上部に、培養液へ気体を導入する気体導入管を配置することを特徴とする培養装置。
  13. 前記気体導入管の断面円の全周に渡って孔が形成されていることを特徴とする請求項12記載の培養装置。
  14. 前記容器は、
    断面円の全周に渡って微細な孔を有する気体導入管と、この気体導入管に気体を供給するための気体供給管と、を内部に有し、
    微生物およびその培養液を入れるための開口部を一カ所にだけ有し、
    前記気体供給管の一端は前記気体導入管に接続され、前記気体供給管の他端は前記開口部から外部に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の培養装置。
  15. 前記容器は、長辺と短辺とからなる長方形の袋であり、
    前記開口部は、前記長方形の短辺の一端部に配置され、
    前記気体導入管は、前記長方形の短辺の他端部に、この長方形の長辺に沿って配置され、
    前記開口部が配置された側の長辺部に沿って、軸を通す通軸部が設けてある請求項14記載の培養装置。
  16. 前記容器は培養液を入れる袋である請求項7に記載の培養装置で前記支持体内に袋を入れる方法であって、
    請求項15に記載の袋を使用し、
    この袋の前記通軸部に、前記長辺より長い軸を通し、前記気体導入管をこの軸と平行に袋内の下部に配置した状態で、この軸を回転させることにより、前記袋をこの軸に、前記気体導入管が入っている部分が最も外側となるように、且つこの軸の両端が露出するように巻き付けた後、
    この軸と袋とからなる巻き体を、前記枠体の上方に配置し、前記軸から袋を巻き戻すことにより、この袋を前記枠体内に入れることを特徴とする培養装置への袋の挿入方法。
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