JPWO2005007530A1 - 物品の緩衝保持方法およびこれを用いた緩衝保持器 - Google Patents
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Abstract
所定の圧力変化に耐える保形力をもった容器内に物品を収納すると共に、物品の周りに、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体を配置し、容器を気密に封じた後、容器内を減圧して前記緩衝体を膨張させることにより、物品を緩衝して保持する。緩衝体は、形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種の緩衝体を混合させてもよいし、緩衝体を容器の内壁に固定し、又は連繋することもできる。袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させてもよい。
Description
本願発明は、物品収納容器に収納した物品を緩衝保持するための物品の緩衝保持方法およびこれを用いた緩衝保持器に関する。
物品の梱包輸送、例えば、テレビジョン受像機等の精密家電品を段ボール箱等の輸送容器を用いて行う場合は、物品と輸送容器との隙間に発泡スチロールや段ボールなどの定型の緩衝体を入れるのが一般的であった。このような定型の緩衝体は、嵩張ることからその備蓄においてスペース効率が悪いという難点があった。また、解梱後に不要となった緩衝体は、これを回収して再生に回すか廃棄するしかなく、その輸送効率の悪さに加えて廃棄処理や再生処理においても技術的または経済的に種々の問題があった。
上述の問題を解決するものとして、既に、以下に挙げた種々の技術が開示されている。
特許文献1には、被梱包物(実施例では錠剤)を容器内(実施例では薬瓶)に所定量収納し、余った空間部分に形状回復性の樹脂発泡体からなる緩衝材を収縮した状態で充填し、減圧雰囲気下で容器を封止することにより、この減圧と形状回復力とが相俟って緩衝材を膨張させて空間部分に充満させることを特徴とした薬剤緩衝材の封止方法が開示されている。特許文献2には、容器の内周面に剥離可能に貼着させた内袋を設け、この内袋に被梱包物(実施例では錠剤)を収納した後に内袋内を減圧することにより、内袋を容器内周面から剥離させてその周囲に一定の緩衝用の空隙を形成する。これにより、被梱包物を包持した内袋を容器内で吊り下げ状態にして保持する技術が開示されている。
特許文献3には、被梱包物間の空隙の大小にこまかく対応させる種々サイズの気体注入式エアバッグを内面壁に設けた緩衝包装用の段ボール箱が開示されている。特許文献4には、包装箱の内側壁面に、ガスを注入することが可能な気体室を行列状に貼付けて緩衝体を形成し、被梱包物の収納後にガスを注入して気体室を膨張させて、緩衝機能を発揮する包装装置が開示されている。特許文献5には、可撓性の管体と、この管路上に所定間隔で連通配置した中空かつ体積変化可能な複数個の膨張体と、から梱包用充填材を形成し、この梱包用充填材を、被梱包物と容器本体との間に巻回状または往復状に配置した後、管体に空気注入して膨張体を膨張させることを特徴とした梱包用充填材と梱包容器が開示されている。特許文献6には、二重構造の表面部材で構成したバッグ(被梱包物の収納容器)の外側表面部材と内側表面部材との間に空気の封入により膨張させた空気収納部を設けたバッグの形成方法が開示されている。
さて、文献1で開示された技術は、補助的に容器の減圧による樹脂発泡体の膨張を促しているが主に収縮からの形状回復性を利用しているに過ぎない。すなわち、常温常圧にて遅延された形状回復性を有する樹脂発泡体を外力で収縮させて容器に収納し、容器内の減圧により樹脂発泡体のセル(内部の無数な空隙)が膨張するので樹脂発泡体も膨張するが、所定時間経過後には樹脂発泡体内のセル内外圧力が減圧下の圧力に釣り合うので、最終的には樹脂発泡体が元の形に戻ろうとする形状回復力のみで容器内の空間部分へ充満させるものである。そして、容器を開栓した直後は、それまで減圧下にあった樹脂発泡体のセルが大気圧により収縮するために樹脂発泡体も収縮するので容器内から容易に取り出せる、と作用効果を記している。
しかし、開封後は収縮するが、取り出さずに放置しておくと、樹脂発泡体内のセル内外圧力が大気圧と釣り合い、最終的には樹脂発泡体の形状回復力により元の形に戻ってしまうことになり、取り出しは容易ではなくなる欠点があった。また、樹脂発泡体は遅延性をもった形状回復性を利用するものであるため、これがかえって収縮・膨張時の抵抗となって、素早い応答が得られないという欠点があった。したがって、現実的には、緩衝体としての樹脂発泡体の変形は、形状回復力が主で、減圧膨張は補助的なものということができる。
特許文献2では、一つの内袋で被梱包物を包持しているため、万一減圧状態が破壊された場合には被梱包物を保持できなくなるという欠点を有し、さらに、被梱包物は緩衝機能のないキャップ側(上部の蓋体)に押し付けられているため、上部からの衝撃に弱いという問題点があった。
また、文献3〜6では、いずれも気体注入式のエアバッグ等の緩衝体を利用して緩衝体としており、気体注入口、封止バルブが必要であり、1箇所の気体注入口から複数の緩衝体に気体を注入するには、緩衝体全部を通気管等で通気可能に接続しておく必要があった。従って、気体注入口、封止バルブ、緩衝体または通気管のいずれか一箇所に気体漏れが発生すると緩衝体として機能させることが困難であった。
特開平10−114365、段落0008〜0013、0026〜0030、図1〜図7。 特開平2001−348062、段落0008、001、2、0013、図1。 特開平5−1、24684、段落0013〜0024、図1、図9。 特開平11−1、275、段落001、2〜0019、図1〜図3。 特開平11−157579、段落0007〜0009、図1〜図3。 特開2002−177037、段落0011〜0015、図4〜図7。
上述の問題を解決するものとして、既に、以下に挙げた種々の技術が開示されている。
特許文献1には、被梱包物(実施例では錠剤)を容器内(実施例では薬瓶)に所定量収納し、余った空間部分に形状回復性の樹脂発泡体からなる緩衝材を収縮した状態で充填し、減圧雰囲気下で容器を封止することにより、この減圧と形状回復力とが相俟って緩衝材を膨張させて空間部分に充満させることを特徴とした薬剤緩衝材の封止方法が開示されている。特許文献2には、容器の内周面に剥離可能に貼着させた内袋を設け、この内袋に被梱包物(実施例では錠剤)を収納した後に内袋内を減圧することにより、内袋を容器内周面から剥離させてその周囲に一定の緩衝用の空隙を形成する。これにより、被梱包物を包持した内袋を容器内で吊り下げ状態にして保持する技術が開示されている。
特許文献3には、被梱包物間の空隙の大小にこまかく対応させる種々サイズの気体注入式エアバッグを内面壁に設けた緩衝包装用の段ボール箱が開示されている。特許文献4には、包装箱の内側壁面に、ガスを注入することが可能な気体室を行列状に貼付けて緩衝体を形成し、被梱包物の収納後にガスを注入して気体室を膨張させて、緩衝機能を発揮する包装装置が開示されている。特許文献5には、可撓性の管体と、この管路上に所定間隔で連通配置した中空かつ体積変化可能な複数個の膨張体と、から梱包用充填材を形成し、この梱包用充填材を、被梱包物と容器本体との間に巻回状または往復状に配置した後、管体に空気注入して膨張体を膨張させることを特徴とした梱包用充填材と梱包容器が開示されている。特許文献6には、二重構造の表面部材で構成したバッグ(被梱包物の収納容器)の外側表面部材と内側表面部材との間に空気の封入により膨張させた空気収納部を設けたバッグの形成方法が開示されている。
さて、文献1で開示された技術は、補助的に容器の減圧による樹脂発泡体の膨張を促しているが主に収縮からの形状回復性を利用しているに過ぎない。すなわち、常温常圧にて遅延された形状回復性を有する樹脂発泡体を外力で収縮させて容器に収納し、容器内の減圧により樹脂発泡体のセル(内部の無数な空隙)が膨張するので樹脂発泡体も膨張するが、所定時間経過後には樹脂発泡体内のセル内外圧力が減圧下の圧力に釣り合うので、最終的には樹脂発泡体が元の形に戻ろうとする形状回復力のみで容器内の空間部分へ充満させるものである。そして、容器を開栓した直後は、それまで減圧下にあった樹脂発泡体のセルが大気圧により収縮するために樹脂発泡体も収縮するので容器内から容易に取り出せる、と作用効果を記している。
しかし、開封後は収縮するが、取り出さずに放置しておくと、樹脂発泡体内のセル内外圧力が大気圧と釣り合い、最終的には樹脂発泡体の形状回復力により元の形に戻ってしまうことになり、取り出しは容易ではなくなる欠点があった。また、樹脂発泡体は遅延性をもった形状回復性を利用するものであるため、これがかえって収縮・膨張時の抵抗となって、素早い応答が得られないという欠点があった。したがって、現実的には、緩衝体としての樹脂発泡体の変形は、形状回復力が主で、減圧膨張は補助的なものということができる。
特許文献2では、一つの内袋で被梱包物を包持しているため、万一減圧状態が破壊された場合には被梱包物を保持できなくなるという欠点を有し、さらに、被梱包物は緩衝機能のないキャップ側(上部の蓋体)に押し付けられているため、上部からの衝撃に弱いという問題点があった。
また、文献3〜6では、いずれも気体注入式のエアバッグ等の緩衝体を利用して緩衝体としており、気体注入口、封止バルブが必要であり、1箇所の気体注入口から複数の緩衝体に気体を注入するには、緩衝体全部を通気管等で通気可能に接続しておく必要があった。従って、気体注入口、封止バルブ、緩衝体または通気管のいずれか一箇所に気体漏れが発生すると緩衝体として機能させることが困難であった。
本願発明は上記した各問題点に着目し、被梱包物品(以下、単に「物品」と称する。)を収納する容器内を減圧して容器内の緩衝体を膨張させることで、物品を緩衝保持するための物品の緩衝保持方法およびこれを用いた緩衝保持器を提供するものである。
上記目的を達成するため、本願発明に係る物品を緩衝保持する物品の緩衝保持方法およびこれを用いた緩衝保持器は、以下のように構成される。
本件発明の第1の構成(「第1構成」と略称。以下、同様に記載。)は、所定の圧力変化に耐える保形力をもった容器内に物品を収納すると共に、該物品の周りに、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体を配置し、該容器を気密に封じた後、容器内を減圧して前記緩衝体を膨張させることにより、物品を緩衝して保持することを特徴とする物品の緩衝保持方法である。
第2構成は、第1構成の緩衝体の配置において、形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種の緩衝体を混合させたことを特徴とする記載の物品の緩衝保持方法である。
第3構成は、第1構成、又は第2構成の緩衝体の配置において、緩衝体を容器の内壁に固定し、又は連繋したことを特徴とする物品の緩衝保持方法である。
第4構成は、第1構成、第2構成、又は第3構成の袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させたことを特徴とする物品の緩衝保持方法である。
第5構成は、通気ポートを有し、かつ内部の圧力変化に耐える保形力を持った気密可能な容器と、該容器に収納される物品の周りに配置され、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体と、からなることを特徴とする緩衝保持器である。
第6構成は、第5構成の緩衝体を、展延性素材、又は可撓性素材で形成したことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第7構成は、第5構成、又は第6構成の緩衝体を、形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種で構成したことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第8構成は、第5構成、又は第6構成の緩衝体を、種々の形状、体積の組み合わせで形成し、かつ内部を複数の空間に区分けしたことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第9構成は、第5構成、第6構成、第7構成、又は第8構成の複数個の緩衝体を、連繋させたことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第10構成は、第5構成、第6構成、第7構成、第8構成、又は第9構成の緩衝体を、容器の内壁に固定し、又は連繋したことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第11構成は、第5構成、第6構成、第7構成、第8構成、第9構成、又は第10構成の袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させたことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
本件発明の第1の構成(「第1構成」と略称。以下、同様に記載。)は、所定の圧力変化に耐える保形力をもった容器内に物品を収納すると共に、該物品の周りに、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体を配置し、該容器を気密に封じた後、容器内を減圧して前記緩衝体を膨張させることにより、物品を緩衝して保持することを特徴とする物品の緩衝保持方法である。
第2構成は、第1構成の緩衝体の配置において、形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種の緩衝体を混合させたことを特徴とする記載の物品の緩衝保持方法である。
第3構成は、第1構成、又は第2構成の緩衝体の配置において、緩衝体を容器の内壁に固定し、又は連繋したことを特徴とする物品の緩衝保持方法である。
第4構成は、第1構成、第2構成、又は第3構成の袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させたことを特徴とする物品の緩衝保持方法である。
第5構成は、通気ポートを有し、かつ内部の圧力変化に耐える保形力を持った気密可能な容器と、該容器に収納される物品の周りに配置され、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体と、からなることを特徴とする緩衝保持器である。
第6構成は、第5構成の緩衝体を、展延性素材、又は可撓性素材で形成したことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第7構成は、第5構成、又は第6構成の緩衝体を、形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種で構成したことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第8構成は、第5構成、又は第6構成の緩衝体を、種々の形状、体積の組み合わせで形成し、かつ内部を複数の空間に区分けしたことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第9構成は、第5構成、第6構成、第7構成、又は第8構成の複数個の緩衝体を、連繋させたことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第10構成は、第5構成、第6構成、第7構成、第8構成、又は第9構成の緩衝体を、容器の内壁に固定し、又は連繋したことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
第11構成は、第5構成、第6構成、第7構成、第8構成、第9構成、又は第10構成の袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させたことを特徴とする物品の緩衝保持器である。
本願発明の構成によれば、所定量の気体を封入して形成した緩衝体を、容器内に収納した物品の周囲に概ね充填配置した後、容器を気密にしてその内部を減圧すると、緩衝体は内圧と外圧、及び表面材の張力とがバランスする位置まで膨張する。この膨張が物品と容器との空間の隅々まで行き渡って安定的に保持することができると共に、この緩衝体がエアークッションとなって衝撃吸収力を発揮することとなる。
次に、上記のように梱包した後、緩衝保持器内を開放して大気圧に戻せば、緩衝体は収縮して当初の体積に戻り、不使用時の嵩を減らすことができる。この点、体積密度が小さくかつ使用前後で体積が変わらない発泡スチロールに比べて、運搬性、保管性、及び充填性に優れているということができる。また、発泡スチロール等の緩衝体は、その効率を高めるため予め収納する物品に倣った雌形状に形成しておくことが多いが、本願発明の緩衝体は、表面材に展延性を持たせた場合には膨張にしたがって、空間に侵入して行くため収納物品の形状に依存しない汎用的な追従性を本来的に有するものである。さらに、緩衝体の表面を円滑に処理しておくことで、膨脹過程で膨脹体が互いに滑って最適位置関係で安定するから、物品は周囲の緩衝体からほぼ均等な押圧を受けた状態で緩衝保護できる。
さらに、緩衝体は不使用時には縮小しているためその扱いが比較的容易となり緩衝保持器ともに再利用性を高くすることができる。加えて、緩衝保持器は気密に封止しているため、外気の侵入を遮断することができ、収納された物品は外気の温度や湿度の影響を受けにくくなり、結果として物品への熱ブロックと品質維持が期待できる。特にシリコンウェハースや精密デバイス、あるいは家電品などの輸送容器として好適であり、緩衝保持器および緩衝体の繰り返しの使用(例えば、「通い箱」)ができるから、その産業的効果は極めて顕著である。
次に、上記のように梱包した後、緩衝保持器内を開放して大気圧に戻せば、緩衝体は収縮して当初の体積に戻り、不使用時の嵩を減らすことができる。この点、体積密度が小さくかつ使用前後で体積が変わらない発泡スチロールに比べて、運搬性、保管性、及び充填性に優れているということができる。また、発泡スチロール等の緩衝体は、その効率を高めるため予め収納する物品に倣った雌形状に形成しておくことが多いが、本願発明の緩衝体は、表面材に展延性を持たせた場合には膨張にしたがって、空間に侵入して行くため収納物品の形状に依存しない汎用的な追従性を本来的に有するものである。さらに、緩衝体の表面を円滑に処理しておくことで、膨脹過程で膨脹体が互いに滑って最適位置関係で安定するから、物品は周囲の緩衝体からほぼ均等な押圧を受けた状態で緩衝保護できる。
さらに、緩衝体は不使用時には縮小しているためその扱いが比較的容易となり緩衝保持器ともに再利用性を高くすることができる。加えて、緩衝保持器は気密に封止しているため、外気の侵入を遮断することができ、収納された物品は外気の温度や湿度の影響を受けにくくなり、結果として物品への熱ブロックと品質維持が期待できる。特にシリコンウェハースや精密デバイス、あるいは家電品などの輸送容器として好適であり、緩衝保持器および緩衝体の繰り返しの使用(例えば、「通い箱」)ができるから、その産業的効果は極めて顕著である。
次に、本願発明の各構成を実施するための最良の形態について、幾つかの実施例を挙げながら説明する。なお、本願発明構成において使用する符号は、発明の理解のために使用したものであり、発明を限定するものと解釈してはならない。
本願発明の緩衝保持器は、容器7と緩衝体とから構成しており、物品Oを容器7に収納した後、または収納と共に物品Oの周囲に緩衝体を充填配置した後、気密嵌合を保証した蓋体70で閉塞する。次いで、容器7又は蓋体70のいずれか(実施例では、蓋体70)に開設した通気ポート72に接続した真空ポンプPを介して内部の空気を所定量だけ脱気して減圧後、通気ポート72の開閉弁73を閉じることで容器7内の減圧状態を維持して緩衝機能を発揮させる。
緩衝保持器としての使用を終了させるには開閉弁73を開けて、通気ポート72から容器7内に空気を導入して容器内を大気圧に戻して蓋体70を開ければよい。緩衝保持器における容器7は、内部を減圧して精密機器や半導体部品などの運搬に用いられる従来からの一般的な減圧容器を利用してもよく、容器7内の減圧により形状が変形することなく一定の形態を維持できる保形性のある材質および強度を有するもので構成している。
また、上述した本件発明の特徴である袋状の緩衝体のほかに、別な緩衝体として、従来一般に用いられている緩衝体、例えば、ゴム材や発泡プラスチック、又は多数の気泡を内在させたような中実弾性体を混在させて使用してもよい。あるいは容器の内壁の全面に予め配設して置いてもよい。このような中実弾性体を併せて用いることにより、万一、容器7内の減圧状態や袋状の緩衝体が破壊された場合の物品の緩衝を保障している。
以下の各実施例で用いる物品Oは、一辺が40cm〜60cm程度の立方体や直方体等であり、その重量が数キログラム程度であると仮定する。現実には、物品Oの体積、形状、重量、壊れやすさ等に応じて容器7、緩衝体、減圧度等が適切に決定されるべきであり、本実施例に限定するものではない。さらに、大気圧下および減圧下における、緩衝体の形状、体積又は膨張率、外殻の材質、性状あるいは強度等は、容器の内の体積や収容すべき物品の体積・重量に鑑みて決定されるため、本実施例に限定されるものではない。
本願発明の緩衝保持器は、容器7と緩衝体とから構成しており、物品Oを容器7に収納した後、または収納と共に物品Oの周囲に緩衝体を充填配置した後、気密嵌合を保証した蓋体70で閉塞する。次いで、容器7又は蓋体70のいずれか(実施例では、蓋体70)に開設した通気ポート72に接続した真空ポンプPを介して内部の空気を所定量だけ脱気して減圧後、通気ポート72の開閉弁73を閉じることで容器7内の減圧状態を維持して緩衝機能を発揮させる。
緩衝保持器としての使用を終了させるには開閉弁73を開けて、通気ポート72から容器7内に空気を導入して容器内を大気圧に戻して蓋体70を開ければよい。緩衝保持器における容器7は、内部を減圧して精密機器や半導体部品などの運搬に用いられる従来からの一般的な減圧容器を利用してもよく、容器7内の減圧により形状が変形することなく一定の形態を維持できる保形性のある材質および強度を有するもので構成している。
また、上述した本件発明の特徴である袋状の緩衝体のほかに、別な緩衝体として、従来一般に用いられている緩衝体、例えば、ゴム材や発泡プラスチック、又は多数の気泡を内在させたような中実弾性体を混在させて使用してもよい。あるいは容器の内壁の全面に予め配設して置いてもよい。このような中実弾性体を併せて用いることにより、万一、容器7内の減圧状態や袋状の緩衝体が破壊された場合の物品の緩衝を保障している。
以下の各実施例で用いる物品Oは、一辺が40cm〜60cm程度の立方体や直方体等であり、その重量が数キログラム程度であると仮定する。現実には、物品Oの体積、形状、重量、壊れやすさ等に応じて容器7、緩衝体、減圧度等が適切に決定されるべきであり、本実施例に限定するものではない。さらに、大気圧下および減圧下における、緩衝体の形状、体積又は膨張率、外殻の材質、性状あるいは強度等は、容器の内の体積や収容すべき物品の体積・重量に鑑みて決定されるため、本実施例に限定されるものではない。
図1は実施例1における緩衝保持器の使用前状態を示す説明図であり、図2は実施例1における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。実施例1に用いる緩衝保持器1を構成する緩衝体10は、伸縮可能なゴムやプラスチックなどの展延性(伸び広がること。)のある薄膜材から形成され、内部が中空でいわゆる風船状の形態を成すものである。この緩衝体10は、予め所定量の気体を充填して所定の体積(例えば、数センチ程度)に形成しておき、膨張時には直径が最大で2〜3倍程度になることが可能となるように設計している。また、本実施例の緩衝体10はそれぞれ単独なものであるが、このほか、複数個をいわゆる数珠繋ぎにしたり、あるいは一個から多方向に連繋させたいわゆる星形状に構成しても良い。さらには、行列状、網目状、格子状の二次元的にまたは三次元的に構成してもよい。
このように展延性材からなる緩衝体10は、収縮力として作用する外殻の引張抗力及び外圧(外側面に作用する圧力)と、膨張力として作用する内圧(内側面に作用する圧力)とがバランス(平衡)する位置まで膨張又は収縮して一定の形状を維持することとなる。したがって、外圧を大気圧以下に減圧させると、この外圧変化にしたがってこれとつり合う内圧と引張抗力となる位置まで緩衝体10は膨張することとなる。そのため、緩衝体10の中空間には、所定量の気体を封入して、予め所定の内圧(「初期内圧」)を形成している。
上記構成と機能を有する緩衝保持器1は、容器7の本体71に収納した物品Oの周囲に多数の緩衝体10を適当な密度で入れて蓋体70で気密に閉塞した後、通気ポート72に真空ポンプPを接続して容器7内を吸気して減圧し、所定の圧力(大気圧以下)のところで開閉弁73を閉じて気密状態にして保持する。このとき、緩衝保持器1の内部では、容器内減圧により膨張した緩衝体10が互いに押し合いながら被梱包の物品Oの形状に倣って隙間に充満した状態を呈する。
このように、初期内圧を有する緩衝体が、外圧の変化により膨張あるいは収縮することで、容器7内の物品Oを確実に保持すると共に、いわゆるエアークッションとして効果的な緩衝作用を発揮するものである。
このように展延性材からなる緩衝体10は、収縮力として作用する外殻の引張抗力及び外圧(外側面に作用する圧力)と、膨張力として作用する内圧(内側面に作用する圧力)とがバランス(平衡)する位置まで膨張又は収縮して一定の形状を維持することとなる。したがって、外圧を大気圧以下に減圧させると、この外圧変化にしたがってこれとつり合う内圧と引張抗力となる位置まで緩衝体10は膨張することとなる。そのため、緩衝体10の中空間には、所定量の気体を封入して、予め所定の内圧(「初期内圧」)を形成している。
上記構成と機能を有する緩衝保持器1は、容器7の本体71に収納した物品Oの周囲に多数の緩衝体10を適当な密度で入れて蓋体70で気密に閉塞した後、通気ポート72に真空ポンプPを接続して容器7内を吸気して減圧し、所定の圧力(大気圧以下)のところで開閉弁73を閉じて気密状態にして保持する。このとき、緩衝保持器1の内部では、容器内減圧により膨張した緩衝体10が互いに押し合いながら被梱包の物品Oの形状に倣って隙間に充満した状態を呈する。
このように、初期内圧を有する緩衝体が、外圧の変化により膨張あるいは収縮することで、容器7内の物品Oを確実に保持すると共に、いわゆるエアークッションとして効果的な緩衝作用を発揮するものである。
図3は、実施例2の緩衝体を示す説明図であり、図4は実施例2における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
実施例2の緩衝保持器2を構成する緩衝体20は、実施例1の場合と同様、展延性の薄膜材からなり、外観や体積を区々の形態に形成している。これらは大中小3サイズの緩衝体20を適当な割合で混合して使用している。実施例1と同様に、減圧下で膨張して約2〜3倍程度の体積となるが、大中小の緩衝体20の膨張率は必ずしも同一である必要はない。
上記実施例2の構成と機能を有する緩衝保持器2は、実施例1と同様な原理により減圧下で膨張するが、体積が区々であるため、実施例1の場合よりも、より隙間への充填効率が良くなることが期待できる。
実施例2の緩衝保持器2を構成する緩衝体20は、実施例1の場合と同様、展延性の薄膜材からなり、外観や体積を区々の形態に形成している。これらは大中小3サイズの緩衝体20を適当な割合で混合して使用している。実施例1と同様に、減圧下で膨張して約2〜3倍程度の体積となるが、大中小の緩衝体20の膨張率は必ずしも同一である必要はない。
上記実施例2の構成と機能を有する緩衝保持器2は、実施例1と同様な原理により減圧下で膨張するが、体積が区々であるため、実施例1の場合よりも、より隙間への充填効率が良くなることが期待できる。
図5は実施例3における緩衝体を示す説明図であり、図6は実施例3における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
実施例3に用いる緩衝保持器3を構成する緩衝体30は、ポリエステル繊維シートに気密性のポリエチレンフィルムをラミネートしたもの同士を、所定量の気体を残した状態で加熱融着等により形成した中空の袋状としている。
この袋状に形成した緩衝体30は、上記実施例1、2とは異なり、展延性には乏しく折り畳み自在で可撓性に富んだ材質で形成している。緩衝体30は、大気圧下での少量の気体が封入された初期内圧を有しており、周囲が大気圧雰囲気では萎んだ状態のままであるが、減圧により予め設計された最大形状まで膨らんだ後は、それ以上の膨張は制限される。膨張時の緩衝体30は、外圧に比較して内圧が高くなっているためより強い弾力性を発揮することとなる。そして、実施例1、2と同様に、この緩衝体30を複数種類の体積と形状のものを用意して、混合使用した場合には、より隙間への充填効率が高まることとなる。
上記構成と機能を有する緩衝保持器3は、上述した原理により、減圧下で緩衝体30が膨張して緩衝保持機能を発揮するものであるが、本実施例の緩衝体30は最大膨張時の体積や形状が予め決まったものであるため、実施例1、2の場合のように、展延して形状を変化させて隙間に侵入して行く機能はないが、保形性があるためかえって扱い易いと言う利点がある。
実施例3に用いる緩衝保持器3を構成する緩衝体30は、ポリエステル繊維シートに気密性のポリエチレンフィルムをラミネートしたもの同士を、所定量の気体を残した状態で加熱融着等により形成した中空の袋状としている。
この袋状に形成した緩衝体30は、上記実施例1、2とは異なり、展延性には乏しく折り畳み自在で可撓性に富んだ材質で形成している。緩衝体30は、大気圧下での少量の気体が封入された初期内圧を有しており、周囲が大気圧雰囲気では萎んだ状態のままであるが、減圧により予め設計された最大形状まで膨らんだ後は、それ以上の膨張は制限される。膨張時の緩衝体30は、外圧に比較して内圧が高くなっているためより強い弾力性を発揮することとなる。そして、実施例1、2と同様に、この緩衝体30を複数種類の体積と形状のものを用意して、混合使用した場合には、より隙間への充填効率が高まることとなる。
上記構成と機能を有する緩衝保持器3は、上述した原理により、減圧下で緩衝体30が膨張して緩衝保持機能を発揮するものであるが、本実施例の緩衝体30は最大膨張時の体積や形状が予め決まったものであるため、実施例1、2の場合のように、展延して形状を変化させて隙間に侵入して行く機能はないが、保形性があるためかえって扱い易いと言う利点がある。
図7は実施例4における緩衝体を示す説明図であり、図8は実施例4における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
実施例4に用いる緩衝保持器4を構成する緩衝体40は、上記実施例1、2と同様な展延性の薄膜材からなるシートを、樹脂板41の表面に格子状の縦横辺を気密に接合して、所定量の気体を残した中空部を格子状に配列形成したものである。この緩衝体40は、初期内圧を有するが大気圧下では概ね平坦状を成し、容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に配置するようにしている。なお、この緩衝体40は、展延性を有する材質で形成しているが、実施例3で用いた展延性に乏しく可撓性に富んだ材質を用いてもよい。なお、容器7の蓋体70の裏面には図示しない通気溝を形成しており、通気ポート72を覆うように樹脂板42を配置しても、容器7内の減圧に支障はない。さらに、緩衝体40は、樹脂板41を介さずに容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に直接形成しても良い。この場合、通気ポート72は容器7内の減圧に支障のない適宜位置、例えば、蓋体70の裏面のコーナー隅部分に変更する。
上記構成と機能を有する緩衝保持器4は、減圧下で緩衝体が膨張して緩衝保持機能を発揮するものであるが、上記の各実施例とは異なり、緩衝体と容器が一体化されて用いるため、取り扱いが便利となり、また緩衝体の紛失などがなく、円滑な再利用を可能とすることができる。
実施例4に用いる緩衝保持器4を構成する緩衝体40は、上記実施例1、2と同様な展延性の薄膜材からなるシートを、樹脂板41の表面に格子状の縦横辺を気密に接合して、所定量の気体を残した中空部を格子状に配列形成したものである。この緩衝体40は、初期内圧を有するが大気圧下では概ね平坦状を成し、容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に配置するようにしている。なお、この緩衝体40は、展延性を有する材質で形成しているが、実施例3で用いた展延性に乏しく可撓性に富んだ材質を用いてもよい。なお、容器7の蓋体70の裏面には図示しない通気溝を形成しており、通気ポート72を覆うように樹脂板42を配置しても、容器7内の減圧に支障はない。さらに、緩衝体40は、樹脂板41を介さずに容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に直接形成しても良い。この場合、通気ポート72は容器7内の減圧に支障のない適宜位置、例えば、蓋体70の裏面のコーナー隅部分に変更する。
上記構成と機能を有する緩衝保持器4は、減圧下で緩衝体が膨張して緩衝保持機能を発揮するものであるが、上記の各実施例とは異なり、緩衝体と容器が一体化されて用いるため、取り扱いが便利となり、また緩衝体の紛失などがなく、円滑な再利用を可能とすることができる。
図9は実施例5における緩衝体を示す説明図であり、図10は実施例5における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
実施例5に用いる緩衝保持器5を構成する緩衝体50は、実施例4と同様のシートを用いているが、容器7内の各内面壁に格子状に又は複数箇所に多数の緩衝体50を配置するのではなく、樹脂板51の周縁のみに接合して樹脂板51の全体を一つの緩衝体50として構成したものである。この緩衝体50は、容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に配置し、各内面あたり1つの中空間で構成している。この中空間には、所定量の気体を充填して初期内圧を形成しており、大気圧下では萎んで略平坦な状態を呈している。なお、この緩衝体50は、展延性を有する材質で形成しているが、実施例3で用いた展延性に乏しく可撓性に富んだ材質を用いてもよい。
上記構成と機能を有する緩衝保持器5は、容器の各内面あたり1つの中空間から成る緩衝体50を配置しているため、その膨張量を大きく取ることができる。物品Oが大型である場合や、複雑な形態のものである場合、さらには衝撃性を高める上で容器7の壁面から大きく離して保持する必要がある場合などに、特に効果的なものとなる利点を有する。
さらにまた、上記実施例4にも言えることであるが、この樹脂板51に形成された緩衝体50は容器7内面に着脱自在に取り付けられるものであるが、使用においては容器7内面と一体化して用いるため、わざわざ緩衝体50を物品Oの周りに注意深く配置する手間が省け、迅速かつ円滑な梱包作業を行うことができる利点も有する。なお、緩衝体50は、樹脂板51を介さずに容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に直接形成しても良い。この場合、通気ポート72は容器7内の減圧に支障のない適宜位置、例えば、蓋体70の裏面のコーナー隅部分に変更する。
実施例5に用いる緩衝保持器5を構成する緩衝体50は、実施例4と同様のシートを用いているが、容器7内の各内面壁に格子状に又は複数箇所に多数の緩衝体50を配置するのではなく、樹脂板51の周縁のみに接合して樹脂板51の全体を一つの緩衝体50として構成したものである。この緩衝体50は、容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に配置し、各内面あたり1つの中空間で構成している。この中空間には、所定量の気体を充填して初期内圧を形成しており、大気圧下では萎んで略平坦な状態を呈している。なお、この緩衝体50は、展延性を有する材質で形成しているが、実施例3で用いた展延性に乏しく可撓性に富んだ材質を用いてもよい。
上記構成と機能を有する緩衝保持器5は、容器の各内面あたり1つの中空間から成る緩衝体50を配置しているため、その膨張量を大きく取ることができる。物品Oが大型である場合や、複雑な形態のものである場合、さらには衝撃性を高める上で容器7の壁面から大きく離して保持する必要がある場合などに、特に効果的なものとなる利点を有する。
さらにまた、上記実施例4にも言えることであるが、この樹脂板51に形成された緩衝体50は容器7内面に着脱自在に取り付けられるものであるが、使用においては容器7内面と一体化して用いるため、わざわざ緩衝体50を物品Oの周りに注意深く配置する手間が省け、迅速かつ円滑な梱包作業を行うことができる利点も有する。なお、緩衝体50は、樹脂板51を介さずに容器7の蓋体70の裏面および本体71の内面側の6面(容器7の内面の上下面と4側面)に直接形成しても良い。この場合、通気ポート72は容器7内の減圧に支障のない適宜位置、例えば、蓋体70の裏面のコーナー隅部分に変更する。
図11は実施例6における緩衝体を示す説明図であり、図12は実施例6における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
実施例6に用いる緩衝保持器6を構成する緩衝体60は、展延性材料または可撓性材料からなるシートを2枚重ねて、加熱融着等により所定量の気体を充填した適宜形状の区画を縦横に分割形成してマットレス状としたものである。この緩衝体60は、初期内圧を有するが大気圧下では概ね平坦である。
上記構成と機能を有する緩衝保持器6は、緩衝体60を物品Oに層状に巻きつけて使用するものであり、減圧下で緩衝体60が膨張して緩衝と保持の機能を発揮するものである。この様に緩衝体60を物品に巻き付けて用いるため、物品Oに対して確実に緩衝作用を及ぼすことができると共に、緩衝体60の取り出し、巻き付け、さらには保管等の取り扱いが容易迅速となる利点がある。
実施例6に用いる緩衝保持器6を構成する緩衝体60は、展延性材料または可撓性材料からなるシートを2枚重ねて、加熱融着等により所定量の気体を充填した適宜形状の区画を縦横に分割形成してマットレス状としたものである。この緩衝体60は、初期内圧を有するが大気圧下では概ね平坦である。
上記構成と機能を有する緩衝保持器6は、緩衝体60を物品Oに層状に巻きつけて使用するものであり、減圧下で緩衝体60が膨張して緩衝と保持の機能を発揮するものである。この様に緩衝体60を物品に巻き付けて用いるため、物品Oに対して確実に緩衝作用を及ぼすことができると共に、緩衝体60の取り出し、巻き付け、さらには保管等の取り扱いが容易迅速となる利点がある。
図1 実施例1における緩衝保持器の使用前状態を示す説明図である。
図2 実施例1における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図3 実施例2における緩衝体を示す説明図である。
図4 実施例2における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図5 実施例3における緩衝体を示す説明図である。
図6 実施例3における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図7 実施例4における緩衝体を示す説明図である。
図8 実施例4における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図9 実施例5における緩衝体を示す説明図である。
図10 実施例5における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図11 実施例6における緩衝体を示す説明図である。
図12 実施例6における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図2 実施例1における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図3 実施例2における緩衝体を示す説明図である。
図4 実施例2における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図5 実施例3における緩衝体を示す説明図である。
図6 実施例3における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図7 実施例4における緩衝体を示す説明図である。
図8 実施例4における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図9 実施例5における緩衝体を示す説明図である。
図10 実施例5における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
図11 実施例6における緩衝体を示す説明図である。
図12 実施例6における緩衝保持器の使用状態を示す説明図である。
1 緩衝保持器(実施例1)
10 緩衝体
2 緩衝保持器(実施例2)
20 緩衝体
3 緩衝保持器(実施例3)
30 緩衝体
4 緩衝保持器(実施例4)
40 緩衝体
41 樹脂板
5 緩衝保持器(実施例5)
50 緩衝体
51 樹脂板
6 緩衝保持器(実施例6)
60 緩衝体
7 容器
70 蓋体
71 本体
72 通気ポート
73 開閉弁
O 物品
P 真空ポンプ
10 緩衝体
2 緩衝保持器(実施例2)
20 緩衝体
3 緩衝保持器(実施例3)
30 緩衝体
4 緩衝保持器(実施例4)
40 緩衝体
41 樹脂板
5 緩衝保持器(実施例5)
50 緩衝体
51 樹脂板
6 緩衝保持器(実施例6)
60 緩衝体
7 容器
70 蓋体
71 本体
72 通気ポート
73 開閉弁
O 物品
P 真空ポンプ
Claims (11)
- 所定の圧力変化に耐える保形力をもった容器内に物品を収納すると共に、
該物品の周りに、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体を配置し、
該容器を気密に封じた後、容器内を減圧して前記緩衝体を膨張させることにより、物品を緩衝して保持することを特徴とする物品の緩衝保持方法。 - 緩衝体の配置において、
形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種の緩衝体を混合させたことを特徴とする請求項1記載の物品の緩衝保持方法。 - 緩衝体の配置において、
容器の内壁に固定し、又は連繋したことを特徴とする請求項1、又は2記載の物品の緩衝保持方法。 - 上記袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させたことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の物品の緩衝保持方法。
- 通気ポートを有し、かつ内部の圧力変化に耐える保形力を持った気密可能な容器と、該容器に収納される物品の周りに配置され、外圧の変化により膨張又は収縮する初期内圧をもった袋状の緩衝体と、からなることを特徴とする緩衝保持器。
- 緩衝体を、展延性素材、又は可撓性素材で形成したことを特徴とする請求項5記載の物品の緩衝保持器。
- 緩衝体を、形状、体積、膨張率の全部又はいずれかが異なる複数種で構成したことを特徴とする請求項5、又は6記載の物品の緩衝保持器。
- 緩衝体を、種々の外形、大きさの組み合わせで形成し、かつ内部を複数の空間に区分けしたことを特徴とする請求項5、又は6記載の物品の緩衝保持器。
- 複数個の緩衝体を、連繋させたことを特徴とする請求項5、6、7、又は8記載の物品の緩衝保持器。
- 緩衝体を、容器の内壁に固定し、又は連繋したことを特徴とする請求項5、6、7、8、又は9記載の物品の緩衝保持器。
- 上記袋状の緩衝体と共に、中実弾性体からなる緩衝体を混在させたことを特徴とする請求項5、6、7、8、9、又は10記載の物品の緩衝保持器。
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A02 | Decision of refusal |
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