JPWO2004098202A1 - 特定色の色再現を考慮したカラーバランス調整 - Google Patents
特定色の色再現を考慮したカラーバランス調整 Download PDFInfo
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Abstract
Description
カラーバランス調整を行うと、画像に生じている色カブリを低減して、元々白色であった撮像対象を正しく白色で再現できるようになる。
しかし、場合によっては、カラーバランス調整の結果、特定の撮像対象に望ましくないい色の変化が生じてしまうことがある。例えば、白に近い画素に青みがついている場合にカラーバランス調整を行うと、画像全体に対して青成分を抑えて赤成分を強調することになる。このとき、カラーバランス調整前の画像において肌色が望ましい色を有していた場合には、肌色がさらに赤みを帯びてしまい、望ましい色から却って逸脱してしまうという問題がある。このように、カラーバランス調整によって望ましい色から却って外れてしまうという問題は、肌色に限らず、緑や青のような他の有彩色に関しても生じる場合があり、一般に特定の有彩色に関して共通する問題であった。
本発明の一形態としての画像処理装置は、処理対象画像のカラーバランスを調整するための画像処理装置であって、前記処理対象画像に存在する全画素の中で、特定の有彩色の近傍の所定の第1の範囲の色を有する特定色画素の割合である特定色画素割合を算出する特定色画素割合算出部と、前記特定色画素の画素値の平均値を算出する特定色画素平均値算出部と、前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値とに基づいて、カラーバランス補正値を算出する第1の演算モードを有するカラーバランス補正値算出部と、前記カラーバランス補正値を用いて前記処理対象画像全体に対してカラーバランス調整を実行するカラーバランス調整実行部と、を備える。
この画像処理装置によれば、特定色画素割合と特定色画素の平均画素値とに基づいてカラーバランス補正値が算出されるので、特定の有彩色に近い色を有する画素の色が、カラーバランス調整処理によって却って望ましい色から外れてしまう現象を緩和することができる。
なお、前記第1の演算モードにおいて算出される前記カラーバランス補正値は、前記特定色に対して予め決定された特定色目標画素値と前記特定色画素の平均画素値との差分が大きいほど大きく、また、前記特定色画素割合が大きいほど大きくなる成分を含むことが好ましい。
この構成によれば、特定の有彩色に近い色を有する画素の色をより適切な色に保つことができる。
上記画像処理置は、さらに、前記処理対象画像に存在する全画素の中で、低彩度かつ高輝度である所定の第2の範囲の色を有する複数の高輝度画素に関する画素値の平均値を算出する高輝度画素平均画素値算出部を備え、前記カラーバランス補正値算出部は、(i)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲に無い場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、(ii)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲にある場合には、前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行するようにしてもよい。
この構成によれば、高輝度画素の色相値の平均値が特定色に近い所定の範囲にあるか否かに応じてカラーバランス補正値を適切な値に設定することができる。具体的には、第1の演算モードでは、特定の有彩色に近い色を有する画素を適切な色に維持することができ、第2の演算モードでは、処理対象画像全体に関して好ましいカラーバランスを実現することができる。
あるいは、上記画像処理置において、前記特定の有彩色は肌色であり、前記処理対象画像を表す画像データファイルは、前記処理対象画像の撮影シーンのタイプを表す撮影シーンタイプ情報を含んでおり、前記カラーバランス調整実行部は、(i)前記撮影シーンタイプ情報が人物を表す場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、(ii)前記撮影シーンタイプ情報が人物以外のシーンを表す場合には、前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行するようにしてもよい。
この構成によれば、撮影シーンタイプが人物を表す場合に、肌色に近い色を有する画素を適切な色に維持することができる。一方、撮影シーンタイプ情報が人物以外のシーンを表す場合には、処理対象画像全体に関して好ましいカラーバランスを実現することができる。
本発明の他の形態としての画像処理装置は、処理対象画像のカラーバランスを調整するための画像処理装置であって、前記処理対象画像に存在する全画素の中で、特定の有彩色の近傍の所定の第1の範囲の色を有する特定色画素の画素値の平均値を算出する特定色画素平均値算出部と、前記特定色画素の平均画素値に基づいて、カラーバランス補正値を算出する第1の演算モードを有するカラーバランス補正値算出部と、前記カラーバランス補正値を用いて前記処理対象画像全体に対してカラーバランス調整を実行するカラーバランス調整実行部と、を備える。
この画像処理装置によれば、特定色画素の平均画素値に基づいてカラーバランス補正値が算出されるので、特定の有彩色に近い色を有する画素の色が、カラーバランス調整処理によって却って望ましい色から外れてしまう現象を緩和することができる。
なお、前記第1の演算モードにおいて算出される前記カラーバランス補正値は、前記特定色に対して予め決定された特定色目標画素値と前記特定色画素の平均画素値との差分が大きいほど大きくなる成分を含むことが好ましい。
この構成によれば、特定の有彩色に近い色を有する画素の色をより適切な色に保つことができる。
上記画像処理置は、さらに、前記処理対象画像に存在する全画素の中で、低彩度かつ高輝度である所定の第2の範囲の色を有する複数の高輝度画素に関する画素値の平均値を算出する高輝度画素平均画素値算出部を備え、前記カラーバランス補正値算出部は、(i)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲に無い場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、(ii)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲にある場合には、前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行するようにしてもよい。
この構成によれば、高輝度画素の色相値の平均値が特定色に近い所定の範囲にあるか否かに応じてカラーバランス補正値を適切な値に設定することができる。具体的には、第1の演算モードでは、特定の有彩色に近い色を有する画素を適切な色に維持することができ、第2の演算モードでは、処理対象画像全体に関して好ましいカラーバランスを実現することができる。
あるいは、上記画像処理置において、前記特定の有彩色は肌色であり、前記処理対象画像を表す画像データファイルは、前記処理対象画像の撮影シーンのタイプを表す撮影シーンタイプ情報を含んでおり、前記カラーバランス調整実行部は、(i)前記撮影シーンタイプ情報が人物を表す場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、(ii)前記撮影シーンタイプ情報が人物以外のシーンを表す場合には、前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行するようにしてもよい。
この構成によれば、撮影シーンタイプが人物を表す場合に、肌色に近い色を有する画素を適切な色に維持することができる。一方、撮影シーンタイプ情報が人物以外のシーンを表す場合には、処理対象画像全体に関して好ましいカラーバランスを実現することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および画像処理装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
図2は、画像データファイルMFの構成を示す説明図である。
図3は、カラーバランス調整部212の構成を示すブロック図である。
図4は、処理対象画像TMGと種々のカラーバランス調整パラメータとを示す説明図である。
図5は、高輝度範囲HLRの一例を示す説明図である。
図6は、第1実施例におけるカラーバランス調整の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、カラーバランス補正値ΔC(R),(G),(B)を用いて実行されるカラーバランス調整の内容を示すグラフである。
図8は、第2実施例におけるカラーバランス調整の処理手順を示すフローチャートである。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての画像処理システムの構成を示す説明図である。このシステムは、画像生成装置としてのデジタルカメラ100と、画像処理装置としてのコンピュータ200と、画像出力装置としてのプリンタ300とを含んでいる。デジタルカメラ100で生成された画像データファイルMFは、コンピュータ200またはプリンタ300に転送されて出力される。なお、本明細書において、「出力」とはモニタ上の表示と印刷とを含んでいる。
図2は、画像データファイルMFの構成を示す説明図である。この画像データファイルMFは、撮影情報と、主画像データMMと、サムネイル画像データTMとを含んでいる。主画像データMMとサムネイル画像データTMは、通常は圧縮データ(例えばJPEG圧縮データ)の形式を有している。なお、サムネイル画像データTMは、画像データファイルMFに含まれていなくても良い。
撮影情報は、デジタルカメラ100で画像データファイルMFを生成したときの種々の条件や設定値を含んでいる。図2では、撮影情報として「撮影シーンタイプ」が例示されている。撮影シーンタイプとしては、「人物」「風景」「夜景」などが設定可能である。
コンピュータ200(図1)には、画像データファイルMFに基づいて印刷データを生成するためのプリンタドライバ210がインストールされている。プリンタドライバ210は、カラーバランス調整部212と、色変換部214と、ハーフトーン処理部216と、出力処理部218とを備えている。プリンタドライバ210で生成された印刷データPDは、出力処理部218からプリンタ300に供給される。印刷データPDは、印刷解像度を有する主走査ライン上の各画素についてインクドットの記録状態を指定するドットデータと、副走査送り量を特定する副走査送り量データとを含んでいる。なお、プリンタドライバ210は、印刷用のドットデータを生成する機能を実現するためのコンピュータプログラムに相当する。また、カラーバランス調整部212は、カラーバランス調整を実行する機能を実現するためのコンピュータプログラムに相当する。
プリンタドライバ210の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給し得る。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等のコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
図3は、カラーバランス調整部212の構成を示すブロック図である。また、図4は、処理対象画像TMGの例と、種々のカラーバランス調整パラメータとを示す説明図である。カラーバランス調整部212は、以下の各部を備えている。
(1)高輝度画素平均画素値算出部220:
この算出部220は、処理対象画像データDorg(図2の主画像データMM)に基づいて、高輝度画素に関する以下の平均画素値を算出する。
a.色成分平均値CB_ave(R),CB_ave(R),CB_ave(B);
b.平均輝度値CB_ave(Y);
c.平均色相値CB_ave(H)
「高輝度画素」とは、彩度値が低く、かつ、輝度値が高い所定の色範囲(高輝度範囲)に含まれる色を有する画素を意味している。図5は、高輝度範囲HLRの一例を示している。なお、各画素の輝度値Yと彩度値Sを算出する式としては種々のものを利用可能であり、例えば以下の式を利用することができる。
ここで、a*,b*は、La*b*表色系の座標値である。輝度値Yとしては、La*b*表色系の明度値Lを用いることも可能であり、他の色空間の輝度値または明度値を用いることも可能である。また、彩度値Sに関しても、HSL(Hue/Saturation/luminance)色空間やHSB(Hue/Saturation/Brightness)色空間などの他の色空間の彩度値を用いることが可能である。
色成分平均値CB_ave(R),(G),(B)は、RGBのそれぞれの色成分に関する平均値である。また、平均輝度値CB_ave(Y)は輝度値Yの平均値であり、平均色相値CB_ave(H)は色相値Hの平均値である。色相値Hの値は、例えばLa*b*表色系のa*軸からの角度や、HSL色空間やHSB色空間の色相値Hを用いることが可能である。
(2)肌色画素割合算出部222:
この算出部222は、処理対象画像データDorgに基づいて、肌色画素割合SPratioを算出する。肌色画素割合SPratioは、以下の(3)式で与えられる。
ある画素が肌色画素か否かは、その画素の色が、予め定められた肌色範囲内にあるか否かによって判断される。肌色範囲は、例えば、色相値Hの範囲と明度Lの範囲とに基づいて設定することができる。
(3)肌色画素平均画素値算出部224:
この算出部224は、処理対象画像データDorgに基づいて、RGBのそれぞれの色成分に関する複数の肌色画素の平均画素値SC_ave(R),(G),(B)を算出する。
(4)カラーバランス補正値算出部226:
この算出部226は、上述した種々の値に基づいて、RGBのそれぞれの色成分に関するカラーバランス補正値ΔC(R),(G),(B)を算出する。本実施例においては、カラーバランス補正値ΔC(R),(G),(B)は、以下の(4a)〜(4c)式に従って算出される。
ここで、k1,k2は所定の係数である。SC_target(R),(G),(B)は、各色成分に関する肌色の目標画素値であり、予め定めされた所定の値である。以下で説明するように、係数k1,k2の値は、例えば処理対象画像に応じて設定される。係数k1,k2の設定方法や、カラーバランス補正値ΔC(R),(G),(B)の意味については後述する。
図6は、第1実施例におけるカラーバランス調整の処理手順を示すフローチャートである。ステップS1では、上述した種々のカラーバランス調整用パラメータCB_ave,SPratio,SC_ave(補正値ΔC(R),(G),(B)を除く)が算出される。ステップS2では、カラーバランス補正値算出部226が、高輝度画素の平均色相値CB_ave(H)が所定の肌色域(肌色の色相範囲)に含まれるか否かを判断する。平均色相値CB_ave(H)が肌色域に含まれていない場合には、カラーバランス補正値算出部226は、肌色目標値SC_target(R),(G),(B)を利用したカラーバランス補正値を算出する第1の演算モードで演算を実行する(ステップS3)。具体的には、上記(4a)〜(4c)式の2つの係数k1,k2を、例えばそれぞれ1.0に設定する。このとき、上記(4a)〜(4c)式は以下の(5a)〜(5c)式に書き換えられる。
(5a)〜(5c)式の右辺第1項は、高輝度画素の平均輝度値CB_ave(Y)と、高輝度画素の各色成分の平均画素値CB_ave(R),(G),(B)との差分である。これは、高輝度画素の色が無彩色からずれている場合に、画像全体の色を無彩色に近付ける作用を有している。(5a)〜(5c)式の右辺第2項は、肌色の目標画素値SC_target(R),(G),(B)と肌色画素の平均画素値SC_ave(R),(G),(B)との差分に、肌色画素割合SPratioを乗じたものである。この第2項は、肌色近傍の色を有する画素の平均的な色が肌色の目標値からずれている場合に、肌色の目標値に近付ける作用を有している。従って、(5a)〜(5c)式で与えら得る補正値ΔC(R),(G),(B)を用いて処理対象画像の全体にカラーバランス調整を行えば、肌色画素を肌色の目標色に近付けながら処理対象全体のカラーバランスを実現することができる。
一方、ステップS2において、平均色相値CB_ave(H)が肌色域に含まれていると判断された場合には、カラーバランス補正値算出部226は、肌色目標値SC_target(R),(G),(B)を利用しないカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行する(ステップS4)。具体的には、上記(4a)〜(4c)式の第1の係数k1を予め定められたゼロでない正の数に設定し、第2の係数k2をゼロに設定する。例えば、係数k1を1.0に設定し、係数k2をゼロに設定すると、上記(4a)〜(4c)式は以下の(6a)〜(6c)式に書き換えられる。
上述したように、この右辺の項は、高輝度画素の色が無彩色からずれている場合に、画像全体の色を無彩色に近付ける作用を有しているので、画像全体に対して適切なカラーバランスを実現することができる。なお、高輝度画素の平均色相値CB_ave(H)が肌色域に含まれていると判断された場合に(4a)〜(4c)式の右辺第2項の係数k2をゼロとしているのは、右辺第2項があるために、補正値が過度に大きな値となることを防止するためである。
但し、高輝度画素の平均色相値CB_ave(H)が肌色域に含まれているか否かに拘わらず、(4a)〜(4c)式または(5a)〜(5c)式によってカラーバランス補正値ΔC(R),(G),(B)を算出するようにしてもよい。このとき、右辺第1項の係数k1はゼロに設定してもよい。
カラーバランス補正値ΔC(R),(G),(B)が算出されると、図6のステップS5において、カラーバランス調整実行部228がカラーバランス調整を実行し、調整済み画像データDcr(図3)を生成する。図7は、補正値ΔC(R),(G),(B)を用いて実行されるカラーバランス調整の内容を示すグラフである。カラーバランス調整は、処理対象画像データDorgのRGBの各色成分に関して階調補正(トーンカーブ補正)を実行する処理である。破線は無変換の特性を示している。上述した手順で算出された補正値ΔC(R),(G),(B)は、入力基準値Drefにおける出力値を無変換特性からシフトさせるずらし量に相当する。入力基準値Drefとしては、例えば、上述した高輝度画素の平均輝度値CB_ave(Y)の値を用いることができ、あるいは、所定の一定値(例えば192)を用いることもできる。図7の例では、RGBの各色成分に対して入力基準値Drefに対する補正値ΔC(R),ΔC(G),ΔC(B)を一つずつ指定することによって、各色成分のトーンカーブの形状が決定される。但し、これ以外の設定方法を採用してもよい。
上述したように、第1実施例によれば、肌色目標値を利用して処理対象画像のカラーバランス補正値を決定するので、もともと望ましい肌色であった画素の色をカラーバランス調整によって過度に変えてしまう現象を緩和することができる。
B.第2実施例:
図8は、第2実施例におけるカラーバランス調整の処理手順を示すフローチャートである。図6に示した第2実施例の処理手順との違いは、ステップS2が2つのステップS11,S12に置き換えられている点だけであり、他の構成や動作は第1実施例と同じである。
ステップS11では、カラーバランス補正値算出部226が、画像データファイルMF(図2)から撮影シーンタイプを取得する。ステップS12では、撮影シーンタイプが「人物」を表しているか否かを判断し、「人物」であればステップS3において肌色目標値を利用したカラーバランス補正値を算出する。一方、撮影シーンタイプが「人物」でなければ、ステップS4において肌色目標値を利用せずにカラーバランス補正値を算出する。
撮影シーンタイプは、デジタルカメラ100で撮影するときに操作者によって設定されたものである。撮影シーンタイプが「人物」のものは、肌色を重視していると考えられるので、ステップS3において肌色目標値を利用したカラーバランス調整値を求めることが好ましい。なお、撮影シーンが人物のものであるか否かは、撮影シーンタイプ以外の情報から判定するようにしてもよい。すなわち、画像の撮影シーンのタイプを表す何らかの情報(これを「撮影シーンタイプ情報」と呼ぶ)から、撮影シーンが「人物」であるか否かを判定するようにしてもよい。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上述した各種の式の代わりに、特定色画素割合と特定色画素の平均画素値とに基づいてカラーバランス補正値を算出する種々の形式を採用することが可能である。例えば、(4a)〜(4c)式の右辺第2項は、肌色の目標画素値SC_target(R),(G),(B)と肌色画素の平均画素値SC_ave(R),(G),(B)との差分に、肌色画素割合SPratioを乗じた形式を有していたが、この代わりに、これらの値を2乗した値や平方根などを含む形式を用いてもよい。但し、カラーバランス補正値は、(4a)〜(4c)式の右辺第2項のように、肌色の目標画素値SC_target(R),(G),(B)と肌色画素の平均画素値SC_ave(R),(G),(B)との差分が大きいほど大きく、また、肌色画素割合SPratioが大きいほど大きくなる成分を有していることが好ましい。
なお、上記各実施例ではカラーバランス補正値を求める際に特定色画素割合を利用していたが、特定色画素割合を利用せずにカラーバランス補正値を求めるようにしても良い。例えば、特定色画素の平均画素値に基づいてカラーバランス補正値を求めるようにしても良い。また、特定色画素の平均画素値と高輝度画素の平均画素値とに基づいてカラーバランス補正値を求めるようにしても良い。
C2.変形例2:
上述した各実施例では、画質調整処理としてカラーバランス調整のみを行っていたが、これに加えて他の種類の画質調整処理を実行してもよい。例えば、記憶色処理や、鮮鋭度強調処理などを行ってもよい。なお、記憶色処理は、記憶色(特定の有彩色)の近傍の色を有する画素のみを対象として、それらの画素の色を目標色に近づける処理である。
Claims (10)
- 処理対象画像のカラーバランスを調整するための画像処理装置であって、
前記処理対象画像に存在する全画素の中で、特定の有彩色の近傍の所定の第1の範囲の色を有する特定色画素の割合である特定色画素割合を算出する特定色画素割合算出部と、
前記特定色画素の画素値の平均値を算出する特定色画素平均値算出部と、
前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値とに基づいて、カラーバランス補正値を算出する第1の演算モードを有するカラーバランス補正値算出部と、
前記カラーバランス補正値を用いて前記処理対象画像全体に対してカラーバランス調整を実行するカラーバランス調整実行部と、
を備える画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理置であって、
前記第1の演算モードにおいて算出される前記カラーバランス補正値は、前記特定色に対して予め決定された特定色目標画素値と前記特定色画素の平均画素値との差分が大きいほど大きく、また、前記特定色画素割合が大きいほど大きくなる成分を含む、画像処理装置。 - 請求項1または2記載の画像処理置であって、さらに、
前記処理対象画像に存在する全画素の中で、低彩度かつ高輝度である所定の第2の範囲の色を有する複数の高輝度画素に関する画素値の平均値を算出する高輝度画素平均画素値算出部を備え、
前記カラーバランス補正値算出部は、
(i)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲に無い場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、
(ii)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲にある場合には、前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行する、画像処理装置。 - 請求項1または2記載の画像処理置であって、
前記特定の有彩色は肌色であり、
前記処理対象画像を表す画像データファイルは、前記処理対象画像の撮影シーンのタイプを表す撮影シーンタイプ情報を含んでおり、
前記カラーバランス調整実行部は、
(i)前記撮影シーンタイプ情報が人物を表す場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、
(ii)前記撮影シーンタイプ情報が人物以外のシーンを表す場合には、前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行する、画像処理装置。 - 処理対象画像のカラーバランスを調整するための画像処理方法であって、
(a)前記処理対象画像に存在する全画素の中で、特定の有彩色の近傍の所定の第1の範囲の色を有する特定色画素の割合である特定色画素割合を算出する工程と、
(b)前記特定色画素の画素値の平均値を算出する工程と、
(c)カラーバランス調整に用いるカラーバランス補正値を算出する工程と、
(d)前記カラーバランス補正値を用いて前記処理対象画像全体に対してカラーバランス調整を実行する工程と、
を備え、
前記工程(c)は、前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値とに基づいて、カラーバランス補正値を算出する第1の演算モードで演算を実行する工程を含む、
を備える画像処理方法。 - 処理対象画像のカラーバランスを調整するためのコンピュータプログラムであって、
前記処理対象画像に存在する全画素の中で、特定の有彩色の近傍の所定の第1の範囲の色を有する特定色画素の割合である特定色画素割合を算出する特定色画素割合算出機能と、
前記特定色画素の画素値の平均値を算出する特定色画素平均値算出機能と、
前記特定色画素割合と前記特定色画素の平均画素値とに基づいて、カラーバランス補正値を算出する第1の演算モードを有するカラーバランス補正値算出機能と、
前記カラーバランス補正値を用いて前記処理対象画像全体に対してカラーバランス調整を実行するカラーバランス調整実行機能と、
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。 - 処理対象画像のカラーバランスを調整するための画像処理装置であって、
前記処理対象画像に存在する全画素の中で、特定の有彩色の近傍の所定の第1の範囲の色を有する特定色画素の画素値の平均値を算出する特定色画素平均値算出部と、
前記特定色画素の平均画素値に基づいて、カラーバランス補正値を算出する第1の演算モードを有するカラーバランス補正値算出部と、
前記カラーバランス補正値を用いて前記処理対象画像全体に対してカラーバランス調整を実行するカラーバランス調整実行部と、
を備える画像処理装置。 - 請求項7記載の画像処理置であって、
前記第1の演算モードにおいて算出される前記カラーバランス補正値は、前記特定色に対して予め決定された特定色目標画素値と前記特定色画素の平均画素値との差分が大きいほど大きくなる成分を含む、画像処理装置。 - 請求項7または8記載の画像処理置であって、さらに、
前記処理対象画像に存在する全画素の中で、低彩度かつ高輝度である所定の第2の範囲の色を有する複数の高輝度画素に関する画素値の平均値を算出する高輝度画素平均画素値算出部を備え、
前記カラーバランス補正値算出部は、
(i)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲に無い場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、
(ii)前記複数の高輝度画素の色相値の平均値が前記特定色に近い所定の範囲にある場合には、前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行する、画像処理装置。 - 請求項7または8記載の画像処理置であって、
前記特定の有彩色は肌色であり、
前記処理対象画像を表す画像データファイルは、前記処理対象画像の撮影シーンのタイプを表す撮影シーンタイプ情報を含んでおり、
前記カラーバランス調整実行部は、
(i)前記撮影シーンタイプ情報が人物を表す場合には、前記第1の演算モードで演算を実行し、
(ii)前記撮影シーンタイプ情報が人物以外のシーンを表す場合には、前記特定色画素の平均画素値を利用せずに前記複数の高輝度画素に関する平均画素値を利用してカラーバランス補正値を算出する第2の演算モードで演算を実行する、画像処理装置。
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