JPWO2004061056A1 - プラウ触媒で活性化された低級アルコール、それを含有してなる燃料添加剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特にガソリンなどの化石燃料を使用した内燃機関の普及は、大気中の二酸化炭素の量を増加させるだけでなく、多量の酸化窒素や酸化硫黄、さらに有機微粒子(HC)を大気中に放出し、大気汚染の大きな原因のひとつになっている。このために、化石燃料の使用に換えて、アルコールや天然ガスを燃料にした内燃機関や、燃料電池などによる電気自動車などの開発が行われているが、馬力や加速性が十分ではなく、普及するに至っていない。
本発明者は、ガソリンなどの燃料の低公害化についての発明をしてきた(先行技術文献1及び2参照。)。これはガソリンなどの燃料油を磁場中に通し、次いで超音波で処理し、トルマリン石などの特定の無機物質の存在下の電場に通すことからなる燃料油の処理方法及びその装置に関するものである。詳細な理由は必ずしも明確ではないが、このような処理を行うことにより排気ガス中のCO2、NOx及びSOxの量が減少し、また同時に炭化水素微粒子の排出量も減少し、公害の少ない燃料油を得ることができることを明らかにしてきた。
この方法における詳細な機構は現在のところ必ずしも明確にはなっていないが、このような処理により驚くべき効果があったことが事実にされている。
また、畑中らは、セラミックス、金属片、強磁性鉱物などの無機物質に加圧水を通し、次いで曝気して、水を活性化鉱水にする方法を開示している(先行技術文献3参照。)。水をこのように処理することにより、無機物質中の無機質が溶存し、曝気により溶存酸素量も増加し、大腸菌などの微生物の繁殖が抑制された水を得ることができると開示されているが、燃料への適用については開示されていない。
本発明者らは、物質を、木酢液及び/又は竹酢液の存在下で、加温、加圧することにより、当該物質を活性化させる方法、及び当該方法により活性化された物質(これを、プラウ触媒という。)についての発明を特許出願してきた(先行技術文献4参照)。さらに、このような活性化された物質を利用したコンクリートボード(このボードを、エコボードという。)についての発明も特許出願してきた(先行技術文献5参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
1.WO 98/42807号
2.米国特許明細書第5980700号
3.特開平3−106494号
4.特願2002−348151号明細書
5.特願2002−348152号明細書
第2図は、本発明のプラウ触媒を製造する装置の例の断面図である。
2 蓋
3 蓋ロックハンドル
4 オーリングシール
5 加圧空気供給口
6 液体取り出し口
7 サクションパイプ
8 プロテクター
9 リリーフバルブ
即ち、本発明は、木酢液及び/又は竹酢液の存在下で、加温、加圧することにより活性化された物質、又は当該物質の加工物に低級アルコールを接触させることからなる、低級アルコールを活性化させる方法、及びそれにより活性化された低級アルコールに関する。
また、本発明は、前記した本発明の活性化された低級アルコールを含有してなる燃料添加剤、及び当該燃料添加剤を含有してなる燃料組成物に関する。
本発明は、木酢液及び/又は竹酢液の存在下で、物質を特定の温度と圧力で加温及び加圧することにより、物質を活性化させ、このようにして活性化された物質の利用に関する。以下、本発明ではこのようにして活性化された物質のことを「プラウ触媒」と称する。
このようなプラウ触媒の製造に使用される物質としては、セラミックス、ガラス、天然石などのシリカ等を主成分とする物質、二酸化ケイ素などの無機物質類:アルミニューム、チタン、ステンレス、鉄等の金属類:金、銀等の貴金属類:樹脂等の有機物質類などの化学品などが挙げられる。
本発明のプラウ触媒により、これまで破壊された自然環境の回復を図るべく、土壌や河川に自助活性能をもたせることが期待できる。応用例としては、新規プラウ触媒を活用して酸性化した土壌をもとの自然の土壌に還元する方法等が提案される。
本発明のプラウ触媒により物質がどのように活性化されるのかということについては必ずしも明確ではないが、本発明者が動植物の基本構成元素のひとつである水素の機能にヒントを得て開発したものである。本発明のプラウ触媒は、分子中の水素原子の分子内での運動や分子間の会合状態を、本発明の方法により人工的に特殊化できたものと考えられる。このように本発明の方法により分子内での水素原子などの元素の運動や状態を特殊化させたものが本発明の「プラウ触媒」であると考えられる。そして、このプラウ触媒に接触した物質は、プラウ触媒からその分子の運動や状態についての情報が伝えられ、その物質が持つ水素原子などの元素の分子運動が正常に反応し始めることになると考えられる。
水は、この世に存在する物質の中で最も多い物質であり、かつ生命体においても最も多く含まれる物質である。そして、水は、酸素原子と2個の水素原子からなるものであり、通常は水素結合により多数の水分子が会合した状態で存在している。水の水素原子が正常かつ活発な分子運動を起こすことによって、水を含む物質が本来持っている機能、特性が引き出されることになる。しかし、現代は様々な化学物質などにより、その基本的な構造がゆがんできており、本発明のプラウ触媒は、そのゆがんだ構造を、もともとの自然のリズムに戻してやる役割を果たしていると考えられる。
また、植物の光合成や動物の免疫機能を持つ細胞に大きく影響しているのが遺伝子やたんぱく質である。そして、その遺伝子やたんぱく質の構造を維持しているのが水素原子であり、多数の水素結合による3次元的な構造が維持されている。本発明のプラウ触媒による、分子内での水素原子などの運動や状態などの正常化作用は、当然、この機能を最大限に引き出し、生命維持に必要なものは増やし、不必要なものからは防御する力を、自ら保有する自然の能力として発揮するようになる。
これまで、鉱物に水を接触させるなどして作った水や、バイオの力で生物の機能回復や拡大を図った発見はあるが、水素の分子運動に着目したものは、このプラウ触媒が初めてである。
次に、本発明のプラウ触媒の効果を実験により示す。
ガラスビーズを用いて製造した本発明のプラウ触媒を用いて製造された本発明のプラウ活性水を用いてコンクリート塊を製造した。製造されたコンクリート塊は、B4の大きさで厚さ12〜13cmとした。このコンクリート塊(以下、このコンクリート塊をエコボードと呼ぶ。)を用いて、全国33カ所の田んぼで稲の生育についての比較試験を行った。約300坪の田んぼ当たり6枚のエコボードを等間隔に用いた。比較のために一方の田んぼにはエコボードを用いなかった。
この結果を次の表1に示す。
農薬散布が大幅に減少したのは、稲自体の生命力が強くなり、害虫などに対する生命力が強くなったためと考えられる。また、プラウ触媒を用いた田んぼで育った稲は通常のものより根が2倍大きく茎も太く丈夫であった。さらに、米の小米が通常の米に比べ半分に減少していた。このように、本発明のプラウ触媒を使用することにより、収穫量が増加するだけでなく、稲自体の生育が健全になり、自然により近い状態での育成が可能となる。
更に、一部の田んぼでは、オタマジャクシの他にみみずやトンボの増加も観察された。また、プラウ触媒を用いた田んぼの土は、さらさら地質から粘り地質に変化し、これはプラウ触媒が土壌の改善にも寄与したことを示している。
この実験において収穫された米の成分を測定した結果、プラウ触媒を用いた田んぼから収穫された米は、たんぱく質成分(うまみ成分)が含有量が平均約8〜8.5%であった。通常の米のたんぱく質成分の含有量は平均約5〜5.5%であったことから、本発明のプラウ触媒を用いた田んぼから収穫された米は通常の米に比べて約60%もタンパク質成分が増加していることがわかった。一般に米のたんぱく質の含有量が多すぎると冷めたときにご飯が硬くなると言われているが、この場合、冷めても味に格別の変化は見られず、プラウ触媒を用いた田んぼから収穫された米は冷めてもおいしく食べられるのが特徴である。
次に、ガラスビーズ状の本発明のプラウ触媒を用いて金属の錆びについての実験を行った。
透明なプラスチックの器を二つ用意し、一方にはプラウ触媒の機能を持つガラスビーズと水道水及び安全ピンを入れ、他方には水道水と安全ピンだけを入れ、共に密閉して静置した。ガラスビーズ状の本発明のプラウ触媒を入れない器の安全ピンは水道水中ですぐに錆び始めたが、ガラスビーズ状の本発明のプラウ触媒を入れた前者の器の安全ピンは6ヶ月を経過しても錆びなかった。現在もこの実験を継続しているが、未だ錆びはじめていない。
これは、本発明のプラウ触媒の働きにより水が活性化され、金属製のピンが錆びにくくなったためと考えられる。
次に、プラウ触媒を用いた魚の生育状況について実験を行った。
ガラスビーズを用いて製造した本発明のプラウ触媒を用いて製造された本発明のプラウ活性水を用いてコンクリート塊を製造した。製造されたコンクリート塊は、直径約1.5〜2cmの粒状(エコ粒)とした。このコンクリート塊を、魚や水草が生育している水槽に40個入れた。
現在のところ、このコンクリート塊を水槽に入れてから焼く4年以上が経過しているが、水槽の水は実験開始から変えなくても、腐っていない。現在さらに実験を継続中である。魚や水草も、元気に成長を続けている。さらに、水槽の底にたまった魚の糞も塊となって残るものの、腐食していない。
通常、水槽にコンクリートを上記のように入れると、コンクリートのアルカリ性が強いため、生物は死滅するが、プラウ触媒の作用により、有毒なものは排除され、自然界に存在する動植物の生命維持、育成に必要なエネルギーが生命に伝達された結果、腐敗することなく生育できたものと考えられる。
また、本発明のプラウ触媒を含有するコンクリートの塊の上に水道水を入れたガラスコップを置き、生花をいけた。ただ単に水道水入りのガラスコップにいけた同じ生花より、前者の方が開花が大幅に早かった。これも、本発明のプラウ触媒の持つエネルギーが、コップのガラスを通過し、中の水道水に伝達されて開花が促進された結果と考えられる。
同様に、観葉植物や植木などの生育も、本発明のプラウ触媒を用いることにより活発化された。
さらに、本発明のプラウ触媒と接触させた水を用いることにより、お茶やコーヒー、お酒水割りの味がまろやかになった。お茶などは、出がらしでもよく色も味もでた。また、いりこなどのだしがよくとれる一方、臭みを感じなくなった。
本発明のプラウ触媒と接触させた牛乳は、賞昧期限が通常よりも延びるだけでなく、その後も腐食するのではなく、放置しておくと次第に分離(水、たんぱく質、脂肪分)し、ヨーグルト状態になった。これを、ヨーグルトとして食べることができた。
以上のように、本発明のプラウ触媒は、種々の作用効果を奏し、生物の生育、金属の保存、味覚の改善、食品の保存などの各用途において極めて優れた作用効果を奏するものである。
さらに、本発明のプラウ触媒は、前記した作用効果の他に、有害な電磁波から生体を保護する作用、マイナスイオンの増加作用、空気の清浄化作用なども有ると考えられる。
次に、本発明のプラウ触媒の製造方法について説明する。
本発明のプラウ触媒は、セラミックス、ガラス、天然石などのシリカ等を主成分とする物質、二酸化ケイ素などの無機物質類:アルミニューム、チタン、ステンレス、鉄等の金属類:金、銀等の貴金属類:樹脂等の有機物質類などの化学品などの物質を、木酢液及び/又は竹酢液の存在下で、当該物質を特定の温度と圧力で加温及び加圧することにより製造することができる。
本発明のプラウ触媒の製造に使用される木酢液は、木材を乾留して得られる黒褐色で刺激臭のある液体であり、エステル類、ラクトン類などの多数の成分を含有している液体である。本発明の方法において使用される木酢液としては、木材からのものであればよいが、広葉樹や針葉樹等からの木酢液が好ましい。また本発明の方法で使用される竹酢液としては、竹を乾留して得られる液体であり、前記した木酢液と同様に使用することができる。
本発明の方法では、木酢液又は竹酢液をそれぞれ単独で使用することもできるが、木酢液及び竹酢液の両者を併用するのが好ましい。両者を併用する場合の混合比には特に制限はないが、木酢液:竹酢液の比が1:0.01〜10,1:0.1〜5,又は1:0.1〜3の範囲で混合するのが好ましい。
これらの木酢液及び/又は竹酢液は、水で希釈して使用するのが好ましく、通常は0.0001%〜1%程度の濃度、好ましくは0.002%〜0.2%の濃度、より好ましくは0.002%〜0.02%の濃度で使用される。
また、木酢液及び/又は竹酢液の使用量は特に制限はないが、活性化される物質が十分に浸る量、好ましくは1.2〜5倍量、1.5〜3倍量使用される。
本発明のプラウ触媒を製造するための温度としては、室温付近の温度が好ましく、通常は約10〜80℃、好ましくは20〜50℃程度である。
本発明のプラウ触媒を製造するための圧力としては、ゲージ圧で5〜50気圧、好ましくは5〜10気圧程度である。加圧するために使用される気体としては、窒素ガスなどの不活性ガスを使用することができるが、空気や炭酸ガスなどを使用することもできる。
本発明のプラウ触媒を製造する際に、木酢液及び/又は竹酢液を加温、加圧することにより、製造装置内において木酢液及び/又は竹酢液の固有の電磁波が発生しているとも考えられる。木酢液及び/又は竹酢液が有する固有の電磁波の吸収帯がどのあたりかという詳細な検討はなされていないが、本発明の方法による処理により、物質が電磁的な影響を受け、物質内の水素原子、特に水素結合などに関与している水素原子が特有な影響を受け、活性化されたのではないかと考えられる。このように、本発明は、物質の活性化に当たり、木酢液及び/又は竹酢液を使用することを第一の特徴とし、さらにこれを加温及び/又は加圧することを第二の特徴とするものである。
また、本発明は、このようにして活性化された物質を原材料として、これを加工して活性化された物質を製造する方法、及びその方法により製造された物質を提供するものである。例えば、前記した本発明の方法によりガラスの原料である二酸化ケイ素を活性化し、このようにして得られた活性化された二酸化ケイ素を用いてガラスを製造することができる。このようにして製造されたガラスは本発明の活性化された物質として作用を有している。
本発明のプラウ触媒を製造するための装置としては、加圧できる容器であれば特に制限はない。装置としては第1図および第2図に示す装置を例示することができる。第1図は製造装置を上から見た図であり、第2図はその断面図である。
製造装置1は、略円筒状の形状であり、その上部には、蓋2があり、蓋2には蓋ロックハンドル3が取り付けられており、蓋2はオーリングシール4でシールされて加圧可能になっている。装置1の上部には加圧空気供給口5、リリーフバルブ9、及び液体取り出し口6が設けられている。装置1の内部にはサクションパイプ7が導入されている。装置1はプロテクター8により補強されている。
製造装置1の中に0.002%〜0.02%の濃度の木酢液及び/又は竹酢液を入れ、活性化される物質として、例えばガラスの原料である二酸化ケイ素を添加して、オーリングシール4と共に蓋2を締める。蓋ロックハンドル3でロックした後、加圧空気供給口5から加圧空気を注入して、8気圧で30℃に保つ。この状態で約48時間維持することにより二酸化ケイ素が活性され、プラウ触媒機能をもったガラスの原料となる。活性化された二酸化ケイ素をガラスビーズの生産量の5%を添加することにより、製造されたガラスビーズ全量がプラウ触媒となる。
一般にこのような活性化された物質を用いて、これを原材料として次の物質を製造する場合には、原材料として0.01重量%以上、好ましくは0.01重量%〜80重量%、0.1%以上、1〜80重量%、より好ましくは1〜50重量%、1〜20重量%、1〜10重量%程度が選択される。
本発明は、このようにして活性化された物質(プラウ触媒)を用いて低級アルコールを活性化する方法に関する。本発明の活性化された低級アルコールは、前記してきたプラウ触媒に低級アルコールを接触させて製造することができる。例えば、貯蔵槽などの容器に低級アルコールを入れ、その中にプラウ触媒を入れておくことにより製造することができる。好ましい製造方法としては、プラウ触媒を充填した容器に低級アルコールを循環させて、全ての低級アルコールが十分にプラウ触媒と接触できるように、循環ポンプなどを使用して低級アルコールを循環する方法が挙げられる。
本発明の方法におけるプラウ触媒と低級アルコールとの接触時間には特に制限はないが、活性化が十分に移行できる時間接触させておくのが好ましい。
本発明の低級アルコールとしては、炭素数1〜15、炭素数1〜10、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分枝状の脂肪族飽和低級アルコールが好ましい。好ましい低級アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、第三級ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコールなどの常温で液状のアルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。人間や生物に対する安全性、価格の点からエチルアルコール、i−ブチルアルコールなどが好ましい。
前記の方法により活性化された本発明の活性化低級アルコールは、そのまま使用することもできるが、これを同一又は異なるアルコールにより希釈して使用することもできる。前記の方法により製造された本発明の活性化アルコールの含有率としては、0.5%以上、好ましくは0.5〜10重量%、0.5〜5重量%の範囲で含有することができる。通常は活性化されたアルコールと同一のアルコールを用いて、活性化アルコールが1〜3重量%になるように希釈して使用される。
本発明の燃料添加剤は、前記した方法により活性化された低級アルコール、又は活性化された低級アルコールの濃度が0.5〜10重量%になるように希釈された低級アルコールの1種又は2種以上を含有することを特徴とするものである。経済的な観点からは、約0.5〜3重量%の活性化された低級アルコールを含有する低級アルコールを使用するのが好ましく、この程度の濃度で十分本発明の効果を奏することができる。
本発明の燃料添加剤は、前記した方法により活性化された低級アルコール、又は活性化された低級アルコールの濃度が0.5〜10重量%になるように希釈された低級アルコールの1種又は2種以上を、少なくとも1重量%以上、好ましくは1〜100重量%、1〜80重量、3〜50重量%、3〜40重量%、又は5〜40重量%含有してなるものである。本発明の燃料添加剤は、前記した低級アルコールの他に、燃料となる成分、又は燃料の性質改善剤などを含有していてもよい。例えば、メチル−tert−ブチル−エーテルなどのエーテル系化合物、ブタノールやメタノールなどの低級アルコール、トルエンやベンゼンなどの炭化水素類、ナフサや石油エーテルなどの石油留分などを含有していてもよい。また、水分除去剤や、アンチノック剤などの性質改善剤をさらに含有していてもよい。
本発明は、前記した本発明の燃料添加剤を含有してなる燃料組成物を提供するものである。本発明の燃料としては、自動車、船、飛行機などに使用される内燃機関に使用される燃料が好ましいが、ボイラーなどに使用される燃料に使用することもできる。このような燃料としては、例えばガソリン、軽油、重油などが挙げられる。
本発明の燃料組成物は、燃料に対して任意の割合で前記した本発明の燃料添加剤を添加してなるものである。混合割合には特に制限はないが、例えば、5〜80重量%、5〜70重量、好ましくは5〜20重量%、通常は5〜10重量%の範囲で使用される。
また、本発明の燃料組成物は、ガソリン、軽油、重油などの燃料、及び前記してきた本発明の燃料添加剤の他に、他の燃料成分を含有していてもよい。他の燃料成分としては、メチル−tert−ブチル−エーテルなどのエーテル系化合物、ブタノールやメタノールなどの低級アルコール、トルエンやベンゼンなどの炭化水素類、ナフサや石油エーテルなどの石油留分などが挙げられる。
本発明の燃料添加剤は、低級アルコールを主成分とするものであり、ガソリン、軽油、重油などの燃料の多くは炭化水素類であることから、低級アルコールの濃度が高くなると一般に相分離が起きる可能性があるが、本発明の活性化された低級アルコールを使用すれば、低級アルコールの濃度が70重量%であっても長期間にわたって安定に保存することができる。例えば、
本発明の活性化されたエタノールを1重量%含有するエタノール:65重量%、
ブタノール:5重量%、及び、
ガソリン:30重量%
からなる燃料組成物は、常温で4年間保存しておいても相分離は観察されていない。また、この燃料組成物を−20℃で24時間冷却しても相分離は観察されなかった。
このように、安定な燃料組成物を提供することができることも、本発明のおおきな特徴のひとつである。
また、本発明の燃料組成物、又は本発明の燃料添加剤を添加してなる燃料は、排気ガス中から有害な成分の排出を抑制できる。例えば、次の組成の本発明の燃料添加剤を製造して、その性能を試験した。
燃料添加剤(プラウFA):
活性化されたイソブタノールを1重量%含有するイソブタノール:5重量%、
エタノール : 65重量%
ナフサ・ラフィネート : 30重量%
この燃料添加剤(プラウFA)を7重量%含有するガソリンと、全く含有していない対照のガンソリを用いて、型式:E−GX−110エンジン(トヨタ)により10・15モードでの試験を行った。その結果を次の表2に示す。
この結果、燃費はいずれも10.2km/Lで同じであったが、一酸化炭素(CO)の排出量は、無添加のガソリンでは0.80g/kmであったのに対して、本発明の燃料添加剤を添加したガソリンでは、0.41g/kmと約半減していた。炭化水素(HC)の排出量においても、無添加のガソリンでは0.10g/kmであったのに対して、本発明の燃料添加剤を添加したガソリンでは、0.04g/kmと約半減していた。窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)では両者におおきな差はみられなかった。
本発明の燃料添加剤を含有するガソリンは、合計で約5重量%の低級アルコールを含有するものであるが、この程度の通常の低級アルコールの含有率では排気ガスの成分に大きな変化が現れることは無いことから、以上の結果は、本発明の方法により活性化された低級アルコールの効果ということになる。即ち、本発明の燃料添加剤を使用することにより、燃料の燃費に大きな影響を与えることなく、排気ガス中の一酸化炭素や炭化水素の排出量を約半分に減少させることができることになる。
本発明のプラウ触媒により活性化された低級アルコールの効果は、前記してきたように、極めて優れてものである。その作用機構の詳細は必ずしも明確ではないが、プラウ触媒の作用を受けやすいと考えられる水素原子を有する低級アルコールがプラウ触媒により活性化され、活性化された低級アルコールの成分が燃料の燃焼に何らかの作用をしているものと考えられる。活性化された低級アルコールの水酸基部分の水素原子が、燃料の炭化水素の水素原子や、空気中の酸素原子などと何らかの相互作用をして、より完全な燃焼を誘導するものと考えられる。その結果、排気ガス中の不完全燃焼の残渣と考えられる一酸化炭素や炭化水素の量が減少したものと考えられる。
なお、特願2002−379885明細書に記載された内容を、本明細書にすべて取り込む。
参考例1 ガラス製品からなるプラウ触媒の製造
(1) 二酸化ケイ素の活性化
第1図及び第2図に示した装置1を用いて、ガラスの原料である二酸化ケイ素をプラウ触媒に活性化した。
水道水10Lに対し、木酢液、竹酢液の混合液の濃度が0.05%となるように調製した溶液を装置1に入れ、その中にガラスの原料である二酸化ケイ素を10kg入れて蓋2を締めて、加圧空気を導入して8気圧とした。
30℃で48時間、この状態で維持した後、装置1から活性化された二酸化ケイ素を取り出した。
(2) ガラスビー玉、ガラスビーズからなるプラウ触媒の製造
ガラスビー玉、ガラスビーズ製造時に、実施例1で活性化された二酸化ケイ素をガラスビーズを製造する量の5%となるように調製し、ガラスビー玉、ガラスビーズからなるプラウ触媒を製造した。
実施例1 プラウ触媒により活性化されたイソブタノールの製造
容積600mlの容器に参考例1で製造したガラスビー玉及びガラスビーズからなるプラウ触媒を、それぞれ400gを充填し、550Lの貯蔵槽に貯蔵したイソブタノール100Lを流速10L/分で、48時間循環させてプラウ触媒で活性化されたイソブタノール100Lを製造した。
実施例2 プラウ触媒により活性化されたエタノールの製造
容積600mlの容器に参考例1で製造したガラスビー玉及びガラスビーズからなるプラウ触媒を、それぞれ400gを充填し、550Lの貯蔵槽に貯蔵したエタノール100Lを流速10L/分で、48時間循環させてプラウ触媒で活性化されたエタノール100Lを製造した。
実施例3 活性化されたイソブタノールを含有するイソブタノールの製造
実施例1に記載の方法で製造されたイソブタノール0.1Lを、イソブタノール9.9L中に加えて、良く撹拌して、活性化されたイソブタノールを1重量%含有する本発明の活性化イソブタノール10Lを製造した。
実施例4 活性化されたエタノールを含有するエタノールの製造
実施例2に記載の方法で製造されたエタノール0.1Lを、エタノール9.9L中に加えて、良く撹拌して、活性化されたエタノールを1重量%含有する本発明の活性化エタノール10Lを製造した。
実施例5 燃料添加剤プラウFAの製造
実施例3で製造した活性化されたイソブタノールを1重量%含有するイソブタノール(比重、0.802)を500g、エタノール(比重、0.816)を650g、及びナフサ・ラフィネート(比重、0.7307)を300g取り、これらを混合して撹拌して、燃料添加剤プラウFAを1000g製造した。
実施例6 燃料添加剤Bの製造
実施例3で製造した活性化されたイソブタノールを1重量%含有するイソブタノール(比重、0.802)を50g、メタノールを410g、メチル−tert−ブチル−エーテルを50g、トルエンを100g、及びナフサを390gとり、これらを混合して、燃料添加剤Bを製造した。
実施例7 ガソリン燃料組成物の製造
実施例5で製造した燃料添加剤プラウFAを重量で約7重量%になるようにレギュラーガソリンに添加して、本発明のガソリン燃料組成物を製造した。
実施例8 ガソリン燃料組成物の製造
実施例4で製造した活性化されたエタノールを1重量%含有する本発明の活性化エタノールを6500g、ブタノールを500gとり、これらの混合物をガソリン3000g中に混合してガソリン燃料組成物を製造した。
このガソリン燃料組成物を常温で4年間保存してきたが、未だに相分離を起こしていない。また、この燃料組成物を−20℃で、24時間冷却したが、相分離は生じなかった。
試験例1
実施例7で製造したガソリン燃料組成物、及びレギュラーガソリンを使用して東京都環境科学研究所にて排気ガス及び燃費の試験を行った。
使用した自動車:型式E−GX100(トヨタ)
エンジン排気量 1988cc
圧縮比 9.6
最大出力 140ps/5600rpm
試験条件 : 10・15モード
試験室温度 : 22.2℃
試験室相対湿度: 55.2%
試験室大気圧 : 759.0mmHg
試験機器 : 小型シャシダイナモメータ(日立製作所)
排気ガス測定器: MEXA−9200、MEXA−9500G(堀場製作所)
CVS装置(CFV): CVS−9200(堀場製作所)
(1) レギュラーガソリンを用いた試験結果
まず、レギュラーガソリンを用いて試験した。
ガス採取量 : 6.084m3/分
希釈排出ガス量: 66.928m3
希釈率 : 16.014
であり、カーボンバランスによる燃料消費率は、10.23km/Lであった。
排気ガスの分析の結果を次の表3に示す。
(2) 実施例7で製造したガソリン燃料組成物を用いた試験結果
次に、実施例7で製造したガソリン燃料組成物を用いて試験した。
ガス採取量 : 6.065m3/分
希釈排出ガス量: 66.710m3
希釈率 : 15.924
であり、カーボンバランスによる燃料消費率は、10.22km/Lであった。
排気ガスの分析の結果を次の表4に示す。
Claims (15)
- 木酢液及び/又は竹酢液の存在下で、加温、加圧することにより活性化された物質、又は当該物質の加工物に低級アルコールを接触させることからなる、低級アルコールを活性化させる方法。
- 物質が、セラミックス、天然石、ガラス、二酸化ケイ素などの無機物質類、アルミニューム、チタン、ステンレス、鉄等の金属類、金、銀等の貴金属類、樹脂などの有機物質類からなる群から選ばれる物質である請求の範囲第1項に記載の方法。
- 加圧が、5〜50気圧である請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
- 木酢液が、広葉樹、針葉樹等からの木酢液である請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の方法。
- 請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の方法において、活性化された物質が二酸化ケイ素であり、その加工物がガラスである請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の方法。
- 請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の方法により活性化された低級アルコール。
- 低級アルコールが、エタノール及び/又はイソブタノールである請求の範囲第6項に記載の活性化された低級アルコール。
- 請求の範囲第6項又は第7項に記載の活性化された低級アルコールを、0.5%以上含有している低級アルコール。
- 活性化された低級アルコールの含有量が、0.5〜10重量%である請求の範囲第8項に記載の低級アルコール。
- 請求の範囲第8項又は第9項に記載の低級アルコールの1種又は2種以上を含有してなる燃料添加剤。
- 請求の範囲第8項又は第9項に記載の低級アルコールの1種又は2種以上を1〜80重量%含有してなる燃料添加剤。
- さらに、石油留分を含有してなる請求の範囲第10項又は第11項に記載の燃料添加剤。
- 燃料、及び請求の範囲第10項〜第12項のいずれかに記載の燃料添加剤を含有してなる燃料組成物。
- 燃料添加剤の含有量が、5〜70重量%である請求の範囲第13項に記載の燃料組成物。
- 燃料が、ガソリン、軽油、又は重油である請求の範囲第13項又は第14項に記載の燃料組成物。
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