JPWO2003061158A1 - 基地局及び移動局及び通信システム及び基地局通信方法及び基地局通信プログラム及び移動局通信方法及び移動局通信プログラム - Google Patents
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Abstract
移動局100の送信位置において必要な最大送信電力値から送信系増幅器の動作特性を制御することにより送信系増幅器の消費電力を抑え、通信時間の増大を図る。基地局900が移動局100の送信位置と受信品質を監視し、統計処理や予測により、送信位置において必要な最大送信電力を求め、それを基に移動局100は必要な最大送信電力を出せるように増幅器の動作特性を制御する。
Description
技術分野
この発明は、固定通信局である基地局と移動通信局である移動局との通信であって、移動局の送信電力制御に関するものである。
背景技術
移動局の送信電力制御を行なう無線通信システムとしては、例えばPDC(Personal Digital Celler)、CDMAone(Code Division Maltiple Access one)などが上げられる。
移動局の送信電力制御が行なわれる背景には、複数の移動局が基地局と通信する場合に、基地局端において基地局から近い移動局の送信電力が基地局から遠い移動局の送信電力より大きくなるために基地局から遠い移動局の通信が妨げられるといういわゆる「隠れ端末問題」を避けたいという目的がある。特に、CDMAoneのように、同じ周波数帯において複数の移動局が通信を行なう通信方式においては移動局の送信電力制御は、通信システムの通信容量(基地局が同時に通信できる移動局の数)をどれだけ大きくできるかに直結するため重要な技術である。
図13は、関連技術の一例として、移動局の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図14は基地局及び移動局の各内部機能ブロックを示している。
まず、図13において、900は基地局(BS:Base Station)である。
100は移動局(MS:Mobile Station)である。
3は、基地局900から移動局100への通信を行う下りリンク、4は、移動局100から基地局900への通信を行う上りリンクである。
ここで、リンクとは、データや制御情報の伝送のように特定の目的で行われる伝送時に割り当てられる周波数の帯域をいう。前述のように、CDMAoneでは、複数の移動局が同じ周波数帯域を共有して通信することが可能である。
5は、基地局900との通信が可能な範囲である基地局通信範囲の一部分を示したものである。基地局通信範囲5は、いわゆるセル(Cell)と呼ばれる。
基地局900の機能には、受信品質評価機能と上りリンク電力制御機能がある。また、移動局100の機能には、送信電力制御機能がある。
下りリンク3によって送信される無線周波数信号には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)が含まれている。上りリンク4によって送信される無線周波数信号には上り通信データが含まれている。
次に、図14に示す基地局900と移動局100の構成について説明する。
まず、基地局900(BS)について説明する。
901は上りリンク4の無線周波数信号を受信し、ベースバンド周波数に変換する基地局受信部である。902は上りリンク4及び下りリンク3の通信データを変復調する基地局データ通信部である。903は上りリンク4の受信品質を評価する受信品質評価部である。904は移動局100の送信電力制御信号を発生させる上りリンク電力制御情報生成部である。905は下りリンクデータ及び制御データを下りリンク3の無線周波数信号に変換する基地局送信部である。906は送受信を行なう基地局900側のアンテナである。
907は上りリンク無線周波数信号、908はベースバンド信号、909は下りリンク送信データ、910は受信品質評価情報、911は上りリンク電力制御コマンドをもつ上りリンク電力制御情報、912は下りリンク無線周波数信号である。
次に、移動局100(MS)について説明する。
101は下りリンク3の無線周波数信号を受信し、ベースバンド周波数に変換する移動局受信部である。102は下りリンク3及び上りリンク4のデータを変復調する移動局データ通信部である。104は移動局100の送信電力制御を行なう上りリンク電力制御部である。105は上りリンクデータを無線周波数信号に変換する移動局送信部である。106は送受信を行なう移動局100側のアンテナである。
107は下りリンク無線周波数信号、108はベースバンド信号、109は上りリンク送信データ、111は上りリンク電力制御信号、112は上りリンク無線周波数信号である。
また、3及び4は図13と同じように下りリンク及び上りリンクである。
以上、図13及び図14のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、動作を以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900においては、移動局100から送信された上りリンク4の無線周波数信号がアンテナ906において受信された上りリンク無線周波数信号907は基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換されベースバンド信号908となり、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903に入力される。受信品質評価部903は、入力したベースバンド信号908を基に受信品質評価情報910を上りリンク電力制御情報生成部904に出力する。上りリンク電力制御情報生成部904は、受信品質評価情報910から上りリンク電力制御コマンドを上りリンク電力制御情報911として生成する。この上りリンク電力制御コマンドは、上りリンク4の無線周波数信号電力を増減させるために必要な送信電力制御コマンドである。生成された上りリンク電力制御情報911は、基地局送信部905に入力される。
基地局送信部905は、基地局データ通信部902からの下りリンク送信データ909及び上りリンク電力制御情報生成部904からの上りリンク電力制御情報911を下りリンク無線周波数信号912に変換する。下りリンク無線周波数信号912は、下りリンク3の無線周波数信号としてアンテナ906から移動局100へ送信される。
移動局100の動作.
一方、移動局100においては、基地局900から送信された下りリンク3の無線周波数信号がアンテナ106において受信される。受信された下りリンク無線周波数信号107は移動局受信部101において無線周波数からベースバンド周波数へ変換されベースバンド信号108として出力される。出力されたベースバンド信号108は移動局データ通信部102及び上りリンク電力制御部104に入力される。上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108から基地局900で生成された上りリンク電力制御コマンドである上りリンク電力制御情報911を分離し、上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。また、移動局データ通信部102は、入力したベースバンド信号108から下りリンク送信データ909を分離すると共に、上りリンク送信データ109を移動局送信部105に出力する。移動局送信部105は、入力した上りリンク送信データ109を上りリンク無線周波数信号112に変換する。変換された上りリンク無線周波数信号112は、アンテナ106から基地局900へ上りリンク4によって送信される。このとき、移動局送信部105は、入力された上りリンク電力制御信号111に基づいて上りリンク4の送信電力を制御する。
基地局900において必要な受信品質は、移動局100の送信電力の制御動作により一意的に決まる。従って、以上に示したように、基地局900は上りリンク4の受信品質に基づいて移動局100の送信電力を制御する信号を移動局100に送り、移動局100は、基地局900から送られた送信電力を制御する信号に基づいて上りリンク4の送信電力を制御することで、基地局900の送信領域である基地局通信範囲5内の複数の移動局100からの上りリンク4の送信電力は基地局900に到達した時点で同じ値とすることができ、通信システムにおける通信容量を最大にすることができる。
次に、送信電力制御を行なう移動局100の一般的な移動局送信部105の構成における増幅器の動作について、図15を用いて以下に説明する。
図15は、移動局送信部105の内部ブロック図を示している。109は上りリンク送信データ、111は上りリンク電力制御信号、150は送信ミキサ、133は無線周波数信号、151は可変ゲイン増幅器(Variable Gain Amplifier;以下VGAと記す)、152は高出力電力増幅器(High Power Amplifier;以下HPAと記す)、112は上りリンク無線周波数信号である。
また、図16はHPA152の入力電力に対する出力電力の特性(入出力特性)の1例を示したものである。ここで、縦軸が出力電力、横軸が入力電力である。HPA152(増幅器)の動作点をa,bで表す。
さらに、図17は図16で示したHPA152の出力電力に対する消費電流の特性を示したものである。ここで、縦軸が消費電流、横軸が出力電力である。図16と同様に、HPA152(増幅器)の複数の動作点をa,bで表す。ここでは動作点bのときに移動局100が最大送信電力であるPmax935で情報を送信する。
まず、上りリンク4の上りリンク送信データ109は送信ミキサ150においてベースバンド信号から無線周波数信号133に変換される。変換された無線周波数信号133は、VGA151において上りリンク電力制御信号111に基づいてアンテナ106から送信される送信電力レベルを基地局900において必要とされる受信品質にするために、送信レベルを最大送信電力Pmax935以下になるように、そのゲインが制御され、HPA152において必要な送信電力レベルまで電力増幅され、上りリンク無線周波数信号112としてアンテナ106から送信される。
HPA152の出力電力を増加させたい場合には、VGA151は、HPA152への入力電力レベルを大きくなるように制御する。したがって、HPA152は、入力電力レベルの増加によりHPA152の出力電力を増加させ、上りリンク4の送信電力を大きくすることができる。例えば、VGA151がHPA152への入力電力レベルを増加させることにより、HPA152が動作点bで動作した場合には、上りリンク4の送信電力は最大送信電力であるPmax935となる。
一方、上りリンク4の送信電力を減少させたい場合には、VGA151がHPA152への入力電力レベルを下げるように制御する。したがって、HPA152の動作点は動作点bから動作点aに移行し、動作点aで動作することになる。
HPA152が出力する上りリンク無線周波数信号112の送信電力は、許容される歪みの条件を満足する必要がある。ここで、許容される歪みとは、送信系の各部において入力電力に対し比例した電力が出力されないために発生する非線形成分が隣接する周波数帯域へ妨害電力漏洩となってアンテナ106から送信される大きさ(ないしは電力比)を表す。通常、通信システムにおいてはシステム容量などからアンテナ106端において許容される歪みの大きさが規定される。移動局の送信系の設計においてはアンテナ106端において規定を満足するようにHPA152における歪みが決定され、それに対応する動作点までが動作範囲となる。これがHPA152に対する許容される歪みの条件となる。例えば、図16では、HPA152の出力電力が0の点から動作点bまでが許容される歪みの範囲であり、動作点b以上の範囲で発生する歪みは許容されない。このHPA512の出力電力の歪みは、通常、出力電力がHPA152の最大出力電力時に一番大きくなる。HPA152が、動作点b以上の入力電力値を取ることによる送信電力の歪み(HPA152出力電力の歪み)は、前述したように、隣接する周波数帯域への妨害電力漏洩の原因となる。よって、HPA152は動作点b以上の入力電力値を取ることは上記原因を引き起こすため避けた方がよい。したがって、HPA152は、機器の特性としては図16に示すHPA152の最大出力電力まで出力することができるが、上述した歪みの問題から、HPA152の最大送信電力を動作点bでの最大送信電力であるPmax935までに抑える制御を行っている。ここで、HPA152の最大出力電力から各動作点の出力電力までの差をバックオフという。上記歪みを解消するために、HPA152は、図16に示すようにHPA152の最大出力電力からPmax935までの差以上のバックオフを必要とする。
このようにして、HPA152では、各動作点における出力電力が許容される歪み(またはバックオフ)の範囲内であるように増幅器としての最大出力電力やバイアス電流が設定され、制御されている。
しかし、この設定では動作点a以下の出力電力の領域においては、HPA152の動作として最低限必要とされる図16のバックオフ量より大きなバックオフとなる。また、この領域においては、図17から、HPA152の出力電力が小さくてもHPA152の消費電流は比例して小さくならない。このため、動作点a以下の出力電力での動作は、HPA152の効率を低下させる。従って、移動局100のバッテリーが消耗し通話時間が短くなるという課題がある。
この発明は、移動局100の送信系増幅器の効率を向上させ、移動局100の通信時間を伸長することを目的とする。
発明の開示
この発明に係る基地局は、無線信号を移動局から受信する基地局受信部と、
上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する移動局位置監視部と、
情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける相関部と、
上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する上りリンク電力制御情報生成部とを備えることを特徴とする。
上記移動局位置監視部は、上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を複数検出し、検出した移動局の複数の位置情報から移動局の移動先を予測し、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、検出した移動局の複数の位置情報の各位置において通信に必要な送信電力値に対応させて、上記移動局位置監視部が予測した移動局の移動先の位置において通信に必要な送信電力値を求め、求められた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
上記移動局位置監視部は、検出した移動局の位置情報から移動局の移動先を予測し、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、上記移動局位置監視部が予測した移動局の移動先の情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
上記基地局は、さらに、上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の経路情報を検出する経路情報検出部を備え、
上記相関部は、移動局の位置情報と経路情報とを関連づけ、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、上記経路情報検出部が検出した経路情報と上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報とから上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づい移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
上記基地局は、複数存在し、
上記移動局位置監視部は、検出した移動局の位置情報から移動局の移動状態を予測し、予測した移動状態に基づいて移動局と通信する基地局を複数の基地局から選定し、選定された基地局に移動局との通信を切替えることを特徴とする。
この発明に係る移動局は、移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信する移動局受信部と、
制御信号によって上りリンクの電力を制御する増幅器と、
上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する送信電力値設定制御部と、
上記送信電力値設定制御部が生成した増幅器特性制御信号から上記増幅器の出力特性を制御する移動局送信部を備えることを特徴とする。
上記移動局は、さらに、上記送信電力値設定制御部が分離した送信電力値の情報に基づいて基地局へ送信する送信電力値を制御するための送信電力制御信号を生成する上りリンク電力制御部を備え、
上記移動局送信部は、上記上りリンク電力制御部が生成する送信電力制御信号から上記増幅器の送信電力値を制御することを特徴とする。
上記送信電力値設定制御部は、上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の移動先において通信に必要な送信電力値の予測情報を分離し、分離した送信電力値の予測情報から予測された送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成することを特徴とする。
上記移動局は、さらに、上記移動局受信部が受信した無線信号から移動先の予測情報を検出し、検出した移動先と現実の位置とを比較し、比較した結果から移動先の予測情報を採用するか否かを判断する予測評価部を備え、
上記送信電力値設定制御部は、上記予測評価部によって移動先の予測情報を採用すると判断された場合、予測された送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成することを特徴とする。
上記移動局は、さらに、出発点と到着点との指定を受けることにより出発点と到着点とから経路情報を設定する経路設定部と、
上記経路設定部が設定する経路情報を基地局へ伝送する情報に多重する移動局データ通信部とを備えることを特徴とする。
この発明に係る通信システムは、無線信号を移動局から受信する基地局受信部と、
上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する移動局位置監視部と、
情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける相関部と、
上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する上りリンク電力制御情報生成部とを備えた基地局と、
移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を上記基地局から受信する移動局受信部と、
制御信号によって上りリンクの電力を制御する増幅器と、
上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する送信電力値設定制御部と、
上記送信電力値設定制御部が生成した増幅器特性制御信号から上記増幅器の出力特性を制御する移動局送信部を備えた移動局とを備えることを特徴とする。
この発明に係る基地局通信方法は、無線信号を移動局から受信し、
上記受信した無線信号から移動局の位置情報を検出し、
上記検出した移動局の位置情報と情報を送信するための送信電力値とを関連づけ、
関連づけた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
この発明に係る基地局通信プログラムは、無線信号を移動局から受信する処理、
上記受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する処理、
上記検出した移動局の位置情報と情報を送信するための送信電力値とを関連づける処理、
関連づけた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る移動局通信方法は、移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信し、
上記受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成し、
上記生成した増幅器特性制御信号から増幅器の出力特性を制御することを特徴とする。
この発明に係る移動局通信プログラムは、移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信する処理、
上記受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する処理、
上記生成した増幅器特性制御信号から増幅器の出力特性を制御する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1から図5を用いて説明する。
なお、前記「従来の技術」の項において説明したブロックと同じないしは実質的に同一なブロックについてはその説明を省略する。
図1は、この発明の実施の形態1として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図2は基地局900及び移動局100の各内部機能ブロックを示している。
まず、図1において、下りリンク3によって送信される情報には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)と移動局100の現在位置に対する最大送信電力であるPmax935に関する情報データが含まれている。
また、上りリンク4によって送信される情報には、上り通信データが含まれている。
また、基地局900の機能には前述したように、受信品質を監視し評価する機能及び下りリンク3の送信電力を制御する機能の他に、移動局100の位置を監視し移動局100の最大送信電力(Pmax935)を決定する機能が含まれている。
また、移動局100の機能には前述したように、上りリンク4の送信電力を制御する機能の他に、移動局100の最大送信電力(Pmax935)の設定を制御する機能及び増幅器を制御する機能が含まれている。
次に、図2について説明する。
まず、基地局900の内部構成について説明する。
911は、上りリンク電力制御情報である。
930は、移動局位置監視部である。
931は、Pmaxテーブルである。Pmaxテーブルは、移動局100の位置において通信に必要な最大送信電力値(Pmax935)を移動局の複数の位置に対応させて複数記憶した送信電力テーブルである。このPmaxテーブル931には、受信品質評価部903が評価した結果を用いて自らを随時更新する機能が含まれている。
939は、相関部であり、情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける機能を有する。本実施の形態によって後述されるように、Pmaxテーブル931を用いて最大送信電力値と移動局の位置に関する情報とを関連づける場合だけでなく、相関部939は、Pmaxテーブル931を用いずに、移動局の位置に関する情報に送信電力値を関連づけることが可能である。例えば、相関部939は、位置情報から基地局900までの距離を計算して送信電力値を算出するための式を記憶しておいて、位置情報を受けた都度、その式を用いて送信電力値を決定する方法も考えられる。
932は、移動局位置情報をもつ監視情報である。
933は、Pmaxテーブルを検索するための検索情報である。
935は、移動局100の所定の位置に対し最も最適な最大送信電力を示すPmaxである。
次に、移動局100の内部構成について説明する。
130は、Pmax設定制御部である。Pmax設定制御部は、送信電力値設定制御部を示す。
131は、増幅器特性制御信号である。
132は、Pmax設定信号である。
以上のように図1及び2のように構成された通信システムについて、基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900は、アンテナ906から上りリンク4の無線周波数信号を受信する。受信された無線周波数信号は、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換される。ベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908は、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903とともに移動局位置監視部930に入力される。
移動局位置監視部930は、受信したベースバンド信号908から移動局100の現在位置を検出し、検出した移動局位置情報を監視情報932として上りリンク電力制御情報生成部904に送る。
受信品質評価部903は、移動局100からの無線周波数信号の受信品質を評価し、受信品質評価情報910として出力する。
上りリンク電力制御情報生成部904は、監視情報932から現在位置において必要な最大送信電力であるPmax935を決定する。すなわち、上りリンク電力制御情報生成部904は、監視情報932から移動局100の位置情報を検索情報933として相関部939に記憶されたPmaxテーブル931を検索し、検索情報933に示された移動局100の位置に対応する最大送信電力(Pmax935)を選択する。前述したように、Pmaxテーブル931では、移動局100の位置とその位置における受信品質評価情報910を基に絶えず必要なPmax935が更新される。
基地局送信部905は、基地局データ通信部902が出力した下りリンク送信データ909および最大送信電力情報であるPmax935を含んだ上りリンク電力制御情報911を無線周波数信号に変換し、アンテナ906から下りリンク3に送出する。
移動局100の動作.
次に、移動局100の動作について説明する。
移動局100において、移動局受信部101は、下りリンク3から受信した下りリンク無線周波数信号107を無線周波数からベースバンド周波数へ変換する。変換したベースバンド信号108は、移動局データ通信部102及び上りリンク電力制御部104に加えてPmax設定制御部130に入力される。
Pmax設定制御部130は、入力されたベースバンド信号108から移動局100の位置に対応した最大送信電力(Pmax935)情報を分離し、HPA152のバイアス電流の制御等、増幅器特性を制御するために必要なPmax935に対応する増幅器特性制御信号131を生成し、生成した増幅器特性制御信号131を移動局送信部105に送る。Pmax設定制御部130は、増幅器特性制御信号131から最大送信電力情報に関するPmax設定信号132を生成し上りリンク電力制御部104に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108を基に基地局900によって生成された上りリンク電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定信号132を基に上りリンク4の最大送信電力がPmax935を超えないように最大送信電力制御信号を設定し、前述のようにベースバンド信号108から分離した情報とともに上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。
移動局送信部105は、移動局データ通信部102から入力した上りリンク送信データ109を無線周波数信号112に変換する。
無線周波数信号112は、アンテナ106から上りリンク4によって基地局900へ送出される。このとき、移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に送信電力を制御すると共に、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により増幅器の特性を制御する。
次に、上記送信電力制御及び増幅器特性制御を行なう移動局送信部105の内部構成および移動局送信部105中の増幅器の動作について、図3〜図5を用いて以下に説明する。
図4は、HPA152の入力電力に対する出力電力の特性(入出力特性)の1例を示したものである。
図4で示すPmaxB対応入出力特性曲線は、動作点bで最大送信電力(PmaxB)となるHPA152の入出力特性を示している。PmaxA対応入出力特性曲線は、動作点aで最大送信電力(PmaxA)となるHPA152の入出力特性を示している。よって、最大送信電力の関係は、PmaxB>PmaxAとなる。
図5は、図4のHPA152の出力電力に対する消費電流の特性を示したものである。最大送信電力がPmaxBからPmaxAへ減少すると、HPA152の消費電力も相対的に減少することがわかる。
図3に示す移動局送信部105の内部動作について説明する。
まず、上りリンク4の上りリンク送信データ109は送信ミキサ150においてベースバンド信号から無線周波数信号133に変換される。変換された無線周波数信号133は、VGA151において上りリンク電力制御信号111に基づいて送信レベルを最大送信電力Pmax935以下に制御される。
HPA152は、Pmax設定制御部からの増幅器特性制御信号131を基にHPA152の増幅器としてのデバイス入出力特性を制御する。すなわち、例えば、HPA152は、増幅器特性制御信号131から要求される自己の入力電圧に対する出力電圧の特性(増幅器であるHPA152の入出力特性)を判断し、要求される入出力特性を満足するように自分自身であるHPA152のバイアス電流またはバイアス電圧を制御する制御方法がある。また、例えば、HPA152は、増幅器特性制御信号131によって要求されている入出力特性を満足するように電源電圧を制御する制御方法も考えられる。なお、上記のバイアス電流またはバイアス電圧とは、入力信号のない時に増幅器に加えられている電流または電圧をいう。
HPA152は、このような入出力特性の制御を行いながら、VGA151からの信号の電力を必要な送信電力レベルまで増幅し、上りリンク無線周波数信号112としてアンテナ106から送信する。
HPA152が、大きい最大送信電力を持つPmaxBから小さい最大送信電力を持つPmaxAに最大送信電力値を変更した場合、HPA152の入出力特性は、図4及び図5に示すように変化する。すなわち、図4に示すように、動作点aでのバックオフは、PmaxA対応入出力特性を持つときにバックオフ(PmaxA)となり、PmaxB対応入出力特性を持つときのバックオフ(PmaxB)に比べ小さくすることができる。このように動作点aにおけるバックオフを減少させることによって、HPA152のバイアス電流を減らすことができる。すなわち、図5に示すように、HPA152が、大きい最大送信電力であるPmaxBから小さい最大送信電力であるPmaxAに最大送信電力値を変更した場合、最大送信電力をPmaxBに設定した場合の電流特性が、最大送信電力をPmaxAに設定した場合の電流特性にシフトする。よって、HPA152の消費電流は、最大送信電力をPmaxBに設定した場合の動作点aにおける消費電流であるIPmaxBから最大送信電力をPmaxAに設定した場合の動作点aにおける消費電流であるIPmaxAに減少する。
このように、動作点aにおけるバックオフ量をHPA152の入出力特性を変更することによって最低の量にするよう最大送信電力(Pmax935)を動的に制御することで、各動作点における消費電流が低減される。
以上、固定局である基地局900と移動局100とから構成され、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し前記送信位置において必要な最大送信電力値を決定する機能と、前記最大送信電力値から移動局100の送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動局100の位置において必要な最大送信電力の情報を移動局100が入手し増幅器(HPA152)の入出力特性を制御することにより、低送信電力時における増幅器の効率を向上させることができ、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
本実施の形態の説明においては、基地局900内に送信電力テーブルであるPmaxテーブル931を保持しているが、Pmaxテーブル931の更新方法としては、受信品質を必ず満足するよう値を用いて更新・設定するという方法だけでなく、例えば統計処理などにより通信システムの実運用上問題にならない範囲において必要な最大値を決定しPmaxテーブル931を更新・設定しても良く、本実施例に示した方法に限らない。
また、本実施の形態の説明においては、移動局100の位置に関する情報とその位置情報に対応する最大送信電力情報データであるPmax935を移動局100に対し報知しているが、頻繁にPmax935の制御を行なう場合には特に、単にPmax935を送るだけでもよい。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の送信位置において必要な最大送信電力Pmax935の情報を基地局900から特定の移動局100との通信に係わる下りリンク3に多重して移動局100に報知しているが、同一のリンクに多重(即ち特定の移動局100に対する報知)する必要は無く、全ての移動局100に対する共通下りリンク3として報知し、各移動局100が必要な情報のみを受信するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の位置において必要な最大送信電力Pmax935の情報を基地局900から下りリンク3に多重して移動局100に報知し、移動局100はその情報を基に増幅器(HPA152)の制御を行なう機能を持たせている。しかし、基地局900側に増幅器制御機能をもたせ、下りリンク3に移動局増幅器制御用データを制御コマンドとして多重し、移動局100では単に制御用データを基に増幅器を制御するようにしても良く、各機能が基地局900及び移動局100のどちらにあってもよい。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の位置監視機能を基地局900が持ち移動局100の位置監視を独自に行なっている。しかし、移動局100が、自己の位置を監視する機能を持っていてもよい。例えば、移動局100にGPS(Global Positioning System)機能などを内蔵するか、または、移動局100にGPS機能をもった装置に接続する機能をもたせ装置を接続することにより、移動局100自身が自己の位置情報を入手し、移動局100から基地局900に対し上りリンク4を通じて位置情報を送るようにしてもよい。
また、本実施形態の説明においては、送信系増幅器(HPA152)の動作として動作点a,bに対応する2種類の動作状態が設定される場合について説明したが、さらに多数の動作状態に対して、あるいは、連続的に、増幅器(HPA512)の動作制御を行なってもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図6と図7を用いて説明する。
図6は、この発明の実施の形態2による通信システムを説明するための概念図である。
図7は、この発明の実施の形態2による基地局900及び移動局100の動作を説明するための内部ブロック図である。
なお、前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
最初に、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念を図6を用いて説明する。
図6において、下りリンク3によって送信される情報には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)とともに、予測最大送信電力情報である予測Pmax936に関する情報データが含まれている。
また、上りリンク4によって送信される情報には、上り通信データが含まれている。
また、基地局900の機能には前述したように、受信品質を監視し評価する機能及び上りリンク4の送信電力を制御する信号を生成する機能の他に、移動局100の位置を監視し、監視した移動局100の位置から移動局100の移動先を予測する機能及び予測した移動局100の移動先に対応する最大送信電力(予測Pmax936)を予測する機能が含まれている。
また、移動局100の機能には、実施の形態1の移動局100と同様に、上りリンク4の送信電力を制御する機能の他に、移動局100の予測された最大送信電力(予測Pmax936)を制御する機能及び増幅器を制御する機能が含まれている。
次に、基地局900及び移動局100の各内部構成及びその機能と動作について図7を用いて説明する。
本実施の形態では、移動局位置監視部930は、移動局100の移動先を予測する機能を備えている。
また、監視情報932は、移動局100の位置に関する情報及び移動局100の予測される移動先に関する情報を持つ。
また、上りリンク電力制御情報生成部904は、移動局位置監視部930が予測した移動局100の移動先から対応する最大送信電力(予測Pmax936)を予測する機能を備える。
911は、上りリンク電力制御情報である。
936は、上りリンク電力制御情報生成部904によって予測された最大送信電力情報を示す予測Pmaxである。
以上、図6及び7のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900は、アンテナ906から上りリンク4の無線周波数信号を受信する。受信された無線周波数信号は、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換される。ベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908は、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903とともに移動局位置監視部930に入力される。
移動局位置監視部930は、受信したベースバンド信号908から移動局100の現在位置を検出し、検出した移動局100の現在位置と移動局100の過去の位置との差分を算出し、算出結果から移動速度及び移動方向を基に移動先を予測する。ただし、移動局位置監視部930は、必ずしも移動局100の現在位置と過去の位置から移動先を予測する必要はなく、検出した移動局100の2以上の位置情報から移動局の移動先を予測すればよい。
移動局位置監視部930は、予測した移動局100の移動先の情報を監視情報932として上りリンク電力制御情報生成部904に送る。
上りリンク電力制御情報生成部904は、上りリンク4の受信品質に関する受信品質評価情報910及び予測した移動局100の監視情報932に基づいて、移動局100の移動先位置において必要な予測Pmax936を算出する。具体的には、上りリンク電力制御情報生成部904は、移動局100の現在までの位置及び移動局100の移動先の位置及び現在までのPmax935値から線形補間により、移動局100の移動先位置において必要な予測Pmax936を算出する。移動局100の2以上の位置情報とそれらの位置情報に対するPmax935から線形補間により予測Pmax936を算出してもよい。算出された予測Pmax936は、基地局送信部905に入力される。
なお、上りリンク電力制御情報生成部904は、監視情報932が保持する移動局100の移動先の情報から、移動先に対応した予測Pmax936を前述したPmaxテーブルから選択する方法を用いてもよい。
基地局送信部905は、下りリンク送信データ909および上りリンク電力制御情報911とともに、予測Pmax936を下りリンク無線周波数信号912に変換し、アンテナ906から下りリンク3を用いて送信する。
移動局100の動作.
移動局100の移動局受信部101は、アンテナ106から受信された下りリンク無線周波数信号107をベースバンド信号108に変換し、移動局データ通信部102、上りリンク電力制御部104及びPmax設定制御部130に入力する。
Pmax設定制御部130は、下りリンク3に含まれる予測Pmax936を分離する。Pmax設定制御部130は、分離した予測Pmax936に基づいて、予測された移動先における予測Pmax936に対応する増幅器(HPA152)の入出力特性を制御するための増幅器特性制御信号131を生成し、移動局送信部105に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108から基地局900で生成された上りリンク電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定信号132を基に上りリンク4の最大送信電力が予測Pmax936を超えないように最大送信電力制御信号を設定し、前述のようにベースバンド信号108から分離した上りリンク電力制御コマンド情報とともに上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。
移動局送信部105は、移動局データ通信部102から送られた上りリンク送信データ109を無線周波数信号112に変換する。
無線周波数信号112は、アンテナ106から上りリンク4によって基地局900へ送出される。このとき、移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に送信電力を制御すると共に、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により、移動局100の移動先においてHPA152の入出力特性を制御する。
なお、上述した移動局送信部105の内部構成及び上記動作以外は、前記「発明の実施の形態1」で説明したものと同様であるので省略する。
以上、固定局である基地局900と移動局100とからなり移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し、移動局100の移動先において必要な最大送信電力値を予測する機能と、前記予測された最大送信電力値から移動局100の送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動局100の移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)を移動局100が予め入手する。そして、入手した最大送信電力値を示す予測Pmax936から、移動局100が移動先に移動した場合の増幅器(HPA152)の入出力特性を制御する。このような制御により、低送信電力時における増幅器の効率を向上させることが可能となる。よって、移動局100のバッテリーの消費を抑制することができ、移動局100の通信時間を伸長することができるという効果がある。
また、移動局100が送信位置に達してからPmax935を決定するのではなく、移動局100の移動先を予測して予測Pmax936を決定することから、Pmax設定頻度及び増幅器制御頻度を増やすことが可能となる。よって、このような、より精密な増幅器の制御により移動局100のバッテリーの消費をさらに抑制することができ、移動局100の通信時間をさらに伸長することができるという効果がある。
以上、本実施形態の説明においては、基地局900は、移動局100の移動先の送信位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)を個別の下りリンク3に多重することにより特定の移動局100に報知している。しかし、基地局900は、個別の下りリンク3に多重して特定の移動局100に対してのみ予測Pmax936を報知する必要は無く、全ての移動局100に対する共通下りリンク3として報知してもよい。その場合には、各移動局100が必要な情報のみを受信するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の移動先位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)を基地局900から下りリンクに多重して移動局100に報知し、移動局100はその情報を基に増幅器の制御を行っている。しかし、前記「発明の実施の形態1」と同様に、基地局900が増幅器制御機能を備え、下りリンク3に制御用データ(制御コマンド)を多重し、移動局100では単に制御用データを基に増幅器を制御するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、前記「発明の実施の形態1」と同様に、移動局100の位置監視機能を基地局900が持ち、移動局100の位置監視を独自に行なっている。しかし、例えば移動局100にGPS(Global Positioning System)機能などを内蔵、ないしは移動局100にGPS機能をもった装置に接続する機能をもたせ、GPS機能をもった装置と接続することにより移動局100の位置情報を入手し、移動局100から基地局900に対し上りリンク4を通じて位置情報を送ることによって移動局100の位置監視機能を実現してもよい。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図8と図9を用いて説明する。
前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
図8は、この発明の実施の形態3として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図9は基地局900及び移動局100の各内部機能ブロックを示している。
まず、図8において、基地局900の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の基地局900と同様な機能が含まれている。
また、移動局100の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の移動局100と同様な機能の他に、予測評価機能が含まれている。
また、下りリンク3には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)とともに、移動局100の位置情報(位置データ)、予測Pmax936及び予測移動先情報が含まれている。
また、上りリンク4には、上り通信データが含まれている。
次に、図9について説明する。
911は、移動局位置情報及び予測した最大送信電力(予測Pmax936)情報を含んだ上りリンク電力制御情報である。
930は、移動局100の移動先を予測する機能を備えた移動局位置監視部である。
932は、移動局100の位置情報及び移動局100の予測された移動先の情報をもつ監視情報である。
904は、移動局100の移動先から予測Pmax936を予測する機能を備えた上りリンク電力制御情報生成部である。
また、160は、位置情報を格納する機能を備えた予測評価部である。161は、予測評価結果情報である。
以上、図8及び9のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900は、アンテナ906から上りリンク4の無線周波数信号を受信する。受信された無線周波数信号は、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換される。ベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908は、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903とともに移動局位置監視部930に入力される。
移動局位置監視部930は、受信したベースバンド信号908から移動局100の現在位置を検出する。また、移動局位置監視部930は、移動局100の現在の位置と過去の位置の差分から移動局100の移動先を予測する。検出した移動局の現在位置及び予測した移動先の情報をもつ監視情報932は、上りリンク電力制御情報生成部904に送られる。
上りリンク電力制御情報生成部904では、受信品質評価情報910と現在位置及び移動先情報を持つ監視情報932とから移動先位置において必要な予測Pmax936を算出する。すなわち、監視情報932に含まれる移動先情報に基づいて、Pmaxテーブルから移動先情報に対応する予測Pmax936がある場合にはその予測Pmax936を選択する。移動先情報に対応する予測Pmax936がない場合には、移動局100の現在までの位置及び移動先位置及び現在までのPmax935から予測Pmax936を線形補間により算出する。
移動局100の移動先に関する位置情報及び移動先における予測Pmax936を含む上りリンク電力制御情報911は、基地局送信部905に入力される。
基地局送信部905は、下りリンク送信データ909および「関連技術」において説明した上りリンク電力制御情報911と移動局100の位置情報と移動先における予測Pmax936を含む上りリンク電力制御情報911を無線周波数信号に変換し、アンテナ906から送信する。
移動局100の動作.
移動局100において受信された下りリンク無線周波数信号107は、移動局受信部101でベースバンド信号108に変換され、移動局データ通信部102、上りリンク電力制御部104、Pmax設定制御部130及び予測評価部160に入力される。
予測評価部160は、ベースバンド信号から108移動局100の予測された移動先の情報を分離して記憶する。予測評価部160は、予測された移動先の情報と現実の移動局100の位置とを比較し、極端に位置がずれていないかを判断する。判断後、予測評価部160は、予測評価結果情報161をPmax設定制御部130に送る。
Pmax設定制御部130は、ベースバンド信号108からベースバンド信号108に含まれる予測Pmax936を分離し、予測評価結果情報161を基に移動先において、予測Pmax936情報を採用するかどうかを判断する。Pmax設定制御部130は、予測評価結果情報161によって予測された移動先の情報と現実の位置とが極端に位置がずれていると判断した場合には、予測Pmax936情報を採用しない。その他の場合には、Pmax設定制御部130は、予測Pmax936の情報を採用する。
Pmax設定制御部130は、予測Pmax936の情報を採用すると判断した場合には、予測Pmax936の情報に対応する増幅器特性を制御するための増幅器特性制御信号131を移動局送信部105に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108を基に基地局900によって生成された上りリンク電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定信号132を基に上りリンク4の最大送信電力が予測Pmax936を超えないように最大送信電力制御信号を設定し、前述のようにベースバンド信号108から分離した情報とともに上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。
移動局送信部105は、移動局データ通信部102から入力した上りリンク送信データ109を無線周波数信号である上りリンク無線周波数信号112に変換する。
上りリンク無線周波数信号112は、アンテナ106から上りリンク4によって基地局900へ送出される。このとき、移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に送信電力を制御すると共に、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により増幅器の特性を制御する。
移動局送信部105の内部構成及び動作は前記「発明の実施の形態1」において図3〜図5を用いて説明と同じであるので省略する。
以上のように、固定局である基地局900と移動局100とからなり移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し、移動局100の移動先及び移動先において必要な最大送信電力値を予測する機能と、前記予測された移動先及び最大送信電力値から移動局100の移動先における送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報を移動局100が予め入手し移動先において増幅器の入出力特性を制御することにより、低送信電力時における増幅器の効率を向上させることができる。よって、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
さらに、極端に移動局100移動先位置が予測とずれた場合に最大送信電力が不足し通信品質が劣化したり、あるいは最大送信電力が過剰になり通信容量を減少する、といった通信状態を避けることができるという効果がある。
また、本実施形態の説明においては、移動先位置において必要な最大送信電力の予測情報を基地局900から下りリンク3に多重して移動局100に報知し、移動局100はその情報を基に増幅器の制御を行なう機能を持たせている。しかし、前記「発明の実施の形態1」と同様に、基地局900に増幅器制御機能をもたせ下りリンク3に制御用データ(制御コマンド)を多重し、移動局100では単に制御用データを基に増幅器を制御するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、前記「発明の実施の形態1」と同様に移動局100の位置監視機能を基地局900が持ち位置監視を独自に行なっている。しかし、例えば移動局100にGPS(Global Positioning System)機能などを内蔵ないしは接続することにより位置情報を入手し、基地局900に対し上りリンクを通して情報を送るようにしても良い。
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図10、図11を用いて説明する。
前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
図10は、この発明の実施の形態4として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図11は基地局900及び移動局100の各内部機能ブロックを示している。
まず、図10において、900は基地局、100は移動局、3は下りリンク、4は上りリンク、5は基地局900のセルである。
下りリンク3には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)と予測された最大送信電力(予測Pmax936)情報と経路情報が含まれている。
また、上りリンク4には、上り通信データの他に、移動経路情報が含まれている。
基地局900の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の移動局100と同様な機能の他に、経路情報検出機能が含まれている。
また、移動局100の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の移動局100と同様な機能の他に、経路設定機能が含まれている。
次に、図11において、911は、上りリンク電力制御コマンド及び経路地点に対する予測Pmax936を持つ上りリンク電力制御情報である。
932は、移動局位置情報をもつ監視情報である。
937は、経路情報検出機能を備える経路情報検出部である。
938は、経路情報検出部937が検出した経路情報である。
904は、所定の経路上の予測Pmax936を決定する機能を備えた上りリンク電力制御情報生成部である。
931は、Pmaxテーブルである。
また、170は経路設定部である。経路設定部170には、移動局100の出発点及び最終目的地である到達点の情報が設定され、内蔵する地図データから出発地及び最終目的地間の経路を抽出する機能をもっており、さらにGPS機能を内蔵することで移動局100の現在位置を設定する機能をもつことも可能である。
以上、図10及び図11のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900においては、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908が、基地局データ通信部902、受信品質評価部903、移動局位置監視部930及び経路情報検出部937に入力される。
経路情報検出部937は、移動局100の出発点及び到着点から、移動局100が通過する可能性のある経路についての情報を経路情報938として検出する。検出された経路情報938は、上りリンク電力制御情報生成部904に送られる。
移動局位置監視部930では、移動局100の現在位置が検出され、検出された移動局100の位置情報(監視情報932)は、上りリンク電力制御情報生成部904に送られる。
上りリンク電力制御情報生成部904では、受信品質評価情報910及び経路情報938及び位置情報(監視情報932)に基づいて予測Pmax936を決定する。すなわち、上りリンク電力制御情報生成部904は、経路情報938の持つ経路上であって、位置情報(監視情報932)の持つ位置に対応した予測Pmax936を相関部939に記憶されたPmaxテーブル931から取り出し、基地局送信部905に入力する。
基地局送信部905は、入力された下りリンク送信データ909および上りリンク電力制御情報911を無線周波数信号に変換し、アンテナ906から移動局100へ送信する。上りリンク電力制御情報911は、上りリンク電力制御用データと経路上の所定位置に対応する予測Pmax936情報を持っている。
移動局100の動作.
一方、移動局100においては、下りリンク3から受信された下りリンク無線周波数信号107は移動局受信部101においてベースバンド信号108となり、移動局データ通信部102、上りリンク電力制御部104及びPmax設定制御部130に入力される。
経路設定部170では、出発点と到着点の指定を受けることにより、出発点と到着点とから出発点と到着点とを結ぶ的確な経路情報171を選定し、選定した経路情報171を移動局データ通信部102及び上りリンク電力制御部104に送る。
移動局データ通信部102は、経路情報171を通信データに多重する。上りリンク電力制御部104では経路情報171を保持する。
Pmax設定制御部130は、ベースバンド信号108から下りリンク3に含まれる経路上の位置に対応する予測Pmax936を分離する。Pmax設定制御部130は、分離した予測Pmax936に基づいて増幅器(HPA152)のデバイスを制御するための増幅器特性制御信号131を抽出し、抽出した増幅器特性制御信号131を移動局送信部105に送る。
Pmax設定制御部130は、また、経路地点に対応した予測Pmax936の情報を持つPmax設定信号132を上りリンク電力制御部104に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108を基に基地局900から送信された上りリンク送信電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定制御部130からのPmax設定信号132と経路設定部170からの経路情報171とから、経路上の所定の位置において上りリンク4の最大送信電力が予測Pmax936を超えないように制御するための最大送信電力制御信号を生成する。
上りリンク電力制御部104は、生成した最大送信電力制御信号と分離した上りリンク送信電力制御情報911とを元に上りリンク電力制御信号111を移動局送信部105に送る。
上りリンク電力制御部104では経路上の地点において予測Pmax設定信号132を基に送信電力が予測Pmax936を超えないように設定する。
移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に上りリンク4の最大送信電力を制御する。また、移動局送信部105は、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により移動先において増幅器(HPA152)の特性を制御する。
なお、移動局送信部105の内部構成及び動作は前記「発明の実施の形態1」において図3〜図5を用いた説明と同じであるので省略する。
以上のように、固定局である基地局900と移動局100とからなり移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の移動経路情報を入手する機能と、移動局の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し及び移動経路上において必要な最大送信電力値を予測する機能と、前記予測された最大送信電力値から移動局の移動経路上の地点において送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、経路上の移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)をもとに経路上のある地点において増幅器(HPA152)の入出力特性を制御する。このような制御により、低送信電力時における増幅器(HPA152)の効率を向上させることができ、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
また、移動先が予め設定されているので移動局位置監視部930において移動先予測機能が不要であり基地局900構成が簡単にできるという効果がある。
また、予め経路が設定されているので、通信に大きな障害がある地点においてもより細かい送信電力制御が可能となる。
本実施形態の説明においては、移動局100内部に経路設定機能を持たせている。しかし、移動局100内部に必ずしも経路設定機能を備える必要はなく、例えば、いわゆるGPSナビゲーションシステムのような装置を移動局100に接続できるようにして経路設定を行なうことで経路情報171を入手するようにしてもよい。このようにすれば、移動局100の軽量化、ハードウエア及びソフトウエアの簡略化を図ることができる。
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図12を用いて説明する。
前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
図12は、この発明の実施の形態5として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。
図12において、900aはセルの大きな基地局、900b1、900b2、900b3はセルの小さな基地局、100は移動局である。3a、3bは下りリンク、4a、4bは上りリンク、5aは基地局900aの大セル基地局通信範囲、5b1、5b2、5b3は各々、基地局900b1、900b2、900b3の小セル基地局通信範囲である。
図12では、現時点で移動局100は、基地局900b2と送受信している状態を表している。すなわち、移動局100は、基地局900b2と実線で描かれた上りリンク4b及び下りリンク3bによって送受信している。別途、移動局100が他の基地局900と送受信を開始する場合には、他の上りリンク及び下りリンクが使用される。例えば、移動局100が基地局900aと送受信を開始する場合には、点線で描かれた上りリンク4a及び下りリンク3aが使用される。
各基地局同士は基地局間接続線950で接続されている。
下りリンク3には、通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)とともに、予測された最大送信電力情報データである予測Pmax936が含まれている。
各基地局900a、900b1、900b2、900b3には、各々、移動局位置監視機能、移動先Pmax予測機能が含まれている。
また、移動局100には上りリンク4の送信電力制御機能とともに、Pmax設定制御機能及び増幅器制御機能が含まれている。
ここでは、各基地局の内部構成は、前記「発明の実施の形態2」に記載の構成と同様である。また、移動局100の内部構成は、前記「発明の実施の形態1」に記載の構成と同様である。
以上、図12のように構成された通信システムについて、以下に説明する。
移動局100が通信すべき基地局の選択方法について説明する。
まず、移動局100が通信すべき基地局としては、各基地局900a、900b1、900b2、900b3のうち、移動局100をセル範囲に含む基地局900aと基地局900b2が選ばれる。ここで、基地局900aは、セル半径の大きい基地局である。また、基地局900b2は、セル半径の小さい基地局である。
さらに位置監視機能において過去の位置情報と現在の位置情報との差分から、移動局100の移動速度及び移動方向が計算される。移動速度が小さい場合には小セル基地局900b2と通信が行われ、小セルの基地局900b2から予測Pmax936情報が移動局100に報知され、小セルの基地局900b2との通信に必要な予測Pmax936により移動局100における最大送信電力の制御及び増幅器の動作についての制御が行なわれる。
移動局100の移動速度が大きい場合には基地局間接続線950を用いて基地局間制御によりハンドオーバー(通信する基地局の切替え動作)が行われる。すなわち、移動局100との通信が小セルの基地局900b2から大セルの基地局900aに切替えられ、大セルの基地局900aから予測Pmax936の情報が移動局100に報知され、大セルの基地局900aとの通信に必要な予測Pmax936により移動局100における最大送信電力の制御及び増幅器の動作についての制御が行なわれる。
ここで、移動に伴って大セルの基地局900aにハンドオーバーを行なうか、他の小セルの基地局900b1または基地局900b3とハンドオーバーを行なうかは移動局100の移動速度び移動方向により決定される。
一方、移動局100においては、ハンドオーバーが行なわれた場合にはハンドオーバー後の基地局からの予測Pmax936情報を基に、最大送信電力の設定及び制御及び増幅器の動作についての制御を行う。
以上のように、最大送信電力値ないしは送信系制御情報を送信範囲の異なる複数の基地局900から移動局100に対し送信可能な機能と、移動局100の移動速度を監視する機能と、前記移動速度に応じて前期最大送信電力値ないしは送信系制御を行う送信基地局を切替えることを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)をもとに移動先において増幅器(HPA152)の入出力特性を制御する。このような制御によって上りリンク4の低送信電力時における増幅器の効率を向上させることができるため、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
また、移動局100の速度に応じてセルの大きさの異なる基地局900を切替えて通信することで移動局100の位置を監視する精度が向上し、移動局100の位置における最大送信電力の設定と制御及び増幅器の制御がより高精度な予測のもとにできる。よって、移動局100のバッテリーをより持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
なお、本実施形態の説明においては、下りリンク3において予測Pmax936の情報のみを報知するようにしているが、前記に示した他の「発明の実施の形態」のように、位置に対するPmax935の情報や予測Pmax936の情報や予測移動先に対する予測Pmax936情報を報知し、使用するように基地局900及び移動局100を構成してもよい。
以上の実施の形態で示した移動局100には、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、インターネット端末、携帯情報型腕時計などのモバイル機器が該当する。
また、上述した実施の形態では、増幅器の入出力特性を制御する情報として最大送信電力値であるPmax値または予測Pmax値を用いたが、必ずしも最大送信電力値を制御情報とする必要はなく、増幅器の入出力特性を制御する情報として他の送信電力値を用いることも可能である。
また、以上の実施の形態では、各構成要素の各動作はお互いに関連しており、各構成要素の動作は、上記に示された動作の関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このこのように置き換えることにより、方法の発明の実施形態とすることができる。
また、上記各構成要素の動作を、各構成要素の処理と置き換えることにより、プログラムの実施の形態とすることができる。そしてこれらの実施の形態は、すべてコンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。プログラムの実施の形態における各処理はプログラムで実行されるが、このプログラムは、記録装置に記録されていて、記録装置から中央処理装置(CPU)に読み込まれ、中央処理装置によって、各フローチャートが実行されることになる。なお、記録装置、中央処理装置は図示していない。
また、各実施の形態のソフトウエアやプログラムは、ROM(READ ONLY MEMORY)に記憶されたファームウエアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウエアとファームウエアとハードウエアとの組み合わせで前述したプログラムの各機能を実現しても構わない。
産業上の利用可能性
この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力値を増幅器の制御信号として出力することができる。
また、この発明によれば、移動局の移動先を予測し、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を増幅器の制御信号として出力することができる。
また、この発明によれば、移動局の移動先を予測し、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を採用するかを判断することができる。
また、この発明によれば、移動局の経路情報から経路上に存在する移動局の位置において必要な最大送信電力値を増幅器の制御信号として出力することができる。
この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力値を増幅器の制御信号として出力する複数の固定局を各々切替えることができる。
また、この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力値情報を持つ制御信号から増幅器を制御することによって消費電流を減少することができる。
また、この発明によれば、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を持つ制御信号から増幅器を制御することができる。
また、この発明によれば、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を採用すると判断された場合には、最大送信電力値の予測情報を持つ制御信号から増幅器を制御することができる。
また、この発明によれば、経路上に存在する移動局の位置において必要な最大送信電力値情報を持つ制御信号から増幅器を制御することができる。
この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力で送信するよう増幅器を制御し通信システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の実施の形態1による通信システムを説明するための概念図である。
図2は、この発明の実施の形態1による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図3は、この発明の実施の形態1による移動局送信部動作を説明するための内部ブロック図である。
図4は、この発明の実施の形態1による増幅器(HPA)の入出力特性を示す図である。
図5は、この発明の実施の形態1による増幅器(HPA)の出力電力に対する消費電流を示す図である。
図6は、この発明の実施の形態2による通信システムを説明するための概念図である。
図7は、この発明の実施の形態2による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図8は、この発明の実施の形態3による通信システムを説明するための概念図である。
図9は、この発明の実施の形態3による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図10は、この発明の実施の形態4による通信システムを説明するための概念図である。
図11は、この発明の実施の形態4による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図12は、この発明の実施の形態5による通信システムを説明するための概念図である。
図13は、関連する通信システムを説明するための概念図である。
図14は、関連する基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図15は、関連する移動局における移動局送信部の動作を説明するための内部ブロック図である。
図16は、関連する移動局における増幅器(HPA)の入出力特性を示す図である。
図17は、関連する移動局における増幅器(HPA)の出力電力に対する消費電流を示す図である。
この発明は、固定通信局である基地局と移動通信局である移動局との通信であって、移動局の送信電力制御に関するものである。
背景技術
移動局の送信電力制御を行なう無線通信システムとしては、例えばPDC(Personal Digital Celler)、CDMAone(Code Division Maltiple Access one)などが上げられる。
移動局の送信電力制御が行なわれる背景には、複数の移動局が基地局と通信する場合に、基地局端において基地局から近い移動局の送信電力が基地局から遠い移動局の送信電力より大きくなるために基地局から遠い移動局の通信が妨げられるといういわゆる「隠れ端末問題」を避けたいという目的がある。特に、CDMAoneのように、同じ周波数帯において複数の移動局が通信を行なう通信方式においては移動局の送信電力制御は、通信システムの通信容量(基地局が同時に通信できる移動局の数)をどれだけ大きくできるかに直結するため重要な技術である。
図13は、関連技術の一例として、移動局の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図14は基地局及び移動局の各内部機能ブロックを示している。
まず、図13において、900は基地局(BS:Base Station)である。
100は移動局(MS:Mobile Station)である。
3は、基地局900から移動局100への通信を行う下りリンク、4は、移動局100から基地局900への通信を行う上りリンクである。
ここで、リンクとは、データや制御情報の伝送のように特定の目的で行われる伝送時に割り当てられる周波数の帯域をいう。前述のように、CDMAoneでは、複数の移動局が同じ周波数帯域を共有して通信することが可能である。
5は、基地局900との通信が可能な範囲である基地局通信範囲の一部分を示したものである。基地局通信範囲5は、いわゆるセル(Cell)と呼ばれる。
基地局900の機能には、受信品質評価機能と上りリンク電力制御機能がある。また、移動局100の機能には、送信電力制御機能がある。
下りリンク3によって送信される無線周波数信号には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)が含まれている。上りリンク4によって送信される無線周波数信号には上り通信データが含まれている。
次に、図14に示す基地局900と移動局100の構成について説明する。
まず、基地局900(BS)について説明する。
901は上りリンク4の無線周波数信号を受信し、ベースバンド周波数に変換する基地局受信部である。902は上りリンク4及び下りリンク3の通信データを変復調する基地局データ通信部である。903は上りリンク4の受信品質を評価する受信品質評価部である。904は移動局100の送信電力制御信号を発生させる上りリンク電力制御情報生成部である。905は下りリンクデータ及び制御データを下りリンク3の無線周波数信号に変換する基地局送信部である。906は送受信を行なう基地局900側のアンテナである。
907は上りリンク無線周波数信号、908はベースバンド信号、909は下りリンク送信データ、910は受信品質評価情報、911は上りリンク電力制御コマンドをもつ上りリンク電力制御情報、912は下りリンク無線周波数信号である。
次に、移動局100(MS)について説明する。
101は下りリンク3の無線周波数信号を受信し、ベースバンド周波数に変換する移動局受信部である。102は下りリンク3及び上りリンク4のデータを変復調する移動局データ通信部である。104は移動局100の送信電力制御を行なう上りリンク電力制御部である。105は上りリンクデータを無線周波数信号に変換する移動局送信部である。106は送受信を行なう移動局100側のアンテナである。
107は下りリンク無線周波数信号、108はベースバンド信号、109は上りリンク送信データ、111は上りリンク電力制御信号、112は上りリンク無線周波数信号である。
また、3及び4は図13と同じように下りリンク及び上りリンクである。
以上、図13及び図14のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、動作を以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900においては、移動局100から送信された上りリンク4の無線周波数信号がアンテナ906において受信された上りリンク無線周波数信号907は基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換されベースバンド信号908となり、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903に入力される。受信品質評価部903は、入力したベースバンド信号908を基に受信品質評価情報910を上りリンク電力制御情報生成部904に出力する。上りリンク電力制御情報生成部904は、受信品質評価情報910から上りリンク電力制御コマンドを上りリンク電力制御情報911として生成する。この上りリンク電力制御コマンドは、上りリンク4の無線周波数信号電力を増減させるために必要な送信電力制御コマンドである。生成された上りリンク電力制御情報911は、基地局送信部905に入力される。
基地局送信部905は、基地局データ通信部902からの下りリンク送信データ909及び上りリンク電力制御情報生成部904からの上りリンク電力制御情報911を下りリンク無線周波数信号912に変換する。下りリンク無線周波数信号912は、下りリンク3の無線周波数信号としてアンテナ906から移動局100へ送信される。
移動局100の動作.
一方、移動局100においては、基地局900から送信された下りリンク3の無線周波数信号がアンテナ106において受信される。受信された下りリンク無線周波数信号107は移動局受信部101において無線周波数からベースバンド周波数へ変換されベースバンド信号108として出力される。出力されたベースバンド信号108は移動局データ通信部102及び上りリンク電力制御部104に入力される。上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108から基地局900で生成された上りリンク電力制御コマンドである上りリンク電力制御情報911を分離し、上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。また、移動局データ通信部102は、入力したベースバンド信号108から下りリンク送信データ909を分離すると共に、上りリンク送信データ109を移動局送信部105に出力する。移動局送信部105は、入力した上りリンク送信データ109を上りリンク無線周波数信号112に変換する。変換された上りリンク無線周波数信号112は、アンテナ106から基地局900へ上りリンク4によって送信される。このとき、移動局送信部105は、入力された上りリンク電力制御信号111に基づいて上りリンク4の送信電力を制御する。
基地局900において必要な受信品質は、移動局100の送信電力の制御動作により一意的に決まる。従って、以上に示したように、基地局900は上りリンク4の受信品質に基づいて移動局100の送信電力を制御する信号を移動局100に送り、移動局100は、基地局900から送られた送信電力を制御する信号に基づいて上りリンク4の送信電力を制御することで、基地局900の送信領域である基地局通信範囲5内の複数の移動局100からの上りリンク4の送信電力は基地局900に到達した時点で同じ値とすることができ、通信システムにおける通信容量を最大にすることができる。
次に、送信電力制御を行なう移動局100の一般的な移動局送信部105の構成における増幅器の動作について、図15を用いて以下に説明する。
図15は、移動局送信部105の内部ブロック図を示している。109は上りリンク送信データ、111は上りリンク電力制御信号、150は送信ミキサ、133は無線周波数信号、151は可変ゲイン増幅器(Variable Gain Amplifier;以下VGAと記す)、152は高出力電力増幅器(High Power Amplifier;以下HPAと記す)、112は上りリンク無線周波数信号である。
また、図16はHPA152の入力電力に対する出力電力の特性(入出力特性)の1例を示したものである。ここで、縦軸が出力電力、横軸が入力電力である。HPA152(増幅器)の動作点をa,bで表す。
さらに、図17は図16で示したHPA152の出力電力に対する消費電流の特性を示したものである。ここで、縦軸が消費電流、横軸が出力電力である。図16と同様に、HPA152(増幅器)の複数の動作点をa,bで表す。ここでは動作点bのときに移動局100が最大送信電力であるPmax935で情報を送信する。
まず、上りリンク4の上りリンク送信データ109は送信ミキサ150においてベースバンド信号から無線周波数信号133に変換される。変換された無線周波数信号133は、VGA151において上りリンク電力制御信号111に基づいてアンテナ106から送信される送信電力レベルを基地局900において必要とされる受信品質にするために、送信レベルを最大送信電力Pmax935以下になるように、そのゲインが制御され、HPA152において必要な送信電力レベルまで電力増幅され、上りリンク無線周波数信号112としてアンテナ106から送信される。
HPA152の出力電力を増加させたい場合には、VGA151は、HPA152への入力電力レベルを大きくなるように制御する。したがって、HPA152は、入力電力レベルの増加によりHPA152の出力電力を増加させ、上りリンク4の送信電力を大きくすることができる。例えば、VGA151がHPA152への入力電力レベルを増加させることにより、HPA152が動作点bで動作した場合には、上りリンク4の送信電力は最大送信電力であるPmax935となる。
一方、上りリンク4の送信電力を減少させたい場合には、VGA151がHPA152への入力電力レベルを下げるように制御する。したがって、HPA152の動作点は動作点bから動作点aに移行し、動作点aで動作することになる。
HPA152が出力する上りリンク無線周波数信号112の送信電力は、許容される歪みの条件を満足する必要がある。ここで、許容される歪みとは、送信系の各部において入力電力に対し比例した電力が出力されないために発生する非線形成分が隣接する周波数帯域へ妨害電力漏洩となってアンテナ106から送信される大きさ(ないしは電力比)を表す。通常、通信システムにおいてはシステム容量などからアンテナ106端において許容される歪みの大きさが規定される。移動局の送信系の設計においてはアンテナ106端において規定を満足するようにHPA152における歪みが決定され、それに対応する動作点までが動作範囲となる。これがHPA152に対する許容される歪みの条件となる。例えば、図16では、HPA152の出力電力が0の点から動作点bまでが許容される歪みの範囲であり、動作点b以上の範囲で発生する歪みは許容されない。このHPA512の出力電力の歪みは、通常、出力電力がHPA152の最大出力電力時に一番大きくなる。HPA152が、動作点b以上の入力電力値を取ることによる送信電力の歪み(HPA152出力電力の歪み)は、前述したように、隣接する周波数帯域への妨害電力漏洩の原因となる。よって、HPA152は動作点b以上の入力電力値を取ることは上記原因を引き起こすため避けた方がよい。したがって、HPA152は、機器の特性としては図16に示すHPA152の最大出力電力まで出力することができるが、上述した歪みの問題から、HPA152の最大送信電力を動作点bでの最大送信電力であるPmax935までに抑える制御を行っている。ここで、HPA152の最大出力電力から各動作点の出力電力までの差をバックオフという。上記歪みを解消するために、HPA152は、図16に示すようにHPA152の最大出力電力からPmax935までの差以上のバックオフを必要とする。
このようにして、HPA152では、各動作点における出力電力が許容される歪み(またはバックオフ)の範囲内であるように増幅器としての最大出力電力やバイアス電流が設定され、制御されている。
しかし、この設定では動作点a以下の出力電力の領域においては、HPA152の動作として最低限必要とされる図16のバックオフ量より大きなバックオフとなる。また、この領域においては、図17から、HPA152の出力電力が小さくてもHPA152の消費電流は比例して小さくならない。このため、動作点a以下の出力電力での動作は、HPA152の効率を低下させる。従って、移動局100のバッテリーが消耗し通話時間が短くなるという課題がある。
この発明は、移動局100の送信系増幅器の効率を向上させ、移動局100の通信時間を伸長することを目的とする。
発明の開示
この発明に係る基地局は、無線信号を移動局から受信する基地局受信部と、
上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する移動局位置監視部と、
情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける相関部と、
上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する上りリンク電力制御情報生成部とを備えることを特徴とする。
上記移動局位置監視部は、上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を複数検出し、検出した移動局の複数の位置情報から移動局の移動先を予測し、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、検出した移動局の複数の位置情報の各位置において通信に必要な送信電力値に対応させて、上記移動局位置監視部が予測した移動局の移動先の位置において通信に必要な送信電力値を求め、求められた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
上記移動局位置監視部は、検出した移動局の位置情報から移動局の移動先を予測し、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、上記移動局位置監視部が予測した移動局の移動先の情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
上記基地局は、さらに、上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の経路情報を検出する経路情報検出部を備え、
上記相関部は、移動局の位置情報と経路情報とを関連づけ、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、上記経路情報検出部が検出した経路情報と上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報とから上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づい移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
上記基地局は、複数存在し、
上記移動局位置監視部は、検出した移動局の位置情報から移動局の移動状態を予測し、予測した移動状態に基づいて移動局と通信する基地局を複数の基地局から選定し、選定された基地局に移動局との通信を切替えることを特徴とする。
この発明に係る移動局は、移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信する移動局受信部と、
制御信号によって上りリンクの電力を制御する増幅器と、
上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する送信電力値設定制御部と、
上記送信電力値設定制御部が生成した増幅器特性制御信号から上記増幅器の出力特性を制御する移動局送信部を備えることを特徴とする。
上記移動局は、さらに、上記送信電力値設定制御部が分離した送信電力値の情報に基づいて基地局へ送信する送信電力値を制御するための送信電力制御信号を生成する上りリンク電力制御部を備え、
上記移動局送信部は、上記上りリンク電力制御部が生成する送信電力制御信号から上記増幅器の送信電力値を制御することを特徴とする。
上記送信電力値設定制御部は、上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の移動先において通信に必要な送信電力値の予測情報を分離し、分離した送信電力値の予測情報から予測された送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成することを特徴とする。
上記移動局は、さらに、上記移動局受信部が受信した無線信号から移動先の予測情報を検出し、検出した移動先と現実の位置とを比較し、比較した結果から移動先の予測情報を採用するか否かを判断する予測評価部を備え、
上記送信電力値設定制御部は、上記予測評価部によって移動先の予測情報を採用すると判断された場合、予測された送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成することを特徴とする。
上記移動局は、さらに、出発点と到着点との指定を受けることにより出発点と到着点とから経路情報を設定する経路設定部と、
上記経路設定部が設定する経路情報を基地局へ伝送する情報に多重する移動局データ通信部とを備えることを特徴とする。
この発明に係る通信システムは、無線信号を移動局から受信する基地局受信部と、
上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する移動局位置監視部と、
情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける相関部と、
上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する上りリンク電力制御情報生成部とを備えた基地局と、
移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を上記基地局から受信する移動局受信部と、
制御信号によって上りリンクの電力を制御する増幅器と、
上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する送信電力値設定制御部と、
上記送信電力値設定制御部が生成した増幅器特性制御信号から上記増幅器の出力特性を制御する移動局送信部を備えた移動局とを備えることを特徴とする。
この発明に係る基地局通信方法は、無線信号を移動局から受信し、
上記受信した無線信号から移動局の位置情報を検出し、
上記検出した移動局の位置情報と情報を送信するための送信電力値とを関連づけ、
関連づけた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする。
この発明に係る基地局通信プログラムは、無線信号を移動局から受信する処理、
上記受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する処理、
上記検出した移動局の位置情報と情報を送信するための送信電力値とを関連づける処理、
関連づけた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明に係る移動局通信方法は、移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信し、
上記受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成し、
上記生成した増幅器特性制御信号から増幅器の出力特性を制御することを特徴とする。
この発明に係る移動局通信プログラムは、移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信する処理、
上記受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する処理、
上記生成した増幅器特性制御信号から増幅器の出力特性を制御する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1から図5を用いて説明する。
なお、前記「従来の技術」の項において説明したブロックと同じないしは実質的に同一なブロックについてはその説明を省略する。
図1は、この発明の実施の形態1として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図2は基地局900及び移動局100の各内部機能ブロックを示している。
まず、図1において、下りリンク3によって送信される情報には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)と移動局100の現在位置に対する最大送信電力であるPmax935に関する情報データが含まれている。
また、上りリンク4によって送信される情報には、上り通信データが含まれている。
また、基地局900の機能には前述したように、受信品質を監視し評価する機能及び下りリンク3の送信電力を制御する機能の他に、移動局100の位置を監視し移動局100の最大送信電力(Pmax935)を決定する機能が含まれている。
また、移動局100の機能には前述したように、上りリンク4の送信電力を制御する機能の他に、移動局100の最大送信電力(Pmax935)の設定を制御する機能及び増幅器を制御する機能が含まれている。
次に、図2について説明する。
まず、基地局900の内部構成について説明する。
911は、上りリンク電力制御情報である。
930は、移動局位置監視部である。
931は、Pmaxテーブルである。Pmaxテーブルは、移動局100の位置において通信に必要な最大送信電力値(Pmax935)を移動局の複数の位置に対応させて複数記憶した送信電力テーブルである。このPmaxテーブル931には、受信品質評価部903が評価した結果を用いて自らを随時更新する機能が含まれている。
939は、相関部であり、情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける機能を有する。本実施の形態によって後述されるように、Pmaxテーブル931を用いて最大送信電力値と移動局の位置に関する情報とを関連づける場合だけでなく、相関部939は、Pmaxテーブル931を用いずに、移動局の位置に関する情報に送信電力値を関連づけることが可能である。例えば、相関部939は、位置情報から基地局900までの距離を計算して送信電力値を算出するための式を記憶しておいて、位置情報を受けた都度、その式を用いて送信電力値を決定する方法も考えられる。
932は、移動局位置情報をもつ監視情報である。
933は、Pmaxテーブルを検索するための検索情報である。
935は、移動局100の所定の位置に対し最も最適な最大送信電力を示すPmaxである。
次に、移動局100の内部構成について説明する。
130は、Pmax設定制御部である。Pmax設定制御部は、送信電力値設定制御部を示す。
131は、増幅器特性制御信号である。
132は、Pmax設定信号である。
以上のように図1及び2のように構成された通信システムについて、基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900は、アンテナ906から上りリンク4の無線周波数信号を受信する。受信された無線周波数信号は、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換される。ベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908は、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903とともに移動局位置監視部930に入力される。
移動局位置監視部930は、受信したベースバンド信号908から移動局100の現在位置を検出し、検出した移動局位置情報を監視情報932として上りリンク電力制御情報生成部904に送る。
受信品質評価部903は、移動局100からの無線周波数信号の受信品質を評価し、受信品質評価情報910として出力する。
上りリンク電力制御情報生成部904は、監視情報932から現在位置において必要な最大送信電力であるPmax935を決定する。すなわち、上りリンク電力制御情報生成部904は、監視情報932から移動局100の位置情報を検索情報933として相関部939に記憶されたPmaxテーブル931を検索し、検索情報933に示された移動局100の位置に対応する最大送信電力(Pmax935)を選択する。前述したように、Pmaxテーブル931では、移動局100の位置とその位置における受信品質評価情報910を基に絶えず必要なPmax935が更新される。
基地局送信部905は、基地局データ通信部902が出力した下りリンク送信データ909および最大送信電力情報であるPmax935を含んだ上りリンク電力制御情報911を無線周波数信号に変換し、アンテナ906から下りリンク3に送出する。
移動局100の動作.
次に、移動局100の動作について説明する。
移動局100において、移動局受信部101は、下りリンク3から受信した下りリンク無線周波数信号107を無線周波数からベースバンド周波数へ変換する。変換したベースバンド信号108は、移動局データ通信部102及び上りリンク電力制御部104に加えてPmax設定制御部130に入力される。
Pmax設定制御部130は、入力されたベースバンド信号108から移動局100の位置に対応した最大送信電力(Pmax935)情報を分離し、HPA152のバイアス電流の制御等、増幅器特性を制御するために必要なPmax935に対応する増幅器特性制御信号131を生成し、生成した増幅器特性制御信号131を移動局送信部105に送る。Pmax設定制御部130は、増幅器特性制御信号131から最大送信電力情報に関するPmax設定信号132を生成し上りリンク電力制御部104に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108を基に基地局900によって生成された上りリンク電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定信号132を基に上りリンク4の最大送信電力がPmax935を超えないように最大送信電力制御信号を設定し、前述のようにベースバンド信号108から分離した情報とともに上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。
移動局送信部105は、移動局データ通信部102から入力した上りリンク送信データ109を無線周波数信号112に変換する。
無線周波数信号112は、アンテナ106から上りリンク4によって基地局900へ送出される。このとき、移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に送信電力を制御すると共に、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により増幅器の特性を制御する。
次に、上記送信電力制御及び増幅器特性制御を行なう移動局送信部105の内部構成および移動局送信部105中の増幅器の動作について、図3〜図5を用いて以下に説明する。
図4は、HPA152の入力電力に対する出力電力の特性(入出力特性)の1例を示したものである。
図4で示すPmaxB対応入出力特性曲線は、動作点bで最大送信電力(PmaxB)となるHPA152の入出力特性を示している。PmaxA対応入出力特性曲線は、動作点aで最大送信電力(PmaxA)となるHPA152の入出力特性を示している。よって、最大送信電力の関係は、PmaxB>PmaxAとなる。
図5は、図4のHPA152の出力電力に対する消費電流の特性を示したものである。最大送信電力がPmaxBからPmaxAへ減少すると、HPA152の消費電力も相対的に減少することがわかる。
図3に示す移動局送信部105の内部動作について説明する。
まず、上りリンク4の上りリンク送信データ109は送信ミキサ150においてベースバンド信号から無線周波数信号133に変換される。変換された無線周波数信号133は、VGA151において上りリンク電力制御信号111に基づいて送信レベルを最大送信電力Pmax935以下に制御される。
HPA152は、Pmax設定制御部からの増幅器特性制御信号131を基にHPA152の増幅器としてのデバイス入出力特性を制御する。すなわち、例えば、HPA152は、増幅器特性制御信号131から要求される自己の入力電圧に対する出力電圧の特性(増幅器であるHPA152の入出力特性)を判断し、要求される入出力特性を満足するように自分自身であるHPA152のバイアス電流またはバイアス電圧を制御する制御方法がある。また、例えば、HPA152は、増幅器特性制御信号131によって要求されている入出力特性を満足するように電源電圧を制御する制御方法も考えられる。なお、上記のバイアス電流またはバイアス電圧とは、入力信号のない時に増幅器に加えられている電流または電圧をいう。
HPA152は、このような入出力特性の制御を行いながら、VGA151からの信号の電力を必要な送信電力レベルまで増幅し、上りリンク無線周波数信号112としてアンテナ106から送信する。
HPA152が、大きい最大送信電力を持つPmaxBから小さい最大送信電力を持つPmaxAに最大送信電力値を変更した場合、HPA152の入出力特性は、図4及び図5に示すように変化する。すなわち、図4に示すように、動作点aでのバックオフは、PmaxA対応入出力特性を持つときにバックオフ(PmaxA)となり、PmaxB対応入出力特性を持つときのバックオフ(PmaxB)に比べ小さくすることができる。このように動作点aにおけるバックオフを減少させることによって、HPA152のバイアス電流を減らすことができる。すなわち、図5に示すように、HPA152が、大きい最大送信電力であるPmaxBから小さい最大送信電力であるPmaxAに最大送信電力値を変更した場合、最大送信電力をPmaxBに設定した場合の電流特性が、最大送信電力をPmaxAに設定した場合の電流特性にシフトする。よって、HPA152の消費電流は、最大送信電力をPmaxBに設定した場合の動作点aにおける消費電流であるIPmaxBから最大送信電力をPmaxAに設定した場合の動作点aにおける消費電流であるIPmaxAに減少する。
このように、動作点aにおけるバックオフ量をHPA152の入出力特性を変更することによって最低の量にするよう最大送信電力(Pmax935)を動的に制御することで、各動作点における消費電流が低減される。
以上、固定局である基地局900と移動局100とから構成され、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し前記送信位置において必要な最大送信電力値を決定する機能と、前記最大送信電力値から移動局100の送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動局100の位置において必要な最大送信電力の情報を移動局100が入手し増幅器(HPA152)の入出力特性を制御することにより、低送信電力時における増幅器の効率を向上させることができ、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
本実施の形態の説明においては、基地局900内に送信電力テーブルであるPmaxテーブル931を保持しているが、Pmaxテーブル931の更新方法としては、受信品質を必ず満足するよう値を用いて更新・設定するという方法だけでなく、例えば統計処理などにより通信システムの実運用上問題にならない範囲において必要な最大値を決定しPmaxテーブル931を更新・設定しても良く、本実施例に示した方法に限らない。
また、本実施の形態の説明においては、移動局100の位置に関する情報とその位置情報に対応する最大送信電力情報データであるPmax935を移動局100に対し報知しているが、頻繁にPmax935の制御を行なう場合には特に、単にPmax935を送るだけでもよい。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の送信位置において必要な最大送信電力Pmax935の情報を基地局900から特定の移動局100との通信に係わる下りリンク3に多重して移動局100に報知しているが、同一のリンクに多重(即ち特定の移動局100に対する報知)する必要は無く、全ての移動局100に対する共通下りリンク3として報知し、各移動局100が必要な情報のみを受信するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の位置において必要な最大送信電力Pmax935の情報を基地局900から下りリンク3に多重して移動局100に報知し、移動局100はその情報を基に増幅器(HPA152)の制御を行なう機能を持たせている。しかし、基地局900側に増幅器制御機能をもたせ、下りリンク3に移動局増幅器制御用データを制御コマンドとして多重し、移動局100では単に制御用データを基に増幅器を制御するようにしても良く、各機能が基地局900及び移動局100のどちらにあってもよい。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の位置監視機能を基地局900が持ち移動局100の位置監視を独自に行なっている。しかし、移動局100が、自己の位置を監視する機能を持っていてもよい。例えば、移動局100にGPS(Global Positioning System)機能などを内蔵するか、または、移動局100にGPS機能をもった装置に接続する機能をもたせ装置を接続することにより、移動局100自身が自己の位置情報を入手し、移動局100から基地局900に対し上りリンク4を通じて位置情報を送るようにしてもよい。
また、本実施形態の説明においては、送信系増幅器(HPA152)の動作として動作点a,bに対応する2種類の動作状態が設定される場合について説明したが、さらに多数の動作状態に対して、あるいは、連続的に、増幅器(HPA512)の動作制御を行なってもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図6と図7を用いて説明する。
図6は、この発明の実施の形態2による通信システムを説明するための概念図である。
図7は、この発明の実施の形態2による基地局900及び移動局100の動作を説明するための内部ブロック図である。
なお、前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
最初に、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念を図6を用いて説明する。
図6において、下りリンク3によって送信される情報には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)とともに、予測最大送信電力情報である予測Pmax936に関する情報データが含まれている。
また、上りリンク4によって送信される情報には、上り通信データが含まれている。
また、基地局900の機能には前述したように、受信品質を監視し評価する機能及び上りリンク4の送信電力を制御する信号を生成する機能の他に、移動局100の位置を監視し、監視した移動局100の位置から移動局100の移動先を予測する機能及び予測した移動局100の移動先に対応する最大送信電力(予測Pmax936)を予測する機能が含まれている。
また、移動局100の機能には、実施の形態1の移動局100と同様に、上りリンク4の送信電力を制御する機能の他に、移動局100の予測された最大送信電力(予測Pmax936)を制御する機能及び増幅器を制御する機能が含まれている。
次に、基地局900及び移動局100の各内部構成及びその機能と動作について図7を用いて説明する。
本実施の形態では、移動局位置監視部930は、移動局100の移動先を予測する機能を備えている。
また、監視情報932は、移動局100の位置に関する情報及び移動局100の予測される移動先に関する情報を持つ。
また、上りリンク電力制御情報生成部904は、移動局位置監視部930が予測した移動局100の移動先から対応する最大送信電力(予測Pmax936)を予測する機能を備える。
911は、上りリンク電力制御情報である。
936は、上りリンク電力制御情報生成部904によって予測された最大送信電力情報を示す予測Pmaxである。
以上、図6及び7のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900は、アンテナ906から上りリンク4の無線周波数信号を受信する。受信された無線周波数信号は、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換される。ベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908は、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903とともに移動局位置監視部930に入力される。
移動局位置監視部930は、受信したベースバンド信号908から移動局100の現在位置を検出し、検出した移動局100の現在位置と移動局100の過去の位置との差分を算出し、算出結果から移動速度及び移動方向を基に移動先を予測する。ただし、移動局位置監視部930は、必ずしも移動局100の現在位置と過去の位置から移動先を予測する必要はなく、検出した移動局100の2以上の位置情報から移動局の移動先を予測すればよい。
移動局位置監視部930は、予測した移動局100の移動先の情報を監視情報932として上りリンク電力制御情報生成部904に送る。
上りリンク電力制御情報生成部904は、上りリンク4の受信品質に関する受信品質評価情報910及び予測した移動局100の監視情報932に基づいて、移動局100の移動先位置において必要な予測Pmax936を算出する。具体的には、上りリンク電力制御情報生成部904は、移動局100の現在までの位置及び移動局100の移動先の位置及び現在までのPmax935値から線形補間により、移動局100の移動先位置において必要な予測Pmax936を算出する。移動局100の2以上の位置情報とそれらの位置情報に対するPmax935から線形補間により予測Pmax936を算出してもよい。算出された予測Pmax936は、基地局送信部905に入力される。
なお、上りリンク電力制御情報生成部904は、監視情報932が保持する移動局100の移動先の情報から、移動先に対応した予測Pmax936を前述したPmaxテーブルから選択する方法を用いてもよい。
基地局送信部905は、下りリンク送信データ909および上りリンク電力制御情報911とともに、予測Pmax936を下りリンク無線周波数信号912に変換し、アンテナ906から下りリンク3を用いて送信する。
移動局100の動作.
移動局100の移動局受信部101は、アンテナ106から受信された下りリンク無線周波数信号107をベースバンド信号108に変換し、移動局データ通信部102、上りリンク電力制御部104及びPmax設定制御部130に入力する。
Pmax設定制御部130は、下りリンク3に含まれる予測Pmax936を分離する。Pmax設定制御部130は、分離した予測Pmax936に基づいて、予測された移動先における予測Pmax936に対応する増幅器(HPA152)の入出力特性を制御するための増幅器特性制御信号131を生成し、移動局送信部105に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108から基地局900で生成された上りリンク電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定信号132を基に上りリンク4の最大送信電力が予測Pmax936を超えないように最大送信電力制御信号を設定し、前述のようにベースバンド信号108から分離した上りリンク電力制御コマンド情報とともに上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。
移動局送信部105は、移動局データ通信部102から送られた上りリンク送信データ109を無線周波数信号112に変換する。
無線周波数信号112は、アンテナ106から上りリンク4によって基地局900へ送出される。このとき、移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に送信電力を制御すると共に、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により、移動局100の移動先においてHPA152の入出力特性を制御する。
なお、上述した移動局送信部105の内部構成及び上記動作以外は、前記「発明の実施の形態1」で説明したものと同様であるので省略する。
以上、固定局である基地局900と移動局100とからなり移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し、移動局100の移動先において必要な最大送信電力値を予測する機能と、前記予測された最大送信電力値から移動局100の送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動局100の移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)を移動局100が予め入手する。そして、入手した最大送信電力値を示す予測Pmax936から、移動局100が移動先に移動した場合の増幅器(HPA152)の入出力特性を制御する。このような制御により、低送信電力時における増幅器の効率を向上させることが可能となる。よって、移動局100のバッテリーの消費を抑制することができ、移動局100の通信時間を伸長することができるという効果がある。
また、移動局100が送信位置に達してからPmax935を決定するのではなく、移動局100の移動先を予測して予測Pmax936を決定することから、Pmax設定頻度及び増幅器制御頻度を増やすことが可能となる。よって、このような、より精密な増幅器の制御により移動局100のバッテリーの消費をさらに抑制することができ、移動局100の通信時間をさらに伸長することができるという効果がある。
以上、本実施形態の説明においては、基地局900は、移動局100の移動先の送信位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)を個別の下りリンク3に多重することにより特定の移動局100に報知している。しかし、基地局900は、個別の下りリンク3に多重して特定の移動局100に対してのみ予測Pmax936を報知する必要は無く、全ての移動局100に対する共通下りリンク3として報知してもよい。その場合には、各移動局100が必要な情報のみを受信するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、移動局100の移動先位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)を基地局900から下りリンクに多重して移動局100に報知し、移動局100はその情報を基に増幅器の制御を行っている。しかし、前記「発明の実施の形態1」と同様に、基地局900が増幅器制御機能を備え、下りリンク3に制御用データ(制御コマンド)を多重し、移動局100では単に制御用データを基に増幅器を制御するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、前記「発明の実施の形態1」と同様に、移動局100の位置監視機能を基地局900が持ち、移動局100の位置監視を独自に行なっている。しかし、例えば移動局100にGPS(Global Positioning System)機能などを内蔵、ないしは移動局100にGPS機能をもった装置に接続する機能をもたせ、GPS機能をもった装置と接続することにより移動局100の位置情報を入手し、移動局100から基地局900に対し上りリンク4を通じて位置情報を送ることによって移動局100の位置監視機能を実現してもよい。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図8と図9を用いて説明する。
前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
図8は、この発明の実施の形態3として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図9は基地局900及び移動局100の各内部機能ブロックを示している。
まず、図8において、基地局900の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の基地局900と同様な機能が含まれている。
また、移動局100の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の移動局100と同様な機能の他に、予測評価機能が含まれている。
また、下りリンク3には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)とともに、移動局100の位置情報(位置データ)、予測Pmax936及び予測移動先情報が含まれている。
また、上りリンク4には、上り通信データが含まれている。
次に、図9について説明する。
911は、移動局位置情報及び予測した最大送信電力(予測Pmax936)情報を含んだ上りリンク電力制御情報である。
930は、移動局100の移動先を予測する機能を備えた移動局位置監視部である。
932は、移動局100の位置情報及び移動局100の予測された移動先の情報をもつ監視情報である。
904は、移動局100の移動先から予測Pmax936を予測する機能を備えた上りリンク電力制御情報生成部である。
また、160は、位置情報を格納する機能を備えた予測評価部である。161は、予測評価結果情報である。
以上、図8及び9のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900は、アンテナ906から上りリンク4の無線周波数信号を受信する。受信された無線周波数信号は、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換される。ベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908は、基地局データ通信部902及び受信品質評価部903とともに移動局位置監視部930に入力される。
移動局位置監視部930は、受信したベースバンド信号908から移動局100の現在位置を検出する。また、移動局位置監視部930は、移動局100の現在の位置と過去の位置の差分から移動局100の移動先を予測する。検出した移動局の現在位置及び予測した移動先の情報をもつ監視情報932は、上りリンク電力制御情報生成部904に送られる。
上りリンク電力制御情報生成部904では、受信品質評価情報910と現在位置及び移動先情報を持つ監視情報932とから移動先位置において必要な予測Pmax936を算出する。すなわち、監視情報932に含まれる移動先情報に基づいて、Pmaxテーブルから移動先情報に対応する予測Pmax936がある場合にはその予測Pmax936を選択する。移動先情報に対応する予測Pmax936がない場合には、移動局100の現在までの位置及び移動先位置及び現在までのPmax935から予測Pmax936を線形補間により算出する。
移動局100の移動先に関する位置情報及び移動先における予測Pmax936を含む上りリンク電力制御情報911は、基地局送信部905に入力される。
基地局送信部905は、下りリンク送信データ909および「関連技術」において説明した上りリンク電力制御情報911と移動局100の位置情報と移動先における予測Pmax936を含む上りリンク電力制御情報911を無線周波数信号に変換し、アンテナ906から送信する。
移動局100の動作.
移動局100において受信された下りリンク無線周波数信号107は、移動局受信部101でベースバンド信号108に変換され、移動局データ通信部102、上りリンク電力制御部104、Pmax設定制御部130及び予測評価部160に入力される。
予測評価部160は、ベースバンド信号から108移動局100の予測された移動先の情報を分離して記憶する。予測評価部160は、予測された移動先の情報と現実の移動局100の位置とを比較し、極端に位置がずれていないかを判断する。判断後、予測評価部160は、予測評価結果情報161をPmax設定制御部130に送る。
Pmax設定制御部130は、ベースバンド信号108からベースバンド信号108に含まれる予測Pmax936を分離し、予測評価結果情報161を基に移動先において、予測Pmax936情報を採用するかどうかを判断する。Pmax設定制御部130は、予測評価結果情報161によって予測された移動先の情報と現実の位置とが極端に位置がずれていると判断した場合には、予測Pmax936情報を採用しない。その他の場合には、Pmax設定制御部130は、予測Pmax936の情報を採用する。
Pmax設定制御部130は、予測Pmax936の情報を採用すると判断した場合には、予測Pmax936の情報に対応する増幅器特性を制御するための増幅器特性制御信号131を移動局送信部105に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108を基に基地局900によって生成された上りリンク電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定信号132を基に上りリンク4の最大送信電力が予測Pmax936を超えないように最大送信電力制御信号を設定し、前述のようにベースバンド信号108から分離した情報とともに上りリンク電力制御信号111として移動局送信部105に出力する。
移動局送信部105は、移動局データ通信部102から入力した上りリンク送信データ109を無線周波数信号である上りリンク無線周波数信号112に変換する。
上りリンク無線周波数信号112は、アンテナ106から上りリンク4によって基地局900へ送出される。このとき、移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に送信電力を制御すると共に、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により増幅器の特性を制御する。
移動局送信部105の内部構成及び動作は前記「発明の実施の形態1」において図3〜図5を用いて説明と同じであるので省略する。
以上のように、固定局である基地局900と移動局100とからなり移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し、移動局100の移動先及び移動先において必要な最大送信電力値を予測する機能と、前記予測された移動先及び最大送信電力値から移動局100の移動先における送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報を移動局100が予め入手し移動先において増幅器の入出力特性を制御することにより、低送信電力時における増幅器の効率を向上させることができる。よって、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
さらに、極端に移動局100移動先位置が予測とずれた場合に最大送信電力が不足し通信品質が劣化したり、あるいは最大送信電力が過剰になり通信容量を減少する、といった通信状態を避けることができるという効果がある。
また、本実施形態の説明においては、移動先位置において必要な最大送信電力の予測情報を基地局900から下りリンク3に多重して移動局100に報知し、移動局100はその情報を基に増幅器の制御を行なう機能を持たせている。しかし、前記「発明の実施の形態1」と同様に、基地局900に増幅器制御機能をもたせ下りリンク3に制御用データ(制御コマンド)を多重し、移動局100では単に制御用データを基に増幅器を制御するようにしても良い。
また、本実施形態の説明においては、前記「発明の実施の形態1」と同様に移動局100の位置監視機能を基地局900が持ち位置監視を独自に行なっている。しかし、例えば移動局100にGPS(Global Positioning System)機能などを内蔵ないしは接続することにより位置情報を入手し、基地局900に対し上りリンクを通して情報を送るようにしても良い。
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図10、図11を用いて説明する。
前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
図10は、この発明の実施の形態4として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。また、図11は基地局900及び移動局100の各内部機能ブロックを示している。
まず、図10において、900は基地局、100は移動局、3は下りリンク、4は上りリンク、5は基地局900のセルである。
下りリンク3には、下り通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)と予測された最大送信電力(予測Pmax936)情報と経路情報が含まれている。
また、上りリンク4には、上り通信データの他に、移動経路情報が含まれている。
基地局900の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の移動局100と同様な機能の他に、経路情報検出機能が含まれている。
また、移動局100の機能には、前記「発明の実施の形態1」及び「発明の実施の形態2」の移動局100と同様な機能の他に、経路設定機能が含まれている。
次に、図11において、911は、上りリンク電力制御コマンド及び経路地点に対する予測Pmax936を持つ上りリンク電力制御情報である。
932は、移動局位置情報をもつ監視情報である。
937は、経路情報検出機能を備える経路情報検出部である。
938は、経路情報検出部937が検出した経路情報である。
904は、所定の経路上の予測Pmax936を決定する機能を備えた上りリンク電力制御情報生成部である。
931は、Pmaxテーブルである。
また、170は経路設定部である。経路設定部170には、移動局100の出発点及び最終目的地である到達点の情報が設定され、内蔵する地図データから出発地及び最終目的地間の経路を抽出する機能をもっており、さらにGPS機能を内蔵することで移動局100の現在位置を設定する機能をもつことも可能である。
以上、図10及び図11のように構成された通信システムについて、まず基地局900の動作、次に移動局100の動作の順に、前記「関連技術」の動作と異なる部分について以下に説明する。
基地局900の動作.
まず、基地局900においては、基地局受信部901において無線周波数からベースバンド周波数へ変換されたベースバンド信号908が、基地局データ通信部902、受信品質評価部903、移動局位置監視部930及び経路情報検出部937に入力される。
経路情報検出部937は、移動局100の出発点及び到着点から、移動局100が通過する可能性のある経路についての情報を経路情報938として検出する。検出された経路情報938は、上りリンク電力制御情報生成部904に送られる。
移動局位置監視部930では、移動局100の現在位置が検出され、検出された移動局100の位置情報(監視情報932)は、上りリンク電力制御情報生成部904に送られる。
上りリンク電力制御情報生成部904では、受信品質評価情報910及び経路情報938及び位置情報(監視情報932)に基づいて予測Pmax936を決定する。すなわち、上りリンク電力制御情報生成部904は、経路情報938の持つ経路上であって、位置情報(監視情報932)の持つ位置に対応した予測Pmax936を相関部939に記憶されたPmaxテーブル931から取り出し、基地局送信部905に入力する。
基地局送信部905は、入力された下りリンク送信データ909および上りリンク電力制御情報911を無線周波数信号に変換し、アンテナ906から移動局100へ送信する。上りリンク電力制御情報911は、上りリンク電力制御用データと経路上の所定位置に対応する予測Pmax936情報を持っている。
移動局100の動作.
一方、移動局100においては、下りリンク3から受信された下りリンク無線周波数信号107は移動局受信部101においてベースバンド信号108となり、移動局データ通信部102、上りリンク電力制御部104及びPmax設定制御部130に入力される。
経路設定部170では、出発点と到着点の指定を受けることにより、出発点と到着点とから出発点と到着点とを結ぶ的確な経路情報171を選定し、選定した経路情報171を移動局データ通信部102及び上りリンク電力制御部104に送る。
移動局データ通信部102は、経路情報171を通信データに多重する。上りリンク電力制御部104では経路情報171を保持する。
Pmax設定制御部130は、ベースバンド信号108から下りリンク3に含まれる経路上の位置に対応する予測Pmax936を分離する。Pmax設定制御部130は、分離した予測Pmax936に基づいて増幅器(HPA152)のデバイスを制御するための増幅器特性制御信号131を抽出し、抽出した増幅器特性制御信号131を移動局送信部105に送る。
Pmax設定制御部130は、また、経路地点に対応した予測Pmax936の情報を持つPmax設定信号132を上りリンク電力制御部104に送る。
上りリンク電力制御部104は、入力したベースバンド信号108を基に基地局900から送信された上りリンク送信電力制御情報911を分離する。また、上りリンク電力制御部104は、Pmax設定制御部130からのPmax設定信号132と経路設定部170からの経路情報171とから、経路上の所定の位置において上りリンク4の最大送信電力が予測Pmax936を超えないように制御するための最大送信電力制御信号を生成する。
上りリンク電力制御部104は、生成した最大送信電力制御信号と分離した上りリンク送信電力制御情報911とを元に上りリンク電力制御信号111を移動局送信部105に送る。
上りリンク電力制御部104では経路上の地点において予測Pmax設定信号132を基に送信電力が予測Pmax936を超えないように設定する。
移動局送信部105においては、入力された上りリンク電力制御信号111を基に上りリンク4の最大送信電力を制御する。また、移動局送信部105は、Pmax設定制御部130からの増幅器特性制御信号131により移動先において増幅器(HPA152)の特性を制御する。
なお、移動局送信部105の内部構成及び動作は前記「発明の実施の形態1」において図3〜図5を用いた説明と同じであるので省略する。
以上のように、固定局である基地局900と移動局100とからなり移動局100の送信電力制御を行なう通信システムにおいて、移動局100の移動経路情報を入手する機能と、移動局の送信位置と前記送信位置における送信電力値とを監視し及び移動経路上において必要な最大送信電力値を予測する機能と、前記予測された最大送信電力値から移動局の移動経路上の地点において送信系増幅器の動作状態を制御する機能とを有することを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、経路上の移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)をもとに経路上のある地点において増幅器(HPA152)の入出力特性を制御する。このような制御により、低送信電力時における増幅器(HPA152)の効率を向上させることができ、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
また、移動先が予め設定されているので移動局位置監視部930において移動先予測機能が不要であり基地局900構成が簡単にできるという効果がある。
また、予め経路が設定されているので、通信に大きな障害がある地点においてもより細かい送信電力制御が可能となる。
本実施形態の説明においては、移動局100内部に経路設定機能を持たせている。しかし、移動局100内部に必ずしも経路設定機能を備える必要はなく、例えば、いわゆるGPSナビゲーションシステムのような装置を移動局100に接続できるようにして経路設定を行なうことで経路情報171を入手するようにしてもよい。このようにすれば、移動局100の軽量化、ハードウエア及びソフトウエアの簡略化を図ることができる。
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図12を用いて説明する。
前記「関連技術」の項において説明したブロックと同じないしは相当するブロックについてはその説明を一部省略し、異なる部分を中心に説明する。
図12は、この発明の実施の形態5として、移動局100の送信電力制御を行なう通信システムの概念図を示している。
図12において、900aはセルの大きな基地局、900b1、900b2、900b3はセルの小さな基地局、100は移動局である。3a、3bは下りリンク、4a、4bは上りリンク、5aは基地局900aの大セル基地局通信範囲、5b1、5b2、5b3は各々、基地局900b1、900b2、900b3の小セル基地局通信範囲である。
図12では、現時点で移動局100は、基地局900b2と送受信している状態を表している。すなわち、移動局100は、基地局900b2と実線で描かれた上りリンク4b及び下りリンク3bによって送受信している。別途、移動局100が他の基地局900と送受信を開始する場合には、他の上りリンク及び下りリンクが使用される。例えば、移動局100が基地局900aと送受信を開始する場合には、点線で描かれた上りリンク4a及び下りリンク3aが使用される。
各基地局同士は基地局間接続線950で接続されている。
下りリンク3には、通信データの他に、移動局100の送信電力を制御するためのコマンド(上りリンク電力制御コマンド)とともに、予測された最大送信電力情報データである予測Pmax936が含まれている。
各基地局900a、900b1、900b2、900b3には、各々、移動局位置監視機能、移動先Pmax予測機能が含まれている。
また、移動局100には上りリンク4の送信電力制御機能とともに、Pmax設定制御機能及び増幅器制御機能が含まれている。
ここでは、各基地局の内部構成は、前記「発明の実施の形態2」に記載の構成と同様である。また、移動局100の内部構成は、前記「発明の実施の形態1」に記載の構成と同様である。
以上、図12のように構成された通信システムについて、以下に説明する。
移動局100が通信すべき基地局の選択方法について説明する。
まず、移動局100が通信すべき基地局としては、各基地局900a、900b1、900b2、900b3のうち、移動局100をセル範囲に含む基地局900aと基地局900b2が選ばれる。ここで、基地局900aは、セル半径の大きい基地局である。また、基地局900b2は、セル半径の小さい基地局である。
さらに位置監視機能において過去の位置情報と現在の位置情報との差分から、移動局100の移動速度及び移動方向が計算される。移動速度が小さい場合には小セル基地局900b2と通信が行われ、小セルの基地局900b2から予測Pmax936情報が移動局100に報知され、小セルの基地局900b2との通信に必要な予測Pmax936により移動局100における最大送信電力の制御及び増幅器の動作についての制御が行なわれる。
移動局100の移動速度が大きい場合には基地局間接続線950を用いて基地局間制御によりハンドオーバー(通信する基地局の切替え動作)が行われる。すなわち、移動局100との通信が小セルの基地局900b2から大セルの基地局900aに切替えられ、大セルの基地局900aから予測Pmax936の情報が移動局100に報知され、大セルの基地局900aとの通信に必要な予測Pmax936により移動局100における最大送信電力の制御及び増幅器の動作についての制御が行なわれる。
ここで、移動に伴って大セルの基地局900aにハンドオーバーを行なうか、他の小セルの基地局900b1または基地局900b3とハンドオーバーを行なうかは移動局100の移動速度び移動方向により決定される。
一方、移動局100においては、ハンドオーバーが行なわれた場合にはハンドオーバー後の基地局からの予測Pmax936情報を基に、最大送信電力の設定及び制御及び増幅器の動作についての制御を行う。
以上のように、最大送信電力値ないしは送信系制御情報を送信範囲の異なる複数の基地局900から移動局100に対し送信可能な機能と、移動局100の移動速度を監視する機能と、前記移動速度に応じて前期最大送信電力値ないしは送信系制御を行う送信基地局を切替えることを特徴とする通信システムについて説明した。
このように、上記の通信システムにおいては、移動先の位置において必要な最大送信電力の予測情報(予測Pmax936)をもとに移動先において増幅器(HPA152)の入出力特性を制御する。このような制御によって上りリンク4の低送信電力時における増幅器の効率を向上させることができるため、移動局100のバッテリーを持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
また、移動局100の速度に応じてセルの大きさの異なる基地局900を切替えて通信することで移動局100の位置を監視する精度が向上し、移動局100の位置における最大送信電力の設定と制御及び増幅器の制御がより高精度な予測のもとにできる。よって、移動局100のバッテリーをより持たせて通信時間を伸長することができるという効果がある。
なお、本実施形態の説明においては、下りリンク3において予測Pmax936の情報のみを報知するようにしているが、前記に示した他の「発明の実施の形態」のように、位置に対するPmax935の情報や予測Pmax936の情報や予測移動先に対する予測Pmax936情報を報知し、使用するように基地局900及び移動局100を構成してもよい。
以上の実施の形態で示した移動局100には、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、インターネット端末、携帯情報型腕時計などのモバイル機器が該当する。
また、上述した実施の形態では、増幅器の入出力特性を制御する情報として最大送信電力値であるPmax値または予測Pmax値を用いたが、必ずしも最大送信電力値を制御情報とする必要はなく、増幅器の入出力特性を制御する情報として他の送信電力値を用いることも可能である。
また、以上の実施の形態では、各構成要素の各動作はお互いに関連しており、各構成要素の動作は、上記に示された動作の関連を考慮しながら、一連の動作として置き換えることができる。そして、このこのように置き換えることにより、方法の発明の実施形態とすることができる。
また、上記各構成要素の動作を、各構成要素の処理と置き換えることにより、プログラムの実施の形態とすることができる。そしてこれらの実施の形態は、すべてコンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。プログラムの実施の形態における各処理はプログラムで実行されるが、このプログラムは、記録装置に記録されていて、記録装置から中央処理装置(CPU)に読み込まれ、中央処理装置によって、各フローチャートが実行されることになる。なお、記録装置、中央処理装置は図示していない。
また、各実施の形態のソフトウエアやプログラムは、ROM(READ ONLY MEMORY)に記憶されたファームウエアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウエアとファームウエアとハードウエアとの組み合わせで前述したプログラムの各機能を実現しても構わない。
産業上の利用可能性
この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力値を増幅器の制御信号として出力することができる。
また、この発明によれば、移動局の移動先を予測し、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を増幅器の制御信号として出力することができる。
また、この発明によれば、移動局の移動先を予測し、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を採用するかを判断することができる。
また、この発明によれば、移動局の経路情報から経路上に存在する移動局の位置において必要な最大送信電力値を増幅器の制御信号として出力することができる。
この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力値を増幅器の制御信号として出力する複数の固定局を各々切替えることができる。
また、この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力値情報を持つ制御信号から増幅器を制御することによって消費電流を減少することができる。
また、この発明によれば、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を持つ制御信号から増幅器を制御することができる。
また、この発明によれば、予測した移動先において必要な最大送信電力値の予測情報を採用すると判断された場合には、最大送信電力値の予測情報を持つ制御信号から増幅器を制御することができる。
また、この発明によれば、経路上に存在する移動局の位置において必要な最大送信電力値情報を持つ制御信号から増幅器を制御することができる。
この発明によれば、移動局の送信位置において必要な最大送信電力で送信するよう増幅器を制御し通信システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の実施の形態1による通信システムを説明するための概念図である。
図2は、この発明の実施の形態1による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図3は、この発明の実施の形態1による移動局送信部動作を説明するための内部ブロック図である。
図4は、この発明の実施の形態1による増幅器(HPA)の入出力特性を示す図である。
図5は、この発明の実施の形態1による増幅器(HPA)の出力電力に対する消費電流を示す図である。
図6は、この発明の実施の形態2による通信システムを説明するための概念図である。
図7は、この発明の実施の形態2による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図8は、この発明の実施の形態3による通信システムを説明するための概念図である。
図9は、この発明の実施の形態3による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図10は、この発明の実施の形態4による通信システムを説明するための概念図である。
図11は、この発明の実施の形態4による基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図12は、この発明の実施の形態5による通信システムを説明するための概念図である。
図13は、関連する通信システムを説明するための概念図である。
図14は、関連する基地局及び移動局の動作を説明するための内部ブロック図である。
図15は、関連する移動局における移動局送信部の動作を説明するための内部ブロック図である。
図16は、関連する移動局における増幅器(HPA)の入出力特性を示す図である。
図17は、関連する移動局における増幅器(HPA)の出力電力に対する消費電流を示す図である。
Claims (15)
- 無線信号を移動局から受信する基地局受信部と、
上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する移動局位置監視部と、
情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける相関部と、
上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する上りリンク電力制御情報生成部とを備えることを特徴とする基地局。 - 上記移動局位置監視部は、上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を複数検出し、検出した移動局の複数の位置情報から移動局の移動先を予測し、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、検出した移動局の複数の位置情報の各位置において通信に必要な送信電力値に対応させて、上記移動局位置監視部が予測した移動局の移動先の位置において通信に必要な送信電力値を求め、求められた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする請求項1に記載された基地局。 - 上記移動局位置監視部は、検出した移動局の位置情報から移動局の移動先を予測し、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、上記移動局位置監視部が予測した移動局の移動先の情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする請求項1に記載された基地局。 - 上記基地局は、さらに、上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の経路情報を検出する経路情報検出部を備え、
上記相関部は、移動局の位置情報と経路情報とを関連づけ、
上記上りリンク電力制御情報生成部は、上記経路情報検出部が検出した経路情報と上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報とから上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づい移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする請求項1に記載された基地局。 - 上記基地局は、複数存在し、
上記移動局位置監視部は、検出した移動局の位置情報から移動局の移動状態を予測し、予測した移動状態に基づいて移動局と通信する基地局を複数の基地局から選定し、選定された基地局に移動局との通信を切替えることを特徴とする請求項1に記載された基地局。 - 移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信する移動局受信部と、
制御信号によって上りリンクの電力を制御する増幅器と、
上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する送信電力値設定制御部と、
上記送信電力値設定制御部が生成した増幅器特性制御信号から上記増幅器の出力特性を制御する移動局送信部を備えることを特徴とする移動局。 - 上記移動局は、さらに、上記送信電力値設定制御部が分離した送信電力値の情報に基づいて基地局へ送信する送信電力値を制御するための送信電力制御信号を生成する上りリンク電力制御部を備え、
上記移動局送信部は、上記上りリンク電力制御部が生成する送信電力制御信号から上記増幅器の送信電力値を制御することを特徴とする請求項6に記載された移動局。 - 上記送信電力値設定制御部は、上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の移動先において通信に必要な送信電力値の予測情報を分離し、分離した送信電力値の予測情報から予測された送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成することを特徴とする請求項6に記載された移動局。
- 上記移動局は、さらに、上記移動局受信部が受信した無線信号から移動先の予測情報を検出し、検出した移動先と現実の位置とを比較し、比較した結果から移動先の予測情報を採用するか否かを判断する予測評価部を備え、
上記送信電力値設定制御部は、上記予測評価部によって移動先の予測情報を採用すると判断された場合、予測された送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成することを特徴とする請求項8に記載された移動局。 - 上記移動局は、さらに、出発点と到着点との指定を受けることにより出発点と到着点とから経路情報を設定する経路設定部と、
上記経路設定部が設定する経路情報を基地局へ伝送する情報に多重する移動局データ通信部とを備えることを特徴とする請求項6に記載された移動局。 - 無線信号を移動局から受信する基地局受信部と、
上記基地局受信部が受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する移動局位置監視部と、
情報を送信するための送信電力値と移動局の位置情報とを関連づける相関部と、
上記移動局位置監視部が検出した移動局の位置情報に対応して上記相関部によって関連づけられた送信電力値を選択し、選択した送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する上りリンク電力制御情報生成部とを備えた基地局と、
移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を上記基地局から受信する移動局受信部と、
制御信号によって上りリンクの電力を制御する増幅器と、
上記移動局受信部が受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する上記増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する送信電力値設定制御部と、
上記送信電力値設定制御部が生成した増幅器特性制御信号から上記増幅器の出力特性を制御する移動局送信部を備えた移動局とを備えることを特徴とする通信システム。 - 無線信号を移動局から受信し、
上記受信した無線信号から移動局の位置情報を検出し、
上記検出した移動局の位置情報と情報を送信するための送信電力値とを関連づけ、
関連づけた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成することを特徴とする基地局通信方法。 - 無線信号を移動局から受信する処理、
上記受信した無線信号から移動局の位置情報を検出する処理、
上記検出した移動局の位置情報と情報を送信するための送信電力値とを関連づける処理、
関連づけた送信電力値に基づいて移動局への上りリンクの電力制御情報を生成する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする基地局通信プログラム。 - 移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信し、
上記受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成し、
上記生成した増幅器特性制御信号から増幅器の出力特性を制御することを特徴とする移動局通信方法。 - 移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を含む無線信号を基地局から受信する処理、
上記受信した無線信号から移動局の位置において通信に必要な送信電力値の情報を分離し、分離した送信電力値の情報から送信電力値に対応する増幅器の出力特性を得るための増幅器特性制御信号を生成する処理、
上記生成した増幅器特性制御信号から増幅器の出力特性を制御する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする移動局通信プログラム。
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