JPWO2003030319A1 - アークホーン装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、架空送電線支持用の碍子装置等に付設されるアークホーン装置に関するものである。
背景技術
上記のような碍子装置が、例えば特開平8−321372号公報に記載されている。同公報には、図20に示すように、一連懸垂型碍子装置71を介して、線路72を鉄塔(図示せず)に吊り下げ支持する構成が示されている。この場合、アークホーン装置は、碍子装置71を上下に挟んで両側に、鉄製棒状の接地側アークホーン73と線路側アークホーン74とを相対向させた構成である。そして、このアークホーン装置が碍子装置71の左右両側に設けられている。また、接地側アークホーン73の先端側は下方に、線路側アークホーン74の先端側は上方にそれぞれ屈曲形成されている。
接地側アークホーン73の各先端側には、例えば塩化ビニールから成る絶縁性筒体75が設けられている。この絶縁性筒体75は、図21に示すように、内層75aと外層75bとからなる。そして、絶縁性筒体75は、アークホーン73の先端側を囲繞する状態でこのアークホーン73に固着され、このアークホーン73の下側には、この絶縁性筒体75の下端面に開口する通孔76が形成されている。なお、絶縁性筒体75の下端側には、導電性部材より成る中間電極77が、内端を上記通孔76に臨ませた状態で半径方向に埋め込まれている。また、絶縁性筒体75の下端には、上記通孔76を覆うキャップ78が被着されている。
雷撃時には、接地側アークホーン73の先端から通孔76・中間電極77を介して線路側アークホーン74に至る閃絡経路が形成される。これにより、碍子装置71が保護される。さらにこのとき、通孔76の内面が雷撃によるアークで溶損して分解ガスが発生し、また絶縁性筒体75内の空気がアーク等によって熱せられて内圧が急上昇する。この結果、通孔76を通して高圧ガスがアークと共にジェット状に噴射し、この高圧ガス(以下、アークジェットという)の冷却・拡散作用等によって、例えば77kV対象の架空送電線での地絡型事故時の続流をほぼ瞬時に遮断し得るようになっている。
ところで、上記のような地絡型事故時の事故電流は数100Aであるのに対し、短絡型の事故電流は1000A以上で、このような大電流に対しては、上記のような絶縁性筒体75を接地側アークホーン73に設けた装置でも続流を遮断することができない場合があり、このため、短絡型事故時の続流遮断性能をも具備するようなアークホーン装置が要望されている。
また、上記キャップ78は、上記のようなアークジェットによって吹き飛ばされ脱落する。これにより、上記のような動作が生じたか否かを、事後に容易に確認できるようになっている。そして、動作が一度生じてキャップ78が無くなっても、その後の雷撃時にも上記とほぼ同様にアークジェットの噴出が生じ、続流の遮断が繰返される。
上記のような絶縁性筒体75を上記した線路側アークホーン74にも設けて構成すれば、続流遮断性能がさらに向上し、これによって、例えば雷撃時の地絡事故に加え、短絡事故に対しても、充分な続流遮断性能を備えた装置として構成することが可能となる。しかしながら、この場合に上記同様の絶縁性筒体75を線路側アークホーン74の先端に設けただけでは、上記通孔76が上方に向かって開口することになるため、一度目の雷撃時にキャップ78が脱落した後では、通孔76に雨水が侵入して水が溜まる状態になり易い。そして、このように水が通孔76に溜まると閃絡特性が大きく低下して、アークが発生し難くなるという現象が生じ、このため、充分な続流遮断性能が得られなくなる。
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、例えば短絡型事故時の続流遮断性能をも具備するような高性能の続流遮断特性を有するアークホーン装置を提供することにあり、また他の目的は、良好な続流遮断性能を繰返し維持することが可能なアークホーン装置を提供することにある。
発明の開示
そこで、第1発明のアークホーン装置は、アークホーン11・12の先端側を囲繞する絶縁性筒体21を設け、この絶縁性筒体21に、アークホーン11・12の先端部から絶縁性筒体21の先端面に通ずる通孔21aを形成し、雷撃に伴う閃絡時に通孔21aからアークジェットが噴出するようにしたアークホーン装置であって、上記絶縁性筒体21をポリアミド樹脂で形成していることを特徴としている。
上記第1発明のアークホーン装置では、このように絶縁性筒体21をポリアミド樹脂で形成した場合、特に機械的特性が例えば従来の塩化ビニールよりも優れることから、アークジェット噴出時における通孔内の圧力がより高くなっても、この絶縁性筒体21が破壊しないようにすることができる。これによって、より大電流の続流遮断を行い得る装置として構成することが可能になる。
特にポリアミド樹脂の中でも、モノマーキャストナイロンは機械的強度に優れ、また、より均質な成形体を得ることができるので、第2発明のように、絶縁性筒体21をモノマーキャストナイロンで形成することによって、大電流の続流遮断をさらに確実に行わせる装置として構成することが可能になる。
第3発明のアークホーン装置は、第1発明または第2発明において、上記通孔21aの穴径をd(mm)、遮断しようとする最大事故電流をIr(A)とするとき、d≧Ir/2500+2であることを特徴としている。
第3発明のアークホーン装置では、このように通孔21aの穴径dを設定することによって、アークジェット噴出時に通孔21a内に過大な圧力上昇が生じることが抑えられる。この結果、例えば絶縁性筒体21の肉厚、すなわち外径を大きくすることによって破壊を防止しようとする場合に比べ、よりコンパクトな形状で、破壊を生じさせずに続流遮断が確実に行われる装置とすることができる。
第4発明のアークホーン装置は、第1・第2発明または第3発明において、上記通孔21aの穴径をd、長さをL、遮断しようとする最大事故電流をIr(A)とするとき、d/L≦(9×10−6)・Ir+0.07であることを特徴としている。
すなわち、d/Lを大きくし過ぎると、通孔21a内での圧力上昇が抑えられ過ぎてアークジェットの噴出速度が低下し、アークの遮断作用が充分には得られなくなる。そこで、第4発明では、上記のような範囲でdおよびLを設定することにより、最大事故電流Ir(A)に相当する続流が発生した場合に、これを確実に遮断することができる。
さらに、第5発明のように、d/L≦0.07の範囲でdとLとを設定して構成すれば、最大事故電流Ir(A)以下の任意の電流値に相当する続流の遮断が行われる装置とすることができる。
第6発明のアークホーン装置は、絶縁性筒体21の先端側に基端側よりも外径が径小な領域を設けてこの絶縁性筒体21を形成すると共に、アークホーン先端部を絶縁性筒体21における基端側の径大部領域21bに位置させて、絶縁性筒体21をアークホーン11・12に取付けていることを特徴としている。
第6発明のアークホーン装置では、より軽量・コンパクトな構成として、所望の破壊強度を有する装置とすることができる。すなわち、アークジェットが生じた時の圧力及び温度上昇は、アークホーン先端部が臨む通孔21aの基端領域で最も高く、破壊が生じるとすれば、この箇所から亀裂が発生する。そこで、この領域では充分な破壊強度を具備するように肉厚(外径)を設定すれば、この領域よりも先端側は、肉厚をより小さくした構成とすることができる。これによって、遮断性能に優れた装置をより軽量でコンパクトなものとすることができる。
第7発明のアークホーン装置は、アークホーン11・12の先端側外周に雄ねじ20aを形成し、絶縁性筒体21における通孔21aよりも基端側をこの雄ねじ20aに螺着させて、絶縁性筒体21をアークホーン11・12に取付けていることを特徴としている。
第7発明のアークホーン装置では、絶縁性筒体21をアークホーン先端側に固定するに際し、この筒体21に熱的悪影響のない組立が行われる。したがって、絶縁性筒体21を構成するポリアミド樹脂、特にモノマーキャストナイロンの優れた特性がこの組立工程で損なわれることがなく、破壊強度の低下が抑えられて、より安定した続流遮断装置として構成することができる。また、アークジェットが噴出する際には、通孔21a内に高圧力が発生することによって絶縁性筒体21がアークホーンから抜け落ちるおそれを生じるが、このような抜け落ちも、上記のような螺着結合によって、より確実に防止することができる。
第8発明のアークホーン装置は、絶縁性筒体21の外周面を被覆層22で被覆すると共に、この被覆層22に、径方向外方に略円盤状に拡がるひだ部22a〜22cを一体形成していることを特徴としている。
第8発明のアークホーン装置では、絶縁性筒体21の外周に、ひだ部22a〜22cを有する被覆層22を設けることで、軸方向の沿面距離が長くなり、これによって、アークの電極点がアークホーン先端から絶縁性筒体21を越えてアークホーンの基端側に移動するようなアーク移行が抑えられる。また、第9発明のように被覆層22を、絶縁性筒体21よりも軟質の絶縁性材料とすれば、仮に絶縁性筒体21が破壊したとしてもこれの飛散落下が防止される。
第10発明のアークホーン装置は、上記ひだ部22a〜22cを絶縁性筒体21の軸心方向に沿って複数設けると共に、最先端のひだ部22aに対して基端側のひだ部22b・22cの径を小さくしていることを特徴としている。
第10発明のアークホーン装置では、接地側と線路側との各アークホーン11・12の先端側にそれぞれ絶縁性筒体21を設けて構成する場合に、特に有効なものとなる。つまり、噴出したアークジェット中には、アークホーン11・12の先端が溶融・気化して生じた金属成分や、プラズマ化したガス中のイオン成分などの導電性成分が含まれ、このような成分が気中に浮遊する状態では気中絶縁耐力が低下してアーク移行が生じ易い。そこで、最先端のひだ部22aについては、対向する絶縁性筒体21から噴出したアークジェットが後方に回り込むことを抑える機能を加味してその外形寸法を設定する一方、基端側のひだ部22b・22cには上記のような機能を具備させる必要はないため、これらの径を最先端のひだ部22aよりも小さくする。これにより、全体がより軽量でコンパクトな構成とすることができる。しかも、各ひだ部22a〜22c間の凹部空間は深さがより浅い構成になるので、仮に最先端のひだ部22aを越えて導電性成分が後方に回り込んだとしても、これは、この複数のひだ部の形成領域からも速やかに流れ去っていく。したがって、これによっても絶縁性筒体の周囲雰囲気の絶縁性回復がより速やかに生じて、続流遮断性能が向上する。
第11発明のアークホーン装置は、碍子装置1の両側に相対向するように取付けられる接地側アークホーン11と線路側アークホーン12とを備えるアークホーン装置であって、接地側アークホーン11と線路側アークホーン12との各先端側にそれぞれ絶縁部材13・14を設け、これら絶縁部材13・14にアークホーン11・12の先端から絶縁部材13・14の先端面に通ずる通孔21aを各々形成して、雷撃時に両アークホーン11・12の先端間にアークが発生したときに各通孔21aからアークジェットがそれぞれ噴出するように形成していることを特徴としている。
第11発明のアークホーン装置では、接地側と線路側との双方に絶縁部材13・14をそれぞれ設けて、アークジェットによる続流遮断作用が接地側と線路側との双方で生じるように構成することにより、例えば地絡型事故時の続流に加え、短絡型事故時の続流の遮断が速やかに行われるような高性能の続流遮断特性を有する装置とすることができる。
第12発明のアークホーン装置は、上記各通孔21a・21aの中心線が鈍角を成すように各絶縁部材13・14を設けて、各通孔21a・21aを通して噴出するアークジェットが互いに交差するように形成していることを特徴としている。
第12発明のアークホーン装置では、各通孔21a・21aから噴出したアークジェット同士が、各通孔21a・21aの開口端間の領域から側方に吹き飛されるような相互作用を生じ、上記領域や各絶縁部材13・14の周囲に、アークジェットの構成成分が浮遊残存しない状態とすることができる。つまり、アークジェット中には、アークホーン11・12の先端が溶融・気化して生じた金属成分や、プラズマ化したガス中のイオン成分などの導電性成分が含まれる。したがって、このような成分が浮遊する状態では気中の絶縁耐力が低下するが、上記の構成によれば、このような導電性成分が各絶縁部材13・14間やその周囲に浮遊する状態を生じさせず、これによって気中の絶縁性回復を迅速に生じさせることができる。この結果、さらに高性能の続流遮断特性を具備する装置とすることが可能になる。
この場合、上記各通孔21a・21aの中心線が鈍角を成す場合であっても、各通孔21a・21aが同軸上に位置する状態に近い配置では、上記したアークジェット同士の側方への飛散作用が充分には得られないので、第13発明のように、各通孔21a・21aの中心線間の開き角度が130度以下にした配置構成にすることが望ましい。このように、130度以下とすることにより、アークジェット同士の側方への飛散作用をより確実に得ることができる。
一方、開き角度を小さくして平行配置状態に近づけ過ぎると、両アークホーン11・12の各先端間の閃絡経路が、通孔21aの開口端を経ずに、各絶縁部材13・14における通孔21a回りの側壁を貫通するように変化し、これら絶縁部材13・14が破壊するおそれを生じる。これを防止するためには、例えば側壁の厚さを厚くしてこの厚さ方向に沿う絶縁抵抗を大きくした構成とすること等が必要になり、これでは、全体的な形状が大形化する。そこで、各通孔21aの中心線間の開き角度については、第14発明のように100度以上とすることが望ましく、これによって、各通孔21aの開口端を経由する閃絡経路が確保されて絶縁部材13・14の破壊を防止することができるので、よりコンパクトな装置構成とすることができる。
第15発明のアークホーン装置は、棒状の上記接地側アークホーン11および線路側アークホーン12の少なくとも一方を、碍子装置1に一端側が固定される基端部11a・12aと、中間部11b・12bと、絶縁部材13・14が通孔21aを同軸上に位置させて取付けられる先端部11c・12cとが順次連なる形状に形成すると共に、基端部11a・12aと中間部11b・12bとの連設箇所、中間部11b・12bと先端部11c・12cとの連設箇所を、上記通孔21aの中心線と基端部11a・12aの中心線とが互いに同一平面上に位置しないように各々屈曲させていることを特徴としている。
例えば第16発明のように、基端部11a・12aと中間部11b・12bとがほぼL字状に連なるようにこれら基端部11a・12aと中間部11b・12bとの連設箇所を屈曲させると共に、中間部11b・12bと先端部11c・12cとの連設箇所で、上記基端部11a・12aと中間部11b・12bとの連設箇所での屈曲方向とは異なる方向に屈曲させて、これら中間部11b・12bと先端部11c・12cとが略Vの字状に連なる形状に構成する。
第15と第16発明のアークホーン装置では、通孔21aからアークジェットが噴出する際の反力Fは、特に基端部11a・12aに対し、先端部11c・12cおよび中間部11b・12bを介して曲げモーメントとして作用すると共に、さらに、軸心回りの捩じりモーメントとしても作用する。つまり、上記反力Fの作用方向は、通孔21aの中心線に沿ってアークジェットの噴出方向とは逆方向となるが、この作用方向が基端部11a・12aの中心線とは同一平面上に位置しない構成、すなわち、通孔21aと基端部11a・12aとの各中心線が互いに平行ではなく、かつ、それらの延長線も互いに交差せずに相互に離れた関係であることから、これら2線間の距離L1に上記反力Fを乗じた捩じりモーメントM(=L1・F)が基端部11a・12aに作用する。
この結果、各アークホーン11・12の先端間にアークが発生したときのアークジェットの噴出に伴い、アークホーン11・12の各先端が相互に離れる方向の変形量をより大きくすることができる。これに伴い、アークが引き伸ばされて両端電圧が高くなる結果、このアークがより速やかに消滅するので、これによっても続流遮断性能が向上する。
第17発明のアークホーン装置は、アークホーン12の先端側を囲繞する絶縁部材14を設け、この絶縁部材14に、アークホーン12の先端部から絶縁部材14の先端面に通ずる通孔21aを形成したアークホーン装置であって、上記通孔21aへの雨水の侵入を抑えるべく絶縁部材14の先端側を覆うキャップ30を設け、このキャップ30には、雷撃による閃絡時に通孔21aから先端側に噴出するアークジェットの噴出経路に交差する壁部32に、この壁部32を通してアークジェットの噴出を許容する開口手段を設けていることを特徴としている。
第17発明のアークホーン装置では、絶縁部材14の先端側を覆って通孔21aへの雨水の侵入を抑えるキャップ30に、アークジェットの噴出を許容する開口手段が設けられているので、アークジェットの噴出状態がキャップ30によって阻害されることはなく、また、このキャップ30がアークジェットの噴出力によって脱落することもない。したがって、通孔21aが上方に向かって開口するようにこのアークホーン装置が設置される場合でも、通孔21aへの雨水の侵入が継続して防止され、これによって、雷撃時毎に良好な続流遮断性能が得られて繰返しの使用が可能となる。
上記のような開閉手段は、例えば第18発明のアークホーン装置のように、キャップ30の壁部32に、アークジェットの噴出力により押動されてアークジェットの噴出経路上から退避する退避位置と、噴出経路上に位置して雨水の侵入を防止する雨水侵入防止位置との間で変位可能な可動体36を設けて構成することができる。
この場合の可動体36は、例えば第19発明のアークホーン装置のように、一端側がキャップ30の周縁側に連設されると共に他端側がアークジェットの噴出力により噴出方向に沿って弾性変形する弾性体で形成した構成とすることが可能である。
またこのとき、例えば第20発明のアークホーン装置のように、キャップ30の壁部32を、複数のスリット35によって区画された区画片32aが隣接するように形成し、これら区画片32aを上記可動体36として形成した構成とすれば、上記壁部32の一部が可動体36として機能を兼用する構成になって、可動体専用の部材を別途設ける必要がなくなるので、全体の構成が簡素なものとなる。
一方、第21発明のアークホーン装置のように、キャップ30の壁部32におけるアークジェットの噴出経路上の領域に貫通穴34を設けて、この貫通穴34を上記開口手段とした構成にすることも可能である。
この場合に、第22発明のアークホーン装置のように、上記キャップ30の壁部32に先端側に突出する突部45を設け、この突部45に上記貫通穴34を形成した構成とすれば、上記壁部32の端面に降り注いだ雨水がこの壁部32の端面(上面)上を流れる際、この雨水が突部45の上端面を越えて貫通穴34に流れ込むようなことはなく、これによって、通孔21aへの雨水の侵入をより確実に抑えることができる。
第23発明のアークホーン装置は、請求の範囲第17〜22項のいずれかの1項のアークホーン装置において、キャップ30の壁部32と絶縁部材14の先端面との間に空間33を設け、この空間33を囲うキャップ周壁に、水抜き穴37を形成していることを特徴としている。
このような構成によれば、雨水がキャップ30内の上記空間33に侵入したとしても、この雨水は水抜き穴37を通して外部に排出される。したがって、上記空間33に雨水が溜まることはなく、これによって、通孔21aに水が侵入してこの通孔21a内に水が溜まることがより確実に抑えられて、安定した続流遮断性能を維持することができる。
第24発明のアークホーン装置は、第23発明のアークホーン装置において、絶縁部材14の先端面に前方に突出する突出部46を設け、この突出部46の先端開口部を上記通孔21aのアークジェット噴出口としたことを特徴としている。
第24発明のアークホーン装置では、キャップ30に侵入した雨水が、絶縁部材14の先端面上を水抜き穴37の方向に流れる際、この雨水が突出部46の上端面を越えて通孔21a内に流れ込むようなこともないので、通孔21aへの雨水の侵入をさらに確実に抑制することができる。
発明を実施するための最良の形態
次に、この発明の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図2に、本実施形態に係る一連懸垂碍子装置1を示している。この碍子装置1は、例えば66kV〜77kV級対象の架空送電線を鉄塔アーム(図示せず)に支持する際に用いられ、鉄塔アームへの取付金具2に、Uクレビス3・接地側ホーン取付金具4を介して懸垂支持された碍子連5を備えている。この碍子連5の下端部には、線路側ホーン取付金具6と懸垂クランプ7とが順次設けられ、この懸垂クランプ7に線路8が固定支持されるようになっている。
上記接地側および線路側の各ホーン取付金具4・6に、図2において左側にそれぞれ略水平に延びる鉄製棒状のアークホーン11・12が固定されている。なお、鉄塔は図において紙面奥側に位置している。以下では、図2において右から左に向かう方向をX方向、紙面奥側から手前に向かう方向をY方向、碍子連5の中心軸からのX方向の距離をX座標と称する。上側の接地側アークホーン11はX座標がLxの箇所で下方に向けて、また、下側の線路側アークホーン12は上記同様のX座標の箇所で上方に向けてそれぞれ屈曲されている。これら各屈曲部の先端側に、後述する絶縁部材13・14がそれぞれ設けられている。
なお各ホーン取付金具4・6には、図2においてそれぞれ右側に延びる鉄製棒状のアークホーン(以下、ギャップホーンという)15・16がさらに固定されており、これらギャップホーン15・16の各先端側も各々上下に屈曲させた形状に形成されている。また、各ホーン取付金具4・6には、上下に対向するアークホーン11・12の各先端間距離、およびギャップホーン15・16の各先端間距離が所定の空隙寸法で維持されるように、それぞれバランスウエイト17・18が取付けられている。
接地側および線路側アークホーン11・12は、図3に示すように、それぞれ二箇所で屈曲され、上記ホーン取付金具4・6に基端側(図において右端側)が固定されてX方向に水平に延びる基端部11a・12aの先端に、Y方向に沿って水平に延びる中間部11b・12bと、この中間部11b・12bの先端から上下方向に延びる先端部11c・12cとが順次連なる形状に形成されている。すなわち、基端部11a・12aと中間部11b・12bとがほぼL字状に連なるようにこれら基端部11a・12aと中間部11b・12bとの連設箇所を屈曲させると共に、中間部11b・12bと先端部11c・12cとの連設箇所で、上記基端部11a・12aと中間部11b・12bとの連設箇所での屈曲方向とは異なる方向に屈曲させて、これら中間部11b・12bと先端部11c・12cとが略Vの字状に連なる形状に構成している。そして、接地側アークホーン11の先端部11cは、X座標が上記LxでY方向に平行な垂直平面内において、図4に示すように、垂直線から角度θ(例えば30度)でY方向に向かって下り傾斜する形状に形成されている。
線路側アークホーン12の先端部12cは、上記垂直平面内において上記同様の傾斜角度θで、Y方向に向かって上り傾斜する形状に形成されている。なお以下では、接地側と線路側との各先端部11c・12cの垂直線に対してなす角度θを「振り角度」、これら先端部11c・12cの各中心線間の角度φを「開き角度」と称する。また、以下では接地側と線路側との各先端部11c・12cの振り角度θが互いに同一の構成のみを例に挙げている。したがって、以下で振り角度θと言うときは、これが接地側と線路側との両先端部11c・12cの傾斜角度を示すものとする(このとき、開き角度φ=180度−2θ)。
上記のように各々傾斜させた各先端部11c・12cに、略円筒状の上記した絶縁部材13・14がそれぞれ同軸状に取付けられている。これらの構成は、上下方向の向きが相互に異なる点以外は互いにほぼ同様であるので、以下では下側(線路側)のアークホーン12側を例に挙げて、図1を参照して説明する。
鉄製棒状のアークホーン12につき、以下では、上記基端部12aおよび中間部12bと先端部12cの下半分とを構成する部品を取付金具12A、先端部12cの上半分を構成して上端が尖端形状に形成されている部品を先端金具12Bと称して説明する。
絶縁部材14は、略円柱形状に絶縁性筒体21の軸心に、この絶縁性筒体21の上端面に開口する通孔21aが形成されている。この絶縁性筒体21は、例えば硬質塩化ビニールやフッ素樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン6−6やモノマーキャストナイロン)等を用いて作製され、外周には軟質塩化ビニールの被覆層22が設けられている。
上記絶縁性筒体21が、アークホーン12の先端金具12Bの上端側領域を囲繞するように、この先端金具12Bに同軸状に固着されている。具体的には、先端金具12Bの外周に雄ねじ20aが形成されており、この雄ねじ20aを、先端金具12Bの上端が上記通孔21aに達するまで絶縁性筒体21にねじ込んで螺着させることによって、この絶縁性筒体21が先端金具12Bに固定されている。
絶縁性筒体21は、長さ方向のほぼ中間位置から下側(基端側)が円柱状に、これよりも上側が先端面に向かって徐々に径小となるテーパ状に形成されている。以下では、基端側の円柱状の領域を径大部領域21b、テーパ領域を縮径領域21cとも称して説明する。縮径領域21cの上端部には、後述する雨水侵入防止用のキャップ30が被着されている。一方、上記径大部領域21b内に上記アークホーン12の先端部が位置するように上記先端金具12Bと径大部領域21bとの軸方向寸法が設定されて、この絶縁性筒体21が先端金具12Bに取付けられている。
被覆層22には、上記径大部領域21bを囲う領域に、それぞれ外方に円盤状に突出するひだ部22a〜22cが、絶縁性筒体21の軸心方向に沿ってほぼ等間隔で複数(図の場合には3層)設けられている。ここで、最先端のひだ部22aに比べ、これよりも下側のひだ部22b・22cは外形寸法を小さくして形成されている。この被覆層22と絶縁性筒体21とは、各内外周面を同一形状にして各々個別に成形した後、絶縁性筒体21を被覆層22内に挿入し、接着剤によって両者を接着する方法によって相互に固定されている。これにより、特に絶縁性筒体21に熱的な悪影響が作用せず、絶縁性筒体21を構成する上記ポリアミド樹脂の特性低下を生じさせずに、これら被覆層22と絶縁性筒体21との組付が行われている。
絶縁性筒体21の下側で、アークホーン12における取付金具12Aと先端金具12Bとの連設部外周には、軟質塩化ビニール製の筒状絶縁カバー24が設けられている。
上記キャップ30は、図5Aに示すように、円筒部31とこの円筒部31の上端を塞ぐ壁部32とを有する断面逆U字形状に、例えば軟質塩化ビニールを用いて作製されている。円筒部31の下端側を絶縁部材14の上端外周に接着剤により接着することにより、壁部32と絶縁部材14との間に空間33を設けた状態で、このキャップ30が絶縁部材14に取付けられている。
壁部32の中央には、上記通孔21aと同軸上の位置に、この通孔21aよりもやや径が大きな貫通穴34が形成されている。また、図5Bに示されるように、この壁部32には、貫通穴34の周縁から外径方向に向かうスリット35…が放射状に複数設けられて、上記壁部32は、その外周側を除き、スリット35…によって区画された区画片32a…が隣接して覆う構成になっている。一方、円筒部31の下端側には、この円筒部31を貫通する水抜き穴37が形成されている。また、絶縁部材14における被覆層22の上端には、絶縁性筒体21の上端面外周側を覆う環状被覆部22dが連設されているが、この環状被覆部22dには、図5B、図5Cにも示されているように、上記水抜き穴37に隣接する一部領域が切欠かれて、水抜き穴37と連通状となる排水溝部22eが形成されている。
上記のようなキャップ30によって、通孔21aへの雨水の侵入が防止され、この通孔21aを通しての閃絡特性の低下、つまりアークが発生し難くなる現象が抑えられる。すなわち、上方から降り注ぐ雨水は、キャップ30の壁部32の端面(先端面)で受け止められ、大半はこの壁部32の端面(上面)上を流下していく。また、貫通穴34を通してキャップ30内部へと侵入した雨水は、絶縁性筒体21の先端面で受け止められ、この先端面上を水抜き穴37の方向に流れて、この水抜き穴37を通して外部に排出される。これにより、キャップ30内に雨水が溜まっていくこと、ひいては、通孔21a内に雨水が侵入してこの通孔21a内に雨水が溜まることが抑制されるので、通孔21aを通しての閃絡特性の低下が防止される。
一方、後述するように、雷撃時にはアークジェットが通孔21aから噴出するが、このとき、図5Aに二点鎖線で示すように、上記した各区画片32a…がアークジェットGJの噴出力に押動されて弾性的に上方に湾曲変形し、開口面積の広がりが生じる。これによって、アークジェットGJの噴出状態はこのキャップ30によっては殆ど阻害されることなく後記する続流遮断性能が発揮される。
上記図2に示した接地側アークホーン11の先端側に取付けられている絶縁部材13も上記とほぼ同様に構成され、この接地側アークホーン11と線路側アークホーン12の各先端部同士が互いにほぼ同一垂直線上に位置するように、また、各絶縁部材13・14における上記通孔21aの開口端も、互いにほぼ同一垂直線上に位置して、上下に対向するように設置されている。
なお、接地側(上側)の絶縁部材13における上記通孔21aには雨水侵入のおそれがないことから、下端部には、例えば中心に針穴を設けただけの軟質塩化ビニール製の動作表示キャップ26が脱着可能に取付けられている。このキャップ26は、雷撃時にこの絶縁部材13から噴出するアークジェットによって吹き飛ばされ脱落する。これにより、上記のような動作が生じたか否かを事後に確認するための表示器として機能するようになっている。
上記構成の接地側および線路側アークホーン11・12の各先端間の距離(気中放電ギャップ)は、上記したギャップホーン15・16の各先端間距離よりも短く設定されている。したがって、雷撃時には、まず両アークホーン11・12間、詳しくは絶縁部材13・14内の各通孔21aを通して各アークホーン11・12の先端間に閃絡経路が形成される。
このとき、通孔21a内面が雷撃によるアークで溶損して分解ガスが発生し、また通孔21a内の空気がアーク等によって熱せられるため内圧が急上昇する。これにより、通孔21aから高圧ガスがアークと共に開口端からジェット状に噴射する。この高圧ガス(以下、アークジェットという)の圧力効果や拡散作用でアーク長が増大し、また冷却作用によってアーク抵抗が増大する。一方、絶縁部材13・14内は一種の真空に近い状態となって通孔21a内の絶縁耐力が増大する結果、閃絡後の続流は瞬時に遮断される。このようなアークジェットによる続流遮断作用が接地側と線路側との双方で生じる結果、地絡型事故時の続流に加え、短絡型事故時の続流の遮断も速やかに行わせることが可能になる。
特に本実施形態においては、事故電流が例えば5kAを超えるような短絡型の続流遮断をも可能とするために、各絶縁部材13・14の絶縁性筒体21をポリアミド樹脂で作製しており、このような材質を選定した理由について以下に説明する。
表1に、絶縁性筒体21の材質を種々変えて続流遮断試験を行った結果の一例を示している。この表1には、絶縁性筒体21の材質が従来同様に硬質塩化ビニールの場合、フッ素樹脂製の場合、ポリアミド樹脂の一種であるモノマーキャストナイロンの場合を挙げている。表1中の各テスト品は、上記図1に示した形状において、通孔21aの穴径dが6mm、長さLが104mmの絶縁性筒体21を作製して行ったものである。なお、モノマーキャストナイロン(以下、MCNと略記する)とは、ポリアミド6(ナイロン6)にモノマー注型成形法を適用して製造されるものであって、溶融したε−カプロラクタムがアルカリ金属によって急速に重合することを利用し、不活性ガス中で溶融モノマーに触媒や安定化剤をすばやく、かつ均一に混合した後に型内に流し込み、型内で重合させて製造される。これは、内部まで均一で気泡がなく、また、未反応モノマー量が低くて歪みがないため、各種物性および寸法安定性に優れるなどの特徴を有している。
表1に示されているように、塩化ビニール製では、試験電流を3kAとした場合に絶縁性筒体が破壊して続流遮断が行われなかったのに対し、フッ素樹脂製では6kAまで、MCN製ではさらに8kAまで、それぞれ続流遮断を行わせることが可能であった。なお、続流遮断試験後に先端部の絶縁強度の測定(アークホーン先端と通孔の開口端との間に電圧を加え、絶縁破壊が生じる時の電圧を計測)を行ったところ、塩化ビニールとMCNは殆ど絶縁強度の低下が無かったのに対し、フッ素樹脂では絶縁強度が大きく低下していた。このため、フッ素樹脂製では繰返しの使用を行えないものになってしまう。
これらの点から、より大電流の続流遮断を行う装置として構成する場合、絶縁性筒体21の材質としてはMCNが最適である。つまり、閃絡時に通孔21aを通してアークジェットを噴出させ、これによって続流の遮断を図る場合、まず、材質に応じてアークジェットに含まれるガス成分が、従来の塩化ビニールと同等以上の消弧性を有することが必要とされる。さらに、より大電流の事故電流に対して適用できるようにするためには、アークエネルギーの増加に伴って通孔内での圧力が極めて高くなることから、この圧力に耐える強度を備えていることが必要である。MCNはこれらの要件に最も適合するもので、このMCNによって絶縁性筒体21を作製することで、より大電流の続流遮断を行い得る装置とすることができる。
ちなみに表2に、硬質塩化ビニール樹脂・フッ素樹脂・ナイロン6についての一般的な機械的特性表を、また、表3に、ナイロン6(射出成形品)およびMCNについて実際に引張試験を行った結果の一例を掲げている。
なお、MCNやナイロン6以外のポリアミド樹脂、例えばナイロン6−6やナイロン6−10等も構成元素は同一であり、また、機械的特性も、MCNに対しては劣るものの、上記したナイロン6とほぼ同等であることから、これらの材質を選定して絶縁性筒体を作製することによっても、例えば塩化ビニール製のものに比べ、より大電流の続流遮断を行い得る装置として構成することができる。
ところで、絶縁性筒体21に設けられる上記通孔21aは、その形状が続流遮断性能に大きく影響する。例えば、穴径が大きくなる程、通孔21a内での圧力上昇が低く抑えられることになる。このとき、アークジェットの噴出速度が遅くなってアークの引き伸ばし作用等が弱くなり、遮断性能が低下するものと考えられる。また、穴径が同じであっても、長さが短い程、圧力上昇度合いが小さくなり、これによっても遮断性能が左右される。
そこで、通孔21aの穴径(内径)と長さとを種々変えてMCN製の絶縁性筒体21を作製し、通孔21aの内径と長さとの適正値を求めるための続流遮断実験を行った。なお、絶縁性筒体21の外径は70mmである。図6Aに、縦軸を試験電流値、横軸を内径とするグラフ上に、その結果をプロットして示している。同図において、「◎」は半サイクルで遮断に成功したもの、「○」は1〜1.5サイクルで遮断に成功したもの、「×」は遮断失敗のものである。「★」は絶縁性筒体が破壊したものを示している。また、各プロット点に付記している「#1〜#3」の番号は、通孔21aの長さLに対応させており、「#1」はL=110mm、「#2」はL=130mm、「#3」はL=150mmのサンプルである。図6Bは、横軸を内径d/長さLにして、上記の結果を書き換えたものである。
まず図6Aには、「★」のプロット点(破壊点)が、このグラフ上でほぼ直線上に位置していることが示されている。この直線LS1を求めると、
d=Ir/2500+2(但し、単位はd(mm)、I(A))である。したがって遮断しようとする最大事故電流値をIr(A)とすると、
d≧Ir/2500+2
の式を満たす範囲でdを定めれば、事故電流が10kA程度まで、破壊を生じさせることなく続流遮断を行い得る装置として構成することができる。
なお、一般に内圧を受けたときの破壊強度は肉厚に影響される。
厚肉円筒では、Lameの公式にしたがって穴の内壁面で生じる最大応力を求めることができるが、外径が内径の4倍のときに求められた最大応力を1とすると、外径を無限に大きくしても最大応力は0.94程度にしか小さくならない。これから、外径と内径との比を必要以上に大きくしても、強さ向上の効果はあまりないと言われている。したがって、大電流時における破壊防止に対しては、肉厚を大きくするよりも、通孔21a内で発生する内圧を抑えることがより得策である。このような観点から、遮断しようとうする事故電流値に応じて上記のように通孔21aの穴径dを設定し、過大な圧力上昇が生じないようにすることで、装置全体をよりコンパクトなものとして、大電流時の遮断可能な装置として構成することができる。
一方、図6Bでは、試験電流値が大きくなるほど、内径と長さ比γ(=d/L)をより大きくしても、遮断可能になることが示されている。例えば試験電流値が1kAでは、γが8%以下で遮断可能、それ以上にすると遮断不能になるのに対し、試験電流値が5kAでは、γを11%程度まで大きくしても遮断可能である。そして、この遮断可能領域と遮断不能領域との境界線LS2は、このグラフ上でほぼ直線状になることが示されており、この直線式を求めると、
d/L=(9×10−6)・I+0.07(但し、Iは電流値(A))である。したがって遮断しようとする最大事故電流値をIr(A)とすると、
d/L≦(9×10−6)・Ir+0.07
の式を満たす範囲でdとLを定めて絶縁性筒体21を作製することによって、上記Irに相当する電流が流れるような雷撃時の続流遮断を行い得る装置とすることが可能になる。
さらに上記境界線LS2が横軸と交わる点はほぼ7%である。したがって、
d/L≦0.07
の範囲でdとLを定めて絶縁性筒体21を作製すれば、事故電流が数kAの短絡型事故時の続流遮断に加え、事故電流が数百Aの地絡型事故時であっても、これの遮断も併せて行い得る装置になる。なお、雷撃を受けてアークジェットの噴出動作が生じた時には、絶縁性筒体21の通孔21a回りが一部溶損し、このため、雷撃の繰返しに応じて通孔21aの穴径が次第に大きくなる。したがって繰返しの使用を考慮すると、より望ましい上限値は0.05で、この値以下の範囲でdとLを設定することが好ましい。
上記図1に示した実施形態の装置は、上記した指標に基づき、例えば通孔21aの内径=6mm、長さ=150mm(内径/長さ=4%)で形成されている。なお、絶縁性筒体21における上記径大部領域21bの外径は70mmである。このような構成により、全体形状が大形化することなく、5kAを超える短絡型事故時の続流を繰返し遮断することが可能になっている。
次に、特に本実施形態においては、上記図4に示されているように、上下の絶縁部材13・14の軸心が、すなわち各通孔21aの中心線が鈍角を成すように、これら絶縁部材13・14をそれぞれ傾けた取付状態としている。以下、このような構成を採用した理由について説明する。
表4に、各絶縁部材13・14の取付状態を種々変えて続流遮断実験を行った結果の一例を示している。表4で取付状態が「対向」とは、図7Aに示すように、各絶縁部材13・14が同軸上に位置するように対向させた状態、「平行」とは、図7Bに示すように、各絶縁部材13・14の軸心が互いに平行になるように取付けた状態、「鈍角」とは、図7Cに示すように、本実施形態での構成と同様に、各絶縁部材13・14の軸心を垂直線からそれぞれ30度傾けて取付けた状態である。なお、各絶縁部材13・14における上記絶縁性筒体21は、いずれもモノマーキャストナイロン製である。
表4に示されているように、「対向」取付状態では、アーク移行(アークの電極点が絶縁部材13・14を越えて、この絶縁部材13・14の基端側から延び出るアークホーンの箇所に移動する現象)が生じて続流が遮断されず、また、「平行」取付状態でも、試験電流を1kAから2kAにすると、上記同様にアークの移行によって続流の遮断が行われなかった。これに対し、「鈍角」取付状態では、試験電流が2kAの場合でも交流半サイクルで続流遮断が行われている。
図8および図9には、各絶縁部材13・14の傾斜角度(振り角度)θを変えたときのアークジェットの噴出状態を模式的に示している。これらの場合の各絶縁部材13・14における各通孔21aの穴径は6mm、長さは150mmで、各通孔21aの開口端間の距離が、図8A〜Dでは350mm、図9A〜Dでは500mmである。そして、振り角度θが20度の場合を図8Aと図9Aに、25度の場合を図8Bと図9Bに、30度の場合を図8Cと図9Cに、40度の場合を図8Dと図9Dにそれぞれ示している。
上記のような通孔21aの開口端からは、それぞれ50度程度の広がり角でアークジェットが噴出することが実験的に確認されている。したがって、θ=20度の場合には、一方のアークジェットの広がり領域内に、他方のアークジェットの噴出口(通孔21aの開口端)が位置するものになる。この結果、これらアークジェットは両通孔21aの各開口端付近で噴出力が相互に相殺され、各開口端間の領域で、アークジェットの構成成分が漂う状態が生じ易い。そして、振り角度θが25度・30度・40度に順次大きくなるにしたがって、一方のアークジェットの広がり領域から外れた位置に他方の通孔21aの開口端が位置するようになる。これによって、各アークジェットの噴出口付近での相互干渉が弱くなり、双方の開口端から、それぞれアークジェットが高速で噴出する。
さらに、これらアークジェットは、両開口端を直線で結ぶ領域から次第に側方に離れた位置で相互に交差するようになり、この交差領域で、側方へ向かう流速成分が相互に加速される。この結果、これらアークジェットに含まれる構成成分は、各絶縁部材13・14の周囲に向かうことなく、側方へと速やかに飛散していくことになる。
表5には、振り角度が20度の場合と、30度の場合とでの続流遮断実験結果の一例を示している。
表5に示されているように、振り角度が20度の場合に比べ、振り角度を30度にすると続流遮断性能が大きく向上している。これらの結果、アークジェットは、各絶縁部材13・14における通孔21a内や開口端近傍では、前述したように、アークジェットの圧力効果や冷却作用によってアークの遮断効果が得られるが、噴出したアークジェット中の構成成分が周辺に浮遊した状態では、各絶縁部材13・14間の気中の絶縁耐力がかえって低下するものと推定される。つまり、アークジェット中には、アークホーンの先端が溶融・気化して生じた金属成分や、プラズマ化したガス中のイオン成分などの導電性成分が含まれる。このため、このような成分が浮遊する状態では気中の絶縁耐力が低下する。したがって、特に接地側と線路側との双方に絶縁部材13・14を設ける場合には噴出されたアークジェットの相互干渉に留意し、気中の絶縁性回復が速やかに生じるように配置することが重要になる。
上記図7A、図Bに示した「対向」や「平行」の取付状態では、各通孔の開口端間や絶縁部材13・14の周囲に上記した導電性成分が浮遊する状態になり易い。このため気中の絶縁性回復が速やかには生じずに、アーク移行を伴って続流が継続するものになっていた。また「鈍角」の取付状態とした場合でも、図8および図9から、振り角度θが例えば20度では、上記同様の理由から続流遮断が充分には行われ難く、この振り角度θは、少なくとも25度以上(開き角度φが130度以下)にすることが必要である。これにより、アークジェット同士が両開口端を直線で結ぶ領域から側方に離れた位置で相互に交差し、しかも、この交差領域で、側方へ向かう流速成分が相互に加速されて、アークジェットに含まれる導電性成分も速やかに側方へ飛散していくことになる。この結果、気中の絶縁性が迅速に回復し、アーク移行等が生じることなく続流の遮断を行わせることが可能になる。
一方、振り角度θが過大になると、各アークホーンの先端同士を結ぶ閃絡経路が、各通孔21a内でこの軸心に沿わずに、途中から絶縁性筒体21の側壁を貫通するような経路に変化するおそれがある。このような経路に沿って閃絡すると絶縁性筒体21の破壊が生じることから、これを防止するためには、例えば絶縁性筒体21の側壁の厚さをより厚くし、この側壁を通しての絶縁抵抗を高めた構成とすること等が必要になって、全体の形状が大形化する。また、絶縁部材13・14内をアークが通過しないことから、遮断機能が働かない現象も生じる。したがって、振り角度θは最大でも40度以下(中心線間の開き角度φ:100度以上)、より好ましくは35度以下(φ:110度以上)にすることが望ましい。
なお、各絶縁部材13・14には、上記したようにそれぞれ3層の円盤状のひだ部22a〜22cが設けられている。これらは、外周面に沿う沿面距離を大きくしてアーク移行を抑制する機能に加え、特に最先端のひだ部22aは、アークジェットの後方への回り込みを抑える機能を有するものである。例えば図8Bにおいて、最先端のひだ部22aの前方領域50に達したアークジェットは、このひだ部22aの表面に沿って、矢印で示すように案内されて側方に流れることになる。この結果、この最先端のひだ部22aよりも後方にアークジェットに含まれる導電性成分が回り込んで浮遊する状態が抑えられる。したがって、この絶縁部材13・14回りの気中絶縁耐力の低下が防止され、これによってアーク移行の発生が抑制されて良好な続流遮断性能が維持される。
最先端のひだ部22aには、上記のような機能を加味して、アークジェットの広がり形状や振り角度θ等に応じ、その外形寸法が設定される。一方、この最先端のひだ部22aよりも後方の中間ひだ部22b、後方ひだ部22cについては、上記のような機能を具備させる必要がないことから、これら後方のひだ部22b・22cは、上記したように、最先端のひだ部22aよりも径を小さくして形成されている。具体的な数値を例示すれば、最先端のひだ部22aの外径を例えば220mmとした場合、後方のひだ部22b・22cは、それぞれ180mmである。このような構成とすることで、軽量化、コンパクト化を図ることができ、全体的な製作費をより安価なものとすることができる。しかも、各ひだ部22a〜22c間には空気の滞留を生じ易い凹部空間が形成されるが、これら凹部空間は、その径方向内方に向かう深さがより浅い構成になる。このため、仮に最先端のひだ部22aを越えて導電性成分が後方に回り込んだとしても、これは、上記のような複数のひだ部の形成領域からも速やかに流れ去っていく。したがって、これによっても絶縁部材13・14の周囲雰囲気の絶縁性回復がより速やかに生じて、続流遮断性能が向上する。
一方、本実施形態においては、図3等を参照して説明したように、接地側と線路側との各アークホーン11・12は、それぞれ二箇所の屈曲点を設けて形成されている。図10Aに接地側アークホーン11を再掲しており、このような形状のアークホーン11では、絶縁部材13からアークジェットGJが噴出する際、その反力Fがアークホーン11の先端部11cに軸心方向に作用する。これは、中間部11bに対しては、基端部11aとの連設箇所を固定点とする梁の自由端への曲げモーメントとして作用し、この中間部11bに弾性撓み変形を生じさせる。また、基端部11aに対しても、上記反力Fが中間部11bを介して自由端に作用し、この基端部11aにも弾性撓み変形を生じさせる力として作用する。さらに、反力Fの作用方向が基端部11aの中心線に交差せずに離れていることから、先端部11cと基端部11aとの各中心線間の距離L1に上記反力Fを乗じた捩じりモーメントM(=L1・F)が基端部11aの中心線回りに作用する。したがって、この基端部11aに捩じりの弾性変形をも生じさせる。
これに対し、図10Bには、上記のような中間部11bを設けることなく、基端部11a’の先端から直接的に下方に傾斜させた形状の従来のアークホーン11’を示している。この場合、アークジェットGJの反力Fは、その作用方向が基端部11a’の中心線に交わる形状であることから、基端部11a’に対して撓み変形を生じさせる曲げモーメントとして作用するだけである。
このように、本実施形態では、アークジェットGJの反力Fによって特に基端部11aに弾性的な捩じり変形をも伴うものになっており、これによって、絶縁部材13が取付けられている先端側の上方への変位量δを従来よりも大きくすることができる。また、線路側の上記アークホーン12でも、上記同様にアークジェットの反力による下方への弾性変位量が大きくなる。これに伴い、両アークホーン11・12の先端間に生じていたアークのアーク長が増加するので、アークの消滅がより速やかに生じ、したがって、これによっても続流遮断性能が向上する。
なお表6には、図10Aのように、接地側アークホーン11と線路側アークホーン12との双方に、長さが300mmの中間部11b・12bをそれぞれ設けて構成した装置(振り量300mm)と、このような中間部を設けていない図10Bに示した形状のアークホーンを設けて構成した装置(振り量0)とにおける比較実験結果の一例を示している。
表6に示されているように、試験電流を9kAにしたときに、振り量が0の場合には続流の遮断を行えないものとなったが、振り量300mmでは、この場合でも続流が遮断されている。したがって、アークジェット噴出時の弾性変形量がより大きくなるように上記したアークホーン形状を採用することによって、さらに高性能の続流遮断特性を具備する装置とすることが可能になっている。
なお、上記形態では、接地側と線路側との各アークホーン11・12の先端部11c・12cの振り角度θを互いに同一にした構成を示したが、これらの振り角度を相互に異ならせて構成することも可能である。
また上記形態では、接地側と線路側との各アークホーン11・12の双方にそれぞれ中間部11b・12bを設けた構成を示したが、この中間部を接地側と線路側とのアークホーン11・12の一方のみに設けて、片側のアークホーンのみ、アークジェット噴出時の弾性変形量が従来に比べて大きくなるような構成にしても良い。
さらに上記形態では、各アークホーン11・12の基端部11a・12a、中間部11b・12bをそれぞれ真直状に形成したものを示したが、例えば図11に示すようにさらに屈曲箇所を設けた形状としても良い。同図に示す例では、各基端部11a・12aが、上記接地側ホーン取付金具4・線路側ホーン取付金具6に略水平にそれぞれ固定された基部40・40の先端に、上下方向に傾斜する傾斜部41・41が連設された形状に形成されている。このような形状によって、上下の絶縁部材13・14の各先端面間の距離(外部放電ギャップ)が調整さている。一方、例えば基端部11a・12aと先端部11c・12cとを繋ぐ中間部11b・12bを全体にわたって湾曲させたような形状にして構成することも可能である。なお各アークホーン11・12の先端部11c・12cの振り角度θを大きくすれば、例えば30度以上にすれば、図10Bに示すように、中間部11b・12bを設けていないアークホーンであっても、充分な続流遮断特性が得られる。
ところで、このアークホーン装置では、絶縁部材14の先端側に雨水の侵入を抑えるためにキャップ30を使用するものであるが、このキャップ30には、アークジェットの噴出を許容する開口手段、上記の場合には貫通穴34と、弾性変形可能な区画片32aから成る可動体36とによって構成された開口手段が設けられている。これにより、アークジェットの噴出力や広がり状態が殆ど阻害されず、所望の続流遮断性能を得ることができる。またキャップ30がアークジェットによって脱落することもなく、したがって、通孔21aへの雨水の侵入が継続して防止されるので、雷撃が繰返されても、その都度、続流遮断性能が安定して発揮され、繰返して使用することができる。
また上記実施形態においては、前述したように、アークホーン11・12の各先端部を絶縁性筒体21の径大部領域21bに位置させた状態で、絶縁性筒体21が組付けられ、そして径大部領域21bよりも先端側は、テーパ状に形成されている。つまり、アークジェットが生じた時の圧力及び温度上昇は、アークホーン先端部が臨む通孔21aの基端領域で最も高く、破壊が生じる場合にはこの箇所から亀裂が発生している。そこで、この領域で充分な破壊強度を具備するように肉厚(外径)を設定することが必要である。一方、この領域よりも先端側の圧力は次第に低くなり、したがって、この領域では上記のような破壊強度を考慮した肉厚設定を行う必要はないことから、肉厚をより小さくした構成としているのである。これによって、より軽量化やコンパクト化が可能となり、また、製作費をより安価なものにすることが可能になっている。
また上記実施形態においては、アークホーン11・12の各先端側に絶縁性筒体21を設けるに当たり、アークホーン先端側外周に雄ねじ20aを形成して、これに絶縁性筒体21を螺着させた構成である。従来は、例えばアークホーンの先端金具を成形型内に配置したインサート成形によって塩化ビニール製の筒体が設けられている。このときの絶縁性筒体には加熱溶融後に冷却固化される熱履歴が加わることになる。これに対し、本実施形態ではこのような熱履歴が加わることなく、絶縁性筒体21がアークホーン先端側に組付けられる。したがって、ポリアミド樹脂、特にMCNの優れた特性が、上記した絶縁性筒体21と被覆層22との組付時と同様に、この組立工程でも損なわれることがなく、破壊強度の低下が抑えられて、より安定した続流遮断装置とすることが可能になっている。また、アークジェットが噴出する際には、通孔21a内に高圧力が発生することによって絶縁性筒体21がアークホーンから抜け落ちるおそれが生じるが、このような抜け落ちの発生も、上記のような螺着結合によって、より確実に防止することができる。
さらに上記形態においては、絶縁性筒体21の外周面を、軟質の塩化ビニールから成る被覆層22で被覆し、この被覆層22にひだ部22a〜22cが一体形成されている。このようなひだ部22a〜22cを設けることで、軸方向の沿面距離が長くなり、これによって、アークの電極点がアークホーン先端から絶縁部材(続流遮断装置)13・14を越えてアークホーンの基端側に移動するようなアーク移行が抑えられる。また、絶縁性筒体21が軟質材料の被覆層22で被覆されていることによって、仮に絶縁性筒体21が破壊したとしても、被覆層22にてこれの飛散落下が防止される。
次に、キャップ30の変形例を示す。まず第1変形例を示す図12のキャップ30においては、壁部32にスリット35…を設けることによって個々に弾性変形可能な区画片32a…を形成している点は上記と同じであるが、中央には上記貫通穴34に相当する穴は格別設けられてはおらず、中央に針穴程度の隙間が生じている構成である。
したがって、上記において貫通穴34を通して下方に侵入する雨水が殆ど生じないようにすることができるので、図示の場合には、壁部32と絶縁部材14の先端面との間の上記空間33や、円筒部31における上記水抜き穴37を設けることなく、壁部32に絶縁部材14の先端面を下側から当接させた状態で、このキャップ30が絶縁部材14に被着されている。
このような構成においても、動作時には各区画片32a…が上方に弾性変形してアークジェットの噴出状態が阻害されず、また、非動作時の雨水の侵入が防止される。
第2変形例を示す図13A、図13Bでは、絶縁部材14の先端面に、平面視で略矩形平板状の可動体36のみから成るキャップ30が取付けられている。この可動体36は、例えば上記同様に軟質塩化ビニールで作製され、充分な弾性変形能を有する厚さ寸法に設定されて、端部上方側(図において左端側)の位置で、絶縁用ボルト39により、絶縁部材14における被覆層22の環状被覆部22dに固定されている。
アークジェットが噴出する動作時には、図13Cに示すように、上記可動体36は、アークジェットGJの噴出力によって押動されて湾曲変形し、アークジェットGJの噴出経路から退避する。非動時には、弾性復元力により図13A、図13Bに示す位置に復帰し、通孔21aへの雨水の侵入が防止される。
第3変形例を示す図14A、14Bのキャップ30は、絶縁部材14の先端側外周を囲うように固着された枠体42を備え、この枠体42の上面に、略矩形平板状の可動体36が取付けられている。枠体42の中央には、絶縁部材14における上記環状被覆部22dよりもやや径小な貫通路42aが形成されている。
可動体36は、上方端部側(図において左端側)で、枠体42の上面に、枢軸部42bによってこの枢軸部42b回りに回動自在に取付けられ、上記貫通路42aを囲う囲壁42cの上端面に、上方から当接した閉蓋状態で保持されるようになっている。なお、可動体36における枢軸部42bよりも外側の側面36aは所定の傾斜角で形成されている。これによって、この側面36aと上面との間の角部36bが、後述するように、開蓋状態になったときの全開位置を規制する開位置規制点として機能するようになっている。
アークジェットが噴出する動作時には、図14Cに示すように、可動体36がアークジェットGJの噴出力によって押動され、枢軸部42b回りに図において左回りに回動して開状態になり、アークジェットGJの噴出経路から退避する。この可動体36が、図のように絶縁部材14の軸心方向にほぼ平行な位置まで回動すると、上記した角部36bが枠体42の上面に当接し、これによって、それ以上の回動動作が阻止されてこの退避位置で保持される。したがって、アークジェットGJの噴出が停止すると、可動体36は自重によって枢軸部42b回りに右回りに回動し、図14A、図14Bに示すように閉蓋状態に復帰して、以降は雨水の侵入が阻止される。
第4変形例に示す図15のキャップ30においては、上記図5A、図5B、図5Cを参照して説明した実施形態とほぼ同様に、円筒部31とこの円筒部31の上端を塞ぐ円形状の壁部32とを有するカップ状に形成され、壁部32の端面(先端面)中央に、断面円形状に上方に突出する突部45が設けられている。この突部45に、上下に貫通する貫通穴34が、アークジェットの噴出を許容する開閉手段として設けられている。
この場合、壁部32に降り注いだ雨水は、この壁部32の端面上を流下していく際、突部45の回りを流れることになって、突部45の上面に開口する貫通穴34に侵入することはない。したがって、貫通穴34に直接的に入射する雨水のみがキャップ30内に侵入するだけで、量的に充分小さなものに抑えられるので、上記通孔21a内への雨水の侵入が抑制され、所望の続流遮断性能を維持することができる。
第5変形例に示す図16のキャップ30は、壁部32の中央に設けられた突部45に貫通穴34を形成した構成は図15のキャップ30と同様であるが、この場合、キャップ30の壁部32と絶縁部材14の先端面との間に、上記図5A、図5B、図5Cを参照して説明した実施形態と同様に空間を設けてこのキャップ30を絶縁部材14に取付けている。また、キャップ30の円筒部31の周壁に上記同様の水抜き穴37が形成されている。さらに、絶縁部材14の先端面には、その中央部に上方に突出する突出部46が形成され、この突出部46の上端面に上記通孔21aを開口させた構成になっている。つまり、この突出部46の先端開口部(上方開口部)が通孔21aのアークジェット噴出口となる。
このような構成によれば、貫通穴34に直接的に入射してキャップ30内に侵入した雨水は、絶縁部材14の先端面に沿って流下し、水抜き穴37を通して外部に排出される。特に、この絶縁部材14の先端面上を流れる雨水に対しても、通孔21aを突出部46の上面に開口させた構成とすることで、この雨水が通孔21a内に侵入することがさらに確実に抑えられるものになっている。
第6変形例に示す図17のキャップ30は、図16に示した構成に加え、さらに、貫通穴34の上端開口を開閉する開閉蓋47を設けて形成されている。この開閉蓋47は、上記図13を参照して説明した実施形態とほぼ同様に、貫通穴34を塞ぐ雨水侵入防止位置から、アークジェットの噴出力により上方に押動されて弾性的に湾曲変形し、アークジェットの噴出経路から退避した位置に移動可能に形成されている。上記のような開閉蓋47を設けることで、さらに雨水の侵入が確実に防止される。
第7変形例に示す図18のキャップ30は、キャップ30の壁部32を除く構成は上記図16に示した実施形態と同様であり、この場合の壁部32は、上記図12を参照して説明した実施形態と同様に、スリット35…を設けることによって、個々に弾性変形可能な区画片32a…が周方向に隣接した形状に形成されて、非動作時の雨水の侵入が防止されるように構成されている。
図19A、図19Bに示す第8変形例のキャップ30は、例えば耐張碍子装置に付設されるアークホーン装置を前提とした実施形態の構成を示している。この場合、アークホーン装置の先端側は略水平な配設状態となる。そこでこの実施形態では、図19Aに示すように、絶縁部材14の先端部に、この先端部の前方空間の上方のみを覆う傘形状のキャップ30を設けて構成されている。なお図示例では、このキャップ30は、絶縁部材14における上記環状被覆部22dの上部外周縁を前方へ延出させて、この環状被覆部22dに一体形成されているが、別体で上記のようなキャップ30を形成してこれを取付けた構成にすることも可能である。
上記キャップ30は球面に沿う半球状に形成され、雨水Rはこの球面に沿って流下する。したがって、絶縁部材14の先端部中央に向かう雨水は生じず、通孔21a内への侵入が防止される。また、このキャップ30は、図19Bに示すように、下縁中央側を上方に湾曲させた形状として、通孔21aの延長線上の位置から上方に退避した領域に設けられている。したがって本実施形態においては、通孔21aの延長線上の位置を含めてその下側全体をも開放した構成により、通孔21aからのアークジェットの噴出を許容する開口手段が形成されている。このような構成によっても、上記各実施形態と同様に、雷撃時毎の続流遮断性能が繰返し維持される。
以上にこの発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記形態では、図19Aと図19B以外は、懸垂碍子装置に付設されたアークホーン装置を例に挙げたが、耐張碍子装置に付設されるアークホーン装置にも図19Aと図19B以外の発明を適用して構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、この発明の実施形態のアークホーン装置の縦断面図である。
図2は、碍子装置に付設されたアークホーン装置を示す正面図である。
図3は、碍子装置に付設されたアークホーン装置の斜視図である。
図4は、上記碍子装置に付設されたアークホーン装置の側面図である。
図5Aは、上記アークホーン装置の先端に取付けられたキャップの縦断面図である。
図5Bは、上記アークホーン装置の先端に取付けられたキャップの斜視図である。
図5Cは、図5AのW1−W1線矢視断面図である。
図6Aは、続流遮断実験結果を示すもので、アークホーン装置の先端側の通孔の内径と試験電流値とを種々変えたときの遮断の可否を示すグラフである。
図6Bは、図6Aに示す結果を、横軸を通孔の内径/長さの比に変えて書き換えたグラフである。
図7Aは、絶縁性筒体が同軸上に位置するように取付けた状態の簡略図である。
図7Bは、絶縁性筒体が平行に位置するように取付けた状態の簡略図である。
図7Cは、絶縁性筒体の中心線が所定角度を成すように取付けた状態の簡略図である。
図8Aは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が350mmのときに振り角度を20度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図8Bは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が350mmのときに振り角度を25度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図8Cは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が350mmのときに振り角度を30度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図8Dは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が350mmのときに振り角度を40度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図9Aは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が500mmのときに振り角度を20度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図9Bは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が500mmのときに振り角度を25度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図9Cは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が500mmのときに振り角度を30度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図9Dは、接地側と線路側との各絶縁性筒体先端間の距離が500mmのときに振り角度を40度とした場合のアークジェットの噴出状態説明図である。
図10Aは、本実施形態における接地側アークホーンの斜視図である。
図10Bは、従来のアークホーンの斜視図である。
図11は、他の実施形態における碍子装置に付設されたアークホーン装置を示す斜視図である。
図12は、絶縁部材の先端側を覆うキャップの第1変形例を示す斜視図である。
図13Aは、キャップの第2変形例を示す側面図である。
図13Bは、図13AのW2−W2線矢視図である。
図13Cは、第2変形例のキャップにおけるアークジェット噴出時の動作状態を示す側面図である。
図14Aは、絶縁部材の先端側を覆うキャップの第3変形例を示す一部断面側面図である。
図14Bは、図14AのW3−W3線矢視図である。
図14Cは、第3変形例のキャップにおけるアークジェット噴出時の動作状態を示す側面図である。
図15は、キャップの第4変形例を示す斜視図である。
図16は、キャップの第5変形例を示す斜視図である。
図17は、キャップの第6変形例を示す斜視図である。
図18は、キャップの第7変形例を示す斜視図である。
図19Aは、キャップの第8変形例を示す側面図である。
図19Bは、図19AのW4−W4線矢視図である。
図20は、従来のアークホーン装置が付設された懸垂碍子装置を示す正面図である。
図21は、従来のアークホーン装置の縦断面図である。
Claims (24)
- アークホーン(11)(12)の先端側を囲繞する絶縁性筒体(21)を設け、この絶縁性筒体(21)に、アークホーン(11)(12)の先端部から絶縁性筒体(21)の先端面に通ずる通孔(21a)を形成し、雷撃に伴う閃絡時に通孔(21a)からアークジェットが噴出するようにしたアークホーン装置であって、
上記絶縁性筒体(21)をポリアミド樹脂で形成していることを特徴とするアークホーン装置。 - 上記絶縁性筒体(21)をモノマーキャストナイロンで形成していることを特徴とする請求の範囲第1項のアークホーン装置。
- 上記通孔(21a)の穴径をd(mm)、遮断しようとする最大事故電流をIr(A)とするとき、
d≧Ir/2500+2
であることを特徴とする請求の範囲第1または第2項記載のアークホーン装置。 - 上記通孔(21a)の穴径をd、長さをL、遮断しようとする最大事故電流をIr(A)とするとき、
d/L≦(9×10−6)・Ir+0.07
であることを特徴とする請求の範囲第項1、2または3項記載のアークホーン装置。 - d/L≦0.07であることを特徴とする請求の範囲第4項記載のアークホーン装置。
- 絶縁性筒体(21)の先端側に基端側よりも外径が径小な領域を設けてこの絶縁性筒体(21)を形成すると共に、アークホーン先端部を絶縁性筒体(21)における基端側の径大部領域(21b)に位置させて、絶縁性筒体(21)をアークホーン(11)(12)に取付けていることを特徴とする請求の範囲第1〜5項のいずれか1項に記載のアークホーン装置。
- アークホーン(11)(12)の先端側外周に雄ねじ(20a)を形成し、絶縁性筒体(21)における通孔(21a)よりも基端側をこの雄ねじ(20a)に螺着させて、絶縁性筒体(21)をアークホーン(11)(12)に取付けていることを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか1項に記載のアークホーン装置。
- 絶縁性筒体(21)の外周面を被覆層(22)で被覆すると共に、この被覆層(22)に、径方向外方に略円盤状に拡がるひだ部(22a〜22c)を一体形成していることを特徴とする請求の範囲第1〜7項のいずれか1項に記載のアークホーン装置。
- 上記被覆層(22)は上記絶縁性筒体(21)よりも軟質の絶縁性材料からなることを特徴とする請求の範囲第8項記載のアークホーン装置。
- 上記ひだ部(22a〜22c)を絶縁性筒体(21)の軸心方向に沿って複数設けると共に、最先端のひだ部(22a)に対して基端側のひだ部(22b)(22c)の径を小さくしていることを特徴とする請求の範囲第8または9項記載のアークホーン装置。
- 碍子装置(1)の両側に相対向するように取付けられる接地側アークホーン(11)と線路側アークホーン(12)とを備えるアークホーン装置であって、
接地側アークホーン(11)と線路側アークホーン(12)との各先端側にそれぞれ絶縁部材(13)(14)を設け、これら絶縁部材(13)(14)にアークホーン(11)(12)の先端から絶縁部材(13)(14)の先端面に通ずる通孔(21a)を各々形成して、雷撃時に両アークホーン(11)(12)の先端間にアークが発生したときに各通孔(21a)からアークジェットがそれぞれ噴出するように形成していることを特徴とするアークホーン装置。 - 上記各通孔(21a)(21a)の中心線が鈍角を成すように各絶縁部材(13)(14)を設けて、各通孔(21a)(21a)を通して噴出するアークジェットが互いに交差するように形成していることを特徴とする請求の範囲第11項記載のアークホーン装置。
- 各通孔(21a)(21a)の中心線間の開き角度が130度以下であることを特徴とする請求の範囲第12項記載のアークホーン装置。
- 各通孔(21a)(21a)の中心線間の開き角度が100度以上であることを特徴とする請求の範囲第13項記載のアークホーン装置。
- 棒状の上記接地側アークホーン(11)および線路側アークホーン(12)の少なくとも一方を、碍子装置(1)に一端側が固定される基端部(11a)(12a)と、中間部(11b)(12b)と、絶縁部材(13)(14)が通孔(21a)を同軸上に位置させて取付けられる先端部(11c)(12c)とが順次連なる形状に形成すると共に、
基端部(11a)(12a)と中間部(11b)(12b)との連設箇所、及び中間部(11b)(12b)と先端部(11c)(12c)との連設箇所を、上記通孔(21a)の中心線と基端部(11a)(12a)の中心線とが互いに同一平面上に位置しないように各々屈曲させていることを特徴とする請求の範囲第11〜14項のいずれか1項に記載のアークホーン装置。 - 上記基端部(11a)(12a)と中間部(11b)(12b)とがほぼL字状に連なるようにこれら基端部(11a)(12a)と中間部(11b)(12b)との連設箇所を屈曲させると共に、中間部(11b)(12b)と先端部(11c)(12c)との連設箇所で、上記基端部(11a)(12a)と中間部(11b)(12b)との連設箇所での屈曲方向とは異なる方向に屈曲させて、これら中間部(11b)(12b)と先端部(11c)(12c)とが略Vの字状に連なる形状に形成していることを特徴とする請求の範囲第15項記載のアークホーン装置。
- アークホーン(12)の先端側を囲繞する絶縁部材(14)を設け、この絶縁部材(14)に、アークホーン(12)の先端部から絶縁部材(14)の先端面に通ずる通孔(21a)を形成したアークホーン装置であって、
上記通孔(21a)への雨水の侵入を抑えるべく絶縁部材(14)の先端側を覆うキャップ(30)を設け、このキャップ(30)には、雷撃による閃絡時に通孔(21a)から先端側に噴出するアークジェットの噴出経路に交差する壁部(32)に、この壁部(32)を通してアークジェットの噴出を許容する開口手段を設けていることを特徴とするアークホーン装置。 - 上記キャップ(30)の壁部(32)に、アークジェットの噴出力により押動されてアークジェットの噴出経路上から退避する退避位置と、噴出経路上に位置して雨水の侵入を防止する雨水侵入防止位置との間で変位可能な可動体(36)を設けて、上記開口手段を形成していることを特徴とする請求の範囲第17項記載のアークホーン装置。
- 上記可動体(36)を、一端側がキャップ(30)の周縁側に連設されると共に他端側がアークジェットの噴出力により噴出方向に沿って弾性変形する弾性体で形成していることを特徴とする請求の範囲第18項記載のアークホーン装置。
- 上記キャップ(30)の壁部(32)を、複数のスリット(35)によって区画された区画片(32a)が隣接するように形成し、これら区画片(32a)を上記可動体(36)として形成していることを特徴とする請求の範囲第18または19項記載のアークホーン装置。
- 上記キャップ(30)の壁部(32)におけるアークジェットの噴出経路上の領域に貫通穴(34)を設けて、上記開口手段を形成していることを特徴とする請求の範囲第17項記載のアークホーン装置。
- 上記キャップ(30)の壁部(32)に先端側に突出する突部(45)を設け、この突部(45)に上記貫通穴(34)を形成していることを特徴とする請求の範囲第21項のアークホーン装置。
- 上記キャップ(30)の壁部(32)と絶縁部材(14)の先端面との間に空間(33)を設け、この空間(33)を囲うキャップ周壁に、水抜き穴(37)を形成していることを特徴とする請求の範囲第17〜22項のいずれかの1項のアークホーン装置。
- 絶縁部材(14)の先端面に前方に突出する突出部(46)を設け、この突出部(46)の先端開口部を上記通孔(21a)のアークジェット噴出口としたことを特徴とする請求の範囲第23項記載のアークホーン装置。
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