JPWO2002069878A1 - 呼吸機能の測定システムおよびその応用 - Google Patents

呼吸機能の測定システムおよびその応用 Download PDF

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Abstract

測定システム(10)は、胸式呼吸測定ユニット(100a)と腹式呼吸測定ユニット(100b)とにより呼吸波形を測定する。それぞれの測定ユニット(100)は、測定部位の体積変化を感知するための感知部(110)と、感知部(110)を測定部位に配置させるための固定部(120)とを含む。感知部(110)は、測定部位の体積変化を、固定部(120)および測定部位から与えられる圧力の変化から感知する。制御ユニット(200)は、測定を制御し、測定ユニット(100)からの出力を取得する。以上の構成から、胸式呼吸と腹式呼吸の呼吸波形を独立に取得することができる。取得された呼吸波形は、解析ユニット(300)にて解析され、呼吸機能データベース(350)に照会される。これにより、被験者の呼吸機能に関する医学的所見が得られる。

Description

技術分野
本発明は呼吸機能を測定する技術および測定結果を解析する技術に関する。本発明はとくに、被験者の呼吸機能を測定する測定システム、測定装置、測定方法、その測定結果を解析する解析装置、解析サーバ、解析プログラム、およびその測定システムを利用可能なリハビリテーション補助装置、リハビリテーション補助方法に関する。本発明の測定システムは、たとえば睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome、SAS)、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis、ALS)、気道閉塞、喘息などの呼吸器疾患の診断にも有効である。
背景技術
呼吸器に疾患を持つ患者の診断を行うには、患者の呼吸機能を正しく把握することが不可欠である。従来から、呼吸機能を検査する装置として、スパイロメータが広く用いられている。スパイロメータにより、患者の肺活量(Vital Capacity、以下VCと表記する)、予備呼気量(Expiratory Reserve Volume、以下ERVと表記する)、予備吸気量(Inspiratory Reserve Volume、以下IRVと表記する)、最大吸気量(Inspiratory Capacity、以下ICと表記する)、1回呼気量(Tidal Volume、以下TVと表記する)、機能的残気量(Functional Residual Capacity、以下FRCと表記する)、残気量(Residual Volume、以下RVと表記する)、全肺気量(Total Lung Capacity、以下TLCと表記する)などの肺気量分画や、努力性呼出曲線、努力性肺活量(Forced Expiratory Capacity、以下FVCと表記する)、1秒量(Forced Expiratory Volume、以下FEV1.0と表記する)、フローボリューム曲線、最大呼気流速度(Peak Expiratory Flow Rate、以下PEFRと表記する)などを測定し、患者の呼吸機能に関する所見を得ていた。
しかしながら、スパイロメータは、呼吸時の気量または気速を測定するため、胸式呼吸と腹式呼吸のデータを独立に測定することはできない。胸式呼吸と腹式呼吸の優位性についての所見を得るために、レスピソムノグラムが用いられることもある。しかしながら、レスピソムノグラムは、2本の測定用ベルトの巻きつけ方などの測定条件にデータが大きく左右され、再現性に乏しく、同じ被験者に対して測定を行っても、測定のたびに全く異なる値が測定される場合が多い。そのため、胸式呼吸と腹式呼吸の優位性について定性的な所見を得ることはできても、測定データを定量的に評価して有用な所見を得ることはできなかった。
発明の開示
したがって、本発明の目的は、複数の測定部位における信頼性の高い呼吸波形データを測定可能な技術を提供することにある。本発明の別の目的は、上記の測定技術を利用して呼吸機能のリハビリテーションを効果的に実施する技術を提供することにある。本発明のさらに別の目的は、上記の測定技術により測定したデータを適切に解析する技術を提供することにある。
本発明のある態様は、測定システムに関する。この測定システムは、呼吸機能を測定する測定システムであって、呼吸動作に伴う被験者の第1の測定部位の体積変化を検知するための第1の測定ユニットと、呼吸動作に伴う被験者の第2の測定部位の体積変化を検知するための第2の測定ユニットと、第1の測定ユニットおよび第2の測定ユニットからの出力を取得する制御ユニットと、制御ユニットが取得した出力を解析する解析ユニットとを含み、第1の測定ユニットおよび第2の測定ユニットは、測定部位の体積変化を感知するための感知部と、感知部を測定部位に配置させるための固定部とをそれぞれ含み、固定部は、感知部を測定部位に押さえつけるように固定可能である。
測定部位の体積変化を測定することにより、被験者の呼気量および吸気量を測定することができる。また、第1の測定部位と第2の測定部位の呼吸時の体積変化を独立に測定することができるので、たとえば、胸式呼吸と腹式呼吸の状態をそれぞれ定量的に取得することができる。これにより、従来は不可能であった胸式呼吸と腹式呼吸に関する定量的な評価が可能になる。これによる利点は、腹部寄与率などの指標が再現性よく算出できることにとどまらず、胸と腹の呼吸波形の差異などから重要な所見が得られる可能性もあり、医学的に非常に大きな意義を有している。
第1の測定部位は胸郭付近であり、第1の測定ユニットは胸式呼吸による胸郭付近の体積変化を検知し、第2の測定部位は横隔膜付近であり、第2の測定ユニットは腹式呼吸による横隔膜付近の体積変化を検知してもよい。
感知部は、測定部位の体積変化を、固定部および測定部位から与えられる圧力の変化から感知してもよい。感知部は、固定部により測定部位に押さえつけるように固定されているから、測定部位の体積が増加すると、測定部位と固定部により圧迫される。したがって、感知部に与えられる圧力の変化から測定部位の体積変化を読み取ることができる。
感知部は袋状の形状を有し、固定部は帯状の形状を有し、固定部を被験者の胴体の周囲に巻き付けるようにして、感知部を測定部位に押さえつけてもよい。固定部に感知部を収納する収納部を設けておき、感知部を収納部に収納した状態で被験者の胴体の周囲に巻き付けてもよい。
感知部は内部に空洞を有し、測定システムは、空洞内の気圧を測定するための圧力センサをさらに含み、空洞内の気圧の変化から測定部位の体積変化を感知してもよい。空洞内に気体を送り込むためのポンプをさらに含んでもよい。測定システムは、呼吸機能の測定前に、空洞内に気体を送り込んで所定の初期圧力に調整するための初期圧力調整部をさらに含んでもよい。呼出時の測定部位の体積変化を正しく測定するためには、最大呼気時にも感知部にある程度の圧力が印加されている状態にしておくのが好ましい。そのため、呼吸機能の測定前に、感知部の内部に所定の初期圧力になるよう気体を送り込んでおく。
初期圧力調整部は、体積変化と空洞内の気圧の変化との比が略一定となる範囲内に初期圧力を調整してもよい。初期圧力調整部は、体積変化と空洞内の気圧の変化との比が線形に推移する範囲内に初期圧力を調整してもよい。これにより、気圧変化量を体積変化量に換算するときの換算誤差が抑えられる。
初期圧力調整部は、被験者の複数回の測定について、初期圧力を略一定に調整してもよい。初期圧力調整部は、複数の被験者の測定について、初期圧力を略一定に調整してもよい。これにより、測定時の条件を一定に保つことができるので、測定誤差が抑えられ、再現性のよい測定データを得ることができる。
測定システムは、測定すべきデータの種類に応じて、適切な呼吸動作を被験者に対して指示する指示部をさらに含んでもよい。被験者の呼吸波形をモニタしつつタイミングを図って、被験者に指示を出してもよい。これにより、医師や助手などの補助がなくても適切に測定を行うことができるので、たとえば、被験者自身が自宅で測定を実施することもできるし、離島や過疎地域などの無医村であっても適切に測定を実施することができる。
測定システムは、測定条件に関する情報の入力を受け付ける条件入力部をさらに含んでもよい。測定システムは、測定条件に基づいて、初期圧力調整部または指示部を制御する測定制御部をさらに含んでもよい。
測定制御部は、測定条件に基づいて初期圧力調整部が調整する初期圧力を決定してもよい。たとえば、男性と女性とで初期圧力を変えてもよいし、健常者と呼吸疾患を有する患者とで初期圧力を変えてもよい。被験者の胸囲、胴囲、肥満度などに応じて初期圧力を変えてもよいし、被験者の呼吸機能に応じて初期圧力を変えてもよい。
測定制御部は、測定条件に基づいて指示部が指示する内容を決定してもよい。たとえば、被験者の既往症に応じて指示内容を変えてもよい。
測定システムは、第1の測定ユニットが検知した胸郭付近の体積変化と、第2の測定ユニットが検知した横隔膜付近の体積変化とから、被験者の呼吸状態を示す呼吸波形データを生成するための波形生成部をさらに含んでもよい。波形生成部は、胸郭付近の体積変化と、横隔膜付近の体積変化とを、所定比により重み付けして呼吸波形データを生成してもよい。腹部寄与率、被験者の性別などの個人情報、被験者の既往歴などに応じて重み付けする比を決定してもよい。
測定システムは、胸郭付近の体積変化、横隔膜付近の体積変化、および呼吸波形データのうち少なくとも1つに基づいて、肺気量分画、努力性呼出曲線、努力性肺活量、1秒量、1秒率、最大中間呼気流量、最大換気量、フローボリューム曲線、最大呼気流速度、および腹部寄与率のうち少なくとも1つの呼吸機能指標を算出するための算出部をさらに含んでもよい。算出部は、胸郭付近の体積変化、横隔膜付近の体積変化、および呼吸波形データのうち少なくとも1つを呼吸時の気量に換算して呼吸機能指標を算出してもよい。
測定システムは、胸郭付近の体積変化、横隔膜付近の体積変化、および呼吸波形データのうち少なくとも1つの波形形状の特徴を抽出する波形特性抽出部をさらに含んでもよい。それぞれの波形の微分関数、2次導関数、3次導関数などの特徴を抽出してもよい。それぞれの波形を比較して特徴を抽出してもよい。
測定システムは、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する気道状況判断部をさらに含んでもよい。気道状況判断部は、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに空洞内の気圧が増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断してもよい。気道に狭窄の無い健常者の場合は、呼出に伴って空洞内の気圧が減少する波形が測定されるが、気道が狭窄している患者の場合は、呼出時の狭窄部分における気流の制限、または、呼出時の呼吸筋の異常な動作などの要因により、空洞内の気圧、すなわち胸部データまたは腹部データが増加する現象が本発明者により確認されている。このような現象は、気道狭窄の症状を有する喘息患者などに特徴的であるから、測定結果を気道狭窄の診断に利用できる。気道状況判断部は、空洞内の気圧の増加状況に基づいて、気道の狭窄または閉塞の程度を判断してもよい。
測定システムは、呼吸波形データの波形形状の特徴、胸郭付近の体積変化の波形形状の特徴、横隔膜付近の体積変化の波形形状の特徴、胸郭付近の体積変化と横隔膜付近の体積変化との間の波形形状の差異、呼吸機能指標、および被験者の個人データのうち少なくとも1つと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースをさらに含んでもよい。
測定システムは、データベースを参照して被験者に対する医学的所見を取得するデータベース照会部をさらに含んでもよい。測定システムは、医学的所見を表示する表示部をさらに含んでもよい。
本発明の別の態様は測定装置に関する。この測定装置は、呼吸機能を測定するための測定装置であって、呼吸動作に伴う被験者の測定部位の体積変化を感知するための感知部と、感知部を測定部位付近に配置するための固定部と、を有し、固定部は帯状の形状を有し、感知部を測定部位に対して押さえつけるように固定することが可能であり、感知部は、測定部位の体積変化を、固定部および測定部位から与えられる圧力の変化から感知する。
本発明のさらに別の態様も測定装置に関する。この測定装置は、呼吸機能を測定するための測定装置であって、呼吸動作に伴う被験者の胸郭付近の体積変化を検知するための第1の測定ユニットと、呼吸動作に伴う被験者の横隔膜付近の体積変化を検知するための第2の測定ユニットとを備え、第1の測定ユニットおよび第2の測定ユニットは、測定部位の体積変化を感知するための感知部と、感知部を測定部位付近に配置するための固定部とをそれぞれ有し、固定部は帯状の形状を有し、感知部を測定部位に対して押さえつけるように固定することが可能であり、感知部は、測定部位の体積変化を、固定部および測定部位から与えられる圧力の変化から感知する。
感知部は、内部に空洞を有し、空洞内の気圧を測定するための圧力センサへ空洞内の気体を送るための第1の接続部を含んでもよい。感知部は、空洞内に気体を送り込むためのポンプに接続するための第2の接続部をさらに含んでもよい。第1の接続部および第2の接続部は、ゴムや樹脂などにより形成されたチューブなどであってもよい。
測定装置は、圧力センサおよびポンプを含む制御ユニットをさらに備えてもよい。制御ユニットは、圧力センサが測定した空洞内の気圧を記録する記録部をさらに含んでもよい。記録部は、外部記録媒体に、空洞内の気圧または気圧を体積もしくは呼吸の気量に換算したデータを記録してもよい。記録部は、制御ユニット内に設けられたメモリに空洞内の気圧を記録してもよい。
制御ユニットは、圧力センサが測定した空洞内の気圧を、呼吸機能を解析するための解析装置へ転送する転送部をさらに含んでもよい。転送部は、インターネット、携帯電話網、赤外線など、有線または無線の任意の通信手段を用いてデータを転送してもよい。
制御ユニットは、呼吸機能の測定前に、空洞内に気体を送り込んで所定の初期圧力に調整するための初期圧力調整部をさらに含んでもよい。初期圧力調整部は、体積変化と空洞内の気圧の変化との比が略一定となる範囲内に初期圧力を調整してもよい。初期圧力調整部は、体積変化と空洞内の気圧の変化との比が線形に推移する範囲内に初期圧力を調整してもよい。初期圧力調整部は、被験者の複数回の測定について、初期圧力を略一定に調整してもよい。初期圧力調整部は、複数の被験者の測定について、初期圧力を略一定に調整してもよい。
本発明のさらに別の態様は、解析装置に関する。この解析装置は、被験者の呼吸機能を解析する解析装置であって、被験者の呼吸機能測定データを取得する測定データ取得部と、肺気量分画、努力性呼出曲線、努力性肺活量、1秒量、1秒率、最大中間呼気流量、最大換気量、フローボリューム曲線、最大呼気流速度、および腹部寄与率のうち少なくとも1つの呼吸機能指標を算出する算出部とを備える。
呼吸機能測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化の測定により得られた腹部データとを含み、解析装置は、胸部データおよび腹部データから、被験者の呼吸状態を示す呼吸波形データを生成する波形生成部をさらに備えてもよい。波形生成部は、胸郭付近の胸部データと、腹部データとを、所定比により重み付けして呼吸波形データを生成してもよい。測定データ取得部は、胸部データと腹部データから生成された呼吸波形データを取得してもよい。
解析装置は、胸郭付近の体積変化、横隔膜付近の体積変化、および呼吸波形データのうち少なくとも1つの波形形状の特徴を抽出する波形特性抽出部をさらに含んでもよい。解析装置は、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する気道状況判断部をさらに含んでもよい。気道状況判断部は、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに被験者の胸部データまたは腹部データが増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断してもよい。気道状況判断部は、胸部データまたは腹部データの増加状況に基づいて、気道の狭窄または閉塞の程度を判断してもよい。解析装置は、呼吸波形データの波形形状の特徴、胸郭付近の体積変化の波形形状の特徴、横隔膜付近の体積変化の波形形状の特徴、胸郭付近の体積変化と横隔膜付近の体積変化との間の波形形状の差異、呼吸機能指標、および被験者の個人データのうち少なくとも1つと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースを参照して医学的所見を取得するデータベース照会部をさらに含んでもよい。
本発明のさらに別の態様は、コンピュータプログラムに関する。このプログラムは、被験者の呼吸機能測定データを取得する機能と、肺気量分画、努力性呼出曲線、努力性肺活量、1秒量、1秒率、最大中間呼気流量、最大換気量、フローボリューム曲線、最大呼気流速度、および腹部寄与率のうち少なくとも1つの呼吸機能指標を算出する機能とをコンピュータに実現させる。
呼吸機能測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化の測定により得られた腹部データとを含み、プログラムは、胸部データおよび腹部データから、被験者の呼吸状態を示す呼吸波形データを生成する機能をさらにコンピュータに実現させてもよい。呼吸波形データは、胸郭付近の胸部データと、腹部データとを、所定比により重み付けして生成されてもよい。
プログラムは、胸郭付近の体積変化、横隔膜付近の体積変化、および呼吸波形データのうち少なくとも1つの波形形状の特徴を抽出する機能をさらにコンピュータに実現させてもよい。プログラムは、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する機能をさらにコンピュータに実現させてもよい。プログラムは、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに被験者の胸部データまたは腹部データが増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断してもよい。プログラムは、胸部データまたは腹部データの増加状況に基づいて、気道の狭窄または閉塞の程度を判断してもよい。プログラムは、呼吸波形データの波形形状の特徴、胸郭付近の体積変化の波形形状の特徴、横隔膜付近の体積変化の波形形状の特徴、胸郭付近の体積変化と横隔膜付近の体積変化との間の波形形状の差異、呼吸機能指標、および被験者の個人データのうち少なくとも1つと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースを参照して医学的所見を取得する機能をさらにコンピュータに実現させてもよい。
本発明のさらに別の態様は、解析サーバに関する。この解析サーバは、被験者の呼吸機能を解析するための解析サーバであって、呼吸機能測定データと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースと、ネットワークを介したデータベースの参照要求を受け付ける受付部と、被験者の呼吸機能測定データを取得する測定データ取得部と、呼吸機能測定データに基づいてデータベースを参照し、医学的所見を取得するデータベース照会部と、ネットワークを介して医学的所見を送信する送信部とを備える。
この解析サーバは、上記の測定装置により測定されたデータから医学的所見を導くためのデータベースを提供する。たとえば、病院、診療所、リハビリテーション施設などの端末から解析サーバへアクセスして、被験者の呼吸機能測定データを送信し、医学的所見を取得することができる。データベースを各端末におかず、解析サーバにおいて一元管理し、そのデータベースを利用するユーザへ課金するというビジネスモデルも成立する。
呼吸機能測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化を測定により得られた腹部データとを含んでもよい。呼吸機能測定データは、胸部データと腹部データとを用いて生成された呼吸波形データであってもよい。呼吸波形データは、胸部データと腹部データとを所定比により重み付けして生成されてもよい。
本発明のさらに別の態様は、リハビリテーション補助装置に関する。このリハビリテーション補助装置は、呼吸機能のリハビリテーションを補助するリハビリテーション補助装置であって、被験者の胴体を圧迫するための加圧部と、加圧部を被験者の胴体に配置させるための固定部とを含む加圧ユニットを備え、固定部は帯状の形状を有し、感知部を胴体に対して押さえつけるように固定することが可能であり、加圧部は袋状の形状を有し、その内部に気体を導入して加圧部の体積を増加させることにより胴体を圧迫する。
加圧部は、被験者の排痰部位を圧迫するように固定されてもよい。加圧ユニットは、複数の加圧部を有し、リハビリテーション補助装置は、加圧部が排痰部位をスクイーズするように、加圧部の内部の気体の量を制御する制御ユニットをさらに備えてもよい。これは、一般にスクイージングと呼ばれる手法を実施するものである。リハビリテーションとしては、この他にも、加圧負荷下における呼吸、歩行などの運動など、任意のリハビリテーションが実施されてもよい。
リハビリテーション補助装置は、加圧ユニットを複数備え、少なくとも被験者の胸郭付近および横隔膜付近に加圧ユニットを配してもよい。リハビリテーション補助装置は、加圧部の内部の気圧を測定する圧力センサをさらに備え、圧力センサが測定した気圧の変化から胸郭または横隔膜付近の体積変化を感知し、被験者の呼吸状態を測定してもよい。これにより、上記の測定装置と同様に胸式呼吸と腹式呼吸との状態を独立に測定することができる。また、リハビリテーション実施後に、加圧ユニットをはずすことなく続いて呼吸機能の測定を実施することができる。このように、本リハビリテーション補助装置は、リハビリテーション実施時の排痰部位などの加圧と、呼吸機能測定の両方の機能を有している。
本発明のさらに別の態様は、測定方法に関する。この方法は、呼吸機能を測定する方法であって、呼吸動作に伴う被験者の第1の測定部位の体積変化を検知するための第1の感知部と、第1の感知部を第1の測定部位に配置させるための第1の固定部とを有する第1の測定ユニットを、第1の固定部が第1の感知部を第1の固定部と第1の測定部位との間に挟み込むように固定するステップと、呼吸動作に伴う被験者の第2の測定部位の体積変化を検知するための第2の感知部と、第2の感知部を第2の測定部位に配置させるための第2の固定部とを有する第2の測定ユニットを、第2の固定部が第2の感知部を第2の固定部と第2の測定部位との間に挟み込むように固定するステップと、第1の感知部が感知した第1の測定部位の体積変化と、第2の感知部が感知した第2の測定部位の体積変化とを同時に測定するステップとを含む。
第1の測定部位は胸郭付近であり、第2の測定部位は横隔膜付近であってもよい。第1の固定部および第2の固定部は帯状の形状を有し、第1の感知部および第2の感知部は袋状の形状を有し、固定するステップは、第1の固定部および第2の固定部を被験者の胴体の周囲に巻き付けるように固定し、測定するステップは、第1の感知部および第2の感知部の内部の気圧を検知することにより、体積変化を測定してもよい。
この方法は、固定するステップと測定するステップの間に、感知部の内部に気体を導入して所定の初期圧力に調整するステップをさらに含み、測定するステップは、調整するステップにおいて感知部の内部に導入された気体の量を保持したまま測定してもよい。各感知部には、内部に導入された気体が外部へ抜けてしまわないように弁などが設けられていてもよい。これにより、測定中に条件が変わってしまうのを防ぐことができる。
本発明のさらに別の態様は、リハビリテーション補助方法に関する。この方法は、呼吸機能のリハビリテーションを補助する方法であって、被験者の胴体を圧迫するための加圧部と、加圧部を胴体に配置させるための固定部とを備えた加圧ユニットを被験者に装着するステップと、加圧部により被験者の胴体を圧迫するステップと、被験者に圧迫下において呼吸動作を行わせるリハビリテーションステップと、リハビリテーションステップ中、加圧部に与えられる圧力を検知することにより、被験者の呼吸状態を測定する第1の測定ステップとを含む。
固定部は帯状の形状を有し、加圧部は袋状の形状を有し、装着するステップは、加圧部を固定部と被験者の胴体との間に挟み込むように固定し、圧迫するステップは、加圧部の内部に気体を導入して加圧部の体積を増加させることにより胴体を圧迫してもよい。
装着するステップは、加圧部が被験者の排痰部位を圧迫するように加圧ユニットを装着し、圧迫するステップは、加圧部の内部の気圧を調整して排痰部位をスクイーズしてもよい。
この方法は、リハビリテーションステップにつづいて、加圧部の内部の気圧を所定の圧力に調整するステップと、加圧部の内部の気圧を検知することにより、リハビリテーション実施後の被験者の呼吸状態を測定する第2の測定ステップとをさらに含んでもよい。
この方法は、第1の測定ステップにより測定された被験者の呼吸状態に基づいて、リハビリテーションステップにおける胴体に対する圧迫の適切な加圧値を評価するステップをさらに含んでもよい。これにより、リハビリテーション実施中に、被験者の呼吸状態をモニタし、適切な加圧を加えることができる。
この方法は、第2の測定ステップにより測定された被験者の呼吸状態に基づいて、リハビリテーションステップの効果を評価するステップをさらに含んでもよい。リハビリテーション実施直後から被験者の呼吸状態をモニタすることができるので、リハビリテーション実施後の呼吸状態の経時変化を測定するのに適している。
なお、以上のエレメントの任意の組合せや、その表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変更したものもまた、本発明の範囲に含まれる。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明の実施形態に係る測定システム10の構成図である。測定システム10は、主に、被験者の呼吸状態を測定するための測定ユニット100ならびに測定ユニット100からの出力を取得する制御ユニット200を含む測定装置50、および制御ユニット200が取得した出力を解析するための解析ユニット300を含む。図1において、制御ユニット200および解析ユニット300の構成の一部は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
測定ユニット100は、第1の測定ユニットの一例としての、胸郭付近の体積変化を測定するための胸式呼吸測定ユニット100a、および第2の測定ユニットの一例としての、横隔膜付近の体積変化を測定するための腹式呼吸測定ユニット100bを含む。胸式呼吸測定ユニット100aおよび腹式呼吸測定ユニット100bは、それぞれ、測定部位の体積変化を感知部内部の気圧の変化により感知する。これにより、本実施形態の測定システム10は、胸式呼吸に対応するデータと、腹式呼吸に対応するデータとを、独立に測定できる。しかも、再現性がよく、定量的にも信頼性の高いデータが得られることが大きなメリットである。
図2(a)(b)は、測定ユニット100の外観を概略的に示す。図2(a)は、測定ユニット100を被験者の体に接する側から、図2(b)は、その裏側から見た図である。測定ユニット100は、被験者の呼吸動作に伴う測定部位の体積変化を感知するための感知部110と、感知部110を測定部位付近に配置させるための固定部120とを含む。感知部110は、その内部に空洞を有していて袋状の形状を有しており、その内部の気圧の変化により測定部位の体積変化を感知する。感知部110には、第1の接続部の一例として、加圧ポンプ220から内部へ気体を送り込むためのチューブ114と、第2の接続部の一例として、圧力計へ気体を送るためのチューブ112が設けられている。感知部110は、固定部120に設けられた収納部116に収納されている。
固定部120は帯状の形状を有し、被験者の胴体の周囲に巻き付けるようにして感知部110を測定部位に配置する。固定部120には、被験者の胴体の周囲に巻き付けやすいように、柔らかい布などの素材が用いられてもよい。また、被験者の呼吸動作により大きく伸縮することがないよう、帆布などの伸縮性の少ない素材が用いられてもよい。固定部120には、固定部120を被験者の胴体に巻きつけたときに両端を接着させるための接着部122aおよび122bが設けられている。接着部122aおよび122bは、面ファスナー、ファスナーなどであってもよい。
図3は、胸式呼吸測定ユニット100aおよび腹式呼吸測定ユニット100bを被験者に装着した様子を示す。胸式呼吸測定ユニット100aは、被験者の胸郭の周囲に装着される。腹式呼吸測定ユニット100bは、被験者の横隔膜の周囲に装着される。測定ユニット100を被験者に装着するときは、まず感知部110を測定部位に密着させ、固定部で被験者の胴体の周囲に巻きつけるように固定する。このとき、呼吸筋の筋力に左右差がある場合があるので、被験者の利き腕を考慮して感知部110の位置を決定してもよい。たとえば、感知部110を密着させる位置を、被験者の利き腕側またはその逆側に統一してもよい。感知部110を密着させる位置を、被験者の左半身または右半身に統一してもよい。
図4(a)(b)(c)は、測定ユニット100を装着した部分の断面を示す。図4(a)は、測定ユニット100を装着後、加圧ポンプ220から感知部110の内部へ気体を送り込み、初期加圧を行ったときの様子を示す。感知部110の内部に気体が導入され、固定部120と測定部位との間に空隙が作られる。吸気時の測定部位の体積変化を正しく測定するためには、最大吸気時にも感知部にある程度の圧力が印加されている状態にしておく必要があるので、このように初期加圧を行っている。また、初期加圧値を調整することにより、測定条件を一定に保つという意義もある。図4(b)は、被験者が吸気したときの様子を示す。被験者が吸気すると、被験者の胸郭および横隔膜付近の体積が増加するため、感知部110は被験者の胴体と固定部との間で圧縮され、内部の気圧が高くなる。図4(c)は、被験者が呼出したときの様子を示す。被験者が呼出すると、被験者の胸郭および横隔膜付近の体積が減少するため、被験者の胴体と固定部との間の空隙が広がり、感知部110の内部の気圧は低くなる。このように、感知部110の内圧の変化から胸郭および横隔膜付近の体積変化を感知することができる。
本測定システムをリハビリテーション補助装置として利用する場合は、感知部110を加圧部として機能させる。すなわち、感知部110の内部に気体を導入して感知部110の体積を増加させることにより、被験者の胴体を圧迫して所定の負荷を与える。被験者は負荷下で呼吸動作を行うことにより、リハビリテーションを行う。このとき、感知部110が被験者の排痰部位を圧迫するように測定ユニット100を装着し、スクイージングの手法によりリハビリテーションを実施してもよい。
図5は、固定部120の他の例を示す。図5の例では、固定部120の一端に、他端を通し入れるフック124が設けられている。装着時にはフック124に他端を通し入れ、十分に引っ張って密着させた後、接着部122により固定する。接着部122は、面ファスナー、ファスナーなどであってもよい。図5に示した測定ユニット100によれば、被験者自身が測定ユニット100を装着する場合であっても、容易かつ適切に測定ユニット100を固定することができる。
図1に戻り、制御ユニット200および解析ユニット300の説明を続ける。制御ユニット200は、初期圧力調整部210、加圧ポンプ220、圧力計230、記録部240、測定制御部250、指示部260、表示部270、転送部280、および条件入力部290を含む。
初期圧力調整部210は、呼吸機能の測定前に、感知部110の内部に気体を送り込んで所定の初期圧力に調整すべく加圧ポンプ220を制御する。初期圧力は、測定部位の体積変化と感知部110内の気圧の変化との比が略一定となる範囲内に設定されてもよいし、測定部位の体積変化と感知部110内の気圧の変化との比が線形に推移する範囲内に設定されてもよい。初期圧力が大き過ぎると、被験者に負担を与え、呼吸状態を正しく測定できない恐れがあるし、初期圧力が小さ過ぎると、感知部110内部の気圧変化が測定部位の体積変化に追従しなくなる恐れがある。感知部110内部の気圧変化を測定部位の体積変化または呼吸時の気量に適切に換算できる範囲に初期圧力を調整しておけばよい。
初期圧力調整部210は、被験者の複数回の測定について、初期圧力を略一定に調整してもよい。これにより、同一の被験者についての複数回の測定について測定条件を一定に保つことができ、測定結果を定量的に比較検討することができる。初期圧力調整部210は、複数の被験者の測定について、初期圧力を略一定に調整してもよい。これにより、複数の被験者の測定について測定条件を一定に保つことができ、測定結果を定量的に比較検討することができる。このように、初期圧力調整部210により、条件を統一して測定することができるので、再現性が高く信頼できるデータを得ることができる。初期圧力は、被験者の性別、体脂肪率、胸囲、腹囲、既往歴、肺活量、または感知部110の大きさなどに基づいて決定されてもよい。
初期圧力調整部210が感知部110に気体を導入したあとは、感知部110の内部の気体の量を保持したまま測定を行う。これにより、測定を行っている間、条件を一定に保つことができる。感知部110には、いったん導入した気体が外部へ流出しないように弁を設けていてもよい。
加圧ポンプ220は、感知部110の内部の気圧が所定の初期圧力になるよう気体を送り込む。本システムをリハビリテーション補助装置として利用する場合には、加圧ポンプ220により所定の負荷圧力となるまで感知部110の内部に気体を送り込む。
圧力センサの一例としての圧力計230は、感知部110の内部の気圧を測定する。圧力計230としては、既知の任意の圧力計または圧力センサを利用してもよい。本実施形態では、ピエゾ抵抗素により圧力を電圧信号に変換する圧力センサを用いる。
記録部240は、圧力計230が測定した測定データを所定のサンプリング周波数にてサンプリングし、呼吸波形データとして記録する。記録部240は、制御ユニット200内部に設けられたメモリに測定データを記録してもよいし、フロッピーディスク、CD−ROM、MOなどの記憶媒体へ測定データを記録してもよい。また、記録部240を設けず、測定データを直接解析ユニット300へ転送する構成であってもよい。本実施形態では、圧力計230が測定した電圧信号を記録部240内部に設けられたメモリへ記録し、転送部280により解析ユニット300へ転送する。電圧信号は、必要に応じてA/D変換器によりデジタル信号に変換してもよい。また、電圧信号を圧力値に換算してから記録してもよいし、所定の換算式を用いて気量または気速に換算してから記録してもよい。
条件入力部290は、測定条件に関する情報を被験者または測定者から受け付ける。たとえば、条件入力部290は、測定すべきデータの種類、被験者の性別、年齢、身長、体重、胸囲、腹囲、体脂肪率、既往歴などの個人情報、測定日、測定回数、気温、大気圧、湿度などの情報を受け付けてもよい。これらの情報は、必要に応じて、記録部240により測定データと対応づけて記録されてもよいし、測定制御部250における制御や解析ユニット300における解析に利用されてもよい。
測定制御部250は、測定すべきデータの種類に応じた測定を行うべく、初期圧力調整部210、加圧ポンプ220、記録部240、および指示部260の少なくとも1つを制御する。測定制御部250は、条件入力部290が受け付けた各種条件に基づいて、測定の内容、手順などを決定するためのテーブルを有してもよい。たとえば、被験者の性別と初期圧力を対応づけてテーブルに格納してもよいし、測定すべきデータの種類と記録時のデータのサンプリング周波数を対応づけてテーブルに格納してもよい。そして、このテーブルを参照して測定を制御してもよい。
また、測定すべきデータの種類に適した測定手順を、指示部260を介して被験者へ指示してもよい。このとき、条件入力部290が受け付けた測定条件に基づいて指示の内容を決定してもよい。たとえば、努力性肺活量FVCを測定する際には、最大吸気位となるまで被験者に吸気させるために、圧力計230により測定値をモニタし、測定値が一定値に安定するまでの間、「息が吸えなくなるまで吸い続けてください」などと指示し、測定値が一定値に安定したと判断したときに、「息を一気に吐いてください」などと指示してもよい。このように、被験者の呼吸状態を観測しながら、適切な測定手順を指示してもよい。適切な測定を行うために、標準となる呼吸波形を保持しておき、その呼吸波形と被験者の呼吸波形とを比較しながら指示を出すタイミングを図ってもよい。
本測定システム10を、リハビリテーション補助装置として利用する場合は、測定制御部250がリハビリテーションプログラムを制御してもよい。リハビリテーションプログラムは、予め測定制御部250が保持していて、条件入力部290にて受け付けた条件に基づいて選択されてもよいし、条件入力部290によりリハビリテーションプログラムを入力できるような構成であってもよい。このとき、指示部260によりリハビリテーションの手順を患者に指示してもよい。たとえば、加圧下における呼吸リハビリテーションが必要な患者の場合は、加圧ポンプ220にて所定の圧力まで加圧し、所定の時間、患者に加圧下で呼吸させるリハビリテーションを行う。
指示部260は、測定すべきデータの種類に応じて、適切な呼吸動作を被験者に対して指示する。指示部260は、測定制御部250から伝達された指示を被験者に対して出力してもよいし、指示部260にて必要な指示を判断してもよい。指示は、表示部270により視覚情報として出力されてもよいし、スピーカーなどにより音声情報として出力されてもよい。
表示部270は、圧力計230による測定値、測定中のデータの種別などの情報を表示する。表示部270は、条件入力部290により測定者から情報を受け付けるときのインターフェースとして用いられてもよい。
転送部280は、測定されたデータを解析ユニット300へ転送する。転送部280は、制御ユニット200と解析ユニット300とを接続するケーブルを介して測定データを解析ユニット300へ転送してもよいし、電話網、携帯電話網、インターネット、赤外線、ラジオ波などの有線または無線の通信手段を用いて転送してもよい。記録部240が記録媒体へデータを記録する場合には、その記録媒体によりデータを解析ユニット300へ転送し、転送部280を設けなくてもよい。
解析ユニット300は、測定データ取得部310、解析部320、表示部340、および呼吸機能データベース350を含む。測定データ取得部310は、測定ユニット100および制御ユニット200により測定されたデータを取得する。解析部320は、波形生成部322、肺気量分画算出部324、努力性呼出曲線解析部326、フローボリューム曲線解析部328、腹部寄与率算出部329、波形特性抽出部330、気道状況判断部331、およびデータベース照会部332を含む。解析ユニット300は、測定装置50とは独立に、解析装置300として機能してもよい。解析ユニット300および解析装置300は、一般的なコンピュータにより実現されてもよい。
測定データ取得部310は、制御ユニット200から測定データを取得する。測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化の測定により得られた腹部データとを含む。これらのデータは、感知部110内部の気圧により表現されていてもよいし、それを測定部位の体積変化または呼吸時の気量などに換算したものであってもよい。
波形生成部322は、測定データ取得部310が取得した測定データから呼吸波形データを生成する。本システムでは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化の測定により得られた腹部データとから、呼吸波形データを生成する。このとき、胸部データと腹部データとを、所定比により重み付けして呼吸波形データを生成してもよい。重み付けする比は、たとえば、腹部寄与率、被験者の性別などの個人情報、被験者の既往歴などに応じて決定してもよい。波形生成部322は、呼吸波形データを生成する際に、たとえば、極端に離散したデータを除去してもよいし、測定中に被験者が動くなどしてデータに影響を及ぼしたと思われる部分を除去してもよい。呼吸波形曲線をスプライン関数やベジエ関数などによりスムージングしてもよい。胸部データと腹部データのピーク位置に差異が認められる場合、そのピーク位置を補正して呼吸波形データを生成してもよい。
算出部の一例としての肺気量分画算出部324は、波形生成部322にて生成された呼吸波形データに基づいて、肺気量分画を算出する。算出部の一例としての努力性呼出曲線解析部326は、波形生成部322にて整形された呼吸波形データに基づいて、努力性肺活量、1秒量などを算出する。算出部の一例としてのフローボリューム曲線解析部328は、努力性呼出曲線を微分して得られるフローボリューム曲線に基づいて、最大呼気流速度などを算出する。算出部の一例としての腹部寄与率算出部329は、胸部データと腹部データより腹部寄与率を算出する。それぞれの値は、胸部データ、腹部データ、呼吸波形データのそれぞれから算出されてもよい。それぞれの詳細な算出方法については、実験1から実験4の説明部分で詳述する。
波形特性抽出部330は、呼吸波形データ、胸部データ、腹部データの波形形状の特徴的な部分を抽出する。たとえば、胸部データと腹部データの呼吸波形のピーク位置にずれがある、フローボリューム曲線のピークが平坦化している、フローボリューム曲線のピーク後に平坦部分が現れる、などといった特徴を抽出してもよい。予め波形特性抽出部330が抽出すべき形状の特徴を保持しており、被験者の呼吸波形データがその特徴に合致しているか否かを判断することにより、波形の特徴を抽出してもよい。
気道状況判断部331は、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する。気道状況判断部331は、呼吸波形データ、努力性呼出曲線、またはフローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに被験者の胸郭付近または横隔膜付近に装着した感知部110の内部の気圧が増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断してもよい。気道に狭窄の無い健常者の場合は、呼出に伴って空洞内の気圧が減少する波形が測定されるが、気道が狭窄している患者の場合は、呼出時の狭窄部分における気流の制限、または、呼出時の呼吸筋の異常な動作などの要因により、空洞内の気圧、すなわち胸部データまたは腹部データが増加する現象が本発明者により確認されている。このような現象は、気道狭窄の症状を有する喘息患者などに特徴的であるから、気道状況判断部331は、このような測定結果を示した被験者に対して気道狭窄の疑いがあると判断してもよい。この現象の詳細については、後述する実験5の結果をもとに考察する。気道状況判断部331は、呼出時の感知部110内部の気圧の増加状況に基づいて、気道の狭窄または閉塞の程度を判断してもよい。たとえば、圧力増加が急峻であったり、圧力増加量が大きかったり、増加した圧力が元に戻るまでの時間が長かったりしたときに、気道の閉塞の程度が高いと判断してもよい。努力性呼出曲線の傾き、高次微分係数、積分値、形状、ピークの高さ、などを指標として、気道の閉塞の程度を判断してもよい。呼出時の呼吸波形を流体力学的に解析することにより、気道の狭窄または閉塞の程度を判断してもよい。
データベース照会部332は、肺気量分画、努力性肺活量、1秒量、最大呼気流速度、呼吸波形、努力性呼出曲線、フローボリューム曲線、腹部寄与率などの呼吸機能指標や、波形特性抽出部330にて抽出された呼吸波形の特徴などをもとに呼吸機能データベース350を参照し、医学的所見を取得する。このとき、被験者の性別、年齢、身長、体重、体脂肪率、胸囲、腹囲、既往歴などの情報をさらに参照してもよい。
表示部340は、測定された胸部データ、腹部データ、呼吸波形データ、算出された呼吸機能指標、呼吸機能データベース350から取得された医学的所見などの情報を液晶表示装置などの表示装置へ表示する。
呼吸機能データベース350は、肺気量分画、努力性肺活量、1秒量、最大呼気流速度、呼吸波形、努力性呼出曲線、フローボリューム曲線、腹部寄与率などの呼吸機能指標や、呼吸波形の特徴などの情報と、医学的所見とを対応付けて格納する。このとき、被験者の性別、年齢、身長、体重、体脂肪率、既往歴などが考慮されてもよい。たとえば、「フローボリューム曲線のピークが平坦化している」という特徴と、「上気道狭窄の疑いがある」という医学的所見とを対応づけて格納してもよい。医学的所見は、測定結果から推定される呼吸器疾患の病名のみならず、呼吸器、呼吸筋、その他の器官の状態、疾患の程度、適切なリハビリテーションプログラムや運動の提案などであってもよい。
図1においては、測定ユニット100および制御ユニット200をまとめて測定装置50としたが、これらは一体に構成される必要はない。また、それぞれの構成部材が他のユニット内に設けられていてもよい。たとえば、加圧ポンプ220、圧力計230、記録部240などが測定ユニット100側に設けられていてもよいし、条件入力部290、表示部270などが解析ユニット300側に設けられていてもよい。制御ユニット200と解析ユニット300とが一体的に構成されていてもよい。このように構成の自由度が高くさまざまな組合せが考えられることは当業者に理解されるところである。呼吸機能データベース350が外部のサーバなどに設けられていて、ネットワークなどの通信手段により呼吸機能データベース350にアクセスするような構成であってもよい。
測定装置50と解析装置300とが離れた場所に設けられていてもよい。このとき、測定装置50により測定されたデータは、フロッピーディスク、CD−ROM、MOなどの外部記憶媒体により解析装置に提供されてもよいし、ネットワークを介して解析装置に提供されてもよい。これによれば、たとえば、被験者が離島などの無医村や過疎地域に居住している場合など、近隣に解析装置がない環境であっても、測定データを解析することができる。また、本実施形態の測定装置50では、測定ユニット100を比較的容易に装着することができるので、被験者自身で、または家族などの助けにより測定を行うこともできる。被験者が自宅に測定装置50を所持し、測定を行ったあと、データを病院に送信して医師の所見を得ることも可能となる。したがって、外出することが困難な患者であっても、適切に医師の診断を受けることができる。また、たとえば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者に、自宅などで睡眠中に本測定ユニット100を装着させ、睡眠時の呼吸状態を継続的に測定することにより、気道の閉塞状況や症状の程度を診断することができる。
また、本実施形態の測定装置50をリハビリテーション補助装置として利用した場合、リハビリテーション中の呼吸状態をモニタすることができるので、リハビリテーションの際に被験者に与える負荷の値を適切に評価することができる。また、リハビリテーション終了後も、測定ユニット100を装着したまま続けて呼吸機能検査を実施することができるので、リハビリテーションの効果を適切に評価することができる。さらに、患者自身が容易に操作することができるため、医師や理学療法士の補助を受けられない環境であってもリハビリテーションを行うことができる。たとえば、在宅でリハビリテーションを行い、リハビリテーション中およびリハビリテーション実施後の測定データを病院に転送し、医師の診断を受けることもできる。
さらに、本実施形態の測定装置50は医療現場に限らず、さまざまなシーンにおいて利用できる。たとえば、スポーツ施設に測定装置50を設け、利用者が運動前および運動後に呼吸状態をチェックできるようにしてもよい。また、有酸素運動の実施中に呼吸状態をモニタすることもできる。このように、本実施形態の測定システム10および測定装置50は、持ち運びに便利で、装着や操作も容易であり、さまざまなシーンにおいて、さまざまなユーザにより利用され得る。
図6は、制御ユニット200の外観を概略的に示す。制御ユニット200の外面には、指示部260の一例としてのスピーカー、表示部270の一例としての液晶表示部、条件入力部290に条件を入力するための入力インターフェース292、転送部280により測定データを解析ユニット300へ転送するためのケーブル282のコネクタが設けられている。また、加圧ポンプ220が感知部110の内部へ気体を送り込むためのチューブ114および感知部110の内圧を測定するためのチューブ112が接続されている。
図7は、本実施形態の測定システム10を用いて呼吸機能を測定する手順を示す。まず、胸式呼吸測定ユニット100aおよび腹式呼吸測定ユニット100bを被験者に装着する(S100)。ここで、リハビリテーションを実施する場合は(S102のY)、呼吸機能リハビリテーションを実施し(S104)、つづいて呼吸機能検査にうつる。リハビリテーションを実施しない場合は(S102のN)、S104をスキップする。呼吸機能検査に先立って、感知部110の内部に加圧ポンプ220より気体を導入して初期加圧を行う(S106)。つづいて、感知部110の内部の気体量を保ったまま呼吸機能の測定が実施される(S108)。
図8は、本実施形態の測定システム10を用いて呼吸機能を解析する手順を示す。まず、測定データ取得部310が測定データを取得する(S200)。つづいて、波形生成部322が取得した測定データから呼吸波形データを生成する(S202)。つづいて、肺気量分画算出部324が肺気量分画を算出し(S204)、努力性呼出曲線解析部326が努力性肺活量や1秒量などを算出し(S206)、フローボリューム曲線解析部328が最大呼気流速度などを算出し(S208)、腹部寄与率算出部329が腹部寄与率などを算出する(S209)。つづいて、波形特性抽出部330が呼吸波形の特徴的な部分を抽出する(S210)。さらに、気道状況判断部331が呼吸波形データ、努力性呼出曲線またはフローボリューム曲線を参照して気道の狭窄または閉塞の状況を判断する(S211)。つづいて、データベース照会部332が、肺気量分画、努力性肺活量、最大呼気流速度、腹部寄与率、呼吸波形の特徴などのデータをもとに呼吸機能データベース350を参照して、被験者に対する医学的所見を取得する(S212)。最後に、解析結果を表示部340に表示する(S214)。
以上、呼吸機能測定システム10の構成および動作について説明した。続いて、本実施形態の呼吸機能測定システム10を用いて、複数の被験者に対して呼吸機能検査を行った結果を示す。実験1から実験4は、呼吸機能障害を有しない健常者を被験者として行った実験であり、実験5は、呼吸機能障害を有する患者を被験者として行った実験である。まず、実験1から実験3により、本実施形態の呼吸機能測定システム10がスパイロメータと同等の機能を有していることを示す。つづいて、実験4により、本実施形態の呼吸機能測定システム10がレスピソムノグラムと同等の機能を有していることを示す。さらに、実験5により、呼吸機能障害を有する患者の呼吸波形の特徴を示し、本システムによる測定結果から医学的所見を導き出す診断方法について考察する。
(実験の条件)
2000年7月15日から2000年11月15日にかけて、呼吸機能障害を有しない健常者21名(男性12名、女性9名)に対して本システムによる呼吸機能検査を行った。このとき、本システムによる測定と同時にスパイロメータによる測定も行い、双方のデータの比較を行った。図9に被験者の性別、年齢、身長、体重、BMI、体脂肪率を示す。固定部120のサイズは140mm×1170mm、感知部110のサイズは125mm×230mm、初期圧力は、男性においては30mmHg、女性においては20mmHgとした。本出願人による実験により、初期加圧値を30mmHgとしたときの測定データと、初期加圧値を20mmHgとしたときの測定データは、補正することなく同等に扱うことができると認められたため、男女のデータを同等に扱って解析を行った。また、呼吸波形データは、胸部データと腹部データとを合算して生成した。
(実験1)肺気量分画の測定
図10は、被験者2の肺気量分画を測定したときの感知部110の内圧の時間変化を示す。図中、実線は胸式呼吸測定ユニット100aにより測定された胸部データを、細実線は腹式呼吸測定ユニット100bにより測定された腹部データを、太実線はそれぞれの和である呼吸波形データを示す。また、LV1は呼吸波形データにおける最大呼気レベルを、LV2は呼吸波形データにおける安静呼気位を、LV3は呼吸波形データにおける安静吸気位を、LV4は呼吸波形データにおける最大吸気レベルを示す。
(実験1−1)肺活量VCの測定
肺活量VCは、最大呼気レベルLV1と最大吸気レベルLV4との差で与えられる。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図10に示した測定結果から算出される量は、肺活量VCそのものではなく、肺活量を算出するための指標VC1である。被験者2の場合、VC1は、胸部データのみを用いた場合は78.6(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は12.42(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は88.32(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、肺活量VCは2.68(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された肺活量VCとの比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された肺活量VC1を図11(a)に示す。図11(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果VC1を、スパイロメータによる測定結果VC2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、VC1=40.382×VC2−39.646となり、その相関係数は0.876と高い数値を示した。
(実験1−2)予備呼気量ERVの測定
予備呼気量ERVは、最大呼気レベルLV1と安静呼気位LV2との差で与えられる。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図10に示した測定結果から算出される量は予備呼気量ERVそのものではなく、予備呼気量を算出するための指標ERV1である。被験者2の場合、ERV1は、胸部データのみを用いた場合は9.6(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は−1.12(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は7.46(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、予備呼気量ERVは0.99(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された予備呼気量ERV2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された予備呼気量指標ERV1を図12(a)に示す。図12(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果ERV1を、スパイロメータによる測定結果ERV2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、ERV1=8.3603×ERV2+0.738となり、その相関係数は0.635と比較的高い数値を示した。
(実験1−3)予備吸気量IRVの測定
予備吸気量IRVは、最大吸気レベルLV4と安静吸気位LV3との差で与えられる。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図10に示した測定結果から算出される量は予備吸気量IRVそのものではなく、予備吸気量を算出するための指標IRV1である。被験者2の場合、IRV1は、胸部データのみを用いた場合は57.33(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は8.63(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は64.25(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、予備吸気量IRVは1.18(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された予備吸気量IRV2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された予備吸気量指標IRV1を図13(a)に示す。図13(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果IRV1を、スパイロメータによる測定結果IRV2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、IRV1=44.662×IRV2−6.2966となり、その相関係数は0.756と高い数値を示した。
(実験1−4)最大吸気量ICの測定
最大吸気量ICは、最大吸気レベルLV4と安静呼気位LV2との差で与えられる。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図10に示した測定結果から算出される量は最大吸気量ICそのものではなく、最大吸気量を算出するための指標IC1である。被験者2の場合、IC1は、胸部データのみを用いた場合は69(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は13.63(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は80.86(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、最大吸気量ICは1.69(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された最大吸気量IC2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された最大吸気量指標IC1を図14(a)に示す。図14(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果IC1を、スパイロメータによる測定結果IC2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、IC1=45.736×IC2−13.977となり、その相関係数は0.770と高い数値を示した。
(実験1−5)1回換気量TVの測定
1回換気量TVは、安静吸気位LV3と安静呼気位LV2との差で与えられる。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図10に示した測定結果から算出される量は1回換気量TVそのものではなく、1回換気量を算出するための指標TV1である。被験者2の場合、TV1は、胸部データのみを用いた場合は11.67(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は4.99(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は16.61(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、1回換気量TVは0.51(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された1回換気量TV2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された1回換気量指標TV1を図15(a)に示す。図15(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果TV1を、スパイロメータによる測定結果TV2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、TV1=18.5×TV2+12.745となり、その相関係数は0.541と比較的高い数値を示した。
以上の結果から、呼吸機能測定システム10により、スパイロメータと同様に肺気量分画が測定できることが確認された。また、回帰直線の式を用いて、本システムの測定データから肺気量分画の絶対値を求めることもできる。さらに多くの被験者に対して同様の測定を行い、精度の高い換算式を算出してもよい。
(実験2)努力性呼出曲線の測定
図16は、被験者2の努力性呼出曲線を測定したときの感知部110の内圧の時間変化を示す。図中、実線は胸式呼吸測定ユニット100aにより測定された胸部データを、細実線は腹式呼吸測定ユニット100bにより測定された腹部データを、太実線はそれぞれの和である呼吸波形データを示す。図17(a)(b)(c)は、図16の努力性呼出曲線を微分して得られたフローボリューム曲線である。図17(a)は、腹部データから得られらフローボリューム曲線を、図17(b)は、胸部データから得られたフローボリューム曲線を、図17(c)は、呼吸波形データから得られたフローボリューム曲線を示す。スパイロメータにより測定したフローボリューム曲線は、一般に、気量を横軸に、気速を縦軸に表すが、図17では、横軸に時間をとっている。これは、測定データを気量に換算せずにデータ解析を行ったためであるが、最大呼気流速度PEFRの算出には影響がないと考えられる。
(実験2−1)努力性肺活量FVCの測定
努力性肺活量FVCは、図16のように算出される。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図16に示した測定結果から算出される量は努力性肺活量FVCそのものではなく、努力性肺活量を算出するための指標FVC1である。被験者2の場合、FVC1は、胸部データのみを用いた場合は75.8(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は11.62(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は83.32(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、努力性肺活量FVCは2.57(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された努力性肺活量FVC2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された努力性肺活量指標FVC1を図18(a)に示す。図18(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果FVC1を、スパイロメータによる測定結果FVC2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、FVC1=33.874×FVC2−33.682となり、その相関係数は0.831と高い数値を示した。
(実験2−2)1秒量FEV1.0の測定
1秒量FEV1.0は、図16のように算出される。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図16に示した測定結果から算出される量は1秒量FEV1.0そのものではなく、1秒量を算出するための指標FEV1.01である。被験者2の場合、FEV1.01は、胸部データのみを用いた場合は75.6(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は10.16(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は82.84(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、1秒量FEV1.0は2.51(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された1秒量FEV1.02との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された1秒量指標FEV1.01を図19(a)に示す。図19(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果FEV1.01を、スパイロメータによる測定結果FEV1.02に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、FEV1.01=38.438×FEV1.02−39.038となり、その相関係数は0.790と高い数値を示した。
(実験2−3)最大呼気流速度PEFRの測定
最大呼気流速度PEFRは、図17のように算出される。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図17に示した測定結果から算出される量は最大呼気流速度PEFRそのものではなく、最大呼気流速度を算出するための指標PEFR1である。被験者2の場合、PEFR1は、胸部データのみを用いた場合は8.65(mmHg/s)、腹部データのみを用いた場合は1.51(mmHg/s)、呼吸波形データを用いた場合は9.69(mmHg/s)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、最大呼気流速度PEFRは7(l/s)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された最大呼気流速度PEFR2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された最大呼気流速度指標PEFR1を図20(a)に示す。図20(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果PEFR1を、スパイロメータによる測定結果PEFR2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、PEFR1=1.8788×PEFR2−5.7519となり、その相関係数は0.845と高い数値を示した。
以上の結果から、呼吸機能測定システム10により、スパイロメータと同様に努力性肺活量、1秒量、最大呼気流速度、努力性呼出曲線、フローボリューム曲線などが測定できることが確認された。また、肺気量分画の場合と同様に、回帰直線の式を用いて、本システムの測定データから上記の量の絶対値を求めることもできる。さらに多くの被験者に対して同様の測定を行い、精度の高い換算式を算出してもよい。
(実験3)安静時換気量の測定
図21は、被験者2の安静時換気量を測定したときの感知部110の内圧の時間変化を示す。図中、実線は胸式呼吸測定ユニット100aにより測定された胸部データを、細実線は腹式呼吸測定ユニット100bにより測定された腹部データを、太実線はそれぞれの和である呼吸波形データを示す。
(実験3−1)安静時換気量MV(Minutes Volume)の測定
安静時換気量MVは、安静時の1分間の換気量を表し、1回換気量TVと1分間の呼吸回数の積により算出される。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図21に示した測定結果から算出される量は安静時換気量MVそのものではなく、安静時換気量を算出するための指標MV1である。被験者2の場合、MV1は、胸部データのみを用いた場合は175.34(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は91.59(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は278(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、安静時換気量MVは4.66(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された安静時換気量MV2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された安静時換気量指標MV1を図22(a)に示す。図22(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果MV1を、スパイロメータによる測定結果MV2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、MV1=35.675×MV2+89.158となり、その相関係数は0.755と高い数値を示した。
(実験3−2)1回換気量TVの測定
1回換気量TVは、安静時の呼吸波形の山と谷の差を平均して算出される。本実験では、感知部110の内圧を気量に換算していないため、図21に示した測定結果から算出される量は1回換気量TVそのものではなく、1回換気量を算出するための指標TV1である。被験者2の場合、TV1は、胸部データのみを用いた場合は11.99(mmHg)、腹部データのみを用いた場合は6.25(mmHg)、呼吸波形データを用いた場合は18.18(mmHg)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、1回換気量TVは0.33(l)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された1回換気量TV2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された1回換気量指標TV1を図23(a)に示す。図23(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果TV1を、スパイロメータによる測定結果TV2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、TV1=35.01×TV2+5.1348となり、その相関係数は0.649と高い数値を示した。
(実験3−3)波形のピーク間RRの測定
波形のピーク間RRは、安静時の呼吸波形のピークとピークとの間を平均して算出されるが、本実験ではその逆数をとって1分間あたりの呼吸回数を算出している。被験者2の場合、図21に示した測定結果から算出される波形のピーク間RR1は、胸部データのみを用いた場合は13.97(/min)、腹部データのみを用いた場合は13.98(/min)、呼吸波形データを用いた場合は14(/min)と算出される。同時に測定したスパイロメータによる結果からは、波形のピーク間RRは14.12(/min)と算出された。
21名の被験者に対して同様の測定を行い、スパイロメータにより測定された波形のピーク間RR2との比較検討を行った。なお、測定データの波形の乱れが大きい被験者については評価対象外とした。それぞれの被験者の呼吸波形データから算出された波形のピーク間指標RR1を図24(a)に示す。図24(b)は、呼吸機能測定システム10による測定結果RR1を、スパイロメータによる測定結果RR2に対してプロットした図である。最小二乗法により直線で回帰したところ、RR1=1.0003×RR2−0.4108となり、その相関係数は0.997と高い数値を示した。
以上の結果から、呼吸機能測定システム10により、スパイロメータと同様に安静時換気量、1回換気量、波形のピーク間などが測定できることが確認された。また、肺気量分画の場合と同様に、回帰直線の式を用いて、本システムの測定データから上記の量の絶対値を求めることもできる。さらに多くの被験者に対して同様の測定を行い、精度の高い換算式を算出してもよい。
上記のように、本システムによりスパイロメータと同等のデータが得られることが確認された。しかしながら、本システムの利点はそれにとどまらず、胸部データと腹部データとを独立に測定することができるという大きな利点がある。以下に、胸部データと腹部データとの関係について説明する。
(実験4)胸部データと腹部データの関係
上記の実験における胸部データと腹部データとの関係を評価した。以下に、安静時の測定データと、強制呼出時の測定データについて示す。
(実験4−1)安静時の胸部データと腹部データの関係
図25は、実験3において安静時換気量を測定したときの、胸部データと腹部データとの関係を示す。図25では、胸部データを横軸に、腹部データを縦軸に表している。最小二乗法により直線で回帰したところ、(腹部データ)=0.4625×(胸部データ)+4.5258となり、その相関係数は0.940と高い数値を示した。これは、この被験者の安静時における呼吸のばらつきが少なく、胸式呼吸と腹式呼吸をほぼ一定の比で行っていることを示している。
(実験4−2)強制呼出時の胸部データと腹部データの関係
図26は、実験2において努力性呼出曲線を測定したときの、胸部データと腹部データとの関係を示す。図26では、胸部データを横軸に、腹部データを縦軸に表している。最小二乗法により直線で回帰したところ、(腹部データ)=0.1462×(胸部データ)+12.614となり、その相関係数は0.871であった。回帰直線の傾きが安静時に比べて減少していることから、強制呼出時の方が安静時よりも胸式呼吸の優位性が増していることが分かる。
上記のように、本実施形態の測定システム10は、レスピソムノグラムと同様に、胸部データと腹部データとを独立に測定し、呼吸の優位性、腹部寄与率を評価することができることが確認された。さらに、レスピソムノグラムにおいてはデータの絶対値に対する信頼性に乏しく、定量的な議論はできなかったが、本システムにおいては、実験1から3の説明でも分かるように、定量的にも信頼性の高いデータを得ることができる。これにより、同じ被験者の複数回の測定や、複数の被験者の測定について、定量的に比較検討することができる。
以上、実験1から4により、本実施形態の測定システム10がスパイロメータおよびレスピソムノグラムと同等の機能を有することが示された。本実施形態の測定システム10では、スパイロメータおよびレスピソムノグラムの双方の機能を有しているだけでなく、従来スパイロメータとレスピソムノグラムとで別々に取得しなければならなかった情報を、一回の測定で取得することができる。そのうえ、胸部データと腹部データとを独立に測定することにより、従来のスパイロメータおよびレスピソムノグラムでは得られなかった所見を得ることもできる。
たとえば、肺気腫などの疾患により肺の上葉を切除した患者の場合、胸の呼吸筋がほとんど呼吸に寄与せず、ほぼ腹式呼吸により呼吸しているが、スパイロメータではこの所見を得ることはできない。また、レスピソムノグラムでは腹式呼吸が優位であることを知ることができるが、再現性に乏しいため定量的な評価は難しい。ところが、本実施形態の測定システム10によれば、再現性よく胸式呼吸と腹式呼吸のデータを独立に取得できるため、手術後の経過を観察したり、リハビリテーションや薬の効果を観察するなど、定量的な評価を行うことができる。このことは、医学的にも非常に意義深いと言える。
また、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis、ALS)の患者について、胸式呼吸に寄与する呼吸筋の麻痺の進行の度合いを、本実施形態の測定システム10により観察することができる。これも、従来のレスピソムノグラムに比べて、より高い再現性と信頼性をもって定量的な評価を行うことができる。
(実験5)呼吸器疾患患者を被験者とした測定
実験1から4と同様に、呼吸器疾患患者を被験者として本システムおよびスパイロメータによる呼吸機能測定を行った。10名の呼吸器疾患患者に対してそれぞれ5回の測定を行った。波形の乱れが大きい測定データは評価対象外とした。図27から図36に示す測定結果は、実験1から3と同様、胸部データと腹部データの合算値を用いて解析したものである。スパイロメータとの相関を示すグラフは、健常者を被験者とした実験1から3のグラフと同じスケールで描いている。
図27(a)は、肺活量VCの測定結果を示し、図27(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図28(a)は、予備呼気量ERVの測定結果を示し、図28(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図29(a)は、予備吸気量IRVの測定結果を示し、図29(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図30(a)は、最大吸気量ICの測定結果を示し、図30(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図31(a)は、1回換気量TVの測定結果を示し、図31(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図32(a)は、努力性肺活量FVCの測定結果を示し、図32(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図33(a)は、最大呼気流速度PEFRの測定結果を示し、図33(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図34(a)は、安静時換気量MVの測定結果を示し、図34(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図35(a)は、1回換気量TVの測定結果を示し、図35(b)は、スパイロメータとの相関を示す。図36(a)は、波形のピーク間RRの測定結果を示し、図36(b)は、スパイロメータとの相関を示す。
以上の測定結果から、呼吸器疾患患者に対しても、本実施の形態の測定システムにより各種の呼吸機能測定が実施可能であることが示される。また、各被験者に対して複数回の測定を行い、再現性の高い測定結果が得られることを確認した。
図37は、ある呼吸器疾患患者の努力性呼出曲線を測定したときの感知部110の内圧の時間変化を示す。図中、実線は胸式呼吸測定ユニット100aにより測定された胸部データを、細実線は腹式呼吸測定ユニット100bにより測定された腹部データを、太実線はそれぞれの和である呼吸波形データを示す。最大限まで吸気させた後、強制呼出する瞬間に、内圧が急激に上昇していることが分かる。この急激な内圧の上昇は、努力性呼出曲線の測定時に観測されること、主に喘息患者にみられ気管支拡張症の患者にはほとんどみられないこと、強制呼出の瞬間に急激に上昇すること、などから、気道の狭窄が原因と考えられる。すなわち、吸気した後、一気に呼出しようとしたときに、気道の狭窄部分で気流が制限されたため、または、呼吸筋が健常者とは異なる動作をしたために、感知部110の内圧が上昇したものと考えられる。
図38は、ある呼吸器疾患患者を被験者として測定したフローボリューム曲線を示す。図17に示した健常者のフローボリューム曲線と異なり、正方向に大きなピークが認められる。これは、上述した強制呼出時の内圧上昇を反映していると考えられる。
図39は、強制呼出時の内圧上昇値と最大呼気流速度PEFRとの関係を示す図である。呼吸器疾患患者を被験者とした努力性呼出曲線の測定の際に観測された、強制呼出時の内圧上昇値は、最大呼気流速度PEFRと負の相関を示し、圧力の上昇が気道の狭窄または閉塞の度合いを反映している事が示唆される。以上の測定結果から、本システムが気道の狭窄または閉塞の状況を診断するために有効であることが示される。
図40は、実施形態に係る解析サーバ400と解析サーバ400にアクセスする端末500の構成を示す。解析サーバ400は、病院などにおかれた端末500からインターネット600を介して解析依頼を受け、受信した測定データをもとに呼吸機能データベース350に照会し、解析結果を端末500へ送信する。本実施形態では、ネットワークの例としてインターネット600をあげたが、携帯電話網、公衆網など、有線または無線のネットワークであってもよい。
解析サーバ400は、インターネット600を介して端末500と通信するための通信部410、ネットワークを介したデータベースの参照要求を受け付ける受付部430、データベースを参照するユーザを認証する認証部440、測定データ取得部310、解析部320、呼吸機能データベース350、および医学的所見などの解析結果を端末500に送信するための送信部420を含む。解析サーバ400の構成のうち、図1に示した構成と同等の機能を有するものには同一の符号を付している。
解析サーバ400は、まず、受付部430によりインターネット600を介したデータベースの参照要求を受け付けると、認証部440によりそのユーザがデータベースの参照を許可されたユーザであるか否かを認証する。認証されると、図1に示した解析ユニット300と同様に、測定データ取得部310にて胸部データおよび腹部データを取得し、波形生成部322にて呼吸波形データを生成し、波形特性抽出部330にて胸部データ、腹部データおよび呼吸波形データの波形形状の特徴を抽出し、気道状況判断部331にて気道の狭窄状態を判断し、データベース照会部332にて呼吸機能データベース350を照会して医学的所見を取得する。医学的所見は送信部420からインターネット600を介してユーザへ送信される。データベースを参照したユーザに対して課金する課金部をさらに設けてもよい。
図40に示した解析サーバ400は、主に呼吸機能データベース350を管理して、その照会サービスを提供するものであり、肺気量分画算出部324などの構成が省略されているが、もちろんこれらの構成を有していてもよい。肺気量分画算出部324などの構成を端末500側に設けていてもよい。このとき、測定データ取得部310は、肺気量分画などの呼吸機能指標を端末500から取得してもよい。
端末500は、測定装置50が測定したデータを解析サーバ400へ送信する測定データ送信部520、解析サーバ400とインターネット600を介して通信するための通信部510、解析サーバ400から解析結果を取得する解析結果取得部530、解析結果を表示装置へ表示するための表示部340を含む。
このように、図1における解析ユニット300と同等の機能をサーバとして提供することで、より多くのユーザに呼吸機能を解析するサービスを提供することができる。また、呼吸機能データベース350を各端末500におかず解析サーバ400にて一元管理することで、データベースの更新や修正などのメンテナンスを容易にすることができる。
図41(a)(b)(c)(d)(e)は、実施の形態に係るリハビリテーション補助装置の使用例を示す。リハビリテーション補助装置は、図1に示した測定装置50と同様の構成であり、測定ユニット100を加圧ユニットとして、感知部110を加圧部として用いている。
図41(a)は、加圧ユニット100により被験者の肺の上葉をスクイーズする様子を示す。このとき、加圧部110が第4肋骨より上部の位置するように固定し、加圧ポンプにより所定の圧力になるまで加圧部110内部に気体を導入して排痰部位を圧迫する。図41(b)および図41(c)は、加圧ユニット100により被験者の肺の中葉をスクイーズする様子を示す。図41(b)では右側を、図41(c)では左側をスクイーズしている。図41(d)は、加圧ユニット100により被験者の肺の下葉をスクイーズする様子を示す。図41(e)は、加圧ユニット100により被験者の肺の後肺底区をスクイーズする様子を示す。適切な位置をスクイーズするために、必要に応じて、加圧ユニット100を複数装着してもよいし、加圧ユニット100に加圧部110を複数設けてもよい。
図42は、実施の形態に係るリハビリテーション補助方法の手順を示す。まず、図41に示したように加圧ユニット100を被験者に装着する(S300)。つづいて、加圧部110内部に気体を導入して排痰部位を圧迫してスクイーズする(S302)。このとき、同時に、加圧部110内部の気圧の変化から被験者の呼吸状態を測定する(S304)。被験者の呼吸状態を観察しながら加圧部110内部の圧力が適切か否かを評価し、必要であれば加圧値を変更する(S306)。リハビリテーションが終了するまではS308のNへ進み、リハビリテーションステップが実行される。リハビリテーションが終了すると(S308のY)、被験者の呼吸状態を測定するために、加圧部110内部の気圧が適切な初期圧力に設定される(S310)。つづいて、呼吸機能測定が実施され(S312)、リハビリテーションの効果が評価される(S314)。
このように、本実施形態のリハビリテーション補助装置は、測定装置としての機能をあわせ持っているので、リハビリテーションの実施中および実施後に呼吸機能を測定して、リハビリテーションの効果を評価することができる。上記の説明では、理学療法としてスクイージングを例にとって説明したが、その他の手法をとる場合も同様にリハビリテーションと呼吸機能測定を行うことができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せに、さらにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明は呼吸機能を測定する測定システム、装置、方法、その測定結果を解析する解析装置、解析プログラム、解析サーバ、およびその測定システムを利用したリハビリテーション補助装置、方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
図1は、実施の形態に係る測定システムの構成を示す図である。
図2(a)(b)は、測定ユニットの外観を概略的に示す図である。
図3は、測定ユニットを被験者に装着した様子を示す図である。
図4(a)(b)(c)は、測定ユニットを装着した部分の断面を示す図である。
図5は、固定部の他の例を示す図である。
図6は、制御ユニットの外観を概略的に示す図である。
図7は、本実施形態の測定システムを用いて呼吸機能を測定する手順を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態の測定システムを用いて呼吸機能を解析する手順を示すフローチャートである。
図9は、本実施形態の測定システムにより呼吸機能検査を実施した被験者の個人情報を示す図である。
図10は、本実施形態の測定システムにより健常者を被験者として肺気量分画を測定したときの感知部の内圧の時間変化を示す図である。
図11(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした肺活量の測定結果を示す図である。
図12(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした予備呼気量の測定結果を示す図である。
図13(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした予備吸気量の測定結果を示す図である。
図14(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした最大吸気量の測定結果を示す図である。
図15(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした1回換気量の測定結果を示す図である。
図16は、本実施形態の測定システムにより健常者を被験者として努力性呼出曲線を測定したときの感知部の内圧の時間変化を示す図である。
図17(a)(b)(c)は、本実施形態の測定システムにより健常者を被験者として測定されたフローボリューム曲線を示す図である。
図18(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした努力性肺活量の測定結果を示す図である。
図19(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした1秒量の測定結果を示す図である。
図20(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした最大呼気流速度の測定結果を示す図である。
図21は、本実施形態の測定システムにより健常者を被験者として安静時換気量を測定したときの感知部の内圧の時間変化を示す図である。
図22(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした安静時換気量の測定結果を示す図である。
図23(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした1回換気量の測定結果を示す図である。
図24(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる健常者を被験者とした波形のピーク間の測定結果を示す図である。
図25は、本実施形態の測定システムにより健常者を被験者として安静時換気量を測定したときの胸部データと腹部データとの関係を示す図である。
図26は、本実施形態の測定システムにより健常者を被験者として努力性呼出曲線を測定したときの胸部データと腹部データとの関係を示す図である。
図27(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした肺活量の測定結果を示す図である。
図28(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした予備呼気量の測定結果を示す図である。
図29(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした予備吸気量の測定結果を示す図である。
図30(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした最大吸気量の測定結果を示す図である。
図31(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした1回換気量の測定結果を示す図である。
図32(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした努力性肺活量の測定結果を示す図である。
図33(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした最大呼気流速度の測定結果を示す図である。
図34(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした安静時換気量の測定結果を示す図である。
図35(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした1回換気量の測定結果を示す図である。
図36(a)(b)は、本実施形態の測定システムおよびスパイロメータによる呼吸器疾患患者を被験者とした波形のピーク間の測定結果を示す図である。
図37は、本実施形態の測定システムにより呼吸器疾患患者を被験者として努力性呼出曲線を測定したときの感知部の内圧の時間変化を示す図である。
図38は、本実施形態の測定システムにより呼吸器疾患患者を被験者として測定されたフローボリューム曲線を示す図である。
図39は、強制呼出時の感知部の内圧上昇値と最大呼気流速度との関係を示す図である。
図40は、実施形態に係る解析サーバと、解析サーバにアクセスする端末の構成を示す図である。
図41(a)(b)(c)(d)(e)は、実施の形態に係るリハビリテーション補助装置の使用例を示す図である。
図42は、実施の形態に係るリハビリテーション補助方法の手順を示すフローチャートである。

Claims (75)

  1. 呼吸機能を測定する測定システムであって、
    呼吸動作に伴う被験者の第1の測定部位の体積変化を検知するための第1の測定ユニットと、
    呼吸動作に伴う被験者の第2の測定部位の体積変化を検知するための第2の測定ユニットと、
    前記第1の測定ユニットおよび前記第2の測定ユニットからの出力を取得する制御ユニットと、
    前記制御ユニットが取得した出力を解析する解析ユニットと、
    を含み、
    前記第1の測定ユニットおよび前記第2の測定ユニットは、
    測定部位の体積変化を感知するための感知部と、
    前記感知部を前記測定部位に配置させるための固定部と、
    をそれぞれ含み、
    前記固定部は、前記感知部を前記測定部位に押さえつけるように固定可能であることを特徴とする測定システム。
  2. 前記第1の測定部位は胸郭付近であり、前記第1の測定ユニットは胸式呼吸による胸郭付近の体積変化を検知し、
    前記第2の測定部位は横隔膜付近であり、前記第2の測定ユニットは腹式呼吸による横隔膜付近の体積変化を検知することを特徴とする請求の範囲1に記載の測定システム。
  3. 前記感知部は、前記測定部位の体積変化を、前記固定部および前記測定部位から与えられる圧力の変化から感知することを特徴とする請求の範囲1または2に記載の測定システム。
  4. 前記感知部は袋状の形状を有し、
    前記固定部は帯状の形状を有し、
    前記固定部を前記被験者の胴体の周囲に巻き付けるようにして、前記感知部を前記測定部位に押さえつけることを特徴とする請求の範囲1から3のいずれかに記載の測定システム。
  5. 前記感知部は内部に空洞を有し、
    当該測定システムは、前記空洞内の気圧を測定するための圧力センサをさらに含み、
    前記空洞内の気圧の変化から前記測定部位の体積変化を感知することを特徴とする請求の範囲3または4に記載の測定システム。
  6. 前記空洞内に気体を送り込むためのポンプをさらに含むことを特徴とする請求の範囲5に記載の測定システム。
  7. 呼吸機能の測定前に、前記空洞内に気体を送り込んで所定の初期圧力に調整するための初期圧力調整部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲5または6に記載の測定システム。
  8. 前記初期圧力調整部は、前記体積変化と前記空洞内の気圧の変化との比が略一定となる範囲内に前記初期圧力を調整することを特徴とする請求の範囲7に記載の測定システム。
  9. 前記初期圧力調整部は、前記体積変化と前記空洞内の気圧の変化との比が線形に推移する範囲内に前記初期圧力を調整することを特徴とする請求の範囲7に記載の測定システム。
  10. 前記初期圧力調整部は、前記被験者の複数回の測定について、前記初期圧力を略一定に調整することを特徴とする請求の範囲7に記載の測定システム。
  11. 前記初期圧力調整部は、複数の前記被験者の測定について、前記初期圧力を略一定に調整することを特徴とする請求の範囲7または10に記載の測定システム。
  12. 測定すべきデータの種類に応じて、適切な呼吸動作を被験者に対して指示する指示部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲1から11のいずれかに記載の測定システム。
  13. 測定条件に関する情報の入力を受け付ける条件入力部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲1から12のいずれかに記載の測定システム。
  14. 前記測定条件に基づいて、前記初期圧力調整部または前記指示部を制御する測定制御部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲13に記載の測定システム。
  15. 前記測定制御部は、前記測定条件に基づいて前記初期圧力調整部が調整する前記初期圧力を決定することを特徴とする請求の範囲14に記載の測定システム。
  16. 前記測定制御部は、前記測定条件に基づいて前記指示部が指示する内容を決定することを特徴とする請求の範囲14または15に記載の測定システム。
  17. 前記第1の測定ユニットが検知した胸郭付近の体積変化と、前記第2の測定ユニットが検知した横隔膜付近の体積変化とから、被験者の呼吸状態を示す呼吸波形データを生成するための波形生成部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲1から16のいずれかに記載の測定システム。
  18. 前記波形生成部は、前記胸郭付近の体積変化と、前記横隔膜付近の体積変化とを、所定比により重み付けして前記呼吸波形データを生成することを特徴とする請求の範囲17に記載の測定システム。
  19. 前記胸郭付近の体積変化、前記横隔膜付近の体積変化、および前記呼吸波形データのうち少なくとも1つに基づいて、肺気量分画、努力性呼出曲線、努力性肺活量、1秒量、1秒率、最大中間呼気流量、最大換気量、フローボリューム曲線、最大呼気流速度、および腹部寄与率のうち少なくとも1つの呼吸機能指標を算出するための算出部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲18に記載の測定システム。
  20. 前記算出部は、前記胸郭付近の体積変化、前記横隔膜付近の体積変化、および前記呼吸波形データのうち少なくとも1つを呼吸時の気量に換算して前記呼吸機能指標を算出することを特徴とする請求の範囲19に記載の測定システム。
  21. 前記胸郭付近の体積変化、前記横隔膜付近の体積変化、および前記呼吸波形データのうち少なくとも1つの波形形状の特徴を抽出する波形特性抽出部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲17から20のいずれかに記載の測定システム。
  22. 前記呼吸波形データ、前記努力性呼出曲線、または前記フローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する気道状況判断部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲19から21のいずれかに記載の測定システム。
  23. 前記気道状況判断部は、前記呼吸波形データ、前記努力性呼出曲線、または前記フローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに前記空洞内の気圧が増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断することを特徴とする請求の範囲22に記載の測定システム。
  24. 前記気道状況判断部は、前記気圧の増加状況に基づいて、前記気道の狭窄または閉塞の程度を判断することを特徴とする請求の範囲23に記載の測定システム。
  25. 前記呼吸波形データの波形形状の特徴、前記胸郭付近の体積変化の波形形状の特徴、前記横隔膜付近の体積変化の波形形状の特徴、前記胸郭付近の体積変化と前記横隔膜付近の体積変化との間の波形形状の差異、前記呼吸機能指標、および前記被験者の個人データのうち少なくとも1つと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースをさらに含むことを特徴とする請求の範囲1から24のいずれかに記載の測定システム。
  26. 前記データベースを参照して前記被験者に対する前記医学的所見を取得するデータベース照会部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲25に記載の測定システム。
  27. 前記医学的所見を表示する表示部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲26に記載の測定システム。
  28. 呼吸機能を測定するための測定装置であって、
    呼吸動作に伴う被験者の測定部位の体積変化を感知するための感知部と、
    前記感知部を前記測定部位付近に配置するための固定部と、
    を有し、
    前記固定部は帯状の形状を有し、前記感知部を前記測定部位に対して押さえつけるように固定することが可能であり、
    前記感知部は、前記測定部位の体積変化を、前記固定部および前記測定部位から与えられる圧力の変化から感知する
    ことを特徴とする測定装置。
  29. 呼吸機能を測定するための測定装置であって、
    呼吸動作に伴う被験者の胸郭付近の体積変化を検知するための第1の測定ユニットと、
    呼吸動作に伴う被験者の横隔膜付近の体積変化を検知するための第2の測定ユニットと、
    を備え、
    前記第1の測定ユニットおよび前記第2の測定ユニットは、
    測定部位の体積変化を感知するための感知部と、
    前記感知部を前記測定部位付近に配置するための固定部と、
    をそれぞれ有し、
    前記固定部は帯状の形状を有し、前記感知部を前記測定部位に対して押さえつけるように固定することが可能であり、
    前記感知部は、前記測定部位の体積変化を、前記固定部および前記測定部位から与えられる圧力の変化から感知する、
    ことを特徴とする測定装置。
  30. 前記感知部は、内部に空洞を有し、前記空洞内の気圧を測定するための圧力センサへ前記空洞内の気体を送るための第1の接続部を含むことを特徴とする請求の範囲28または29に記載の測定装置。
  31. 前記感知部は、前記空洞内に気体を送り込むためのポンプに接続するための第2の接続部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲30に記載の測定装置。
  32. 前記圧力センサおよび前記ポンプを含む制御ユニットをさらに備えたことを特徴とする請求の範囲31に記載の測定装置。
  33. 前記制御ユニットは、前記圧力センサが測定した前記空洞内の気圧を記録する記録部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲32に記載の測定装置。
  34. 前記記録部は、外部記録媒体に、前記空洞内の気圧または前記気圧を前記体積もしくは呼吸の気量に換算したデータを記録することを特徴とする請求の範囲33に記載の測定装置。
  35. 前記制御ユニットは、前記圧力センサが測定した前記空洞内の気圧を、呼吸機能を解析するための解析装置へ転送する転送部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲33に記載の測定装置。
  36. 前記制御ユニットは、呼吸機能の測定前に、前記空洞内に気体を送り込んで所定の初期圧力に調整するための初期圧力調整部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲32から35のいずれかに記載の測定装置。
  37. 前記初期圧力調整部は、前記体積変化と前記空洞内の気圧の変化との比が略一定となる範囲内に前記初期圧力を調整することを特徴とする請求の範囲36に記載の測定装置。
  38. 前記初期圧力調整部は、前記体積変化と前記空洞内の気圧の変化との比が線形に推移する範囲内に前記初期圧力を調整することを特徴とする請求の範囲36に記載の測定装置。
  39. 前記初期圧力調整部は、前記被験者の複数回の測定について、前記初期圧力を略一定に調整することを特徴とする請求の範囲36に記載の測定装置。
  40. 前記初期圧力調整部は、複数の前記被験者の測定について、前記初期圧力を略一定に調整することを特徴とする請求の範囲36または39に記載の測定装置。
  41. 被験者の呼吸機能を解析する解析装置であって、
    被験者の呼吸機能測定データを取得する測定データ取得部と、
    肺気量分画、努力性呼出曲線、努力性肺活量、1秒量、1秒率、最大中間呼気流量、最大換気量、フローボリューム曲線、最大呼気流速度、および腹部寄与率のうち少なくとも1つの呼吸機能指標を算出する算出部と、
    を備えたことを特徴とする解析装置。
  42. 前記呼吸機能測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化の測定により得られた腹部データとを含み、
    当該解析装置は、前記胸部データおよび前記腹部データから、前記被験者の呼吸状態を示す呼吸波形データを生成する波形生成部をさらに備えたことを特徴とする請求の範囲41に記載の解析装置。
  43. 前記波形生成部は、前記胸郭付近の胸部データと、前記腹部データとを、所定比により重み付けして前記呼吸波形データを生成することを特徴とする請求の範囲42に記載の解析装置。
  44. 前記胸郭付近の体積変化、前記横隔膜付近の体積変化、および前記呼吸波形データのうち少なくとも1つの波形形状の特徴を抽出する波形特性抽出部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲42または43に記載の解析装置。
  45. 前記呼吸波形データ、前記努力性呼出曲線、または前記フローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する気道状況判断部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲41から44のいずれかに記載の解析装置。
  46. 前記気道状況判断部は、前記呼吸波形データ、前記努力性呼出曲線、または前記フローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに被験者の前記胸部データまたは前記腹部データが増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断することを特徴とする請求の範囲45に記載の解析装置。
  47. 前記気道状況判断部は、前記胸部データまたは前記腹部データの増加状況に基づいて、前記気道の狭窄または閉塞の程度を判断することを特徴とする請求の範囲46に記載の解析装置。
  48. 前記呼吸波形データの波形形状の特徴、前記胸郭付近の体積変化の波形形状の特徴、前記横隔膜付近の体積変化の波形形状の特徴、前記胸郭付近の体積変化と前記横隔膜付近の体積変化との間の波形形状の差異、前記呼吸機能指標、および前記被験者の個人データのうち少なくとも1つと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースを参照して前記医学的所見を取得するデータベース照会部をさらに含むことを特徴とする請求の範囲44から47のいずれかに記載の解析装置。
  49. 被験者の呼吸機能測定データを取得する機能と、
    肺気量分画、努力性呼出曲線、努力性肺活量、1秒量、1秒率、最大中間呼気流量、最大換気量、フローボリューム曲線、最大呼気流速度、および腹部寄与率のうち少なくとも1つの呼吸機能指標を算出する機能と、
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  50. 前記呼吸機能測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化の測定により得られた腹部データとを含み、
    前記胸部データおよび前記腹部データから、前記被験者の呼吸状態を示す呼吸波形データを生成する機能をさらにコンピュータに実現させることを特徴とする請求の範囲49に記載のプログラム。
  51. 前記胸郭付近の胸部データと、前記腹部データとを、所定比により重み付けして前記呼吸波形データを生成する機能をさらにコンピュータに実現させることを特徴とする請求の範囲50に記載のプログラム。
  52. 前記胸郭付近の体積変化、前記横隔膜付近の体積変化、および前記呼吸波形データのうち少なくとも1つの波形形状の特徴を抽出する機能をさらにコンピュータに実現させることを特徴とする請求の範囲50または51に記載のプログラム。
  53. 前記呼吸波形データ、前記努力性呼出曲線、または前記フローボリューム曲線を参照して、気道の狭窄または閉塞の状況を判断する機能をさらにコンピュータに実現させることを特徴とする請求の範囲49から52のいずれかに記載のプログラム。
  54. 前記呼吸波形データ、前記努力性呼出曲線、または前記フローボリューム曲線が、被験者が呼出を開始したときに被験者の前記胸部データまたは前記腹部データが増加したことを示す波形であった場合に、その被験者の気道が狭窄または閉塞していると判断することを特徴とする請求の範囲53に記載のプログラム。
  55. 前記胸部データまたは前記腹部データの増加状況に基づいて、前記気道の狭窄または閉塞の程度を判断することを特徴とする請求の範囲54に記載のプログラム。
  56. 前記呼吸波形データの波形形状の特徴、前記胸郭付近の体積変化の波形形状の特徴、前記横隔膜付近の体積変化の波形形状の特徴、前記胸郭付近の体積変化と前記横隔膜付近の体積変化との間の波形形状の差異、前記呼吸機能指標、および前記被験者の個人データのうち少なくとも1つと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースを参照して前記医学的所見を取得する機能をさらにコンピュータに実現させることを特徴とする請求の範囲52から55のいずれかに記載のプログラム。
  57. 被験者の呼吸機能を解析するための解析サーバであって、
    呼吸機能測定データと医学的所見とを対応づけて格納したデータベースと、
    ネットワークを介した前記データベースの参照要求を受け付ける受付部と、
    前記被験者の前記呼吸機能測定データを取得する測定データ取得部と、
    前記呼吸機能測定データに基づいて前記データベースを参照し、前記医学的所見を取得するデータベース照会部と、
    前記ネットワークを介して前記医学的所見を送信する送信部と、
    を備えたことを特徴とする解析サーバ。
  58. 前記呼吸機能測定データは、胸郭付近の体積変化の測定により得られた胸部データと、横隔膜付近の体積変化を測定により得られた腹部データとを含むことを特徴とする請求の範囲57に記載の解析サーバ。
  59. 前記呼吸機能測定データは、前記胸部データと前記腹部データとを用いて生成された呼吸波形データであることを特徴とする請求の範囲58に記載の解析サーバ。
  60. 前記呼吸波形データは、前記胸部データと前記腹部データとを所定比により重み付けして生成されたことを特徴とする請求の範囲59に記載の解析サーバ。
  61. 呼吸機能のリハビリテーションを補助するリハビリテーション補助装置であって、
    被験者の胴体を圧迫するための加圧部と、
    前記加圧部を前記被験者の胴体に配置させるための固定部と、
    を含む加圧ユニットを備え、
    前記固定部は帯状の形状を有し、前記加圧部を前記胴体に対して押さえつけるように固定することが可能であり、
    前記加圧部は袋状の形状を有し、その内部に気体を導入して前記加圧部の体積を増加させることにより前記胴体を圧迫する
    ことを特徴とするリハビリテーション補助装置。
  62. 前記加圧部は、前記被験者の排痰部位を圧迫するように固定されることを特徴とする請求の範囲61に記載のリハビリテーション補助装置。
  63. 前記加圧ユニットは、複数の前記加圧部を有し、
    当該リハビリテーション補助装置は、前記加圧部が前記排痰部位をスクイーズするように、前記加圧部の内部の気体の量を制御する制御ユニットをさらに備えることを特徴とする請求の範囲62に記載のリハビリテーション補助装置。
  64. 前記加圧ユニットを複数備え、
    少なくとも前記被験者の胸郭付近および横隔膜付近に前記加圧ユニットを配したことを特徴とする請求の範囲61から63のいずれかに記載のリハビリテーション補助装置。
  65. 前記加圧部の内部の気圧を測定する圧力センサをさらに備え、
    前記圧力センサが測定した前記気圧の変化から前記胸郭または横隔膜付近の体積変化を感知し、前記被験者の呼吸状態を測定することを特徴とする請求の範囲61から64のいずれかに記載のリハビリテーション補助装置。
  66. 呼吸機能を測定する方法であって、
    呼吸動作に伴う被験者の第1の測定部位の体積変化を検知するための第1の感知部と、前記第1の感知部を前記第1の測定部位に配置させるための第1の固定部とを有する第1の測定ユニットを、前記第1の固定部が前記第1の感知部を前記第1の固定部と前記第1の測定部位との間に挟み込むように固定するステップと、
    呼吸動作に伴う被験者の第2の測定部位の体積変化を検知するための第2の感知部と、前記第2の感知部を前記第2の測定部位に配置させるための第2の固定部とを有する第2の測定ユニットを、前記第2の固定部が前記第2の感知部を前記第2の固定部と前記第2の測定部位との間に挟み込むように固定するステップと、
    前記第1の感知部が感知した前記第1の測定部位の体積変化と、前記第2の感知部が感知した前記第2の測定部位の体積変化とを同時に測定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  67. 前記第1の測定部位は胸郭付近であり、前記第2の測定部位は横隔膜付近であることを特徴とする請求の範囲66に記載の方法。
  68. 前記第1の固定部および前記第2の固定部は帯状の形状を有し、
    前記第1の感知部および前記第2の感知部は袋状の形状を有し、
    前記固定するステップは、前記第1の固定部および前記第2の固定部を前記被験者の胴体の周囲に巻き付けるように固定し、
    前記測定するステップは、前記第1の感知部および前記第2の感知部の内部の気圧を検知することにより、前記体積変化を測定することを特徴とする請求の範囲66または67に記載の方法。
  69. 前記固定するステップと前記測定するステップの間に、前記感知部の内部に気体を導入して所定の初期圧力に調整するステップをさらに含み、
    前記測定するステップは、前記調整するステップにおいて前記感知部の内部に導入された気体の量を保持したまま測定することを特徴とする請求の範囲68に記載の方法。
  70. 呼吸機能のリハビリテーションを補助する方法であって、
    被験者の胴体を圧迫するための加圧部と、前記加圧部を前記胴体に配置させるための固定部とを備えた加圧ユニットを前記被験者に装着するステップと、
    前記加圧部により前記被験者の胴体を圧迫するステップと、
    前記被験者に圧迫下において呼吸動作を行わせるリハビリテーションステップと、
    前記リハビリテーションステップ中、前記加圧部に与えられる圧力を検知することにより、前記被験者の呼吸状態を測定する第1の測定ステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  71. 前記固定部は帯状の形状を有し、
    前記加圧部は袋状の形状を有し、
    前記装着するステップは、前記加圧部を前記固定部と前記被験者の胴体との間に挟み込むように固定し、
    前記圧迫するステップは、前記加圧部の内部に気体を導入して前記加圧部の体積を増加させることにより前記胴体を圧迫する
    ことを特徴とする請求の範囲70に記載の方法。
  72. 前記装着するステップは、前記加圧部が前記被験者の排痰部位を圧迫するように前記加圧ユニットを装着し、
    前記圧迫するステップは、前記加圧部の内部の気圧を調整して前記排痰部位をスクイーズすることを特徴とする請求の範囲71に記載の方法。
  73. 前記リハビリテーションステップにつづいて、
    前記加圧部の内部の気圧を所定の圧力に調整するステップと、
    前記加圧部の内部の気圧を検知することにより、リハビリテーション実施後の前記被験者の呼吸状態を測定する第2の測定ステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求の範囲70から72のいずれかに記載の方法。
  74. 前記第1の測定ステップにより測定された前記被験者の呼吸状態に基づいて、前記リハビリテーションステップにおける前記胴体に対する圧迫の適切な加圧値を評価するステップをさらに含むことを特徴とする請求の範囲70から73のいずれかに記載の方法。
  75. 前記第2の測定ステップにより測定された前記被験者の呼吸状態に基づいて、前記リハビリテーションステップの効果を評価するステップをさらに含むことを特徴とする請求の範囲73または74に記載の方法。
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