JPWO2002058880A1 - 摩擦接合方法および摩擦接合体 - Google Patents
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Abstract
板材(1,2)の対向面側に合わせ面(1A,2A)と開先面(1B,2B)とを形成し、両者の合わせ面(1A,2A)を互いに突き合わせた状態で、板材(1,2)を固定する。この状態で肉盛り材(4)を開先部(3)に押付けつつ高速で回転させ、両者の摩擦接触面側に高温の摩擦熱を発生させながら、板材(1,2)の合わせ面(1A,2A)に沿って肉盛り材(4)を移動させる。塑性流動化した肉盛り材(4)の下端側は、その一部が板材(1,2)の開先部(3)表面側に取り残されて付着することにより、開先部(3)の表面側で接合部(5)の肉盛りを大きくし、板材(1,2)間の接合強度を高めることができる。
Description
技術分野
本発明は、例えば平板材等の2つの部材間を摩擦熱により接合するようにした摩擦接合方法および摩擦接合体に関する。
背景技術
一般に、2つの金属部材間を接合する場合には、アーク(電弧)、レーザ、電子ビーム等の熱源を用いて接合対象の部材を加熱、溶融させ、溶融金属の再凝固によって接合する方法が広く採用されている。
しかし、このような金属の溶融、再凝固を利用した接合方法では、金属部材を溶融温度まで加熱するために大きなエネルギを投入する必要があり、設備の大型化が避けられない。また、金属部材を加熱、溶融した段階で部材の一部は蒸発して周囲に飛散することがあり、このような蒸発金属の影響で作業環境が悪化し、人体への悪影響を引き起こす。
一方、前述の如く金属部材を溶融させることなく、摩擦熱を利用して2つの部材(板材)を接合する摩擦接合方法として、英国特許第572,789号明細書に記載されたものが知られている。
そこで、この英国特許明細書に記載された従来技術による摩擦接合方法を、図16ないし図18を参照して説明する。
図中、101,102は接合対象の部材となる板材で、これらの板材101,102は、例えば鋼板等の金属板により板厚Tの平板状に形成され、その対向端側には略V字状に拡開する開先部103が設けられている。
この場合に、開先部103は、板材101,102の対向端側を一定の角度で斜めに切断することにより形成された傾斜面101A,102Aからなっている。従って、傾斜面101A,102Aの先端は、互いに線接触する鋭角状のエッジ端101B,102Bを形成している。そして、板材101,102は、エッジ端101B,102Bを線接触により互いに突合わせた状態で後述の肉盛り材104により摩擦接合されるものである。
104は板材101,102間を摩擦接合するための肉盛り材で、この肉盛り材104は円柱状の金属棒等からなり、その下端側端面は板材101,102間の開先部103内に向けて図16中の矢示A方向に加圧されている。そして、肉盛り材104は、下端側端面を板材101,102の傾斜面101A,102Aに押付けた状態で、図16中の矢示B方向に高速で回転されることにより板材101,102との間で摩擦熱を発生させる。
これにより、肉盛り材104の下端側は摩擦熱で塑性流動化し、このときに板材101,102の傾斜面101A,102A側でも肉盛り材104との摩擦接触部が塑性流動化する。次に、この状態で肉盛り材104を図16中の矢示C方向に移動させる。この結果、塑性流動化した肉盛り材104の下端側は、その一部が板材101,102の開先部103(傾斜面101A,102A)の表面側に取り残されて付着する。
そして、開先部103の表面側に生じた塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材104の一部は、加熱源となる肉盛り材104が遠ざかるにつれ、図17に例示するように肉盛り状の接合部105となって固形化し、この接合部105によって板材101,102間は一体に結合されるものである。
ところで、上述した従来技術では、図16に示すように開先部103の深さが、板材101,102の板厚Tと等しく、傾斜面101A,102Aの先端部は鋭角状のエッジ端101B,102Bとなっているため、下記のような問題が発生することがある。
即ち、肉盛り材104を板材101,102の傾斜面101A,102Aに押付けつつ高速で回転したときに、両者の摩擦熱によって生じる塑性流動化部分は、板材101,102のエッジ端101B,102B側で板材101,102の裏面側に押し出されることがある。このため、従来技術では、開先部103の表面側に対し、接合部105を大きく肉盛りするのが難しく、その接合強度が低下し易いという問題がある。
特に、鋭角状をなす板材101,102のエッジ端101B,102B側は、互いに線接触しているだけであるから、前記摩擦熱がエッジ端101B,102B側にこもって、このエッジ端101B,102Bの近傍が過度に塑性流動化(軟化)することがある。このため、過度に軟化したエッジ端101B,102B側は、肉盛り材104からの押付け力(図16中の矢示A方向)により板材101,102の裏面側へとはみ出すように変形し、図18に示すように接合部105の形状が悪化する虞れがある。
また、図18に示すように、接合部105が異常変形すると、板材101,102間には歪み等が生じ、両者の接合強度が低下するばかりでなく、板材101,102間に傾き等が残って商品価値が低下し、製品の歩留りが悪くなるという問題がある。
発明の開示
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、開先部の表面側で接合部の肉盛りを大きくすることができ、部材間の接合強度を高めることができると共に、製品の歩留りを向上できるようにした摩擦接合方法および摩擦接合体を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面を互いに突き合わせた状態で固定する固定工程と、前記2つの部材を固定したままの状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させる摩擦熱発生工程と、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を互いに接合する接合工程とからなる。
本発明による摩擦接合方法によれば、接合対象の2つの部材には、その対向面側に予め合わせ面を形成し、この合わせ面を互いに突き合わせた状態で接合作業を行うようにしている。この結果、2つの部材間には、従来技術の如く鋭角状をなすエッジ端が形成されることはなくなり、肉盛り材を押付けつつ相対移動させたときの摩擦熱が合わせ面側にこもるのを抑え、合わせ面側が過度に塑性流動化(軟化)するような事態も防止できる。
また、肉盛り材は、開先部の傾斜面に対しその中腹で摩擦接触しているので、当該肉盛り材は、接触面側が漸次塑性流動化するに伴って開先部の底部側へと深く入り込むように押圧され、相対移動を続けながら合わせ面に沿って移動される。これにより、2つの部材の傾斜面側でも肉盛り材との摩擦接触部が塑性流動化し、この塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材の一部は、加熱源となる肉盛り材が遠ざかるにつれ、肉盛り状の接合部となって固形化し、この接合部によって2つの部材間を一体に結合することができる。
そして、2つの部材間の突き合わせ面は、塑性流動により軟化した材料が部材の裏面側に流れ出すのを防止することができる。しかも、2つの部材の突合わせ面は、肉盛り材からの押付け力に対する2つの部材の剛性を確保し、接合部分の形状を安定させることができる。
一方、本発明による摩擦接合方法は、対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面間に隙間を介在させた状態で固定する固定工程と、前記2つの部材を固定したままの状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させる摩擦熱発生工程と、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部側に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を前記隙間を埋めて互いに接合する接合工程とからなる。
本発明による摩擦接合方法によれば、2つの部材の合わせ面間に隙間を介在させた状態で両部材間を摩擦接合することができる。そして、この場合でも2つの部材間に、従来技術で述べたように鋭角状のエッジ端が形成されることはなくなるので、肉盛り材を押付けつつ相対移動させたときの摩擦熱が合わせ面側にこもるのを抑えることができ、合わせ面側が過度に塑性流動化(軟化)するような事態も防止することができる。
また、本発明による摩擦接合体は、対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面を互いに突き合わせた状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を互いに接合する構成としている。
一方、本発明による摩擦接合体は、2つの部材は、合わせ面を互いに突き合わせた状態で、肉盛り材によって接合する構成としている。
さらに、本発明による摩擦接合体は、2つの部材は、合わせ面間に隙間を介在させた状態で、肉盛り材によって接合する構成としている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態による摩擦接合方法及び摩擦接合体を、図1ないし図15に従って詳細に説明する。まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。
図中、1,2は本実施の形態で採用した接合対象の部材となる板材で、これらの板材1,2は、例えば鋼板等の金属板により板厚Taの平板状に形成され、その対向端側には略V字状に拡開する開先部3が設けられている。
そして、板材1,2の対向面側には、高さ寸法Ta1の合わせ面1A,2Aと、一定の角度で斜め傾斜した傾斜面としての開先面1B,2Bとが形成されている。そして、該開先面1B,2B間には、開先部3の深さ寸法Ta2が、Ta2=Ta−Ta1の関係をもって形成されている。また、開先部3の幅寸法Wは、図4に示す如く後述する肉盛り材4の外径Dよりも大きい寸法に設定されている(W>A)。
ここで、開先部3は図3に示す如く、例えば60〜150度の開き角θをもって形成されている。また、前記合わせ面1A,2Aの高さ寸法Ta1は、板材1,2の板厚Taに対して、例えば1/10〜1/2程度の寸法、即ち、当該高さ寸法Ta1は、Ta/10≦Ta1≦Ta/2程度に設定される。そして、板材1,2は、合わせ面1A,2Aを互いに突合わせた状態で後述の肉盛り材4により摩擦接合されるものである。
4は板材1,2間を摩擦接合するための肉盛り材で、肉盛り材4は、板材1,2と同一の材料を用いて細長い円柱形状をなす棒状体として形成されている。そして、肉盛り材4は、図4に示す如くその外径Dは開先部3の幅寸法Wよりも小さく、D<Wなる関係となっている。そして、肉盛り材4は、後述の摩擦接合装置11を用いて、その下端側端面が板材1,2間の開先部3内に向けて図1中の矢示A方向に加圧され、この状態で相対移動すべく図1中の矢示B方向に高速で回転される。
これにより、肉盛り材4は、板材1,2の開先部3との間で摩擦熱を発生し、この摩擦熱によって両者の摩擦接触部には塑性流動が生じる。そして、この塑性流動化部分が徐々に固化することにより、図7に示す如き肉盛り状の接合部5が形成されるものである。
この場合、肉盛り材4の塑性流動化した下端側部分は、その一部が開先部3の表面側に肉盛り状の接合部5となって付着する。また、残りの塑性流動化部分は、図6に示すように、くさび状の凝固部分6となって肉盛り材4の下端側に残留することになる。
次に、図2を参照して本実施の形態で採用した摩擦接合装置11について説明するに、該摩擦接合装置11は、下側の脚部12と、該脚部12に対して上,下に昇降可能に設けられた昇降台13と、後述の電動モータ19およびチャック20等とにより構成されている。
14は昇降台13上に設けられた支持テーブル、15,15は支持テーブル14を昇降台13と共に上,下に駆動する加圧シリンダを示している。ここで、各加圧シリンダ15は、摩擦接合装置11の脚部12と昇降台13との間に配設され、例えば図2中の矢示A1方向に昇降台13を押動することにより、肉盛り材4を板材1,2に向けて相対的に矢示A方向に加圧するものである。
16は支持テーブル14上に摺動可能に設けられたスライド台で、このスライド台16はスライド装置17により図2中の矢示C方向に駆動される。そして、スライド台16上には、板材1,2が図1に示す如く合わせ面1A,2Aを突き合わせた状態でボルト(図示せず)等により強固に固定されるものである。
18は支持テーブル14の後側に位置して脚部12上に設けられたモータスタンド、19はモータスタンド18の上部側に設けられた回転源となる電動モータを示し、この電動モータ19は、肉盛り材4を把持するチャック20を矢示B方向に回転駆動する。これにより、肉盛り材4は、例えば1600〜3000rpm程度の速度で回転されるものである。
また、肉盛り材4を板材1,2に対して矢示A方向に押付ける加圧力は、例えば5〜90MPa程度に設定され、スライド台16により板材1,2を肉盛り材4に対し矢示C方向に移動させる送り速度は、例えば0.1〜6mm/秒程度に設定されるものである。
本実施の形態による摩擦接合装置11は、上述の如き構成を有するもので、次に、摩擦接合装置11による板材1,2間の接合方法について、図2ないし図6を参照して説明する。
まず、図3に示すように接合対象の板材1,2には、その対向面側に合わせ面1A,2Aと、一定の角度で斜め傾斜した開先面1B,2Bとを予め形成しておく。
そして、板材1,2を図2に示すスライド台16上に載置し、両者の合わせ面1A,2Aを互いに突き合わせた状態で、これらの板材1,2をスライド台16上にボルト等を用いて動かないように締結して固定する(固定工程)。
次に、板材1,2をスライド台16上に固定したままの状態で、図4に示すように肉盛り材4を開先部3内に挿入し、肉盛り材4の下端面を開先面1B,2Bの中腹部位に押付ける。
即ち、図2に示す摩擦接合装置11の加圧シリンダ15を駆動して支持テーブル14を昇降台13と共に矢示A1方向に押圧することにより、肉盛り材4を板材1,2に向けて相対的に矢示A方向に加圧するものである。そして、この状態で電動モータ19を駆動し、例えば1600〜3000rpm程度の回転数で肉盛り材4を高速で回転させる。
この結果、肉盛り材4の下端側は、図4に示す如く開先部3の開先面1B,2Bに対しその中腹部位で摩擦接触を続け、例えば800〜1200℃程度の摩擦熱が両者の接触面側に発生する(摩擦熱発生工程)。なお、このときの摩擦熱による発熱温度は、板材1,2の融点(例えば、1500℃程度)よりも低い温度に設定するものである。
そして、この摩擦熱により板材1,2の開先面1B,2Bと肉盛り材4との接触面側は、図5、図6に示すように漸次塑性流動化して軟化するようになる。また、肉盛り材4は、前記矢示A方向の加圧力により、接触面側が塑性流動化するに伴って開先部3の底部側へと深く入り込むように押圧される。
ここで、摩擦接触による発熱エネルギEnは、下記の(1)式の如く摩擦係数μ、定数K、肉盛り材4の矢示A方向における加圧力Fおよび移動距離Lの積として求められる。
En=μ×K×F×L ・・・(1)
そして、肉盛り材4が回転運動するとき、肉盛り材4の各部分の移動距離Lは、その外周側部分の方が内周側部分よりも大きくなる。
この結果、肉盛り材4の外周側が摩擦接触する開先面1B,2Bの中腹部分が発熱の起点となって、開先部3の表面側全体に摩擦熱が伝えられ、この中腹部分が摩擦接触による発熱の中心となる。
また、肉盛り材4は、外周側の方が発熱量が大きく、塑性流動化する体積が大きい。このため、肉盛り材4の外周側と開先面1B,2Bの中腹部分との間で発生した塑性流動化部分は、開先面1B,2Bの中腹から下方または上方へと拡がり、この塑性流動化部分が開先部3の底部側へと深く入り込むように供給される。
次に、この状態でスライド台16をスライド装置17により図2中の矢示C方向に駆動し始めると、肉盛り材4は、板材1,2の合わせ面1A,2Aに沿って図1中の矢示C方向に相対移動するようになる。そして、塑性流動化した肉盛り材4の下端側は、その一部が板材1,2の開先部3(開先面1B,2B)の表面側に取り残されて付着する。
そして、開先部3の表面側に生じた塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材4の一部は、加熱源となる肉盛り材4が遠ざかるにつれ、図6、図7に示すように肉盛り状の接合部5となって固形化し、この接合部5によって板材1,2間を一体に結合することができる(接合工程)。
この場合、肉盛り材4の塑性流動化した下端側部分は、その一部が開先部3の表面側に肉盛り状の接合部5となって付着し、残りの塑性流動化部分は、図6に示すように、くさび状の凝固部分6となって肉盛り材4の下端側に残留することになる。
そして、次なる摩擦接合作業を行うときに、肉盛り材4は前記凝固部分6側から再び漸次塑性流動化され、これによって、次なる接合対象の開先部側には肉盛り材4を用いた接合部が形成されるものである。
かくして、本実施の形態によれば、接合対象の板材1,2に対して、その対向面側に合わせ面1A,2Aと、一定の角度で斜め傾斜した開先面1B,2Bとを予め形成しておく。次に、板材1,2の合わせ面1A,2Aを互いに突き合わせる。この状態で、肉盛り材4を板材1,2の開先部3に押付けつつ高速で回転(相対移動)させるので、両者の摩擦接触面側に高温の摩擦熱を発生できる。
そして、この状態で肉盛り材4を回転させながら、板材1,2の合わせ面1A,2Aに沿って肉盛り材4を移動させるので、塑性流動化した肉盛り材4の下端側は、その一部が接合部5となって板材1,2の開先部3表面側に取り残されて付着する。また、開先部3の開先面1B,2B側でも、肉盛り材4との摩擦接触部を塑性流動化することができる。
この結果、開先部3側の塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材4の一部を、加熱源となる肉盛り材4が遠ざかるにつれて、肉盛り状の接合部5として固形化でき、この接合部5によって板材1,2間を開先部3の位置で一体に結合することができる。
また、接合対象の板材1,2は、合わせ面1A,2Aを互いに突き合わせた状態で接合作業を行うようにしているので、板材1,2間には従来技術の如く鋭角状をなすエッジ端が形成されることはない。従って、肉盛り材4を押付けつつ回転させたときの摩擦熱は、両者の合わせ面1A,2A側にこもることはなく、合わせ面1A,2A側での熱容量を増大できると共に、これらの合わせ面1A,2A側が過度に塑性流動化し軟化するような事態も防止することができる。
さらに、板材1,2間の突き合わせ面1A,2Aは、塑性流動により軟化した材料が板材1,2の裏面側に流れ出すのを防止できる。しかも、この突き合せ面1A,1Bは、肉盛り材4からの押付け力に対する板材1,2の剛性を確保できると共に、接合部5の形状を図7に示すように安定した接合形状とすることができる。
従って、本実施の形態によれば、板材1,2間に設けた開先部3の表面側で接合部5の肉盛り具合を大きくすることができ、板材1,2間の接合強度を確実に高めることができる。また、接合部5の形状を安定させることによって、摩擦接合を施した板材1,2等の商品価値を高め、製品の歩留りも向上することができる。
また、板材1,2間の開先部3は、図3に示す如く開先面1B,2B間の開き角θを、例えば60〜150度の範囲に設定することにより、接合部5の形状を安定させることができ、板材1,2間の接合強度を確実に高め得ることが実験によっても確認された。
即ち、図8に示す比較例のように、板材1′,2′間の開先部3′における開き角θ′を、例えば60度よりも小さい角度に設定すると、肉盛り材4′の下端側に塑性流動化が生じても、この塑性流動化部分が開先部3′の底部側まで深く達することはなく、接合部5′による未接合部分が開先部3′の底部側に発生する。
この理由としては、開先部3′の開き角θ′を小さくすれば、これによって発熱の中心となる開先部3′の中腹箇所から開先部3′の底部までの距離が大きくなるので、開先部3′の底部は比較的低い温度に留まる。このため、開先部3′の底部側には、接合部5′による未接合部分が発生するものと推測される。
また、図9に示す他の比較例のように、板材1′,2′間の開先部3′における開き角θ′を、例えば150度よりも大きい角度に設定した場合でも、接合部5′による未接合部分が開先部3′の底部側に発生することがある。
なお、肉盛り材4′の外径寸法を開先部3′の幅寸法に比較して十分に小さくすれば、開先部3′の開き角θ′を150度よりも大きい角度にしても、未接合部分が開先部3′の底部側に発生することはない。
そこで、本実施の形態では、図4に示すように肉盛り材4の外径Dを開先部3の開先幅Wよりも小さくし(D<W)、肉盛り材4の下端面を開先面1B,2Bの中腹部位に押付けて摩擦接合作業を行うようにしている。また、図3に示す如く開先部3の開き角θを、例えば60〜150度の範囲に設定している。これにより、前述の如く接合部5の形状を安定させ、板材1,2間の接合強度を確実に高めることができる。
次に、図10は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。然るに、本実施の形態の特徴は、接合対象の板材31,32に対して、その対向面側に合わせ面31A,32Aと、第1の開先面31B,32Bと、第2の開先面31C,32Cとを形成する構成としたことにある。
ここで、接合対象の板材31,32は、第1の実施の形態で述べた板材1,2とほぼ同様に構成されているものの、板材31,32間には略台形状をなす開先部33が開先面31B,32Bと開先面31C,32Cとによって形成されている。
具体的に述べると、開先部33を形成する開先面31B,32Bと開先面31C,32Cとは、互いに異なる角度で傾斜する構成としている。即ち、開先部33の内側に位置する開先面31B,32Bは、外側の開先面31C,32Cよりも合わせ面31A,32Aに対する傾斜角が大きく、例えば合わせ面31A,32Aに対してほぼ90度の角度に設定されている。一方、外側の開先面31C,32Cは、合わせ面31A,32Aに対して、例えば60度程度の傾斜角を有している。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、合わせ面31A,32Aを互いに突き合わせた状態で、肉盛り材4を板材31,32の開先部33に押付けつつ高速で回転させることにより、両者の摩擦接触面側に塑性流動を生じさせて接合部34を形成でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
そして、この場合には、開先部33に内側の開先面31B,32Bと外側の開先面31C,32Cとを設けることにより、発熱の中心となる開先面31C,32Cの中腹箇所から開先部33の底部までの距離を小さくできると共に、底部側の熱容量を大きくできる。この結果、開先部33の底部での温度低下を抑え、未接合部分を発生させることなく、開先部33の底部側に安定した形状の接合部34を形成することができる。
次に、図11は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。然るに、本実施の形態の特徴は、接合対象の板材41,42に対して、その対向面側に合わせ面41A,42Aと、凹湾曲状に傾斜した傾斜面としての開先面41B,42Bとを形成する構成としたことにある。
ここで、接合対象の板材41,42は、第1の実施の形態で述べた板材1,2とほぼ同様に構成されているものの、板材41,42間には略U形状をなす開先部43が開先面41B,42Bによって形成されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、合わせ面41A,42Aを互いに突き合わせた状態で、肉盛り材4を板材41,42の開先部43に押付けつつ高速で回転させる。これにより、両者の摩擦接触面側に塑性流動を生じさせて、接合部44を形成でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
そして、この場合には凹湾曲状に傾斜した開先面41B,42B間で開先部43を形成することにより、発熱の中心となる開先面41B,42Bの中腹箇所から開先部43の底部までの距離を小さくできると共に、底部側の熱容量を大きくできる。この結果、開先部43の底部での温度低下を抑え、未接合部分を発生させることなく開先部43の底部側に安定した形状の接合部44を形成することができる。
次に、図12ないし図15は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
然るに、本実施の形態の特徴は、接合対象の板材51,52に対して、その対向面側に合わせ面51A,52Aと、傾斜面としての開先面51B,52Bとを形成すると共に、合わせ面51A,52A間に隙間Sを介在させたままの状態で板材51,52間を摩擦接合する構成としたことにある。
ここで、接合対象の板材51,52、開先部53および肉盛り材54は、第1の実施の形態で述べた板材1,2、開先部3および肉盛り材4とほぼ同様に構成されている。しかし、本実施の形態では、板材51,52の合わせ面51A,52A間には、図12に示す如く隙間Sが形成されている点で、第1の実施の形態とは異なるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、肉盛り材54を板材51,52の開先部53に押付けつつ高速で回転させることにより、両者の摩擦接触面側に塑性流動を生じさせて、図15に示す如き接合部55を形成でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
即ち、本実施の形態にあっても、まず固定工程では、図12に示すように接合対象の板材51,52を互いに対向させた状態でボルト(図示せず)等を用いて固定する。しかし、この場合には両者の合わせ面51A,52A間に隙間Sを介在させ、この状態で板材51,52を図2に例示したスライド台16上に動かないように締結して固定するものである。
次に、板材51,52を互い固定したままの状態で、図12、図13に示すように肉盛り材54を開先部53内に挿入し、肉盛り材54の下端面を開先面51B,52Bの中腹部位に矢示A方向で押付ける。そして、この状態で肉盛り材54を矢示B方向に高速で回転させ、例えば800〜1200℃程度の摩擦熱を両者の接触面側に発生させる(摩擦熱発生工程)。
そして、この摩擦熱により板材51,52の開先面51B,52Bと肉盛り材54との接触面側は、図13、図14に示すように漸次塑性流動化して軟化するようになる。また、肉盛り材54は前記矢示A方向の加圧力により、接触面側が塑性流動化するに伴って開先部53の底部側へと深く入り込むように押圧される。
次に、この状態で図2に例示したスライド台16を、図2中の矢示C方向に駆動し始めると、肉盛り材54が板材51,52の合わせ面51A,52Aに沿って相対移動するようになる。そして、塑性流動化した肉盛り材54の下端側は、その一部が板材51,52の開先部53(開先面51B,52B)の表面側に取り残されて付着する。
これにより、開先部53の表面側に生じた塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材54の一部は、加熱源となる肉盛り材54が遠ざかるにつれ、図14、図15に示すように肉盛り状の接合部55となって固形化し、この接合部55によって板材51,52間を一体に結合することができる(接合工程)。
この場合、肉盛り材54の塑性流動化した下端側部分は、その一部が開先部53の表面側に肉盛り状の接合部55となって付着し、残りの塑性流動化部分は図14に示すように、くさび状の凝固部分56となって肉盛り材54の下端側に残留することになる。
従って、本実施の形態にあっても、接合対象の板材51,52に対して、その対向面側に合わせ面51A,52Aと、傾斜面としての開先面51B,52Bとを形成している。このため、発熱の中心となる開先面51B,52Bの中腹箇所から開先部53の底部(合わせ面51A,52A)までの距離を小さくできると共に、底部側の熱容量を大きくでき、開先部53の表面側に安定した形状の接合部55を形成することができる。
また、合わせ面51A,52A間には、隙間Sを介在させたままの状態で板材51,52間を摩擦接合することができる。これにより、例えばアーク(電弧)、レーザ等の熱源を用いて接合対象の部材間を接合する通常の溶接手段では難しい箇所にも、隙間Sを介在させたままの状態で板材51,52間を強固に接合でき、その汎用性を高めることができる。
なお、前記第2(第3)の実施の形態でも、板材31,32(41,42)の合わせ面31A,32A(41A,42A)間に、前記第4の実施の形態で述べたように隙間Sを介在させて、板材31,32(41,42)間を摩擦接合する構成としてもよいものである。
また、前記第1の実施の形態では、肉盛り材4を板材1,2の開先部3に押付けつつ高速で回転させることにより、両者の摩擦接触面側に高温の摩擦熱を発生させるものとして述べた。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば肉盛り材4を開先部3に押付けつつ微小な往復動を高速で繰返すことにより摩擦熱を発生させる構成としてもよく、要は肉盛り材4を板材1,2に対して相対移動させることにより摩擦熱を発生させる構成とすればよいものである。この点は第2〜第4の実施の形態についても同様である。
また、前記第1の実施の形態では、平板状の板材1,2を摩擦接合する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、接合対象となる2つの部材としては、例えば曲面状の板材、梁材または厚板材等にも適用できるものである。この点は第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに、接合対象となる2つの部材は、鋼板等の鉄系材料に限るものではなく、例えば銅、アルミニウム、またはこれらの合金材料等を用いてもよい。また、金属に限らず加熱によって塑性流動性を示す、例えばプラスチックを用いてもよい。従って、基本的には2つの部材と肉盛り材とは、同一の材料を用いて形成できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態による摩擦接合に用いる2つの板材および肉盛り材を示す斜視図である。
図2は、第1の実施の形態に用いる摩擦接合装置を示す全体図である。
図3は、第1の実施の形態による板材の固定工程を示す断面図である。
図4は、図3に示す板材の開先部に肉盛り材を押付けた状態を示す断面図である。
図5は、第1の実施の形態による摩擦熱発生工程を示す図4と同様位置での断面図である。
図6は、第1の実施の形態による接合工程を示す断面図である。
図7は、図1に示す板材を摩擦接合した状態を示す斜視図である。
図8は、開先部の開き角を過度に小さくした比較例を示す断面図である。
図9は、開先部の開き角を過度に大きくした他の比較例を示す断面図である。
図10は、第2の実施の形態による板材の摩擦接合状態を示す断面図である。
図11は、第3の実施の形態による板材の摩擦接合状態を示す断面図である。
図12は、第4の実施の形態による板材の固定工程を示す断面図である。
図13は、第4の実施の形態による摩擦熱発生工程を示す断面図である。
図14は、第4の実施の形態による接合工程を示す断面図である。
図15は、第4の実施の形態による板材を摩擦接合した状態を示す断面図である。
図16は、従来技術による摩擦接合に用いる2つの板材および肉盛り材を示す斜視図である。
図17は、従来技術による板材の摩擦接合状態を示す断面図である。
図18は、従来技術による摩擦接合により接合部が異常変形した状態を示す断面図である。
本発明は、例えば平板材等の2つの部材間を摩擦熱により接合するようにした摩擦接合方法および摩擦接合体に関する。
背景技術
一般に、2つの金属部材間を接合する場合には、アーク(電弧)、レーザ、電子ビーム等の熱源を用いて接合対象の部材を加熱、溶融させ、溶融金属の再凝固によって接合する方法が広く採用されている。
しかし、このような金属の溶融、再凝固を利用した接合方法では、金属部材を溶融温度まで加熱するために大きなエネルギを投入する必要があり、設備の大型化が避けられない。また、金属部材を加熱、溶融した段階で部材の一部は蒸発して周囲に飛散することがあり、このような蒸発金属の影響で作業環境が悪化し、人体への悪影響を引き起こす。
一方、前述の如く金属部材を溶融させることなく、摩擦熱を利用して2つの部材(板材)を接合する摩擦接合方法として、英国特許第572,789号明細書に記載されたものが知られている。
そこで、この英国特許明細書に記載された従来技術による摩擦接合方法を、図16ないし図18を参照して説明する。
図中、101,102は接合対象の部材となる板材で、これらの板材101,102は、例えば鋼板等の金属板により板厚Tの平板状に形成され、その対向端側には略V字状に拡開する開先部103が設けられている。
この場合に、開先部103は、板材101,102の対向端側を一定の角度で斜めに切断することにより形成された傾斜面101A,102Aからなっている。従って、傾斜面101A,102Aの先端は、互いに線接触する鋭角状のエッジ端101B,102Bを形成している。そして、板材101,102は、エッジ端101B,102Bを線接触により互いに突合わせた状態で後述の肉盛り材104により摩擦接合されるものである。
104は板材101,102間を摩擦接合するための肉盛り材で、この肉盛り材104は円柱状の金属棒等からなり、その下端側端面は板材101,102間の開先部103内に向けて図16中の矢示A方向に加圧されている。そして、肉盛り材104は、下端側端面を板材101,102の傾斜面101A,102Aに押付けた状態で、図16中の矢示B方向に高速で回転されることにより板材101,102との間で摩擦熱を発生させる。
これにより、肉盛り材104の下端側は摩擦熱で塑性流動化し、このときに板材101,102の傾斜面101A,102A側でも肉盛り材104との摩擦接触部が塑性流動化する。次に、この状態で肉盛り材104を図16中の矢示C方向に移動させる。この結果、塑性流動化した肉盛り材104の下端側は、その一部が板材101,102の開先部103(傾斜面101A,102A)の表面側に取り残されて付着する。
そして、開先部103の表面側に生じた塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材104の一部は、加熱源となる肉盛り材104が遠ざかるにつれ、図17に例示するように肉盛り状の接合部105となって固形化し、この接合部105によって板材101,102間は一体に結合されるものである。
ところで、上述した従来技術では、図16に示すように開先部103の深さが、板材101,102の板厚Tと等しく、傾斜面101A,102Aの先端部は鋭角状のエッジ端101B,102Bとなっているため、下記のような問題が発生することがある。
即ち、肉盛り材104を板材101,102の傾斜面101A,102Aに押付けつつ高速で回転したときに、両者の摩擦熱によって生じる塑性流動化部分は、板材101,102のエッジ端101B,102B側で板材101,102の裏面側に押し出されることがある。このため、従来技術では、開先部103の表面側に対し、接合部105を大きく肉盛りするのが難しく、その接合強度が低下し易いという問題がある。
特に、鋭角状をなす板材101,102のエッジ端101B,102B側は、互いに線接触しているだけであるから、前記摩擦熱がエッジ端101B,102B側にこもって、このエッジ端101B,102Bの近傍が過度に塑性流動化(軟化)することがある。このため、過度に軟化したエッジ端101B,102B側は、肉盛り材104からの押付け力(図16中の矢示A方向)により板材101,102の裏面側へとはみ出すように変形し、図18に示すように接合部105の形状が悪化する虞れがある。
また、図18に示すように、接合部105が異常変形すると、板材101,102間には歪み等が生じ、両者の接合強度が低下するばかりでなく、板材101,102間に傾き等が残って商品価値が低下し、製品の歩留りが悪くなるという問題がある。
発明の開示
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、開先部の表面側で接合部の肉盛りを大きくすることができ、部材間の接合強度を高めることができると共に、製品の歩留りを向上できるようにした摩擦接合方法および摩擦接合体を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面を互いに突き合わせた状態で固定する固定工程と、前記2つの部材を固定したままの状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させる摩擦熱発生工程と、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を互いに接合する接合工程とからなる。
本発明による摩擦接合方法によれば、接合対象の2つの部材には、その対向面側に予め合わせ面を形成し、この合わせ面を互いに突き合わせた状態で接合作業を行うようにしている。この結果、2つの部材間には、従来技術の如く鋭角状をなすエッジ端が形成されることはなくなり、肉盛り材を押付けつつ相対移動させたときの摩擦熱が合わせ面側にこもるのを抑え、合わせ面側が過度に塑性流動化(軟化)するような事態も防止できる。
また、肉盛り材は、開先部の傾斜面に対しその中腹で摩擦接触しているので、当該肉盛り材は、接触面側が漸次塑性流動化するに伴って開先部の底部側へと深く入り込むように押圧され、相対移動を続けながら合わせ面に沿って移動される。これにより、2つの部材の傾斜面側でも肉盛り材との摩擦接触部が塑性流動化し、この塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材の一部は、加熱源となる肉盛り材が遠ざかるにつれ、肉盛り状の接合部となって固形化し、この接合部によって2つの部材間を一体に結合することができる。
そして、2つの部材間の突き合わせ面は、塑性流動により軟化した材料が部材の裏面側に流れ出すのを防止することができる。しかも、2つの部材の突合わせ面は、肉盛り材からの押付け力に対する2つの部材の剛性を確保し、接合部分の形状を安定させることができる。
一方、本発明による摩擦接合方法は、対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面間に隙間を介在させた状態で固定する固定工程と、前記2つの部材を固定したままの状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させる摩擦熱発生工程と、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部側に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を前記隙間を埋めて互いに接合する接合工程とからなる。
本発明による摩擦接合方法によれば、2つの部材の合わせ面間に隙間を介在させた状態で両部材間を摩擦接合することができる。そして、この場合でも2つの部材間に、従来技術で述べたように鋭角状のエッジ端が形成されることはなくなるので、肉盛り材を押付けつつ相対移動させたときの摩擦熱が合わせ面側にこもるのを抑えることができ、合わせ面側が過度に塑性流動化(軟化)するような事態も防止することができる。
また、本発明による摩擦接合体は、対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面を互いに突き合わせた状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を互いに接合する構成としている。
一方、本発明による摩擦接合体は、2つの部材は、合わせ面を互いに突き合わせた状態で、肉盛り材によって接合する構成としている。
さらに、本発明による摩擦接合体は、2つの部材は、合わせ面間に隙間を介在させた状態で、肉盛り材によって接合する構成としている。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態による摩擦接合方法及び摩擦接合体を、図1ないし図15に従って詳細に説明する。まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。
図中、1,2は本実施の形態で採用した接合対象の部材となる板材で、これらの板材1,2は、例えば鋼板等の金属板により板厚Taの平板状に形成され、その対向端側には略V字状に拡開する開先部3が設けられている。
そして、板材1,2の対向面側には、高さ寸法Ta1の合わせ面1A,2Aと、一定の角度で斜め傾斜した傾斜面としての開先面1B,2Bとが形成されている。そして、該開先面1B,2B間には、開先部3の深さ寸法Ta2が、Ta2=Ta−Ta1の関係をもって形成されている。また、開先部3の幅寸法Wは、図4に示す如く後述する肉盛り材4の外径Dよりも大きい寸法に設定されている(W>A)。
ここで、開先部3は図3に示す如く、例えば60〜150度の開き角θをもって形成されている。また、前記合わせ面1A,2Aの高さ寸法Ta1は、板材1,2の板厚Taに対して、例えば1/10〜1/2程度の寸法、即ち、当該高さ寸法Ta1は、Ta/10≦Ta1≦Ta/2程度に設定される。そして、板材1,2は、合わせ面1A,2Aを互いに突合わせた状態で後述の肉盛り材4により摩擦接合されるものである。
4は板材1,2間を摩擦接合するための肉盛り材で、肉盛り材4は、板材1,2と同一の材料を用いて細長い円柱形状をなす棒状体として形成されている。そして、肉盛り材4は、図4に示す如くその外径Dは開先部3の幅寸法Wよりも小さく、D<Wなる関係となっている。そして、肉盛り材4は、後述の摩擦接合装置11を用いて、その下端側端面が板材1,2間の開先部3内に向けて図1中の矢示A方向に加圧され、この状態で相対移動すべく図1中の矢示B方向に高速で回転される。
これにより、肉盛り材4は、板材1,2の開先部3との間で摩擦熱を発生し、この摩擦熱によって両者の摩擦接触部には塑性流動が生じる。そして、この塑性流動化部分が徐々に固化することにより、図7に示す如き肉盛り状の接合部5が形成されるものである。
この場合、肉盛り材4の塑性流動化した下端側部分は、その一部が開先部3の表面側に肉盛り状の接合部5となって付着する。また、残りの塑性流動化部分は、図6に示すように、くさび状の凝固部分6となって肉盛り材4の下端側に残留することになる。
次に、図2を参照して本実施の形態で採用した摩擦接合装置11について説明するに、該摩擦接合装置11は、下側の脚部12と、該脚部12に対して上,下に昇降可能に設けられた昇降台13と、後述の電動モータ19およびチャック20等とにより構成されている。
14は昇降台13上に設けられた支持テーブル、15,15は支持テーブル14を昇降台13と共に上,下に駆動する加圧シリンダを示している。ここで、各加圧シリンダ15は、摩擦接合装置11の脚部12と昇降台13との間に配設され、例えば図2中の矢示A1方向に昇降台13を押動することにより、肉盛り材4を板材1,2に向けて相対的に矢示A方向に加圧するものである。
16は支持テーブル14上に摺動可能に設けられたスライド台で、このスライド台16はスライド装置17により図2中の矢示C方向に駆動される。そして、スライド台16上には、板材1,2が図1に示す如く合わせ面1A,2Aを突き合わせた状態でボルト(図示せず)等により強固に固定されるものである。
18は支持テーブル14の後側に位置して脚部12上に設けられたモータスタンド、19はモータスタンド18の上部側に設けられた回転源となる電動モータを示し、この電動モータ19は、肉盛り材4を把持するチャック20を矢示B方向に回転駆動する。これにより、肉盛り材4は、例えば1600〜3000rpm程度の速度で回転されるものである。
また、肉盛り材4を板材1,2に対して矢示A方向に押付ける加圧力は、例えば5〜90MPa程度に設定され、スライド台16により板材1,2を肉盛り材4に対し矢示C方向に移動させる送り速度は、例えば0.1〜6mm/秒程度に設定されるものである。
本実施の形態による摩擦接合装置11は、上述の如き構成を有するもので、次に、摩擦接合装置11による板材1,2間の接合方法について、図2ないし図6を参照して説明する。
まず、図3に示すように接合対象の板材1,2には、その対向面側に合わせ面1A,2Aと、一定の角度で斜め傾斜した開先面1B,2Bとを予め形成しておく。
そして、板材1,2を図2に示すスライド台16上に載置し、両者の合わせ面1A,2Aを互いに突き合わせた状態で、これらの板材1,2をスライド台16上にボルト等を用いて動かないように締結して固定する(固定工程)。
次に、板材1,2をスライド台16上に固定したままの状態で、図4に示すように肉盛り材4を開先部3内に挿入し、肉盛り材4の下端面を開先面1B,2Bの中腹部位に押付ける。
即ち、図2に示す摩擦接合装置11の加圧シリンダ15を駆動して支持テーブル14を昇降台13と共に矢示A1方向に押圧することにより、肉盛り材4を板材1,2に向けて相対的に矢示A方向に加圧するものである。そして、この状態で電動モータ19を駆動し、例えば1600〜3000rpm程度の回転数で肉盛り材4を高速で回転させる。
この結果、肉盛り材4の下端側は、図4に示す如く開先部3の開先面1B,2Bに対しその中腹部位で摩擦接触を続け、例えば800〜1200℃程度の摩擦熱が両者の接触面側に発生する(摩擦熱発生工程)。なお、このときの摩擦熱による発熱温度は、板材1,2の融点(例えば、1500℃程度)よりも低い温度に設定するものである。
そして、この摩擦熱により板材1,2の開先面1B,2Bと肉盛り材4との接触面側は、図5、図6に示すように漸次塑性流動化して軟化するようになる。また、肉盛り材4は、前記矢示A方向の加圧力により、接触面側が塑性流動化するに伴って開先部3の底部側へと深く入り込むように押圧される。
ここで、摩擦接触による発熱エネルギEnは、下記の(1)式の如く摩擦係数μ、定数K、肉盛り材4の矢示A方向における加圧力Fおよび移動距離Lの積として求められる。
En=μ×K×F×L ・・・(1)
そして、肉盛り材4が回転運動するとき、肉盛り材4の各部分の移動距離Lは、その外周側部分の方が内周側部分よりも大きくなる。
この結果、肉盛り材4の外周側が摩擦接触する開先面1B,2Bの中腹部分が発熱の起点となって、開先部3の表面側全体に摩擦熱が伝えられ、この中腹部分が摩擦接触による発熱の中心となる。
また、肉盛り材4は、外周側の方が発熱量が大きく、塑性流動化する体積が大きい。このため、肉盛り材4の外周側と開先面1B,2Bの中腹部分との間で発生した塑性流動化部分は、開先面1B,2Bの中腹から下方または上方へと拡がり、この塑性流動化部分が開先部3の底部側へと深く入り込むように供給される。
次に、この状態でスライド台16をスライド装置17により図2中の矢示C方向に駆動し始めると、肉盛り材4は、板材1,2の合わせ面1A,2Aに沿って図1中の矢示C方向に相対移動するようになる。そして、塑性流動化した肉盛り材4の下端側は、その一部が板材1,2の開先部3(開先面1B,2B)の表面側に取り残されて付着する。
そして、開先部3の表面側に生じた塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材4の一部は、加熱源となる肉盛り材4が遠ざかるにつれ、図6、図7に示すように肉盛り状の接合部5となって固形化し、この接合部5によって板材1,2間を一体に結合することができる(接合工程)。
この場合、肉盛り材4の塑性流動化した下端側部分は、その一部が開先部3の表面側に肉盛り状の接合部5となって付着し、残りの塑性流動化部分は、図6に示すように、くさび状の凝固部分6となって肉盛り材4の下端側に残留することになる。
そして、次なる摩擦接合作業を行うときに、肉盛り材4は前記凝固部分6側から再び漸次塑性流動化され、これによって、次なる接合対象の開先部側には肉盛り材4を用いた接合部が形成されるものである。
かくして、本実施の形態によれば、接合対象の板材1,2に対して、その対向面側に合わせ面1A,2Aと、一定の角度で斜め傾斜した開先面1B,2Bとを予め形成しておく。次に、板材1,2の合わせ面1A,2Aを互いに突き合わせる。この状態で、肉盛り材4を板材1,2の開先部3に押付けつつ高速で回転(相対移動)させるので、両者の摩擦接触面側に高温の摩擦熱を発生できる。
そして、この状態で肉盛り材4を回転させながら、板材1,2の合わせ面1A,2Aに沿って肉盛り材4を移動させるので、塑性流動化した肉盛り材4の下端側は、その一部が接合部5となって板材1,2の開先部3表面側に取り残されて付着する。また、開先部3の開先面1B,2B側でも、肉盛り材4との摩擦接触部を塑性流動化することができる。
この結果、開先部3側の塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材4の一部を、加熱源となる肉盛り材4が遠ざかるにつれて、肉盛り状の接合部5として固形化でき、この接合部5によって板材1,2間を開先部3の位置で一体に結合することができる。
また、接合対象の板材1,2は、合わせ面1A,2Aを互いに突き合わせた状態で接合作業を行うようにしているので、板材1,2間には従来技術の如く鋭角状をなすエッジ端が形成されることはない。従って、肉盛り材4を押付けつつ回転させたときの摩擦熱は、両者の合わせ面1A,2A側にこもることはなく、合わせ面1A,2A側での熱容量を増大できると共に、これらの合わせ面1A,2A側が過度に塑性流動化し軟化するような事態も防止することができる。
さらに、板材1,2間の突き合わせ面1A,2Aは、塑性流動により軟化した材料が板材1,2の裏面側に流れ出すのを防止できる。しかも、この突き合せ面1A,1Bは、肉盛り材4からの押付け力に対する板材1,2の剛性を確保できると共に、接合部5の形状を図7に示すように安定した接合形状とすることができる。
従って、本実施の形態によれば、板材1,2間に設けた開先部3の表面側で接合部5の肉盛り具合を大きくすることができ、板材1,2間の接合強度を確実に高めることができる。また、接合部5の形状を安定させることによって、摩擦接合を施した板材1,2等の商品価値を高め、製品の歩留りも向上することができる。
また、板材1,2間の開先部3は、図3に示す如く開先面1B,2B間の開き角θを、例えば60〜150度の範囲に設定することにより、接合部5の形状を安定させることができ、板材1,2間の接合強度を確実に高め得ることが実験によっても確認された。
即ち、図8に示す比較例のように、板材1′,2′間の開先部3′における開き角θ′を、例えば60度よりも小さい角度に設定すると、肉盛り材4′の下端側に塑性流動化が生じても、この塑性流動化部分が開先部3′の底部側まで深く達することはなく、接合部5′による未接合部分が開先部3′の底部側に発生する。
この理由としては、開先部3′の開き角θ′を小さくすれば、これによって発熱の中心となる開先部3′の中腹箇所から開先部3′の底部までの距離が大きくなるので、開先部3′の底部は比較的低い温度に留まる。このため、開先部3′の底部側には、接合部5′による未接合部分が発生するものと推測される。
また、図9に示す他の比較例のように、板材1′,2′間の開先部3′における開き角θ′を、例えば150度よりも大きい角度に設定した場合でも、接合部5′による未接合部分が開先部3′の底部側に発生することがある。
なお、肉盛り材4′の外径寸法を開先部3′の幅寸法に比較して十分に小さくすれば、開先部3′の開き角θ′を150度よりも大きい角度にしても、未接合部分が開先部3′の底部側に発生することはない。
そこで、本実施の形態では、図4に示すように肉盛り材4の外径Dを開先部3の開先幅Wよりも小さくし(D<W)、肉盛り材4の下端面を開先面1B,2Bの中腹部位に押付けて摩擦接合作業を行うようにしている。また、図3に示す如く開先部3の開き角θを、例えば60〜150度の範囲に設定している。これにより、前述の如く接合部5の形状を安定させ、板材1,2間の接合強度を確実に高めることができる。
次に、図10は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。然るに、本実施の形態の特徴は、接合対象の板材31,32に対して、その対向面側に合わせ面31A,32Aと、第1の開先面31B,32Bと、第2の開先面31C,32Cとを形成する構成としたことにある。
ここで、接合対象の板材31,32は、第1の実施の形態で述べた板材1,2とほぼ同様に構成されているものの、板材31,32間には略台形状をなす開先部33が開先面31B,32Bと開先面31C,32Cとによって形成されている。
具体的に述べると、開先部33を形成する開先面31B,32Bと開先面31C,32Cとは、互いに異なる角度で傾斜する構成としている。即ち、開先部33の内側に位置する開先面31B,32Bは、外側の開先面31C,32Cよりも合わせ面31A,32Aに対する傾斜角が大きく、例えば合わせ面31A,32Aに対してほぼ90度の角度に設定されている。一方、外側の開先面31C,32Cは、合わせ面31A,32Aに対して、例えば60度程度の傾斜角を有している。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、合わせ面31A,32Aを互いに突き合わせた状態で、肉盛り材4を板材31,32の開先部33に押付けつつ高速で回転させることにより、両者の摩擦接触面側に塑性流動を生じさせて接合部34を形成でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
そして、この場合には、開先部33に内側の開先面31B,32Bと外側の開先面31C,32Cとを設けることにより、発熱の中心となる開先面31C,32Cの中腹箇所から開先部33の底部までの距離を小さくできると共に、底部側の熱容量を大きくできる。この結果、開先部33の底部での温度低下を抑え、未接合部分を発生させることなく、開先部33の底部側に安定した形状の接合部34を形成することができる。
次に、図11は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。然るに、本実施の形態の特徴は、接合対象の板材41,42に対して、その対向面側に合わせ面41A,42Aと、凹湾曲状に傾斜した傾斜面としての開先面41B,42Bとを形成する構成としたことにある。
ここで、接合対象の板材41,42は、第1の実施の形態で述べた板材1,2とほぼ同様に構成されているものの、板材41,42間には略U形状をなす開先部43が開先面41B,42Bによって形成されている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、合わせ面41A,42Aを互いに突き合わせた状態で、肉盛り材4を板材41,42の開先部43に押付けつつ高速で回転させる。これにより、両者の摩擦接触面側に塑性流動を生じさせて、接合部44を形成でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
そして、この場合には凹湾曲状に傾斜した開先面41B,42B間で開先部43を形成することにより、発熱の中心となる開先面41B,42Bの中腹箇所から開先部43の底部までの距離を小さくできると共に、底部側の熱容量を大きくできる。この結果、開先部43の底部での温度低下を抑え、未接合部分を発生させることなく開先部43の底部側に安定した形状の接合部44を形成することができる。
次に、図12ないし図15は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
然るに、本実施の形態の特徴は、接合対象の板材51,52に対して、その対向面側に合わせ面51A,52Aと、傾斜面としての開先面51B,52Bとを形成すると共に、合わせ面51A,52A間に隙間Sを介在させたままの状態で板材51,52間を摩擦接合する構成としたことにある。
ここで、接合対象の板材51,52、開先部53および肉盛り材54は、第1の実施の形態で述べた板材1,2、開先部3および肉盛り材4とほぼ同様に構成されている。しかし、本実施の形態では、板材51,52の合わせ面51A,52A間には、図12に示す如く隙間Sが形成されている点で、第1の実施の形態とは異なるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、肉盛り材54を板材51,52の開先部53に押付けつつ高速で回転させることにより、両者の摩擦接触面側に塑性流動を生じさせて、図15に示す如き接合部55を形成でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
即ち、本実施の形態にあっても、まず固定工程では、図12に示すように接合対象の板材51,52を互いに対向させた状態でボルト(図示せず)等を用いて固定する。しかし、この場合には両者の合わせ面51A,52A間に隙間Sを介在させ、この状態で板材51,52を図2に例示したスライド台16上に動かないように締結して固定するものである。
次に、板材51,52を互い固定したままの状態で、図12、図13に示すように肉盛り材54を開先部53内に挿入し、肉盛り材54の下端面を開先面51B,52Bの中腹部位に矢示A方向で押付ける。そして、この状態で肉盛り材54を矢示B方向に高速で回転させ、例えば800〜1200℃程度の摩擦熱を両者の接触面側に発生させる(摩擦熱発生工程)。
そして、この摩擦熱により板材51,52の開先面51B,52Bと肉盛り材54との接触面側は、図13、図14に示すように漸次塑性流動化して軟化するようになる。また、肉盛り材54は前記矢示A方向の加圧力により、接触面側が塑性流動化するに伴って開先部53の底部側へと深く入り込むように押圧される。
次に、この状態で図2に例示したスライド台16を、図2中の矢示C方向に駆動し始めると、肉盛り材54が板材51,52の合わせ面51A,52Aに沿って相対移動するようになる。そして、塑性流動化した肉盛り材54の下端側は、その一部が板材51,52の開先部53(開先面51B,52B)の表面側に取り残されて付着する。
これにより、開先部53の表面側に生じた塑性流動化部分とこれに付着した肉盛り材54の一部は、加熱源となる肉盛り材54が遠ざかるにつれ、図14、図15に示すように肉盛り状の接合部55となって固形化し、この接合部55によって板材51,52間を一体に結合することができる(接合工程)。
この場合、肉盛り材54の塑性流動化した下端側部分は、その一部が開先部53の表面側に肉盛り状の接合部55となって付着し、残りの塑性流動化部分は図14に示すように、くさび状の凝固部分56となって肉盛り材54の下端側に残留することになる。
従って、本実施の形態にあっても、接合対象の板材51,52に対して、その対向面側に合わせ面51A,52Aと、傾斜面としての開先面51B,52Bとを形成している。このため、発熱の中心となる開先面51B,52Bの中腹箇所から開先部53の底部(合わせ面51A,52A)までの距離を小さくできると共に、底部側の熱容量を大きくでき、開先部53の表面側に安定した形状の接合部55を形成することができる。
また、合わせ面51A,52A間には、隙間Sを介在させたままの状態で板材51,52間を摩擦接合することができる。これにより、例えばアーク(電弧)、レーザ等の熱源を用いて接合対象の部材間を接合する通常の溶接手段では難しい箇所にも、隙間Sを介在させたままの状態で板材51,52間を強固に接合でき、その汎用性を高めることができる。
なお、前記第2(第3)の実施の形態でも、板材31,32(41,42)の合わせ面31A,32A(41A,42A)間に、前記第4の実施の形態で述べたように隙間Sを介在させて、板材31,32(41,42)間を摩擦接合する構成としてもよいものである。
また、前記第1の実施の形態では、肉盛り材4を板材1,2の開先部3に押付けつつ高速で回転させることにより、両者の摩擦接触面側に高温の摩擦熱を発生させるものとして述べた。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば肉盛り材4を開先部3に押付けつつ微小な往復動を高速で繰返すことにより摩擦熱を発生させる構成としてもよく、要は肉盛り材4を板材1,2に対して相対移動させることにより摩擦熱を発生させる構成とすればよいものである。この点は第2〜第4の実施の形態についても同様である。
また、前記第1の実施の形態では、平板状の板材1,2を摩擦接合する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、接合対象となる2つの部材としては、例えば曲面状の板材、梁材または厚板材等にも適用できるものである。この点は第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに、接合対象となる2つの部材は、鋼板等の鉄系材料に限るものではなく、例えば銅、アルミニウム、またはこれらの合金材料等を用いてもよい。また、金属に限らず加熱によって塑性流動性を示す、例えばプラスチックを用いてもよい。従って、基本的には2つの部材と肉盛り材とは、同一の材料を用いて形成できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態による摩擦接合に用いる2つの板材および肉盛り材を示す斜視図である。
図2は、第1の実施の形態に用いる摩擦接合装置を示す全体図である。
図3は、第1の実施の形態による板材の固定工程を示す断面図である。
図4は、図3に示す板材の開先部に肉盛り材を押付けた状態を示す断面図である。
図5は、第1の実施の形態による摩擦熱発生工程を示す図4と同様位置での断面図である。
図6は、第1の実施の形態による接合工程を示す断面図である。
図7は、図1に示す板材を摩擦接合した状態を示す斜視図である。
図8は、開先部の開き角を過度に小さくした比較例を示す断面図である。
図9は、開先部の開き角を過度に大きくした他の比較例を示す断面図である。
図10は、第2の実施の形態による板材の摩擦接合状態を示す断面図である。
図11は、第3の実施の形態による板材の摩擦接合状態を示す断面図である。
図12は、第4の実施の形態による板材の固定工程を示す断面図である。
図13は、第4の実施の形態による摩擦熱発生工程を示す断面図である。
図14は、第4の実施の形態による接合工程を示す断面図である。
図15は、第4の実施の形態による板材を摩擦接合した状態を示す断面図である。
図16は、従来技術による摩擦接合に用いる2つの板材および肉盛り材を示す斜視図である。
図17は、従来技術による板材の摩擦接合状態を示す断面図である。
図18は、従来技術による摩擦接合により接合部が異常変形した状態を示す断面図である。
Claims (5)
- 対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面を互いに突き合わせた状態で固定する固定工程と、
前記2つの部材を固定したままの状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させる摩擦熱発生工程と、
この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を互いに接合する接合工程とからなる摩擦接合方法。 - 対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面間に隙間を介在させた状態で固定する固定工程と、
前記2つの部材を固定したままの状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させる摩擦熱発生工程と、
この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部側に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を前記隙間を埋めて互いに接合する接合工程とからなる摩擦接合方法。 - 対向面側に位置する合わせ面と開先部を形成する傾斜面とをもった2つの部材を、前記合わせ面を互いに突き合わせた状態で消耗式肉盛り材の端部を前記開先部の傾斜面に押付けつつ、相対移動することにより摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により塑性流動化した前記肉盛り材を2つの部材の開先部に供給しつつ、前記合わせ面に沿って肉盛り材を移動することにより、前記2つの部材を互いに接合する構成としてなる摩擦接合体。
- 前記2つの部材は、合わせ面を互いに突き合わせた状態で、前記肉盛り材によって接合する構成としてなる請求項3に記載の摩擦接合体。
- 前記2つの部材は、合わせ面間に隙間を介在させた状態で、前記肉盛り材によって接合する構成としてなる請求項3に記載の摩擦接合体。
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