JPWO2002034257A1 - 中枢神経系の疲労回復又は予防剤及び疲労回復又は予防のための食品 - Google Patents

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Abstract

L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシンの分岐鎖アミノ酸及び/又は2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有した中枢神経系の疲労(脳性疲労)予防若しくは脳疲労回復剤を提供する。これらは、無アルブミンラット又はトリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することによる中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法によって得られるものである。これらは、注射剤や輸液だけでなく、また、デンプンや乳糖などの適当な賦形剤を加え錠剤や顆粒剤、散剤など固形状の服用可能な形態として、さらには、いわゆる健康ドリンクなど様々な飲料水の形態として、中枢神経の疲労回復用若しくは疲労予防用の食品としても提供できる。

Description

技術分野
本発明は中枢神経系の疲労回復剤及び中枢神経系の疲労予防剤、中枢神経系の疲労回復のための食品、中枢神経系の疲労予防のための食品並びに中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法、さらには中枢神経系の疲労モデル用ラットに関する。
背景技術
従来から、筋肉自体の疲労回復を目的として、例えば、カリウムイオンやナトリウムイオンなどの種々の金属イオン、糖、アミノ酸などを配合した栄養補助食品が数々開発されてきている。
しかしながら、これらの栄養補助食品においては、肉体(筋肉)疲労の回復を試みたものであって、直接、中枢神経系の疲労の回復を目指したものではなかった。
一方、近年において、慢性疲労症候群(CFS)はもとより、情報疲労症候群、情報ストレス症候群、インターネット依存症など中枢神経系の疲労が注目を浴びている。ここにおいて、中枢神経系の疲労とは、随意的興奮水準の抑制の結果、参加する神経−筋接合部−筋繊維レベルでの運動単位の数及び発火頻度の抑制が伴う、つまり脳内統御回路の広汎な部位から生じる疲労が起源であって、運動性の筋肉自身の疲労とは異なるものを意味する。また、肉体(筋肉)疲労に伴って生じるいわゆる疲労感とも異なるものであり、コンピュータ作業や読書など肉体疲労を伴わない状態で生じるものである。この中枢神経系の疲労についてのメカニズムは今まで十分に解明されたものではなかった。
本発明者らは、この中枢神経系の疲労のメカニズムを解明すると共に分岐鎖アミノ酸及びBBB上でのL−システムトランスポータの特異的阻害剤である2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidが中枢神経系の疲労を抑制でき、特に両者併用の下ではほぼ完全とも言える抑制が可能なことを論証し、本発明を完成するに至った。この薬理学的根拠は、両者の共力作用(相乗作用)に基づくものであることが証明された。
また、その過程において、潜在的にアルブミンを有しない無アルブミンラット及びトリプトファン欠乏ラットが、中枢神経系の疲労モデル用ラットとして有用であり、これらのラットを用いたトレッドミル走によって、中枢神経系疲労の抑制物質のスクリーニング法として利用できることをも見い出した。
発明の開示
本発明に係る中枢神経系の疲労回復剤及び中枢神経系の疲労予防剤はそれぞれ分岐鎖アミノ酸及び/又は2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴としている。
また、本発明に係る中枢神経系の疲労回復のための食品及び中枢神経系の疲労予防のための食品はそれぞれ分岐鎖アミノ酸及び/又は2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴としている。
本発明に係る中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング法は、無アルブミンラット又はトリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することを特徴としている。
さらに、本発明に係る中枢神経系の疲労モデル用ラットは、無アルブミンラットであることを特徴とするものであり、また、トリプトファン欠乏ラットであることを特徴とするものである。
発明を実施するための最良の形態
本発明の中枢神経系の疲労回復剤及び中枢神経系の疲労予防剤は、それぞれ分岐鎖アミノ酸及び/又は2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acid(以下、本発明においては「BCH」と称する。)を含有することを特徴としている。
また、本発明に係る中枢神経系の疲労回復のための食品及び中枢神経系の疲労予防のための食品はそれぞれ分岐鎖アミノ酸及び/又は2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴としている。
本発明においては、中枢神経系の疲労とは上記で定義されるものであって、本発明の疲労予防剤(予防のための食品)は予め中枢神経系の疲労が予定される場合に先立って主として人に適用されるものをいい、また、疲労回復剤(回復のための食品)は予め中枢神経系の疲労が生じた場合に事後的に主として人に適用されるものをいう。すなわち、本発明の中枢神経系の疲労回復剤及び疲労予防剤は、疲労の有無に拘らず適用できるものであって、いわゆる医薬用の用途はもちろんのこと、いわゆるスポーツドリンクなどの食品分野でも用いられるものである。特に、特定保健用食品として、中枢神経系の疲労(脳疲労)の回復、予防という新たな適用が予定されるものである。
本発明において、分岐鎖アミノ酸(BCAA)には、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシンと言った炭素鎖に分岐鎖を有する人体の必須アミノ酸が用いられる。また、これらのアミノ酸は、その生理学的に許容される塩、例えば塩酸塩やさらにはこれらの各種水和物をも用いることができる。これらの分岐鎖アミノ酸はそれぞれ単独若しくは混合物として用いることも可能であり、好ましくはL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン3種の混合物を用いるのがよい。また、混合物として用いる場合、これらの混合比については特に限定されるものではない。当該分岐鎖アミノ酸の投与量は、ヒトの場合、BCAAは10〜1,000mg/kg、好ましくは50〜500mg/kg程度である。
また、BCHは、例えば金井と遠藤(Japanese Journal of Pharmacol.,Vol.82,SupplementI,8p,2000)らの報告に見られるように、抗腫瘍剤として(本発明者と同様、生体内のL−システムトランスポータを抑制する目的、即ち腫瘍細胞へのアミノ酸輸送システムを抑える目的として使われている)の用途が示唆されており、この物質は人体に安全に使用できるものと考えられている。特に本発明において、BCHの使用量は分岐鎖アミン酸の使用量に比べて約1/10〜1/100程度で済み、非常に効果的なものである。
これらの分岐鎖アミノ酸及びBCHはそれぞれ単独で中枢神経系の疲労回復剤及び疲労予防剤、若しくは疲労回復・疲労予防のための食品として用いることができるものではあるが、両者を併用することにより、疲労回復剤及び疲労予防剤、疲労回復・疲労予防のための食品としての作用を確実にかつ強力に発揮させることができる(相乗作用、図1参照)。
本発明の疲労回復剤及び疲労予防剤は人に適用することが可能な形態であれば、その服用、投与形態は特に制限されるものではない。例えば、血管系やリンパ系などに直接投与可能な注射剤や輸液として、また、デンプンや乳糖などの適当な賦型剤を加え錠剤や顆粒剤、散剤など固形状の服用可能な形態として提供される。さらに、いわゆる健康ドリンク、スポーツドリンクなどの様々な飲料水の形態として、ビスケット状や飴状、ゼリー状などのいわゆる食品の形態のものとした疲労回復・疲労予防のための食品形態として提供することもできる。
また、本発明の疲労回復剤及び疲労予防剤、疲労回復、疲労予防のための食品には、分岐鎖アミノ酸やBCH以外の種々のアミノ酸、ブドウ糖やショ糖などの糖類、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどの各種ビタミン類、ナトリウムイオンやカリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオン等、従来から主として肉体疲労回復のために用いられていた種々の化合物を添加することができるのはいうまでもない。
次に本発明に係る中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法は、無アルブミンラット若しくはトリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することを特徴としている。ここにおいて無アルブミンラットは、血漿中(内因性)のアルブミンが欠損しているものであって、例えば遺伝的に血漿中アルブミンが欠損したラットが挙げられる。その取得方法は公知であって(Nagaseら;J.Biochem.94,623−632,1983など)、当該ラットとして例えば日本SLC社から上市されているものが用いられる。また、トリプトファン欠乏ラットは、生後一定期間正常食であるトリプトファン含有食を与え、概ね体重が170〜230g、好ましくは200g±10g前後(通常であれば、生後1ヶ月程度)となるように成長させた後、トリプトファン欠乏食に切り替え、少なくとも2週間トリプトファンを与えない状態で飼育することにより得られる。こうしてトリプトファンを給餌せずに生育させたものである。例えば実験例2で述べる如く、生後約1ヶ月の間に成長して体重が200gとなった後、少なくとも2週間トリプトファンを欠いた食餌を与えることによって得ることができる。これは、成長に必要と考えられる最小限のトリプトファンを与えたものである。このラットはトリプトファン含有食を与えたラットに比べて細胞外液中のトリプトファン濃度は低く、内因性トリプトファンによる影響を抑えることができる。
これらのラットにトレッドミル走させ、その疲労度(疲労に至るまでの時間)を測定することによって中枢神経系の疲労度を測定できる。トリプトファンの脳内移行はアルブミンによって妨げられることが予想されるが、後述するようにトリプトファンが中枢神経系における疲労物質であると位置づけされた。このため、被検物質の中枢神経系疲労抑制を測定しようとした場合、内因性アルブミンを有する正常ラットではアルブミンの影響を排除することができず、正確な中枢神経系疲労抑制を測定できない。一方、トリプトファン欠乏ラットを用いて被検物質の中枢神経系疲労抑制を測定すれば、本来被検物質投与群と非投与群とでは差異が見られないはずである。ところが、被検物質とBCAAの併用作用を測定しようとした場合に、劇的な併用作用による疲労抑制を生じることが見い出された。これは、BCAA単独投与での評価(疲労抑制効果=疲労に至るまでの時間増加)とBCAAと被検物質との併用での評価とを比べることによって、中枢神経系への特異的な疲労抑制物質を探索できることを意味する。もちろん、BCAAとの併用効果のみならず、単一物質による疲労抑制効果の測定など、トリプトファンを介在とする中枢神経系疲労に関するモデルとして種々の利用の仕方が考えられる。
こうして、無アルブミンラット若しくはトリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することによって、真に中枢神経系に対する疲労抑制効果を測定することができ、疲労抑制物質のスクリーニング法として応用できる。
実施例
次に、本発明の効果を確認するため以下の実験を行なった。
〔実験例1〕
室温22℃、7:00〜19:00(明時)の明暗サイクル下で飼育した遺伝的に血漿中アルブミンの欠損した3週齢の雌無アルブミンラット(日本SLC)を用いて、疲労実験を行なった。疲労実験に先立って、無アルブミンラットに対し、13:00〜15:00の間の一定時間に、1週当たり4回の30分間のトレーニング(20m/min,7%傾斜)を4週間行なわせ、トレッドミル上のランニングに馴らした。トレーニング完成後、総ての無アルブミンラット(体重210〜255g)に対してトレッドミル上で同条件下において疲労困憊運動を課し、疲労困憊へ至る時間の測定を行なった。疲労困憊は、ラットがトレッドミル上でのスピードに付いていけなくなった時点若しくは走るのを拒否した時点とした。
4群に分けられたラットは、生理食塩水(大塚製薬社製、「生食注0.9%」)、BCH(シグマ社製、NoA7902)、BCAA及びアルブミン(シグマ社製A−6272(FractionV))のそれぞれで処置された。生理食塩水は5ml/kg、BCHは8mg/kg及びBCAAは250mg/kgの投与量で、運動開始1時間前に腹腔内投与された。なお、BCH、BCAA及びアルブミンはそれぞれ生理食塩水に溶解した後用いられた。アルブミンは1g/kgの投与量で運動開始1時間半前に腹腔内投与された。また、BCAAは、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシンの混合物(重量比、5:3:2、各和光純薬社製試薬特級)を用いた。ちなみに、これらの投与量は効果が発現されるであろうとして決定された量であり、実際の人への投与量は種々の要因により適宜変更可能なものである。
各ラットは運動直後に断頭して線条体シナプトゾームを分離し、線条体シナプトゾームからトリプトファン(Trp)、5−hydorxytryptophan(5−HTP)、5−hydorxytryptamin(5−HT)及び5−hydroxyindoleacetic acid(5−HIAA)を、電気化学的検出器による高速液体クロマトグラフィによって測定した。また、P2フラクションにおけるタンパクレベルは、Lowryらの方法(J.Protein measurements with the Folin phenol reagent,J.Biol.Chem.193:265−275;1951)に従って測定した。
これらの測定データは、多重比較によるFisher’s PLSDテストでの一元配置の分散分析法(ANOVA)と繰り返し測定をつかって、標準誤差に基づき行われた。また、次に、データはランニング時間に従って分類され、BCAAとBCH処置群の合計した効果で対応なしの観察に基づいたStudent’s t−testにより分析した。これらの分析結果を表1及び表2に示した。
Figure 2002034257
Figure 2002034257
Figure 2002034257
表1に示すように、BCAA処置群及びBCH処置群においては、疲労困憊へのランニングタイムにおいて有意な増加が認められた。また、BCAA処置群において、疲労困憊に至る時間が生理食塩水処置群より有意に延長した時は、表2に見られるように、線条体のシナプトゾームにおけるトリプトファン、5−HTP濃度は、BCAA処置群において生理食塩水処置群に対して有意な減少〔−22%:F(3,18)=2.08,p<0.05と−29%:F(2,13)=7.08,p<0.05〕が見られた。また、アルブミン処置群とBCH処置群においては有意な差はなかったが、トリプトファン濃度における標準誤差には大きな変動があった。
次に、測定データを疲労困憊までの時間を分類することによって解析した(グループA:40〜189分、B:190〜271分)。この際、生理食塩水処置群と比較した場合、BCAA処置群とBCH処置群は合計されたとき、グループBにおける線条体シナプトゾーム内へのトリプトファン(−19%:d.f.=9,p<0.05)と5−HTPの取り込み(−23%:d.f.=9,p<0.025)に有意な減少をもたらした。また、BCAA又はBCHを処理されたグループ(上記Aグループ)において最も短かなランニングタイムでのラットにおけるトリプトファン、5−HTPのシナプトゾーム濃度には差がなかった。つまり、最も長い持続タイムを持った無アルブミンラットと最も短いタイムで走った無アルブミンラットとの間でシナプトゾーム内トリプトファン取り込みレベルにおいて有意な変化があった。
上記実験からBCAA及びBCHは、トリプトファンの取り込みを抑え、中枢神経系の疲労を減弱し、持久的能力の改善に導くものと予想される。
中枢神経系の疲労は、中枢及び末梢のセロトニン作動系機能における減少ではなく、それと反対の亢進した神経伝達応答を示すことが知られており、トリプトファンの増加に依存する細胞外液5−HT伝達の変化と関連していることが考えられている。この5−HT伝達の変化が周辺の脳神経の抑制を誘発し、中枢神経系の疲労が出現する(「トリプトファン/5−HT仮説」)。
ここにおいて、脳内の流入に対するトリプトファン輸送の末梢でのコントロールは次のように考えられる:(a)トリプトファンのアルブミンへの結合親和性の変化と(b)脳内への流入に対するL−システムトランスポータを経由する血漿中BCAAとトリプトファンとの間の競合である。従って、無アルブミンラットを用いることによる外因性アルブミン投与でのアルブミン濃度の上昇や外因性BCAA投与によるBCAA濃度上昇はトリプトファンの脳内取り込みや輸送を制御できると考えられる。
このように中枢神経系の疲労は、アルブミンレベルや前記結合親和性における減少により引き起こされるという可能性がある。他方、中枢神経系の疲労はもし血中アルブミン濃度が増加したなら減弱しうるかもしれないが、上記実験により、中枢神経系の疲労はアルブミンの投与により無アルブミンラットにおいて改善されることはなかった。また、アルブミン処置は、BCAAやBCH処置と比較したとき、シナプトゾーム内へのトリプトファン取り込みの抑制に導くことはなく、無アルブミンラットにおいて疲労への好影響は観察されなかった。
また、BCHはBCAA処置と同様に非常に延長したランニングタイムを生じさせ、シナプトゾーム内トリプトファン及び5−HTPの濃度減少をもたらした。このBCHは、アミノ酸輸送システムの一つであるL−システムトランスポータに対する特異的な抑制剤又はロイシンのアナログであって、両者は単にエネルギー源としての末梢効果よりもBBB上のL−システムトランスポータの抑制に起因すると考えられる。
以上のように、BCAA及びBCHの投与によって、表2に示すように、中枢神経系の疲労に関与するトリプトファン取り込みと5−HT合成はそれぞれ19%及び23%の減少を示し、また、表1に示すようにほぼ2倍のランニングタイムの延長を助長することを示した。無アルブミンラットでは、血漿中のトリプトファン濃度やトリプトファン動態がアルブミンによっては影響されず、内因性アルブミン調節の影響を排除することができる。
一方、トレッドミル走を用いた当該方法においては、中枢性(中枢神経系)と末梢性(筋肉系)の両方の疲労が混在していると考えられる。疲労の原因物質であるトリプトファンはトレッドミル走を負荷することにより、末梢(血中)から血液脳関門(L−システムトランスポータ)を経て中枢(脳)へ移行し、中枢神経系に抑制(負)の情報を与える。その結果として行動の抑制、すなわち中枢性由来の疲労現象が現われる。言い換えるならば、トリプトファン若しくは5−HTの脳内での過剰量は中枢神経系を抑制し、錐体路及びα−運動ニューロンを介した運動系出力を減少させ、最終的にトレッドミル運動の遂行の抑制、つまり中枢由来の疲労現象を引き起こす。このように、当該方法は中枢神経系の疲労を観察する上で妥当性があると言える。ただし、部分的には筋肉組織の参加もあるので、末梢をも包括した心身一元論的疲労特性を有する。また、末梢から脳へのトリプトファンシグナルは、BCHやBCAAにより、L−システムトランスポータ上で阻害(制御)できるので、上記の実験は明らかに中枢性疲労を模索していると言える。こうして、BCAA及びBCHは、外因性及び内因性アルブミンの影響やトリプトファンの脳内への取り込みによる影響を排除して、中枢神経系の疲労回復に真に寄与することが実験的に裏づけられ、それらは単独で、また、両者を併用することによって中枢神経系の疲労の予防及び回復に貢献できることが証明された。
さらに、無アルブミンラットよれば、内因性アルブミンによる影響が排除され、無アルブミンラットによるトレッドミル走のランニングタイムを測定することにより、中枢神経系の疲労モデルとして利用できることが確認された。
〔実験例2〕
Sprague−Dawley系ラットの雌、3週齢(各ラット50g)から1ヶ月間に体重200gに発育〔AIN93Gの通常食(トリプトファンについては2.3g/kg含有したオリエンタル酵母工業株式会社製の標準精製飼料)を1ヶ月間与えた〕した時点から、16日間のトリプトファン欠損食(前記AIN93Gからトリプトファンのみを除去し、その分をコーンスターチで補った調整飼料)により、トリプトファン欠乏ラットを作成した。通常食AIN93Gに含まれるアミノ酸はそれぞれ味の素株式会社製で、各含量(g)は飼料中1kg中に、アラニン5.6、アルギニン6.8、アスパラギン酸13.1、シスチン3.9、グルタミン酸39.6、グリシン3.4、ヒスチジン5.6、イソロイシン10.1、ロイシン17.5、リジン14.9、メチオニン5.6、フェニルアラニン9.5、プロリン21.6、セリン9.7、スレオニン7.7、トリプトファン2.3(トリプトファン含有食のみ)、チロシン10.4、バリン12.6であった(なお、それぞれのアミノ酸は純度100%のものである。)。また、トレッドミル走による20m/min(傾斜7%)のスピードでの30分間のトレーニングを3週齢より週3回、2ヶ月間行なった。トレーニングが完成したこれらのラットに、20m/min(傾斜7%)のスピードで疲労困憊に至るまでランニング負荷を課し、以下に示す疲労試験としてのランニング時間の評価を行なった。疲労困憊は、ラットがトレッドミル上でのスピードに付いていけなくなった時点若しくは走るのを拒否した時点とした。評価は、Student’s t−testの群間比較(対応あり)を用いて処理した。
(評価試験1)
摂取されたトリプトファンによる影響を確認するために、体重200gに発育した時点からそのまま通常食で飼育して上記トレーニングが完成したコントロールラットとトリプトファン欠乏ラットとの比較試験を行なった。その結果を表3に示す。なお、トリプトファン欠損食で育てたトリプトファン欠乏ラットの線条体細胞外液のトリプトファン濃度と5−HIAA(トリプトファンとセロトニンの代謝産物)濃度は、トリプトファン含有食で育てたラットと比較した時、それぞれ55%と53%相当の濃度にまで減少していた。
Figure 2002034257
(評価試験2)
上記トレーニングが完成したトリプトファン欠乏ラットに、生理食塩水及びBCHとBCAAの混合物、BCH並びにBCAAをそれぞれ投与して、4群間の比較試験を行なった。生理食塩水は5ml/kg、BCHとBCAAの混合物は240mg/kg、BCH単独の場合には150mg/kg及びBCAA単独の場合には250mg/kgの投与量で、運動開始1時間前に腹腔内投与された。なお、BCH、BCAA及びアルブミンはそれぞれ生理食塩水に溶解した後用いられた。また、BCAAは、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシンの混合物(重量比、5:3:2)を用い、BCHとBCAAの混合は、BCHが37.5重量%、BCAAが62.5重量%となるように調整した。その結果を表4に示す。
Figure 2002034257
(評価試験3)
上記トレーニングが完成したトリプトファン欠乏ラットに10日間のトリプトファン添加食(AIN93Gにトリプトファン2.3g/kgを添加したもの)を与えた後、生理食塩水及びBCHとBCAAの混合物、BCH並びにBCAAをそれぞれ投与して、4群間の比較試験を行なった。投与量は上記評価試験2と同様に設定し、それぞれ運動開始1時間前に腹腔内投与された。その結果を表5に示す。
Figure 2002034257
(評価結果)
実験例1においては、BCHやBCAAの投与により、血液脳関門(BBB)上に存在する中性アミノ酸のトランスポータであるL−システムトランスポータに対する競合阻害によって、トリプトファンの血中から脳内への移行を阻止したとき、中枢性疲労物質としてのトリプトファンシグナルの増量が抑えられ、中枢神経系の疲労回復や予防に貢献しうることを見出した。上記実験例1では、BCHやBCAA処置は中枢神経系の疲労に対する上記「トリプトファン/5−HT仮説」を前提としているので、トリプトファン欠損食下で育てられたラットに対するそれらの処置効果は期待できないと考えられた。表3及び表4はそれを裏付けるものであって、表3に示す如くトリプトファン欠乏ラットにおいては、通常食ラットに比べて疲労困憊までの時間が長く、トリプトファンが疲労困憊に影響していることを裏づけるものである。また、表4から明らかなように、トリプトファン欠乏ラットにおいては、生理食塩水投与群(コントロール群)と、BCH又はBCAA投与群に対する有意な差は存在しない。
ところが、BCHとBCAAの混合投与群についてのみ、8時間(480分)経過してもなお疲労しない4例が観察された(表4)。おそらく、トリプトファン欠乏ラットであっても、成長期の初期に通常食を与えた期間中のわずかなトリプトファンプールが、中枢性疲労に大きく影響が及ぶため、この混合投与の共力作用が疲労しないラットを作り出したものと考えられる。筋肉へのエネルギー源としても貢献し得るBCAA単独投与では、生理食塩水投与群との差が認められないので、混合投与で出現した共力作用のBCHの効果は完全に中枢性のものと考えられる。
次にトリプトファン欠乏ラットにトリプトファン含有食を与えると、表5に示す如くBCAA単独投与では疲労困憊までの延長効果が統計的に有意(p<0.05,t=2.369,d.f.=7)に表われる。さらにBCH単独投与では、統計学的に有意差は観察されないが、両群間の平均値比較では40分近いランニングタイム差がある。しかも、BCH投与でしか起こり得ない疲労を来さない2例(524分及び524分以上)が観察された。その一方で、易疲労ラットも観察され、BCH効果の個体差が大きい。これは本実験に用いているトレッドミル走行による疲労試験の特性によると考えられる。即ち、上述したように本試験は「筋肉自体の疲労」と「中枢神経系から筋肉への出力情報の疲労」の2つの要因が包括していると考えられ、双方が混在していることに起因するものと考えられる。従って、トレッドミル走行の遂行中に中枢神経系の疲労を阻止すれば、疲労の延長を来す個体が存在する一方で中枢性の疲労以前に、筋肉自体の疲労からトレッドミル走行の遂行が困難になる個体も存在すると考えられる。この欠点を補うべく、BCHを用いて中枢神経系疲労に対する特異的減弱作用の強化を行ない、これにさらにBCAAを補強すると、表5に見られるように、全くと言ってよいほど疲労しないラットの作成を可能にした。恐らく、BCHによるL−システムトランスポータへの特異的阻害は、トリプトファン依存性「疲労情報シグナル」の中枢への入力低下をもたらし、脳内統御回路からの運動系出力情報(随意筋への神経信号)を下位レベル(最終共通路であるα−運動ニューロン)に送りつづけるものと推察できる。その結果、「疲労しない」と結論づけられる。このようにBCH及びBCAA投与のターゲットとなるトリプトファンに対する効果を確認するためには、トリプトファン欠乏ラットの作成は極めて有用である。
BCAAは従来より静脈栄養製剤として病態輸液療法に用いられてきており、筋肉へのダメージ時には、そのケト酸が骨格筋におけるエネルギー基質として利用される他、窒素の供給源として他のアミノ酸やタンパク合成にも貢献することが知られている。従って、BCAAは筋肉疲労への予防や回復にも寄与する一方で、L−システムトランスポータ上にも作用点があるため(上記実験例1による。本願発明者ら:Brain Research Bulletin,52(1),35−38,2000にて発表)、筋肉と脳の両面に効果的であるが、さらにBBB上のL−システムトランスポータへの特異的阻害をBCHにより強化し補えば、両者が単に相加的な作用ではなく、「共力(相乗)作用」を表わし、強力な中枢神経系の疲労の予防・回復剤となることが今回の実験から実証された。
以上のことから、BCHとBCAAを混合して用いることは、BCH単独投与及びBCAA単独投与にない優れた効果を発揮するものであり、BCAA単独投与法で考慮すべく、各アミノ酸の比率配分や量的配合など考える必要もなく、全く新しい着想に基づいたものであって、医薬品用途へはもちろんのこと種々の食品、特に中枢神経系の疲労回復・予防という全く新しい分野への特定保健用食品を提供できる。
図1にそれらの共力作用のメカニズムを示した。図1中矢印の太さは効果の大きさを示すが、BBB上で類似の作用をもつBCHとBCAAの混合による2種の薬物を作用させるとその効果が各単独の作用の和(相加作用)若しくは和よりも大きく現れる(相乗作用)。混合されたBCHとBCAAの作用は、L−システムトランスポータ上では中枢性疲労に対し、相乗的に働きこれを減弱させることができると考えられる。このことは、表5に示すようにBCHとBCAAの混合投与は実験に用いた5例の全ラットが9時間(542分)以上のトレッドミル走行でも、なお疲労しないことが確認されたことからも裏付けられ、BCHとBCAAの混合投与は、強力な中枢神経系の疲労予防、疲労回復に寄与できるものであることが確認された。
脳内トリプトファン過剰は、5−HTの合成を高め、その伝達の変化が、周辺の脳神経の抑制を誘発する可能性は、前述の随所で説明してきたが、さらにトリプトファン自体がneuromodulatorとして周辺のおそらくプレシナプス側のトリプトファンレセプターに作用して(発明者らの実験により生み出された新規仮説)、多くの神経系活動を抑制し、脳内統御回路の運動系出力情報が阻害される可能性も否定できない。マイクロダイヤリシス法を用いたラット線条体細胞外液中のトリプトファン濃度のモニタリング実験では、疲労中、高濃度にトリプトファン放出が見られ、回復期には速やかに基礎レベルに復する。このようにトリプトファンは極めて疲労の負荷及び時間経過を反映する(本願発明者ら;Amino Acids,17(1),p107,1999;Neuroscience Res.Suppl.23,S287,1999)。縫線核ニューロンを使った電気生理学的研究でも、トリプトファンによりそのニューロン発火が抑えられたり(Federation Proc,31:91−96,1972)、本願発明者らはトリプトファン(1mM/30min)をミクロダイヤリシス法を用いて脳内に持続注入したラットでは、極めて早い中枢性or筋肉疲労の出現が起こることを確認している(Amino Acids,21(1),p55,2001)。一方、5−HT自体にも大脳皮質ニューロンの発火を抑える報告がある(Brain Research,231:93−108,1982)ことは言うまでもない。このように筋肉疲労においても、多くは中枢神経系の疲労に大きく依存しているのは明らかである。
以上述べたように、中枢神経系の疲労は脳内におけるトリプトファン濃度に依存するものであり、トリプトファンの脳内への移行を抑えることによって中枢神経系の疲労を抑制できる。BCAAはBBB上のL−システムトランスポータに対する抑制物質として働き、またBCHはBBB上のL−システムトランスポータに対する特異的な抑制物質として働き、BCAAとBCHの併用によって中枢神経系の疲労が著しく抑えられるものと言える。
産業上の利用可能性
本発明によれば、中枢神経系疲労(脳疲労)の回復や予防に特異的に寄与することができ、肉体的な疲労を伴わない、例えば、コンピューター作業や今後活発になるであろう宇宙環境における作業に伴って生じる頭脳的な疲労の改善や予防に大きく寄与できるものである。
また、本発明の中枢神経系疲労モデル用ラットによれば、トリプトファンの脳疲労に対する役割が確認され(トププトファン欠乏ラットによる)、さらに内因性のアルブミンによる脳内へのトリプトファン影響を排除することができる(無アルブミンラットによる)。このため、これらのラットを用いたトレッドミルによる運動能力を測定することによって至極簡単に、中枢神経系の疲労抑制物質など中枢神経系に対する種々物質の影響を調べたりできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、BCHとBCAAの作用点と共力作用の関係を示す図である。
【0001】
明細書
中枢神経系の疲労回復又は予防剤及び疲労回復又は予防のための食品
技術分野
本発明は中枢神経系の疲労回復剤及び中枢神経系の疲労予防剤、中枢神経系の疲労回復のための食品、中枢神経系の疲労予防のための食品並びに中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法、さらにはトリプトファン欠乏ラットの使用方法に関する。
背景技術
従来から、筋肉自体の疲労回復を目的として、例えば、カリウムイオンやナトリウムイオンなどの種々の金属イオン、糖、アミノ酸などを配合した栄養補助食品が数々開発されてきている。
しかしながら、これらの栄養補助食品においては、肉体(筋肉)疲労の回復を試みたものであって、直接、中枢神経系の疲労の回復を目指したものではなかった。
一方、近年において、慢性疲労症候群(CFS)はもとより、情報疲労症候群、情報ストレス症候群、インターネット依存症など中枢神経系の疲労が注目を浴びている。ここにおいて、中枢神経系の疲労とは、随意的興奮水準の抑制の結果、参加する神経−筋接合部−筋繊維レベルでの運動単位の数及び発火頻度の抑制が伴う、つまり脳内統御回路の広汎な部位から生じる疲労が起源であって、運動性の筋肉自身の疲労とは異なるものを意味する。また、肉体(筋肉)疲労に伴って生じるいわゆる疲労感とも異なるものであり、コンピュータ作業や読書など肉体疲労を伴わない状態で生じるものである。この中枢神経系の疲労についてのメカニズムは今まで十分に解明されたものではなかった。
本発明者らは、この中枢神経系の疲労のメカニズムを解明すると共に分岐鎖アミノ酸及びBBB上でのL−システムトランスポータの特異的阻害剤である2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidが中枢神経系の疲労を抑制でき、特に両者併用の
【0002】
下ではほぼ完全とも言える抑制が可能なことを論証し、本発明を完成するに至った。この薬理学的根拠は、両者の共力作用(相乗作用)に基づくものであることが証明された。
また、その過程において、潜在的にアルブミンを有しない無アルブミンラット及びトリプトファン欠乏ラットが、中枢神経系の疲労モデル用ラットとして有用であり、これらのラットを用いたトレッドミル走によって、中枢神経系疲労の抑制物質のスクリーニング法として利用できることをも見い出した。
発明の開示
本発明に係る中枢神経系の疲労回復剤及び中枢神経系の疲労予防剤はそれぞれ2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とし、また、分岐鎖アミノ酸及び2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴としている。
また、本発明に係る中枢神経系の疲労回復のための食品及び中枢神経系の疲労予防のための食品はそれぞれ2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とし、また、分岐鎖アミノ酸及び2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴としている。
本発明に係る中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング法は、トリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することを特徴としている。
さらに、本発明に係るトリプトファン欠乏ラットの使用方法は、トリプトファン欠乏ラットを、中枢神経系疲労実験のための実験モデルとして使用することを特徴とするものである。
図面の簡単な説明
第1図は、BCHとBCAAの作用点と共力作用の関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
【0003】
本発明の中枢神経系の疲労回復剤及び中枢神経系の疲労予防剤は、それぞれ2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acid(以下、本発明においては「BCH」と称する。)を含有することを特徴とし、また、分岐鎖アミノ酸及びBCHを含有することを特徴としている。
また、本発明に係る中枢神経系の疲労回復のための食品及び中枢神経系の疲労予防のための食品はそれぞれBCHを含有することを特徴とし、また、分岐鎖アミノ酸及びBCHを含有することを特徴としている。
本発明においては、中枢神経系の疲労とは上記で定義されるものであって、本発明の疲労予防剤(予防のための食品)は予め中枢神経系の疲労が予定される場合に先立って主として人に適用されるものをいい、また、疲労回復剤(回復のための食品)は予め中枢神経系の疲労が生じた場合に事後的に主として人に適用されるものをいう。すなわち、本発明の中枢神経系の疲労回復剤及び疲労予防剤は、疲労の有無に拘らず適用できるものであって、いわゆる医薬用の用途はもちろんのこと、いわゆるスポーツドリンクなどの食品分野でも用いられるものである。特に、特定保健用食品として、中枢神経系の疲労(脳疲労)の回復、予防という新たな適用が予定されるものである。
本発明において、分岐鎖アミノ酸(BCAA)には、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシンと言った炭素鎖に分岐鎖を有する人体の必須アミノ酸が用いられる。また、これらのアミノ酸は、その生理学的に許容される塩、例えば塩酸塩やさらにはこれらの各種水和物をも用いることができる。これらの分岐鎖アミノ酸はそれぞれ単独若しくは混合物として用いることも可能であり、好ましくはL−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン3種の混合物を用いるのがよい。また、混合物として用いる場合、これらの混合比については特に限定されるものではない。当該分岐鎖アミノ酸の投与量は、ヒトの場合、BCAAは10〜1,000mg/kg、好ましくは50〜500mg/kg程度である。
また、BCHは、例えば金井と遠藤(Japanese Journal of Pharmacol.,Vol.82,SupplementI,8p,2000)らの報告に見られるように、抗腫瘍剤として(本発明者と同様、生体内のL−システムトランスポータを抑制する目的、即ち腫瘍細胞へのアミノ酸輸
【0004】
送システムを抑える目的として使われている)の用途が示唆されており、この物質は人体に安全に使用できるものと考えられている。特に本発明において、BCHの使用量は分岐鎖アミン酸の使用量に比べて約1/10〜1/100程度で済み、非常に効果的なものである。
これらの分岐鎖アミノ酸及びBCHはそれぞれ単独で中枢神経系の疲労回復剤及び疲労予防剤、若しくは疲労回復・疲労予防のための食品として用いることができるものではあるが、両者を併用することにより、疲労回復剤及び疲労予防剤、疲労回復・疲労予防のための食品としての作用を確実にかつ強力に発揮させることができる(相乗作用、図1参照)。
本発明の疲労回復剤及び疲労予防剤は人に適用することが可能な形態であれば、その服用、投与形態は特に制限されるものではない。例えば、血管系やリンパ系などに直接投与可能な注射剤や輸液として、また、デンプンや乳糖などの適当な賦型剤を加え錠剤や顆粒剤、散剤など固形状の服用可能な形態として提供される。さらに、いわゆる健康ドリンク、スポーツドリンクなどの様々な飲料水の形態として、ビスケット状や飴状、ゼリー状などのいわゆる食品の形態のものとした疲労回復・疲労予防のための食品形態として提供することもできる。
また、本発明の疲労回復剤及び疲労予防剤、疲労回復、疲労予防のための食品には、分岐鎖アミノ酸やBCH以外の種々のアミノ酸、ブドウ糖やショ糖などの糖類、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどの各種ビタミン類、ナトリウムイオンやカリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属イオン等、従来から主として肉体疲労回復のために用いられていた種々の化合物を添加することができるのはいうまでもない。
次に本発明に係る中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法は、トリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することを特徴としている。ここにおいて無アルブミンラットは、血漿中(内因性)のアルブミンが欠損しているものであって、例えば遺伝的に血漿中アルブミンが欠損したラットが挙げられる。その取得方法は公知であって(Nagaseら;J.Biochem.94,623−
【0015】
であっても、成長期の初期に通常食を与えた期間中のわずかなトリプトファンプールが、中枢性疲労に大きく影響が及ぶため、この混合投与の共力作用が疲労しないラットを作り出したものと考えられる。筋肉へのエネルギー源としても貢献し得るBCAA単独投与では、生理食塩水投与群との差が認められないので、混合投与で出現した共力作用のBCHの効果は完全に中枢性のものと考えられる。
次にトリプトファン欠乏ラットにトリプトファン含有食を与えると、表5に示す如くBCAA単独投与では疲労困憊までの延長効果が統計的に有意(p<0.05,t=2.369,d.f.=7)に表われる。さらにBCH単独投与では、統計学的に有意差は観察されないが、両群間の平均値比較では40分近いランニングタイム差がある。しかも、BCH投与でしか起こり得ない疲労を来さない2例(542分及び542分以上)が観察された。その一方で、易疲労ラットも観察され、BCH効果の個体差が大きい。これは本実験に用いているトレッドミル走行による疲労試験の特性によると考えられる。即ち、上述したように本試験は「筋肉自体の疲労」と「中枢神経系から筋肉への出力情報の疲労」の2つの要因が包括していると考えられ、双方が混在していることに起因するものと考えられる。従って、トレッドミル走行の遂行中に中枢神経系の疲労を阻止すれば、疲労の延長を来す個体が存在する一方で中枢性の疲労以前に、筋肉自体の疲労からトレッドミル走行の遂行が困難になる個体も存在すると考えられる。この欠点を補うべく、BCHを用いて中枢神経系疲労に対する特異的減弱作用の強化を行ない、これにさらにBCAAを補強すると、表5に見られるように、全くと言ってよいほど疲労しないラットの作成を可能にした。恐らく、BCHによるL−システムトランスポータへの特異的阻害は、トリプトファン依存性「疲労情報シグナル」の中枢への入力低下をもたらし、脳内統御回路からの運動系出力情報(随意筋への神経信号)を下位レベル(最終共通路であるα−運動ニューロン)に送りつづけるものと推察できる。その結果、「疲労しない」と結論づけられる。このようにBCH及びBCAA投与のターゲットとなるトリプトファンに対する効果を確認するためには、トリプトファン欠乏ラットの作成は極めて有用である。

Claims (16)

  1. 分岐鎖アミノ酸を含有することを特徴とする中枢神経系の疲労回復剤。
  2. 2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労回復剤。
  3. 分岐鎖アミノ酸及び2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労回復剤。
  4. 分岐鎖アミノ酸を含有することを特徴とする中枢神経系の疲労予防剤。
  5. 2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労予防剤。
  6. 分岐鎖アミノ酸及び2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労予防剤。
  7. 分岐鎖アミノ酸を含有することを特徴とする中枢神経系疲労回復のための食品。
  8. 2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労回復のための食品。
  9. 分岐鎖アミノ酸及び2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労回復のための食品。
  10. 分岐鎖アミノ酸を含有することを特徴とする中枢神経系の疲労予防のための食品。
  11. 2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労予防のための食品。
  12. 分岐鎖アミノ酸及び2−aminobicyclo[2,2,1]heptane−2−carboxylic acidを含有することを特徴とする中枢神経系の疲労予防のための食品。
  13. 無アルブミンラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することを特徴とする中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法。
  14. トリプトファン欠乏ラットを用いたトレッドミル走による疲労抑制度を測定することを特徴とする中枢神経系疲労の抑制物質スクリーニング方法。
  15. 無アルブミンラットであることを特徴とする中枢神経系の疲労モデル用ラット。
  16. トリプトファン欠乏ラットであることを特徴とする中枢神経系の疲労モデル用ラット。
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