JPS648Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として無底の苗箱で育苗した苗を、
該苗箱ごと地表から剥離するための苗取機の改良
に関するものである。

従来技術 従来、田植機用の苗を育苗するために、短冊状
の無底の苗室を多数並列に配してなる苗箱があ
る。この種の苗箱で育苗した苗を苗箱ごと地表か
ら剥離し、移植作業に供するために、ロツドの先
端に開閉自在な一対のアームを張出して設け、こ
のアーム先端に、該アームの開閉に伴なつて緊
張、弛緩自在なよう、ワイヤを張設してなる苗取
機がある。この苗取機は、まずアームを拡開して
ワイヤを緊張させ、苗箱底面と地表との間に押し
込み、次いでアームを閉じてワイヤを弛緩させ、
そのまま底面に沿つて移動させて根切り操作を
し、苗箱を地表から剥離するよう構成されてい
る。しかるに、アームの開閉は、ロツドに摺動自
在に嵌挿され、アームを支持するスライド管の摺
動により自在に変化する仕組みになつているの
で、緊張したワイヤが苗箱底面に完全に、正しく
入る前に弛緩してしまうことが多く、根切りを円
滑に行うことができず、苗箱を確実に剥離し得な
かつた。

考案の目的および構成 本考案は上記の欠点を除去することを目的とす
るものであつて、ワイヤの緊張、弛緩を規制し、
確実に苗箱を剥離することのできる苗取機を提供
するものである。

即ち、本考案は、ロツドに摺動自在に嵌挿した
スライド管の両側に互に対向させて一対のアーム
を回動自在に張出させ、それらアーム先端にワイ
ヤを張設すると共に、ロツド先端に開閉自在に設
けた一対のリンク先端を、対応するアームの内側
に連結せしめてなる苗取機において、上記スライ
ド管の一側に把手を突出して設けたことを特徴と
する苗取機の構造を要旨とするものである。

次に本考案を図示実施例に従つて説明すると、
１はロツドであり、スライド管２が摺動自在に嵌
挿されている。このスライド管２はロツド１一側
に、一定間隔をあけて配した止具３，４によつて
摺動範囲を規制されている。また、スライド管２
には、取付座５を介して一対のアーム６，６が回
動自在に、張出して設けられている。これらアー
ム６，６先端にはワイヤ７が張設されている。ア
ーム６，６の内側には、ロツド１先端に開閉自在
に設けられた一対のリンク８，８の先端が連結さ
れている。従つて、第１図に示す如く、スライド
管２の後退時にはリンク８，８が拡開すると同時
にアーム６，６の間隔が広がり、逆に第２図に示
す如くスライド管２の前進時にはリンク８，８が
屈折してアーム６，６の間隔が狭くなる。同時
に、図より明らかな如く、アーム６，６の開閉に
従つて、ワイヤ７が緊張または弛緩する。

上記のスライド管２の前進、後退は、スライド
管２に突出させて設けた把手９によつて規制自在
に操作することができる。この把手９は、図示す
る様な単なる棒状体に限定されるものではなく、
使用上の便宜を考慮して随意選択することができ
る。なお、ロツド１の内部を空洞にし、予備用の
ワイヤ７の収納に利用すれば、作業中の取替えに
便利である。

本考案は上記の様に構成されているので、ロツ
ド１を固定し、把手９を持つて引き上げ、スライ
ド管２を後退させ、後部の止具４に圧接させる
と、アーム６，６が拡開し、ワイヤ７が緊張す
る。

そこで、把手９を止具４に圧接させたまま、第
１図の如く地表の苗箱ａ前端からワイヤ７を、該
苗箱ａ底面に押し込むよう、ロツド１を操作する
と、ワイヤ７は緊張しているので容易に苗箱ａの
底面に沿つて地表との間に入り込む。この様にし
て、ワイヤ７を正しく挿入した後、把手９を離せ
ば、スライド管２は規制を解かれて摺動自在とな
る。そこで、ロツド１を手前に引くと、スライド
管２は前方へ摺動して止具３に当接して止る。そ
の結果、第２図に示す如く、ワイヤ７が弛緩する
ので、確実に根を切り、苗箱ａを地表から剥離す
ることができる。このワイヤ７の緊張、弛緩は、
把手９を持ち、その摺動を制止することにより、
随意調節することができ、状況に応じて加減し得
る。

作用効果 このように、本考案によるときには、極めて容
易、且つ確実に、育苗した苗箱を地表から剥離す
ることのできる実益を有するのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は把手を引き上げてワイヤを緊張させた状態を
示す斜視図、第２図は把手を離し、下げて、ワイ
ヤを弛緩させた状態を示す斜視図である。図中の
符号を説明すると次のとおりである。 １はロツド、２はスライド管、３は前部止具、
４は後部止具、５は取付座、６はアーム、７はワ
イヤ、８はリンク、９は把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロツドに摺動自在に嵌挿したスライド管の両側
   に互に対向させて一対のアームを回動自在に張り
   出させ、それらアーム先端にワイヤを張設すると
   共に、ロツド先端に開閉自在に設けた一対のリン
   ク先端を、対応するアームの内側に連結せしめて
   なる苗取機において、上記スライド管の一側に把
   手を突出して設けたことを特徴とする苗取機。