JPS646766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は集塵室とこれを開閉する集塵室蓋を有
する電気掃除機に関する。

従来例の構成とその問題点 従来、集塵室側に尾錠装置を設け、蓋体の一部
を尾錠で係止して固定するようにした電気掃除機
にあつては蓋体を集塵室から取外し易くするため
にこれら集塵室側と蓋体の間にばね体を配設し、
尾錠装置を操作するとばね体の付勢力で蓋体が集
塵室より浮上り、手で蓋体の一部を持つて取外す
ことができるようになつている。しかしこの方式
においては、尾錠装置を操作して蓋体を浮上らせ
た時、この浮上り量が少ないと取外しにくいと共
に、使用者にとつては尾錠装置が外れたのかどう
か不明確であり使用勝手の悪いものであつた。

考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を解消したもの
で、集塵室蓋の開閉操作性を高めたものである。

考案の構成 本考案は集塵室の蓋体が、集塵室に対し常に解
離する方向の付勢力を有するようにばね体を設
け、このばね体に抗して蓋体が集塵室に係止して
いるように尾錠装置を設けたもので、尾錠装置の
係止を解除した時に蓋体がばねの付勢力で集塵室
より解離すると共に、尾錠装置にも蓋体が解離方
向に浮き上るように付勢力を与えて、蓋体の取外
しがより容易に行えるようにしたものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例について、第１図〜７図
に基づき説明する。

第１図〜５図において、１は電動送風機２を内
蔵した本体下で、本体隔壁３と前壁４とで集塵室
５を区画形成している。６はバンパー７を介して
本体１に締結した本体上であり、上方に本体蓋８
を固着している。９は本体下１の前方に固着して
設けた前蓋で、吸気口１０を形成して、本体下１
の前壁４に嵌合させて固定した吸気パツキン１１
と接合させている。１２は集塵室５の中に装着し
た集塵袋で、口枠１３を設けて前記吸気パツキン
１１に圧着をさせ、吸気口１０より吸入した含塵
気流を集塵袋１２でろ過して塵埃を集塵する。１
４は集塵室５を閉蓋する集塵室蓋であり、後端部
に突起１５を設けて本体蓋８の係止穴１６に挿入
すると共に、前方部には係止部１７を一体に形成
し、本体下１と前蓋９とで挾着した尾錠１８を前
記係止部１７に引掛けて、集塵室蓋１４を本体下
１側に係止して、本体下１と集塵室蓋１４との間
にはバンパー７を介在させることにより気密を保
持している。尾錠１８は弾力性を有する合成樹脂
で形成し、一部に薄肉のヒンジ１９を設けてたわ
みやすくするとともに、ヒンジ１９の上方には集
塵室蓋１４の係止部１７に向つて延設した尾錠突
起２０を設けて、係止部１７に係合するようにし
ている。前記尾錠突起２０の上方には、尾錠突起
２０の先端部２１近辺から上向きで、かつ、集塵
室蓋１４の係止部１７から離及する方向に向けて
傾斜した案内リブ２２を設け、集塵室蓋１４を本
体下１側に装着する時は係止部１７が前記案内リ
ブ２２に接触することにより尾錠１８のヒンジ１
９部をたわませて、係止部１７と尾錠突起２０と
を係合させるようにしている。２３は本体下１に
一体に設けた本体取手であり、前記本体取手２３
は上方に開口させて内部に板ばね２４を載置し、
集塵室蓋１４を本体下１に装着した時には、集塵
室蓋１４には板ばね２４側に突出させたばね突起
２５を一体に設けて板ばね２４をたわませ、係止
部１７と尾錠突起２０とが係合するようにしてい
る。

次に作用について第６図と第７図に基づいて説
明する。集塵袋１２を交換するために集塵室蓋１
４を開ける場合には、尾錠１８を矢印ａ方向へ引
張ると、集塵室蓋１４のばね突起２５には板ばね
２４の付勢力が常に本体下１より離れる方向へ働
らいているため、集塵室蓋１４は本体下１より矢
印ｂ方向へ浮上がり、尾錠突起２０と係止部１７
の係合は外れて、係止部１７は尾錠突起２０より
上方へ位置するようになる。この状態において尾
錠１８の矢印ａ方向への印加力をなくすると、尾
錠１８は弾力性を有しているため矢印ｃ方向へ復
帰をするが、この時集塵室蓋１４の係止部１７は
尾錠１８の尾錠突起２０より上方に位置してお
り、尾錠１８の復帰に従い係止部１７と案内リブ
２２が接触をするようになる。

前記案内リブ２２は係止部１７から離れる方向
でかつ上向きの傾斜面を持つているため、尾錠１
８の復帰に従つて係止部１７は傾斜面に沿つて矢
印ｄ方向へ押し上げられ、尾錠１８の復帰の停止
と共に上昇も停止する。集塵室蓋１４は板ばね２
４で押し上げられた後さらに尾錠１８の案内リブ
２２によつて本体下１より浮上つているので、集
塵室蓋１４の一部を容易に持つて本体下１より取
外すことが可能である。次に集塵室蓋１４を本体
下１に取付ける時は、本体蓋８の係止穴１６に集
塵室蓋１４の突起１５を挿入後、集塵室蓋１４を
本体下１に押しつけると、係止部１７が尾錠１８
の案内リブ２２に接触した後、尾錠１８を変形さ
せながら案内リブ２２の表面を移動し、尾錠突起
２０を係止部１７が乗越えて尾錠１８が弾力性で
復帰して、係止部１７を尾錠突起２０で係止す
る。

考案の効果 このように本考案によれば、集塵室蓋を開蓋す
るのに、先ずばね体で集塵室蓋を持ち上げ、その
後尾錠の弾力性を利用して集塵室蓋をさらに浮上
らせるようにしたので、集塵室蓋を持つてそれを
開く時に集塵室蓋が充分に浮上つていることにな
り非常に持ち易く使用性が向上する。また、集塵
室蓋が充分に開き易い状態まで浮上らせるには、
集塵室蓋を浮上らせるばね体の可動量を大きくす
る手段を従来は採用していたが、このものでは集
塵室蓋を締切るのにばね体を圧縮するために大き
な力が必要であると共に、ばね体の反発力も強く
なり集塵室蓋が離れる方向に力が作用して気密性
が保ちにくいという欠点があつたのに対し、本考
案ではばね体の可動量を減少させ、その減少分を
尾錠の弾力性を利用して集塵室蓋を浮上らせるよ
うにしたので、本体との間の気密が保ちやすくな
つて性能向上が行えると共に、集塵室蓋を閉める
力も軽くでき、使用性を向上できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気掃除機の
一部欠截断面図、第２図は部分斜視図、第３図は
要部拡大断面図、第４図は尾錠の斜視図、第５図
はばね体部の拡大断面図、第６図、７図は動作説
明のための断面図である。 ５……集塵室、１２……集塵袋、１４……集塵
室蓋、１７……係止部、１８……尾錠、２０……
尾錠突起、２２……案内リブ、２４……ばね体
（板ばね）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動送風機を内蔵した本体の一部に上面を開口
   させて設けた集塵室と、この集塵室の開口部を開
   閉すると共に、常時開方向にばね体により付勢さ
   れた集塵室蓋と、この集塵室蓋に設けた係止部に
   係合する尾錠突起の上方に傾斜面を有する案内リ
   ブを設けるとともに、施錠方向に付勢された尾錠
   とを具備し、かつ解錠位置にある尾錠の傾斜面
   は、ばね体より開方向に付勢された集塵室蓋の係
   止部に対向するように設定した電気掃除機。