JPS646215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、タツカー、即ち、コの字形のステイ
プルを固定部材へ打ち込む装置であつて、特に、
該ステイプルを打撃する打撃部材の構造に関する
ものである。

第１図は、この種タツカーの一般的な構造を示
しており、図において、１は、ステイプル保持具
であつて、このステイプル保持具１は、その先端
部底面にステイプル出口孔２を有し、かつ、この
出口孔２側に向かつて、バネ３によつて押圧附勢
されたステイプル４，４…の連結体５が挿入され
るようになつている。６は、このステイプル保持
具１の上方に配置される打撃部材保持具であつ
て、この打撃部材保持具６には、その上端をネジ
７等によつて保持された帯状の打撃部材８が下方
へ垂下して取付けられており、この打撃部材８の
下端は、ステイプル保持具１内へ挿入されて、前
記連結体５における最先端のステイプル４上方に
位置している。そして、手動、或いは、空気圧装
置その他の手段によつて、打撃部材保持具６を下
向きに下降させると、打撃部材８の下端が最先端
のステイプル４を打撃し、このステイプル４が連
結体５より切り離されて前記出口孔２より飛び出
し、被固定部材、即ち、木材等の基部９と合成樹
脂シート等の薄片１０へ打ち込んで、これらを固
定するものである。第２図で示すように、ステイ
プル４は、出口孔２より内側においては、ステイ
プル保持具１に案内されて、該ステイプル保持具
１の壁面１１，１１に沿つて下降するが、この出
口孔２から飛び出した時に、このステイプル４を
案内するものがない時、被固定部材９，１０が、
比較的硬質のものであると、該ステイプル４が外
方に広がり、打ち込むことができないという欠点
があつた。

すなわち、保持具１の下端を被固定部材９の面
に当接させたまま打撃すれば、この保持具１の壁
面１１，１１がステイプル４を案内するため、こ
のような不都合を生じないが、打撃の際の反動に
よつて保持具１が浮き上がることがあり、そのよ
うな場合には、上記のように案内するものがない
ため、ステイプル４が外方に拡がる不都合があつ
たのである。

本考案は、このようにステイプルが広がるの防
止して確実に打ち込むことができるようにしたも
のであつて、その構成として本考案は、上記目的
を達成するため、この考案では、連結部とこの連
結部両端を折曲されて、略平行に突出する一対の
打ち込み部とからなるコの字形のステイプルを、
前記連結部を打撃して被固定部材へ打ち込むタツ
カーにおいて、上記連結部を打撃する打撃部材の
打撃部端面を、連結部から打ち込み部側へそのス
テイプル折曲部に沿つて回り込む凹状としてその
打撃部端面を突出させるとともに、その突出部先
端を鋭角状としたことを特徴とするものである。

即ち、本考案の構成を図示の一実施例に基づい
て説明すると、第３図で示すように連結部１２
と、この連結部１２両端を折曲１５されて、略平
行に突出する一対の打ち込み部１３，１３とから
なるステイプル４を打ち込むものにおいて、前記
打撃部材８の下端、即ち、打撃部材端面１４を、
前記連結部１２から折曲部１５に沿つて打ち込み
部１３側へ回り込む凹状に形成したものである。
即ち、打撃部材端面４は、連結部１２に当接する
部分１４ａより、その左右両端を被固定部材側へ
突出１４ｂ，１４ｂさせたものであり、この突出
部１４ｂ，１４ｂの長さｌは僅かなものであつ
て、例えば、打撃部材８の幅Ｌ＝13mmのものに対
し、ｌ＝１mm弱程度のものである。本考案者が、
このような打撃部材８を試作したところ、前記し
たようなステイプル４の広がりを生ずることな
く、被固定部材が硬質のものであつても略確実に
打ち込むことができるということを確かめること
ができた。また、前記回り込み部の突出部１４
ｂ，１４ｂはその先端が鋭角状としてあり、従つ
て、この突出部１４ｂ，１４ｂは被固定部材へ喰
い込むことができるので、ステイプル４が浮き上
がつた状態でいわゆる半打状態となることがな
い。

なお、このようなコの字形のステイプルを打ち
込む装置或いは工具として、本明細書ではタツカ
ーという用語を用いたが、その他ネイラー、或い
は、ステイプラーという用語が用いられることが
あり、本考案は、そのような名称の如何を問わ
ず、このようにコの字形のステイプルを打ち込む
もの全てを含むものである。また、かかる打ち込
み装置或いは工具として、第１図に示したような
ものに限らず、打撃部材によつてステイプルを打
撃して打ち込むものであれば、どのようなもので
もよい。

以上の如く本考案によれば、打撃部材の打撃部
端面をステイプルにおける連結部から打ち込み部
側へステイプル折曲部に沿つて回り込む凹状に形
成してあることから、比較的硬質のものへ打ち込
む場合であつても、外方へ広がつたりすることが
なく、略確実に打ち込むことができるという顕著
な効果を得ることができたものである。また、上
記回り込んで形成された突出部先端が鋭角状とさ
れていることから、前記のように打撃時にその先
端が被固定部材へ喰い込むことができ、これによ
り、ステイプルは浮き上がつた状態で半打される
ことがなく、奥まで確実に打ち込まれるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、タツカーの一例を示す縦断面図、第
２図は、従来構造の打撃部材によつてステイプル
を打ち込む時の状態を示す縦断面図、第３図は、
本考案打撃部材の打撃部材端面の構造を示す正面
図である。 ４……ステイプル、８……打撃部材、９，１０
……被固定部材、１２……連結部、１３……打ち
込み部、１４……打撃部端面、１４ｂ……突出
部、１５……ステイプル折曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連結部とこの連結部両端を折曲されて、略平行
   に突出する一対の打ち込み部とからなるコの字形
   のステイプルを、前記連結部を打撃して被固定部
   材へ打ち込むタツカーにおいて、上記連結部を打
   撃する打撃部材の打撃部端面を、連結部から打ち
   込み部側へそのステイプル折曲部に沿つて回り込
   む凹状としてその打撃部端面を突出させるととも
   に、その突出部先端を鋭角状としたことを特徴と
   するタツカー。