JPS645908B2 - - Google Patents

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JPS645908B2
JPS645908B2 JP54023315A JP2331579A JPS645908B2 JP S645908 B2 JPS645908 B2 JP S645908B2 JP 54023315 A JP54023315 A JP 54023315A JP 2331579 A JP2331579 A JP 2331579A JP S645908 B2 JPS645908 B2 JP S645908B2
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JP
Japan
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zeolite
dialysis
calcium
membrane
dialysate
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JP54023315A
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JPS55175A (en
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Aaru Atsushu Suchiibun
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Purdue Research Foundation
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Publication date
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Publication of JPS645908B2 publication Critical patent/JPS645908B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D61/00Processes of separation using semi-permeable membranes, e.g. dialysis, osmosis or ultrafiltration; Apparatus, accessories or auxiliary operations specially adapted therefor
    • B01D61/24Dialysis ; Membrane extraction
    • B01D61/30Accessories; Auxiliary operation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/14Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • A61M1/16Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes
    • A61M1/1694Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes with recirculating dialysing liquid
    • A61M1/1696Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes with recirculating dialysing liquid with dialysate regeneration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2311/00Details relating to membrane separation process operations and control
    • B01D2311/06Specific process operations in the permeate stream

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
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  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表面吸着剤、酵素、懸濁剤およびゼオ
ライトカチオン交換体から成る透析組成物および
これらの組成物による尿毒性物質の除去法に関す
る。さらに詳述すれば、本発明は、人工腎臓の血
液透析時に尿毒性物質を除去するために用いる組
成物およびその方法に関する。
賢臓が排泄機能を失うと、他の器管の大部分も
直ちに機能障害をおこす。この結果としておこる
数々の症状は尿毒症と呼ばれ、出血、悪心、嘔
吐、心不整脈および昏睡を含む。これらの症状の
激しさは、いくつかの既知化学物質の停滞量に比
例する。人工腎臓を用いる処置による改善効果
は、これらの物質の除去率に比例する。
除去しなければならないいくつかの既知物質に
Na+、H+、K+、Mg++、尿素、クレアニチン、
PO4 --、種々の中型分子(middle molecules)、
ポリペプチド類、フエノール類、グアニジン類、
アミン類などがある。これらの物質の中では尿素
が最も多く、成人では1日あたり15〜30g産生さ
れる。一定量の物質の除去あるいは物質移動
(mass transfer)は、血液中の物質濃度が比較
的低い時に生じる必要がある。言い換えれば、物
質移動係数(mass transfer coefficient)が大き
くなければならない。生物学的用語に言う物質移
動係数とは、クリアランス値(clearance)、即ち
単位時間あたりに排泄された物質量を、血漿中の
この物質の濃度で割つた値に相当する。クリアラ
ンス値が高いほど前記物質の血中濃度は低くな
り、尿毒症状も少なくなる。
今日用いられている一般の人工腎臓治療法は、
1940年代初期にコルフ(Kolff)が開発した方法
と同じである。つまり、体から血液を取り出して
半透膜の閉鎖系を通過させ、再び体内に送り返す
方法である。この膜は小さな分子を透過させる
が、細胞血液要素(celluler blood elements)
やプロテイン類のような大きな分子は透過させな
い。尿毒性物質は小さな分子であり、これらの分
子は、その濃度を膜の外側で低く保つておけば、
膜を透過する。この過程を“透析”という。
初期の人工腎臓および今日用いられている人工
腎臓の大部分においては、膜の外側の尿毒性物質
濃度は、透析液(dialysate)と呼ばれる水を大
量に用いて稀釈し、低く維持している。1回の透
析には120〜200Lの透析液が必要である。この透
析液はひとつの槽中で、あるいは連続的に調製さ
れ、微量成分の除去処理を行い、電解質およびグ
ルコースの濃厚液と混合して血液の温度に暖めて
やらなければない。過剰の排泄を防ぐために透析
液に加えなければならない電解質はCa++
Mg++、K+、Na+、HCO3 -(酢酸塩の形で)およ
びCl-である。カルシウム濃度は、患者の血液に
カルシウム分をプラスするものでなければならな
い。というのは、腎不全患者では体内の総カルシ
ウム量がしばしば低く、そして低カルシウム濃度
による上皮小体ホルモンの分泌促進が患者の健康
に有害であるからである。
現在の人工腎臓は、尿毒性物質濃度を低く保つ
ために、多量の水と共に膜付近において速い流速
を必要とする。コイル型透析装置では、水を膜付
近において高速度(10L/分)で加速再循環させ
ることによつてこの目的を遂げている。平板型あ
るいは中空繊維型透析装置の場合には、透析液が
膜に隣接する狭い室に限定されるので、透析液の
流速としてはもつとゆるやかな速さを用いてもよ
く、それでも膜付近では速い流速が得られること
になる。血液から水分を除去するには、膜の透析
液側よりも血液側の方の圧力を高くする必要があ
る。コイル型透析装置ではプラスの圧力100〜300
mmHgが、また、平板型もしくは中空繊維型透析
装置ではマイナスの圧力が透析液側に設定されて
いる。
従つて、通常の人工腎臓装置には以下のものが
含まれている必要がある: 多量の水の供給機構、生命物質の供給機構、血
液ポンプ、透析ポンプ、膜室(membrane
package)、水の加熱器、和および膜付近の水を
加速(recirculation)するためのポンプ。
さらに監視装置を用いて、血圧および透析液
圧、透析液温度、および透析液中の電解質(生命
に必要な)濃度を監視する。多量の水から毒性物
質を除去するには、水処理装置が必要である。全
装置は複雑、高価且つ運搬不能である。人工腎臓
装置については、米国特許第3352422号、同第
3362540号、同第3570672号、同第3682817号、同
第3864248号およびフランス特許第2263017号に開
示されている。
血液透析に対する別な方策は、透析液を再生し
た再利用することである。この方策を用いて開発
された装置では、透析液を膜近くの槽から取り出
し、吸着性組成物のカラムに通して尿毒性物質を
除去し、再び透析液槽にもどす。以下の吸着化合
物は、数十年来、尿毒性物質の除去に用いられて
来たものである。
a 炭素(charcoal)―1964年にYatzidisによつ
て、殆んどの尿毒性物質(クレアチニンおよび
中型分子)を吸着する特性を有することが初め
て開示された。
b ウレアーゼ―多年来、植物、バクテリアおよ
び動物における尿素の主要分解酵素として知ら
れている。
c リン酸ジルコニウム―1963年にMaeckによ
つて開示されたように標準的カチオン交換体で
あつて、二価のカチオンに対して強い親和力を
有し、一価のカチオンに対してはより弱い親和
力を有している。少なくとも一つの先行技術に
よれば、リン酸ジルコニウムはゲル状であつ
て、H+90%およびNa+10%で負荷(loaded)
されている。
d ジルコニウム・オキシド―ホスフエートとフ
ルオリドを除去するためのアニオン交換樹脂。
現在開発されている装置では、これらの物質は
カラム(重さ約12ポンド)中に積層されていて、
尿素除去の最大能力は約30gである。
理想的にいけば、透析液再生法の利用はもつと
簡単で運搬しやすい透析装置をもたらすであろ
う。しかしながら、現開発装置はむしろ複雑で持
ち運びが悪く、およそ44ポンドの重さである。さ
らに、その使用には下記のような問題がいくつか
伴う。
a 数種の吸着性組成物の連続的積層は、複数特
定要素の好都合な相互作用を妨げる。例えば、
ウレアーゼは、それ自身の産物であるNH4 +
CO3 --によつて阻害される。NH4 +を吸着し、
CO3 --を緩衝するリン酸ジルコニウムがウレア
ーゼ層に存在しないので、阻害を克服するには
多量のウレアーゼを必要とする。
b 透析液流によるカラムの詰まり(packing)
を妨ぐには、吸着性組成物の粒度を注意深く決
めなければならない。それでも、流速300ml/
分以上では詰まりが生じてカラム内の抵抗が増
す。従つて、再生透析液の流速は、他の人工腎
臓装置の透析液の流速(600ml/分)よりも遅
くなる。
c ゲル状のリン酸ジルコニウムはカチオン交換
中にリン酸塩とジルコニウムに分解される。ジ
ルコニウム・オキシドには、過剰のリン酸塩を
ある程度除去する効果がある。
d H+とNa+が、NH4 +との交換によつてリン酸
ジルコニウムから放出される。ウレアーゼ反応
を完全に進行させるためには、リン酸ジルコニ
ウム上のH+とNa+量は、ウレアーゼによつて
産生される予想NH4 +量を上回わる必要があ
る。従つて、リン酸ジルコニウム付近の初期PH
値は低く(例えば、6.1)なければならない。
そのためには透析液にH+を加えることになる。
このH+添加は、ウレアーゼ反応によつて生成
するHCO3 -よりも過剰に行う。H+は、Na+
同様に、腎臓不全症においては有毒である。
e 透析液に添加するH+は、酢酸塩の注入およ
びジルコニウム・オキシドの酢酸塩による負荷
によつて対処されなければならない。
f 透析液へのNa+添加は、初期Na+濃度が血液
よりも低くなるように透析液を稀釈することに
よつて対処されなければならない。これには生
体電解質で製造された透析液約5Lが必要とさ
れる。
g 殆んどのカチオン交換物質がそうであるよう
に、リン酸ジルコニウムはNH4 +のような一価
カチオンに対するよりもCa++やMg++のように
高い電荷密度を有するカチオンに対する親和力
の方が強い。K+の方がNa+よりも好ましい。
Ca++をリン酸ジルコニウムに負荷してもNH4 +
は除去されない。
h Ca++、Mg++およびK+の過剰な除去は、こ
れらのカチオンを酢酸塩と共に透析液に注入す
ることによつて対処されなければならない。
i 透析液約5Lの使用は、装置内に加熱器のあ
ることを必要とする。
J 再生は膜から離れたところで行なわれるの
で、膜を通して充分な物質移動を行なわせるに
は、標準的透析装置のように膜付近で速い流速
を必要とする。
上記諸問題の結果として、現在開発されている
この型の装置は複雑化する傾向にあり(標準的血
液透析法よりも複雑な場合もある)、装置も比較
的大きい。
透析液の再生のために提唱されている別のカチ
オン交換体として、前記装置の炭素と同じ機能で
アンモニウムを除去するためにゼオライトを用い
る可能性が説示されている。この方法は以下の各
系から成る。
a 高いNH4 +/Na+選択性の利点および交換容
量約2mEq/g(リン酸ジルコニウムよりもわ
ずかに高い)を備えたNH4 +吸着剤としてのゼ
オライトを用いる再生系。
b NH4 +吸着剤として特に灰十字沸石
(phillipsite)を用いる系。
c PHのコントロールまたはNa+をH+に交換す
るための第二のゼオライト。このNa+は、
NH4 +との交換によつて第一のゼオライトから
放出されたものである。
d 尿素をNH4 +とCO3 --に分解するためのウレ
アーゼ。
ゼオライトはケイ酸アルミニウムであつて、ア
ルミニウム―酸素―ケイ素―酸素の構造を有す
る。ゼオライトは一般に結晶であつて容易に分解
することはない。アルミニウム位は電子的に陽性
であり、ケイ素位は陰性である。カチオン交換は
ケイ素位に生じる。また結晶構造に基く立体障害
によつて交換するカチオンの大きさと形が限定さ
れる。ゼオライトは、二価のカチオンよりも一価
のカチオンを選択し得る少ないイオン交換物質の
一つである。この物質の選択性は、NH4 +の除去
中、透析液中のカルシウムおよびマグネシウムイ
オン濃度を不変に保つことが出来る程である。
ドイツ特許第2512212号(Gambro AG)では、
NH4 +交換がNa+を負荷したゼオライトで実施さ
れると指示されている。この交換には種々の天然
ゼオライト、特にクリノプチロライト
(clinoptilolite)および灰十字沸石が示唆されて
いる。ゼオライトの選択性と機能については、す
でに詳述されている〔Donald Breck、
Zeolites:Molecular Sieves、1972〕。
しかしながら、このような装置にゼオライトを
使用することに関連して、いくつかの問題が生じ
て来る。
a 装置内に透析液再生用カラムを使用している
場合には、詰まり、高流速、およびウレアーゼ
とカチオン交換体のように望ましい相互作用を
持つ各構成要素の分離という問題が生じて来
る。
b 第一のゼオライトによるNH4 +交換で生成し
た過剰のNa+を除去するために第二のゼオライ
トを必要とする場合には、この第二のゼオライ
トはNa+をH+に交換する。このゼオライト上
のH+量は、尿素の分解によつて生成する
NH4 +の予想総量を上回わる必要がある。従つ
て、発生するH+はCO3 --を上回わり、そして
H+を負荷したゼオライトのまわりのPHは全体
の反応を通じて低くなる。例えば、初期PH値が
6.4である場合には、H+が患者にもどされ、塩
基の再注入が必要とされる。
c 第二のゼオライトの使用は、必要とされるゼ
オライトの重量を増加させる。後述する例で
は、Na+負荷ゼオライト1000gと共にH+負荷
ゼオライト800gを用いている。
d 記載された装置が、透析液中のカルシウム濃
度を一定に保つように作動する場合には、患者
にカルシウム分を与えないが、このような患者
へのカルシウムの補給は望ましいのである。
e リン酸塩の除去に関しては、そのあとでは何
の対策もなされていない。
f ゼオライトおよび他の吸着剤は膜から離れた
ところで用いられるので、透析膜付近における
透析液の流速を速やかにする装置が必要であ
る。
従つて、上記諸問題の全て、あるいは少なくと
も大部分を改善するような透析組成物および透析
法が必要とされている。
本発明は、透析組成物として有用な新規混合物
ならびに尿毒性物質を除去する新規方法に関す
る。ここで言う透析組成物とは、例えば、この組
成物が存在するために、適当な膜を透過する透析
が生じて尿毒性物質、即ち、腎臓不全によつて堆
積する毒性物質が除去されるような組成物であ
る。本発明の混合物を人工腎臓の片側に接するよ
うに位置させると、今までの公知人工腎臓に使用
されていた水槽、成分調整装置または再生カラム
を用いることなく、膜の反対側の血液中の尿毒性
物質を除去し得る。さらに、特にカルシウムを負
荷したゼオライトカチオン交換体を懸濁剤に懸濁
したものを含む混合物を用いることによつて、患
者に対する適切なイオン置換が行われる。
本発明の目的は、人工腎臓において尿毒性物質
を吸着する透析組成物を提供すること、および半
透膜を有する人工腎臓においてこの透析組成物を
利用する方法を提供することである。この組成物
には尿素物質を吸着し得る表面活性剤、尿素反応
において触媒として作用する酵素、懸濁剤および
この懸濁剤に懸濁され得るゼオライトカチオン交
換体が含まれる。この組成物を用いると、水槽、
成分調整装置、再生カラムまたは電解質の再注入
を要することなく血液透析が可能となる。このよ
うな物質の利用は、小型で簡潔な人工腎臓を可能
にする。
本発明は人工腎臓において尿毒性物質を吸着す
る透析組成物を提供するものであり、その組成物
は懸濁剤に懸濁させたゼオライトカチオン交換体
によつて特徴づけられる。
本発明はまた、尿毒性物質を吸着し得る表面吸
着剤、尿素反応において触媒として作用する酵
素、懸濁剤およびこの懸濁剤に懸濁し得るゼオラ
イトカチオン交換体を特徴とし、人工腎臓に用い
られる透析組成物に関する。
さらに、本発明は血液透析において尿毒性物質
を除去する方法に関し、その方法は前に定義した
ような透析組成物を調整し、この透析組成物を血
液に接触させて血液中の尿毒性物質を吸着させ、
浄化させることを特徴とする。
添付図面は、この原理を実用に供するために現
在考えられている最も良い方法に基くひとつの具
体例を示したものであり、第1図は本発明の透析
組成物を用いた有用な人工腎臓の横断面を表わ
し、第2図から第5図は、本発明を説明するグラ
フである。
図面について説明すれば、人工腎臓7の横断面
図を示したものが第1図である。図からわかるよ
うに、このような腎臓には、通常、膜の一方に透
析組成物11が、そして膜の反対側に血液13が
存在するように、複数の半透膜9がセツトされて
いる。透析組成物および血液用には、各々適切な
導入口15および17が設けられている。当業者
には自明のことであるが、全体の一貫した装置に
おいては、同様に適切な流出口(図示していな
い)が設けられている。膜(実際に示されている
以外に、例えば中空繊維(hollow fibers)とし
て成形されていてもよい)はクランプ19と20
で締めてもよいし、他の方法で固定させてもよ
い。人工腎臓装置は良く知られており、例えば前
記引用特許に示されている。従つて、このような
装置は本発明をより良く説明するのに必要な限度
においてのみ示されている。
血液の出入口をたつた一つだけ有する人工腎臓
については、係属中の米国出願第731826号に開示
され、クレームされている〔出願日―1976年10月
12日;発明者―Stephen R.Ash、Philip G.
Wilcox and David P.Kessler:発明の名称―人
工腎臓として用い得る携帯用化学反応装置〕。本
発明は、引例に開示されている装置にも使用出来
る。
本発明において、半透膜9を通しての尿毒性物
質の有効な除去は、膜の透析液側に吸着性組成物
の懸濁液を位置させることによつて実施される。
ここにおかれた吸着性組成物は、通常膜付近では
高速で流される透析液に代るものであり、そして
透析液の再生に用いられるカラムに代るものでも
ある。膜の透析液側における尿毒性物質の拡散距
離が非常に小さいので物質移動は高効率で行なわ
れる。
以下の物質は、このような吸着懸濁液中で使用
するうえで顕著な利点を有する。
a 炭素(charcoal)または他の表面吸着剤、 b ウレアーゼ溶液もしくは懸濁液、 c カルシウムを負荷した天然および合成ゼオラ
イトカチオン交換体、および d メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉も
しくはデキストロースのような懸濁剤。
この簡単な吸着剤の組合せによれば全ての尿毒
性物質が吸着され、Ca++とHCO3 -のような有益
なイオンを患者に還流する。懸濁液は、膜面付近
にある成分が飽和状態になるのを防ぐ程度の速度
で動かせばよい。この運動は、ある種の透析装置
では膜運動によつて行われ、また他の透析装置で
は、第1図において破線で示したような小さな撹
拌ポンプ22によつて行われてもよい。すべての
吸着剤がセロフアン表面近くにある中空繊維型
(図示せず)の場合には、吸着剤懸濁液を移動さ
せなくても透析を実施し得る。
本明細書中で試験に用いたゼオライトは合成ゼ
オライト(Linde F―80とW―85)、灰十字沸石
およびクリノプテイロライトであるが、他の多く
のゼオライトを用いることも出来る。さらに、ゲ
ル状のリン酸ジルコニウムは水中でボールミルす
ると懸濁し得るので用いることが出来る。また、
ウレアーゼの他に触媒を尿素反応に用いることも
出来る。炭素は懸濁液中で他の表面吸着剤、例え
ばイオン交換樹脂(アンバーライト)と入れ替え
てもよい。2つ以上のカチオン交換体を加えるこ
ともよいし、いくつかの懸濁剤の一つを用いるこ
とも出来る。
実際上、本発明の吸着性の透析組成物は、水が
加えられているか否かによつて、懸濁液(スラリ
ー)状または懸濁液に調製し得る固形状のいずれ
かの態様で提供され、要すれば、使用に際して水
を加え、固形成分約60〜65%の懸濁液とする。懸
濁液状の本発明組成物は、ゼオライトカチオン交
換体、表面吸着剤、および固定化ウレアーゼから
なる固体成分を、イオン強度を適切に調節するた
めの塩類を含有する溶液に懸濁して調製される。
好ましくは、炭素とウレアーゼとが接触して酵素
活性が失われることを避けるために、炭素を含有
する懸濁液と、固定化酵素(ウレアーゼ)を含有
する懸濁液とを別個に調製し、これらの懸濁液を
使用直前に混合する。
そのようにして得られる懸濁液は、直径約2〜
約10μの粒子を含有することになる。この固形成
分の粒度は厳格なものではなく、使用条件によつ
て種々変化され得る。粒子径は大きい程機能的で
あるが表面積が減少し、透析効果が低下するおそ
れがある。
本発明の組成物には、ユニオンカーバイド社等
の製造業者から供給される市販品を用いることが
できる。ゼオライトカチオン交換体としては、例
えばイオンシブ(Ionsiv)W(Ca/Na)(ユニオ
ンカーバイド社)、イオンシブF―80(Na)(ユニ
オンカーバイド社)、ウレアーゼ―イオンシブW
(Ca/Na)等を挙げることができる。また、炭
素としてはマリンクロツト(Mallinckrodt)粉
末状活性炭を挙げることができる。本発明組成物
中の懸濁剤は、通常、このような懸濁液の調製に
用いられる懸濁化剤から選択され、例えば0.5%
メチルセルロースを挙げることができる。
懸濁液中に用いるゼオライトカチオン交換体の
量を、透析液のイオン平衡を調節すると共に、透
析の間中、ウレアーゼ活性が最低20U/mlに維持
されるよう、様々に変化させる必要があることは
いうまでもない。また、懸濁液中に用いるゼオラ
イトカチオン交換体の量は患者の必要性に応じて
も変化させる。ある種の患者に対しては、カルシ
ウムと重炭酸塩の回収量を減ずるために弱いカチ
オン交換樹脂(例Bio―Rex70)を併用してもよ
い。
吸着性組成物の懸濁液を透析膜に接触させて使
用すると、標準的透析装置のいくつかの要素、例
えば大量の水、イオン類、グルコースおよび水か
ら成る混液、水処理、加熱装置および膜付近の速
い流速(狭い流路または高速再加速ポンプによ
る)を省略することが出来る。さらに、吸着懸濁
液はカラム中で吸着剤を用いるよりもすぐれてお
り、カラムを設置する場所を始めとして、透析膜
とカラムとの連絡チユーブおよびポンプも勿論不
要となる。そして、膜付近で化合物の飽和を避け
るには、吸着性組成物を徐々にかきまぜる必要が
あるだけである。
吸着性組成物がカラム中におけるように層に分
離すると構成々分間の望ましい相互作用は得られ
ない。例えば、ウレアーゼはそれ自身が産生する
NH4 +とCO3 --によつて阻害される(NH3の生成
と高PHによる)。またNH4 +はカチオン交換体に
よつて捕捉される。ウレアーゼとカチオン交換体
との懸濁液では、カチオン交換体がNH4 +で飽和
されるまでウレアーゼ反応が進行する。ウレアー
ゼとカチオン交換体が部分的に分離したカラムで
は、ウレアーゼの部分的な阻害がみとめられる。
本発明の場合のように吸着性組成物を透析膜に
接しておくと、尿毒性物質を溶液から除去するま
での拡散に要する距離が短い。透析槽における尿
毒性物質は低濃度に保持されているので、すぐれ
た物質移動が膜を透過して生じる。従つて、本発
明に用いたような吸着化合物懸濁液は、懸濁液の
流速が遅くても良好な効果を示し、低流速におけ
るこの効果は水を高速で流した際に得られる効果
よりもすぐれている。
第2図は、尿毒性物質クレアチニンを、セルロ
ース膜を透過させて除去する際の時間的経過を表
わしたものである。縦軸は膜室内への流入液中の
クレアチニン濃度に対する流出液中のクレアチニ
ン濃度の比である。この膜室は液を流入流出させ
るようになつており、クレアチニン溶液が膜室内
に停滞している時間は循環時間(cycle time)で
表わされる。クレアチニンの除去は、膜が水で包
まれている時(−×−×−×−)よりも、実施例
1の透析用吸着性組成物の“スラリー”または懸
濁液で包まれている時(−〇−〇−〇−)の方が
遥かに効果的に行なわれることがわかる。この透
析膜室において水の流速を非常に速くした場合で
も、クレアチニンの除去(物質移動係数)は、本
発明のスラリーを用いた場合の効果には達しな
い。
吸着性組成物をカラムに充填した場合には、流
速を増加させると抵抗が大きくなる。この現象を
“詰まり(packing)”という。この詰まりに伴つ
て生じるのが“チヤンネリング”または吸着性組
成物の大部分を避けて通る流路形成である。その
結果、カラムの能力は吸着性組成物の懸濁液の能
力には到底及ばないことになる。事実、吸着性組
成物の最大能力は、通常懸濁液中で測定される。
吸着剤の懸濁液を用いると上記のような問題が避
けられる。
アンモニウムに対するゼオライトの選択性は、
他の殆んどのカチオン交換体の場合よりも著しく
高い。さらに、ゼオライトが交換し得るカチオン
の総量(最大量)は、他の殆んどの交換体のそれ
よりも大きい。〔Union Carbide社の技術資料に
よれば、合成ゼオライト(Linde F―80)が
7mEq/gであるのに対して、CCI社の資料によ
れば、リン酸ジルコニウムは2.0mEq/gとされ
ている。〕ひとつの実験結果によると、ゼオライ
トを用いた場合、吸着除去されるアンモニウムは
各々の上澄液中のアンモニウム濃度よりも高い。
第3図は、各種のカチオン交換体の懸濁液を
NH4Clで滴定した場合のカチオン交換体上に固
定されたアンモニウムの量を表わしている。H+
−Na+で負荷したリン酸ジルコニウムを除き、す
べての交換体はNa+で負荷されている。図からわ
かるように、合成ゼオライト(Linde F―80お
よびW―85)は、低いNH4 +濃度において、リン
酸ジルコニウムや灰十字沸石に対してほぼ2倍の
NH4 +を固定する。また、ゼオライトは、各
NH4 +濃度において、クリノプチロライトに対し
てほぼ4倍のNH4 +を固定する。
ゼオライトカチオン交換体の結晶骨格は、ある
大きさおよび電荷密度を有するイオンを排除する
傾向がある。それ故に、ゼオライトは、カルシウ
ムのような二価カチオンよりもアンモニウムに対
して高い選択性を有する数少ないカチオン交換体
の一つである。この特性は、ゼオライトをカルシ
ウムで負荷し、次いでアンモニウムと交換するこ
とを可能にする。この交換法は数十年間にわたつ
て廃棄物処理における水の精製に用いられて来
た。第4図は、カルシウムで負荷(50%カルシウ
ム、50%ナトリウム)した合成ゼオライト
(Linde F―80とW―85)によるアンモニウムの
固定を表わしたものである。低い方の曲線はゼオ
ライトをNH4Clで滴定した場合を表わす。第3
図における同様な曲線と比較すると、アンモニウ
ムの固定が、ナトリウム負荷ゼオライトよりもカ
ルシウム負荷ゼオライトの場合にわずかに減少し
ていることがわかる。これとは逆に、リン酸ジル
コニウムはカルシウムに対して非常に高い選択性
を有しているので、カルシウムで負荷したリン酸
ジルコニウムは、そのカルシウムを殆んどアンモ
ニウムと交換しない。
第4図はまた、合成ゼオライトの炭酸アンモニ
ウムによる滴定を示している。図に示されている
ように、炭酸アンモニウムによつて生じる高PH域
におけるアンモニウムの固定は、塩化アンモニウ
ム滴定による低PH域における固定よりも著しく大
きい。ウレアーゼが炭酸アンモニウムを産生する
ので、ゼオライトの炭酸アンモニウムによる滴定
は、当然尿素およびウレアーゼの存在下における
アンモニウムの固定を象徴している。
ゼオライトには、カルシウムをアンモニウムと
交換し得る選択性があり、しかも最適固定条件が
高PH域にあるので、カルシウムを負荷したゼオラ
イトは、ウレアーゼ反応による窒素を効果的に除
去する。第5図は、尿素を上澄液に加えた後のカ
ルシウム負荷ゼオライトによるアンモニウムの固
定を示したものである。負荷は、ゼオライトを
0.4MのCaCl2に2回懸濁し、2回遠心分離に付
し、水に再懸濁することによつて行なう。ウレア
ーゼは低濃度、すなわち100c.c.あたり0.5g、また
は200サムナー(Sumner)単位存在させ、反応
の完結に30分間をかける。この結果、アンモニウ
ムの固定は、ゼオライトの炭酸アンモニウムによ
り滴定の場合とほぼ同じであり、上澄液100c.c.あ
たりアンモニウム2mEqの濃度では、合成ゼオラ
イト(Linde F―80とW―85、カルシウム負荷)
1gあたり1.4mEqのアンモニウムが固定れてい
る。
透析膜を透過する尿素の移動を上回わる比率で
尿素が除去されるということは、いうまでもなく
重要なことである。従つて、ゼオライトのアンモ
ニウム固定平衡は、ウレアーゼ反応中の固定速度
とは無関係である。カチオン交換体10g/100c.c.
の存在下では、ウレアーゼは、製造業者が定めて
いるサムナー(Sumner)単位と同等の最大速度
で反応する。過剰のウレアーゼ(5g/100c.c.)
は、固定平衡(第5図)と同等の尿素固定を2分
以内に行なう。
ゼオライトの密度はリン酸ジルコニウム(比重
2.5)の場合よりも遥かに小さい。これは、膜表
面近くに吸着性組成物を保持するために重要な懸
濁をより容易にする。0.5%メチルセルロース溶
液(1500センチポイズ)中では、合成ゼオライト
(Linde F―80とW―85)、灰十字沸石およびク
リノプチロライトなどの試験したすべてのゼオラ
イトを無制限に懸濁させることが出来る。このゼ
オライトの懸濁状態は、炭素およびウレアーゼを
加えても影響を受けない。ゲル状のリン酸ジルコ
ニウム(CCI Life System社製)は、この濃度の
メチルセルロースではわずか10分間懸濁し得るに
すぎない。
吸着性組成物の粒子を長時間懸濁させ得るとい
うことは、懸濁液を急流速で流すことなく、これ
らの化合物を透析膜に接近させて保持することを
可能にする。膜表面の吸着化合物が飽和状態にな
るのを避けるには、懸濁液をゆつくり流すだけで
充分である。係属中の米国出願第731826号に開示
されている装置においては、血液室の容積変化に
よつて起る膜の運動が、吸着化合物の懸濁液をか
きまぜ、飽和状態になるのを防ぐのに充分な作用
をする。他の透析装置では、1回の治療中に2〜
3回、全懸濁液を、膜室(membrane package)
を動かして流動させる必要がある。
ゼオライトは結晶性であるため、ゲル状の物質
よりも安定である。ゲル状のリン酸ジルコニウム
はカチオン交換中にわずかに溶解する。溶解した
リン酸塩は先行技術のカラムではジルコニウム・
オキシドによつて固定される。ゼオライトは交換
反応中溶解することがない。
第2〜第4図は、カルシウムを負荷したゼオラ
イトがウレアーゼ反応によるアンモニウムを効果
的に除去し得ることを示している。しかしなが
ら、第3図に示したように、ナトリウムを負荷し
たゼオライトも同様に効果的であることがわか
る。しかしながら、カルシウムを負荷したゼオラ
イトを懸濁液として用いると、いくつかの目立つ
た利点がある。これらの利点は、この特定の負
荷、すなわちカルシウム負荷の利用を非常に望ま
しいものにしている。
1 アンモニウムとの交換によつてカルシウムが
放出され、このカルシウムの一部は透析膜を透
過して患者の体内に供給される。このカルシウ
ムは患者にとつて有益であり、体内のカルシウ
ム貯蔵を増加し、透析患者では高くなりがちな
上皮小体ホルモン濃度を低下させる。カルシウ
ムは、腎臓不全において毒性でない数少ないカ
チオンの一つである。ナトリウム、水素、カリ
ウムおよびマグネシウムはすべて潜在的に有害
である。
2 CO3 --はウレアーゼ反応によつて生成する。
CO3 --は、H+−Na+を負荷したリン酸ジルコ
ニウムもしくはゼオライトのようなカチオン交
換体上のH+では消去されない。従つて、この
CO3 --の一部は自由に患者の体内に移行する。
腎臓不全患者は酸性症であるので、このCO3 --
は患者に有益である。例えば、CO3 --は骨から
H+を除去し、カルシウムの沈着を促進する。
酸性症が解消されれば、上皮小体ホルモンも減
少する。
3 患者の体内に移行するカルシウムおよび
CO3 --は、いずれも大過剰になることはなく除
去された尿素に相当する量にもならない。これ
は膜の透析液側に沈澱した炭酸カルシウムが、
透析膜から患者の血流への流路を妨げるためで
ある。カルシウムを負荷したゼオライトの存在
下にウレアーゼ反応をin vitroで行なうと、上
澄液のカルシウムが実際に低下する。例えば、
この反応によるアンモニウム2mEq/gの固定
によつて、上澄液のカルシウムは27mM/Lか
ら1mM/Lに減少する。これは、カルシウム
と重炭酸塩の沈澱で説明出来る。患者の体内に
移行する重炭酸塩もまた、この沈澱によつて減
少る。もし1日あたり18gの尿素が患者の体内
で生成するとすれば、18gもしくは300mMを
除去る必要がある。この量はウレアーゼ分解反
応によつて生成するアンモニウム600mEqに対
応する。カルシウム600mEqもしくは
CO3 --600mEqが患者の体内に移行することは
過度である。従つて、カルシウムおよび重炭酸
塩の沈澱によつてこれらの物質が透析膜を透過
して移行するのが制限されることは思いがけな
い利点である。
4 カルシウムおよびリン酸塩も膜の透析液側で
沈澱する。リン酸塩は透析過程中に除去されな
ければならないので、この沈澱は、血液中のリ
ン酸塩濃度を低下させることになり、有益であ
る。特定のリン酸塩結合剤(例えば、酸化ジル
コニウム)は必要ではない。尿毒症のイヌを用
いた最近の実験によれば、膜室を用いるリン酸
塩の除去は、流入血と流出血の間で、血中濃度
を50%低下させることが出来る程のものであつ
た。これは、クレアチニン、尿素およびカリウ
ムの場合とほぼ同じ低下率であつた。
5 ナトリウムまたは水素をゼオライトに負荷す
ると、ナトリウムまたは水素が患者の体内に移
行することになり、これらは、腎不全患者にと
つては共に有害物質である。ある先行技術によ
れば、塩基の再注入と5Lの透析液が必要であ
るとされている。塩基の再注入を必要とするの
はH+が体内にもどるのを防ぐためであり、低
いNa濃度の透析液5Lは、放出されたNaを稀
釈するためである。カルシウムを負荷したゼオ
ライトを用いると、塩基の再注入および多量の
透析液が共に不要になる。
6 先行技術では2つの交換体を必要とするのに
対して、本発明に要する交換体は1つだけであ
り、そのため吸着剤の重量もかさも減少する。
好ましいゼオライトは、モル計算で、カルシウ
ム30〜80%、ナトリウム20〜50%およびカリウ
ム0〜20%を負荷したものである。
以上のことをまとめると、人工腎臓の膜に接し
て吸着剤の懸濁液をおくことは、透析装置の簡略
化および膜を透過する物質移動の増加をもたら
す。ゼオライト物質は、ウレアーゼ反応において
重炭酸塩と共に得られるアンモニウムの吸着に適
している。このようなゼオライトをカルシウムで
負荷ると、患者に有益なカルシウムと炭酸塩の体
内への移行をもたらす。カルシウムはまた、リン
酸塩が体内に移行することを制限する。カルシウ
ムおよび炭酸塩の移行は、生体からの尿素の排出
よりも少ない。これは、透析室におけるカルシウ
ム、リン酸塩およびカルシウム―カルボネートの
沈澱によるものである。他の再生装置にみられる
患者へのナトリウムと水素の過剰負荷は回避出来
る。
以下に、実施例を挙げ、本発明に従つて得られ
る透析組成物の1例を示す。
実施例 1 透析組成物(懸濁液) 以下の構成成分を含有する透析組成物を調製す
る。成 分 イオンシブW(CaおよびNaを 300g 担持)+ウレアーゼ ―イオンシブW(Caおよび Naを担持) イオンシブF―80(Naを担持) 200g 炭 素 140g 上記成分に透析用溶液(40mM NaHCO3、0.5
重量%メチルセルロース、3.0量%デキストロー
スを含有する水溶液)を加えて固形物含量60〜65
%の懸濁液を調製する。
【図面の簡単な説明】
第1図は人工腎臓の横断面;第2図は血液槽に
おけるクレアチニン濃度の減少状態グラフである
(−〇−〇−〇−:実施例1の透析組成物懸濁液、
−×−×−×−:水);第3図から第5図までは、
アンモニアの固定状態を表わすグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 人工腎臓に用い得る透析組成物であつて、 (イ) 尿素分解の触媒として作用する酵素、 (ロ) 懸濁剤、 (ハ) 該懸濁剤に懸濁し得るゼオライトカチオン交
    換体、および (ニ) 尿毒性物質を吸着し得る、ゼオライトカチオ
    ン交換体以外の表面吸着剤、 からなる組成物。 2 該表面吸着剤が炭素である特許請求の範囲1
    に記載の透析組成物。 3 該表面吸着剤がゼオライトカチオン交換体以
    外のイオン交換樹脂である特許請求の範囲1に記
    載の透析組成物。 4 該酵素がウレアーゼである特許請求の範囲1
    〜3のいずれかに記載の透析組成物。 5 該懸濁剤がメチルセルロース、ヒドロキシエ
    チル澱粉またはデキストランである特許請求の範
    囲1〜4のいずれかに記載の透析組成物。 6 該ゼオライトカチオン交換体が灰十字沸石、
    クリノプチロライトまたは合成ゼオライトである
    特許請求の範囲1に記載の透析組成物。 7 該ゼオライトカチオン交換体がカルシウムを
    負荷されている特許請求の範囲1〜6のいずれか
    に記載の透析組成物。 8 該ゼオライトカチオン交換体がモル計算で30
    〜80%のカルシウム、20〜50%のナトリウムおよ
    び0〜20%のカリウムを負荷されている特許請求
    の範囲1〜7のいずれかに記載の透析組成物。
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