JPS64551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、乾燥機本体の一側に昇降機を付設
し、この昇降機から穀物収容槽内に穀物を投擲し
て収容する穀物乾燥機において、穀物収容槽内に
穀物を正確に均平に収容するための穀物乾燥機に
おける配穀装置に関する。

従来の技術 従来、上部に穀物収容槽を有する乾燥機本体の
一側に昇降機を付設し、該昇降機の上部投擲口か
ら穀物収容槽内に穀物を投擲収容する穀物乾燥機
は、例えば特開昭58−100011号公報に記載されて
いるように、本出願前公知である。この従来の穀
物乾燥機は、穀物収容槽の一側上部の穀物投擲窓
に昇降機の投擲口を接続し、穀物収容槽内の上部
に両端を開放した筒状の落下規制体を水平状態に
配設したものであつて、かかる構成の装置によれ
ば、昇降機の投擲口から穀物を落下規制体に向け
勢いよく噴出させることで穀物をジヤンプさせ穀
物収容槽内に投擲収容せしめようとしたものであ
る。

考案が解決しようとする問題点 ところで、上記の如き従来公知の送穀装置を備
えた穀物乾燥機によつて穀物を穀物収容槽内に収
容せしめた際には、投擲された穀物は落下規制体
と衝突してジヤンプされる関係で、穀物収容槽の
投擲窓から投擲される穀物が遠い位置に片寄つて
多く落下され、投擲窓に近い側には殆んど落下さ
れない現象を起し、その結果、穀物収容槽内に穀
物を均平状態のもとに収容することができず、特
に穀物の堆積高さの低い側に面した投擲窓の近傍
位置には比重の軽い粃や藁等が滑落堆積され、そ
のため、穀物収容槽から通風乾燥部に流下する穀
物が均等にならず、これが原因で乾燥むらを起す
欠点があつた。

そこで、本考案は、このような従来装置のもの
の欠点を解決しようとするものであつて、昇降機
の投擲口から穀物収容槽の投擲窓を経て該穀物収
容槽内に投擲される穀物を、穀物収容槽全体にわ
たつて的確に均平に収容することができる穀物乾
燥機における配穀装置を提供しようとするもので
ある。

問題を解決するための手段 従つて本考案の技術的課題は、昇降機の投擲口
から穀物収容槽の投擲窓を経て投擲された穀物を
穀物収容槽全体にわたつて正確に均平に収容して
穀物を乾燥むらを発生させず均一に乾燥させるこ
とにある。

この技術的課題を解決するため、特にその構成
を、上部に穀物収容槽を有する乾燥機本体の一側
に昇降機を付設し、該昇降機の上部投擲口を穀物
収容槽の上部一側の投擲窓に連通させたものにお
いて、前記穀物収容槽内の上部で、かつ穀物の投
擲通路中には水平状態に枢支された落下拡散板を
設け、該落下拡散板は電動機及び揺動連結杆によ
り上下方向に往復せしめると共に、投擲窓側に面
した落下拡散板には揺動作用時にあつても常に垂
下状態を維持できる規制板を枢着したことを特徴
とする穀物乾燥機における配穀装置としたもので
ある。

作 用 上記技術的手段は次のように作用する（第１図
ないし第３図参照）。すなわち昇降機３によつて
搬送された穀物は、その上部投擲口４から穀物収
容槽２の投擲窓５を経て該穀物収容槽２内に投擲
される。

一方、落下拡散板１１は、投擲穀物を受け止め
るように電動機１４及び揺動連結杆１５により水
平状態から上下方向に往復揺動されると共に投擲
窓５側に面した落下拡散板１１には揺動作用時に
あつても常に垂下状態を維持できる規制板１２が
枢着されているので、投擲された穀物は、一定角
度の範囲で往復揺動される落下拡散板１１および
垂下状態の規制板１２に沿つて案内され、投擲口
４より一番遠い位置、或はそれよりも近い中間位
置さらには一番近い位置に順次分散されながら均
等に案内落下される。

したがつて、穀物の配穀作業時にあつては単に
垂下状の規制板１２を備えた落下拡散板１１を水
平状態より上下方向に往復揺動せしめれば、落下
拡散板１１および規制板１２とによる穀物の案内
作用が相俟つて穀物収容槽２内に投擲された穀物
は均平に収容され、比重の軽い粃や藁等が低位側
に滑落集合することが無いので、穀物が流下むら
を発生させず、均一な流下速度をもつて流下さ
せ、均一に乾燥させることができる。

実施例 本考案を添附図面に示された好適な一実施例に
ついて説明する。

図面において、１は乾燥機本体、２はその上部
の穀物収容槽であつて、上記乾燥機本体１の一側
中央位置には昇降機３が付設されている。そして
昇降機３の上部投擲口４は穀物収容槽２の一側上
部の投擲窓５に連通されている。６は乾燥された
穀物を機外に排出するための穀物排出口であつ
て、該穀物排出口６と前記投擲窓５は、シヤツタ
７によつて昇降機３の投擲口４と交互に連通され
るようになつている。昇降機３は上下に懸架され
たベルト８に多数のバケツト９を装着して構成さ
れている。なお、図示しないが、穀物収容槽２の
下方には通風乾燥部が、さらにその下方には穀物
取出室が設けられており、上記穀物取出室の穀物
搬出樋と昇降機３の下部とを接続せしめて、穀物
が乾燥機本体１内を昇降機３を経て循環流動され
る間に通風乾燥部を流通する乾燥風により乾燥さ
れるようになつている。

１０は配穀装置であつて、該配穀装置１０は穀
物収容槽２内の上部で、かつ穀物投擲通路中に配
置されている。上記配穀装置１０は、平板状の落
下拡散板１１と前記投擲窓５側に面した落下拡散
板１１の一側下面に、自重により常に垂下状態を
維持できるよう上端側を枢着された規制板１２を
備えてなり、前記落下拡散板１１は左右一対のブ
ラケツト１３，１３間に水平状態に枢支され、し
かも上下方向に往復揺動されるように構成されて
おり、その下降限は水平中心線Ｚより略10度下向
き位置に、又上昇限は水平中心線Ｚより略60度上
向き位置までの揺動範囲で往復揺動されるもので
ある。１４は落下拡散板１１を揺動させるための
電動機であり、１５はその揺動連結杆である。な
お投擲窓５側に面した落下拡散板１１の端部は、
内側に折り曲げてＶ字状の絡み付き防止縁１６に
形成して、配穀作業時に穀物中に混入された切穂
や藁等が落下拡散板１１の端部に絡み付いて穀物
の配穀状態を不均等化させるのを未然に防止せし
める。

以上実施例のものにおいて、昇降機３によつて
搬送され、その上部投擲口４から投擲窓５を経て
穀物収容槽２内に投擲される穀物は落下拡散板１
１および垂下状態の規制板１２との上下方向に往
復揺動する作用によつて、その一部の投擲穀物を
受け止めて投擲窓５の近傍位置ＡおよびＢ位置に
均等分散されるように収容されると共に、落下拡
散板１１の表面上をジヤンプしながら前方に飛散
される穀物の一部は第１図示のＢおよびＣ位置に
夫々落下収容されて山を形成するように堆積され
る。そして上記Ａ，Ｂ，Ｃの山は落下拡散板１１
および規制板１２が共に往復揺動されることで、
全体としてなだらかとなつて、穀物収容槽２内に
は穀物が均平となるよう正確に収容される。

このため、通風乾燥部への穀物の流下が均等と
なり、乾燥むらが生じないものである。

考案の効果 要するに本考案は、前記のような技術的手段を
有するので、昇降機３から穀物収容槽２内に投擲
される穀物を水平状態に枢支され、しかも上下方
向に往復揺動される落下拡散板１１および垂下状
の規制板１２により均平に収容することができ、
穀物収容槽２から通風乾燥部に流下する穀物を均
等にして乾燥むらの発生を防止することができる
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る装置の一実施例を示すもの
であつて、第１図は穀物乾燥機の一部を切欠した
縦断正面図、第２図は要部の一部切欠した側面
図、第３図は落下拡散板および規制板の作用説明
図である。 １……乾燥機本体、２……穀物収容槽、３……
昇降機、４……上部投擲口、５……投擲窓、１０
……配穀装置、１１……落下拡散板、１２……規
制板、１４……電動機、１５……揺動連結杆。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上部に穀物収容槽を有する乾燥機本体の一側
   に昇降機を付設し、該昇降機の上部投擲口を穀
   物収容槽の上部一側の投擲窓に連通させたもの
   において、前記穀物収容槽内の上部でかつ穀物
   の投擲通路中には、水平状態に枢支された落下
   拡散板を設け、該落下拡散板は電動機及び揺動
   連結杆により上下方向に往復揺動せしめると共
   に、投擲窓側に面した落下拡散板には揺動作用
   時にあつても常に垂下状態を維持できる規制板
   を枢着したことを特徴とする穀物乾燥機におけ
   る配穀装置。 (2) 投擲窓側に面した落下拡散板の端部は内側に
   折り曲げてＶ字状の絡み付き防止縁に成形した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の穀物乾燥機における配穀装置。