JPS645267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計と連動するオルゴール装置のオル
ゴール制御装置の改良に関し、更に詳細には弾性
を有しない目安レバー及び目安伝達レバーを介し
て、オルゴール制御を行なうことによりアゲバネ
の押圧力の調整が不要であつて、目安負荷の調整
管理が不要なことを特徴とする。

従来のオルゴールを所定時刻に作動させる時計
の目安装置において、目安装置の特に長く設定さ
れたアゲバネによつてオルゴールの風切羽根を直
接当接させることによつてオルゴールを停止させ
る構成では、アゲバネ先端の変位量が不均一とな
り易く、そのためアゲバネ先端が好適に変位する
ように調整しなければならず、これはきわめて面
倒なものであつた。また、オルゴールを作動、作
動停止に切替える場合、外部操作可能な操作部材
にてアゲバネを直接押圧規制していたために目安
装置における目安負荷が大きくなり易く、その調
整管理がきわめて難しいものであつた。

本考案は上記従来の問題を解消するために成さ
れたものであり、その目的はアゲバネ先端の変位
量の調整が不要であつて、かつ、オルゴールの動
作、動作停止の切替えによつて目安負荷が大幅に
変化しない装置を提供することである。

上記目的を達成するために本考案では、目安装
置近傍の地板に回動自在に軸支され、目安装置に
おける目安設定車と目安伝え車のいずれか一方に
設けられた凹部と他方に設けられた凸部の係脱動
作に追従して回動する目安レバーと、一端が目安
レバーを目安車方向へ押圧可能に配置され、他端
がオルゴールの風切羽根と係合、係合解除可能に
設置されており、目安レバーの回動動作に追従し
てシーソー動作可能に軸支された目安伝達レバー
と、目安レバー及び目安伝達レバーを目安設定車
方向に押圧可能な押圧弾性部材と、地板に外部操
作にて移動可能に装着され、目安伝達レバーのオ
ルゴール側腕と係合して目安伝達レバーのシーソ
ー動作範囲を所定領域内に規制する規制突部を有
するオルゴール設定部材と、から構成され、オル
ゴール装置は目安設定車と目安伝え車における係
脱動作に追従すると共に、オルゴール設定部材に
てその移動範囲が規制される目安伝達レバーによ
つて、オルゴールの動作が制御されることを特徴
とする。

以下図面に示された本考案に係る一実施例に基
づいて本考案を説明する。

第１図には本考案に係るオルゴール制御装置が
従動する時計の目安装置が示されている。目安装
置２は地板４に回動自在に軸支された目安設定車
としての目安車６、目安車６内側面に回転自在に
軸支された目安伝え車としての時針車８、目安車
６と時針歯車９の間に装着された目安カム体１
０、及び地板４に回動可能に軸支され、目安カム
体１０と摺接結合して目安カム体１０を目安車６
方向へ押圧可能な目安レバー１２から構成されて
いる。

目安カム体１０の第１突起１０ａは時針歯車９
に穿設された透孔９ａに係合されており、目安カ
ム体１０は時針歯車９に追従して回転する。一
方、目安カム体１０の第２突起１０ｂ，１０ｃは
目安車６に穿設されたカム溝６ｂ，６ｃと係脱可
能である。そして時針車８及び目安カム体１０の
回転運動によつて目安カム体１０の第２突起１０
ｂ，１０ｃが目安車６のカム溝６ｂ，６ｃに落下
することによつて、目安カム体１０に連動する目
安レバー１３が矢印Ａ方向に移動され、これによ
つて、目安レバー１２の端部１４が後述する目安
伝達レバー３２を作動することができる。

目安合せ軸１６は地板４と中地板５に回転自在
に軸支され、目安合せ歯車１８は目安車６と噛合
しており、目安合せ軸１６に固定された摘み２０
によつて目安車６を回転させて目安時刻を任意に
設定できる。

第２図には本考案のオルゴール制御装置の要部
平面図が示されており、機構受板２５には時計機
構３０が装着されており、時計機構３０内からは
前記した目安レバー１２の端部１４が延伸配置さ
れている。

目安伝達レバー３２は弾性がなく第３図に示さ
れているように機構受板２５に形成された軸２３
にシーソー動作可能に軸支されており、一方端に
は透孔３４が穿設され、該透孔３４には目安レバ
ー１２の端部１４が挿入されている。また、他方
端には時計ケースに固定されたオルゴール装置の
風切羽根３６と係脱可能な係合突起３８が形成さ
れている。

押圧弾性部材４０は機構受板２５に固定され、
その一方端４２は目安伝達レバー３２の透孔３４
近傍に係合している。そして、押圧弾性部材４０
は目安伝達レバー３２を第３図の矢印Ａ方向に押
圧し、これによつて目安レバー１２の端部１４を
矢印Ａ方向に押圧している。

第２図において、オルゴール設定軸４４は規制
突部４６と弾性を有するＤ字形状リンク部４８を
備え、第４図に示されているように機構受板２５
に回動自在に軸支されている。Ｄ字形状リンク部
４８には位置決め突起４９が形成され、該位置決
め突起４９は機構受板２５に形成された第２図の
凹凸部５０と係脱してオルゴール設定軸４４を所
定の位置に位置決め保持する位置決め機構を構成
している。

本考案のオルゴール制御装置は以上のとおり構
成され、次にその作用効果について説明する。

第５図において、オルゴール設定軸４４の規制
突部４６が目安伝達レバー３２の上方に配置され
た状態では、目安伝達レバー３２の係合突起３８
はオルゴール装置の風切羽根３６と係合しており
その結果、オルゴールは停止した状態が保持され
る。つまり、第１図において第１図の状態から目
安装置２が駆動され、目安カム体１０の第２突起
１０ｂ，１０ｃが目安車６のカム溝６ｂ，６ｃに
落下することによつて、目安レバー１２が矢印Ａ
方向に移動し、押圧弾性部材４０が目安伝達レバ
ー３２を矢印Ａ方向に押圧するが、目安伝達レバ
ー３２は規制突部４６によつてそのシーソー動作
が禁止されている。従つて、目安伝達レバー３２
の係合突部３８は風切羽根３６と係合した状態が
保持され、オルゴールは作動不可能となる。

次に、オルゴール設定軸４４の規制突部４６が
第５図の鎖線位置に移動された場合について説明
する。この状態において第１図の目安装置２の状
態では目安レバー１２は実線位置に保持されてお
り、目安伝達レバー３２の係合突部３８は風切羽
根３６に係合しているので、オルゴール装置は作
動することができない。その後、目安装置２の時
針歯車９が回転することにより目安カム体１０が
回転して、目安カム体１０の第２突起１０ｂ，１
０ｃが目安車６のカム溝６ｂ，６ｃに落下する
と、これと連動して目安レバー１２の端部１４は
第６図の矢印Ａ方向に移動する。この時、押圧弾
性部材４０の端部４２は目安伝達レバー３２を矢
印Ａ方向に押圧しているので目安伝達レバー３２
が第６図の矢印Ｂ方向に回動する。その結果、係
合突起３８は風切羽根３６との係合が解除され、
これによつて風切羽根３６はオルゴール装置の駆
動全舞にて回転駆動され、オルゴール装置が作動
することができる。このオルゴール装置は第１図
の目安装置２における目安レバー１２が矢印
A′方向に移動されることに追従して、第６図に
おける目安伝達レバー３２が矢印B′方向に回動
され、係合突起３８が風切羽根３６と係合して風
切羽根３６の回転を停止させるまで作動すること
ができる。

この実施例によれば、目安装置２の目安レバー
１２は時計機構３０の外側に配置された押圧弾性
部材４０によつて目安カム体１０を目安車６方向
に押圧でき、また目安レバー１２は撓まないの
で、目安レバー１２の端部１４の第１図における
矢印AA′方向の変位量は所定の大きさに設定する
ことが容易となる。即ち、従来装置においては、
目安レバー１２を弾性変形可能な部材にて構成し
ていたために、目安レバー１２と目安カム体１０
の係合点と目安レバー１２と目安伝達レバー３２
の係合点までの長さが長く設定された場合では、
目安レバー１２は撓み易く、撓まないように厚み
を増大すると目安伝達レバー３２を第３図の矢印
Ａ方向に好適に押圧する押圧力の調整が難しく、
これは目安装置２における目安負荷が増大すると
いう悪影響を及ぼしていた。しかし、本実施例に
おいては、目安レバー１２は撓まないのでその端
部１４の変位量の調整は必要なく、また、目安レ
バー１２は時計機構３０の外側に配置された押圧
弾性部材４０によつて好適な押圧力が得られ、そ
の結果、この押圧力が目安装置２に目安負荷とし
ての悪影響を及ぼすことはない。

さらに、オルゴール装置の設定切替えは、オル
ゴール設定軸４４の規制突部４６が目安伝達レバ
ー３２に係脱することによつて行われるので、従
来、弾性部材にて構成された目安装置のアゲバネ
を直接規制することによつて発生し易かつた目安
負荷の増大が解消され、その結果、組立時におけ
る目安負荷の管理上の問題がなくなつた。

以上説明したように本考案によれば、目安装置
における目安伝達構造を回動可能に軸支され、か
つ、所定方向に弾性付勢された可撓性のない目安
レバーに連動して時計機構外部にシーソー動作可
能に軸支された目安伝達レバーがオルゴール装置
の風切羽根を回転規制できるように構成し、さら
に、オルゴール装置の作動、作動停止を設定切替
えるために目安伝達レバーを規制して目安伝達レ
バーのシーソー動作を制限したことにより、目安
レバー端部の変位量のバラツキがなく、確実に均
一に設定でき、従つて高品質であつて組立性の良
好なオルゴール制御装置を提供できる。またオル
ゴール装置の設定切替えは、目安装置の弾性部材
を直接操作しなくてよいので、設定切替えによつ
て目安負荷が大幅に可変することがなく、従つ
て、組立時における目安負荷の調整が不用となつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る目安装置の断面図、第２
図は本考案に係る装置の平面図、第３図は第２図
の−線断面図、第４図は第２図の−線断
面図、第５図は本考案に係る装置においてオルゴ
ール装置が作動停止されている状態の平面図、第
６図は本考案に係る装置においてオルゴール装置
が作動されている状態の断面図である。 ２……目安装置、４……地板、６……目安車
（目安設定車）、６ｂ，６ｃ……カム溝、８……時
針車（目安伝え車）、１０……目安カム体、１０
ｂ，１０ｃ……第２凸部、１２……目安レバー、
２５……機構受板、３０……時計機構、３２……
目安伝達レバー、３６……風切羽根、４０……押
圧弾性部材、４４……オルゴール設定軸、４６…
…規制突部、４８……Ｄ字形状リンク部、４９…
…位置決め突起、５０……凹凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 目安装置近傍の地板に回動自在に軸支され、
   目安装置における目安設定車と目安伝え車のい
   ずれか一方に設けられた凹部と他方に設けられ
   た凸部の係脱動作に追従して回動する目安レバ
   ーと、一端が目安レバーを目安設定車方向へ押
   圧可能に配置され、他端がオルゴール装置の風
   切羽根と係合、係合解除可能に設置されてお
   り、目安レバーの回動動作に追従してシーソー
   動作可能に軸支された目安伝達レバーと、目安
   レバー及目安伝達レバーを目安設定車方向に押
   圧可能な押圧弾性部材と、地板に外部操作にて
   移動可能に装着され、目安伝達レバーのオルゴ
   ール側腕と係合して目安伝達レバーのシーソー
   動作範囲を所定領域内に規制する規制突部を有
   するオルゴール設定部材と、から構成され、オ
   ルゴール装置は目安設定車と目安伝え車におけ
   る係脱動作に追従すると共に、オルゴール設定
   部材にてその移動範囲が規制される目安伝達レ
   バーによつて、オルゴールの動作が制御される
   ことを特徴とする時計のオルゴール制御装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
   おいて、前記オルゴール設定部材近傍の地板に
   は複数個の凹凸部が形成され、オルゴール設定
   部材には前記凹凸部と弾性結合可能であつて、
   かつ係脱可能な位置決め突部が形成されている
   ことを特徴とする時計のオルゴール制御装置。