JPS644437Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ゴム板上に多数枚のセラミツクス
板を並設したライナープレートに関し、岩石、鉱
石、コークス等を粉砕するための回転円筒型粉砕
機やドラムミキサの回転円筒、上記岩石等を移送
するシユート、およびそのホツパ等の裏貼りに利
用される。

（従来の技術） 表面に多数枚のセラミツクス板を並設したライ
ナープレートとして、実公昭55−22004号公報に
は、裏面に取付用ボルトを備えた金属製保持板の
表面に長方形のセラミツクス板をゴム質材料から
接着剤層を介して焼付固定し、縦方向の目地部分
を千鳥状に、また横方向の目地部分を直線状にそ
れぞれ形成したものが開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記公知のライナープレートは、長方形のセラ
ミツクス板を並べて上下方向の目地部分のみを千
鳥状に形成したものであるから、シユートやホツ
パのように岩石等の落下物が上下方向のみに滑動
落下する場合は、上下方向の目地部分の摩損に伴
うセラミツクス板の損傷を防止することができる
が、ドラムミキサのような回転円筒型粉砕機の回
転円筒の裏貼りに用いた場合は、岩石等の被砕物
の滑動方向が不定であるため、幅方向の直線状の
目地部分の摩損が甚だしく、そのためセラミツク
ス板の損傷が多くなるという問題があつた。ま
た、上記のライナープレートは、金属製の保持板
にゴム質接着剤層を介してセラミツクス板を焼付
固定したものであり、セラミツクス板と保持板と
の間のクツシヨン層が薄いので、岩石等の落下に
伴う衝撃による騒音が大きく、かつセラミツクス
板が割れ易く、更にライナープレートの１枚ごと
に、その保持板の裏面に取付用ボルトを固定した
ものであるから、多数枚のライナープレートを取
付ける際に取付用ボルトの個数が多く、取付け作
業に長時間を必要とした。

この考案は、シユートやホツパに限らず、回転
円筒型粉砕機やドラムミキサの裏貼りに使用した
場合にも目地部分の摩損が少なく、衝撃に対する
クツシヨン性が良好であり、かつ取付けが容易な
ライナープレートを提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 長方形のゴム板の表面に多数枚の六角形状のセ
ラミツクス板をその周囲に若干の間隔をもつて蜂
巣状に固着し、上記ゴム板の対向する側縁部の裏
面に側方へ突出するフランジ板を固着した第１プ
レートと、上記第１プレートと同様にセラミツク
ス板を固着したゴム板の裏面に当板を裏貼りし、
中央部にセラミツクス板、ゴム板および当板を貫
通する一連の座ぐり孔およびボルト孔を穿設した
第２プレートとからなり、並列された２枚の第１
プレートのフランジ板上に第２プレートを重ねて
上記の座ぐり孔およびボルト孔にボルトを挿通で
きるように形成する。

（作用） 回転円筒、ホツパ、シユート等の内面に多数枚
の第１プレートおよび第２プレートを幅方向に１
枚交互に配列し、かつ２枚の第１プレートのフラ
ンジ板上に第２プレートを重ね、この第２プレー
トのボルト孔を上記の回転円筒等にあらかじめ穿
設されているボルト孔に一致させ、これらのボル
ト孔に第２プレートの表面側からボルトを挿通
し、回転円筒等の外側に突出させてナツトを締付
けることにより、上記の回転円筒等に第１プレー
トおよび第２プレートが取付けられる。

上記の第１プレートおよび第２プレートの表面
に岩石等が当つたり、上記表面を岩石等が滑動落
下する場合、表面のセラミツクス板がゴム板上に
固着されているので、このゴム板によつて衝撃が
緩和される。そして、上記のセラミツクス板が六
角形のものであり、ゴム板表面に蜂巣状に固着さ
れているので、隣り合うセラミツクス板の間の目
地部分がいずれの方向にも屈曲状に形成され、一
方向に長い直線を形成しない。したがつて、岩石
等がいずれの方向に滑動しても、目地部分のみに
沿つて摺接することはなく、目地部分およびセラ
ミツクス板に交互に摺接して滑動する。

なお、セラミツクス板の厚さは、２〜15mmが好
ましく、２mm未満では割れ易く、15mmを超えると
経済的でない。また、ゴム板の好ましい厚みは、
セラミツクス板の厚みの３〜10倍であり、３倍未
満ではクツシヨン性が少なく、10倍を超えると不
経済である。

（実施例） 第１図および第２図は、回転円筒型粉砕機用と
して好適な例を展開して示したものであり、第１
プレート１は、耐摩耗性ゴムからなる長方形の第
１ゴム板２（厚さ30mm）の表面に多数枚の六角形
のセラミツクス板３（厚さ５mm、対向する２辺の
間隔45mm）を固着し、側縁部の裏面に厚さ4.5mm
の鉄板からなるフランジ板４を固着したものであ
る。なお、セラミツクス板３およびフランジ板４
の固着は加硫接着によつて行なわれ、目地部分５
の幅は３mmに設定される。一方、第２プレート６
は、上記の第１ゴム板２に比べて幅が1/2で、厚
さが若干薄い第２ゴム板７（厚さ21mm）の表面に
上記のセラミツクス板３を、また裏面全体に厚さ
4.5mmの鉄板からなる当板８をそれぞれ加硫接着
により固着し、全厚みを、第１プレート１のフラ
ンジ板４よりも上の部分の厚みに等しく設定し、
かつ幅方向の中間適所のセラミツクス板３および
第２ゴム板７にこれらを貫通するボルト９の座ぐ
り孔３ａ，７ａを、また当板８に上記の座ぐり孔
３ａ，７ａに連通するボルト孔８ａをそれぞれ穿
設したものである。なお、フランジ板４が第１ゴ
ム板２の側縁から突出する幅方向の長さは、第２
プレート６の幅よりも若干小さく設定される。

上記の第１プレート１および第２プレート６
は、回転円筒型粉砕機の回転円筒１０（第２図参
照）の内面に、プレート１，６の幅方向が回転円
筒１０の周方向に一致するように、かつ１枚交互
に配列される。ただし、２枚の第１プレート１，
１から突出するフランジ板４，４の上面に第２プ
レート６が重ねられる。そして、第２プレート６
のボルト孔４ａを、回転円筒１０にあらかじめ穿
設されているボルト孔１０ａに合わせ、内側から
ボルト９を挿通し、外側の突出端にワツシヤ９
ａ、ナツト９ｂを嵌めて締めつけ、これにより第
１プレート１および第２プレート６を回転円筒１
０に固定する。なお、第２図において、回転円筒
１０は直線状に記載されているが、実際には下向
きの凸状に緩く湾曲している。

（考案の効果） この考案は、ゴム板の表面に六角形のセラミツ
クス板を多数枚蜂巣状に固着したものであるか
ら、目地部分に長い直線状部分が生じない。した
がつて、第１プレートおよび第２プレートをシユ
ートやホツパ、回転円筒型粉砕機等に取付けたと
き、岩石等がどの方向に滑動しても、この岩石等
はセラミツクス板と目地部分を交互に摺接し、そ
の落下速度の増加と目地部分のみの摺接を妨げ、
そのため目地部分の摩損が従来よりも軽減され、
セラミツクス板の損傷が防止される。また、ゴム
板の表面にセラミツクス板を固定したものであ
り、このゴム板が従来の保持板にセラミツクス板
を接着したライナープレートの接着剤層よりも厚
く、クツシヨン性に優れているので、上記岩石等
の落下や滑動に伴う衝撃を緩和し、セラミツクス
板の損傷が減少する。更に、第１プレートと第２
プレートを交互に並べ、第２プレートを固定する
ことにより第１プレートを固定するものであり、
第１プレートを直接固定する必要がないので、固
定用ボルトの本数が減少し、取付けが容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の展開図、第２図は
第１図の−線断面図である。 １：第１プレート、２：第１ゴム板、３：セラ
ミツクス板、４：フランジ板、５：目地部分、
６：第２プレート、７：第２ゴム板、８：当板、
９：ボルト、１０：回転円筒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 長方形のゴム板の表面に多数枚の六角形
   状のセラミツクス板をその周囲に目地部分を残
   して蜂巣状に固着し、上記ゴム板の対向する側
   縁部の裏面に側方へ突出するフランジ板を固着
   した第１プレートと、上記第１プレートと同様
   にセラミツクス板を固着したゴム板の裏面に当
   板を裏貼りし、中央部にセラミツクス板、ゴム
   板および当板を貫通する一連の座ぐり孔および
   ボルト孔を穿設した第２プレートとからなり、
   並列された２枚の第１プレートのフランジ板上
   に第２プレートを重ねて上記の座ぐり孔および
   ボルト孔にボルトを挿通できるように形成した
   ライナープレート。 〔２〕 第１プレートの側縁に直角方向の横断面
   が円弧状に形成されている実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のライナープレート。 〔３〕 セラミツクス板の厚みが２〜15mm、ゴム
   板の厚みが上記セラミツクス板の厚みの３〜10
   倍である実用新案登録請求の範囲第１項または
   第２項記載のライナープレート。