JPS643463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は含塵ガス中の粉塵により濾布が摩耗す
ることを防止する手段を備えた濾過式集塵機の改
良に関するものである。

（従来の技術） 含塵ガスを濾布により濾過して清浄ガスにする
濾過式集塵機においては、例えば実公昭40−
27426号公報に示されるように濾布と含塵ガス導
入口との間に鋼板等の剛性材からなるバツフル板
を配置して含塵ガスの衝突による濾布の摩耗を防
止している。しかし含塵ガス中の含塵濃度が高か
つたり粉塵の硬度が高く摩耗性が大きいと、バツ
フル板が4.5mmの鋼板製であつても１ケ月程度で
穴が明き、濾布が損傷される。従つてバツフル板
に穴が明いたときにはバツフル板を交換する必要
があるが、鋼板製のバツフル板は重量が大でその
交換作業は非常に厄介である。しかも、粉塵が付
着性を有している場合には、粉塵がバツフル板に
付着して成長し、含塵ガス導入口を閉塞させてし
まうなどの問題が生じていた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記の問題を解消して、含塵濃度が高
かつたり粉塵の硬度が高い含塵ガスの濾過を行う
場合にもバツフル板の摩耗を防止でき、また粉塵
が付着性を有している場合にも含塵ガス導入口が
閉塞されるおそれのない濾過式集塵機を目的とし
て完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は集塵機本体内を含塵ガス室と清浄ガス
室とに仕切板を介して区画し、該含塵ガス室内に
上端が前記清浄ガス室に連通する濾布を複数懸吊
し、かつ該濾布と前記含塵ガス室の側壁に設けた
含塵ガス導入口との間に位置させて剛性材からな
る有孔のバツフル板を垂設した濾過式集塵機にお
いて、前記含塵ガス室内におけるバツフル板と含
塵ガス導入口との中間位置に、ゴムまたは合成樹
脂からなる可撓性および弾性を有するバツフル補
助板を、バツフル板とは独立させて揺動自在に吊
下げたことを特徴とするものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例について図面に基づき詳
細に説明する。

１は気密箱状の集塵機本体で、該集塵機本体１
の内部は、側壁に含塵ガス導入口２を備えた含塵
ガス室３と、天井壁に清浄ガス排出口４を備えた
清浄ガス室５とに、水平に広がるとともに右端が
上方に折れ曲がる仕切板６を介して区画されてい
る。そして、該含塵ガス室３内には、上端が清浄
ガス室５に連通して仕切板６に取り付けられた筒
状の濾布７が複数本懸吊され、さらに、前後方向
に広がる打抜鋼板製の有孔のバツフル板８が、含
塵ガス導入口２と適宜の間隔をおき、かつ、仕切
板６の右端に垂設されて配設されている。このバ
ツフル板８は風速10〜20ｍ／秒で含塵ガス導入口
２から導入される含塵ガスを広い範囲にわたつて
拡散させ、減速された状態で濾布７に均一に流れ
るようにするためのものであり、これにより気流
が直接濾布７に衝突することによる濾布７の損傷
を防止する役目を持つ。また、含塵ガス室３の天
井壁には外側に張り出すフランジ９を有する開口
１０が形成され、該開口１０には蓋部材１１がフ
ランジ９にボルト・ナツトで締められて取付けら
れている。該蓋部材１１の下面のバツフル板８と
含塵ガス導入口２との中間位置には、耐摩耗性の
ゴム板や耐摩耗性の合成樹脂板で製作されて可撓
性と弾性とを有し、かつ、含塵ガス導入口２の口
径より長い横幅を備えたバツフル補助板１２が、
バツフル板とは独立に左右に波を打つて揺動する
ことができるように含塵ガス導入口２と対向させ
て着脱自在に吊り下げられている。なお、１３は
濾布７に内装された濾布用ケージ、１４は含塵ガ
ス室３の下部位置に形成されたホツパ、１５は清
浄ガス室５内に設けられて濾布７，７内に圧縮空
気を噴射して濾布７の内面に付着した粉塵を払落
とすための粉塵払落装置である。

（作用） このように構成されたものは、図示されないフ
アンを駆動すると、含塵ガスが含塵ガス導入口２
から含塵ガス室３内に導入されてその中の粗粒粉
塵がホツパ１４内に落下する一方、ホツパ４内に
落下せず気流に乗つて移動する微粒粉塵を含有す
る含塵ガスは含塵ガス室３のほぼ全幅にわたつて
延びる有孔のバツフル板８によつて広い範囲にわ
たつて拡散、減速されて各濾布７に均一に供給さ
れ、濾布７，７を順に貫流してその粉塵を補集さ
れて浄化されたうえ清浄ガス室５内に入り、清浄
ガス排出口４から排出される。また本考案におい
ては、気流拡散用の有孔のバツフル板８と含塵ガ
ス導入口２との中間位置に、ゴムまたは合成樹脂
からなる可撓性および弾性を有するバツフル補助
板１２を、バツフル板８とは独立させて揺動自在
に吊下げたので、打抜鋼板等の剛性材からなるバ
ツフル板８に大きい質量を持つた粒子が強く衝突
することがなく、バツフル板８の摩耗が防止され
ることは勿論、バツフル補助板１２に粉塵ガスが
高速度で衝突しても、その衝撃はバツフル補助板
１２の揺動エネルギとして吸収されて和らげられ
ることとなるので、バツフル補助板１２の摩耗量
も極めて少ないものとなる。しかも打抜鋼板等の
剛性材からなるバツフル板８とは独立して吊り下
げられたバツフル補助板１２は含塵ガスが当ると
揺動するので、粉塵の付着性が大きい場合にも粉
塵がバツフル補助板１２に付着して成長すること
はなく、従来のような含塵ガス導入口２の閉塞が
生ずるおそれはない。なお、バツフル補助板１２
は軽量であるうえ、バツフル板８とは独立して吊
り下げられているので、その交換作業は極めて容
易である。

なお、上記の実施例では、バツフル補助板１２
は蓋部材１１の下面に支持させたが、第２図に示
すように蓋部材１１の直下位置における含塵ガス
室３の天井壁の下面に支持させてもよく、また第
３図に示すように、蓋部材１１の直下位置におけ
る仕切板６の側面に介在部材１７を介して取り付
けるようにしてもよい。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、含
塵ガス気流を均一化させるための有孔のバツフル
板と含塵ガス導入口との中間位置に、ゴムまたは
合成樹脂からなる可撓性および弾性を有するバツ
フル補助板を、バツフル板とは独立させて揺動自
在に吊下げたので、バツフル板が含塵ガスの衝突
により早期に摩耗することはなく、これに伴い濾
布の寿命も長くすることができるうえ、バツフル
補助板自体も揺動により含塵ガスの衝突エネルギ
を緩和できるので摩耗を僅かなものとすることが
できる。しかも、含塵ガス中の粉塵が付着性を有
していてもバツフル補助板に付着して成長するこ
とはなく、従来のように含塵ガス導入口を閉塞す
るおそれはない。そのうえ、バツフル補助板は可
撓性を有ししかも軽量であるので、その取換作業
が非常に容易であるなどの優れた実用的効果を奏
する。よつて本考案は従来の問題点を解消した濾
過式集塵機として、その実用的価値は極めて大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の一部切欠正面
図、第２図および第３図は他の実施例の主要部の
正面図である。 １：集塵機本体、２：含塵ガス導入口、３：含
塵ガス室、５：清浄ガス室、６：仕切板、７：濾
布、８：バツフル板、１２：バツフル補助板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵機本体１内を含塵ガス室３と清浄ガス室５
   とに仕切板６を介して区画し、該含塵ガス室３内
   に上端が前記清浄ガス室５に連通する濾布７を複
   数懸吊し、かつ該濾布７と前記含塵ガス室３の側
   壁に設けた含塵ガス導入口２との間に位置させて
   剛性材からなる有孔のバツフル板８を垂設した濾
   過式集塵機において、前記含塵ガス室３内におけ
   るバツフル板８と含塵ガス導入口２との中間位置
   に、ゴムまたは合成樹脂からなる可撓性および弾
   性を有するバツフル補助板１２を、バツフル板８
   とは独立させて揺動自在に吊下げたことを特徴と
   する濾過式集塵機。