JPS6145483B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は濾布により含塵ガス中の粉塵を分離捕
集する濾過集塵装置に関するものである。 集塵室内の含塵ガス室と清浄ガス室とを区画す
る仕切板に開口を設け、該開口に細長い袋状の濾
布の清浄ガス出口部を連結することにより多数個
の濾布を集塵室内に配設し、該濾布の外側から内
側へ含塵ガスを通過させて粉塵を分離捕集する形
式の濾過集塵装置においては、濾布部および濾布
の表面に付着堆積する粉塵層による濾過層が形成
されるまでは一般に集塵効率が低く、前記の濾過
層が形成されるに至つて始めて適正な濾過集塵作
用が行われるようになつており、このような濾過
層の形式下においては、濾布の選定、濾過速度、
運転方法、集塵対象等に問題がなければ、濾過集
塵装置出口における排気中の粉塵濃度は10mg／
Nm以下に維持されるものであるが、前記濾過層
における粉塵堆積層は集塵時間の経過と共に厚く
なつて圧力損失が大となるため、適時濾布に機械
的振動あるいは空気噴射等を与えて堆積粉塵の払
い落しを行つている。しかしながらこのような払
い落し後の濾過集塵作業再開の初期においては濾
布表面の粉塵負荷が小さくて濾過層の形成が十分
でなく、従つて含塵ガスに対する流れ抵抗が小さ
くてその通過流速が大となり、濾布を透過する粉
塵量が多くなつていわゆる吹きもれ現象が発生し
て集塵効率が低下し、例えば、タルクを使用した
実験例によると、粉塵払い落し直後の排気中の粉
塵濃度は正常な濾過集塵作業時の数十倍に達して
排気中における排出粉塵が目視できる状態とな
り、特に、多数個の濾布を使用して長時間連続的
に集塵作業を行う形式の濾過集塵装置において
は、一般に濾布を複数群に区分した構成として、
一定時間全濾布で集塵を行つたのち所定の順序で
各群ごとに順次粉塵の払い落しを行つているが、
このような場合は、払い落し直後の濾布群と濾布
層の形成されているその他の濾布群とが、集塵室
内において濾布の前後に位置されることとなる含
塵ガス室と清浄ガス室との間の同一静圧差の下に
共存状態となるため、含塵ガスは粉塵負荷が小さ
くて流れ抵抗の小な払い落し直後の濾布群に集中
して大きな流速で通過することとなつて、前記の
吹きもれが増大するという欠点がある。 本発明は以上のような欠点のない濾過集塵装置
を目的として完成されたもので、以下、図示の実
施例について詳細に説明する。 １は濾過集塵装置における匣体状の集塵室で、
内部上方に水平状に張設される仕切板２により下
部を含塵ガス室３、上部を清浄ガス室４に区画さ
れ、前記仕切板２には多数個の開口５が設けられ
ているとともに該開口５の周縁に沿つてこれを取
り囲むように筒状の取付筒６が下方に向けて突設
されていて、前記開口５および取付筒６の内側に
より形成される空間部は後記の濾布９を通過して
粉塵を除去された清浄ガスが清浄ガス室４へ流入
する際の清浄ガス出口部７とされ、このような取
付筒６には、線材等より形成される篭状の枠体８
を内部に装着して筒体形状に維持される細長い袋
状の濾布９の清浄ガスの出口側となる上部開口部
が嵌着されて外側より環状の締付具１０により固
着されており、従つて、集塵室１内には多数個の
濾布９がその清浄ガスの出口側を仕切板２に吊下
げ保持されて配設された構成とされている。１１
は濾布９により粉塵を分離捕集されて清浄ガス出
口部７を通り清浄ガス室４中へ導入される清浄ガ
ス流に適度の抵抗作用を与えるために仕切板２の
各開口５上に設けられる抵抗装置で、該抵抗装置
１１は下面を開口１２とされて清浄ガス出口部７
と連通可能にねじ１３により仕切板２に固定され
る箱体１４の一側に清浄ガスの出口としての通気
部１５を形成し、該通気部１５の両側に沿つて案
内枠１６を取付けてその間に調整板１７を摺動可
能に嵌着保持させた構成とされ、該調整板１７を
案内枠１６に沿つて移動させて通気部１５の開口
の広さを調整することにより、該通気部１５を通
る清浄ガス流に対する抵抗を自由に調整できるよ
うにされており、また、前記各箱体１４の上面に
は濾布９の外表面に分離捕集された粉塵を払い落
すための高圧空気噴出用の導管１８の一端がそれ
ぞれ開口されており、各導管１８の他端は弁１９
を介して圧縮空気タンク２０に連通されている。
なお、２１は仕切板２より垂設される衝突板、２
２は含塵ガス室３の一側に設けられる含塵ガスの
入口、２３は清浄ガス室４の一側に設けられる清
浄ガスの出口、２４は集塵室１の底部に設けられ
て濾布９より剥離された粉塵を取出す排出装置で
ある。 このように構成されたものは、抵抗装置１１の
通気部１５の開口の広さを調整板１７の操作によ
り清浄ガス出口部７より狭く調整しておいて集塵
室１の含塵ガス室３内へ入口２２より含塵ガスを
導入させると、含塵ガスは衝突板２１により略均
一な流れとされて含塵ガス室３内の各濾布９側へ
分散送給されて各濾布９の濾布部を外側より内側
へ通過し、その際該濾布９により粉塵を分離捕集
されて清浄ガス化されて清浄ガス出口部７および
開口１２を通つて抵抗装置１１の箱体１４内へ入
り、続いて調整板１７により所定の開口量とされ
た通気部１５を通つて清浄ガス室４へ入り、出口
２３より清浄ガスとして排気されて濾過集塵作業
が行われ、このような濾過集塵作業の進行に伴い
各濾布９の外周面上に分離捕集されて形成される
粉塵の堆積層が厚くなつて圧力損失が必要以上に
大となつた時点で、導管１８に設けられている弁
１９を操作して高圧空気を各導管１８より箱体１
４の開口１２および清浄ガス出口部７を経て前記
各濾布９内へ逆気流として噴出させることにより
各濾布９を急激に膨脹させれば、各濾布９の外周
面に付着している堆積粉塵は剥落して集塵室１内
の底部へ集積されて排出装置２４により外部へ排
出される。このような粉塵の払い落とし操作が終
つて再び前記各濾布９による含塵ガスの濾過が始
まると、一般に、通常の濾過速度の下では、濾布
９とその外周面上の堆積粉塵層による濾過層の含
塵ガス通過に対する流れ抵抗は流速に比例し、ま
た、濾布９の出口側における清浄ガスの流出に対
する抵抗は流速の２乗に比例するものであるか
ら、前記各濾布９の堆積粉塵の払い落し直後の集
塵開始時に、粉塵を払い落されて含塵ガスに対す
る流れ抵抗を小とされたことにより前記濾布９に
適正量の２〜３倍の含塵ガスが流れようとして
も、前記した抵抗装置１１の通気部１５は従来の
清浄ガス出口部７より狭く調整されているために
該通気部１５を通る清浄ガスの流速は従来の場合
より大となり、その結果、流速の２乗に比例する
ことととなる出口側の清浄ガスに対する抵抗は相
当大となり、従つて、払い落しを終つた直後の濾
布９に対する含塵ガスの流入の増加は押えられ、
しかも、含塵ガス室３と清浄ガス室４との間の静
圧差はすべての各濾布９に均等に作用しているこ
とにより、粉塵を払い落された濾布９群だけに含
塵ガス流の集中することが抑制されて粉塵の吹き
もれ現象はほとんどなくなり、このようにして払
い落しを行われた前記濾布９には、その後濾布面
を通過する含塵ガスより分離捕集された粉塵によ
る堆積層が外周面に形成されて所定の濾過層とな
り、順次このように各濾布９群ごとに払い落し作
業が行われて連続的な濾過集塵作業が行われる。
また、抵抗装置１１の通気部１５における清浄ガ
ス流による抵抗が大きいほど、粉塵払い落し後の
濾布９に対する濾過集塵再開時の含塵ガス流の集
中の阻止に効果的であるが、一方において前記抵
抗による圧力損失により集塵装置に使用されるフ
アンの動力の増加が必要とされるため、抵抗装置
１１の通気部１５における抵抗値には最適値が存
在することになり、このような抵抗の最適値は濾
布９の濾過速度、濾過風量、濾過面積、通気部１
５の面積、集塵対象等により決定されるもので一
定ではないため、集塵の適用条件の変更等の場合
には、集塵装置１の天井部に設けられる図示され
ない扉を開いて抵抗装置１１の調整板１７を案内
枠１６に沿つて移動させて通気部１５の開口の広
さを加減して最適の抵抗値となるよう開きを選定
したのち、ボルトその他の締付具により前記調整
板１７を固定して集塵作業を行う。また、第３
図、第４図は抵抗装置の他の実施例を示すもの
で、図示の抵抗装置１１は清浄ガス出口部７上に
２放の円板２６，２７を重ね合せて載置して、上
方に位置される導管１８に対向する中央部に互に
連通状にそれぞれ開口２８を設けて清浄ガスに対
する開き一定の通気部２９を形成させるとともに
該通気部２９より若干外側の等位置において円板
２６，２７にそれぞれ複数個の扇形の開口３０，
３０′を設けて両者により形成される連通開口を
清浄ガスに対する開き調整可能な可変の通気部１
５とした構成とされ、このような扇形の各開口３
０，３０′による通気部１５の開口の開きの調整
のために、円板２６，２７は２個のねじ３２によ
り仕切板２に重ね合せた状態で固定可能とされる
とともに下部側の円板２７の各ねじ３２挿通部は
円弧状の長孔３３とされていて、各ねじ３２をゆ
るめることにより長孔３３により規定される範囲
内において下部側の円板２７は上部側の円板２６
に対し同心状に回動可能とされており、該回動に
より通気部１５の開口が所定の開きに調整された
ら各ねじ３２を締めて両円板２６，２７を仕切板
２へ一体状に固定させて集塵作業を開始する。な
い、前記両抵抗装置１１は清浄ガス出口部７より

【表】 本発明は前記実施例による説明によつて明らか
なように、各濾布の出口側の清浄ガス出口部に抵
抗装置を設けてその通気部の開口を調整可能とし
たものであるから、粉塵の払い落し直後の濾布に
対する含塵ガス流量の増加が押えられて含塵ガス
流の集中が抑制され、従つて排気中における排出
粉塵が目視されるような現象はなくなつて集塵効
率が大幅に向上され、しかも、通気部の開口が調
整可能とされているので常時通気部における抵抗
値を最適状態に維持でき、フアンに必要な最小の
静圧で運転することが可能となつて動力費が節約
され、しかも抵抗装置の構造は簡単で価格的にも
安いものであるうえに開口の調整操作はきわめて
容易である等の多くの利点を有し、業界にもたら
すところきわめて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図は抵抗装置部分の一部切欠正面図、第
３図は抵抗装置部分の他の実施例を示す一部切欠
正面図、第４図は同じく一部切欠正面図である。 １……集塵室、２……仕切板、７……清浄ガス
出口部、９……濾布、１１……抵抗装置、１５…
…通気部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 集塵室１内の仕切板２に清浄ガスの出口側を
   連結された濾布９の外側から内側へ含塵ガスを通
   過させて集塵を行う濾過集塵装置において、濾布
   ９よりの清浄ガス出口部７に抵抗装置１１を設け
   るとともに該抵抗装置１１には開口を調整可能と
   した清浄ガスの通気部１５を形成させたことを特
   徴とする濾過集塵装置。