JPS64301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はコンクリートなどのはつり作業など
に使用されるハンマードリル等の打撃工具に関す
る。

（従来の技術） 従来では、エアの加圧および減圧に追従して進
退動される第１ハンマと、この第１ハンマの衝打
動作をビツトに伝達するための第２ハンマとがバ
レル内に対し移動可能に嵌装されたシリンダ内に
並装されてなる打撃工具において、前記第２ハン
マの移動範囲を規定するために前記シリンダに嵌
挿されたキーが同シリンダの移動時にバレルの内
周面に摺接して同内周面を損傷したり、キーが遊
動して第２ハンマのキー溝を損傷する等の問題点
があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は目的は上記問題点を回避しうる打撃工
具を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 本考案はほぼ円筒状のバレル内に対し軸方向へ
の移動可能に嵌装されたシリンダ内にはエア圧で
駆動される第１ハンマの打撃動作を上記シリンダ
の前端に嵌挿されたビツトに伝達するための第２
のハンマが軸方向への移動可能に密嵌された打撃
工具において、前記バレルと、前記第２ハンマの
キー溝に嵌合して同第２ハンマの移動範囲を規定
するために前記シリンダに係止されたキーとの間
には同キーに外接しかつ前記バレルに内接して同
バレルの内周面を防護するための防護部材を介在
せしめたことを特徴とするものである。

（作用） 本考案の打撃工具はシリンダが移動可能に内嵌
されたバレルと、前記シリンダに係止たれてビツ
トを打撃するために駆動される第２ハンマのキー
溝に嵌合されたキーとの間に防護部材を介在させ
て前記キーが前記シリンダとともに移動したとき
に前記バレルの内周面を前記キーの摺接動作に伴
う損傷から防護するように構成しものである。

（実施例） 続いて、本考案の一実施例をを図面にしたがつ
て説明すると、図中、１は打撃工具本体Ｈの上端
に横置された円筒状のバレルであつて、図示しな
いモータを収容したモータハウジング２の上部前
端に連設され、その前端には六角孔状の軸孔３を
もつヘツド部１ａが段差状に形成されている。

４はバレル１内に対し前後方向への移動可能に
嵌合されたほぼ円筒状のシリンダであつて、バレ
ル１の前部付近およびヘツド部１ａに密嵌され、
その前端付近に形成された第１段差部４ａがバレ
ル１のヘツド部１ａに当接しかつその後端付近に
形成された第３段差部４ｃがモータハウジング２
内の上端に嵌装された抜止めリング５に当接して
移動範囲が規定され、その中央部付近の内周面に
は係止面４ｄがコニカル面状に形成されるととも
に、この係止面４ｄの後方にはシリンダ４の後退
端でシリンダ４内が外気と連通されるように配設
された逃し孔４ｅと、この逃し孔４ｅより小径の
打撃用孔４ｆと、エアの補給孔４ｇとが前から順
に貫設されている。

６はシリンダ４を常には後方へ付勢するために
シリンダ４前部の第２段差部４ｂと、バレル１前
部の段差部１ｂとの間に介装されたスプリングで
ある。

７はシリンダ４内の後端付近に対し前後方向へ
の往復動可能に密嵌されたピストンであつて、モ
ータハウジング２内に可転垂支されたクランク８
に連結ロツド９を介してピン７ａで連結されてい
る。

１０はシリンダ４内後部に対しスライド可能に
密嵌された第１ハンマであつて、その前端付近の
外周面にはコニカル面状の係合面１０ａがシリン
ダ４の係止面４ｄとの噛合および解離可能に形成
され、ピストン７が進動したときには第１ハンマ
１０はシリンダ４内の後部で第１ハンマ１０の後
方に形成された後エア室１１Ｂ内のエアに対する
圧縮作用で前方へ押圧されて進動する一方、ピス
トン７が退動したときには第１ハンマ１０の前方
に形成された前エア室１１Ａが外気と連通されか
つ後エア室１１Ｂ内のエアに対する減圧作用で第
１ハンマ１０が後方へ吸引されてピストン７とと
もに退動する。

１２はバレル１の前端付近に嵌挿されたビツト
であつて、その後端のシヤンク部１２ａがシリン
ダ４の前端の軸孔４ｈに対しスライド可能で貫通
状に嵌合されかつシヤンク部１２ａの前方に連設
された正面六角形状のフランジ部１２ｂがバレル
１のヘツド部１ａの軸孔３内に対しスライド可能
で回動不能に嵌合される。

１３は第１ハンマ１０の進動動作をビツト１２
に伝達するためにシリンダ４内に対しスライド可
能に密嵌されて第１ハンマ１０とビツト１２との
間に介装された第２ハンマであつて、その外周面
にはシリンダ４の中央部付近に対し相対向状に貫
設された嵌合孔４ｉ，４ｉに嵌挿されてシリンダ
４に係止された上下１対のキー１４，１４を嵌入
して第２ハンマ１３の移動範囲を規定しかつ第２
ハンマ１３の回動を規制するために１対のキー溝
１３ａ，１３ａが軸方向に沿つて凹設されてい
る。

２１，２１はバレル１の内周面１ｃをキー１４
の摺接による損傷から防護するために両キー１４
の外端面にそれぞれ添装された１対の防護部材で
あつて、弾性材で形成され、シリンダ４の両嵌合
孔４ｉ内外端に対し両キー１４に外接しかつバレ
ル１に内接するように嵌合されていて、シリンダ
４が軸方向へ移動したときにはバレル１の内周面
１ｃに摺接してキー１４と同内周面１ｃとの摺接
が規制される。

そして、ビツト１２を加工面に圧接した状態で
ピストン７を駆動すると、第１ハンマ１０は後退
位置の第２ハンマ１３を衝打してから衝打による
反動でシリンダ４の打撃用孔４ｆを越えて反撥退
動するとともに、ピストン７の退動に伴う吸引作
用によつて後退端へ復帰するため、ビツト１２に
はピストン７の往復動毎に第１ハンマ１０の打撃
動作が第２ハンマ１３を介して反復伝達される。

また、ビツト１２が加工面から離隔した無負荷
状態やビツト１２が嵌挿されていない無負荷状態
において、ピストン７を作動して第１ハンマ１０
を第１ハンマ１０の係合面１０ａとシリンダ４の
係止面４ｄとが当接する前進端位置まで前進させ
て第２ハンマ１３を前進端位置に保持したときに
は第１ハンマ１０は係合面１０ａがシリンダ４の
係止面４ｄと噛合つて前進端位置に対し空打ち動
作不能に保持されるか、若しくは、係合面１０ａ
と係止面４ｄとの噛合不良で前進端から反撥後退
する。

そして、第１ハンマ１０が反撥後退しときには
シリンダ４が第１ハンマ１０に押圧されてスプリ
ング６に抗して前進し、逃し孔４ｅが閉塞されて
前エア室１１Ａが密閉されるため、第１ハンマ１
０には前エア室１１Ａ内の背圧で吸引作用が付加
されて第１ハンマ１０は後退量が制限されて打撃
用孔４ｆを越えない範囲で若干後退するととも
に、第１ハンマ１０の後退で押圧状態から解放さ
れたシリンダ４がスプリング６の弾撥力で後退す
る。

さらに、この状態でピストン７が作動して第１
ハンマ１０が進退動しても、後エア室１１Ｂ内は
打撃用孔４ｆを通じて外気と連通されてエア圧が
低下しているため、第１ハンマ１０の移動量が制
限されるとともに、第１ハンマ１０の押圧力がシ
リンダ４を介してスプリング６に伝達されて緩衝
される。

従つて、第１ハンマ１０が反撥後退しときでも
第１ハンマ１０の空打ち動作が減殺されてシリン
ダ４やバレル１への衝打が抑制される。

１５はバレル１のヘツド部１ａの前端面に対し
ビツト１２の嵌挿状態をロツクするために垂直回
動可能の取着されてビツト１２の貫挿可能に形成
されたロツクプレートであつて、このロツクプレ
ート１５の一側部を貫通してヘツド部１ａに螺嵌
されたボルト１６Ａと、ロツクプレート１５の他
側部に対しロツクプレート１５の上方への回動が
許容されるように円弧状に貫設された長孔１５ａ
を貫通してヘツド部１ａに螺嵌されたボルト１６
Ｂとを介してヘツド部１ａの前端面に添装され、、
その外周縁１５ｂはバレル１の前端縁を包囲しう
るように後方へ曲折されるとともに、その中央部
付近にはビツト１２の胴部１２ｃをスライド可能
に貫挿するために円形状に貫設された上孔１５ｃ
と、ロツクプレート１５を上方へ回動した状態で
ビツト１２のフランジ部１２ｂを挿通するために
六角形状に貫設された下孔１５ｄとが一部重合し
た状態で上下に連設され、さらに、その上端付近
裏面にはヘツド部１ａの前端に嵌装されてスプリ
ング１７で前方へ付勢された球状の係止片１８を
係脱可能に係入してロツクプレート１５をビツト
１２の胴部１２ｃがロツクプレート１５の上孔１
５ｃ内に嵌合されたロツク位置で係止するための
係合孔１５ｅが穿設され、ロツクプレート１５が
ロツク位置に保持されたときにはビツト１２の脱
抜が規制される。

１９はバレル１に対しほぼ全長にわたつて密嵌
状に被覆されたカバー部材であつて、ゴム等の弾
性材でほぼ円筒状に成形され、その前端付近には
ロツク位置のロツクプレート１５への外力を緩衝
するためにロツクプレート１５の外周縁１５ｂに
相対向して凸設されて同外周縁１５ｂの輪郭とほ
ぼ一致する輪郭をもつ緩衝突条２０が外周縁１５
ｂに沿つて周状に形成されている。

次に、上記した構成をもつ実施例の作用と効果
を説明する。

さて、本例ではバレル１と、第２ハンマ１３の
キー溝１３ａに嵌合して第２ハンマ１３の移動範
囲を規定するためにシリンダ４に係止された両キ
ー１４との間にはキー１４に外接しかつバレル１
に内接してバレル１の内周面１ｃとキー１４との
摺接動作を規制するために弾性材で形成された防
護部材２１をそれぞれ介在させてある。

このため、無負荷状態で第１ハンマ１０が駆動
されてキー１４がシリンダ４とともに移動したと
きに防護部材２１がバレル１の内周面１ｃに摺接
移動して同内周面１ｃをキー１４の摺接動作によ
る損傷から的確に防護することができ、シリンダ
４が内周面１ｃの損傷のために誤動作する不具合
を排除しうるとともに、キー１４が防護部材２１
で向心状に押圧されるため、キー１４を第２ハン
マ１３のキー溝１３ａに対しシリンダ４の半径方
向への遊動を規制して定常的に適正嵌合し、第２
ハンマ１３の作動精度を確保しうる効果がある。

したがつて、シリンダ４の移動による空打ち防
止動作がバレル１の内周面１ｃの損傷のために阻
害されたり、ビツト１２に対する第２のハンマ１
３の衝打動作がキー１４とキー溝１３ａの不正嵌
合のために阻害されるトラブルを回避することが
できる。

（考案の効果） すなわち、本考案はほぼ円筒状のバレル内に対
し軸方向への移動可能に嵌装されたシリンダ内に
はエア圧で駆動される第１ハンマの打撃動作を前
記シリンダの前端に嵌挿されたビツトに伝達する
ための第２のハンマが軸方向への移動可能に密嵌
された打撃工具において、前記バレルと、前記第
２ハンマのキー溝に嵌合して同第２ハンマの移動
範囲を規定するために前記シリンダに係止された
キーとの間には同キーに外接しかつ前記バレルに
内接して同バレルの内周面を防護するための防護
部材を介在せしめたことによつて、前記キーの移
動に伴うバレルの内周面の損傷を排除しうるとと
もに、前記キーと前記キー溝との不正嵌合を排除
することができ、空打ち防止動作やビツトへの衝
打動作がキーのために阻害されるトラブルを回避
しうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は要部の縦断面図、第２図は第１図のＹ−Ｙ線矢
視図、第３図は同じくＸ−Ｘ線断面図である。 １……バレル、４……シリンダ、１０……第１
ハンマ、１２……ビツト、１３……第２ハンマ、
１３ａ……キー溝、１４……キー、２１……防護
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ円筒状のバレル内に対し軸方向への移動可
   能に嵌装されたシリンダ内にはエア圧で駆動され
   る第１ハンマの打撃動作を前記シリンダの前端に
   嵌挿されたビツトに伝達するための第２のハンマ
   が軸方向への移動可能に密嵌された打撃工具にお
   いて、前記バレルと、前記第２ハンマのキー溝に
   嵌合して同第２ハンマの移動範囲を規定するため
   に前記シリンダに係止されたキーとの間には同キ
   ーに外接しかつ前記バレルに内接して同バレルの
   内周面を防護するための防護部材を介在せしめた
   ことを特徴とする打撃工具。