JPS642630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 製麺機の圧延ロールの始端部には、ミキサーに
よつて作られた麺塊、すなわち小麦粉に適量の塩
水を加え、それを捏練して得た麺塊を供給する
が、この考案は、ミキサーによつて作られた麺塊
を、それが適当な大きさになるようにほぐしなが
ら、適量宛製麺機の圧延ロールの始端部へと供給
するための麺塊フイーダーに関するものである。

〔従来の技術〕

公知の麺塊フイーダーは、その大部分が、俗に
タライと呼ばれている高さが低い円筒形の容器の
底面の適所に穴をあけたものと、この容器内の底
面中央に回転軸を立設してこの回転軸に撹拌バー
の基端を取りつけたものとでもつて構成されてい
て、上記撹拌バーを容器内で回転させることによ
り、容器内へと落下投入された麺塊を上記撹拌バ
ーで撹拌しながら、上記穴位置から容器外へと排
出することで、撹拌バーでもつて適当な大きさに
ほぐされた麺塊をして適量宛製麺機の圧延ロール
の始端部へと供給するようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上記のような構造の麺塊フイーダー
は、前記容器内で回転している撹拌バーの回転速
度が遅いので、前記穴に大きい麺塊がつかえたよ
うな場合には、つい手でもつてそれをつつきたく
なるのが人情である。このため、撹拌バーが一方
向に回転している麺塊フイーダーでは、今までに
多数の人が穴位置で腕を切断された。

このような危険を防止するための手段として
は、例えば、容器に蓋を設けると共に、蓋にリミ
ツトスイツチを対設して、蓋の開閉と撹拌バーの
駆動源の発停を連動させることにより、蓋を開け
なければ容器内に手が入らないようにし、蓋を開
けると駆動源が自動的に止まるようにしたもの
（従来例の１）とか、撹拌バーが一定の回動位置
に達すると作用する、すなわち撹拌バーが穴位置
に近づくと作動する、リミツトスイツチを設け
て、このリミツトスイツチが作動すると撹拌バー
が交互に正転及び逆転せしめられるようにするこ
とで、撹拌バーが穴の上方位を通過して回転しな
いようにしたもの（従来例の２）等が開発されて
いる。

ところが、従来例の１の、蓋を設けたもので
は、不精をして、蓋を外し、リミツトスイツチを
手で押さえて撹拌バーを回転させながら容器内を
掃除していて腕を切断した例があり、従来例の２
の、撹拌バーが穴位置に近づくと自動的に撹拌バ
ーが反転させるようにしてあるものでは、リミツ
トスイツチに故障が生じて、撹拌バーが穴位置の
手前で反転しなかつたための事故が起きている。

そこで、従来技術の中には、上記したような事
故の発生原因が、すべて、モータの回転力を利用
して撹拌バーを回転させるようになつている点に
あること、に着目して、この撹拌バーの駆動源を
モータ以外のものに求めたもの（従来例の３）が
ある。すなわち、特公昭58−4889号公報には、上
記撹拌バーを支持する回転軸にピニオンを固定す
ると共に、該ピニオンにラツクを噛み合わせてお
き、このラツクを、複動形の流体圧シリンダのピ
ストンロツドでもつて所定のストロークに亘つて
往復動させることにより、撹拌バーをして、上記
孔位置を避けた範囲内でのみ往復させるようにし
たものが開示されている。

ところが、この従来例の３は、撹拌バーの駆動
源を一定のストロークをもつた複動形の流体圧シ
リンダに求めているので、上記したようなモータ
ーの回転に起因する事故は、これを完全に防止し
うるけれども、反面、ラツクを往復動させるため
に高価な流体圧の発生装置、流体圧シリンダ及び
その制御弁等を必要とするので、この従来例の３
は、これを、撹拌バーの駆動源を最も一般的な可
逆転モータに求めた従来例の１及び２に比較する
と、そのコストが高くつく。

そこで、この考案は、従来例の３よりもコスト
の低い従来例の２に改良を施すことで、すなわ
ち、従来例の２のような事故防止手段を備えた麺
塊フイーダーに簡単な改良を加えることで、撹拌
バーを自動的に所定位置で反転させるための電気
的な制御系統に故障が生じても、機械的に、すな
わち絶対に、撹拌バーが穴の上方位を通過して回
転し得ない麺塊フイーダーを、上記従来例の３よ
りも低いコストで提供しようとするものである。

〔問題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するための手段を、実施例に
対応する第１，２図を参照して説明すると、本考
案は、底面１ａの適所に穴２を形成してある円筒
型の容器内１内に、その基端部が垂直な回転軸４
に取り付けられた撹拌バー３を配設して、この撹
拌バー３の回転軸４とその駆動源８との間を連動
歯車機構７を介して連動連結すると共に、撹拌バ
ー３の回動位置によつて入り切りされるリミツト
スイツチ１１，１２を設け、前記駆動源８をこの
リミツトスイツチ１１，１２によつて交互に正転
及び逆転をさせて、前記撹拌バー３をして、前記
穴２の上方位を除いた位置で交互に正転及び逆転
させることにより、この容器１内に投入された麺
塊をして撹拌バー３で撹拌し且つ上記穴２から容
器１外へと排出せしめるように構成してある製麺
機用の麺塊フイーダーにおいて、前記撹拌バー３
の回転軸４とその駆動源８との間を連結している
前記連動歯車機構７が、その一部に、欠歯部６ａ
を有する従動歯車６を含んでいて、撹拌バー３が
前記穴２の上を横断する位置では、この欠歯部６
ａで上記回転軸４と駆動源８間の連動が断たれる
ようにしたものである。

〔作用〕

この考案に係る麺塊フイーダーにあつては、上
記したように、撹拌バー３の回転軸４とその駆動
源８との間を連結している前記連動歯車の一つ６
が、欠歯部６ａを有していて、そのために、撹拌
バー３が穴２の上を横断する位置では、回転軸４
が空転して、回転軸４と駆動源８との間の連動が
自動的に断たれるように構成してあるので、駆動
源８を前記リミツトスイツチ１１，１２に関係な
く回転させても、撹拌バー３は、前記穴１の上を
横断しない。

〔実施例〕

実施例を図について説明すると、１は、高さが
低い円筒形の容器で、その底面１ａには、穴２を
形成してある。３は、この容器１内に配設した撹
拌バーで、この撹拌バー３は、容器１の底面１ａ
を貫いて容器１内にその上端部を位置させた回転
軸４の上端部に、その基端部３ａを嵌着されてい
る。回転軸４は、原動歯車１５とそれに噛み合う
従動歯車６とからなる連動歯車機構７を介して、
その駆動源である減速機付電動機８の出力軸９に
連動連結されているのであるが、この実施例の従
動歯車６は、欠歯部６ａを有していて、この従動
歯車６は、前記撹拌バー３が前記穴２の上を横断
する、約αの回転角の範囲においては、欠歯部６
ａが原動歯車５に対向位置するため、原動歯車５
の動力が従動歯車６に伝達されないようになつて
いる。

また、上記撹拌バー３には、腕杆１０を立設し
てあり、前記穴２の近くの上方位には、一対のリ
ミツトスイツチ１１，１２を配設してあつて、前
記減速機付電動機８は、撹拌バー３が容器１内を
回動して穴２位置に近づくと、上記腕杆１０が一
対のリミツトスイツチ１１，１２の何れか一方に
作用し、このリミツトスイツチ１１，１２が作用
したとき、その回転方向を反転せしめられるよう
になつている。

すなわち、この実施例の麺塊フイーダーの撹拌
バー３は、通常の回転状態では、前記腕杆１０が
前記一対のリミツトスイツチ１１，１２に作用す
る一定の回転角（360゜−α）の間に亘つてのみ、
交互に正転及び逆転を繰り返し、容器１の上方か
ら容器１内に投入された麺塊を、それでもつてほ
ぐしながら容器１内を穴２位置まで送り、穴２か
ら、その下方位の圧延装置（図示せず）に向かつ
て適量宛供給できるようになつている。

そして、若しも上記リミツトスイツチ１１又は
１２が故障して、撹拌バー３が反転することな
く、そのまま穴２の上方位を横断しよとしたとき
には、前記従動歯車６の欠歯部６ａが原動歯車５
の歯に対向することによつて、そのとき、動力の
伝達が自動的に断たれるようになつている。

なお、上記実施例では、容器１の底面１ａにあ
けられた穴２が一個である場合についてこの考案
を説明したが、この考案は、例えば前記穴６が
180゜位相を変えて容器１の底面１ａに一対形成さ
れている他の実施例の場合であれば、従動歯車６
に、180゜位相を変えて一対の欠歯部６ａを形成し
ておけばよい（図示せず）。

〔考案の効果〕

この考案の麺塊フイーダーでは、その構成並び
に作用について詳述したように、リミツトスイツ
チに故障が生じて、駆動源がその回転方向を反転
させなければならない位置で、すなわち撹拌バー
が穴の近くに達した位置で、反転することなくそ
のままの方向に回転し続けた場合には、撹拌バー
の回転軸とその駆動源との間を連結している連動
歯車機構が、原動歯車に対向する従動歯車の欠歯
部でもつて自動的に遮断されるから、冒頭に述べ
たような事故を引き起こす虞が全くない。

しかも、この考案の麺塊フイーダーは、撹拌バ
ー３の駆動源に従来装置同様の最も一般的な可逆
転モータを使用しており、撹拌バーを、前記した
ような連動系を介して該可逆転モータに連結しさ
えすれば足りるので、これを、正逆転モータを使
用した従来装置同様に、安価に提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る製麺機用の麺塊フイー
ダーの一実施例を示した一部切欠平面図、第２図
は第１図の−線断面図である。 １…容器、１ａ…底面、２…穴、３…撹拌バ
ー、４…回転軸、６…従動歯車、６ａ…欠歯部、
７…連動歯車機構、８…減速機付電動機（駆動
源）、１１，１２…リミツトスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面の適所に穴を形成してある円筒型の容器内
   に、その基端部が垂直な回転軸に取り付けられた
   撹拌バーを配設して、この撹拌バーの回転軸とそ
   の駆動源との間を連動歯車機構を介して連動連結
   すると共に、撹拌バーの回動位置によつて入り切
   りされるリミツトスイツチを設けて、前記駆動源
   をこのリミツトスイツチによつて交互に正転及び
   逆転をさせ、前記撹拌バーをして前記穴の上方位
   を除いた位置で交互に正転及び逆転させることに
   より、この容器内に投入された麺塊をしてこの撹
   拌バーで撹拌し且つ上記穴から容器外へと排出せ
   しめるように構成してある製麺機用の麺塊フイー
   ダーにおいて、前記撹拌バーの回転軸とその駆動
   源との間を連結している前記連動歯車機構の一部
   に、欠歯部を有する従動歯車を用いて、撹拌バー
   が前記穴の上を横断する位置では、この従動歯車
   の欠歯部で上記回転軸と駆動源間の連動が断たれ
   るように構成してあること、を特徴とする製麺機
   用の麺塊フイーダー。