JPS641652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、バーンイン処理装置用ラツクに関
し、特に、フレームに取付けたマザーボードの保
守、点検、交換等の容易なバーンイン処理装置用
ラツクに関する。

〔従来技術〕

従来、ICのバーンイン処理の可能なバーンイ
ン処理装置は、その正面あるいはその正面および
背面に開閉扉を有する恒温室を備え、その恒温室
内に、縦材と横材とでたとえば直方体に形成する
フレームに複数枚のDUT基板を着脱可能に装着
したラツクを配置する。そして、前記DUT基板
の一面には複数のICソケツトを行列状に配列し
ており、このDUT基板を前記ラツクに装着し、
前記バーンイン処理装置における信号電流供給部
からマザーボードを介して前記DUT基板上のIC
ソケツトに接続したICに各種の信号電流を供給
すると共に前記恒温室内を恒温に維持して、前記
ICのエージング等のバーンイン処理をする。

しかしながら、前記マザーボードは、前記開閉
扉に面する前記フレームの後部に固着されている
ので、このマザーボードに搭載する各種の素子の
故障等によりこの素子を交換する必要が生じたと
きには、このマザーボードをフレームから一〃取
外さねばならない。また、このマザーボードは、
開閉扉に対向する面とは反対側の面にプリント配
線を設けると共に各種の素子を搭載しているの
で、このマザーボードの保守、点検をするのにこ
のマザーボードを一〃取外さねばならない。

〔考案の目的〕

この考案は前記事情に基いてなされたものであ
り、マザーボードを一〃取外さなくても容易にこ
れを保守、点検し、またこのマザーボードの交換
の容易なバーンイン処理装置用ラツクを提供する
ことを目的とするものである。

〔考案の概要〕

前記目的を達成するためのこの考案の概要は、
バーンイン処理装置における恒温室内に配置され
ると共にDUT基板を着脱可能に縦材および横材
で形成されたフレームに、前記DUT基板上のプ
リント配線と電気的に接続可能なプリント配線を
有するマザーボードを回動可能に取付けたことを
特徴とするものである。

〔考案の構成およびその実施例〕

この考案についてその一実施例を参照しながら
説明する。

第１図および第２図に示すように、この考案の
一実施例に係るバーンイン処理装置用ラツク１
（以下ラツク１と略称する。）は、略長方形の底面
部２の四隅に垂直に立設した左右一対の第１の縦
材３，４および第２の縦材５，６と、前記一対の
第１の縦材３，４の上部間に掛渡した第１の上部
横材７と、前記一対の第２の縦材５，６の上部間
に掛渡した第２の上部横材８と、前記第１の縦材
３，４の上部と前記第２の縦材５，６の上部とに
掛渡した第３の横材とで直方体状のフレームを形
成し、前記フレームの上部に天板９を、前記フレ
ームの両側面には側面板１０，１１をそれぞれ配
設し、また、前記一対の第１の縦材３，４の中央
部には２本の第４の横材１２，１３を掛渡すと共
に前記第２の縦材５，６の中央部間にも前記第４
の横材１２，１３に対応する２本の第５の横材１
４，１５を掛渡し、さらに、前記底面部２のわず
かに上方で前記第１の縦材３，４間に第６の横材
１６を掛渡すと共に前記第２の縦材５，６間に前
記第６の横材１６に対応する第７の横材１８を掛
渡してなり、前記第１の縦材３，４、前記第１の
上部横材７、前記第４の横材１２，１３、および
前記第６の横材１６を恒温室の開閉扉に対向する
ように、この恒温室内に配置、固定する。そし
て、前記ラツク１は、前記第１の上部横材７と２
本の第４の横材１２，１３と前記第６の横材１６
とはそれぞれ等間隔に配設され、また、前記第２
の上部横材８と２本の第５の横材１４，１５と前
記第７の横材１８とはそれぞれ等間隔に配設さ
れ、この等間隔に配置された前記各横材の上下間
には、一面にプリント配線を有すると共に他の面
には複数のICソケツトを行列状に配置したDUT
基板（図示せず。）を縦にして装着することがで
きるようになつている。

前記一対の第２の縦材５，６間であつて、前記
第２の上部横材８と前記第５の横材１４との間、
２本の第５の横材１４，１５間、第５の横材１５
と前記第７の横材１８との間それぞれには、一方
の前記第２の縦材６にたとえばネジ等で固着可能
な固定板１９と、他方の前記第２の縦材５に回動
部材たとえば蝶板２０を介して回動可能に固着さ
れた回動板２１と、前記回動板２１と前記固定板
１９との間に掛渡されると共にマザーボード２２
を装着可能な３枚の取付板２３とからなる取付フ
レーム２４を設ける。

前記マザーボード２２の正面には、このラツク
１に装着されたDUT基板のカードエツジを接続
するカードエツジコネクタ（図示せず。）を配列
し、その背面には前記カードエツジコネクタのピ
ンに電気的に接続されたプリント配線（図示せ
ず。）を設けると共にこのプリント配線に接続さ
れる各種の素子（図示せず。）を搭載する。前記
DUT基板上のプリント配線は、前記蝶板２０に
近い所で、図示しない信号電流供給部から延在す
る信号ケーブルに接続される。

以上構成のラツク１は、バーンイン処理装置の
恒温室内に配置される。そして、恒温室の開閉扉
を開き、露出するラツク１に多数のDUT基板を
縦にして装着する。このとき、DUT基板は、そ
のカードエツジをマザーボード２２のカードエツ
ジコネクタに挿入して前記DUT基板におけるプ
リント配線とマザーボード２２におけるプリント
配線とを電気的に接続する。DUT基板の装着後、
開閉扉を閉じ、前記恒温室内を所定の恒温に維持
しつつ、図示しない信号電流供給部から各種の信
号電流を、信号ケーブル、マザーボード２２およ
びDUT基板を介してこのDUT基板上に搭載され
たICに供給してICのバーンイン処理をする。

ここで、前記マザーボード２２に搭載する素子
に故障を生じてその交換が必要となつた場合、固
定板１９を第２の縦材６に固着しているネジを取
外し、次いで、第３図に示すように、前記固定板
１９が前記開閉扉に向うように回動板２１を中心
にして取付フレーム２４を回動する。この取付フ
レーム２４を、前記回動板２１を取付けている第
２の縦材５とこの第２の縦材５に対向する第１の
縦材３とに平行になるまで回動すると、換言すれ
ば、左右一対の２本の第１の縦材３，４を含む面
に直交して前記回動板２１を有する前記第２の縦
材５と前記第１の縦材３とに取付けられた側面板
１０に平行になるまで、前記取付フレーム２４を
回動すると、マザーボード２２も前記蝶板２０を
中心にして回動することとなり、この結果、マザ
ーボード２２のプリント配線面が、前記側面板１
０に対向する他の側面板１１に対向することとな
る。そこで、前記開閉扉に面するこのラツク１の
開口部から手を差延べ、前記マザーボード２２に
搭載する不良品となつた素子を新たな素子に交換
する。

このように、前記構成のラツク１は、フレーム
からマザーボード２２を取外さなくともこれを回
動するだけで、マザーボード２２上に搭載する各
種の素子を簡単に交換することができる。このマ
ザーボード２２を回動することができるようにし
たことにより、前記のような素子の交換の外に、
取付フレーム２４からマザーボード２２を容易に
外すことができることとなり、マザーボード２２
の交換をも簡単に行なうことができることとな
る。また、マザーボード２２の回動によりプリン
ト配線面を露出することができるので、マザーボ
ード２２の保守、点検を簡単に行なうことができ
る。

以上、この考案の一実施例について説明した
が、この考案は前記実施例に限定されるものでは
なく、この考案の要旨の範囲内で種々変形して実
施することができるのはいうまでもない。

前記実施例においては、マザーボード２２は取
付フレーム２４により第２の縦材５の近傍にある
垂直軸を中心にして回動可能となつているが、こ
の考案においてはこれに限らず、次のように形成
した取付フレームにマザーボードを装着すること
によりこのマザーボードを水平軸を中心にして回
動可能としてもよい。

すなわち、前記第２の縦材５，６の一方にたと
えばネジ等の固着部材で固着可能な第１固定板
と、前記第２の縦材５，６の他方にもたとえばネ
ジ等の固着部材で固着可能な第２固定板と、前記
第１固定板と前記第２固定板との間に掛渡される
と共にマザーボードを装着可能なたとえば３枚の
取付板とからなり、前記第１固定板および前記第
２固定板それぞれの下端を回動部材たとえば蝶板
で前記左右一対の第２の縦材５，６に取付て、前
記第１固定板および第２固定板の下部を水平軸と
して、縦に立設配置されたマザーボードが水平に
なるように回動可能に取付フレームを形成する。
このように形成した取付フレームは、前記一対の
第２の縦材５，６間であつて、前記第２の上部横
材８と前記第５の横材１４との間、２本の第５の
横材１４，１５間、第５の横材１５と前記第７の
横材１８との間それぞれに配設される。

このようにして形成した取付フレームにマザー
ボードを取付ると、ラツク１の背面に縦にして配
置したマザーボードを水平にすることにより、プ
リント配線および各種の素子を搭載するマザーボ
ード面を上面とすることができるので、このマザ
ーボードの保守、点検およびその交換を容易に行
なうことができる。

〔考案の効果〕

以上に詳述したように、この考案によると、マ
ザーボードをラツクから取外すことなくこのマザ
ーボードの保守、点検およびその交換を容易に行
なうことができ、作業性の向上を図ることができ
る。さらに、従来では、保守、点検および交換の
ためにマザーボードをラツクから引き出すに十分
な長さの信号ケーブルを信号電流供給部からマザ
ーボードのプリント配線にまで延在させねばなら
ず、そのために長くなつた信号ケーブルがノイズ
を拾うことがあつたが、この考案においては、前
記信号ケーブルはマザーボードを回動させるに足
る長さで良いので、信号ケーブルの長さを短縮す
ることができ、これによつて前記信号ケーブルが
拾うノイズの低減をも図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部正面
図、第２図は前記実施例を示す概略斜視図、およ
び第３図は前記実施例におけるマザーボードを回
動した状態を示す概略斜視視図である。 １……バーンイン処理装置用ラツク、３，４…
…第１の縦材、５，６……第２の縦材、７……第
１の上部横材、８……第２の上部横材、２２……
マザーボード。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) バーンイン処理装置における恒温室内に配置
   されると共にDUT基板を着脱可能に縦材およ
   び横材で形成されたフレームに、前記DUT基
   板上のプリント配線と電気的に接続可能なプリ
   ント配線を有するマザーボードを回動可能に取
   付けたことを特徴とするバーンイン処理装置用
   ラツク。 (2) 前記マザーボードが、前記フレームの縦材
   に、垂直軸を中心にして回動可能に取付けられ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のバーンイン処理装置用ラツク。 (3) 前記マザーボードが、前記フレームの横材
   に、水平軸を中心にして回動可能に取付けられ
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のバーンイン処理装置用ラツク。