JPS6412042B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】

本発明は天井面に取り付けたアームによつて灯
具を支持している天井吊り照明装置、殊に灯具の
位置を可変としている天井吊り照明装置に関する
ものである。

【背景技術】

天井面にアームを介して灯具を取り付けたもの
で、灯具の位置を可変としている天井吊り照明装
置として、第１図あるいは第２図に示すものがあ
る。 第１図に示すものは、天井面１に固設した回転
式台座２に水平アーム３を取り付けて、水平面内
での回転が自在とされている水平アーム３の一端
側から灯具４を高さ調整自在に吊設するととも
に、水平アーム３の他端に天井面１に転接するキ
ヤスタ５を装着したものであり、灯具４は吊り紐
７を巻き込んで高さ調節を行う昇降器６を備えて
いる。そしてこの吊り紐７を電源コード８とは、
水平アーム３上をその長手方向に沿つて走行する
ランナー９，１０で支持されている。 この場合、灯具４を求める位置に移動させるに
は、水平アーム３を回動させ、次にランナー１０
を水平アーム３の長手方向に移動させ、更に灯具
４を上下に移動させなければならず、灯具４の移
動に三つの動作が必要で手間がかかるという問題
を有している。 第２図に示すものでは、水平アーム３を台座２
で支持するにあたり、ローラ１１によつて水平ア
ーム３の長手方向のスライドを自在とし、そして
キヤスタ５として全方向に転動するボール式のも
のを用いており、水平アーム３が水平面内での回
転に加えてスライドも行うために、灯具４の移動
は水平アーム３の回転及びスライドと、灯具４の
上下と二つの動作で行うことができる。しかし、
依然として灯具４を一動作で求める位置まで移動
させることはできず、また吊り紐７の昇降器６を
必要としており、更には吊り紐７を用いているた
めに、移動直後に灯具４が揺れ易く、そして天井
面１が平坦でなければならない上に、キヤスタ５
の転接によつて天井面１に傷がつき易いので、天
井面１の形状や材質に制限が生じるという問題を
有している。 また、天井面に取り付けた支持具によつて中程
が支持されて水平面内での回転及び鉛直面内での
回転が共に自由となつている棒状のアームを設け
て、このアームの一端にバランス用錘体を取り付
けるとともに、アームの他端に灯具支持杆の基端
を鉛直面内での回転が自在となるように継手で連
結し、灯具支持杆の先端に灯具を取り付けたもの
も提案されている。 このものでは、アームの水平回転と鉛直回転と
によつて、支持具から見た灯具の方向と距離と高
さの３つを同時に変えることができるが、アーム
の鉛直回転によつて灯具の高さが変化してしまう
ために、実際にはアームに対する灯具支持杆の角
度を変更する操作を行わなければ、灯具を求める
高さとすることができず、そしてアームと灯具支
持杆とを連結している継手には、両者の角度を固
定するためのクランプ装置を備えたものが必要で
あるために、アームに対する灯具支持杆の角度の
変更にあたつては、このクランプ装置に対する操
作が必要なものであり、またこのような操作を行
つて灯具の位置を変えると、灯具とバランス用錘
体との重量バランス位置が変わるために、支持具
におけるアームの支持部も締め付け固定できる構
造としなくては、実使用に供し得ず、使い勝手が
良いとは言えない。更にアームと灯具支持杆との
連結部の継手に多くの応力がかかるために、これ
に耐える構造としなくてはならず、重量がどうし
ても重くなる。

【発明の目的】

本発明はこのような点に鑑み為されたものであ
り、その目的とするところは天井面への取付位置
から見た灯具の方向と距離、そして灯具の高さを
容易に変更することができる天井吊り照明装置を
提供するにある。

【発明の開示】

しかして本発明は、上下に平行な２本のロツド
の各一端にバランス用錘体をピンで連結して両ロ
ツドの一端間をバランス用錘体で接続するととも
に、上記２本のロツドの各他端に灯具支持杆の基
端部をピンで連結して両ロツドの他端間を灯具支
持杆で接続して、これらロツドとバランス用錘体
と灯具支持杆とでロツドの長手方向に長い細長形
の平行クランク構造のアームを形成し、水平面内
での回転及び鉛直面内での回転が自在とされたア
ーム受け具を天井面より支持具を介して吊設し、
このアーム受け具で上記アームの両ロツドの各中
間部を夫々支承してアーム受け具に対する両ロツ
ドの鉛直面内での回転を自在とし、アームの灯具
支持杆の先端部に灯具を取り付けていることに特
徴を有している。 本発明によれば、灯具支持杆とバランス用錘体
とが両端片となつている平行クランク構造のアー
ムを用いているために、このアームを動かすだけ
で、任意の位置に灯具を位置させることができ、
またバランス用錘体は常時灯具とバランスした状
態となつているものである。

【実施例】

以下本発明を第３図及び第４図に示す実施例に
基づいて詳述すると、この天井吊り照明装置は、
天井面１に設けた台座１２とこの台座１２から吊
り下げた回転軸１５とからなる支持具Ａにアーム
受け具１６を取り付けるとともに、アーム受け具
１６によつて中央部が支持されたアームＢの一端
の灯具支持杆１７に灯具４を取り付けることで構
成されている。図中８は電源コードである。 上記回転軸１５は台座１２にその軸まわりの回
転が自在となるように上端が支持されたものであ
り、またアーム受け具１６は円盤状のもので、回
転軸１５に対して鉛直面内での回転が自在となる
ように中央部が軸１９で回転軸１５に取り付けら
れている。 上記アーム受け具１６で中央部が支持されるア
ームＢは、上下に平行な２本のロツド１３，１３
の各一端にバランス用錘体１４をピン１８，１８
で連結するとともに、上記２本のロツド１３，１
３の各他端に灯具支持杆１７の基端部をピン１
８，１８で連結することによつて形成されたロツ
ド１３の長手方向に長い細長形の平行クランク構
造となつている。また、灯具４は灯具支持杆１７
の先端に鉛直面内での回転が自由となるように取
り付けられている。 前記アーム受け具１６によるアームＢの中央部
の支持は、アームＢの平行クランクとしての機
能、つまりパンタグラフ状に屈曲する機能を損な
うことがないように、アームＢの両ロツド１３，
１３の中間部を夫々アーム受け具１６で支承する
ことによつて、各ロツド１３がアーム受け具１６
に対して鉛直面内で回転できるものとしている。 しかして、この天井吊り照明装置では、アーム
Ｂをアーム受け具１６及び回転軸１５と共に水平
面内で回転させることによつて台座１２から見た
灯具４の方向を変えることができ、アーム受け具
１６とアームＢとを支持具Ａに対して鉛直面内で
回転させることによつて、主として灯具４の上下
高さを変えることができる。 そして、第４図に示すように、平行クランク構
造であるアームＢをパンタグラフ状に屈曲させる
ことによつて、つまりは両ロツド１３，１３をア
ーム受け具１６に対して鉛直面内で回動させて両
ロツド１３，１３のアーム受け具１６に対する角
度を変えて両ロツド１３，１３の間隔を変えると
ともにロツド１３に対する灯具支持杆１７の角度
を変えることによつて、台座１２からの灯具４の
距離並びに灯具の高さを変えることができる。灯
具４を持つて灯具支持杆１７を介しアームＢに操
作を加えるだけで、灯具４を任意の位置に位置さ
せることができるものである。 しかし、この天井吊り照明装置においては、バ
ランス用錘体１４と灯具支持杆１７とを両端片と
する平行クランク構造でアームＢが構成されてい
るために、台座１２から灯具までの距離を変えた
場合、台座１２からバランス用錘体１４の重心ま
での距離も灯具４の重量バランスを取れる位置に
同時に移るために、重量バランスは常にアーム受
け具１６の位置にあり、従つて、灯具４を移動さ
せても重量バランスが保たれているものであつ
て、任意の位置に移動させた灯具４がその位置で
停止するような締め付け手段を必要としないもの
である。尚、図からも明らかなように、バランス
用錘体１４をアームＢの一端から斜め上方に突出
させているが、これはアームＢの他端から斜め下
方に突出する長い灯具支持杆１７の先端に取り付
けられた灯具４の重量バランスを取れる範囲を大
きくするためである。

【発明の効果】

以上のように本発明においては、アームの水平
面内での回転と、アーム受け具及びアームの鉛直
面内での回転の他に、アーム受け具に対してアー
ムの上下に平行な両ロツドを鉛直面内で回転させ
て平行クランク構造のアームにおける上下に平行
なロツドと灯具支持杆とのなす角度を変えること
によつてアームをパンタグラフ状に屈曲させるこ
とによつても灯具が移動するものであつて、支持
具から見た灯具の方向と距離及び灯具の高さをア
ームに加える操作だけで変更できるものであり、
しかしバランス用錘体は、平行クランク構造のア
ームの一片を構成するものとして設けられている
ために、灯具の移動に対して灯具と釣り合う位置
に自身の位置を変えるものであつて、バランスが
常時保たれており、灯具の固定のための締め付け
装置やクランプ装置等が不要なものであり、従つ
て、灯具の移動をアームに加える操作だけできわ
めて簡便に行うことができるものであり、更には
アームやその他の部材に求められる強度も低くて
すむものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の破断側面図、第２図は他の従
来例の断面図、第３図は本発明一実施例の破断側
面図、第４図は同上の平行クランク構造のアーム
の動作を示す概略側面図であつて、Ａは支持具、
Ｂはアーム、１は天井面、４は灯具、１２は台
座、１３はロツド、１４はバランス用錘体、１５
は回転軸、１６はアーム受け具、１７は灯具支持
杆、１８はピンを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上下に平行な２本のロツドの各一端にバラン
   ス用錘体をピンで連結して両ロツドの一端間をバ
   ランス用錘体で接続するとともに、上記２本のロ
   ツドの各他端に灯具支持杆の基端部をピンで連結
   して両ロツドの他端間を灯具支持杆で接続して、
   これらロツドとバランス用錘体と灯具支持杆とで
   ロツドの長手方向に長い細長形の平行クランク構
   造のアームを形成し、水平面内での回転及び鉛直
   面内での回転が自在とされたアーム受け具を天井
   面より支持具を介して吊設し、このアーム受け具
   で上記アームの両ロツドの各中間部を夫々支承し
   てアーム受け具に対する両ロツドの鉛直面内での
   回転を自在とし、アームの灯具支持杆の先端部に
   灯具を取り付けている天井吊り照明装置。