JPS6411824B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はターボ過給式圧縮点火機関へ燃料を供
給する液体燃料噴射ポンプ装置に関し、該装置は
ターボ過給器付圧縮点火機関に燃料を供給する液
体燃料噴射ポンプ装置であつて、ハウジングと、
使用時に前記機関と調時関係を保つて駆動される
前記ハウジング内に配置された回転式分配部材
と、前記分配部材の内孔内に往復動可能に配置さ
れたプランジヤと、前記分配部材が回転するとき
プランジヤに内向き運動を与える前記ハウジング
内に配置されたカムリングと、プランジヤの外向
き運動を行なわせるため前記内孔に燃料供給通路
から加圧燃料の流量を調節する燃料制御装置と、
前記プランジヤの内向き運動中に前記内孔から出
口ポートに燃料を送給する縦方向通路および送出
通路と、使用時に前記プランジヤの最大外向き運
動を規定するように動作する停止リングと、前記
停止リングに接続され且つシリンダ内に収容され
たピストンと、前記燃料供給通路を前記シリンダ
に接続している導管と、更に前記機関に供給され
る吸入気圧に応動して前記シリンダ内の液体圧力
を制御するための弁装置とから成る種類のもので
ある。

圧縮点火機関に燃料を供給するのにこのような
装置が用いられるとき、装置の各送出行程におい
て機関に供給される燃料の最大量は、ターボ過給
機によつて機関に送給される空気の圧力に従つて
変化されなければならないことは公知である。こ
れは機関排気内の排煙の許容レベルを超えずに機
関の潜在出力の全面活用を許す。

従来この種の機関に用いる液体燃料噴射ポンプ
装置において、停止リングに大きな弾性力を有す
るばね負荷型ダイヤフラムを直接結合し、ターボ
過給機によつて与えられた空気の圧力を該ダイア
フラムに直接加えるように成したものが用いられ
ていた。しかしながら該停止リングを満足に動作
させるには充分な空気圧を該ダイアフラムに与え
る必要があり、この事は当然ながら表面積の広い
ダイアフラムを使用することが必要となり、従つ
てそれを収容するケーシングもまた大きな嵩張つ
たものが必要となる。

一方動作中停止リングに加わるプランジヤ・ロ
ーラとのころがり接触によつて生ずる反撥力も相
当な大きさであり、この反撥力に対抗するための
前記ばねの負荷も相当大きな値に設定されねばな
らず相当大きなものが必要となる。この事は同時
にそれを収容するケーシングの容積を大きくせね
ばならず、いづれにせよ従来方式による停止リン
グ制御装置を備えたポンプ装置は嵩張つたものに
なる傾向があつた。

一般にターボ過給機を備えた圧縮点火式内燃機
関は自動車用として設計されるが、たゞでさえ過
給機がエンジンルーム内において余分な空間を必
要とするが、更に加えて従来の形式の嵩張つた噴
射ポンプ装置を装備する事は機関全体がエンジン
ルーム内に占める容積を大きくしてしまい、従つ
て取付けを困難且つ面倒なものにしてしまう。

また保守や修理に際しても同様な困難性を伴う
事となり、エンジン設計において特にこの停止リ
ング制御装置を小型化する事は大きな課題であ
り、この事により噴射ポンプ装置が小型化され、
更に該ポンプ装置を出来る限り機関本体に近付け
て配置する事が可能とされ、単に取付けや保守の
問題に留まらず、安全且つ確実な燃料供給が行な
える事となる。

上記の諸点に鑑み、本発明の目的は新規な弁装
置を使用する事により従来の燃料噴射ポンプに比
して嵩張らず且つ良好な作動装態が得られる形式
の液体燃料噴射ポンプ装置を提供することにあ
る。

本発明によれば、前記に規定した種類の装置
は、前記導管がレストリクタを含むと共に該レス
トリクタの下流において前記シリンダに接続され
ており、前記弁装置が前記レストリクタの下流か
らドレンへの液体流量を制御するべく前記導管と
該ドレンとの間に配設されている弁装置から成
り、前記弁装置は使用中に機関に供給される吸入
空気の圧力に応答する。

以下、本発明を１実施例を示す図面を参照しつ
つ説明する。

第１図において、本装置は複合ハウジング１０
を含み、該ハウジング内に回転式円筒形分配部材
１１が取付けられている。この分配部材は駆動軸
１３から駆動される大径部分１２を有し、該駆動
軸は使用時に装着機関と調時関係を保つて駆動さ
れる。直径に亘つて配置された内孔１４が分配部
材１１に形成され、該内孔内に一対のプランジヤ
１５が配置され、これらプランジヤはその外方端
においてシユー１６と係合し、該シユーはそれぞ
れ分配部材の大径部分１２を取囲む環状のカムリ
ング１８の内周表面と係合するローラ１７を担持
する。

カムリング１８は複数の内向きに延びるカム山
をもち、その１つのカム山の形状は第２図におい
て２０で示されている。シユー１６は、駆動軸１
３に取付けられ、或は駆動軸の一部を形成するス
リーブ１９に形成された溝孔内に担持されてい
る。

分配部材内には縦方向通路２１が形成され該通
路はその一端において半径方向に配置された送出
通路２２と連通する。送出通路２２は本体内に形
成されかつ使用時には装着機関の噴射ノズルそれ
ぞれに接続される出口ポート２３と整合するよう
に配置されている。縦方向通路２１は、分配部材
に形成されかつハウジング１０に形成された入口
ポート２５と連通するように配置された複数の入
口通路２４と連通する。入口ポート２５は、調節
式スロツトルを含むことが好適な燃料制御装置２
６を介して燃料供給通路２７と連通する。この通
路は低圧供給ポンプの出口と連通し、その回転部
分は分配部材によつて担持されている。この低圧
ポンプは入口２８を通つて燃料を引入れ、かつ逃
がし弁を具備することが好適であり、これによつ
て低圧ポンプの吐出圧力は本装置が駆動される速
度に従つて変化するように制御される。

動作について述べれば、ローラおよびプランジ
ヤがカム山の作用によつて内向きに移動されると
き、燃料は出口ポート２３から排出され、かつ分
配部材がさらに回転すると、送出通路２２は出口
ポート２３との整合から外れ、入口通路２４の１
つは入口ポート２５と整合される。この時点で、
燃料は内孔１４に流入し、この燃料量はスロツト
ルの設定位置によつて制御される。その後、この
サイクルは反復されかつ燃料はプランジヤの連続
内向き運動中に出口ポートに供給される。

スロツトルの設定位置とは関係なく、本装置に
よつて機関に供給される最大燃料量を制御するた
めに、一対の停止リング２９がハウジング内に取
付けられ、これらのリングはカムリング１８の両
側に配置されかつハウジング内を角運動すること
ができる。これらの停止リングは第２図の３０で
示すような内側形状を有している。停止リングは
直立突起３２をもつ跨設部材３１によつて連結さ
れている。後述するように、突起３２は第３図に
破線で示す位置に停止リングに対して接線方向に
移動され、この運動中に角運動がリング２９に与
えられる。

展開図である第２図において、プランジヤおよ
びローラは矢印３６の方向に移動し、ここにおい
て、各カム山はローラが当接するとローラおよび
プランジヤの内向き運動を行わせる前縁面３７
と、停留部分３８が後続する頂部分と、さらに別
の停留部分３９とをもつことが判る。ローラが頂
部に乗ると、燃料は機関に排出されなくなり、ロ
ーラが停留部分３８と係合する前のローラの制限
された外向き運動は本装置の送出弁および噴射ノ
ズル内の弁を閉じさせる。さらに、この時間中、
送出通路２２は出口ポート２３との整合が外れこ
れに続いて入口通路２４は入口ポート２５と整合
するように移動する。入口通路が入口ポートとの
整合から外れる位置は４０で示される。停止リン
グ３０は外向きに延びる部分４１を含む内側形状
をもち、該部分はローラ、従つてプランジヤの外
向き運動範囲を序々に拡大するように作用する。
ローラおよびプランジヤは、入口通路が入口ポー
トとの整合から外れ動く位置まで上向きに移動す
るが、この連通が絶たれると少くともプランジヤ
に関してはもはやそれ以上の外向き運動は行われ
なくなる。そのうえ、ローラが部分４１と係合し
ないとき、例えばスロツトルが多少とも閉じられ
るときの機関の運動状態となることが判るであろ
う。

停止リングがもし第２図に示す位置から左方に
向けて移動すると、プランジヤはその外向き運動
を増大されて機関に供給される最大燃料量は増加
される。これとは逆にもしリングが右方に向けて
移動すると外向き運動範囲は減少される。

上述のように、機関に供給される空気の圧力が
増加すると、一層多量の燃料が機関の燃焼室内で
完全に燃焼し、これによつて機関の出力を増大さ
せる。ゆえに、機関に供給される吸入空気の圧力
に従つてリング２９を調節することが必要であろ
う。さらに第３図において上記空気の圧力に従つ
て応答する装置が示されており、詳しくは、ピス
トン４２が設けられ、該ピストンは本装置のハウ
ジング１０の一方の側に取付けられたシリンダ４
３内に収容されている。このハウジングはまたブ
ツシ４４を支持し、該ブツシを貫通する内孔が設
けられこの中に押棒４５が配置されている。押棒
４５は一端においてピストン４２と係合し他端に
おいて跨設部材３１の直立突起３２と当接する。
さらに、ピストン４２は圧縮コイルばね４６によ
つてシリンダ４３の一端に向けて偏倚されてい
る。

導管４７によつて圧力液体がシリンダ４３の前
記一端に送出される。圧力液体源は燃料供給通路
２７に供給する低圧ポンプに依つて加圧された燃
料であることが好ましい。導管４７は一定型のレ
ストリクタ４８を具備し、導管４７は弁装置Ｐを
収容している室５０Ｂの中に開口する分岐管４９
と前記レストリクタの下流側において連通する。
前記室５０Ｂは２つの部分から構成されるハウジ
ングによつて画成されており、該ハウジングの一
方の部分は前記シリンダ４３と一体構造となつて
おり、且つ前記分岐管４９を穿設されている。ま
た該ハウジングの他方の部分は機関の吸気マニホ
ールドに接続される通路５４Ａが内部に穿設され
たエルボ型のコネクタ５４として形成されてお
り、該通路５４Ａの前記室５４Ｂに開口する部分
には全体を５５で示す不還弁が配設されており以
下に述べる可撓ダイアフラム５３が破損した際に
加圧液体が吸気マニホールド側へ流入するのを防
いでいる。

前記室５４Ｂ内に形成された前記弁装置Ｐは前
記分岐管４９の室内開口部に穿設された座部５０
Ａと、核座部に着脱可能に配設された弁部材とし
てのボール５０と、該ボールを前記レストリクタ
下流の液体圧に抗して該座部に押接している弾性
装置としてのばね５２と、前記ばねの作用を助長
するように働くべく機関の吸気圧に応動する圧力
応答装置としての可撓ダイアフラム５３とから構
成され、一方前記室５０Ｂには吸気圧が低い際に
該室に分岐管４９を経て流入した液体をポンプ装
置内に排出するためのドレン５７が開口してい
る。更に、前記弁装置Ｐは好ましくは前記ダイア
フラム５３と前記ボール５０との間には該ボール
に当接可能な突起を軸方向に設けた板５１が介装
されている。また前記可撓ダイアフラム５３はシ
ルクハツト状のかたちを有しており前記室５０Ｂ
を流体が入る部分と吸入空気が入る部分とを強固
に画成するために前記ハウジングの２つの部分間
にその縁部が挟持されている。

使用時に、ターボ過給機によつて送出された空
気の圧力が低い時は、ボール５０をその座部に保
持するように作用する力は比例して低く、従つて
ボールはレストリクタ４７の下流の液体圧力によ
つてその座部から持ち上げられ、同時にドレン５
７へ排出されてレストリクタ４７の下流のこの圧
力が従つて制御され、ピストン４２はピストン４
２とシリンダ４３の一端との間に作用する液体圧
力と、ばね４６によつて作用される弾性力とによ
つてシリンダ４３内で平衡位置をとる。シリンダ
４３の前記一端から離反する方向へのピストン４
２の如何なる運動も押棒４５を介して突起３２に
伝えられて、リング２９は機関に供給される燃料
量を増加する方向に移動する。ターボ過給器によ
つて送出される空気の圧力が増大すると、ボール
５０に作用する力もまた増大し、その結果、レス
トリクタ４７の下流の圧力も増加する。液体圧力
のこの増加はピストン４２にシリンダの前記一端
から離反させる運動を行わせる。空気の圧力が減
少すると、ボールはその座部から離れ、弁５５が
閉じて空気は可撓ダイアフラム５３によつて画成
された室から制限されたオリフイス５６を通つて
逃れる。

図示されていないが、突起３２と組合わせて押
棒４５と該突起とを接触状態に保持するように作
用するばねが設けられる。もしコネクタ５４と吸
気マニホールドとの間の接続が破損すると、ボー
ル５０は弁座５０Ａから離脱し、従つて流体はド
レン４８へ排出されピストン４２は前記一端に近
寄り機関に供給される最大燃料量を減ずるように
移動することが判る。

このような構成の弁装置を配設した燃料噴射ポ
ンプ装置は特にシリンダ４３およびピストン４２
の軸方向外方に弁装置が突設される必要が無い
為、全体として嵩張ることも無く機関本体に近接
した位置に取付ける事を可能とすると共に、前記
弁装置が安全弁としての作用も有している為安全
且つ確実に燃料を機関に送給が行なえるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本装置の図解式切断側面図、第２図は
カム山形状線図および第１図の装置の停止リング
の形状図、第３図は第１図の装置の実際の構造部
分を示す部分切断側面図である。 図中の符号、１０……ハウジング、１１……分
配部材、１２……大径部分、１３……駆動軸、１
４……内孔、１５……プランジヤ、１６……シユ
ー、１７……ローラ、１８……環状リング、１９
……スリーブ、２０……カム山形状、２１……縦
方向通路、２２……送出通路、２３……出口ポー
ト、２４……入口通路、２５……入口ポート、２
６……燃料制御装置、２７……燃料供給通路、２
８……入口、２９……停止リング、３０……停止
リング内側形状、３１……跨設部材、３２……突
起、３６……ローラ運動方向、３７……前縁面、
３８……停留部分、３９……停留部分、４０……
整合位置線、４１……外向きに延びる部分、４２
……ピストン、４３……シリンダ、４４……ブシ
ユ、４５……押棒、４６……圧縮コイルばね、４
７……導管、４８……一定型レストリクタ、４９
……分岐管、５０……ボール、５０Ａ……座部、
５０Ｂ……室、５１……板、５２……ばね、５３
……可撓ダイアフラム、５４……コネクタ、５４
Ａ……通路、５５……不還弁、５６……オリフイ
ス、５７……ドレン、Ｐ……弁装置を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ターボ過給器付圧縮点火機関に燃料を供給す
   る液体燃料噴射ポンプ装置であつて、ハウジング
   １０と、使用時に前記機関と調時関係を保つて駆
   動される前記ハウジング内に配置された回転式分
   配部材１１と、前記分配部材の内孔１４内に往復
   動可能に配置されたプランジヤ１５と、前記分配
   部材が回転するときプランジヤに内向き運動を与
   える前記ハウジング内に配置されたカムリング１
   ８と、プランジヤの外向き運動を行なわせるため
   前記内孔１４に燃料供給通路２７から加圧燃料の
   流量を調節する燃料制御装置２６と、前記プラン
   ジヤの内向き運動中に前記内孔から出口ポート２
   ３に燃料を送給する縦方向通路２１および送出通
   路２２と、使用時に前記プランジヤの最大外向き
   運動を規定するように動作する停止リング２９
   と、前記停止リングに接続され且つシリンダ４３
   内に収容されたピストン４２と、前記燃料供給通
   路２７を前記シリンダ４３に接続している導管４
   ７と、更に前記機関に供給される吸入気圧に応動
   して前記シリンダ内の液体圧力を制御するための
   弁装置Ｐとから成る液体燃料噴射ポンプ装置。 ２ 前記導管４７がレストリクタ４８を含むと共
   に該レストリクタの下流において前記シリンダ４
   ３に接続されており、前記弁装置Ｐが前記レスト
   リクタの下流からドレン５７への液体流量を制御
   するべく前記導管４７と該ドレン５７との間に配
   設されている前記特許請求の範囲第１項に記載の
   液体燃料噴射ポンプ装置。 ３ 前記弁装置Ｐが座部５０Ａと、弁部材を形成
   しているボール５０と、前記レストリクタ４８の
   下流の圧力に抗して前記ボール５０を前記座部５
   ０Ａに押接するため前記ボールに作用する弾性装
   置を形成しているばね５２と、使用時に機関に供
   給される吸入気圧に応動して前記弾性装置の作用
   を助長するように働く圧力応答装置を形成してい
   る可撓ダイアフラム５３とから成る前記特許請求
   の範囲第２項に記載の液体燃料噴射ポンプ装置。 ４ 前記可撓ダイアフラム５３が弁ハウジングを
   構成している２つの部分間に縁部が保持されてお
   り、該弁ハウジングを構成している２つの部分の
   一方が前記座部５０Ａを有し、他方が機関の吸気
   マニホールドに接続される通路５４Ａを形成して
   いるコネクタ５４を有している前記特許請求の範
   囲第３項に記載の液体燃料噴射ポンプ装置。 ５ 前記弁部材を形成しているボール５０と前記
   圧力応答装置を形成している可撓ダイアフラム５
   ３との間に板５１が介装されている前記特許請求
   の範囲第４項に記載の液体燃料噴射ポンプ装置。 ６ 前記コネクタ５４が前記ダイアフラム破損時
   に前記通路５４Ａに液体が流入するのを防止する
   ための不還弁５５を該通路内に有している前記特
   許請求の範囲第４項或いは第５項に記載の液体燃
   料噴射ポンプ装置。