JPS6410224B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は歯科用型材を作るときに加圧注入する
ために用いる注射器本体のような中空体充填用ペ
ースト材移送装置に関するものである。

型材料注入用注射器本体を充填するために従来
はボウルあるいはガラス板が用いられ、この上で
シリコンおよび触媒の混合物が作られていた。続
いて注射器は多くの気泡とともに充填されシリコ
ンのロスも多かつた。また、この充填作業は多く
の時間を要し、これはシリコンが触媒に触れると
凝固開始するため不利である。

本発明の目的は上記欠点を解消し特に簡単な構
造で移送注入すべき所定量のペースト材を気泡を
発生することなく注射器本体等の中空体内に移送
できる装置を提供することである。

このため本発明に係る中空体充填用ペースト材
移送装置は移送すべきペースト材を収容する円筒
状ボウルを備え、その底部に両端が開放した軸方
向チユーブが連続し、このペースト材をこの軸方
向チユーブ方向に押圧しその内部に圧入するため
の上記ボウル内部に係合可能な押し部材を備え、
この押し部材はボウルの内径に実質上等しい外径
を有しまたこれを貫通する軸方向の孔を有し、ボ
ウルに連続する軸方向チユーブの内径に等しい径
のロツドからなるピストンを備え、該ロツドは上
記押し部材の軸方向の孔内に摺動可能に収容され
ボウルの軸方向チユーブ内に侵入して内部のペー
スト材を押し出し可能としている。本発明装置の
利点はボウルを空にする押し部材およびボウルに
連続する軸方向チユーブを空にするピストンを構
成するロツドからなる２重ピストン機構によりペ
ースト材を完全に押し出すことができることであ
る。従つて、本発明装置においては中空体内に移
送すべきペースト材のロスがなくなる。

本発明装置は垂直配置されると内部ピストンの
ロツドが押し部材の軸方向上方に突出しここにボ
ウルに連続する軸方向チユーブを装着支持するこ
とができる。このときこのボウルは完全に水平位
置に保たれ移送すべきペースト材の量は透明材料
からなるボウルの側壁に記した環状日盛りにより
容易に予め定めた量にすることができる。

以下の図面に基いた説明により本発明はさらに
明白に理解されるであろう。

図示したように本発明装置は３つの主構成部
材、即ち底部１ａに両端が開放した軸方向チユー
ブ２が連続するボウル１、押し部材３、および該
押し部材３を貫通するロツドからなるピストン４
により構成される。

円筒状のボウル１は側壁１ｂを有し、この側壁
は第２図に示すようにボウルにペースト材を充填
中にペースト材の量が観察できるように透明であ
ることが望ましい。この透明側壁１ｂは予め定め
た間隔で充填用の目盛りとなる環が記される。

好ましくはプラスチツクのモールド成形材から
なる押し部材３はピストンヘツドとなる内端部に
内部ヘツド３ａを有しその外径はボウル１の側壁
１ｂの内径に正確に対応する。この内部ヘツド３
ａは後述のように送出すべきペースト材料をチユ
ーブ２内に圧送するピストンの作用を行なう。押
し部材３はその外端部に外部ヘツド３ｂを有しそ
の直径は内部ヘツド３ａより大きくペースト材送
出ストローク中の取手の作用を行なう。この押し
部材３は軸方向の孔３ｃを有しこれを通してピス
トン４が貫通する。

ピストン４はロツド４ａを有しその直径は押し
部材３の軸方向の孔３ｃの内径に等しい。このロ
ツドはその外端に外部ヘツド４ｂを備えこのヘツ
ドは押し部材３の外部ヘツド３ｂの前面に設けた
ハウジング３ｄ内に収容される。ピストンロツド
４ａはその左端部、即ち外部ヘツド４ｂとの反対
側に横断環状Ｏリング４ｃを備えその外径はチユ
ーブ２の内径より幾分大きくこのチユーブの内壁
に密着係合する。

次に第２図ないし第６図を参照して注射器本体
等の中空体５内に所定量の注入すべき型材を形成
するシリコン触媒混合物からなるペースト材料を
送入するために用いる本発明装置の作用について
説明する。

充填作業時には装置は第２図に示すようにサポ
ート６上に垂直に配置される。この位置では押し
部材３は大径の外部ヘツド３ｂがサポート６上に
乗座し、ピストン４の外部ヘツド４ｂは外部ヘツ
ド３ｂのハウジング３ｄ内に収容され、ピストン
ロツド４ａは押し部材の内部ヘツド３ａに対し上
方に突出する。ボウル１の下側に伸展する垂直な
チユーブ２はこのロツド上に装着される。従つ
て、このボウルは完全に水平配置となる。ピスト
ンロツド４ａの上端がチユーブ２とボウル１の底
部１ａとを連結するチユーブ２の上部オリフイス
部分を塞ぐ。続いてボウル１は注入すべき型材の
量に対応した所定位置までシリコン触媒混合物７
で充填される。

この所定位置に達するとピストンロツド４ａを
垂直なチユーブ２から離すことにより押し部材３
およびピストン４の組体がボウル１から分離され
る。シリコン触媒混合物７からなるペースト材は
ボウル内に残りこのシリコン触媒混合物の大きな
粘性のためチユーブ２内をゆつくり下方に流動す
る。

押し部材３およびピストン４との組体は次に
180゜転回されピストンロツド４ａの端部がサポー
ト６上に支持されこのロツドは押し部材３内を摺
動し完全に上方に押圧されるとピストンロツド４
ａの外部ヘツド４ｂは押し部材３の外部ヘツド３
ｂから最大限に離れた位置になる。

次に第５図および第６図に示すようにシリコン
触媒混合物は注射器本体等の中空体５に移入され
る。このためにボウル１のチユーブ２は最初注射
器のプランジヤ部分まで中空体５の底部に挿入さ
れる。押し部材３の内部ヘツド３ａが次にボウル
１内に挿入されこの押し部材の外部ヘツド３ｂが
押圧され押し部材はしだいにボウル１内に侵入す
る。押し部材３は続いてシリコン触媒混合物を押
圧しこれをチユーブ内を通過させ注射器の中空体
５内に移しこの中空体の底部からしだいに充填し
ていく。この充填過程中に気泡が発生することは
ない。

ボウル１内に収容された材料のすべてがチユー
ブ２および注射器の中空体５内に圧入されると、
即ち押し部材３が第６図に示すように最左端に達
すると、第２の充填作用であるピストン４の摺動
によりチユーブ２が空にされる。このためにピス
トンの外部ヘツド４ｂが押圧されこれによつてピ
ストンロツド４は押し部材３を通して第６図にお
いて左側に摺動しその端部でチユーブ内のシリコ
ン触媒混合物を押圧する。ピストンロツド４ａの
侵入ストローク終端になるとこの混合物のすべて
が注射器の中空体５内に移される。シリコン触媒
混合物のロスはない。

【図面の簡単な説明】

第１図はペースト材移送装置の軸方向断面図で
あり、押し部材およびそのピストンはボウルから
取出した状態である。第２図はボウルに充填する
ために垂直配置した移送装置の垂直部分断面立面
図である。第３図はボウル充填後にボウルから分
離した押し部材およびそのピストンの立面図であ
る。第４図は押し部材およびそのピストンを転回
しサポート表面に当接させてピストンを構成する
ロツド頭部を押し部材から突出させた状態の立面
図である。第５図はチユーブが充填すべき中空体
に係合した状態の本発明装置の軸方向断面図であ
り、ペースト材移送の第１過程であつて押し部材
がしだいにボウル内に侵入していく状態を示す。
第６図は第５図と同様の軸方向断面図であり、ペ
ースト材移送の最終過程であつてピストンロツド
が押し部材を通してボウルに連続した軸方向チユ
ーブ内にしだいに押圧される状態を示す。 １…ボウル、２…チユーブ、３…押し部材、３
ａ…内部ヘツド、３ｂ…外部ヘツド、４…ピスト
ン、４ａ…ロツド、５…中空体、７…シリコン触
媒混合物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移送すべきペースト材を収容する円筒状ボウ
   ルを備え、その底部に両端が開放した軸方向チユ
   ーブが連続しており、このペースト材をこの軸方
   向チユーブ方向に押圧しその内部に圧入するため
   の押し部材を上記ボウル内部に係合可能に備え、
   この押し部材はボウルの内径に実質上等しい外径
   を有しまたこれを貫通する軸方向の孔を有し、ボ
   ウルに連続する軸方向チユーブの内径に等しい径
   のロツドからなるピストンを備え、該ロツドは上
   記押し部材の軸方向の孔内に摺動可能に収容され
   ボウルの軸方向チユーブ内に侵入して内部のペー
   スト材を押し出し可能とした注射器等の中空体充
   填用ペースト材移送装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   押し部材が外部ヘツドを有しその前面にロツドの
   外端に設けたピストンのヘツドを収容するための
   ハウジングを形成したことを特徴とする中空体充
   填用ペースト材移送装置。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の装置において、
   ピストンのロツドがその外部ヘツドとの反対側端
   部近傍に横断方向の環状Ｏリングを有しその外径
   はボウルに連続する軸方向チユーブの内径に対応
   していることを特徴とする中空体充填用ペースト
   材移送装置。