JPS639435Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、発泡樹脂成形材の切断器の改良、詳
しくは、発泡樹脂板材の側縁に所望の角決り（か
どじやくり）を成形することのに利便な切断器具
に関するものであり、例えば建築作業用あるいは
家具・建具の作業用具として利用可能である。

〔従来の技術、および解決すべき問題点〕

発泡樹脂の板材は軽量で防音断熱およびクツシ
ヨン性に富んでいるところから、建築物・家具・
建具その他の構造物の充填材として広く利用され
ている。ところで、これを建築現場で角決り加工
するような場合、従来においては、その切断作業
の実態は誠にお粗末で、単に当木に沿わせてカツ
ターナイフにて切断しているに過ぎない。それゆ
え切込み線が直線にするのに技巧が必要であつ
て、相当の熟練者でも切り損じて材料を無駄にす
ることが多かつた。

本考案は、かかる現状に鑑みてなされたもの
で、発泡合成樹脂板材の側縁に所望の角決りを簡
易かつ正確に形成することができる切断器を提供
することを技術的課題とするものである。

〔課題解決のために採用した手段〕

本考案者が上記課題を解決するために採用した
手段を、添附図面を参照して説明すれば、次のと
おりである。

即ち、本考案は、第１当木側面１１および第２
当木側面１２が２面角90゜を成せるサドル形の当
木台１の前記第１当木側面１１には第１スロツト
１３を、また前記第２当木側面１２には第２スロ
ツトを一定幅をもつて対称的に形成すると共に、
これら第１・第２のスロツト１３・１４には第１
カツターナイフ２および第２カツターナイフ２′
を切刃部が切断移動方向へ傾斜するごとく、しか
もこれらカツターナイフ２・２′の切込み面角度
は直角を成す如く配向せしめ、かつ、これら両カ
ツターナイフ２・２′の切込み面角度は直角を成
す如く配向せしめ、かつ、これら両カツターナイ
フ２，２′をスロツト１３・１４の長さ方向に沿
つて位置調節可能に、第１・第２当木側面の各々
に対して切込み深さ位置調節可能に装着するとい
う手段を採用することによつて前記両カツターナ
イフ２・２′の切込み深さl₁およびl₂設定により角
決り部W₁の矩形断面積を調節可能な「発泡樹脂
成形材の切断器」を実現したのである。

〔実施例〕

以下、本考案を添附図面に例示する実施例に基
いて説明する。

本実施例品は、第１図に示すように、発泡板材
Ｗに跨る如く形成された形当木台１の交叉する
第１当木側面１１及び第２当木側面１２をＬ形の
当木部とし、これら両当木側面１１・１２には帯
溝状の第１・第２スロツト１３・１４を対称的に
形成する。そして、両スロツト１３・１４の両内
縁にはガイドレール１５，１５を付設し、これら
のレール１５に装着したスライダー２２・２２を
有するスライドブラケツト２１ブラケツト２１に
第１・第２カツターナイフ２・２′の切刃部が切
断移動方向へ傾斜するごとく（第２図参照）、し
かもこれらカツターナイフ２・２′の切込み面角
度は互いに直角を成す如く配向せしめ、かつ、こ
れら両カツターナイフ２・２′をスロツト１３・
１４の長さ方向に沿つて位置調節可能に、第１・
第２当木側面の各々に対して切込み深さ位置調節
可能に取付けられる（第３図および第１図参照）。

〔実施例品の作用〕

以上の構成を備える本実施例品である切断器を
用いて発泡樹脂板材Ｗに、所望の矩形断面の角決
り部W₁を形成するにあたつては、Ｌ字形当木部
を構成する各当木側面１１・１２を発泡樹脂成形
材Ｗの縁部を挟んで直交する両切込み側面に押圧
して当接させ、当該発泡樹脂成形材Ｗを削り取る
ようにスライドさせれば良い。この場合、角決り
部W₁の矩形断面積を変更するには、各当木側面
１１・１２から突入する第１・第２のカツターナ
イフ２・２′をスライドさせて切込み位置l₁およ
びl₂を変更すればよい。

〔本考案の効果〕

以上説明したとおり、本考案によれば、一回の
切断動作により角決り部材を形成することが出来
るうえ、その切断寸法も各カツターナイフの位置
をスライドさせて切込み位置を変更することによ
り、種々多様に設定することが出来る。更に、こ
のカツターナイフは、常に切込み方向に一定の傾
斜角度をもつて成形材に当り、しかも平行に支持
されるので、切込み狂いが生ずることもなく、仕
上りも美しい角決り部を形成することが出来る。
したがつて、本考案切断器は発泡樹脂成形材の現
場切断には素晴らしい威力を発揮するのである。
尚、本考案は上記具体例に基づいて説明したが本
考案は前述の実施例に限定されるものでなく、本
考案の要旨を逸脱することなく変形可能である。
例えば、当木台１は形状のものとしたが、単に
第１・第２当木側面１１・１２からなる断面Ｌ字
形の当木台であつても良い。また、カツターナイ
フ２・２′のスライド機構は上記レール跨乗型の
ものに限られず、周知のスライド案内機構を採用
することが出来る。更に、本考案の切断器は発泡
樹脂材に限らず同等の素材、例えばコルクやグラ
スウール板等の切断器として使用出来るのは勿論
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る発泡樹脂成形材の切断器
の斜視図、第２図は同器をその長手方向に切断し
て示した立断面図、第３図はその正面図である。 １……当木台、２・２′……第１・第２カツタ
ーナイフ、１１・１２……第１・第２当木側面、
１３・１４……スロツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１当木側面１１および第２当木側面１２が２
   面角90゜を成せるサドル形の当木台１の前記第１
   当木側面１１には第１スロツト１３を、また前記
   第２当木側面１２には第２スロツトを一定幅をも
   つて対称的に形成すると共に、これら第１・第２
   のスロツト１３・１４には第１カツターナイフ２
   および第２カツターナイフ２′を切刃部が切断移
   動方向へ傾斜するごとく、しかもこれらカツター
   ナイフ２・２′の切込み面角度は直角を成す如く
   配向せしめ、かつ、これら両カツターナイフ２・
   ２′をスロツト１３・１４の長さ方向に沿つて位
   置調節可能に、第１・第２当木側面の各々に対し
   て切込み深さ位置調節可能にスライドブラケツト
   ２１を介し取付けて、両カツターナイフ２・２′
   の切込み深さl₁およびl₂設定により角決り部W₁の
   矩形断面積を調節可能にしたことを特徴とする発
   泡樹脂成形材の切断器。