JPS639104Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば非水電解液電池や銀電池など
のボタン形素電池を所要数積重した集合電池に係
り、特に各素電池の固定手段に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の集合電池は、ボタン形素電池を
所要数積重せしめ、その素電池積重体の外周にポ
リ塩化ビニルの熱収縮性樹脂チユーブを嵌めて加
熱収縮せしめることにより、各素電池を保持して
集合電池を構成していた。

通常、素電池の上面中央に配置される端子板は
素電池外缶より若干突出しており、この突出寸法
は電池の大きさによつて異なるが、例えば薄形の
ボタン形素電池の場合には約0.05〜0.1mm程度で
ある。従つて素電池を積重すると、突出した端子
板が間〓保持体となり、端子板外周に隣接する素
電池底部との間に微小な〓間が生じる。

〔解決しようとする問題点〕

従来の集合電池は前述のように、素電池積重体
の外周に直接ポリ塩化ビニルの熱収縮性樹脂チユ
ーブが被着されている。この熱収縮性樹脂チユー
ブは素電池間の接触を保つため比較的厚手のもの
が使用され、しかも熱収縮性樹脂チユーブは硬質
チユーブであり、チユーブ自身の熱収縮力だけで
は素電池間の前記微小な〓間に樹脂チユーブを入
り込ませることができない。従つて、素電池の突
出部外周には〓間が残つており、何らかの外力で
集合電池が途中から傾いた場合、上側素電池の外
缶底部が下側素電池の外缶に接触して下側素電池
が短絡する。この短絡事故は、素電池の中央突出
寸法が短かければそれだけ少しの傾きによつて生
じるから、特に薄形の素電池を用いる場合に問題
となる。

また素電池の突出部外周に〓間が形成されてい
ると、そこに水分が付着してリーク現象が起こ
る。

これらの欠点を解消するため、素電池の突出部
外周にシート状の絶縁リングを嵌合したり、素電
池外缶の上端折曲部に絶縁塗料を塗布するなどの
方法が考えられるが、これらの方法は非能率的で
量産に不向きである。

本考案の目的は、前述した従来技術の欠点を解
消し、内部短絡やリークが生じないで、量産に適
した集合電池を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案は、上面中央
に突出部を有する例えばボタン形電池などの素電
池を所要数積重せしめ、その素電池積重体の外周
に電気絶縁性で撥水性を有する例えば未焼結のフ
ツ素樹脂からなる柔軟性シートを巻付けて、その
柔軟性シートの一部を前記突出部によつて形成さ
れる隣接素電池底部との〓間に入り込ませたこと
を特徴とする。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図とともに説明する。リ
チウム−二酸化マンガン系非水電解液電池からな
る薄形のボタン形素電池１を所要数縦に積重し、
この素電池積重体２を上下方向から治具３で狭持
する。素電池１の外缶４は陽極に、中央上面に突
出した端子板５は陰極にそれぞれ帯電しており、
両者間には絶縁性ガスケツト（図示せず）が介在
され、端子板５は外缶４より約0.05〜0.1mm程度
上方へ突出している。従つて第１図および第３図
に示すように、突出した端子板５によりその素電
池１の外缶４における上端折曲部と上側隣接素電
池１の底部との間に微小な〓間６が形成されてい
る。

この素電池積重体２の外周には、縦幅が素電池
積重体２の総高より若干長く、横幅が素電池１の
外周以上の未焼結ポリ４フツ化エチレンの柔軟性
シート７を若干張力を与えながら１周以上巻付け
る。未焼結ポリ４フツ化エチレンからなる柔軟性
シート７は、電気絶縁性で優れた撥水性を有し、
柔軟性に富み巻付ける物品の表面形状によく沿つ
て密着する。特にこの柔軟性シート７は、シート
を構成するポリ４フツ化エチレンの小繊維体のほ
とんどがほぼ同じ方向（シートを作るときのロー
ル押出し方向と同じ）に絡み合いながら並んでい
る。そのため柔軟性シート７をそれの小繊維体の
長さ方向Ａ（第１図参照）に若干引張りながら素
電池積重体２の外周に巻付けると、シート７は矢
印Ａ方向に伸びながら厚さが極めて薄くなり、シ
ート７の一部が各素電池間の微小な〓間６の中に
よく入り込み、素電池積重体２への密着も良好で
ある。素電池積重体２に柔軟性シート７を巻付け
ればそれにより各素電池１が仮に保持されるか
ら、治具３を素電池積重体２から外しても構わな
い。

次に素電池積重体２にポリ塩化ビニルからなる
熱収縮性樹脂チユーブ８を嵌め加熱収縮させて柔
軟性シート７の外周から被着し、各素電池１間の
接触を保つ。

前記実施例では柔軟性シートとして未焼結ポリ
４フツ化エチレンを用いたが、これに限られるこ
となく、他のフツ素樹脂あるいは塩化ビニリデン
などのシートを用いることもできる。柔軟性シー
トの縦幅は必ずしも素電池積重体の総高以上であ
る必要はなく、幅狭のものを素電池積重体の外周
に螺旋状に巻付けても構わない。

また前記実施例では柔軟性シートを巻付けたの
ち素電池積重体を樹脂チユーブで包被したが、樹
脂チユーブの代りに金属製外装筒で包被しても構
わない。さらに実施例ではボタン形の素電池を積
重する場合について説明したが、本考案は筒形の
素電池を積重する集合電池にも適用することがで
きる。

〔考案の効果〕

本考案は前述のような構成になつており、柔軟
性シートを素電池積重体の外周に巻付けるのであ
るから、素電池間の〓間に柔軟性シートがよく入
り込み、素電池が安定し、しかも入り込んだ柔軟
性シートは電気絶縁性を有しているため短絡事故
は生じない。また、柔軟性シートは撥水性を備え
ており、それが素電池の外周ならびに素電池の〓
間に介在されているから、水分が付着することが
なく、リーク現象も防止できる。

【図面の簡単な説明】

図はすべて本考案の実施例を説明するためのも
ので、第１図は集合電池の組立途中の状態を示す
正面図、第２図はその集合電池の一部を断面にし
た正面図、第３図はその集合電池の要部拡大断面
図である。 １……素電池、２……素電池積重体、４……素
電池外缶、５……端子板、６……〓間、７……柔
軟性シート、８……熱収縮性樹脂チユーブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上面中央部に突出部を有する素電池１を所要
   数積重して構成した素電池積重体２と、電気絶
   縁性で撥水性を有する柔軟性シート７と、外装
   筒８とを備え、 前記素電池積重体２の外周に前記柔軟性シー
   ト７を巻付けて、その柔軟性シート７の一部を
   前記突出部によつて形成される隣接素電池との
   〓間６に入り込ませ、巻付けた柔軟性シート７
   の外周を前記外装筒８で包被したことを特徴と
   する集合電池。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載におい
   て、前記柔軟性シート７が、未焼結のフツ素樹
   脂シートであることを特徴とする集合電池。