JPS638638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタンブラ、湯呑茶椀その他のカツプを
押当てることにより該カツプ内に自動的に液体が
注がれる自動開閉蛇口に関するものである。

この種の蛇口はレストラン、ホテル、学校、病
院、劇場その他人の多く集る場所に設置しておき
冷水、温水、茶湯、各種飲料等を自動的に取出せ
るようにした所謂自動給水機類に装着されている
が、これら自動給水機類の吐出口からの湯茶の滴
下は免れず、またいずれもカツプ押当部が可動で
あるのに対し、上方にあつて下向きに開口してい
る吐出管は固定である。このため径の大きなカツ
プをカツプ押当部に押付ける場合にはさほど支障
はないが、比較的小さい径のカツプをカツプ押当
部に押付けた場合、カツプの位置が変るのに拘ら
ず、吐出管の位置が一定であることからして、手
前に液体が落下するおそれもあり、特に熱い茶湯
を受ける際に使用者に危険感を与える難点があつ
た。このような場合、大きなカツプを使用して危
険のないようにすることは不必要に多量の茶湯を
供給する幣害を伴い好ましくなく、可及的に最小
限の大きさのカツプを使用し、しかも安全で作動
確実な自動開閉蛇口が要望された。

本考案は前記観点に基き、吐出管口からの湯茶
の滴下を防止し、かつ作動時におけるカツプと吐
出管との相対位置を不変として前記要望に応えた
自動開閉蛇口を提供するもので、軸線方向を水平
もしくはほぼ水平とした筒状ーシング内の同心位
置に弁座を後向きに形成し、この弁座に対してば
ね圧及び水圧により密接する弁体と、この弁体を
後方に押し退け自在とした突起を後端に有する導
液管部材と、この導液管部材を背側に、かつこの
導液管部材に連通する吐出管を頂部にそれぞれ取
付け、さらに前面をカツプ押当部に形成した押込
み自在のヘツドと、このヘツドに弾撥的前進習性
を与えるばねとを具備してなり、前記カツプ押当
部に胴部を当接するカツプの直上方に臨む位置に
前記吐出管を下向きに開口させてなるものであ
る。

つぎに、図面を参照しつつ本考案の実施例を説
明する。

第１図には本考案蛇口の実施例を縦断側面図
で、また、第２図には平面図で示してある。軸線
方向を水平もしくはほぼ水平とした筒状ケーシン
グ１は前面を開放とし、後端を通液管２の倒立Ｕ
字形屈折部の頂部２Ａに接続してあり、胴部１Ａ
内に、フランジ付の管部材３を装着してある。

管部材３は内部に後向きとした弁座４を形成し
てあり、弁座４には弁体５を密接させてある。

弁体５はフランジ部５Ａを有し、このフランジ
部の前側に、耐熱ゴムまたは合成樹脂製の円錐形
弾性部材６を取付けてあり、管部材３内の後端部
に嵌着したガイドスリーブ７の端面７ａとフラン
ジ部５Ａとの間に装着した細い線材製の圧縮コイ
ルばね８の弾撥的押圧力及び通液管２内の液圧を
受けて閉弁している。この場合、通液管２内の液
圧は筒状ケーシング１と管部材３の後部外周面と
の間を経て管部材３の窓孔９，９から管部材３内
に入り、弁体５のフランジ部５Ａの背面に併用す
る。

前記弾性部材６は弁体５の前面中心部から突出
したピン状突起５Ｂに嵌合せてあり、ガイドスリ
ーブ７はリング１０により抜止めしてある。

管部材３内の弁座４から前方の部分には導液管
部材１１を軸線方向に摺動自在に挿入してある。

導液管部材１１は後端中心部に、弁体５のピン
状突起５Ｂを押し退げ自在としたピン状突起１１
Ａを突設してあり、テーパ面とした後端面には２
〜４箇の通液孔１２を有し、外周面にはＯリング
１３を嵌合せてある。

本実施例では導液管部材１１を管部材３に対し
て螺着としてあるが、他の手段により固定するこ
ともある。

導液管部材１１は前端部にフランジ部１１Ｂを
有しヘツド１４の孔１５に前端部を嵌合せるとと
もに段部にフランジ部１１Ｂを嵌合せ、ばね受兼
用の孔あきプレート１６を複数のビス１７によつ
てヘツド１４の背面に固着することによりヘツド
１４の背面に一体に連結してある。

一方、ヘツド１４の頂部には吐出管１８の基部
を溶着してある。

吐出管１８はヘツド１４内を通じて導液管部材
１１内に連通し、ヘツド１４の直上方に立上つた
先端部分を前方に彎曲させてあり、先端の吐出口
１８Ａをヘツド１４の前方直上において下向きに
開口させてある。

ヘツド１４は前面に凹彎曲面状のカツプ押当部
１９を有し、このカツプ押当部１９に小径のカツ
プ２０の胴部を当接した状態で押込むと、太い線
材製の圧縮コイルばね２１を圧縮して後退する。

なおヘツド１４の抜止めは、ケーシング１の前
端に複数のビス２２によつて固着する蓋板２３に
孔あきプレート１６が当接することによつて可能
となつている。

蓋板２３はヘツド１４に対応した孔２４を有
し、例えば寿司店のつけ台２５の前面板２６に対
して面位置合せで取付けられる。

その他、図中符号２７は本考案蛇口を安定支持
するために通液管２の頂部２Ａの中央部から後方
に突設した支杆であり、つけ台２５の背面板２８
の孔２９に嵌込んである。また、符号３０はつけ
台２５の前側に設けた受台である。

なお、受台３０は飲食客が手拭きタオル、小皿
その他を載置できるようにしてある。

本考案は前記の構成からなるので、カツプ２０
の胴部をカツプ押当部１９に当接し、そのまま押
込むと、圧縮コイルばね２１を圧縮してヘツド１
４が後退するが、このとき吐出管１８も一体に後
退するから、吐出管１８の吐出口１８Ａとカツプ
２０とは相対的に位置が変ることなく一体に移動
する。

押込まれたヘツド１４は一体をなす導液管部材
１１を後退させるので導液管部材１１後端の突起
１１Ａが弁体５の突起５Ｂを押し退け、弁座４か
ら弾性部材６を離し、開弁する。

開弁により通液管２内から管部材３の窓孔９を
通じ弁座４部分に達していた液体は導液管部材１
１内に入り、ヘツド１４内を経て吐出管１８の吐
出口１８Ａからカツプ２０内に注がれる。

カツプ２０内に所望量の液体が入つたとき、カ
ツプ２０を手前に移動すれば、ヘツド１４が圧縮
コイルばね２１に押されて前進し、その際、吐出
管１８及び導液管部材１１も一体に手前に移動す
るので弁体５は圧縮コイルばね８に押されて前進
し、再び閉弁する。

特に、圧縮コイルばね２１により押されて導液
管部材１１が手前に移動するとき、管部材３の内
側における導液管部材１１の突起１１Ａの囲りの
空間部分が負圧状態になるから、吐出管１８内の
残留液を吸い込み、吐出口１８Ａから湯茶が滴下
することはない。

以上の説明から明らかなように、本考案蛇口は
カツプの胴部をヘツドに押当ててカツプを押込む
ようにして注液を受けるが、終始カツプと吐出管
の相対位置に変化がないので、カツプ外に注液さ
れるかの不安がなく、特に吐出口からの湯茶の滴
下を防止し得、安全確実に、経済的な小さなカツ
プにも注液できる優れた利点を有し寿司店、レス
トラン等の飲食店においてカウンタ席等に附設す
る蛇口として極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案蛇口の実施例を示す縦断側面
図、第２図は平面図である。 １……ケーシング、２……通液管、３……管部
材、４……弁座、５……弁体、５Ｂ……突起、６
……弾性部材、８……圧縮コイルばね、９……窓
孔、１１……導液管部材、１２……通液孔、１４
……ヘツド、１６……孔あきプレート、１８……
吐出管、１８Ａ……吐出口、１９……カツプ押当
部、２０……カツプ、２５……つけ台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸線方向を水平もしくはほぼ水平とした筒状ケ
   ーシング内の同心位置に弁座を後向きに形成し、
   この弁座に対してばね圧及び水圧により密接する
   弁体と、この弁体を後方に押し退け自在とした突
   起を後端に有する導液管部材と、この導液管部材
   を背側に、かつこの導液管部材に連通する吐出管
   を頂部にそれぞれ取付け、さらに前面をカツプ押
   当部に形成した押込み自在のヘツドと、このヘツ
   ドに弾撥的前進習性を与えるばねとを具備してな
   り、前記カツプ押当部に胴部を当接するカツプの
   直上方に臨む位置に前記吐出管を下向きに開口さ
   せてなる自動開閉蛇口。