JPS63832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は傾斜地法面に張網をしてその上に安
定、緑化用基材を吹付け施工するとき、その張網
が法面によく密着し且つ強固に張設されるために
打設される張網固定用アンカーの効果を一層効果
的にするための張網固定補助具に係るものであ
る。

従来、法面に張網を張設する場合、その網の法
面への固定は、アンカーのみの場合と面的抑え効
果を発揮させるため補助具例へば抑え枠に十字骨
を固定した抑えリングとか竹の子バネ等のリング
がアンカーの補助具として使用され、それなりに
アンカーの効力を効果的にする役目を果してい
た。しかし、これ等の補助具は尚幾多の欠点を有
するため、その効果を半減しているのが現状であ
る。

抑え枠に十字骨を固定した抑え枠は凹凸のある
法面で、凹部ではアンカーが完全に打設されず
又、凸部ではアンカーは法面に完全に打設される
も外枠が浮上し張網の抑え効果が減殺され、更に
外枠が張網の浮上で持ち上げられるとアンカーも
引抜かれる等の欠陥が生じていた。

竹の子バネの補助具はバネが外輪の一端より外
輪の中心に向つてウズ巻状に径を縮め乍ら巻き上
つているため、打設されたアンカーを常に浮上さ
せる力が働き、アンカーの法面との固着力を減殺
し、更にアンカーの固定力が外輪の一端のみに伝
達されるため外輪の張網抑え効果に片寄りが生じ
る等々の欠陥を有していた。

本考案は、このような欠陥を排除するためのも
ので、アンカーを法面に完全に打設させ、抑え枠
を凹凸法面によくなじませ、アンカーの浮上力を
減殺し抑え枠の浮上、復元に適応力を持たせるよ
うに考案されたものである。即ち、鋼線を波形に
屈曲してＳバネ状に加工した鋼線が抑え枠の両端
に固定してあるため、中心部の円形輪に打込まれ
たアンカーの法面との固定が抑え枠に均一に伝達
される。Ｓバネの伸縮作用により法面の凹凸にア
ンカー、抑え枠はよく順応する。凍上等による張
網の浮上に対しても、Ｓバネはその伸縮により抑
え枠は順応し、復元する。Ｓバネの上方へ凸出が
ないためアンカーへの浮上力は働かない。

以上の如く凹凸法面によく対応し、凍上等の浮
上力にもよく順応し、アンカーの固定力を減殺せ
ず、而も一点で押えるアンカーの張網固定力を抑
え枠を通じ面的に分散し、張網の浮上を面的に拡
く抑え張網の法面への密着度を助長する等、この
考案による張網固定補助具の効果は誠に顕著であ
る。

次に本考案を図面により実施例について詳しく
説明すると、線材により任意形状の抑え枠、例え
ば円形の輪１を形成し、この輪１の両端に鋼線を
波形に屈曲したＳバネ状のＳバネ２を固定する。
このＳバネの中央部にはアンカー４打込み用の円
形輪３を設置する。この円形輪３の径はアンカー
４より稍々太目に形成しておけば、例えばアンカ
ー４の如く、この頂部をＬ字に曲げておけば、法
面に打込まれたアンカー４は抑え枠１をＳバネを
介して完全に張網を抑えて法面にこれを固着出来
る。

尚、Ｓバネを十字にクロスして外輪に固定した
り鈞アンカーを使用することにより、Ｓバネ中央
の円形輪の設置を省くことは差支えない。

【図面の簡単な説明】

第１図は張網固定補助具の平面図、第２図はＬ
形アンカーの平面図である。 １……抑え枠、２……Ｓバネ、３……アンカー
打込用円形輪、４……Ｌ形アンカー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜外形の抑さえ枠１の両端に、波形に屈曲し
   たＳバネ状の線材２を固定し、その中央部にアン
   カー４打込用の円形輪３を設置した傾斜地張網固
   定補助具。