JPS637734A

JPS637734A - ヒラメ養殖方法

Info

Publication number: JPS637734A
Application number: JP61151970A
Authority: JP
Inventors: 森　利久
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1986-06-28
Filing date: 1986-06-28
Publication date: 1988-01-13

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、養殖ヒラメの生産性を高めることを主たる目
的とするものであり、更に詳しくは硬質ゼオライト（好
ましくはクリノプチロライトとモルデナイトの混合物）
の径３〜７ｍｍ程度の粒形物を砂場形成材として養殖池
に撒布することによって水中のアンモニウムイオンや硫
化水素等を吸着浄化し、また、該粒形物が池水の水流及
びヒラメの遊泳によって床面を転がりながらゆっくり移
動し、床面に発生付着する藻類やヘドロを削除すること
によってヒラメの養殖環境を好適な状態で保持させ、養
殖池の実効面積を大きくし、それらによって歩減りを小
さくするというヒラメ養殖方法に関するものである。

〔従来の技術〕

養殖による水産資源の確保は、漁獲量管理・稚魚幼魚の
放流に比して最も効率の良い方法であると言える。そも
そも養殖とは、水産生物を比較的狭い水域で人為的にそ
の繁殖や環境を管理して自然の水界より以上に高い単位
面積当たりの生産をあげること、又はその方法を意味す
る。つまり、自然の水界では、受゛晴率が低い・天敵が
多い・漁獲の確実性が低い、等々の理由により農産資源
のように収穫できなかったからである。

養殖の歴史は極めて古く、又元来日本が水産物を利用す
る点においても他国の比でないこともありその技術は非
常に高い。

ヒラメの養殖は、コイ・ウナギ・カキ・ハマチ等に比べ
て比軟的最近から行われているものであるが、高級魚で
ある点、湖沼・海面等の公有水面を利用せず従って公害
を起こさない点、等々より時世に適したものであると言
える。

第４図（ａ）・（ｂｌは、現在量もよく利用されている
ヒラメ養殖用養殖池（３０）を概略的に示すものであり
、コンクリートパネル製六角形状のもので面積は約３６
　ｍ’である。そして床面（３１）は、中央に向かって
深さが増してゆくという傾斜面にて構成されており、該
′戸央部には排水口（３２）が設けられ、排泄物・残飼
等を排出すると共に水位調整のために池水も排出してい
る。

池水たる海水は、養殖池（３０）の上方からパイプ（３
３）によって、緩やかな環流を起こすべく注水してゆく
。また、コンクリートパネル内面（壁面及び床面）には
防水シー１−（１４）を張設して該パネルの劣化及び漏
水を防止している。

ヒラメの排泄物及び残飼は、水流に応じて傾斜面たる床
面（３１）を移動させながら中央部分の排水口（３２）
から除去するものとしている。

なお実際の養殖池には、例示したコンクリートパネル製
六角形状以外の形状、例えば円形状のものや矩形状のも
のも多いし、面積についても例示したものより小さいも
のや格段に大きいものもある。しかしいずれにせよ、注
水して環流を起こし溶存酸素量を多くせんとしている点
、床面をわずかに傾斜させている点等は共通しており、
また以下述べる問題点も共通しているものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このようにして行われているヒラメの養殖であるが、人
工池を使用する点、ヒラメが該人工池の底に長（留まっ
ている点、等々から次のような問題点が生じている。

第一には、池水の汚濁である。

ヒラメ養殖においては、池水の溶存酸素の補給は他の養
殖魚のように「青粉」　（緑藻やらん藻の如き微少な単
細胞植物の総称）に依存せず、専ら注水にのみ頼ってい
る。そしてこの青粉は、単に酸素の補給源であるばかり
でなく、バクテリヤによって分解された残飼や排泄物を
栄養分としているため池水の浄化に寄与しているもので
あった。

この青粉がないので、ヒラメ養殖池は非常に汚濁しやす
い。つまり池水中にはアンモニヤや硫化水素などがイオ
ン化された状態で大量に溶は込むことになり、これが＃
残油の生産極限量を小さくさせる一因となっていた。

第二には、床面の実効面積の減少である。

ヒラメ養殖池の床面には、防水シートの有無に拘わらず
藻類が発生するし、残飼や排泄物が沈殿してヘドロ化す
る。これは床面に偏在するという形で生じるものである
が、ヒラメは該部分には留まっていない。該部分を避け
て留まるため藻類やヘドロの増大に従って実効面積が減
少しヒラメは積層するようになり、スレを生じて商品価
値が下がったり、またヒラメ自身のストレスにより成長
が停滞したり歩減り率が大きくなったりする。従って、
上記藻類やヘドロ等の発生を防止するために床面の清掃
を頻繁に行なわなければならないが作業は非常に面倒で
あるし、該作業自体が却ってヒラメにストレスを与える
ということにもなっていた。

第三には、砂場の問題である。

自然環境下のヒラメは、砂底でヒレを動かし周りの砂を
自身に掛は砂底に潜るようにして住むものであり、従っ
て養殖に於いても床面に砂場を構成させてやるのが理想
であるが、養殖池での水流（環流）は自然環境下に於け
るそれに比して甚だ小さく砂はほとんど移動しないので
、藻類の発生しやすい状況を作ることになり、仮に砂を
投入した場合には結局清掃作業の回数を多くさせ、また
その作業を煩雑にさせることになっていた。

このような現状であるので、歩留りは非常に悪くなって
おり例えば、１０，０００匹の稚魚が最初の夏までに９
，０００匹になり、これが越夏時には半数になってしま
い、翌年の越夏を終えた体重３００ｇ程度のヒラメ　（
収穫ヒラメ）は約２．０００匹程まで激減するのが普通
であった。

（問題点を解決す為ための手段）そこで本発明者は、上記諸問題に鑑み長年鋭意研究の結
果、ゼオライトの特性とヒラメ養殖池に必然的に生じる
環流の特性に着目し、この床面に天然硬質ゼオライトの
粗砕品を研磨加工して粒径３〜７　ｍｍ程度の粒状体と
したものを撒布するという画期的な養殖方法を開発し得
た。

なお、以下の語句は本明細書中では次のように定義する
ものとする。

「養殖池」とは、稚魚から出荷段階までのヒラメを入れ
る人工池をセす。

「環流」とは、概ね床面中央部を中心とし該床面に沿っ
て回転する方向の水流を指す。そしてこの環流は、養殖
池上方から注水する海水によって発生するものであり、
さして大きいものではなく従って秩序正しいものではな
い。

「硬質ゼオライト」とは、池水中にあって粉砕されたり
摩耗したりしない程度の硬度を有したものを指すもので
ある。更に述べると、はとんどの天然産のゼオライトが
硬質・軟質のどちらも有しており、例えば代表的なゼオ
ライトであるモルデナイト（Ｍｏｌｄｅｎｉｔｅ　）は
硬質のものも軟質のものも存在している。本発明方法に
使用するものの例としては例えば硬質モルデナイトと硬
質クリノプチロライト（Ｃ１ｉｎｏｐｔｉｌｏｌｉｔｅ
）の混合物等が好適かと思慮される。但しこれに限定す
るものではない。

「粒状体」とは、偏平すぎて転がらないことがないとい
う形状、即ち概ね球状である形状のことであるが、天然
ゼオライトは破砕のみでは偏平な形状となり易い性質が
あるので、実際には粗砕したゼオライトを研磨加工して
角を取りこの形状を得るようにする。またその場合の研
磨加工についてであるが、相当母金に加工しても、完全
な球状体には成り得ないので、実際には多少デコボコし
た形状になるが、本明細書中でいう粒状体はそうしたも
のも含むとする。

また該粒状体の大きさは、粒径３〜７ｍｍ程度が適当で
あることを本発明者は発見した。つまり、これより小さ
いものであると該粒状体が養殖池床面を転がりなから該
床面に発生付着する藻類や残飼等を削除するという効果
が小さくなり且つ粒状体自身がヘドロ化するという可能
性があるし、大きすぎるとヒラメはこの粒状体を自分自
身に掛けて砂中に潜るという行動がとりにくくなるしヒ
ラメに傷をつける原因ともなるからである。

なお、該粒状体はこれのみを大量に養殖池内に撒布する
のが最適であるが、川砂や海砂等の天然砂と混合する形
で撒布しても良いものとする。

〔実施例〕

養殖池としては、第４図にて示したものと同様の、面積
３６１１（、平面視正六角形状のコンクリートパネル製
市販養殖池（２）を使用した。

本発明の最大の特徴である、粒径３〜７　ｍｍ程度に加
工した天然硬質ゼオライト（硬質のモルデナイトと同じ
く硬質のクリノプチロライトの混合物で、混合比約３；
７）粒状体（１）・・・を、該養殖池（２）中に１２０
Ｋｇ　ｔ１１１！布した。

該ゼオライト粒状体（１）・・・は、第１図で示すよう
なあまり偏平でない形状のもので、これは、粗破砕した
ゼオライトをドラム内に金属球と共に入れて回転させて
研磨するという方法で得た。その際粒径を３〜７　ｍｍ
に揃えるようにする。

池水は、ポンプ（３）により養殖池（２）上方より注水
する。床面（４）は、中心に向かって少しずつ傾斜して
おり該床中央付近には排水口（５）が設けられている。

この排水口（５）には排水バイブ（６）が連通しており
廃棄物である残飼や排泄物をさせるとともに、オーバー
フローさせて養殖内の水位を制御するようにしている。

、（第２図）こうして、砂場様とした床面を有する養殖池（２）にヒ
ラメ幼魚（平均魚体重５００　ｇ　）を１３００尾収容
した。また、１ケ月後に８０ｋｇのゼオライト粒状体ｆ
ｉ＋・・・を追加撒布した。

これと全く同様のものを、ゼオライト粒状体（１）を全
く使用しない従来法の養殖池（３０）にも放って比較し
てみると、養殖池（２）内のヒラメ（ｈｌ・・・が偏り
なく散在しているのに比べ、養殖池（３０）内のヒラメ
（ｈ）・・・は、藻発生部（３５）以外の部分に折り重
なるように偏在しており、且つ人影があると飛びはね等
の激しい動作が見られた。（第３図（ａｌ・（ｂ））〔
尚、養殖池（２）内のヒラメ（ｈｌ・・・は実際にはゼ
オライト粒状体（１１・・・の中に潜るようにしている
が、ヒラメｆｈ）が偏在しないという状況を明らかなも
のとするため、被ったゼオライト粒状体（１）・・・は
省略している〕養殖池（３０）から収穫されるヒラメは、スレと呼ばれ
る傷付いたものが多（なり、且つ歩留りの割合及び個体
の平均体重も少なくなった。（４ケ月経過時、平均魚体
重で約２０ｇ、歩留りで約２０％の差異が見られた）また、体色もゼオライト粒状体（１１・・・を撒布した
ものの方が明るい砂色となって天然産と同様の好適な体
色を呈していた。

また次の例として、越夏時の効果を見るために第１図に
示した養殖池（２）（ゼオライト粒状体（１）・・・を
４００ｋｇ撒布したもの）及び養殖池（３０）それぞれ
に２才魚を７００匹放流して各養殖池のヒラメの成長を
観察した。すると、越夏時平均約３０ｇの増肉と約２０
％の高歩留りを記録した。またその肥育は単に体重が大
きいというだけではなく、幾分厚みのある個体となって
いた。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明したように、本発明に係るヒラメ養殖方
法は、海水を注入しつつ養殖池に環流を生ぜしめ投餌・
温度の保全・残飼や排泄物の廃棄・海水量の制御等を行
なってヒラメの養殖を行なう方法において、池水中に発
生するアンモニウムイオンや硫化水素等を吸着除去し且
つ床面を転がりながら移動し該床面に発生付着する藻類
・ヘドロ等を削除するべく、天然粗砕品を粒径３〜７ｍ
ｍ程度に研磨加工した硬質ゼオライト粒状体を床面上に
撒布しておくことを特徴とするものであり、自然環境下
の砂場と同様の床面となりその粒状体はヒラメが自身に
掛けたり潜り込んだりするのに最適な大きさで、またゼ
オライトの特性から、池水中に発生するアンモニウムイ
オンや硫化水素等を吸着除去するので環境浄化に役立ち
、よって清掃頻度が小さくなるのでヒラメにストレスが
生じず、且つ天然産と同様の色彩でスレがない商品価値
の高い収穫魚を高歩留りにて得られるという極めて好適
な養殖方法である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法に使用するゼオライト粒状体を示す
斜視図、第２図は本発明方法に使用する養殖池の一例を
示す一部断面した斜視図、第３図（ａ）・山）は養殖池
内のヒラメの偏在状況を概略的に示すものであり同図（
ａｌは本発明方法によるもの、同図（ｂ）は従来法によ
るものであるどちらもに平面図、そして第４図（ａ）・
（ｂｌは従来の養殖池の一例を示すもので同図（ａ）は
概略平面図、同図（ｂ）は概略断面図である。１・・・ゼオライト粒状体　　２．３０・・・養殖池３
・・・ポンプ　　　　　　　４・・・床面５・・・排水
口　　　　　　　６・・・排水パイプ３５・・・藻発生
部ｈ・・・ヒラメｍｊｉ：Ｌ：ｌ−最第２回第３０第４図

Claims

【特許請求の範囲】１、海水を注入しつつ養殖池に環流を生ぜしめ投餌・温
度の保全・残飼や排泄物の廃棄・海水量の制御等を行な
ってヒラメの養殖を行なう方法において、池水中に発生
するアンモニウムイオンや硫化水素等を吸着除去し且つ
床面を転がりながら移動し該床面に発生付着する藻類・
ヘドロ等を削除するべく、天然粗砕品を粒径３〜７ｍｍ
程度に研磨加工した硬質ゼオライト粒状体を床面上に撒
布しておくことを特徴とするヒラメ養殖方法。２、硬質ゼオライトは、硬質のモルデナイト及び硬質の
クリノプチロライトを必須成分とする混合物である特許
請求の範囲第１項記載のヒラメ養殖方法。