JPS6375002A - プラズマ重合膜の製法 - Google Patents

プラズマ重合膜の製法

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JPS6375002A
JPS6375002A JP21994686A JP21994686A JPS6375002A JP S6375002 A JPS6375002 A JP S6375002A JP 21994686 A JP21994686 A JP 21994686A JP 21994686 A JP21994686 A JP 21994686A JP S6375002 A JPS6375002 A JP S6375002A
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plasma
discharge
film
organic compound
polymerized film
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JP21994686A
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Kenji Yanagihara
健児 柳原
Mitsuo Kimura
光夫 木村
Masahiro Shinkai
新海 正浩
Yasuro Nishikawa
西川 康郎
Yoshihito Mukoda
可人 向田
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Fujifilm Holdings Corp
JSR Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温プラズマを利用したプラズマ重合膜の製
法に関し、特にパルス放電によるプラズマ重合膜の製法
に関する。
〔従来の技術〕
磁気テープ、磁気ディスク等の物品は、使用時に他の機
構要素、機械部材、物品等と摺動関係に置かれるが、こ
れらの摺動面は摩擦係数が小さくて潤滑性を有すること
が求められる。
従来、このような摺動面の潤滑性を向上させる方法の1
つとして、脂肪酸等からなる有機潤滑剤を摺動面に塗布
する方法が知られ、磁気テープ、磁気ディスク等に利用
されている。しかし、この方法は潤滑剤を摺動面に均一
に塗布することが容易でないこと、被塗布面の材質によ
って効果が異なり、満足できる潤滑性が必ずしも得られ
ないこと、繰返し使用により次第に潤滑剤が失われるた
めに潤滑性の耐久性が劣ること、耐熱性がなく高温では
使用できないこと等の欠点を有する上、時計、ロボット
等の精密機械には適用できない、他の潤滑性を向上させ
る方法として、例えばグラファイト粉末、硫化モリブデ
ン粉末、酸化鉛、フッ化カルシウムのような無機粉末を
摺動面に塗布する方法があり、歯車、軸受等の機械要素
に利用されているが、この方法も前記の有機潤滑剤と同
様の欠点を有する。さらに他の潤滑性を向上させる方法
として、ポリテトラフルオロエチレン等からなる固体の
潤滑膜を摺動面上に形成する方法が知られており、耐薬
品性が要求される摺動面、耐熱性が要求される摺動面等
に使用されているが、形成できる潤滑膜が数μm以上の
かなり厚いものであるため、薄い潤滑膜が求められる精
密機械の軸受、歯車等、ビデオヘッド、磁気テープ、磁
気ディスク等には適用できないという欠点を有する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、従来の潤滑剤や潤滑膜は、摺動面に均一な
潤滑性を付与することができない、潤滑の効果が表面材
質に依存し必ずしも満足できる潤滑性が得られない、潤
滑性の耐久性が低い、耐熱性が低い、膜厚が厚いなどの
ために適用範囲が限定される等の問題点を有している。
そこで本発明の目的は、摩擦係数が低(、非常に薄い膜
厚でも潤滑性に優れ、かつ耐久性および耐熱性が良好で
、基材の材質に依らずその表面に均一に形成できるプラ
ズマ重合膜の製法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、有機化合物含有ガスを、パルス放電における
無放電状態の時間が少なくともl vlsecで絶縁破
壊のための電圧立上り時間が100++sec以下であ
るパルス放電による低温プラズマによるプラズマ重合に
供することにより、プラズマ反応滞域に置かれ、かつプ
ラズマ発生用電極に接触していない基体表面上にプラズ
マ重合膜を製造する方法を提供するものである。
ここで“低温プラズマ”とは、高温プラズマと対比して
用いられる用語であり、低温プラズマはプラズマ中の電
子温度が数万度であるのに対して中性ガス温度およびイ
オン温度が2.000に以下であるものを示す。具体的
にはプラズマ系の圧力が10Torr以下、通常0.1
++Torr〜1OTorrの安定なプラズマを示す。
また、気体に周期的なパルス電圧を印加すると各パルス
ごとに電圧がその気体の絶縁破壊電圧を超えた時に気体
の絶縁破壊が起って放電が開始し、印加電圧があるレベ
ル以下になったときに放電が停止する0本明細書で、“
パルス放電”とは、周期的に気体に印加されるパルス電
圧によって周期的に引き起される放電を意味する。“パ
ルス放電における放電状態の時間”とは、パルス放電の
一周期における、絶縁破壊による放電開始から放電停止
までの時間を意味する。“パルス放電における無放電状
態の時間”とは、パルス放電の一周期における、放電停
止時から次の絶縁破壊による放電開始時までの時間を意
味する。“絶縁破壊のための電圧立上り時間”とは、印
加電圧が0ボルトの時または放電状態の電圧のl/10
以下の電圧から気体の絶縁破壊電圧を超える時までの時
間を意味する。この絶縁破壊のための電圧立上り時間は
、前記パルス放電における無放電状態の時間の最後の部
分であって、無放電状態から放電状態へ遷移する時間で
ある。これを第1図に例示する図により説明する。この
図は、直流パルス電圧を気体に印加してパルス放電を発
生させた場合の電圧の波形の1例を示した図である。こ
の図において、τonはパルス放電における放電状態の
時間を示し、τoffはパルス放電における無放電状態
の時間を示し、τは絶縁破壊のための電圧立上り時間を
示す。
あるパルス放電における放電状態の時間、無放電状態の
時間および絶縁破壊のための電圧立上り時間は、市販の
波形測定器、例えばオシロスコープ、シンクロスコープ
、デジタルシンクロスコープ、ストレージオシロスコー
プ、デジタルストレージオシロスコープ等により測定す
ることができる。パルス放電における放電状態の時間お
よび無放電状態の時間は市販のファンクション・ジェネ
レータをパワー・アンブリファイアに接続し、ファンク
ションの形状を変えることにより制御することができ、
絶縁破壊のための電圧立上り時間は、直流放電の場合に
はパルス発生器の電圧立上り時間と設定電圧の調節によ
り行なうことができ、低周波放電、高周波放電およびマ
イクロ波放電の場合には、周波数の選定と設定電力の調
節により制御することができる。
本発明においては、絶a破壊のための電圧立上り時間が
重要な点の1つである。すなわち、モノマーである有機
化合物の分子に電場が印加され始めると、有機化合物分
子の分極化や熱的に存在するわずかの電子やイオンの加
速が生じ、それらが増加していき絶縁破壊が起り安定な
プラズマ状態となるが、このプロセスが速く起るか、遅
く起るかが絶縁破壊のための電圧立上り時間の長さに相
当し、基体上に生成するプラズマ重合膜の性能を決定す
るのである。
本発明の方法においては、絶縁破壊のための電圧立上り
時間が100msec以下であることが必要であり、好
ましくは10nsec〜50msec、、より好ましく
は10ns6(〜5 msecである。この電圧立上り
時間が100msecより長いと、パルス放電を使用す
る効果が得られず、得られるプラズマ重合膜の摩擦係数
を低下させることができない。
また、パルス放電における無放電状態の時間はl ms
ec以上でなければならず、無放電時間が1 msec
未満であると次のパルス放電が起る時に前の放電時のプ
ラズマのアフターグローによりプラズマ状態が存続して
いる場合が多(、パルス放電を使用する効果が得られず
、得られるプラズマ重合膜の摩擦係数を低下させること
ができない。パルス放電における放電状態の時間は長す
ぎるとやはりパルス放電を使用する効果が小さくなるの
で、通常l msec〜10secが好ましい。その他
のプラズマ発生条件は特に制限されない。用いる放電方
式は、例えば直流放電、低周波放電、高周波放電、マイ
クロ波放電等のいずれでもよい。典型的な条件において
は、プラズマ重合の反応帯域、具体的には例えば基体の
表面から垂直方向に1〜3 cm離れた領域における放
電時のプラズマの電子温度は、0.5 XIO’〜8X
10’にの範囲で選ばれる。ここで電子温度とは、特開
昭54−135574号公報に開示されたプラズマ特性
測定用探針を用いる方法により測定されるものであり、
プラズマ励起のための印加電力、放電電流、モノマーで
ある有機化合物を含むガス圧、該ガスの流量、電極の構
造、処理する。基体の位置等を変えることで所望の値に
調節することができる。プラズマ重合反応器に流入する
モノマーである有機化合物を含むガスの流量は、例えば
プラズマ反応器の内容積1001当り0.01〜500
m l (STP) /分でよい。プラズマ重合中の基
体の温度にも特に制約はないが、通常は0〜300°C
である。
またプラズマ重合に用いる反応装置も特に制限されず、
内部電極方式、無電極方式等のいずれでもよく、電極コ
イルの形状、マイクロ波放電の場合キャビティやアンテ
ナ構造等にも制約はなく、プラズマ重合に用いられる通
常の装置を利用することができる。
本発明の方法にモノマーとして用いられる有機化合物は
、低温プラズマを発生させる前述の圧力下で気体であれ
ば特に制限されない。この有機化合物としては、置換も
しくは非置換の炭化水素化合物および有機金属化合物が
挙げられる。ここにおける炭化水素化合物としては、飽
和もしくは不飽和の脂肪族もしくは脂環式の炭化水素お
よび芳香族炭化水素が挙げられ、これらはフッ素、塩素
、臭素およびヨウ素のハロゲン原子、水酸基、アミノ基
、カルボキシル基、メルカプト基、アミド基、イミド基
等の置換基を有していてもよいし、エーテル結合などを
含んでいてもよい。
さらに詳しくは、脂肪族炭化水素としては、例えば、メ
タン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン
等のアルカン;ノナン、プロペン、ブテン、ペンテン等
のアルケン;ブタジェン、イソプレン、ペンタジェン、
ヘキサジエン等のジエン;アセチレン、ビニルアセチレ
ン等のアルキンが挙げられる。脂環式炭化水素としては
、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン等が
挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、スチ
レン、フェノール、トルエン、キシレン、ピリジン、チ
オフェン、ピロール、アニリン、フェニレンジアミン、
トルイジン、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼン、ア
セトフェノン、塩化ベンゼン、安息香酸メチル、酢酸フ
ェニル、タレゾール、フラン等が挙げられる。
低摩擦係数のプラズマ重合膜を得る上で特に好ましい有
機化合物は、アルカンおよびハロゲン化アルカンであり
、このとき絶縁破壊のための電圧立上り時間は10ns
ec〜5 msec、特に10nsec〜30μsec
が好ましい。アルカンは、好ましくは炭素原子数1〜1
0、より好ましくは3〜8のものであり、例えば、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンおよびこれらの異
性体が挙げられ、特に好ましいものはプロパン、n−ブ
タン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へブタンおよ
びn−オクタンである。ハロゲン化アルカンは、アルカ
ンの水素原子の少なくとも1つがフッ素、塩素、臭素ま
たはヨウ素のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子また
は塩素原子により置換されたものであり、好ましくは炭
素原子数1〜10、より好ましくは2〜6のものである
。このようなハロゲン化アルカンとしては、例えば、モ
ノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメ
タン、テトラフルオロメタン、モノクロロメタン、ジク
ロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、
モノフルオロジクロロメタン、モノフルオロエタン、ト
リフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフル
オロエタン、ヘキサフルオロエタン、ジクロロエタン、
テトラクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジフルオロ
ジクロロエタン、トリフルオロトリクロロエタン、モノ
フルオロプロパン、トリフルオロプロパン、ペンタフル
オロプロパン、パーフルオロプロパン、ジクロロプロパ
ン、テトラクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、パ
ークロロプロパン、ジフルオロジクロロプロパン、テト
ラフルオロジクロロプロパン、ブロモメタン、メチレン
ブロマイド、ブロモホルム、カーボンテトラブロマイド
、テトラブロモエタン、ペンタブロモエタン、メチルヨ
ーシト、ショートメタン、モノフルオロブタン、トリフ
ルオロブタン、テトラフルオロブタン、オクタフルオロ
ブタン、ジフルオロブタン、モノフルオロペンクン、ペ
ンタフルオロペンクン、オクタクロロペンクン、パーク
ロロペンタン、トリフルオロトリクロロペンタン、テト
ラフルオロヘキサン、ノナクロロヘキサン、ペンタフル
オロトリクロロヘキサン、テトラフルオロへブタン、ヘ
キサフルオロへブタン、トリフルオロペンタクロロへブ
タン、ジフルオロオクタン、ペンタフルオロオクタン、
ジフルオロテトラフルオロオクタン、モノフルオロノナ
ン、ヘキサフルオロノナン、デカクロロノナン、ヘプタ
フルオロへキサクロロノナン、ジフルオロデカン、ペン
タフルオロデカン、テトラクロロデカン、テトラフルオ
ロテトラクロロデカン、オクタデカりロロデカン等を挙
げることができ、特に好ましいハロゲン化アルカンは、
モノフルオロエタン、ジフルオロエタン、トリフルオロ
エタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタン
、モノフルオロプロパン、ジフルオロプロパン、トリフ
ルオロプロパン、テトラフルオロプロパン、ペンタフル
オロプロパン、モノフルオロブタン、ジフルオロブタン
、トリフルオロブタン、テトラフルオロブタン、ペンタ
フルオロブタン等である。
またモノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、トリ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、モノクロ
ロエチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン、モノフルオロベンゼン、ジフル
オロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ヘキサフルオ
ロベンゼン等の不飽和ハロゲン化炭化水素も特に低摩擦
係数のプラズマ重合膜を得るための有機化合物として好
適である。これらの場合、絶縁破壊のための電圧立上り
時間は10nsec〜5 msecが好ましい。
従来の連続的なプラズマ重合法によると、モノマーであ
る有機化合物としてスチレンのような芳香族炭化水素を
用いても芳香環は重合過程で破壊されるため、多量の芳
香環を含有するプラズマ重合膜を得ることは不可能であ
った。また、モノマーである有機化合物として、例えば
、アミノ基、水酸基等の官能基を有する有機アミン、ア
ルコール等を用いても、これらの官能基も重合過程で破
壊されるため、多量のこのような官能基を含むプラズマ
重合膜を得ることも不可能であった。これに対し、本発
明の方法においては、七ツマ−である有機化合物として
、芳香族炭化水素を用いた場合には、摩擦係数が低く、
かつ芳香環を多量に含むプラズマ重合膜を得ることがで
き、モノマーとして官能基を有する化合物を用いた場合
には、摩擦係数が低く、多量の官能基を含むプラズマ重
合膜を得ることができるという利点がある。
多量の芳香環を含有するプラズマ重合膜は、芳香族炭化
水素に対して選択透過性を有するので、例えばスチレン
とメタノールの混合溶液からスチレンを分離する分離膜
として有用である。このようなプラズマ重合膜を得る上
で好ましい芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン
、スチレン、フェノール、トルエン、キシレン、塩化ベ
ンゼン等があげられ、この場合、絶縁破壊のための電圧
立上り時間は100μsec〜4 msecが好ましい
多量のアミノ基またはメルカプト基を含有するプラズマ
重合膜は生体適合性を有するので、細胞培養床、人工臓
器、人工血管、人工骨、診断薬用担体、バイオセンサー
等の表面被覆として好適である。このようなプラズマ重
合膜を得る上で好ましい有機アミンとしては、例えば、
エチルアミン、メチルアミン、プロピルアミン、エチレ
ンジアミン、アリルアミン、アニリン、フェニレンジア
ミン、トルイジン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げら
れ、メルカプタンとしては、例えば、メチルメルカプタ
ン、エチルメルカプタン等が挙げられ、この場合、絶縁
破壊のための電圧立上り時間は1μsec〜20μse
cが好ましい。従来の連続的プラズマ重合によると、エ
チルアミン、メチルメルカプタン等の分子量の小さい化
合物をモノマーとして用いた場合には、アミノ基やメル
カプト基をプラズマ重合膜中に残存させることが特に困
難であった。しかし、これら低分子量の有機化合物をモ
ノマーとして使用すると、蒸気圧が大きいためにプラズ
マ重合反応器への七ツマー流人量の制御が容易であり、
またガス拡散速度が速いために大面積で均一な膜が得ら
れるという利点があるので、これらを使用して官能基に
富む膜が得られる本発明の方法は有利である。
多量の水酸基またはカルボキシル基を含有するプラズマ
重合膜は親水性が高いので、コンタクトレンズなどの水
濡れ性が求められる物品の表面コーティングとしても有
用である。また、プラスチック成形品の表面を改質して
塗装性、染色性、接着性等の改良に有用である。このよ
うなプラズマ重合膜を得る上で好ましい有機化合物は水
酸基またはカルボキシル基を有する化合物であり、例え
ば、メタノール、エチルアルコール、エチレングリコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のア
ルコール、フェノール、ピロカテキン、レゾルシン、ヒ
ドロキノン、ピロガロール、クレゾール等のヒドロキシ
ベンゼンまたはヒドロキシアルキルベンゼン類、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸
、コハク酸、グリコール酸、乳酸等のカルボン酸が挙げ
られ、この場合、絶縁破壊のための電圧立上り時間は1
0nsec〜1μsecが好ましい。
本発明の方法に用いられる有機金属化合物としては、例
えば金属元素として、スズ、ケイ素、ゲルマニウム、ア
ルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、カドミ
ウム、ベリリウム、鉛等を含有するものが挙げられる0
代表的具体例としては、テトラメチルスズ等の有機スズ
化合物;テトラメチルシラン、トリメチルシラン等の有
機ケイ素化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合
物をモノマーとして使用した場合には、絶縁破壊のため
の電圧立上り時間は1 n5ec〜1μsecが好まし
く、摩擦係数の低い金属光沢を有する金属様の滑らかな
表面のプラズマ重合膜が得られる利点がある。
上記の有機化合物は1種単独でも2種以上の組合わせで
も用いることができる。2種以上の有機化合物のガスを
組合せて用いる場合には、それらの混合ガスとしてプラ
ズマ重合反応器に導入してもよいし、別々にプラズマ重
合反応器に導入して反応器内で混合させてもよい。また
、プラズマ重合に供されるこれら有機化合物を含有する
ガスには、アルゴン、ヘリウム、キセノン、ネオン等の
不活性ガスをキャリアガス等として混合してプラズマ重
合反応器に導入することができる。
本発明の製法において、プラズマ重合膜は、プラズマ重
合の反応帯域にプラズマ発生用電極に接触させずに置か
れた基体の表面上に形成される。
本発明は、このようにプラズマ重合膜を形成させる基体
をプラズマ発生用電極に接触させないことも特徴の1つ
である。すなわち、内部電極方式のプラズマ発生装置を
使用する場合にプラズマ重合膜を形成させる基体をプラ
ズマ発生用電極に接触させると、摩擦係数が低く潤滑性
に優れ、かつ耐久性および耐熱性が良好なプラズマ重合
膜を基材の材質に依らずにその表面に均一に形成させる
という本発明の目的を達成することができない。プラズ
マ重合膜を形成させる基体をプラズマ発生用電極に接触
させると本発明の目的を達成することができない理由の
詳細は不明であるが、電極表面はイオンや電子の衝撃が
激しく、プラズマ重合膜が形成される際に形成されつつ
あるプラズマ重合膜表面に活性点が多数生成するために
、得られるプラズマ重合膜の架橋密度が高くなりすぎる
ためであると推定される。
本発明で使用するプラズマ重合膜を形成させる基体とし
ては、既に述べた例のほか、磁気テープ、磁気ディスク
等の磁気記録媒体を挙げることができ、特に非磁性支持
体上に形成された磁気記録層が金属薄膜(例えばコバル
ト薄膜)からなる金属薄膜型磁気記録媒体は、金r%薄
膜の摩擦係数が大きい。したがって、本発明によるプラ
ズマ重合膜の採用は潤滑性の向上に大変有効である。ま
た特開昭59−179632号公報には、プラズマ重合
により磁気記録媒体表面に保護膜を形成する方法が開示
されているが、このような保護膜の上に本発明の製法に
よるプラズマ重合膜をさらに形成することにより潤滑性
を高め、もって該磁気記録媒体の耐久性を一層高めるこ
とも可能である。プラズマ重合膜を形成させる基体の他
の例としては、金属、プラスチックまたはセラミック製
の歯車、軸、軸受、カム、ピストン、シリンダー、チェ
ーン、ワイヤー等の機構要素、ビデオやテープレコーダ
ーのヘッド、ガイドポール、リール等の部材、船体外面
、各種スクリュー、ホース内面、各種ポンプ内面、押出
成形機のノズル内面、可動部シール用0−リングの表面
、スキー板、人工関節等の物品の表面を挙げることがで
きる。これらの基体の摺動面の摩擦係数は形成されるプ
ラズマ重合膜により小さくすることができる。
本発明の製法によると、例えば1分〜1時間のプラズマ
重合により、反応帯域にプラズマ発生用電極に接触させ
ずに配置した基体表面上に3人〜1μmの厚さで均一に
プラズマ重合膜を形成することができる。このプラズマ
重合膜は、平均厚さ3〜50人程度程度薄の膜でも実用
的な耐久性を有する。
〔実施例〕
次に本発明の製法を実施例により具体的に説明するが、
これらは本発明を限定するものではない。
実施例1〜5、比較例1〜4 第2図に示す装置を用いて磁気記録媒体の基材テープの
表面にプラズマ重合膜を形成した。第2図に示す装置は
、真空ポンプ1に接続されたプラズマ重合反応器2に互
に対向する一対の電極3゜4が設けられていて、これら
は交流電源(20K)lz)5に接続されている。交流
電源はファンクションジェネレータと増幅器を備えてお
り、ファンクションジェネレーターのバースト制御によ
りパルス化が可能である。プラズマ重合反応器2の底に
はガス状有機化合物を供給する管6.7および8が接続
されている。これらの有機化合物供給管には流量調節弁
(図示せず)が備わっている。プラズマ重合反応器2の
側壁には器内の圧力をモニターするための圧力針(図示
せず)が設けられている。
第1のロール9に巻かれている、処理すべき磁気記録媒
体の基材テープ11は、運転時には2つの電極3と4の
間を連続的に走行して第2のロール10に巻き取られる
ようになっている。電極3と4の間の領域において、処
理されるテープから2 cm離れた位置に特開昭54−
135574号公報に記載された前述の探針12が設置
されている。
この装置の運転においては、プラズマ重合反応器2内を
真空ポンプにより排気しながら、1種または2種以上の
有機化合物をガス状で供給する。
電極3と4の間に放電によりプラズマを生起させると、
電極間を走行する基材テープ11の表面にプラズマ重合
膜が形成される0反応帯域におけるプラズマの電子温度
は探針12で測定され、放電電流、プラズマ重合反応器
内の圧力、有機化合物の流量等を変えることにより所望
値に制御’Hされる。
本実施例および比較例では、表面に厚さ100r+mの
コバルト−ニッケルift性Fi膜にソケル分20重量
%)が斜め蒸着されている厚さ12μm、幅10cm0
長尺のポリエチレンテレフタレートフィルムを磁気記録
媒体の基材テープとして用い、コバルト−ニッケル磁性
薄膜上に第2図の装置を用いてプラズマ重合膜を形成し
て磁気記録媒体を得た。なお、実施例1および2ならび
に比較例1および2においては、基材テープの上に単層
のプラズマ重合膜を形成し、実施例3.4および5なら
びに比較例3および4においては、プラズマ重合膜の第
1の層を形成した後に、その上に種類の異なるプラズマ
重合膜の第2の層を重ねて形成した。
各実施例および比較例におけるプラズマ重合条件、すな
わち有機化合物の種類と流量、放電形式(パルス放電の
場合は、無放電状態の時間および放電状態の時間も示す
)、放電電流(パルス放電の場合は放電時)、基材テー
プの走行速度および形成されたプラズマ重合膜の厚さを
第1表および第2表に示す。ただし、パルス放電の場合
の絶縁破壊のための電圧立上り時間はすべて12.5μ
secに制御した。なお、第1表はプラズマ重合膜を単
層で形成する場合および2層形成の場合の第1層(下N
)に関し、第2表は2層形成の場合の第2層(上層)に
関する。また第1表および第2表において、プラズマ重
合膜の厚さは、基材テープと同時走行させたシリコンウ
ェハー表面に形成されたプラズマ重合膜の厚さをエリプ
ソメーターによって測定し、その測定値を基材テープ上
に形成されたプラズマ重合膜の厚さと推定することによ
り評価した。
上記のようにして表面にプラズマ重合膜を形成した(n
気記録媒体テープ表面の動摩擦係数(μ)を第3図に示
す方法により測定した。この方法では、一端に50g重
の重り21を取り付けたテープ22を直径50mmの固
定されたステンレス棒(SOS 420J)23の上半
分に掛け、垂直下方へ導いた後に自由回転可能なロール
24を介して水平方向へ導き、他端を張力検出器25に
接続する。張力検出器25はテープを引張り緩め得る機
構を備えており、テープ22を2(hm/秒の速度で5
cmのストロークを往復させる。往時(張力検出器の方
へテープ22を引く時)の張力T、を測定し、次式: %式%() (ここで、T+=50g重(重り21による荷重))に
より動摩擦係数μを求める。
上記の方法によりプラズマ重合膜を形成した磁気記録媒
体テープ表面とステンレス棒23との接触における動摩
擦係数の初期値および第3図の装置でテープ22を10
00回往復させた後の動Pj擦係数を測定した。また、
1000回往復後にテープ表面を肉眼および光学SJI
微鏡(X100)で観察することにより、ステンレス棒
23の摩耗物付着状態を羽ぺた。
これらの測定結果を第3表に示す。
B:肉眼では白粉状摩耗物の付着が認められる。
実施例12 第4図に示すベルジャ型プラズマ重合反応器を用いて直
径5011、厚さ5nの銅製円板の表面にパルス放電に
よるプラズマ重合によりブタンのプラズマ重合膜を形成
した。
第4図に示すプラズマ重合反応器は、平行平板型電極3
2.32’がプラズマ重合反応器31内に設けられ、こ
れらの電極は反応器外の電源33に接続されている。プ
ラズマ重合反応器31の底にはガス状有機化合物を供給
する管35が接続され、この管35にはガス流1iJM
節パルプ37が設けられている。プラズマ重合反応器3
1の底の別の箇所には排気管34を介して真空ポンプ(
図示せず)が接続され、この管34には排気速度調節用
バルブ36が設けられている。プラズマ重合反応器31
の側壁には器内圧力をモニターするための圧力計38が
備わっている。
前記の円板を電極32.32’の間に基体39として配
置し、この基体39から2cmMれた位置に特開昭54
−135574号公報に記載の探針40をプラズマの電
子温度を測定するために配置されている。
本実施例においては、電極32.32’に20KHzの
交流を印加して有機化合物であるブタンの流量15+o
l(STP)/分、プラズマ反応重合器内圧カフ0mT
orr、パルス放電条件は、パルス放電における放電状
態の時間0.3秒、無放電状態の時間0.7秒、絶縁破
壊のための電圧立上り時間15μSec 、放電時の放
STl流150mAの条件で2分間のプラズマ重合を行
った。この時、放電状態時のプラズマの電子温度は1.
5 X 10’〜6.3 X 10’にであった。この
結果、銅製円板の表面に厚さ220人のプラズマ重合膜
が形成された。膜厚は銅製円板に近接して置いたシリコ
ンウェハ(直径5011、厚さ300μm)表面に形成
されたプラズマ重合膜の厚さをエリプソメータで測定し
、その厚みを銅円板表面のプラズマ重合膜の厚みとした
このようにプラズマ重合膜を表面に形成した銅製円板表
面の動摩擦係数を次のようにして測定した。すなわち、
先端に直径2nの銅製の半球が取付けられた棒の先端を
荷重100g重でプラズマ重合膜を形成した銅製円板の
中心から20mの位置に垂直に当て、銅製円板100r
pn+で回転させ、棒に横方向に加わる力を測定するこ
とにより、プラズマ重合膜を形成した銅製円板の動摩擦
係数を求めた。
なお、この動摩擦係数の測定は、銅製円板およびこれと
接触させる銅半銅の温度を20℃〜240℃の範囲で変
化させて実施し、動摩擦係数と温度の関係を調べた0以
上の測定結果を第4表に示す。
実施例13〜15 パルス放電の条件を第4表に示すように変えた以外は実
施例12と同様に銅製円板表面にプラズマ重合膜を形成
した。各実施例で形成されたプラズマ重合膜の厚さを第
4表に合わせ示す。
このようにして表面にプラズマ重合膜を形成した銅製円
板の表面の動摩擦係数を実施例12と同様の方法で種々
の温度において測定した。結果を第4表に示す。
実施例16〜39および比較例19〜20パルス放電の
条件を第5表に示すように変え、プラズマ重合反応器内
圧力を500mTorr、および重合時間を1時間に変
えた以外は実施例12と同様に銅製円板表面にプラズマ
重合膜を形成した。各実施例および比較例で形成された
プラズマ重合膜の厚さを第5表に合わせ示す。
このようにして表面にプラズマ重合膜を形成した銅製円
板の表面の動摩擦係数を実施例12と同様の方法で種々
の温度において測定した。結果を第6表に示す。
実施例40〜45および比較例21〜23次の条件によ
り実施例12と同様の手順で銅円板(直径50鰭、厚さ
51m)およびシリコンウェハ(直径50龍、厚さ30
0μm)の表面にプラズマ重合膜を形成した。
電源:  直流電源DCパワーサプライ有機化合物: 
エチルアミン (流量10m1(STP) /分) 圧力   :  100mTorr パルス放電における放電状態の時間: lQmsecパ
ルス放電における無放電状態の時間:0msec 放電状態時の電流:  100mA 重合時間    :  lhr 放電状態の電子温度:3.7 X 10’〜4.OX1
0’に絶縁破壊のための電圧立上り時間を、2msec
、4msecs 6msec、 8msecs 10m
secおよび12msecに変えた以外は上記の条件で
銅円板およびシリコンウェーハ表面にプラズマ重合膜を
形成した。
比較例として、放電電流が50mA、 100mAおよ
び200mAで、パルス放電ではなく連続放電させた以
外は上記と同じ条件で銅円板およびシリコンウェーハ表
面上にプラズマ重合膜を形成した。
得られたシリコンウェーハ表面のプラズマ重合膜の厚さ
をエリプソメータにより測定し、またFT−IR(フー
リエ変換赤外吸収スペクトル)を透過法により測定した
。FT−IRの測定に先だってFl−IR装置内を乾燥
アルゴンガスで置換して水分の吸収がスペクトルに現れ
ないようにした。アミノ基による3300〜3500c
m−’の領域における吸収バンドの面積を測定した。放
電電流100mAで連続放電を行なった実験でのバンド
面積を1として、各実験におけるバンド面積の相対値を
求め、アミノ基の含有量を相対的に示すものとした。結
果を第7表に示す。
また実施例12と同様の方法により、プラズマ重合膜を
形成した銅円板表面の動摩擦係数の測定を温度20℃に
て行った。結果を第7表に示す。
実施例46〜49および比較例24〜26次の条件によ
り実施例12と同様の手順でシリコンウェーハ(直径5
01−3厚さ300μm)の表面にプラズマ重合膜を形
成した。
電源: 交流電源 有機化合物: スチレン(流量10m1(STP)/分
)圧カニ  5QraTorr パルス放電における放電状態の時間: 10msecパ
ルス放電における無放電状態の時間;0msec 放電状態の電流:  100mA 重合時間   :  lhr 放電状態の電子温度:3.2 X 10’〜3.8 X
10’に絶縁破壊のための電圧立上り時間を、12.5
μsec、16μsec 、、 2Susecおよび5
0 u secに変えた以外は上記の条件でシリコンウ
ェーハ表面にプラズマ重合膜を形成した。印加電力のパ
ルス化は低周波発生器(ファンクションジェネレータ)
のバースト制御により行ない、絶縁破壊のための電圧立
上り時間は、電源の周波数を5KHz 、 10KHz
 、、 15KHz −。
および20KHzに変化させることにより行なった。
比較例として、放電電流が1On+^、50mAおよび
100mAで、パルス放電ではなく連続放電させた以外
は上記と同じ条件でシリコンウェー八表面上にプラズマ
重合膜を形成した。
得られたプラズマ重合膜の厚さを実施例12と同様にし
て測定し、またFT−IRを透過法により測定した。ベ
ンゼン環に特有の1450〜1600cm−’の領域に
おける吸収バンドの面積を測定した。放電電流100m
Aで連続放電を行なった実験でのバンド面積を1として
、各実験におけるバンド面積の相対値を求め、ベンゼン
環の含有量を相対的に示すものとした。結果を第8表に
示す。
実施例50〜61および比較例27〜30実施例46〜
49において有機化合物をアリルアミン、エチレンジア
ミン、プロピルアミンおよびアニリンに代え、絶縁破壊
のための電圧立上り時間を2 rasec、 4 ms
ecおよび8 msecに代えた以外は、実施例46〜
49と同様にしてプラズマ重合膜を形成した。また比較
例としてプラズマの連続放電によりプラズマ重合膜を形
成した。
得られたプラズマ重合膜の厚さを実施例12と同様にし
て測定し、また実施例12と同様にFT−IRを透過法
により測定した。結果を第9表に示す。
実施例62および比較例31 次の条件により実施例12と同様の手順でシリコンウェ
ーハ(直径5011、厚さ300μm)の表面にプラズ
マ重合膜を形成した。
電源二 交流電源13.56MHz モノマー化合物: テトラメチルスズ (流fflloml(STP)/分) 圧カニ  50mTorr パルス放電における放電状態の時間: lQmsecパ
ルス放電における無放電状態の時間:0msec 絶縁破壊のための電圧立上り時間:  18nsec放
電状態の電流7 100mA 重合時間   : 1時間 放電状態の電子温度:2.I X 10’〜3.OX1
0’に比較例として、パルス放電ではなく連続放電させ
た以外は上記実施例と同様にしてプラズマ重合膜を形成
した。
パルス放電の場合には、光沢を有する金属様の厚さ65
0人の薄膜が得られ、走査型電子顕微鏡(1万倍)によ
ると平滑な表面の膜であった。一方、連続放電の場合に
は、厚さ1250人の黄味のある光沢のない透明な薄膜
上に粒径5000〜7000人の粒子が散在しているこ
とがわかった。
〔発明の効果〕
本発明の方法により得られるプラズマ重合膜は、モノマ
ーとして同一有機化合物を使用の場合は一般に、従来の
連続的プラズマ重合法により得られるプラズマ重合膜に
比し摩擦係数がかなり小さく、モノマーである有機化合
物を適切に選択することより摩擦係数を著しく小さくす
ることも可能である。しかも非常に薄い膜厚でも優れた
耐久性を有するため、例えば精密機械の歯車、軸受など
の機械要素、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒
体表面の固体の潤滑膜として極めて有用である。
しかも、このプラズマ重合膜は、高い耐熱性を有すると
ともに高温でも摩擦係数が小さいため内燃機関のシリン
ダー、ピストン等のように高温にさらされる摺動面の固
体潤滑膜としても有用である。
このイzれた潤滑性は、基体の材質に影響されないので
、広範な物品、機械部品、機構要素等の固体の潤滑膜と
して利用することができる。固体潤滑膜として利用する
場合、従来の液体状または粉末状の潤滑剤と異なり、液
体もしくは粉末の付着がきられれる雰囲気においても適
用でき、また真空中においてもその性能を発揮すること
ができる。
また本発明のプラズマ重合膜は、モノマーである有機化
合物の選択により耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性等の
点でも優れたものとすることができるので、潤滑性と合
わせてこれらの特性が求められる場合、あるいは、潤滑
性以外のこれらの特性が求められる場合も表面保護膜等
として有用である。
さらに上記プラズマ重合膜の一般的特性として、モルマ
ーである有機化合物の部分的分子構造や性質をかなりの
程度で併せ持つ点を挙げることができる。すなわち、例
えばアミノ基を有する有機化合物をモノマーとして用い
た本発明によるプラズマ重合膜は、アミノ基を多数有す
るものとなり、生体適合性にすぐれたものである。前回
の各種特性に加えこのような生体適合性を有するプラズ
マ重合膜は人工臓器、人工血管、人工関節、人工皮膚等
に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いられるパルス放電の波形の1例
を示す図である。 第2図は、磁気記録媒体の基材テープ表面にプラズマ重
合膜を形成する装置を概念的に表わす縦断面図である。 第3図は、磁気記録媒体テープ表面の動摩擦係数を測定
する方法を説明する図である。 第4図は、別のプラズマ重合反応器を概略的に表わす縦
断面図である。 代 理 人  弁理士 岩見谷 周志 第1図 第2図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)有機化合物含有ガスを、パルス放電における無放電
    状態の時間が少なくとも1msecで絶縁破壊のための
    電圧立上り時間が100msec以下であるパルス放電
    による低温プラズマによるプラズマ重合に供することに
    より、プラズマ反応滞域に置かれ、かつプラズマ発生用
    電極に接触していない基体表面上にプラズマ重合膜を製
    造する方法。 2)特許請求の範囲第1項記載の方法であって、有機化
    合物が置換もしくは非置換の炭化水素化合物および有機
    金属化合物から選ばれる少なくとも1種である方法。 3)特許請求の範囲第1項記載の方法であって、有機化
    合物がアルカンおよびハロゲン化アルカンから選ばれる
    少なくとも1種であって、絶縁破壊のための電圧立上り
    時間が10nsec〜5msecである方法。 4)特許請求の範囲第1項記載の方法であって、有機化
    合物が不飽和ハロゲン化炭化水素であって、絶縁破壊の
    ための電圧立上り時間が10nsec〜5msecであ
    る方法。 5)特許請求の範囲第1項記載の方法であって、有機化
    合物が芳香族炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1
    種であって、絶縁破壊のための電圧立上り時間が100
    μsec〜4msecである方法。 6)特許請求の範囲第1項記載の方法であって、有機化
    合物が有機アミン類及びメルカプタン類の少なくとも1
    種であって、絶縁破壊のための電圧立上り時間が1μs
    ec〜25μsecである方法。 7)特許請求の範囲第1項記載の方法であって、有機化
    合物が有機金属化合物であって、絶縁破壊のための電圧
    立上り時間が1nsec〜1μsecである方法。
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