JPS637250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバイトブロツク特に老人用バイトブロ
ツクの改良に関するものである。

一般に全身麻酔（吸入麻酔も含む）を行う場合
に、入れ歯をつけた老人患者については、入れ歯
を取除いて麻酔管理を行うことが義務づけられて
いる。

この吸入麻酔法は気管内チユーブを気管内に挿
入し該チユーブより麻酔剤を吸入させるものであ
る。この場合チユーブを固定しなければならず通
常バイトブロツクと称するものを使用しているも
のであつた。

従来のバイトブロツクは第１図に示す如く中空
棒状体よりなるバイトブロツク本体１に口唇部に
当接し且つ一部が円弧状３を呈する鍔部２を設
け、該円弧状部３の上にチユーブを載置し、テー
プ等にて固定しているものである。然しながらこ
のバイトブロツクでは口唇及び歯槽部における固
定状態が麻酔管理時に不十分であり、さらに麻酔
解除時に患者特に歯のない老人においてはバイト
ブロツクを口腔内に飲みこむトラブルを多く生ず
ることがあつた。又、バイトブロツクは清潔性、
及び滅菌処理を行うため耐薬品性の良好な材質を
要求されるが、従来のものは中空棒状体の内面側
に金属パイプを有するゴム製のものが使用されて
いるため、短期間において変質し老化するおそれ
があつた。

本考案はかかる現状に鑑み、これを改善せんと
して鋭意研究を行つた結果、口唇部にしつかりと
固定が出来且つ安全性の高いバイトブロツクを開
発したものである。即ち本考案は口唇部に当接し
麻酔剤注入用等チユーブを固定するバイトブロツ
クにおいて、プラスチツク製彎曲状板の中央上部
にチユーブ挿入用Ｕ字型切欠部とその両側部に孔
部を設けたバイトブロツク本体の片面に該切欠部
の下端より突出する棒状体からなるチユーブ保持
部を設け、他面に断面Ｃ型状を有する一対の中空
円筒体からなる歯槽咬合部を、その開口部を夫々
外側にして該孔部に一体に設け且つバイトブロツ
ク本体の両端に固定用バンドを取付けたものであ
る。

本考案においてバイトブロツク本体を形成せる
プラスチツク板は平板よりもやや彎曲しているこ
とが好ましく、これによつて頬によく密接するこ
とが出来る。

又、チユーブ保持部の上面形状については特に
限定するものではないが望ましくは円弧状とする
ことが好ましい。

又、一対の歯槽咬合部はこの部分を口の内に入
れてしつかりと歯槽部にて押え付けることが出
来、バイトブロツクを確実にしかも歯槽部及び口
腔部を傷つけることなく固定することが出来るも
のである。従つて歯槽咬合部はくわえ易いような
形状にすることが望ましく断面Ｃ型状を有する中
空円筒としその一側面を開口せしめているもので
ある。この開口部は口腔内に滞留する唾液等を排
液するためのものである。又、ここにたまつた液
体は孔部より吸引チユーブ等を差込んで吸引すれ
ばよい。なお孔部は歯槽咬合部の断面形状と合致
せしめることが好ましく長方形状にすることが望
ましい。

又、チユーブは切欠部で屈曲することなく安全
に気管内に挿入することが出来る。

又、本考案バイトブロツクの材質としては耐薬
品性、耐熱性、非粘着性及び安全性等を考慮しな
ければならない点から、これらの特性に優れた弗
素樹脂により成形することが好ましい。

次に本考案の一例を図面により説明する。

第２図乃至第４図に示す如く口唇部を覆う程度
の外形を有する厚さ約３mmの彎曲状弗素樹脂板５
の上部中央にチユーブ挿入用Ｕ字型状の切欠部６
を設け、その両側部に長方形状孔部７，７′を形
成したバイトブロツク本体４の外側面部に、該切
欠部の下端に上面が円弧状を有する縦横約８mmの
弗素樹脂製角棒状のチユーブ保持部８を一体に取
付け、内側面に断面Ｃ型状を有する一対の弗素樹
脂製中空円筒体の歯槽咬合部９，９′をその開口
部を夫々外側にして該孔７，７′に一体に設け、
該バイトブロツク本体４の両端に、該本体を頬部
又は頚部に固定するための弗素樹脂製締付用バン
ド１０，１０′を取付けて本考案をえた。

斯くしてえた本考案バイトブロツクは、チユー
ブ挿入用切欠部及び歯槽咬合部を設けているた
め、４図及び第５図に示す如く歯槽咬合部９，
９′を口中に挿入し、歯槽部１１にて強く押えつ
けると共に、バイトブロツク本体４を口唇部１２
に当接することにより気管内チユーブ１３等の保
持を十分に行うことが出来るものであり、チユー
ブ保持体８の上面が円弧状となつているため気管
内チユーブを安定して載置することが出来これを
テープにて固定することによりチユーブの位置が
づれたり又は脱落等をおこすことなく、確実にし
て且つ安全性に優れ、そのまま人工呼吸を行うこ
とも可能であり、バイトブロツク特に老人用バイ
トブロツクとして極めて有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバイトブロツクの斜視図であ
り、第２図乃至第４図は本考案バイトブロツクの
一例を示すものであり、第２図は正面図、第３図
は上面図、第４図は斜視図である。又、第５図は
本考案バイトブロツクを人体に取付けた状態を示
す概略説明図である。 １……従来のバイトブロツク本体、２……鍔
部、４……本考案バイトブロツク本体、５……プ
ラスチツク板、６……切欠部、７，７′……孔部、
８……チユーブ保持部、９，９′……歯槽咬合部、
１０，１０′……バンド、１１……歯槽部、１３
……気管内チユーブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 口唇部に当接しガス麻酔剤吸入用等チユーブ
   を固定するバイトブロツクにおいて、プラスチ
   ツク板の中央上部にチユーブ挿入用Ｕ字型切欠
   部と、その両側部に孔部とを設けたバイトブロ
   ツク本体の片面に該切欠部の下端より突出する
   棒状体からなるチユーブ保持部を設け、他面に
   断面Ｃ型状を有する一対の中空円筒体からなる
   歯槽咬合部をその開口部を夫々外側にして該孔
   部に一体に設け且つバイトブロツク本体の両端
   に固定用バンドを取付けたことを特徴とするバ
   イトブロツク。 (2) 孔部として長方形状を有することを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のバイト
   ブロツク。 (3) バイトブロツの材質が弗素樹脂からなること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のバイトブロツク。