JPS63697B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は液化ガスライター、とくにその炎の
高さを調節する機構に関するものである。

公知の液化ガスライターの炎の高さを調節する
機構は、ガスの流れに抵抗をあたえる透過性部材
をそなえており、これによつてガス状燃料が炎の
部分に送給される率を制御することによつて該炎
の高さを調節するようになつている。

この場合、前記の透過性材料が非圧縮性材料、
たとえば焼結金属やセラミツクなどからなつてい
るときにはその物質が有する基本的な流体に対す
る抵抗値が最大ガス流量、したがつて炎の高さを
決定することになる。このような材料を用いる場
合には調整しない状態の高さの炎を供給すること
になる。非圧縮性透過材料の、その材料によつて
定まる最高の炎高と、その範囲内で炎の高さを調
節するための手段をもうけることもできる。

ガスを通過させる透過性材料を、バーナー部か
ら放散される好ましからざる熱入力から絶縁する
ために、非圧縮性透過材料を高熱伝導率
（40kcal／ｍ／ｈ／℃以上）の物質のスリーブ内
に収納し、このスリーブを低熱伝導率（0.3ない
し5kcal／ｍ／ｈ／℃）物質にのみ接触するよう
に構成して、所定の値に最高の炎高を制限するよ
うにしたガスライターが提案されている。このよ
うな構成のガスライターは、火をつけている間に
炎の高さが次第に増大していつて安定しない欠点
を露呈することがしばしばあつた。

本発明の主たる目的は、安定した炎を得ること
のできるガスライターを提供することにある。本
発明のとくに目的とするところは上述のような、
炎が次第に増大することのないようなライターを
提供することにある。

本発明の特質は、上記の目的を達成すべきガス
ライターの炎高制限機構にあり、この炎高制限機
構は、ガスが通過流通する非圧縮性透過材素子を
そなえており、この素子を高熱伝導率材からなる
スリーブに流体密に収納し、この高熱伝導率材の
スリーブを低熱伝導率の物質にのみ接触するよう
にし、さらに前記透過性材料は、ガス流の方向に
みて下流側にゆくに従つて透過率が大きくなるよ
うに構成したものを用いるところにある。本発明
の好適な実施例においては、その透過性材料は、
透過率が一方から他方にゆくに従つて次第に変化
するような焼結金属を用いている。本発明はま
た、ガス透過性素子を、その透過率がガス流下流
にゆくに従つて大きくなるようにライター内に組
みこんだ上述のようなガスライターを製造する方
法に関するものである。

その他本発明の特質は、添付図面を参照して以
下に説明し、また特許請求の範囲にもこれを指摘
するとおりである。本発明の実施態様は以下に説
明するが本発明はこれに限定されるものでは、も
ちろんない。

本発明の特質、利点を明瞭ならしめるその実施
例を添付の図面について説明する。

第１図は、本体部１とこれと一体にモールドさ
れたチユーブ部２とをそなえたプラスチツク製ガ
スライターの一部を示している。チユーブ部２の
下部は液化ガス貯蔵部まで連接している。この種
の公知のライターからも知られているように、燃
料の供給は適当な芯材によつて行なつてもよい。
チユーブ部２の下部３は、その上部４よりも若干
小径となつており、かつ内部に段部５を形成して
ある。

中空心環状のスリーブ９がチユーブ２内に圧入
されその底部は前記段部５に達している。スリー
ブ９の一端にはオリフイス１０が形成してあり、
さらにこのスリーブ９の内部には、全体としてほ
ぼシリンダ状で頂面はドーム状の形状１４に形成
され底面は平面１５に形成されていて、焼結ステ
ンレス鋼（タイプ３１６）からなる透過性素子
（プラグ）８が圧入されている。このプラグの透
過率は長手方向に変化しており、ガス流の方向に
みて下流側すなわちプラグ頂面の方向にゆくに従
つて増大するようになつている。より大なる透過
率を有する端部として、一端をドーム状１４に形
成することは、光学的あるいは機械的な検査にお
いては他部と同一にこの部分をしておいて、これ
を組み立てるさいにドーム状部が下流に来るよう
に正しく挿入すればよいので便利である。

プラグ８のような多孔性材料を製作することは
粉体冶金技術者にすでに公知のことであつて、こ
のこと自体は本発明には関係はない。このような
多孔性金属材は粉体ないしは微粒状の所望の金属
からなり、この金属粒子を焼結して全体にわたつ
て連結した小空隙が分布し、これによつてガス流
がこの空隙を流れるような多数の曲りくねつたガ
ス通路を形成する。本発明による炎高規制限機構
においては、実質的に一様な多孔質状態のプラグ
の場合前述のような炎が次第に大きくなる結果を
生じ、またガス流の上流側にあたるプラグ部分が
より大きい透過性をもつている場合には上記の傾
向はさにひどくなり、反対に下流側におけるガス
の透過率が大きくなるようにプラグを方向づけて
配したときには前述の問題は解消する。本発明の
ガスライターにおいては、およそ25mmのイソブタ
ンガスの炎高を得る場合、プラグは2700ｇ／cm²
（45psig）において7.6c.c.／minの窒素流のプラグ
が好適であることが判明している。窒素流ではか
つて、プラグの透過率の大きい側の半分の部分の
それがおよそ38c.c.／minで、透過率の小さい側の
半分のそれがおよそ9.5c.c.／minでありかつプラ
グ全体の平均透過率が7.6c.c.／minのものがもつ
ともよい結果（すなわち安定した炎高）が得られ
た。

プラグ８の、実施態様としては全長（流体通路
に沿つた長さ）がおよそ2.0mm、直径1.42mmのも
のがある。アルミニユーム製スリーブ９はその長
さが5.95mm、外径2.94mm、半径1.46mmである。オ
リフイス１０は孔の口がいく分拡開形成してあ
り、最小径が0.70mmである。

火口７はチユーブ２の上部４に摺動嵌挿してあ
り、一端から他端まで軸方向に貫通孔１１がもう
けてある。弁を閉鎖した位置においては、火口の
下端は、オリフイス１０を閉止しているシール部
材１２上に載つている。火口７の上端には、ライ
ターに火をつけるさいに火口を上昇させるための
手段（図示してない）に係合するための環状溝１
３がもうけてある。

操作のさいには、火口が上昇してシール部材１
２がオリフイスからはなれる。これによつて内部
にたまつているガスはチユーブ２の下部３の通路
をとおり、焼結金属からなるプラグを透過率が増
大する方向に流れ、オリフイス１０から排出さ
れ、さらにシール作用を有しない状態にあるシー
ル部材のまわりをとおつて軸方向通路１１から出
て燃焼する。

以上本発明の構成をその実施例について詳述し
たが、これと均等範囲のもので、本発明の精神か
ら逸脱することなく、種々な変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による炎高規制装置をそなえ
たガスライターの要部断面図、第２図は、第１
図々示の透過性材料からなるプラグの拡大断面図
である。 図中、符号１……ライター本体、２……チユー
ブ、３……チユーブの下部、４……チユーブの上
部、５……段部、７……火口、８……プラグ、９
……スリーブ、１０……オリフイス、１１……ガ
ス通路、１２……シール部材、１３……環状溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガスが通過すべき通路をそなえており非圧縮
   性材からなるガス透過性プラグと、このプラグを
   流体密状態に囲繞しているスリーブとをそなえて
   おり、該スリーブが低熱伝導性物質にのみ接触
   し、前記プラグおよびスリーブが高熱伝導率を有
   する材料で構成してなる液化ガスライターにおい
   て、 前記ガス透過性プラグが、ガスの流れ方向にみ
   て下流側の部分において透過率が増大するように
   した炎高規制装置。 ２ ガスが通過する通路をそなえており非圧縮性
   材からなるガス透過性プラグを有しており、この
   プラグがその長手方向に一様でないガス透過率を
   そなえかつ低熱伝導率の物質にのみ接触するよう
   に配されたスリーブ内に流体密に囲繞されてお
   り、前記プラグおよびスリーブは高熱伝導率物質
   からなつている液化ガスライターにおいて、 前記プラグの透過率を、ガスの流れ方向にみて
   下流側において高くなるような傾向に形成する炎
   高規制部材の製造方法。