JPS6363369A

JPS6363369A - タバコフイルタ−

Info

Publication number: JPS6363369A
Application number: JP20740586A
Authority: JP
Inventors: 健吾秋元; 芳秀諏訪; 輝夫天知
Original assignee: Suntory Ltd
Current assignee: Suntory Ltd
Priority date: 1986-09-03
Filing date: 1986-09-03
Publication date: 1988-03-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明はタノくコ煙粒子相中の発癌因子の一つである突
然変異原を不活性化する方法ならびにそれに使用するフ
ィルターに関するものである。

（従来技術）近年、ヒトの癌発生の多くは、生活環境中の発癌因子に
起因していると考えられる。なかでも、喫煙の発癌に及
ぼす影響については、多くの疫学的調査が報告されてい
る。−例として平山雄及び３實野芳子が「厚生の指標」
、２８巻、第３頁、（１９８１）に報告した結果は表１
の通りである。

表１　喫煙習慣別標準比死亡比表１によれば、喫煙者の癌死亡比（全部位）は非喫煙者
にくらべ男性で１．６３倍、女性で１．３６倍である。

さらに喉頭、口腔咽頭、肺での癌死亡比は特に高くなっ
ている。

従来、喫煙による発癌の防止法として、活性炭等の吸着
フィルターを用いて煙粒子相中のタール分を除去しよう
とする試みが行われている。さらにフィルターに水分を
含ませて、タール分を除去しようとする試みがなされて
いる。しかしながら、このような試みにも拘わらず、前
記表１に示した通り、喫煙による発癌を十分に防止する
ことが出来ないのが現状である。

（発明が解決しようとする問題点）発癌は大別される２つの過程、すなわちイニシェーショ
ン過程とプロモーション過程から成るとされているが、
タバコ煙粒子相中には、発停イニシェーション過程を誘
発する物質として、突然変異原が存在する。この突然変
異原は、これまでに確認された筋原と高い相関（８０〜
９０チ）を有することが知られている。従って、タバコ
の煙粒子相の突然変異原を消去させることは、喫煙によ
る発癌を防止する意味で重要である。また、発癌性とは
別に、次世代以後の先天性疾病の発生にかかわりのある
遺伝毒性物質をなくすという目的からも、遺伝情報に誤
りや欠損を生じさせる突然変異原の不活性化は望まれる
。

本発明者らの一人は以前に前記の目的を達成するため、
鋭意研究した結果、ペルオキシダーゼがタバコ煙粒子相
（Ｃｌｇａｒｅｔｔｅ　Ｓｍｏｋｅ　Ｃｏｎｄｅｎｓａ
ｔｅ。

以後Ｃ８Ｃと略すことがある）の突然変異原性をほとん
ど、もしくは完全だ消失せしめることをＵめた（％鹿沼
６１−７７２１０号）。

本発明は、上記の研究を更におしすすめたものであり、
タバコ煙粒子相の突然変異原性を低下させる目的に特に
適するベルキシダーゼ活性物質を提供し、これにより、
ヒトの健康を考えるうえで最も重視されるべき、タバコ
製品中の突然変異原の不活性化または除去の方法並びに
タバコ用フィルターを提供しようとするものである。

（発明の構成）本発明者らは、本来、水や溶媒に不溶のへミンがポリエ
チレングリコールなどで修飾することにより、両親媒性
となり、あわせて高いパーオキシダーゼ活性を有するよ
うになることを見出し、かつこの両親媒性ヘミン修飾物
がＣ３Ｃの突然変異原性をほぼ完全に消去せしめること
を認め、本発明を完成するに至った。

本明細書において、両親媒性ヘミン修飾物とは、ヘミン
の二つのカルボン酸残基に酸アミド化あるいはエステル
化により長鎖ポリエチレングリコール七ツメチルエーテ
ル、ポリアミノ酸類、ポリ（マレイン酸）−スチレンオ
リゴマー、ポリビニルアルコール、キトサン（クルコサ
ミンホリマー）等の両親媒性成分を付加することにより
、容易に水に溶けるようにしたものをいう。ヘミンは、
本来強アルカリ性水溶液にしか溶解せず、ペルオキシダ
ーゼ活性を示さないが、驚くべきことに、両親媒性ヘミ
ン修飾物に変換して水溶化することにより、高いペルオ
キシダーゼ活性を示すことが判明した。

このペルオキシダーゼ活性の発現は、Ｃ３Ｃの消去には
必須であり、因みに同じヘム骨格を有するカタラーゼあ
るいは水不溶性のヘミンには、Ｃ３Ｃ消去活性は認めら
れていない。尚、ヘミンを強アルカリ水溶液に溶解した
後弱アルカリ性としたヘミン水溶液は、ペルオキシダー
ゼ活性を有するが、後述するごとくフィルター中にヘミ
ンを分散させるためにアルカリ性水溶液を使用するのは
不適当である。従ってヘミンを可溶化して変異原性の消
去に使用することは従来考えられていなかった。

変異原性物質の消去に使用される両親媒性ヘミン１き飾
物のうちでも、その修飾残基が１．ｄ　Ｉ）エチレング
リコールのごとく両親媒性であるものは、ニコチンター
ルとの親和性も高くなり、その中に含まれる変異原性物
質の消去の効率も高まるから好ましいものである。

本発明に使用する両親媒性ヘミン修飾物は、蛋白質性の
ペルオキシダーゼよりも、安定性に優れ、これを含有す
るタバコフィルター製品が製造者から消費者の手元に届
くまで罠長期間経過してもその活性が安定に保たれると
いう利点がある。また、ヘミンは動物赤血球より容易に
回収でき、これを修飾するために使用する修飾残基も安
全性の高いものであるから、本発明で使用する両親媒性
ヘミン修飾物は、タバコフィルター基材として特に適す
るものである。

Ｃ３Ｃの突然変異原性を殆どもしくは完全に抑制するの
に必要な修飾ヘミンの量は、紙巻タバコ一本分のＣ８Ｃ
にたいして２〜１，０００単位（プルプロガリン単位）
で充分である。

両親媒性ヘミン修飾物をタバコ煙粒子相に接触させる方
法に特別な制限はなく、任意の適当な方法を採用してよ
い。例えば紙巻タバコのフィルターやカートリッジ式フ
ィルターに両親媒性ヘミン修飾物を配合する方法は、フ
ィルターを通して口に入るＣ８Ｃの突然変異原性を完全
に消去する上で有効である。

両親媒性ヘミン修飾物をタバコフィルターに適用するに
は、通常下記のいずれかの手段が用いられる：囚　両親媒性ヘミン修飾物をタバコフィルター担体に含
浸させた後、乾燥固着させる方法；（至）両親媒性ヘミ
ン修飾物をカートリッジ式フィルターに適用する場合、
ヘミン修飾物を担体に固着、あるいは、担体と混合した
部分と水とを隔膜をはさんで連結し、使用時隔膜を破シ
両者を混合する方法。

なお、ペルオキシダーゼ活性は液相でのみ認められるた
め、喫煙時には、ヘミン（５飾物は水溶液状態になって
いなければならない。（Ａ）の場合には、タバコ燃焼時
に主流煙（Ｍａｉｎ　ｓｔｒθａｍ）中に含まれる水蒸
気によるヘミン修飾物の水溶液化が担体表面で発生する
。フィルターの担体としては、活性炭、シリカゲル、ア
ルミナ、デンプン、デキストリン、脱脂綿、セルロース
アセテート、六ルプ、ケイ藻土、粉末石コウ、天然ゼオ
ライト、あるい実施例１　ヘミン修飾物による突然変異
原性抑制効果の測定ヒスチジン要求性のサルモネラ菌が、突然変異原の存在
下でヒスチジン非要求性に復帰変異する頻度（復帰変異
コロニー数）を指頷として、修飾ヘミンによるＣ８Ｃ中
の突然変異原の低下作用を試験した。この試験において
、復帰変異が抑制されれば、突然変異原の低下を意味す
る。

（１）試験材料１）使用菌株：ヒスチジン要求性のサルモネラ・チフイ
ムリウム（Ｓａｌｍｏｎｅｌａ　ｔｙｐｈｉｍｕｒｉｕ
ｍ　）ＴＡ９３株（以下、Ｓ、　ＴＡ　９８株と略す）
を使用した。

１１）代謝活性化剤：被験体を代謝活性化するための、
Ｓ９（ラット肝ホモジネートの９．０００ｘｇ上澄画分
）及びコファクターはオリエンタル酵母工業（株）（本
社、東京）製のものを使用した。

１ｉｉ）　　Ｃ８Ｃの調製：自動吸煙器〔中央産商（株
）、東京〕を用い、紙巻きタバコ（ロングピース）の主
流煙をグラスファイバーフィルターにトラップした。こ
のとき、吸煙時間は１分間に２秒、吸煙量は１７．５　
ｃｃ／秒である。

グラスファイバーフィルター上にトラップしたＣ８Ｃ＃
′ｉ、フィルターごとデシケータ中で一晩乾燥後秤量す
る。次に、Ｃ８Ｃを１００％メタノールで抽出し、濃縮
乾固後秤量し、所定濃度になるようにジメチルスルフオ
キシド（ＤＭＳＯ）にて溶解および希釈する。

ｌｖ）ヘミン修飾物の調製ポリエチレングリコール七ツメチルエーテル（平均分子
′！ｋｓ、ｏｏｏ　＞　ｉｏｏｇを常法に従いトシル化
し、そこにフタルイミドカリウムを加え、フタルイミド
１誘導体をつくる。この生成物をヒドラジンと混合し、
フタル酸部を遊離させてアミノエトキシポリエチレング
リコールメチルエーテル（ＰＥＧ−Ｎ）ｉ２．７２．．
６　＆　）を調製した。ヘミン３００■およびＰＥＧ−
ＮＨ２５！ｌ’に５０ｍ１のピリジンに溶かし、２．５
１１のモレキュラーシーブ３Ａを加え、完全に脱水させ
た後、！、２５．９の縮合剤ジシクロへキシルカルボジ
イミドで酸アミド結合を完結し、ヘミン修飾物であるＰ
ＥＧ−ヘミンをほぼ定量的に調製した。反応生成物から
のＰＥＧ−ヘミンの精製はセファデックスＬＨ−６０に
よるゲル濾過で行った。精製標品の可視〜紫外部吸収ス
ペクトルは第１図に示すごとくであった。

ヘミン３００１１Ｔ９およびポリエチレングリコール七
ツメチルエーテル（平均分子Ｈｓ、ｏｏｏ　）　５９を
５ＣｍＪのピリジンに溶かし、２５１１のモレキュラー
シープ３Ａを加え、完全に脱水させた後、１．２５．９
の縮合剤ジシクロへ中シルカルボジイミｈ＋でエステル
結合を完結しＰＥＧ−ヘミンを調製した。収率は２５％
であった。精ｆＪＪ標品の可視〜紫外部吸収スペクトル
は第２図のごとくであった。

（２）試験方法ブレインキュベーション法（Ｍａｔｓｕｓｈｉｍａ　＃
　Ｔ。

ｅｔ　ａｌ、、　Ｋ、　Ｈ，Ｎｏｒｐｏｔｈ　ａｎｄ　
Ｒ，Ｃ，Ｇａｒｎｅｒ（Ｅ（１１３，）、　５ｈｏｒｔ
　−Ｔｅｒｍ　Ｔｅ５ｔ　Ｓｙｓｔｅｍｓ　ｆｏｒ　Ｄ
ｅｔｅｃ−ｔｉｎｇ　Ｃａｒｃｉｎｏｇｅｎｓ、　Ｓｐ
ｒｉｎｇｅｒ、　Ｂｅｒｌｌｎｇ、　ｐｐ　２７３−２
８５　（１９８０’）　）を使用した。

即ち、ＤＭＳＯに溶解して５０μｌとしたｅｓｃ３００
μｌと所定濃度の修飾ヘミン水溶液５０μノを混合し、
室温で１０分間反応させる。次に５００μｌのＳ　９　
ｍｉｘと１００　ａｔのＳ、ＴＡ９３株培養液を加える
。

この混合液を３７℃で２０分分間上り後、溶解した２１
１Ｌｔの軟寒天に混ぜ、０．１％グルコース寒天プレー
トに拡げる。なお、前記軟寒天には、菌をプレート上で
数回分裂させるのに必要なα１マイクロモル／２１１Ｌ
ｔ軟寒天／プレートのヒスチジンを加えておく。３７℃
で４８時間静置後、プレート上のコロニー数を復帰突然
変異株として数える。

（３）結果ＰＥＧ−ヘミン■、■のいずれで処理した場合にも、復
帰変異コロニー数は著しく減少しており、このことから
、Ｃ３Ｃの突然変異原性は著しく低下することが明らか
である。３００μ９のＣ８Ｇの変異原性のほとんどもし
くはすべてを不活性化するのく必要なイルオキシダーゼ
活性は０．０５単位で十分であった（第３図）。

紙巻きタバコ１本から前記方法によシ集められるａｓｅ
−Ｂはロングピースの場合、約８０１１ｇである。従っ
て、上記結果から紙巻きタバコ１本分のＣ３Ｃの変異原
性をほとんどあるいは完全に消失せしめるのに必要なＰ
ＥＧ−ヘミン量は１３．３単位相当量となる。

実施例２　フィルターへの応用本発明を応用した紙巻きタバコおよび紙巻きタバコ用フ
ィルターを夫々第４図および第５図に示す。第４図にお
いて、タバコ本体１のフィルタ一部２の少くとも一部が
、ＰＥＧ−へミンを表面にコーティングしたアセテート
繊維３よりなる。第５図において、パイプ型フィルタ一
本体４の吸口近傍には、ＰＥＧ−ヘミンを表面にコーテ
ィングしたポリビニルアセタール系多孔質体６が細孔付
セパレータ５及び５′の間に設けられている。

上記の例において、ＰＥＧ−へミンのフィルター素材へ
のコーティングは、精製水で希釈したり、有機溶媒で希
釈したＰＥＧ−へミン液にフィルター素材を含浸させた
り、ＰＥＧ−ヘミン液をフィルター素材に噴霧コーティ
ング処理することによって実施した。

なお、フィルター素材としては、上記のアセテート繊維
やポリビニルアセタール系多孔質体の代りに、含水性１
通気性をもった他の素材、例えば、セルロース、脱脂綿
、デキストリン、パルプ、活性炭等を利用してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例１１■）で調製したヘミン修飾物（Ｐ
ＥＧ−ヘミン■）の吸収スペクトル図であり、第２図は
、同じ（ＰＥＧ−ヘミン■の吸収スペクトル図であり。第３図はへミン修飾物（ＰＥＧ−ヘミン）によるＣ３Ｃ
中の突然変異原の不活性化作用を示すグラフであり、第４図は本発明を紙巻きタバコに応用した例を示す一部
切り欠き正面図であり、第５図は本発明を紙巻きタバコ用フィルターに応用した
例を示す一部切り欠き正面図である。図中、１・・・紙巻きタバコ本体２・・・フィルタ一部３・・・ＰＥＧ−ヘミンを表面にコーティングしたアセ
テート繊維４・・・パイプ型フィルタ一本体５．５′・・・細孔付きセパレータ特許出願人　サン）　ＩＪ−株式会社（外１名）（外５名）第１図浅すし　　（ｎｍ）第２図浪　ｔ　　　（ｎｍ）第３図０　　　　　　　　　　　　０、０５　　　　　　　　
　　　０．　ＩＰＥＧ−へ≧ン・イ１し；ｌｔ矢シター
−ヒ゛単イｉ／ブレート第４図第５図

Claims

【特許請求の範囲】

（１）タバコ煙粒子相に、ペルオキシダーゼ活性を有す
る両親媒性ヘミン修飾物を接触せしめることを特徴とす
る、該煙粒子相中の突然変異原の不活性化方法。
（２）両親媒性ヘミン修飾物が、ヘミンの二つのカルボ
ン酸残基にポリエチレングリコール、ポリアミノ酸類、
ポリ（マレイン酸）−スチレンオリゴマー、ポリビニル
アルコール、などの高分子両親媒性残基を付加せしめた
ものである特許請求の範囲第１項記載の不活性化方法。
（３）両親媒性ヘミン修飾物をフィルター内に含有して
なる、タバコ煙粒子相中の突然変異原を不活性化するた
めの、タバコ用フィルター。