JPS6360768B2 - - Google Patents

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JPS6360768B2
JPS6360768B2 JP55178226A JP17822680A JPS6360768B2 JP S6360768 B2 JPS6360768 B2 JP S6360768B2 JP 55178226 A JP55178226 A JP 55178226A JP 17822680 A JP17822680 A JP 17822680A JP S6360768 B2 JPS6360768 B2 JP S6360768B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はスチレンとブタジエンを原料とし、ス
チレン含有率およびブタジエン部のビニル結合含
有率の異る二つの共重合体ブロツク部を有するス
チレン―ブタジエンブロツク共重合体に関する。 最近、自動車の低燃費性の要求と走行安全性の
要求から、自動車タイヤトレツド用ゴムとして転
がり摩擦抵抗が小さくウエツトスキツド抵抗の大
きいゴム材料が強く望まれるようになつて来た。
しかしこれらの特性は相反するものであり、さら
にこれらの特性と摩耗特性を同時に満足するとな
ると単一ゴムでは不可能である。そこでこれらの
特性の調和を図るため異種ゴムのブレンド組成物
が用いられて来た。例えば自動車用タイヤトレツ
ドゴムとしてはウエツトスキツド抵抗の比較的大
きい結合スチレンが10〜30重量%でビニル結合が
20%以下のスチレン―ブタジエン共重合ゴムと、
転がり抵抗が小さく耐摩耗性の良いビニル結合が
20%以下のポリブタジエンゴムとのブレンド組成
物が用いられて来た。しかしこのブレンド組成物
では特にウエツトスキツド抵抗性の面で不十分で
ある。 近年ウエツトスキツド抵抗性、転がり摩擦抵抗
性の改良を図るべく、主として有機リチウム開始
剤を用いて得られるSBR(スチレンブタジエンゴ
ム)、BR(ブタジエンゴム)の改質が試みられて
いる。最近ビニル結合の多いBRを含むゴム組成
物(英国特許第1166832号)が上記目的に合致す
るものとして提案されている。ビニル結合の多い
BRはウエツトスキツド抵抗性と転がり摩擦抵抗
性のバランスを取る上で優れているが、破壊特
性、摩耗特性が著しく劣つているため、単独で使
用するのは困難である。破壊特性、摩耗特性を改
良するために、NR(天然ゴム)、高シスBR、乳
化重合SBRなどのジエンゴムとのブレンド組成
物が提案されている。しかしNRまたは高シス
BRとのブレンド組成物ではウエツトスキツド抵
抗性と破壊特性、摩耗特性のバランスに劣り、
SBRとのブレンド組成物では転がり摩擦抵抗性
に劣るといつた欠点があつた。 また特開昭54―62248では結合スチレン含有率
が20〜40重量%でブタジエン部のビニル結合含有
率が比較的高いランダムSBRを用いることによ
りウエツトスキツド抵抗性と転がり摩擦抵抗性の
改良が試みられている。従来の乳化重合SBR、
有機リチウム開始剤により得られたSBRに比べ
確かにウエツトスキツド抵抗性、転がり摩擦抵抗
性、摩耗特性などのバランスは良くなつている
が、実用に供するには未だ不満足であり、他のジ
エンゴムとブレンドして使用せざるを得ない。し
かしどのゴムとのブレンド系においても高ビニル
BR同様ウエツトスキツド抵抗性、転がり摩擦抵
抗性、破壊特性、摩耗特性のバランスが不満足で
ある。 以上のように、SBRのビニル結合含有率を高
くすることにより比較的良好な物性のバランスが
得られるということ、およびポリマーブレンドに
おいてブレンドするポリマーの特性を活かしきれ
ていないという知見に基ずき、本発明者らは有機
リチウム開始剤を用いたSBRの物性改良に鋭意
努力した結果、ムーニー粘度が10〜150、ブタジ
エン部の平均ビニル結合含有率が30〜70%で結合
スチレン含有率の異なる2種類の特定のランダム
共重合体のブロツクからなるスチレン―ブタジエ
ンブロツク共重合体が、ウエツトスキツド抵抗
性、転がり摩擦抵抗性および破壊特性、摩耗特性
にも優れており、さらに従来より有機リチウム開
始剤を用いて得られたSBRの欠点とされていた
加工性、コールドフロー性をも改良できることを
見いだした。 すなわち本発明はスチレンと1,3ブタジエン
を共重合して得られる共重合体ブロツク(A)と共重
合体ブロツク(B)からなり、ブロツク(A)とブロツク
(B)は、AB,ABA又はBABの配置をもち、ブロ
ツクAおよびブロツクBは共に下式(),()
と()とからなり、 (―CH2―CH=CH―CH2)―o ……() 〔ここでl、nおよびmは整数〕 ブロツク(A)は成分()10〜50重量%、成分
()+()90〜50重量%からなり、
成分()/成分()+成分()(ビニル結合割合
)が25 〜50%であり、ブロツクBは成分()1〜30重
量部、成分()+()99〜70重量部からなり
成分()/成分()+成分()は60%以上であり
、ブロ ツク(A)の分率が10〜90重量%、ブロツク(B)の分率
が90〜10重量%であり、かつ全結合ブタジエンの
全ビニル構造が30〜70%、全結合スチレン含量が
10〜40%、ムーニー粘度が10〜150であるスチレ
ン―ブタジエンブロツク共重合体を提供すること
にある。 本発明により得られたスチレン―ブタジエンブ
ロツク共重合体は、従来のSBRに比較してウエ
ツトスキツド抵抗性、転がり摩擦抵抗性、破壊特
性、摩耗特性に優れ、さらに加工性をも改良され
ていることに特徴がある。 本発明のスチレン―ブタジエンブロツク共重合
体の優れた物性は、(A)−(B)という異つた特性を持
ち、異つたソリユビリテイー・パラメメーター
(Solubility Parameter)を持つた二つのブロツ
ク部が、驚くべきことに加硫工程を通じて相溶化
されるという特異現象を見出したことから成立つ
ている。 すなわち本発明のブロツクポリマーは、生ゴム
の状態では各ブロツク部に対応した複数のガラス
転移点を示すが、加硫後の単一となつており、動
力学的測定法による温度―tanδ分散曲線も単一な
ピークで極めてブロードなものとなつている。各
ブロツク部(A)(B)を単純にブレンドした組成物では
単一なガラス転移点を示すまで相溶化されないた
め、特に破壊特性などで劣り、上記ブロツクポリ
マーの物性を発現することはできない。 本願ブロツク共重合体の各ブロツク部のビニル
結合含有率は、ブロツク(A)が25〜50%で好ましく
は25〜45%、ブロツク(B)が60%以上で好ましくは
70%以上であり、少なくともどちらか一つのブロ
ツクに少なくとも20%のビニル結合含有率の分布
巾を有していることが好ましい。ビニル結合含有
率の分布巾を持たせることで、分布巾を持たない
ものよりも破壊特性がさらに改良され、ウエツト
スキツド抵抗性と転がり摩擦抵抗のバランスが良
好となる。 なお、ここでいうビニル結合含有率の分布巾と
は、一つの分子鎖に沿つてビニル結合が変化して
いることをいい、例えば特願昭55―53945で示す
ように有機リチウム開始剤とルイス塩基(エーテ
ル、アミンなど)を組合せた触媒でスチレンとブ
タジエンを共重合させるときに、重合開始時と重
合終了時の温度差を持たせることでビニル結合含
有率を変化させることができる。共重合体ブロツ
ク(A)のビニル結合含有率が50%を超えると破壊特
性、転がり摩擦抵抗性が劣り、ビニル結合含有率
が25%より低いと破壊特性、ウエツトスキツド抵
抗性転がり摩擦抵抗性の良好なバランスを取るの
が困難となつて来る。また共重合体ブロツク(B)の
ビニル結合含有率が60%より低いとウエツトスキ
ツド抵抗性と他の特性とのバランスを取るのが難
しい。 本願ブロツク共重合体の各ブロツク部の結合ス
チレンの含有率は共重合体ブロツク(A)が10〜50重
量%好ましくは15〜40重量%、共重合体ブロツク
(B)が1〜30重量%好ましくは5〜20重量%の範囲
にある。共重合体ブロツク(A)の結合スチレンが10
重量%未満では破壊特性が低く、また50重量%を
越えると転がり摩擦抵抗性が劣るといつた欠点が
ある。また共重合体ブロツク(B)の結合スチレン含
有量に関しても共重合体ブロツク(A)と同様の傾向
を有する。 共重合体ブロツク(A)と共重合体ブロツク(B)の重
量比率は1対9〜9対1の範囲にある。共重合体
ブロツク(A)または(B)が2個以上のブロツク例えば
A―B―A、B―A―Bのようなタイプであつて
も本発明の限定範囲であれば優れた物性が得られ
る。 本発明のスチレン―ブタジエンブロツク共重合
体の製造には、共重合体ブロツク(A)または共重合
体ブロツク(B)を重合し、しかる後に他の共重合体
ブロツクを重合するといつた方法が取られる。共
重合体ブロツク部のビニル結合含有率は各共重合
体ブロツク部の重合を行うときのミクロ構造コン
トロール剤の量、あるいはミクロ構造コントロー
ル剤の量を変えないで平均の重合温度を変化させ
ることにより変えることができる。また結合スチ
レン含有量はスチレンとブタジエンのモノマー仕
込み比により変えることができる。 重合を行う際の開始剤として有機リチウム化合
物が、ブタジエン部のビニル結合のコントロール
剤として各種のエーテル、アミンが、またスチレ
ンのランダム化剤として各種のエーテル、アミ
ン、―SO3M又は―SO3M基(MはNa,K,Rb,
Csを示す)を持つアニオン界面活性剤が使用さ
れる。 有機リチウム開始剤としては、メチルリチウ
ム、エチルリチウム、n―ブチルリチウム、sec
―ブチルリチウム、tert―ブチルリチウム、フエ
ニルリチウム、テトラメチレンジリチウム、ペン
タメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウム
などを用いることができる。 ミクロ構造コントロール剤としては、エーテル
化合物、第3級アミンのうちの1種またはそれ以
上を組み合せて使用することができる。エーテル
化合物、第3級アミンとしては、エチルエーテ
ル、チオエーテル、アミルエーテル、オクチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、トリエチルアミン、N,
N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン、
トリエチレンジアミン、N―メチルモルホリンな
どが使用される。以上の化合物はスチレンのラン
ダム化剤の役目も兼ねている。 上記のエーテル、アミン類以外のランダム化剤
として―SO3M、―OSO3M基(MはNa,K,
Rb,Csを示す)を持つたアニオン界面活性剤を
使用することができる。例えば、特公昭54―
44315で示されるアルキルアリールスルホン酸塩、
アミド結合スルホン酸塩、エステル結合スルホン
酸塩、エステル結合硫酸エステル塩などがある。
重合溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタンなどが
使用される。 重合温度はブタジエン部のビニル結合を決定す
る上で重要である。有機リチウム化合物/エーテ
ル、またはアミン類の開始剤を用いた重合におい
て、ビニル結合は重合温度に影響され、低温で高
く、高温で低い含有率を示す。通常0℃〜150℃
の範囲で重合は実施され、ブロツク部にビニル結
合含有率の分布巾ができるように重合温度巾を持
たせることが好ましい。 本発明により得られたスチレン―ブタジエンブ
ロツク共重合体は、従来までのSBR(主として有
機リチウム開始剤を用いて得られたSBR)に比
較してウエツトスキツド抵抗性転がり摩擦抵抗性
および破壊特性、摩耗特性が改良され、さらには
加工性、コールドフロー性をも改良された極めて
優れた共重合ゴムである。 上記の特性を生かして単独、他のゴムとブレン
ドした配合物にすることによりタイヤ、工業用品
用途に使用できる。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこ
れら実施例によつて制限されるものではない。な
おウエツトスキツド抵抗性の指標としてスキツド
テスターによるウエツトスキツド抵抗性を用い、
転がり摩擦抵抗性の指標として70℃での反撥弾
性、グツドリツチフレクソメーターによる発熱温
度を用いた。 実施例1〜10、比較例1〜10 5反応器に窒素雰囲気下でシクロヘキサン/
n―ヘキサン(90/10wt比)を2500g、スチレ
ン、ブタジエン、テトラヒドロフラン、ドデシル
ベンゼンスルホン酸カリウムを所定量仕込み、重
合開始剤としてn―ブチルリチウムを用いて表―
1の共重合体ブロツク(A)の重合条件の温度範囲で
等温、または断熱下で重合を行なつた。(比較例
8〜10はランダムタイプSBRで以下共重合体ブ
ロツク(B)の重合は行なわない。)重合転化率が95
〜100%に達したのち、さらに所定量のブタジエ
ン、スチレン、およびジエチレングリコールジメ
チルエーテルを仕込み、共重合体ブロツク(B)の重
合条件の温度範囲で重合を実施した。重合が終了
後、重合体100重量部に対して0.7重量部の2,6
―ジターシヤリーブチル―P―クレゾールを添加
したのち、スチームストリツピングにより溶媒を
除去し、100℃ロールで乾燥して重合体を得た。
重合体の性質は第2表に示した。なお重合体中の
ブタジエン部分のミクロ構造はD.Moreroの方法
により求め、共重合体のスチレン含有率は699cm
-1の吸光度を用いた検量線から求めた。第1図に
実施例1の共重合体ブロツク(B)の重合条件下での
重合温度とミクロ構造の関係を示す。共重合体ブ
ロツク(B)の重合温度が35℃〜80℃の範囲の断熱下
での重合ではほぼ25%のビニル結合の分布巾を生
ずる。 得られた重合体は表―3に示す配合に従つてイ
ンターナルミキサーとロールにより混合、配合し
145℃30分加硫を行なつた。 加硫物の物質を表―4に示す。 実施例1のスチレン―ブタジエンブロツク共重
合体はほぼ同一のビニル結合、結合スチレンを持
つ比較例8のランダムSBRに比べてウエツトス
キツド抵抗性、引張強さ、反撥弾性、耐摩耗性に
優れ、さらに配合ゴムのロール巻き付き性におい
ても良好である。実施例2〜10についても上記物
性に優れている。 比較例1,3,5は実施例1に比べてウエツト
スキツド性に劣り、比較例2,4,6は発熱性、
耐摩耗性に於いて劣つている。比較例7は反撥弾
性、発熱性に於いて劣つている。ビニルの分布巾
を持たせた実施例1は分布巾を持たない実施例7
より引張強さ、ウエツトスキツド抵抗性に優れて
いる。また比較例9/比較例10(1/1)ブレン
ドで示したとうり単純なブレンド系では本発明ブ
ロツク共重合体の物性を発現することは困難であ
る。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 11 実施例1と同様にして得られたポリマー溶液
に、ポリマー100重量部に対してナフテン系オイ
ル10重量部を加え混合し、実施例1と同様にして
脱溶、乾燥を行なつた。得られた油展ゴムのムー
ニー粘度(ML1+4,100℃)は32であつた。芳香族
プロセス油を用いないこと以外は表―3と同一の
配合処方を用いて混練りし、加硫後物性評価を行
なつた。 評価結果を表―5に示す。 比較例 11 比較例8と同様にして得られたポリマー溶液
に、ポリマー100重量部に対してナフテン系オイ
ル10重量部を加えて混合し、比較例8と同様にし
て脱溶、乾燥を行なつた。得られた油展ゴムのム
ーニー粘度(ML1+4,100℃)は34であつた。芳香
族プロセス油を用いないこと以外は表―3と同様
の配合処方を用いて混練りし、加硫後物性を評価
した。 評価結果を表―5に示す。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の共重合体ブロツク(B)の重
合条件における、重合温度とビニール含有率との
関係を示す図表である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 スチレンと1,3ブタジエンを共重合して得
    られる共重合体ブロツク(A)と共重合体ブロツク(B)
    からなり、ブロツク(A)とブロツク(B)は、AB,
    ABA又はBABの配置をもち、 ブロツクAおよびブロツクBは共に下式(),
    ()と()からなり、 (―CH2―CH=CH―CH2)―o ……() 〔ここでl、nおよびmは整数〕 ブロツク(A)は成分()10〜50重量%、成分
    ()+()90〜50重量%からなり、
    成分()/成分()+成分()(ビニル結合割合
    )が25 〜50%であり、ブロツクBは成分()1〜30重
    量部、成分()+()99〜70重量部からなり
    成分()/成分()+成分()は60%以上であり
    、 ブロツク(A)の分率が10〜90重量%、ブロツク(B)
    の分率が90〜10重量%であり、かつ全結合ブタジ
    エンの全ビニル構造が30〜70%、全結合スチレン
    含量が10〜40%、ムーニー粘度が10〜150である
    スチレン―ブタジエンブロツク共重合体。 2 少なくとも一つの共重合体ブロツクに少なく
    とも20%のビニル結合含有率の分布巾を有する特
    許請求の範囲第1項記載のスチレン―ブタジエン
    ブロツク共重合体。
JP17822680A 1980-12-17 1980-12-17 Styrene/butadiene block copolymer Granted JPS57102912A (en)

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