JPS6357317B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 本発明は個別分離型電気部品用パツケージに関
するものである。

この種の電気部品は従来、特に例えば脆弱なフ
エライト製カツプコアなどのセラミツク部品を取
扱う場合、個々に、または対にして、あるいはば
らばらに、手作業で発泡スチロール製容器の中に
収められている。この容器はパツケージユニツト
として積層され、段ボール紙端板で蓋をされ、粘
着テープで互いに接合される。

このパツケージ方式では幾多の困難が生ずる。
包装密度が小さくて、空のパツケージおよび中身
を詰めたパツケージのために広い倉庫が必要とさ
れるのみならず、倉庫のために多額の保険費用も
かかる。それは発泡スチロールの火災の危険性が
高いからである。さらにまた、かかるパツケージ
方式の場合、パツケージを極少量（パツクさされ
た個々の部分、ユニツト、または対）用のものに
分害すると、包装コストが高くなり、包装の品質
も低下するおそれがある。

発泡スチロール容器への部品のガイドおよび詰
込みを機械化し、自動化することはやはりコスト
が高くなるので、実用的でない。

〔公知技術とその欠点〕

これらの問題を解決するために、すでにいくつ
かの公知のパツケージが提案されている。

「新包装技術便覧」、日本包装技術協会編、
1971年12月20日、第1134ページには、貯蔵ロール
から巻回供給されるプラスチツクフオイルを使用
したパツケージ機械が示されており、これにおい
ては、プラスチツクフオイルは第１工程で収納室
を形成するために深絞りされ、収納室への充填後
連続的に粘着層を備えているフオイルによつて被
われる。

このパツケージの基本的な欠点は、粘着された
フオイルの引きはがし性が悪く、特に収納物であ
る電子部品の取り出しを阻害するフオイル残片が
生じることである。自動挿入機械にこのパツケー
ジを取り入れた場合、このフオイル残片は特に重
大な影響を及ぼす。またこのパツケージには引き
はがしを可能にするつまみ片のようなものが欠け
ている。

実開昭54−153537号公報には、深絞りされた収
納室をもつ帯状のプラスチツクフオイル、プラス
チツクフオイル上に全面的に接着ないし溶着され
たアルミニウムフオイル、およびこのアルミニウ
ムフオイル上に設けられた収納室においてのみ条
帯状に接着され残りの領域においてはルーズにさ
れているフイルムを備えたパツケージが示されて
いる。

この公知のパツケージにおいては、いわゆる引
きはがし用つまみ片としてフイルムの接着されて
いない部分を操作する際、アルミニウムフオイル
に接着された条帯ではなく、アルミニウムフオイ
ルと条帯の間の相当堅固な接着結合のため、接着
されていない部分のみが引きはがされる恐れがあ
る。少なくとも、接着された条帯の一部のみが引
きはがされ、その結果やはり部品の取り出しを阻
害する条帯の残片が生じる恐れがある。

この公知のパツケージにおいて、この望ましく
ない効果が生ずる可能性は大きい。アルミニウム
フオイルは通常プラスチツクフオイル上に溶着さ
れ、したがつてこれと強固に結合される。付加的
に条帯は接着力の大きな接着剤によつてこのアル
ミニウムフオイル上に接着されねばならない。

しかし、一方においてアルミニウムフオイルお
よびプラスチツクフオイル間の、また他方におい
て条帯およびアルミニウムフオイル間の極めて強
固な結合は、接着されていない条帯部分に大きな
力を施した場合のみ収納室の引きはがしが可能で
あることを意味する。しかしながら、これには結
局、アルミニウムフオイルに接着された条帯が引
きはがされるのが望ましいのに拘らず、接着され
ていない部分のみがアルミニウムフオイルととも
に引きはがされる危険が伴う。

また、米国特許第3630346号明細書には、深絞
りされた収納室を備えたプラスチツクフオイルを
もつ包装が示されており、その際収納室は分離さ
れたカバーフオイルによりそれぞれ封止されてい
る。

この収納範囲のみに限定されたカバーフオイル
は、必然的に引きはがし片の全長の増大をもたら
し、したがつて引きはがし片が不充分に形成され
ている場合には粘着フオイルを含めたカバーフオ
イルの不完全な引きはがしをもたらす恐れが強
い。その結果、自動挿入機械において全自動取り
出しをする際、カバーフオイルの不充分な引きは
がしに基因する障害が生ずる。

この公知のパツケージにおいて備えられた引き
はがし片は、付加的にパツケージ長手方向に対し
て垂直にのみ操作されしたがつてパツケージの全
自動開封を阻げまたは少なくとも相当複雑な開封
機構を要求する分離した要素として構成されてい
る。

上記の公知のすべてのパツケージは、自動挿入
機械におけるこのパツケージの採用を阻げる次の
２つの欠点を共通にもつている。

収納室を封止しているフオイルの不充分な引
きはがし性 例えば引きはがし用つまみ片形状の引きはが
し手段を欠いていること、かかる手段が存在し
ても不充分でかつ自動挿入機械の導入を阻げる
形状であること。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、これらの公知技術の欠点の
ない、収納室を封止しているフオイルを良好に引
きはがすことが可能なパツケージを提供すること
にある。

〔発明の構成〕

この目的は、 ａ） 粘着層が収納室の端部および複数列の収納
室を有する場合にあつては収納室の間をパツケ
ージ長手方向に通る側端帯状部および中央帯状
部に沿つて露出しており、粘着フオイルの該側
端帯状部および中央帯状部間の範囲すなわち収
納室範囲はカバーフオイルにより完全に被われ
ており、 ｂ） 該カバーフオイルにより被われた範囲にお
いて突出する引きはがし用つまみ片を有し、こ
れによつて粘着フオイルが収納室を備えたプラ
スチツクフオイルから引きはがされ得ることに
よつて達成される。

〔発明の利点〕

前記ａ）によつて、粘着フオイルの引きはがし
の際、もつぱら側端帯状部ないし中央帯状部がプ
ラスチツクフオイル上にくつついて残り、収納室
は完全に開放され、すなわち収納室から部品の取
り出しを阻げる残片は生じない利点がもたらされ
る。また前記ｂ）によつて引きはがし用つまみ片
には、特にパツケージの搬送長手方向に複雑でな
い適当な引きはがし手段を与える。

〔実施例〕

次に図面に示す実施例を参照して本発明をさら
に詳細に説明する。

第１図には本発明によるパツケージの縦断面が
示されている。この実施例の場合、このパツケー
ジの中には２列に並べた電気部品、例えば一対の
フエライト製カツプコアが収納される。このパツ
ケージは収納室２，３を形成した、予め成形処理
された一体のプラスチツクフオイル１を備えてい
る。収納室２，３の中には電気部品４，５（第１
図の実施例の場合はフエライト製カツプコア）が
収納される。収納室２，３は一体の粘着フオイル
によつて封止される。この粘着フオイルはペーパ
ーフオイル６から成つており、その上に粘着剤層
７が設けられている。粘着剤層７はペーパフオイ
ルとプラスチツクフオイル１とを付着させるもの
である。収納室２，３の領域では粘着剤層７にカ
バーフオイル８が被されている。カバーフオイル
８は例えばシリコンペーパによつて形成される。
カバーフオイル８は電気部品を粘着から保護する
効果を示す。収納室２，３にはダンパリブ９，１
０が設けられている。このダンパリブ９，１０に
よつて機械的シヨツクや押圧力から電気部品４，
５が保護される。

第２図には本発明によるパツケージが平面図で
示されている。

第２図からは、プラスチツクフオイル１に収納
室２，３が設けられ、その中に電気部品４，５が
収納されている状況を認めることができる。収納
室２，３にはダンパリブ９，１０が設けられてい
る。

両側端の鎖線で示した帯状部１１，１２および
中央の帯状部１３の所では図では見えない粘着フ
オイルからカバーフオイルが剥がされており、そ
の帯状部でペーパフオイルとプラスチツクフオイ
ル１との粘着が行われている。

このパツケージには引きはがし用つまみ片１
４，１５が設けられている。このつまみ片１４，
１５はパツケージの引きはがしを容易にするため
に設けられているものである。

自動包装作業は、例えば、まず加熱されたシー
ト状のプラスチツクフオイル１（例えばPVCま
たはポリスチロール製）に圧縮空気により、ダン
パリブ９，１０を有する収納室２，３を形成する
ことから始まる。電気部品４，５を挿入した後、
粘着剤層７を設けたペーパ粘着フオイル６により
プレスローラを用いて収納室２，３が封止され
る。

そのためには例えば、一体のペーパ粘着フオイ
ル６が用いられ、その粘着剤層７はカバーフオイ
ル（例えばシリコンペーパ製）によつて被われて
いる。次いでカバーフオイルの粘着すべき面の領
域内に、すなわち第２図の側端帯状部１１，１２
および中央帯状部１３に、切り取り縁が設けら
れ、収納室２，３の封止の直前にこの個所のカバ
ーフオイルが引きはがされる。

パツケージの開放のためには引きはがし用つま
み片１４，１５をつかんでペーパ封止フオイルが
引つ張られ、プラスチツクフオイルから引きはが
される。粘着剤層を側端帯状部１１，１２および
中央帯状部１３の領域内にのみ設けることによ
り、余分な粘着剤層にじやまされることなく、パ
ツケージを容易かつ迅速に開放することができる
ことになる。カバーフオイル８は、この工程で引
きはがしフオイルとして役立つ。

収納室２，３を錐台状に形成することによつ
て、電気部品４，５をパツケージ開放後に収納室
２，３から容易に引き出すことができるという利
点が生ずる。

個々のパツケージ部分は例えば第２図に示され
ている実施例の場合、任意の量に切断することが
できる。切断する時は、引きはがし用つまみ片１
４，１５が形成されるように行い、より大きな容
器、例えばカートン内にさらに詰め込めばよい。
水平方向にも垂直方向にもシヨツクストレスおよ
び押圧ストレスを受け止めるので、高品質の包装
を達成できるという利点がある。このことは、
個々の収納室が互いに分離して配置され、ダンパ
リブを備えていることによるものである。

パツケージ材料としてもつぱら薄いシート状の
フオイルを用いることにより、高い包装密度が保
証される。したがつて、完成されたパツケージを
保管するのにわずかな空間しか必要としない。

さらにプラスチツクフオイルの保管時の保険コ
ストも発泡スチロール包装の場合より安くなる。

本発明のパツケージによれば、包装品質を落と
すことなく、しかも大きな包装コストをかけるこ
となく、パツケージを極少量に分割することがで
きる。

自明のごとく本発明は図に示された実施例に限
定されるものではなく、電気部品を一列に包装す
ることもできる。その場合カバーフオイルには両
側端に２列の切れ目を作つておき、カバーフオイ
ルの側端で２枚のフオイルを引きはがすようにす
ればよい。そして露出された２列の粘着剤層によ
り封止フオイルとプラスチツクフオイルとが接合
される。

もちろん他方では２列、３列あるいはそれ以上
の電気部品を並べて包装することもできる。その
場合は列数に応じた切れ目をカバーフオイルに設
けておけばよい。

パツケージ用の原材料は巻付けられた薄いフオ
イルの形で提供されるので、処理前の保管のため
に特にわずかな空間しか必要としない。

電気部品を１列、２列またはそれ以上の列に包
装し、かつ滑らかな表面構造のフオイルを用いる
ので、電気部品を全自動で導いて収納室に挿入す
ることができる。収納室は包装すべき電気部品の
大きさに応じてプラスチツクフオイルに形成され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明によるパツケージ
の一実施例を示すもので、第１図は第２図の―
線から見た断面側面図、第２図は平面図であ
る。 １…プラスチツクフオイル、２，３…収納室、
４，５…電気部品、６…ペーパフオイル、７…粘
着層、８…カバーフオイル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 帯状プラスチツクフオイル１の列に配列され
   た予め成形された収納室２，３に収容されている
   電気部品４，５のためのパツケージであつて、プ
   ラスチツクフオイル１は該プラスチツクフオイル
   に対向する側において粘着層７を有する粘着フオ
   イル６によつて被われており、粘着層７は収納室
   の端部および複数列の収納室を有する場合にあつ
   ては収納室の間をパツケージ長手方向に通る側端
   帯状部および中央帯状部１１，１２，１３に沿つ
   て露出しており、粘着層７の該側端帯状部および
   中央帯状部間の範囲はカバーフオイル８により完
   全に被われるようになつたパツケージにおいて、
   該カバーフオイルにより被われた範囲において突
   出する引きはがし用つまみ片１４，１５を有し、
   これによつて粘着フオイルをプラスチツクフオイ
   ル１から引きはがすことができ、錐台形のプラス
   チツクフオイル１の収納室２，３にダンパリブ
   ９，１０が形成されていることを特徴とする個別
   分離型電気部品用パツケージ。 ２ プラスチツクフオイル１はPVCから成つて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   のパツケージ。 ３ 粘着フオイルは粘着剤層７を有するペーパフ
   オイル６から成つていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項または第２項記載のパツケージ。