JPS6353428B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は混合弁に関し、更に詳細には温水又は
冷水入口ポートのうち高圧側の入口ポートに制限
された水通路を設け、これによつて弁を通る水の
温度を調整して所謂快適領域において大きい弁制
御量をもたらすことができる混合弁に関する。

従来から温水と冷水とを混合する混合弁におい
て温水又は冷水入口ポートに制限領域を設けるこ
とが行なわれており、実公昭52−50422号公報及
び特開昭50−85925号公報に開示されたものがそ
の例である。然しながら、これらの従来例にあつ
ては、前記制限領域は弁部材又は補助部材に形成
されており、そのために弁の構造が複雑になり、
外形が大きくなり、コストが高くなるという欠点
があつた。

本発明の主な目的は好適には温水圧より実質的
に大きい冷水圧を有する領域に用いることができ
（但し、温水圧が冷水圧よりも大きい領域に用い
ることも可能）、且つ弁が弁取扱いのための大き
い快適領域を有するように水温調整手段が設けら
れた混合弁を提供することにある。

本発明の他の目的は好適には冷水ポートが通過
する水の体積を制限して（但し温水ポートが通過
する水の体積を制限することも可能）、温水及び
冷水が人体に快適感をもたらす温度に混合される
領域において大きい弁作動をもたらす上述の混合
弁を提供することにある。

本発明の他の目的は弁を閉鎖するポートシール
が開口を有し、冷水開口が温水開口よりも小さく
（温水開口が冷水開口より小さくても良い）、且つ
冷水開口又は温水開口に進入する制限された寸法
の通路が設けられ、これにより冷水圧が温水圧よ
りも実質的に高い領域（温水圧が冷水圧よりも実
質的に高い領域でも良い）に弁を用いることがで
きるように温度調整を行なう上述の混合弁を提供
することにある。

本発明は弁部材の作動が弁を通る水の温度と体
積とを制御する混合弁である。この弁は特に台所
やトイレの蛇口及びシヤワーや管の弁等に共通し
て用いることができる。特に、本発明は冷水供給
が温水供給より実質的に高い圧力を有する部分に
用いることができる弁に適している。例えば、冷
水圧力が温水供給の圧力の12倍以上であるような
部分に用いられることは知られていない。最も一
般的な圧力差は８対１の比率であるが、このよう
な圧力差は、シヤワーを満足に用いることができ
る所謂快適領域において使用者が十分な弁制御量
をもつことを困難にする。

混合弁、特にシヤワーにおいて、使用者が快適
領域（通常90〜106〓（32℃〜41℃））で十分な弁
制御量をもち得、この結果水温の調整が困難でな
いようにすることは極めて利益がある。

本発明は弁を通る冷水又は温水を制限し且つ弁
が完全温水位置から温水と冷水との混合位置に向
つて移動するとき弁の中に入る冷水又は温水の進
入を制御することによつて温水と冷水との間に実
質的な圧力差がある部分に用いることができる弁
構造を提供することにある。更に、弁は温水及び
冷水入口ポート間の流れを防止する構造を提供す
る。この流れは冷水圧が温水圧より高い部分では
重要な問題である。

本発明は固定のスリーブ内に位置決められた往
復動及び回転可能な弁部材即ちステムが設けられ
た混合弁について特に述べられる。この制限水流
装置は弁閉じシールを形成するシール部材の形態
にある。詳述すると、本発明に係る混合弁はスリ
ーブと、このスリーブに設けられた温水の入口ポ
ートならびに冷水の入口ポートおよび出口ポート
と、スリーブ内に往復可能かつ回転可能に設けら
れスリーブを通る流体の温度と体積とを制御する
弁部材と、スリーブ内の温水入口ポートおよび冷
水入口ポートに弁部材とシール接触状態に位置決
められた二つのポートシールとを有し、この各ポ
ートシールは通過する水の流れを制御する開口を
有し、この開口の一方は他方の開口より小さな横
断面積を有し、一方のポートシールは開口への水
の進入を制御するために開口に向つて徐々にその
寸法が増大している制御通路を有し、さらに弁部
材内には分割手段が設けられ、この分割手段は前
記冷水ポートから前記温水ポートへの直接の水の
流れを阻止するようになつているのである。理解
すべきは、ここに述べられた原理は他の型式の弁
構造に適用でき上記の構造に限定されないことで
ある。

以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

添付図面において、スリーブが符号１０で示さ
れ、ステムが符号２０で示されている。スリーブ
は中空であり、且つ０リング溝１２，１４を有し
ている。これら０リング溝は夫々０リング１３，
１５を嵌合し、これら０リングは弁構造の両端を
シールするように用いられる。図示の弁はその移
動部品の全てが単一の自己内蔵ユニツト内にあ
り、このユニツトが通常では蛇口のハウジング内
に位置決められるようなカートリツジの形態を有
する。スリーブは夫々冷水及び温水の入口ポート
１６，１８と出口ポート２２とを備えている。

スリーブの外部は環状の肩２４，２６を有し、
これら肩はそれらの間に円周空間を形成してお
り、この空間は弁のためのポートシールを収容す
る。このポートシールにおいて、冷水ポートシー
ルが符号２８で示され温水ポートシールが符号３
０で示されている。シール構造の詳細は米国特許
第3840048号に示されている。

ステム２０はスリーブから外方に延びるシヤフ
ト部分３２を有しこのシヤフト部分は弁を取扱う
のに用いる作動ハンドルを収容する適当な平坦部
３４を備えている。

ステム２０には間隔をあけた溝３６，３８が設
けられ、これら溝は夫々シールリング３７，３９
を収容し、これらシールリングの外部はスリーブ
１０の内部とシール係合している。

ステムはアンダーカツト部４０を有し、このア
ンダーカツト部は円形の形態であり、且つステム
の長さ方向に延びていて冷水及び温水のポート１
６，１８からスリーブ出口ポート２２へ水を搬送
する手段を形成している。アンダーカツト部４０
は略その長さ方向に延びる分割構造４２によつて
温水用と冷水用との２つの通路に分割されてい
る。この分割構造は２つの翼即ち分割体から成
り、これらの夫々はアンダーカツト部４０の両端
の適当なノツチの中に位置決められている。

ステムは円筒形態のピストン部材４４を有し、
このピストン部材はアンダーカツト部４０の一部
の周りに延び且つ独立の開口４６，４８を備えて
いる。これら開口は弁がこれを通る水の体積と温
度とを制御するように用いられたときに冷水及び
温水入口ポート１６，１８と一致して配置され
る。開口４６，４８の周りの領域は内方に形成さ
れ、この結果弁部材即ちステムがポートシールに
対して移動するときポートシールのために円滑な
ベアリング面が設けられ且つポートシールが破損
や摩耗等を生ずることがない。

温水シール３０は米国特許第3840048号に示さ
れたものと実質的に同一であつて半円形のボデイ
部５０とポートシール部５２とを備え、このポー
トシール部５２の内周り５４がピストン４４とシ
ール接触している。ボデイ５０の外部に複数の外
方向に延びるビード５６が設けてあり、このビー
ドはポート１８と一致する室５８を形成しこの室
の端部が温水ポート及び室５８の中に入る水によ
つて、内方向に偏位されてシールとステムピスト
ンとの間に確実なシールを形成するようにする。
温水シール３０の開口５９は横断面が略円形であ
る。

冷水シール２８（第３図及び第８図）は水が流
れる開口の配列を除いて温水シールと同じであ
る。開口６０は温水シール３０の開口５９より実
質的に小さい横断面積を有し、例えば温水シール
の開口の寸法約50％の値にすることができる。

本発明では温水開口と冷水開口との間の任意の
特定の関係に限定されないが、温水開口の寸法に
対して冷水開口の寸法を実質的に小さくすること
が必要である。温水ポートより寸法の小さな開口
を設けることに加えて冷水シール２８のポートシ
ール部６２は開口６０に対向する側で閉じられ、
その閉じた領域に制限通路としてのＶ形ノツチ６
４が設けられている。このノツチは開口６０から
遠い部分に最小側面をなし、開口６０に向うに従
つてその開口寸法が徐々に増大するようになつて
いる。このノツチは前記閉じた領域に完全に延び
ておらず、実際にはこの閉じた領域はルーフ６５
を備えている。このノツチのルーフは、水圧の下
にノツチの側面がへこんだり又は任意に閉じる通
常の傾向をなくす。従つてこのルーフは任意の型
式の水圧の下に均一な横断面を有するノツチを維
持する。

本発明は冷水ポートの限定及び温水ポートの通
常即ち不限定シールを設けることについて述べて
きたが、これに限定されるものでない。

圧力差の問題は、通常、冷水圧が温水供給の圧
力より実質的に高いという水系統にもたらされ
る。然し、ある場合にはおそらく稀ではあるが、
温水圧が冷水供給の圧力より実質的に高くなるこ
とがある。従つて、本発明は特に温水供給である
か冷水供給であるかに拘らず高圧側の流れを減少
するシールに向けられている。

弁が組立てられ適当に蛇口構造に取付けられた
ときポートシール開口及びステム開口４６，４８
の相対移動と配置は特定の水流量比を形成する。
ステムが第７図の位置にあつて全体の流れを温水
ポートを通して行うと、冷水ポートは開口４６，
４８間のピストン４４の大きな部分４７によつて
閉じられる。ステムが冷水をシール開口６０を通
して流す位置に向つて時計回りに回転されると、
初めにこのような回転はピストン４４の開口４８
をノツチ６４の最小部と連通状態にさせる。続い
てこのステムの時計方向の回転（これは通常全温
水流から混合位置に向う）はピストンの開口４８
のノツチ６４との連通状態を徐徐に増大させる。
時計方向の続く回転は２つの開口５９，６０（第
４図参照）をピストン４４の開口４６，４８と完
全に一致させる。冷水ポートシールのノツチをピ
ストンの開口に対してこの特定の位置に置くこと
によつて先ず僅かな量の冷水を全部の温水流と共
に弁の中に通すことができる。続いてステムを回
転すると、冷水の量が増すがこれは比較的少量で
ある。これは大きい冷水圧が温水圧を超える領域
で特に重要である。従つて、所謂快適領域におい
て大きな角度でハンドル回転を行うことができ
る。事実、図示の弁によりハンドル回転の約19゜
の領域で快適領域をもたせることができ、この快
適領域は通常温水と冷水との混合領域である。

更なる利点は温水ポートが閉じられたとき（第
５図及び第６図）開口４８がポートシール開口６
０と完全に一致し、このためノツチ６４を用いる
ことなく冷水を完全に供給できるという事にあ
る。従つて、ノツチ６４は温水と冷水とが混合し
且つ使用者が全温水位置又は全冷水位置のいずれ
かから混合位置に向つて弁を移動し始めるときに
のみ用いられる。冷水ポートの開口は弁が全冷水
位置にあるとき弁ステム開口に完全に近づくこと
ができる。

温水及び冷水入口を分離するこの分割構造は、
弁が比較的高い冷水圧力の領域で用いられるとき
特に重要である。さもなければ温水圧と冷水圧と
の間の差圧によつて温水を弁の中に進入させるこ
とができない。

以上、本発明の好ましい実施例について述べた
が、本発明は上記の実施例に限定されるものでは
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は混合位置にある混合弁の側面図、第２
図は第１図の平面図、第３図は第２図の３−３線
から見た冷水シールの側面図、第４図は混合位置
で示された第２図の弁の縦断面図、第５図は冷水
開放、温水閉鎖位置で示された弁の縦断面図、第
６図は第５図の６−６線断面図、第７図は冷水閉
鎖、温水開放位置で示された第６図と同様の断面
図、第８図は第３図の冷水シールの内側を示す図
である。 〔主要部分の符号の説明〕、１０……スリーブ、
１３，１５……０リング、１６，１８……入口ポ
ート、２０……ステム、２２……出口ポート、２
８……冷水ポートシール、３０……温水ポートシ
ール、４４……ピストン部材、４６，４８……開
口、６４……ノツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ スリーブと、該スリーブに設けられた温水の
   入口ポート及び出口ポート並びに冷水の入口ポー
   ト及び出口ポートと、前記スリーブ内に往復動可
   能且つ回転可能に設けられ該スリーブを通る流体
   の温度と体積とを制御する弁部材と、前記スリー
   ブ内の温水入口ポート及び冷水入口ポートに前記
   弁部材とシール接触状態に位置決められた二つの
   ポートシールとを有し、該各ポートシールは通過
   する水の流れを制御する開口を有し、該開口の一
   方は他方の開口より小さな横断面積を有し、前記
   一方のポートシールは前記開口への水の進入を制
   御するために開口に向つて徐々にその寸法が増大
   している制限通路を有し、さらに前記弁部材内に
   は分割手段が設けられ、該分割手段は前記冷水ポ
   ートから前記温水ポートへの直接の水の流れを阻
   止するようになつていることを特徴とする混合
   弁。 ２ 前記弁部材は前記各ポートシールの開口と一
   致する状態に可動なポート領域を備え、該ポート
   領域は前記温水ポートの開口が弁部材によつて閉
   じられたときには前記冷水ポートの開口を通して
   全流れを行ない、該温水ポートが完全に開かれた
   ときには該冷水ポートシールの通路を通して制限
   された流れを行なうように配置されている特許請
   求の範囲第１項に記載の混合弁。 ３ 前記弁部材は前記ポートシールの開口と一致
   する状態に可動なポート領域を備え、前記弁部材
   は前記温水ポートシールの開口を通して全流れを
   行ない、前記冷水ポートシールの開口を通しては
   流れを行なわないように配置されており、前記弁
   部材の特定の位置において、冷水の最初の流れを
   前記制限通路を通して行なうようにするポートシ
   ールの開口を通して温水及び冷水が流れる位置に
   向つて前記弁部材が移動する特許請求の範囲第１
   項に記載の混合弁。 ４ 前記各ポートシールは前記スリーブの周りに
   円周方向に位置決められたボデイ部と、前記スリ
   ーブの温水及び冷水入口ポートを貫通して前記弁
   部材とシール係合状態に延びるポートシール部と
   を備え、前記制限通路が前記冷水ポートシールの
   ポートシール部に形成されたノツチの形態である
   特許請求の範囲第１項に記載の混合弁。 ５ 前記制限通路にルーフが設けられ、該ルーフ
   が水圧のための前記制限通路のへこみを防止する
   特許請求の範囲第１項に記載の混合弁。