JPS6353326B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は含水比の高い粘度質土からなる軟弱地
盤上に盛土を行つて仮設道路を建設する際等に用
いるシート材の円筒状袋内への砂充填方法に関す
るものである。

軟弱地盤上に良質な砂質土によつて盛土を行う
には盛土の局部的なめり込みを防止するため、第
１図に示すようなシート材１を軟弱地盤２上に敷
設しその上に盛土３を行うことが既に特開昭57―
54617号公報に示すように知られている。

前記シート材１は第２図、第３図に示すように
帆布シート４の裏面に細長い円筒状袋５を複数本
縫合せると共にその円筒状袋５を横方向に相互に
連通させる横袋状部６を一定間隔に設けたもので
あり、さらに前記円筒状袋５、横袋状部６の底面
には適宜に排水孔７が設けられている。

このシート材１の軟弱地盤上への敷設には第４
図に示すようにロール８に巻いたシート材１の端
末部から円筒状袋５及び横袋状部６に砂を充填し
て、順次シート材１を展開敷設する。

然しながら、この砂の充填作業は付近に設けた
仮設の砂溜槽の砂にポンプで水を加えサンドスラ
リーにしたものを、サンドポンプで吸い上げて行
うが、サンドスラリーの砂の濃度が平均すると10
％〜15％で行われるので多量のにごつた余剰水が
生じ、この余剰水の排出によつて環境等を損わな
いように充分な配慮を行わなければならないこと
や、円筒状袋内に局部的に砂が閉塞して以後の充
填作業に支障を来たし、作業能率が上がらない等
の問題があつた。

そこでサンドスラリー中に高分子物質からなる
粘性剤を加えてこれをサンドポンプによつて輸送
する方法が考えられる。この方法によればサンド
スラリー中の砂の沈澱が防止できるので、ある程
度高含砂率のサンドスラリーを充填できるが、し
かしこの方法によつても通常はこれまでの倍以上
例えば含砂率30％以上のサンドスラリーを充填で
きるまでには至らず、これまでの倍以上の含砂率
のサンドスラリーを充填するためには極めて大型
のサンドポンプを必要とし不経済であつた。

本発明は高濃度でサンドスラリーを充填する方
法を提供することによつて従来の問題を解決する
ものである。

本発明の軟弱地盤敷設用シート材への砂充填方
法は、シートとその裏面に接合した複数の細長い
円筒状袋をロール状に巻いて成るシート材の前記
円筒状袋の端部より円筒状袋内に粘稠剤を配合し
た水と砂の高濃度サンドスラリーをポンプで充填
するに際し前記サンドスラリーはその含砂率が30
％〜60％であり、粘稠剤を配合した水の粘度（25
℃）が30センチポイズ（cps）以上1000cps以下で
あるようにしたことを特徴とする。

以下図面によつて本発明の実施例を説明する。

本発明においては充填すべき砂に水を加えて含
砂率が30％〜60％となるようなサンドスラリーを
作り、さらに水溶性セルロースエーテル等の粘稠
剤を加えて水の粘度（25℃）が30センチポイズ
（cps）以上1000cps以下であるものとし、第５図
に示すように従来公知のミキサー９内で混練し
て、ピストン式コンクリートポンプ１０によつて
シート材１１内を圧送するようにする。

本発明ではサンドスラリー中に高分子粘稠剤を
加えることによつて、サンドスラリー中の水の粘
性が増し、その結果サンドスラリー中の砂の見掛
け上の透水係数が小さくなるので水と砂が分離せ
ず、従つて袋状部内で砂が沈澱して閉塞すること
がないので30％以上の高濃度のサンドスラリーで
も容易に充填できる。

本発明で使用する粘稠剤としては、アルキルセ
ルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カル
ボキシアルキルセルロース、混合セルロースエー
テルなどの水溶性セルロースエーテル類、天然ガ
ム、変性天然ガム類および水溶性合成高分子類等
が挙げられる。

例えばメチルセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースナト
リウム塩（CMC）、カルボキシエチルセルロース
ナトリウム塩、ヒドロキシエチルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カル
ボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、アル
ギン酸ソーダ、グアガム、ヒドロキシプロピルグ
アガム、ザンサンガム、カルボキシメチルデンプ
ン、ヒドロキシエチルデンプン、ポリビニルアル
コール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ドなどである。これらを単独でも、２種以上を混
合して用いてもよい。

粘稠剤の添加量は、粘稠剤を配合した水の粘度
が30cps以上1000cps以下となるように選べばよ
く、粘稠剤として用いる水溶性高分子の種類と重
合度によつて異なるが、通常水に対して0.05〜10
重量％程度、好ましくは0.1〜1.0重量％程度添加
すればよい。粘稠剤を配合した水の粘度が30cps
以下の場合には、最早ポンプで輸送することが困
難となり、逆に1000cps以上になるとポンプの所
要動力が大きく、また多量の粘稠剤の添加が必要
となり経済性が失われる。

本発明方法は上記の通りであるから下記のよう
な効果が得られる。

(1) サンドスラリーの中の水の脱水が防がれ、従
つて砂の沈澱現象が防止され、高濃度スラリー
の充填が可能となる。

(2) サンドスラリー中の含砂率を特に50％〜60％
としたとき充填された水は充填後の砂容積中の
空隙を満たすようになるので袋外へ余剰水とし
て出ることはない。又、この場合前記袋の排水
孔は不用である。

(3) ロール状に巻いたシート材がその端部からの
サンドスラリーの充填圧力によつて自動的に展
開敷設されるようになる。

尚、前記ピストン式コンクリートポンプとして
は例えば新潟鉄工（株）製の「ニイガタ・トムセ
ンコンクリートポンプ」（商標）や回転容積型の
一軸偏心ネジポンプ、例えばモーノポンプ（商
標）その他スネークポンプを用いても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はシート材の敷設状態説明図、第２図は
シート材の底面図、第３図は第２図のＡ―Ａ線断
面図、第４図はシート材の敷設方法説明図、第５
図はサンドスラリーの充填方法説明図である。 １…シート材、２…軟弱地盤、３…盛土、４…
帆布シート、５…円筒状袋、６…横袋状部、７…
排水孔、８…ロール、９…ミキサー、１０…コン
クリートポンプ、１１…シート材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シートとその裏面に接合した複数の細長い円
   筒状袋をロール状に巻いて成るシート材の前記円
   筒状袋の端部より円筒状袋内に粘稠剤を配合した
   水と砂の高濃度サンドスラリーをポンプで充填す
   るに際し前記サンドスラリーはその含砂率が30％
   〜60％であり、粘稠剤を配合した水の粘度（25
   ℃）が30センチポイズ（cps）以上1000cps以下で
   あるようにしたことを特徴とする軟弱地盤敷設用
   シート材への砂充填方法。 ２ 前記ポンプがピストン式コンクリートポンプ
   である特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 前記ポンプがスネークポンプである特許請求
   の範囲第１項記載の方法。