JPS63512B2 - - Google Patents

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JPS63512B2
JPS63512B2 JP56127746A JP12774681A JPS63512B2 JP S63512 B2 JPS63512 B2 JP S63512B2 JP 56127746 A JP56127746 A JP 56127746A JP 12774681 A JP12774681 A JP 12774681A JP S63512 B2 JPS63512 B2 JP S63512B2
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JP
Japan
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gasket
electrolytic cell
anode
membrane
cathode
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JP56127746A
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JPS5831089A (ja
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Toshikatsu Sada
Katsutoshi Yoshimoto
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPS5831089A publication Critical patent/JPS5831089A/ja
Publication of JPS63512B2 publication Critical patent/JPS63512B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/34Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis
    • C25B1/46Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis in diaphragm cells

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  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はイオン交換膜を用いた新規な構造の電
解槽、特にアルカリ金属塩水溶液を低い電解電圧
で電流効率よく電解するに適したイオン交換膜を
隔膜とする単極型電解槽に関する。 近年、イオン交換膜を隔膜とした所謂イオン交
換膜法電解はエネルギー消費量の少ないことか
ら、省エネルギープロセスとして注目されてい
る。特にカ性ソーダ、塩素および水素を製造する
食塩電解においては、よりエネルギー消費量の少
ないイオン交換膜法電解技術の活発な研究・開発
が進められている。 本発明者らは、上記の如き特にアルカリ金属塩
水溶液のイオン交換膜法電解に関して、省エネル
ギーの観点から電力原単位を低減すべく鋭意研究
を重ねた結果、それに好適な電解槽を完成し、本
発明を提供するに至つたものである。即ち、アル
カリ金属塩水溶液などの電解において電解電圧を
下げるためには、理論分解電圧、電極過電圧は別
にして、膜の電気抵抗、溶液抵抗および気泡抵抗
による電圧降下、また電極界面における濃度分
極、膜界面の濃度分極に基づく濃淡電位および膜
電位を抑制することが要求される。本発明はかか
る要求を容易に達成するに適した電解槽である。 本発明によれば、多孔性陽極を内蔵したガスケ
ツト構成材料からなる枠体、含ふつ素系陽イオン
交換膜および多孔性陰極を内蔵したガスケツト構
成材料からなる枠体を順次に積層した構成単位を
繰り返してなる単極型電解槽が提供される。即
ち、本発明はガスケツト構成材料からなる枠体は
通常フイルタープレス枠の間に挿着されるパツキ
ングを連想する如く、その平面の面積に比して極
めて厚さの薄いものであるから、明細書において
は以後単に“ガスケツト”と称する。即ち本発明
は、ガスケツトに内蔵された多孔性陽極、含ふつ
素系陽イオン交換膜および多孔性陰極とが積層さ
れ、該陽イオン交換膜によつて区画される陽極室
および陰極室が繰り返して構成される単極型電解
槽である。 本発明の電解槽においては、陽極室および陰極
室にそれぞれ所定の溶液を供給、排出するための
連通口および連通溝を設ける。即ち各溶液の流入
口および流出口はそれぞれ連通し、それらは陽極
室および陰極室の溶液流入通路および溶液流出通
路としての連通溝にそれぞれ接続される。したが
つて、本発明の多孔性陽極または多孔性陰極を内
蔵したガスケツトは、第1図に例示するように、
ガスケツト1の内周部に多孔性陽極2または多孔
性陰極2を内蔵したもので、該ガスケツト1には
溶液を供給、排出するために1ケ以上の連通口3
および連通溝4を有する。 本発明に用いる陽極および陰極の形状は、液
体、気体を透過する多孔体であればよく、例えば
ラス材、スパゲテイ状の網、エキスパンドメツシ
ユ、金属クロス体、海綿状体などで、できるだけ
表面積が大きく、溶液の流線を乱し、かつ該電極
で発生するガスを速やかに離脱するに適した均一
な多孔平板の形状およびある程度の可撓性表面物
性を有することが好ましい。陽極の材質としては
従来公知の陽極として使用しうるもので、炭素、
フエライト、白金などの貴金属、チタン基体に白
金をコーテイングしたもの、ニオブ、チタンの上
に酸化ルテニウム、酸化チタンをコーテイングし
たもの、或いは他のロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム、白金などの酸化物を一種以
上コーテイングしたものなどである。また、陰極
材質としては、軟鉄、ニツケル、陽極に用いたと
同様の貴金属、即ち白金、ロジウム、パラジウ
ム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、炭素
など、還元雰囲気において経時的な変化がなく、
陰極液によつて侵食されることなく且つ陰極過電
圧が可及的に低いことが望ましい。例えばアルカ
リ金属塩水溶液電解の場合、陰極過電圧が100m
V以下、50mV以下であることが望ましい。 電極の厚みは特に限定的でないが、10cm以下さ
らには1mm以下であつてもよく、経済的な観点か
ら薄いほど望ましいが、一般に0.05〜10mmであ
る。なお、電極には給電のためにリブ或いは針金
状の給電体或いは補強材を溶接してもよい。これ
の材質は耐食性があり、電気伝導性が高いことが
必要であるが、耐食性についてはポリテトラフル
オロエチレン、FEP、PFA等の含ふつ素ポリマ
ー等によつてコーテイングをして耐食性を賦与し
てもよい。 ガスケツト構成材料としては、各種耐酸化性、
耐熱性高分子、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、FEP、PFA、エチレンとテトラフルオロエ
チレンの共重合体等が好適に用いられる。また、
通常のゴム類、ポリオレフイン、ポリハロゲン化
ビニル等の炭化水素系高分子を用いる場合は、こ
の表層部、特に極液に接触する部分を耐食性のあ
る物質でコーテイングすることも行われる。或い
は表層部のみふつ素化等の処理を施してもよい。
ガスケツトに共通して言えることは、ある程度の
弾性を有すること、従つて、金属を用いた場合は
ポリテトラフルオロエチレン等のパツキンを片面
或いは両面に用いたがよい。ガスケツトの厚みは
一般に0.02〜20mmの間のものが好適に用いられ、
特に0.05〜10mmのものが好適である。また、ガス
ケツトの厚みは一般に電極の最も厚い部分の厚み
に対して同一か或いは若干薄いことが望ましい。 ガスケツトの形状は前記第1図のようにシート
フロー型の長方形の額縁状が一般であるが、また
第2図に示すようなトータスフロー型の種々の態
様も採用できる。またガスケツトの上下あるいは
左右には1ケ以上の連通口3を設けて、電極室へ
溶液の流入および電極室から溶液の流出を行う。
さらに、電極室内に溶液の分散を均一に行うため
に、ガスケツトには連通溝4を設け且つ分流板を
設けることが好ましい。連通溝の構造および分流
板の形状は、電気透析において用いられる締付型
電気透析槽で用いられる構造のものが何ら制限な
く採用される。分流板の材質としては陽極あるい
は陰極に用いられる材質と同一の金属、例えばチ
タン、ニオブなどの網、斜交体、突起を有するも
の、スポンジ体など用いられるが、耐食性のある
含ふつ素高分子体が望ましい。さらに陽イオン交
換膜の連通溝への落ち込みを防ぐため、耐食性と
同時に、長時間使用にあたつては変形を生じない
ものが望ましい。また連通口によつて極液を供給
するため、各極室に均一に液が供給される必要が
ある。即ち等流量分配を行うため、この部分にお
ける圧填がある程度存在するものが望ましい。 また多孔性電極とガスケツトは一体化されて内
蔵されていることが望ましく、耐食性のある接着
剤による接着、ガスケツトに高分子化合物を用い
るときは融着、ガスケツトが金属である場合は溶
接等によつて一体化される。 更にガスケツトには連通口が上下にあるときは
左右に、また連通口が左右にあるときは上下に供
電用のブスバーを取り出しておく必要がある。単
極式電解槽であるため、ガスケツトの上下に連通
口があるときは、第1図に示すよう、陽極用のブ
スバー5が取りつけられる給電体を例えば左側に
設け、陰極用のブスバーを取りつける給電体を右
側に取りつけるといつた形状となる。電極は従来
の電解槽に比較して薄く、且つ大電流を流すため
導体電気抵抗のできるだけ少ない状態でブスバ
ー、給電体及び電極各部位への電流の供給をする
必要がある。そのためチタンのような電気伝導性
のあまり良くないものを用いた電極では流線の偏
りを生じない範囲で適宜給電体を電極に熔接する
ことが望ましい。導体電気抵抗による電圧降下は
低いほど望ましく、30A/dm2の電流密度で運転
するとき50mV以下であることが必要である。更
に、単極式電解槽であるため、本質的に漏洩電流
は少ないが、使用される極液の種類に応じて連通
溝の長さ、形状を選定しなければならない。漏洩
電流は通常1%以下に保つように配慮する必要が
ある。 本発明の含ふつ素系陽イオン交換膜としては、
特にパーフルオロカーボン系陽イオン交換膜が好
ましく、従来公知のものが用いられる。具体的に
はパーフルオロ(3・6−ジオキサ−4−メチル
−7−オクテンスルホニルフルオライド)とテト
ラフルオロエチレンの共重合物を膜状に成型加水
分解したもの、この高分子の交換容量の違う膜状
物を接着、融着したもの、ブレンドしたもの、あ
るいは膜の一方の面に解離しうる水素原子を有す
るスルホン酸アミド基、カルボン酸基、リン酸
基、フエノール性水酸基、パーフルオロの第三級
のアルコール基などの弱酸性の陽イオン交換基の
薄層を有する所謂多層膜が好適に用いられる。ま
たパーフルオロスルホン酸基の一部を膜の片面の
み一部分解除去したもの、化学反応によつて一部
不活性化したものなども好適に用いられる。勿
論、膜全体の陽イオン交換基がパーフルオロカル
ボン酸基である公知の陽イオン交換膜は全て有効
である。また、膜の陽極側の膜面及び膜の大部分
は交換容量が大きく、陰極側に面した一部のみが
交換容量の低いカルボン酸基の膜、スルホン酸基
の膜も有効である。特に有効な陽イオン交換膜
は、膜の厚みの大部分がパーフルオロスルホン酸
基を有し、交換容量は0.6〜2.0ミリ当量/グラム
−乾燥膜(H型)であり、陰極に面する側のみ少
なくとも200Åの厚みでカルボン酸基が0.6〜2.0
ミリ当量/グラム−乾燥膜(H型)存在する二層
膜である。交換容量を高く保ち且つ機械的強度を
保つため、一部架橋構造が形成されている膜が望
ましい。また膜には不活性な布、網、編物等の補
強材が存在していてもよいが、陽極を内蔵するガ
スケツト、陰極を内蔵するガスケツトによつて膜
の両面から密着されるため、必ずしも補強材は必
要でない。補強材を用いるときは、ポリテトラフ
ルオロエチレン、FEP、PFA、テトラフルオロ
エチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体
等が耐薬品性、耐熱性の観点から好適に用いられ
る。最も望ましいのは補強材の存在しない、厚み
が0.03〜2.0mmの陽イオン交換膜である。陽イオ
ン交換膜を電解槽内に組み込む場合、膜構造が均
一なものは別として、膜断面に関してイオン交換
基の種類、分布が異方性である膜は、該膜の交換
容量を含水量で除した所謂固定イオン濃度の高い
面を陰極を内蔵するガスケツトに向けておくこと
が必要である。例えば、カルボン酸層とスルホン
酸層からなる二層膜では、カルボン酸基を有する
層を陰極側に向けて組み込むことが必要である。 本発明の電解槽は多孔性陽極を内蔵したガスケ
ツトからなる陽極室、パーフルオロカーボン陽イ
オン交換膜、〓孔性陰極を内蔵したガスケツトか
らなる陰極室、さらに陽イオン交換膜、陽極室と
いつたくり返し単位でありこれが使用目的によつ
ても異なるが、2単位以上、100単位、場合によ
つては1000単位でも工業的には実施できる。装置
の安定操業及び規模の点からその単位は適宜選択
され、制限はない。単極式電解槽の端末は陽極側
は陽極液に耐食性のある材質の隔壁で、陰極側は
陰極液に対して耐食性のある材質によつて押え、
一つの単極型電槽を構成することができる。この
単極式電解槽は油圧式プレスによつて両端よりプ
レスし運転することができるが、取扱いの便宜上
から5単位或いは10単位を一組として、ボルト等
で締め付け小単位として、これを多数組積層して
電解槽としてもよい。 本発明の電解槽を用いる場合、電極及び電極室
からの気泡の離脱を速やかに且つ容易にするた
め、早い流速で溶液を流すとき、更に電極膜面上
の濃度分極を消去するために早い流速で溶液を流
すとき、供給した溶質の分解率が低くなる。そこ
で電解槽は巾方向よりも高い方向に長い方が望ま
しく、巾方向の1.1〜10倍の流れ方向の長さがあ
ることが望ましい。この場合あまりに長さ方向が
長いと工業設備として取扱いが容易でなくなる
し、電槽入口と出口の濃度差が大き過ぎて、電流
の不均一性がひどくなる。勿論、電解槽は垂直方
向にのみ装置するのでなく、水平方向に設置して
も、極液を早い流速で流しているために何ら差し
つかえない。或いは同一の電解槽を複数個設置し
て、一段目の極液を二段目、三段目と直列に流し
てもよい。更に、例えば一つの電解槽の中で一つ
の陽極室を出た極液を、同じ電解槽内の隣接した
次の陽極室に供給してもよく、同様に複数個の陽
極室を通したのち電解槽から排出してもよい。 本発明の電解槽は従来公知のイオン交換膜を用
いた如何なる電解槽とも、その形態、使用態様と
も異なる。或る点ではイオン交換膜を用いた締付
型電気透析槽に近い構造を有しているが、特殊な
陽極、陰極を有し、イオン交換膜を有している点
で、且つ各々電極が溶液の流線を乱すという特殊
な作用をしている点で電気透析槽とは本質的に異
なる。 なお、本発明の目的を十分に満足させるために
は、本発明の電解槽においては多孔性陽極、含ふ
つ素系陽イオン交換膜および多孔性陰極がそれぞ
れ密着するように積層することが好ましい。即
ち、一般にイオン交換膜を用いる系にあつては、
イオン交換膜界面に膜中と溶液中のイオンの移動
度差に基づく濃度分極層が形成される。他方、電
極界面においても、溶液中のイオンの移動度差と
電極反応の差に基づく濃度分極が生じる。特に電
気分解を高い電流密度で行うとき、この濃度分極
現象は高度に進行する。通常、電極反応では電極
からガスが発生するため、この発生する気泡によ
つて溶液は撹拌され電極界面の濃度分極は消さ
れ、同時に膜−液界面の濃度分極もある程度これ
によつて消される。しかしながら、上記した如き
気泡による濃度分極の消去には限界があり、同時
に電極で発生したガスは液性によつては自然対流
的に上昇していく速度が極めて遅く、特に大面積
の工業電解槽においては電解槽内に気泡の滞留が
生じる。そのため電極間電圧の上昇を招き、ひい
ては電解による生成物の電力原単位の高騰を招
く。そのために単に気泡による濃度分極の消去、
自然対流による気泡の上昇のみでなく、強制的に
電極液を流すことによつて濃度分布を完全に消去
し、同時に気泡を含んだ極液を気泡を含まない溶
液によつて速やかに置換し、気泡を含んだ溶液を
気液分離槽によつて分離し再び気泡を含まない溶
液を電解槽に供給することをくり返すことによつ
て、濃度分極による電圧降下、溶液中の気泡に基
づいて電圧降下を極力減少させることができ、更
に膜面に付着し、電流を遮断する気泡も完全に除
去することができるのである。特にこれら濃度分
極の消去、溶液中の気泡の除去、膜面・電極面の
気泡の除去等をより効率的に行うためには、電極
とイオン交換膜が密着していることが必要であ
る。電極とイオン交換膜の間に空隔があると、極
液を循環するとき、溶液はより圧損の少ない空隔
を通り抜け上述したような効果を発揮することが
できない。従つて、本発明の電解槽において本質
的には電極とガスケツトの厚みが完全に同一なも
のであれば最も望ましいが、大面積の電極、膜、
ガスケツトの全面にわたつて完全に同一厚みであ
ることは工業設備においては不可能に近い。特に
大面積の工業設備にあつては、電極、膜、ガスケ
ツトと三者ともに少しずつ異なることは避け難
い。そのために、完全に膜−電極が密着して極液
の流れを乱して上述したような効果を発揮するに
は、本発明の電解槽においては電極の厚みをガス
ケツトの厚みの20%未満薄くすることが望まし
い。この場合の電極の厚みとは、金網状のものの
場合にはその交点の厚みを言い、エキスパンドメ
タルの場合もその最大厚みの個所を言う。ガスケ
ツトの厚みに比較して電極の厚みが20%よりも大
きいと、金属である電極によつて高分子化合物で
あるイオン交換膜は変形、破損する。したがつ
て、ガスケツトの厚みは一般に電極の厚みと同一
か、電極の厚みより20%、特に10%、さらに5%
薄くすることが望ましく、限界は20%未満である
ことを我々は経験的に知つた。ガスケツトの厚み
と電極厚みが同一乃至20%の間は適宜電極の形状
および硬さ、イオン交換膜の強度および可撓性、
ガスケツトの硬度等によつてその値が選択され
る。 本発明の電解槽は極めてコンパクトな電解槽で
且つ安価な電解槽というのみでなく、エネルギー
消費量の点から極めて優れたものである。従来、
イオン交換膜を用いるアルカリ金属塩電解などに
おいて、電解電圧に占めるイオン交換膜の電気抵
抗による電圧降下は大きい。そのためできるだけ
電気抵抗の低い膜を用いる必要がある。即ち、イ
オン交換膜の厚みを薄くすること、交換容量を大
きくすること、及びイオン交換膜の強度保持のた
めに用いられている不活性材料、例えば布、網、
多孔体等の補強材は除くかできるだけ少なくした
がよい。そのようなとき、イオン交換膜は必然的
に機械的強度が弱くなる。しかるに本発明の電解
槽においては陽イオン交換膜が多孔性電極によつ
て両面から支持されることによつて、従来は工業
的に使用不可能であつた膜を使用可能とし、同時
にこの点からも著しいエネルギー消費量の低減を
図ることができるのである。 また、従来型の電解槽では電極で発生したガス
が電槽外に排出されるとき、電解槽上部にガスを
多く含んだ気−液混合層が存在したが、本発明の
電解槽においてはそれが少なくなり、従来型の電
解槽に比較して電解槽内に含まれているガス量は
少なく、万一イオン交換膜に損傷があつたときで
も、両極ガスの混合、爆発ということは避けられ
る。 さらに、本発明の電解槽を運転する場合、陽極
液および陰極液を一方のみまたは両方ともに流
し、循環することによつて、電極液界面および膜
−液界面に生じる拡散境膜層の消去、また電極で
発生したガスを電解槽外へ除去することが極めて
容易にできる。即ち、従来の電解反応、とりわけ
アルカリ金属塩電解においては単に電極で発生す
るガスのみによつて電極界面、膜界面の境界破壊
を行つていたのに対して、本発明の電解槽におい
ては、強制的な液循環によつて、これを容易に破
壊することができる。同時に粘稠な溶液中の発生
ガスの自然な上昇のみによつて溶液中からのガス
の除去を行つていたのに対して、本発明の電解槽
では強制的に液を流すことで(ガスを含まない溶
液によつてガスを含んだ溶液を置換することで)、
気泡による電圧降下を容易に低減することができ
る。特に本発明の電解槽における電解電圧の低下
は極めて顕著であり、従来の電解槽(特に従来の
アルカリ金属塩電解槽)における電解電圧に比較
すると驚異的な電解電圧の低下をもたらす。 本発明においては上記循環液の流速も極めて重
要であり、一般には1〜300cm/secの範囲内で用
いられ、あまりに早いとポンプ動力の点で経済的
でなく、また1cm/sec以下では気泡離脱作用、
境膜破壊作用において効果が弱い。このような観
点から、極液流速としては、好ましいのは2cm/
sec以上更に好ましくは10cm/sec以上100cm/sec
以下である。勿論、この流速は電流密度、溶液濃
度、電解槽の構造、電極の形状、電槽の高さ、ガ
スの離脱性など各種の因子によつて著しく異なり
更に電極形状によつて溶液の流線を乱す効果が大
きいときは、それほど早い流速で流す必要はな
い。望ましいのは乱流域であるが、乱流域とする
ほど溶液流速を早くするとポンプ動力の点で経済
的ではない。流線を乱し、電極及び膜界面の境膜
層を破壊することが必要である。このような観点
から陽極液、陰極液の流速は決められるが、種々
の条件によつて異なり、また極液の液性、濃度等
によつても異なり、上記流速以上なら充分である
が、また別の観点から一般的な表現として、陽極
室内或いは陰極室内の溶液中のガス含有率は70%
以下好ましくは50%以下、更に好ましくは30%で
あることである。このような溶液の流速、電流密
度、その他の条件を選定すればよい。また極液を
早い流速で流し循環する場合、陽極液および陰極
液ともに循環してもよいが、一方のみを循環する
こともできるし或いは流速は一方のみ早く流し、
他方は流速を落して運転することもできる。特に
アルカリ金属塩水溶液の電気分解にあつては、気
泡の発生と同時に陽極界面及び陽イオン交換膜一
液界面の境膜の成長が著しく、これを消去するた
めにできるだけ早い流速で溶液を流す必要があ
る。また陰極界面にできる境膜に基づく、拡散電
位の消去及び水素ガスの膜面、電極界面の脱離を
考慮した流速で陰極液は流す必要がある。この場
合に電極形状、各室の濃度等を考慮して、各室の
流速を選定する必要がある。 また、本発明の電解槽を運転する場合の電流密
度は電解槽の使用目的によつて異なるがアルカリ
金属塩電解の場合には5〜200A/dm2までも可
能であり、特に電解槽内における電圧降下が少な
いため高い電流密度25A/dm2以上60A/dm2
操業するとき経済的である。勿論、電解槽を設置
する場所のエネルギーコストによつて最適の電流
密度は変動するが、従来の電解槽に比較して高電
流密度ほど効果的である。 以下に本発明の電解槽を用いた実施例を示す
が、本発明はこれによつて何ら制限されるもので
ない。 実施例 1 枠内に通電面積200cm2を有し且つ上下に2ケの
連通口と連通溝を有するポリ四弗化エチレン製ガ
スケツト(厚み2.0mm)の中へ、多孔性陽極とし
てチタンのラス材(最大の交点の厚みが2.0〜2.2
mm)の両面にルテニウムオキサイドとチタンオキ
サイドをコーテイングして活性化された不溶性陽
極をガスケツトとの間に空隔がないように内蔵
し、ガスケツトの右側から陽極への給電体を出し
た。連通溝には活性化処理されていない陽極と同
じ厚みでラス材の目開きが密なチタンのラス材を
入れて多孔性陽極を内蔵するガスケツトとした。
他方、多孔性陰極を内蔵するガスケツトとして
は、ガスケツトは陽極のガスケツトと同じ厚みで
同一材質で、陽極ガスケツトとは異なる上下の位
置に1ケの連通口と連通溝を設けたものを用い、
陰極として軟鉄のラス材(2.0〜2.2mmの交点厚
み)に、ロダンニツケルメツキを行い、陰極過電
圧を約100mVまで低減したものを用い、給電体
はガスケツトの左側から出した。連通溝は軟鉄の
ラス材で目開きの密な活性化処理していないもの
を用いた。この両ガスケツトの間に入る陽イオン
交換膜はテトラフルオロエチレンとバーフルオロ
(3・6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテン
スルホニルフルオライド)の共重合体膜状物で、
7ミルの厚みで加水分解したあとの交換容量が
0.91ミリ当量/グラム乾燥膜(H型)で、これを
特開昭53−132069の方法に準じて、膜の片面のみ
膜のイオン交換容量の約10%をカルボン酸基に変
えた。 上記の多孔性陽極を内蔵するガスケツトの上に
密着して陽イオン交換膜のカルボン酸基を有しな
い面を向けて載せ、次いで多孔性陰極を内蔵する
ガスケツトを密着して載せ、更にこの上に上記陽
イオン交換膜のカルボン酸基を有する膜面を向け
て積層し、更に陽極を内蔵するガスケツト、陽イ
オン交換膜と交互に積層して5単位を構成し、両
面にチタン板を当てて両側から油圧プレスによつ
てプレスした。 各々のガスケツトから出た給電板をプラスまた
はマイナスの電源に接続し、陽極液には3.5規定
の食塩水を供給し、陰極室に10規定の苛性ソーダ
水溶液を供給した。電流密度は30A/dm2で85℃
で電解し、陽極液及び陰極液の流速を変化させ
た。結果を表1に示す。 なお、同一の膜および電極を用いて従来の単極
式電解槽での電解を実施した。即ち単極式電解槽
として陽極面上に陽イオン交換膜を密着させ、陽
極の後に4cmの空隔を作り、陽極で発生したガス
が離脱上昇し易いようにしたものを陽極室とし、
陰極は膜面から4mm離して設置した。更に陰極で
発生した水素ガスの離脱を容易にするため陰極の
背面に4cmの空隔を作つたものである。陽極液、
陰極液は本発明の電解槽と同一で、電解槽下部か
ら供給し上部から溢流した。 陽極液および陰極液はともに流して電解を行つ
た。電解条件その他は全て同一であり、結果を表
2に示した。
【表】
【表】 なお、電解槽における極液中のガス含有率を測
定するため、流速10cm/sec極液を循環しながら
電解中に循環を停止して電解槽の極液の量から極
液のガス含有量を測定したところ10%であつた。 実施例 2 巾が20cm、長さ方向が120cmの通電面積を有し、
上下に極液供給のための連通口を有するガスケツ
トを陽極及び陰極を内蔵するために用いた。陽極
のためのガスケツトは3mmのチタンの板を用いて
作り、両面に絶縁とシール性向上のために0.25mm
のプロピレンとテトラフルオロエチレンの共重合
体からなるゴムシートを貼り合わせ、3ケの連通
口と連通溝を設けた。内蔵する陽極はチタンのエ
キスパンドメツシユにルテニウムオキサイドとチ
タンオキサイドをコーテイングして用いた。な
お、エキスパンドメツシユの最高厚みの部分で
3.5〜3.9mmの厚みであつた。これを上記ガスケツ
ト内に内蔵し、周辺部を点熔接で上下左右に数ケ
所つけてガスケツトと陽極を一体化し、ガスケツ
トの右側から給電体へのリードを出した。 他方、陰極はニツケルのエキスパンドメツシユ
で交点の最高厚みの部分が3.5〜3.9mmのものを用
いて、これにロダンニツケルメツキ、貴金属メツ
キ等を施して陰極過電圧を30A/dm2のとき50m
Vとしたものを用いた。陰極のためのガスケツト
としては3mmの厚みの軟鉄の板を用いて陽極室の
ためのガスケツトと同一形状で異なる位置に2ケ
の連通口を有するものにシール性向上と、絶縁の
ために0.25mmの陽極室のガスケツトと同一材質の
ものを両面に貼り合わせたものを用いた。このガ
スケツトの中に陽極の場合と同様に上記陰極を内
蔵し点熔接をして一体化し、ガスケツトの左側か
ら給電体へのリードを出した。 パーフルオロカーボン系陽イオン交換膜として
交換容量0.91ミリ当量/グラム乾燥膜(H型)の
もので、膜の厚みは0.15mmで一方の面のみ0.02mm
の厚みに亘つてカルボン酸基が存在する他はスル
ホン酸基を有する膜を用いた。 積層は5対行い、チタン板からなるエンドプレ
ートの上に陽極を内蔵するガスケツト、陽イオン
交換膜(スルホン酸基を有する面を陽極に向け
て)、陰極を内蔵するガスケツトの順で積層した。
陰極を含有するガスケツトを積層したあと軟鉄の
エンドプレートで押え更に両側からプレス機によ
つてプレスした。 左右それぞれに出た給電体をつなぎ、プラス及
びマイナスの電源に接続し、40A/dm2の電流密
度で飽和食塩水の電気分解を実施した。陽極に供
給した塩水は3.0Nで各種の流速で流し、陰極液
は9.0N−NaOHで同様に流速を変化させた。電
解温度は85℃であつた。 なお、比較のために、同じ大きさの電解槽であ
るが、従来の複極式電解槽と同様に陽極に膜を支
持し、膜と陰極の間隔を4mmとして各々の陽極及
び陰極の背面に4cmの気泡抜けの空隔を設けた単
極型電解槽を用いた。電解条件は本発明の電解槽
を用いた場合と同様であり、陰極液および陽極液
は各種流速で流した。表3に本発明の電解槽を用
いた電解結果を示し、表4には従来の単極型電解
槽を用いた電解結果を示した。
【表】
【表】 なお、電解中の極液中のガス含有率を測定した
ところ、流速1cm/secのとき70%であり、流速
6cm/secのとき40%であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電解槽において用いられる多
孔性陽極または多孔性陰極を内蔵したガスケツト
の一例であり、1がガスケツト、2が多孔性陽極
(または多孔性陰極)、3が連通口、4が連通溝、
5が給電板をそれぞれ示す。また、第2図は本発
明の同じく多孔性陽極または多孔性陰極を内蔵し
たトータスフロー型のガスケツトであり、1がガ
スケツト、2が多孔性陽極(または多孔性陰極)、
3が連通口、4が給電体を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 多孔性陽極を内蔵したガスケツト構成材料料
    からなる枠体、含ふつ素系陽イオン交換膜および
    多孔性陰極を内蔵したガスケツト構成材料からな
    る枠体を順次に積層して構成される単位を繰り返
    してなる単極型電解槽。 2 多孔性陽極、含ふつ素系陽イオン交換膜およ
    び多孔性陰極を密着積層する特許請求の範囲第1
    項記載の単極型電解槽。 3 多孔性陽極および(または)多孔性陰極とガ
    スケツトの厚みが同一、またはガスケツト構成材
    料よりなる枠体の厚みを20%未満薄くする特許請
    求の範囲第1項記載の単極型電解槽。 4 アルカリ金属塩水溶液の電解に用いる特許請
    求の範囲第1項記載の単極式電解槽。 5 陽極液および(または)陰極液を1cm/sec
    以上の流速で流して電解する特許請求の範囲第3
    項記載の単極式電解槽。
JP56127746A 1981-08-17 1981-08-17 単極式電解槽 Granted JPS5831089A (ja)

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