JPS6350483Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は整流装置に関し、さらに詳しくは流体
が均一に流れるように管壁にフインを設けた整流
装置に関するものである。

〔従来技術〕

従来、オリフイス、フローノズル、フローメー
ター等が設けられた管の上流側には不均一流を是
正して測定精度を高めるために整流装置が設けら
れている。

このような整流装置としては、例えば多孔板、
金網などが知られているが、これらのものは不均
一流の是正には効果があるが、旋回流の是正には
あまり効果がなく、このため均一流である乱流速
度分布にするには上流側の直管長を長くし、管壁
の摩擦力を増加させてこれに対応していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このように上流側の直管長を長
くすることは、配管が複雑化したり、ベント部が
多い場合には、充分な管長をとることができず、
また装置も大型化するという欠点がある。

また旋回流の是正を目的として、実公昭57−
57291号公報には、第９図に示すように管内周囲
に管軸にほぼ平行に管壁から中心に向つて延びる
案内羽根３を設けた合流管１が示されているが、
この場合は案内羽根３の半径方向の長さが軸方向
で同じであるため、管の中心部に近い程羽根が密
に存在し、このため管の中心部の抵抗が大にな
り、流れの中心部がかえつて管の中心から外れ易
くなる。

本考案の目的は、不均一流および旋回流に対し
てともに高い整流効果を与え、均一な乱流速度分
布を得ることができる整流装置を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の整流装置は、管の半径より小さい、異
なる高さを有する複数の台形状フインを、その平
行な二辺が流体の流れと平行に、かつ管壁から管
の中心部に向かつて延びるように管壁に交互に取
り付け、流体の入口部に円錐状の空間を形成した
ことを特徴とする。

本考案において、上記台形状フインの角はなめ
らかにした方が好ましい。

以下、本考案を図面によりさらに詳細に説明す
る。

〔実施例〕

第１図は、本考案の一実施例を示す整流装置の
側面断面図、第２図は、その−線に沿つた矢
視方向断面図である。この装置は、流体２が流れ
る管１と、該管１の管壁に流体の流れ方向に平行
に設けられた高さの異なる複数の台形フイン３お
よび４から構成される。高さの異なる台形フイン
３および４は、それぞれ上下平行な二辺の内の長
辺（底辺）が流れと平行に、管の中心部に向かつ
て逆放射状になるように等間隔を保ち、かつその
高低が交互になるように管壁に取り付けられてい
る。すなわち上記フイン３または４は、ガス入口
部３Ａにおいて徐々に高さを増し、管の中心部近
くで高さが等しい平坦部３Ｂを有し、出口部分３
Ｃで徐々に高さが低くなる形状を有している。上
記フインの入口部３Ａは、不均一流の流れの中
心、すなわち最も流速の大きい部分を管の中心部
近くに集める作用を、また中央部３Ｂは、旋回流
の是正と不均一乱流の整流の作用をし、さらに出
口部３Ｃは流速分布を乱流速度分布に近づける作
用をする。上記高低のフイン３および４を用いた
のは、すべてのフインを同じ大きさにすると、中
心部に近いほどフインが密に存在し、流れの中心
が管の中心部から離れるためである。本考案では
このようにフインに高低差をつけることにより、
管の中心部の流路抵抗な小さく、かつ管壁の流路
抵抗を大きくして流れの中心を管の中心部に集
め、整流効果をより高めることができる。

〔作用〕

本考案の作用を説明すれば、第３図において、
旋回しながら管１の整流部に流入してきた不均一
流２は、台形フインの入口部３Ａ、中央部３Ｂお
よび出口部３Ｃを通過するが、このときの整流状
態、すなわち第３図の−線、−線および
−線に沿つた断面のフローパターンおよびそ
の側面の流線図をそれぞれ第４図、第４Ａ図、第
５図、第５Ａ図、第６図、第６Ａ図に示す。すな
わち整流装置に流入してきた不均一流は、第４図
に示すように二つの中心部５Ａ，５Ｂを有し、旋
回流と不均一乱流を有するが、台形フインの入口
部３Ａを通過するときに流れを徐々に中心部に集
め、さらに台形フインの中央部３Ｂを通過した時
点では第５図（第５Ａ図）のように旋回の是正と
不均一乱流の整流が行なわれ、さらに出口部３Ｃ
を通過すると入口部３Ａと逆の作用で第６図に示
すようにほぼ乱流速度分布と一致するまでに整流
される。

なお、上記実施例は、フインの数、大きさとも
に小さい例を示したものであるが、流体の粘度、
流速等を考慮し、また流体の流路断面に大きな影
響を与えない範囲でこれより大きくすることがで
きる。

次に第７図は、、本考案の他の実施例を示す側
面断面図、第８図はその−線に沿つた断面図
である。この装置は、被処理流体の旋回流がさら
に激しい場合に好適に用いられるものであり、台
形フインの一部を管中心部に延長し（この場合は
対向する二対のフイン）６により管内の流路を四
分割し、流体をこの部分で分割することにより、
旋回流を防止するようにしたものである。この場
合においても、分割された各流路の台形フイン３
および４は、前記第３図の実施例と同様な整流作
用をするので、旋回流が激しい場合でも優れた整
流効果を得ることができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、旋回流をふくむ不均一流に対
しても高い整流作用を得、乱流速度分布に極めて
近い流速分布を得ることができる。このため不均
一流であつても整流装置の上流側の直管長が短か
くてすみ、さらに流速分布に対して必要以上の制
動を行なうことなく、また流路断面積の変化がほ
とんどないため、圧力損失が極めて少なくすみ、
さらに極めて簡単な構造のために製作が容易であ
る等の利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第３図は、それぞれ本考案の一実
施例を示す整流装置の側面断面図、第２図は、第
１図の−線に沿つた断面図、第４図、第５図
および第６図は、第３図の−線、−線、
−線にそれぞれ沿つた断面のフローパターン
を示す図、第４Ａ図、第５Ａ図、第６Ａ図は、そ
れぞれ第４図、第５図、および第６図と対応する
流路側断面の速度分布を示す図、第７図は本考案
の他の実施例を示す整流装置の側面断面図、第８
図はその−線に沿つた矢視方向断面図、第９
図は、従来の案内羽根付き管の断面図である。 図中、符号１は管、２は流体、３，４は高低の
台形フインである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管の半径より小さい、異なる高さを有する複数
   の台形状フインを、その平行な二辺が流体の流れ
   と平行に、かつ管壁から管の中心部に向かつて延
   びるように管壁に交互に取り付け、流体の入口部
   に円錐状の空間を形成したことを特徴とする整流
   装置。