JPS63501923A - レトロウイルス疾病状態の治療のためのアンチセンスrna - Google Patents

レトロウイルス疾病状態の治療のためのアンチセンスrna

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 13、請求の範囲第12項に記載の細胞の子孫。
14、固相ハイブリダイゼーション法によって検出できるポリヌクレオチドを含 む請求の範囲第1項に記載方法により形質転換された細胞。
15、請求の範囲第14項に記載の細胞の子孫。
16、固相ハイブリダイゼーション法によって検出できの範囲第1項に記載の方 法により形質転換された細胞。
17、請求の範囲第16項に記載の細胞の子孫。
18、真核細胞を形質転換して病原性レトロウィルスによる感染に対する抵抗性 を与えるために有用なベクターであって、病原性レトロウィルスに感染しゃすい 真核細胞を形質転換できる構造物中の病原性レトロウィルスのピリオンRNAに 相補的なRNAの転写を指示するポリヌクレオチドから成るベクター。
19、請求の範囲第18項に記載のベクターを真核宿主に挿入する段階を含んで 成る病原性レトロウィルス感染に対する抵抗性を与える方法。
20、外植細胞を請求の範囲第18項に記載のベクターで形質転換し、形質転換 した細胞を真核宿主に挿入する段階を含んで成る、病原レトロウィルス感染に対 する抵抗性を与える方法。
明 細 書 レトロウィルス疾病状態の治療のためのアンチセンスRNA 技術的分野 本発明はレトロウィルス疾病状態を治療する遺伝子工学的方法に関するものであ る。
発明の背景 レトロウィルスは自然界に広く分布し、これらウィルスによる感染は、多くのを 推動物における新生物形成およびその他の疾病状態と関係がある。第1図にはレ トロウィルスの生命サイクルの特徴が描かれている。感染性レトロウィルス粒子 はピリオンと呼ばれる。ピリオンの表面のエンベロープ糖蛋白質は、レトロウィ ルスゲノムの2コピー(それぞれがヌクレオチド約8,000〜io、oo。
の間のRNA分子である)の、標的細胞への侵入(図面の■)を仲介する。二つ のゲノムピリオンRNA分子はウィルスの逆転写酵素によって、二重の線状およ び環状スーパーコイルウィルスDNA (v−DNA)分子にコピーされる(図 面の■)。ピリオンRNAは先ず最初に、相補的DNAヌクレオチド配列(マイ ナス鎖)の転写のための鋳型となり、その後第二鎖DNAコピー(プラス鎖)が 、鋳型として逆転写マイナス鎖DNAを用いてつくられる。
統合サレなイ(unintegrated) v−D N Aは転写され得ると はいえ(図面の点線矢)、環状DNA分子の若干がウィルスDNA分子上の正確 な点において、およびランダムもしくはほぼランダムに宿主染色体DNA上の部 位によって、細胞ゲノムに挿入される(図面の■)。挿入されたウィルスDNA コピーはプロウィルスと呼ばれる。
典型的プロウィルスの関連する構造要素を第2図に示す。ウィルスゲノムRNA の両端からコピーされた長い末端反復(LTRs )含有配列がDNAプロウィ ルスの各端に位置し、宿主DNAに直接結合する。これらのLTRsは、ウィル ス複製のために必要な遺伝子の発現を調節するための調節配列である、江L(内 部構造蛋白質)、匹(逆転酵素) 、env (ウィルスエンベロープ糖蛋白質 )を含む。、LTRの調節配列は転写開始のプロモーターおよび終了のためのシ グナルを含む。LTR3は普通、ウィルス遺伝子の転写速度を高めて、プロウィ ルスRNAt−ランスクリプトが総細胞メツセンジャーRNAの0.1〜1%に も達するようにする強力なエンハンサ−配列も含む。成るレトロウィルスと関連 する転写プロモーター/エンハンサ−領域(apparatus )は特定の細 胞型に挿入された場合にのみ機能を発揮し、ウィルス遺伝子の組織特異的発現を 生成するようにみえる。
再び第1図を参照すると、挿入されたプロウィルスはメツセンジャーRN’Aお よび全長ゲノムピリオンRNAの両方に転写される(図面の■)。ウィルスメツ センジャーRNAは細胞ポリソーム上のウィルス蛋白質に発現される。ピリオン RNΔはピリオンアセンブリーのための詰込シグナルとして役立つ(図面の■) 。ピリオンRNA及びウィルス蛋白質は新しいピリオンに組み立てられ、それは 感染宿主細胞から発芽する。
これらの複製プロセスにおいて、レトロウィルスは通常その宿主細胞を溶解しな いということは注目に値する。
そこでそれらの生命サイクルは生きている宿主細胞において遺伝子を生産し、高 レベルで発現する効率的メカニズムを形成する。しかしながら若干のレトロウィ ルスの複製および/またはウィルス遺伝子の発現は感染標的細胞の若干の型には 細胞毒性作用および細胞変性効果さえ与え得る。レトロウィルス感染のこれらの 変性効果が病的状態と関連した全身的異常をおこす。
優先的にヒト・リンパ球内で複製するようにみえるヒト・レトロウィルスが最近 分離され、ヒトT細胞リンパ趨向性ウィルス(HTLV)と呼ばれている。文献 調査のためには、ここに参照によって挿入されるウオングースタール(Wong  −3taal)およびガロ(Gallo)の“Nature ” 317巻3 59−403頁1985年を参照されたい。
I型HTLVによる感染は成人下細胞白血病の特殊型の発生と関係がある。これ の発生は現在、日本南部およびカリブ海沿岸に集中している。HTLV−I ( LAVおよびARVとも言われる)と呼ばれる関連レトロウィルスによる感染は 後天性免疫不全症候群(AIDS)と関係がある。AIDSは二十世紀後半の最 初の重要な致命的世界的流行病として発生しつつある。レトロウィルス群の第三 の種類であるHTLV−I[もヒトT細胞に感染するが、まだ人の病気とは関連 づけられていない。
その他の標準レトロウィルス(すなわち、gag 、 polおよびenv遺伝 子を規定するが、発癌性でないもの)は種々の動物種に新生物疾患をひきおこし 得る。文献調査のためには、ここに参照によって挿入される、ヴアイズ(R,W eise) 、タイヒ(N、 Te1ch) 、ヴアルムス(H,Varmus  )およびカフイン(J、CoHin )が編集した゛レトロウィルス誘起性疾 患の病因(P athogenesis of retrovirus−ind uced diseases) ” 、腫瘍ウィルスの分子生物学、RNA腫瘍 ウィルス、第2版、ニューヨーク、コールドスプリングハーバ−研究所、785 −998頁1984年を参照されたい。リンパ性白血病ウィルス(LLV)にニ ワトリ白血病の病原ウィルスも含む)は養禽産業に大きい影響を与える。ウシ白 血病ウィルス(BLV> <これは)−ITVL−Iに関係づけられる)は乳牛 群に感染し、地方癌性ウシ白血病またはリンパ肉腫として知られる病気を家畜に ひきおこす。ネコ白血病のレトロウィルス病原体(Fe LV)も獣医学関係の ものである。
アイザント(I zant)およびヴアイントラウプ(Weintraub)は 、アンチセンス(ナンセンス)DNA鎖転写の遺伝子活性を阻害するポテンシャ ルについて記述し、アンチメツセージ生産(anti−message pro duction )が、その後に転写される遺伝子の発現に特異的分子゛免疫″ を与え得ることを示唆した。
発明の概要 ヒトにおける成人Tiff1胞白血病および後天性免疫不全症候群(AIDS) および家畜におけるニワトリ白血病、ウシ白血病およびネコ白血病と関係するレ トロウィルスのような病原性レトロウィルスによる感染に対する抵抗性を与える 方法を提供する。本発明により、病原性レトロウィルスに感染し易い細胞を、レ トロウィルスゲノムの領域に相補的であり、処理細胞およびその子孫における病 原的ピリオン形成を実質上阻止することによってレトロウィルス複製を効果的に 阻害するRNAの転写を指示するポリヌクレオチドで形質転換する。治療的形質 転換はDNAベクターまたはRNAベクターで達成される。
形質転換するポリヌクレオチドは、疾病状態の原因病原体であることが知られ、 HTLV−1,HTLV−n。
HTLV−III (LAV、ARV)、LLV、BLV、IJ=、びFeLV に限られないレトロウィルスのゲノムから選択される。治療的に形質転換される 細胞は、感染され易い、たとえばTリンパ趨向性レトロウィルスの場合のT細胞 、およびこのような細胞の先祖、たとえばリンパ球および造血幹細胞をも含む。
治療的に形質転換された細胞およびその子孫も本発明の範囲内に入ると考えられ る。
中に外植され、それから処理宿主に挿入される。
図面の簡単な説明 第1図はレトロウィルス複製の関連する特徴を示す。
第2図は典型的プロウィルスの関連構造要素を示す。
第3図は本発明の代表的なアンチセンス・レトロウィルスベクターを示す。
第、4図は、実施例1に記載されるA1細胞からの細胞RNAの代表的ノーザン ・プロット・ハイブリダイゼーションを示す。
第5図は、実施例2に記載される、培養ヒナトリ線維芽細胞の異なる組から得た ウィルスRNAの代表的ドツト・プロット・ハイブリダイゼーションを示す。
第6図は、実施例4に記載される、ウィルスRNAの代表的ドツト・プロット・ ハイブリダイゼーションを示す。
好ましい実施態様の詳細な説明 我々はここに、ウィルス遺伝子発現とは無関係にレトロウィルス複製の諸段階に アンチセンスRNAが与える影響を明らかにするレトロウィルスベクターを用い るモデル系を記す。このモデル系は次のような発見に基づいは、レトロウィルス ベクターを経て挿入され標的細胞を形質転換する場合、標的細胞の細胞質にある 細胞遺伝子からのRNAの定常レベルが高いときには、同起源の細胞遺伝子の発 悦を抑制しない。この予想外のことが観察されたのは、主として、入ってくるレ トロウィルスRNAに対してアンチセンスである細胞遺伝子からのRNA!〜ラ ンスクリプト(転写物)がレトロウィルスベクターによる感染を著しく妨害する からである、。これらの知見は、抗ウイルス治療にj3けるアンチセンスRNA の新規な適用の確固たる実験内裏づけを提供し、HT L V −IIIおよび /または関連レトロウィルス、たとえばLAVおよびARVの感染によって発生 するたとえば後天性免疫不全症候群(AIDS)のようなヒトのレトロウィルス 誘起性疾患への治療的アプローチの合理的根拠を確立する。
本発明によると、病原性レトロウィルスによる感染を受け易い細胞を、標的病原 性レトロウィルスのゲノムピリオンRNAの一部に相補的で、形質転換された細 胞およびその子孫におけるレトロウィルス複製を効果的に妨害するRNAの転写 を指示するポリヌクレオチドで形質変換する。゛′ポリヌクレオチド″とは、最 低的10〜20から何千までものヌクレオチド塩基を含む比較的小さい自然また は合成核酸ポリマーを意味する。゛形質転換″とはDNA、RNAまたはヌクレ オチド同族体ポリマーの挿入によって仲介される、受容細胞の遺伝子型を変化さ せるプロセスを意味する。
形質転換するポリヌクレオチドは、5ense 5trand (意味のある鎖 )が標的ピリオンRNAの一部に相同である二本鎖DNA分子である。別法とし て、細胞を標的ピリオンRNAの一部に相補的であるポリヌクレオチドを含むR NAベクターで形質転換することによって処理することができる。たとえば、後 者のポリヌクレオチドから逆転写され、ひとたび細胞ゲノムに挿入されたv−D NAが、標的ピリオンRNAに相補的なRNAを転写する場合には、その細胞は 治療的レトロウィルス構造物になり得る。形質転換するポリヌクレオチドがDN Aベクターを経て、細胞に挿入されるか或いはRNAベクターを経て細胞に挿入 されるかいづれにせよ、形質転換するポリヌクレオチドによって指示されるRN Aトランスクリプトは、病原性レトロウィルスのピリオンRNAに相補的な塩基 配列を含んでいなければならない。すなわち形質転換するポリヌクレオチドによ って指示される(アンチセンス)RNAおよび標的ピリオンRNAは分子ハイブ リッドを形成できなければならない。
その上、形質転換するポリヌクレオチドによって指示されるRNAは形質転換さ れた細胞の標的病原性レトロウィルスの複製を妨害しなければならない。すなわ ち形質転換するポリヌクレオチドは形質転換される細胞中の病原性ピリオンの生 成を阻止もしくは減少することによって感染に対する抵抗力を与えるものでなけ ればならない。処理された細胞およびその子孫における病原性ピリオンの生成を 実質上阻止することによって複製を阻止する形質転換ポリヌクレオチドを選択す ることが治療的に効率的であると考えられる。形質転換ポリヌクレオチドによっ て指示されるアンチセンスRNAは、ウィルスDNAの形成および/またはプロ セッシングを混乱させることによってレトロウィルス複製を妨害し、それによっ て、細胞ゲノムへのその統合を阻止するように選択されるのが好ましい。本開示 によってレトロウィルス複製を治療的に阻止する有効な形質転換ポリヌクレオチ ドの選択は、以下に記すような標準的遺伝子工学的操作によって達せられる。形 質転換ベクター中にポリヌクレオチドと共に適したプロモーターおよびその他の 必須の調節配列を含むことによって、治療的に形質転換された細胞は連続的速度 でアンチセンスRNAトランスクリプトを合成し、そのため感染に対する定常レ ベルの抵抗性が細胞およびその子孫に与えられる。
実施例に記載する考察は、HTLV−III/LAV/ARVによって誘起され る免疫不全またはAIDSのような、ヒトレトロウィルスの病原作用を改善する ためのアンチセンスRNAに基礎を置く戦略の明らかな合理性を説明する。これ らのヒトTリンパ趨向性レトロウィルスは宿主T細胞に感染してその病原作用を あられすに違いない。そしてこれら標的細胞中のそれらの生命サイクルは、以下 に述べるモデルウィルスの生命サイクルとは異ならない。すなわち知られている 差によって、ヒトレトロウィルス複製が、モデル系に認められる効果に感じなく なるとは考えられない。AIDSおよび前AIDS症候群のためのアンチセンス RNA治療は次のように計画された。
HTLV−III/LAV’7”/ム(7) D N A ’) ロー ン7’ )1 ラ、別々の部分(segment )の一系列を、アンチセンス−オリエ ンテーションで、工学的ベクター、たとえばヒト細胞を含む広範囲の動物細胞に 使用するめにネズミのエコトロピック(ecotropic )およびアンフォ トaピック(amphotropic )レトロウィルスから最近開発されたベ クターの準備されたクローニング部位に挿入する。適したベクターは、参照によ ってここに挿入されるミラー(M 1ller ) 、ロー(L−aW)および ヴエルン(verne)のMol、 Ce1l B iol、5巻431−43 2頁1985年に記載されている。代表的アンチセンス・レトロウィルスベクタ ーは第3図に示される。そのベクターは、効率的大量生産のために細菌プラスミ ドの形で作ることができる。ここで細菌領域(斜めの平行線によって示す)は複 製領域(0)と、効率的選択のための抗生物質抵抗遺伝子(交差平行線領域)を 含む。残りのレトロウィルス領域は、RNA転写のためのエンハンサ−およびプ ロモーター配列を提供する5’ LTR(03およびu5)、+RNAプライマ ー付着部位(PR)、詰込配列(PK)、逆転写のために重要なポリプリントラ クト(PPT)およびRNA転写の終止シグナルを提供する3’ LTR(u3 およびu5)を含む。工学的ポリリンカー領域(横断平行線領域)は、何らかの 特異的アンチセンスポリヌクレオチド(魚頭I+2)を挿入するために便利な制 限酵素部位を提供する。(レトロウィルス遺伝子とアンチセンス挿入配列との逆 向き方向が矢印によって示される)。アンチセンスポリヌクレオチドは、下記の 抵抗性付与部分く1つまたは複数)を救うために用いられるヘルパーウィルス或 いは詰込細胞系のレトロウィルス複製遺伝子に相同であってはいけない。
工学的ベクターは標準的遺伝子運搬技術によって、潜在的に病原性レトロウィル スに感染しやすい細胞系に挿入される。そしてトランスフォーマントはレトロウ ィルス構造物内の、またはその構造物と同時に運ばれた、たとえば薬剤抵抗性マ ーカーで選択される。トランスフォーマントは、標的レトロウィルスゲノムRN Aに関してアンチセンスのRNA分子の高定常レベルに関してテストされ、選択 される。
病原性レトロウィルスの種々の部分に対してアンチセンスなRNAの高定常レベ ルを発現する細胞系を、たとえば下のモデルウィルスで記載するように、AID Si4起性レトロウィルスによる感染に対する抵抗性に関してテストする。レト ロウィルス複製を阻止する最も有効なレトロウィルス構造物を含む細胞系が確認 される。
確認されたアンチセンスRNAを含む構造物がその後、ヘルパーウィルスを含む 種類およびヘルパーウィルスを含まない種類両方の高いウィルスストック値を与 える、上に参照せる使用可能の詰込系を用いて、複製不完全のウィルスとして救 助される。
選択されたアンチセンスポリヌクレオチドを用いる臨床試験は二つの一般的方法 で行うことができる。第一の方法は、AIDSまたは前AIDSにかかつている 患者に、ヘルパーウィルスを含むベクターストックを接種する。ベクターは、ま だAIDSウィルスのすみかとなっていない患者T細胞に感染する。そしてアン チセンスポリヌクレオチドの発現は、治療的に形質転換された細胞に、病原レト ロウィルスによる感染に対する抵抗性をもたせる。この方法は病気の進行を止め るか遅らせる。そして抵抗性T細胞またはその他の幹細胞は患者の免疫系の再構 成に役立つであろう。しかしながら、病原性レトロウィルスがすみついていない T細胞および/または幹細胞の不足から、そしてアンチセンスベクターが前に感 染した細胞ではAIDSウィルスの発現を逆にすることができない(以上の試験 結果から予想される)ことから、問題が起こり得る。
ヒト宿主におけるベクターおよび2/またはヘルパーレトロウィルスの複製に起 因する未知の病原的影響の付加的危険性がある。
第二の方法は、上記のin vitro接種による潜在的不利益を回避する。■ 細胞の前駆体くたとえば骨髄幹細胞、胎児胸腺)を患者から(または同種異系ま たは同種同系の供与者から)外植し、ヘルパーウィルス不含有のアンチセンスベ クターストックによって何回も感染させ、使用できる移植技術によって患者に移 植する。成功裡にアンチセンスベクターに感染した細胞は、残っている病原AI DSウィルスによる感染に抵抗するT細胞をもった患者の免疫系を再構成するこ とができる。ベクター中に細胞毒薬物抵抗性遺伝子を使用すれば、アンチセンス ベクターをもつ細胞をin vivoで選択することができるから免疫再構成は 高まるであろう。このためこの移植はベクターまたはヘルパーウィルスによって おこる病原性の危険を回避する。なぜならばアンチセンスベクターは最初に感染 した細胞およびその子孫から外へ広がることはできないからである。
次の実施例は本発明の詳細な説明し、一般的熟練者がこれを作成し利用すること を助けるためのものである。
実施例は、宿主細胞にあるアンチセンスRNA分子の抗ウィルス活性が主として (ウィルス)遺伝子発現のアンチセンス阻止によって働かないという根本的考察 が失敗の実験から得られた経過をも示す。以下の実施例は、開示の範囲およびこ れに関する特許によって付与される保護の範囲を決して制限するものではない。
アンチセンスRNA分子が、非常に高レベルで典型的に発現される発癌物質のよ うな遺伝子の発現に与える影響をテス1〜するために、真核細胞にネオマイシン 同族体G418[サザンおよびベルブ(3outhern and 3erg  ) 。
J、 Mol、 AI)l)、 Genetics 1巻 327−341頁1 982年]の細胞毒作用に対する抵抗性を与える遺伝子neo Rを、日本のウ ズラ細胞系列にトランスフェクションすることによって、トリレトロウィルスベ クターに挿入した。(遺胞内には天然の相対物をもたないからである。こうして 、以下に記すアンチセンス操作により引き出されるneo R発現の阻止には、 細胞のトランスクリプトに偶発的に起こるバックグラウンドノイズがないと思わ れる。)G418の致死作用に抵抗する形質転換されたQ T −35細胞のコ ロニーは培養基にひろがり、ノーザン・プロット・ハイブリダイゼーション分析 によって、neo R遺伝子から転写されたRNA分子が高レベルに存在するか どうかがテストされた。A1と呼ばれる一細胞系を今後の研究のためのテスト系 として選択した。第4図は、A1細胞からの細胞RNAの代表的ノーザン・プロ ット・ハイブリダイゼーション分析を示ず。G418に抵抗づるAla胞からの 細胞RNA(レーンb)と対照ウズラQT35細胞からの細胞RNA (レーン a)を抽出し、変性し、ホルムアルデヒド−アガロース−ゲル電気泳動にかけた 。ゲル上で分離したRNA5を二1〜口セルロースフィルターセンスまたはアン チセンスーオリエンテーションどちらかでneo R遺伝子を含むレトロウィル スベクターを、フユーグ(1−1ughes )およびコジク(Kosik)の ゛″ウイルス学 V irology ) ” 136巻89−99頁1984 年に記載された779NCTAQ26を用いてつくった。779N CTAQ2 6系はラウス家鶏肉腫ウィルスサブグループA(SR−TSV−A)のシュミッ ト−ルピン株(これにはsrc 遺伝子が欠失していた)の感染性DNAクロー ンセンスオリエンテーションどちらかで、工学的C1a−1制限酵素切断部位に 挿入した、その際挿入配列は、野生型5R−R8V−Aの五遺伝子と同じように 、結合メツセンジャーRNA5としてベクターから転写される。
それからセンス−およびアンチセンスneo Rベクターを、工学的構造物をト ランスフェクトしたヒナトリ胚線維芽細胞(CEF)の上澄液からピリオンとし て回収した。
回収したウィルスの、新鮮培養細胞における複製を、鎖特異的ハイブリダイゼー ションプローブを用いて感染細胞から放出されるピリオンRNA中のneo R センス−またはアンチセンス−配列を検出することによって分析した。
センス−およびアンチセンス挿入配列両方共、何回も連続複製したにもかかわら ずレトロウィルスベクター中で同じように安定であった。neo Rをセンス− オリエンテーションで含むベクターは、0418に対する抵抗性を培養基の感染 細胞に与えたが、neo Bをアンチセンス−オリエンテーションで含む同族ベ クターは、予想通り、このような抵抗性を与えなかった。センスneo Rベク ターはN−10と名づけ、アンチセンスneo RベクターはαN−10と名づ けだ。
第5図は、培養したヒナトリ線維芽細胞の異なる組(列a−f)からのウィルス RNAの代表的ドツト・プロット・ハイブリダイゼーションを示す。各培養基か ら上澄液を集め、ピリオンをスクロース勾配によって精製し、遠沈によりペレッ トをつった。ウィルスRNAを抽出し、逓減希釈し、それからニトロセルロース フィルターに移し、ウィルスゲノム中のアンチセンスneo R遺伝子(プレー トA)またはセンスneo R3伝子(プレートB)を検出することを目的とし てつくられた鎖特異的プローブにハイブリダイズさせた。列a−Cは慢性的に感 染させたヒナトリ線雑芽細胞で、aはN−10、bはN−10+ G 418処 理、CはαN−10である。列d−fは、トランスフェクト線維芽細胞からの最 初のウィルスストックであり、dはaNio、eはN−10、fは対照としてベ クター(のみ)から引き出したウィルス、である。
実施例 3 A1細胞において、G418抵抗性に与えるneo Rアンチセンスベクターの 影響A1細胞のG418存在下における生活能力は、neo R発現に依存する から、αN−10をもったA1細胞(それらは高レベルのアンチセンスneo  Rトランスクリプトを発現するはずである)の感染が、G418の存在下におけ る細胞の生活能力に与える影響を調べた。驚いたことに、軟寒天中でのクローニ ング効率のような非常に敏感な分析手法を用いても、0418の存在下における A1細胞の生活能力に対するαN −10感染の影響は何ら検出されなかった。
このようにこのアンチセンスベクターは標的遺伝子の発現を抑制することに明ら かに失敗した。
実施例 4 A1細胞にお【プるneo Rアンチセンスベクターの複製に与えるA1細胞中 のneORトランスクリプトの影響αN−10がA1細胞におけるneo R発 現の抑制に失敗した理由は、我々が感染A1細胞からの上澄液についてウィルス の存在を試験したときに明らかになった。実施例2に関して記した同じプローブ を使用することによって、我々は、アンチセンスneo R配列を含むαN−1 0ウイルス量が、センス−オリエンテーションでneo Rを含む対照N−10 ウイルスを感染させたA1細胞から産出したウィルス憬の100分の1以下であ ることを確認した。
(例えばウィルスの長い末端反復またはLTR配列)で調べた場合にはαN − 10感染A1細胞からのウィルスのかなりの量の産出を見出1ノだ。
これらの結果を第6図に示す。ウィルスRNAのドツト・ブリッl−・ハイブリ ダイゼーションを実施例2に記載のように行った。但しL T Rプローブを用 いて総ウィルスゲノムを検出しくパネルA)、一本鎖ブローブを用(パネルC) 。列a−cは、aはN −10,bはαN−10、Cはベクタ一対照を感染させ た、G418処理ウズラA1細胞から収穫したウィルスをあられす。列d−fは 、dはN−10、eはベクタ一対照、fはαN−10をトランスフエフl〜した ヒナトリ線雑芽細胞からの最初のウィルスストックである。
これらの思いがけなく発見された知見は、αN−10ウイルスは、A1細胞に感 染したときにそのアンチセンス害されることを示している。A1細胞を対照N  −10ウイルスで感染させた場合にはこのような喪失はおきなかつだから、我々 は観察された喪失は、αN −10配列に関してはアンチセンスであるくだが逆 に言えばN−10配列に等しい)Al細胞中のneoRRNA分子の高レベルに 起因する、と結論づ(プる。この結論と一致して、ベクターそのものから誘導さ れたウィルス・はneo R関連配列の挿入なしで、A1細胞上でよく複製した 。
上のテスト結果は、宿主細胞にあるアンチセンスRNA分子の抗ウィルス活性は 、主として(ウィルス)遺伝子発現のアンチセンス阻止によっては、すなわち第 1図の経路■によってはあられれないことを示す。このことは、αN−10のn eo R配列が、ウィルス複製のために必要である遺伝子発現を与える遺伝子を 構成しないという事実によって証明される。したがって、アンチセンスRNA分 子はウィルス複製のその他の段階を遮断するに遠隔がウィルスの生命サイクルの 初期、十中へ九、それらが染色体DNAに合体する前のウィルスDNA分子の形 成および/またはプロセッシング中であることを示唆する・アンチセンスRNA 分子と、相補的ピリオンRNA配列もしくはプラス鎖V−DNA配列とのハイブ リッドは、我々が観察した特異的配列の切り出しのための考え得られる基質とな る。レトロウィルス複製におけるその他の段階もアンチセンスRNAによって阻 止され得るが、多分ウィルス遺伝子発現ではないであろう。
αN−10感染A1細胞において、アンチセンスneo R配列を失ったウィル ス核酸分子はいまだにウィルスとして複製することができた。それは、アンチセ ンスRNAによって仲介される欠失が、複製のために必要なウィルス遺伝子(( laQ 、 pol 、二)のいづれも侵さなかったからである。細胞中のアン チセンスRNA分子がこれらのウィルス複製遺伝子のいづれかまたは全部に対す る補体を含む場合、欠損ウィルスは第1ラウンドの感染から先は複製することが できない(コンピテント ヘルパーをもっているか、しかも/或いは組換えによ る修復に通づる重なり欠損(overlapping defectives) にさらされる場合を除いて)という結果となるはずである。
本発明を好ましい実施態様および特殊実施例に関して説明したが、この記述は発 明を説明するためのものであって、関連先行技術を回避するために制限が必要で ある場合を除けば、発明を制限することを意味しない・以上の明細書を読んで熟 練者は、ここに示される方法および組成に種々の変形、等価的代替、その他の変 更を加えることができる。したがって特許によって付与される保護は添付の請求 およびその等何物に含まれる限定のみに限られる。
′叩!・ 孝票早充/j11.トロフィルス θ r人−一五一 〇・30□ r@野煽査報告 1″1″0″′節”’−”= PCT/[58610260a

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.病原性レトロウイルスに感染しやすい細胞を、病原性レトロウイルスのビリ オンRNAに相補的でレトロウイルス複製を効果的に阻止するRNAの転写を指 示するポリヌクレオチドで形質転換する段階から成る、レトロウイルス感染に対 する抵抗性を付与する方法。
  2. 2.形質転換がDNAベクタ−手段による請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 3.形質転換がRNAベクタ−手段による請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 4.形質転換がレトロウイルス構造物による請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 5.病原レトロウイルスが後天性免疫不全症候群(AIDS)、成人T細胞白血 病、ニワトリ白血病、ウシ白血病およびネコ白血病の病因物質の中から選択され る請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 6.病原性レトロウイルスがAIDSの病因物質である請求の範囲第5項に記載 の方法。
  7. 7.病原性レトロウイルスがHTLV−I,HTLV−II,HTLV−III ,LAV,ARV,LLV,BLVおよびFeLVの中から選択される請求の範 囲第1項に記載の方法。
  8. 8.病原性レトロウイルスがT−リンパ趨向性ウイルスである請求の範囲第1項 に記載の方法。
  9. 9.病原性レトロウイルスがAIDS関連レトロウイルス群から選択される請求 の範囲第8項に記載の方法。
  10. 10.細胞がT細胞、胸腺細胞、リンパ球および造血幹細胞の中から選択される 請求の範囲第1項に記載の方法。
  11. 11.細胞がヒト細胞である請求の範囲第1項に記載の方法。
  12. 12.請求の範囲第1項に記載の方法によって形質転換された細胞。
  13. 13.請求の範囲第12項に記載の細胞の子孫。
  14. 14.固相ハイブリダイゼーシヨン法によって検出できるポリヌクレオチドを含 む請求の範囲第1項に記載方法により形質転換された細胞。
  15. 15.請求の範囲第14項に記載の細胞の子孫。
  16. 16.固相ハイブリダイゼーシヨン法によって検出できるポリヌクレオチドのR NAトランスクリプトを含む請求の範囲第1項に記載の方法により形質転換され た細胞。
  17. 17.請求の範囲第16項に記載の細胞の子孫。
  18. 18.真核細胞を形質転換して病原性レトロウイルスによる感染に対する抵抗性 を与えるために有用なベクターであって、病原性レトロウイルスに感染しやすい 真核細胞を形質転換できる構造物中の病原性レトロウイルスのビリオンRNAに 相補的なRNAの転写を指示するポリヌクレオチドから成るベクター。
  19. 19.請求の範囲第18項に記載のベクターを真核宿主に挿入する段階を含んで 成る病原性レトロウイルス感染に対する抵抗性を与える方法。
  20. 20.外植細胞を請求の範囲第18項に記載のベクターで形質転換し、形質転換 した細胞を真核宿主に挿入する段階を含んで成る、病原レトロウイルス感染に対 する抵抗性を与える方法。
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