JPS6350014B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、人体などに挿入して局所加熱するた
めの熱源に関するものである。このような挿入熱
源に要求される必要条件は、所定の一温度以上に
加熱されることがないという安全性である。

安全に局所加熱するためには、熱源を挿入して
いる人体のどの部分も一定温度t_s℃以上にならな
いことが必要である。最高温度は、挿入熱源の表
面に接している部分の温度であるとみられ、その
温度は挿入熱源の表面温度、あるいは、挿入熱源
が管状であれば、近似的に熱源管自体の温度とみ
られる。

人体に挿入できる管、たとえば一端を閉じた注
射針に加熱導線を入れ、その管自体の温度がt_s℃
保たれるようにすればよい。その温度制御には管
内に温度計の感温部を設置する必要があり、その
感温部は熱電対の測温接点が最適であると考えら
れる。単一の熱電対でも数対の熱電対でできてい
る熱電堆でもよい。第１図は、注射針に加熱導線
と単一の熱電対の測温接点とを収納した一例を示
す。図のＴは注射針、Ｈは加熱導線、Ｃは熱電
対、Ｐは測温接点である。

熱電対は、熱電温度計としてもよいが、抵抗温
度計あるいはトランジスタ温度計に連接すると都
合がよいので、抵抗温度計に連接する場合を例に
とつて説明する。

連接の仕方の一例を第２図に示す。図のＲは抵
抗温度計の測温抵抗線、Q₁PQ₂は熱電対、Ｐはそ
の測温接点、λは抵抗が適宜に選定された基準温
度t₀℃でのＲの抵抗に等しい定抵抗、γは可変抵
抗、Ｓは定電圧電源、E₁，E₂はいずれもアース
である。また、破線で囲まれた部分は連接温度t_G
℃に保たれているとする。Ｍ、ｍは電位を考える
点である。

温度ｔ℃における測温抵抗線の抵抗Ｒは Ｒ＝R₀｛１＋α（ｔ−t₀）｝ (1) であるとし、熱電対の両接点の温度がそれぞれt₁
℃、t₂℃であるときの熱起電力が β（t₁−t₂） (2) であるとする。

Ｒ，λを含む導線系に、可変抵抗γを加減し
て、 iR₀α＝β (3) なる条件を満たす電流ｉを流す。

点Ｍ，ｍの電位V_M、V_nは V_M＝iR＝iR₀＋iR₀α（t_G−t₀） V_n＝−iR₀ (4) であり、点Q₂の電位は V_Q2＝β（ｔ−t_G） (5) であるから、 Ｖ＝V_M＋V_n＋V_Q2＝β（ｔ−t₀） (6) である。

設定温度t_s℃が定まれば、 V_s＝β（t_s−t₀） (7) も定まる。それで、加熱導線に ΔV＝V_s′−Ｖ (8) なるΔVに比例する電圧を印荷することによつ
て、所要の温度制御ができる。

単位時間当りの放熱量は熱源管の表面積Ｆと単
位表面積当りの放熱量ｈとの積Ｆ・ｈで与えら
れ、ｈは熱源管の温度が高いほど大きい。

挿入熱源によつて、広い範囲にわたる加熱を行
うには、なるべく放熱量が多い方が望ましい。そ
れには、 (i) 挿入されている熱源管をできるだけ長くす
る。

(ii) 熱源管の管径をできるだけ大きくする。

(iii) 熱源管自体の温度をできるだけ高くする。

ことが望ましい。

なお、１本の熱源管で足りなければ、必要に応
じて、熱源管を多く使用する。

本発明は叙上の如く構成されるから、本発明に
よるときは、症状に応じて適宜がん等の部位に挿
入、加熱して治療を行い得るので、実施すれば多
大の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の要部を示す断面
図、第２図はその付属回路図である。 Ｔ……注射針、Ｈ……加熱導線、Ｃ……熱電
対、Ｐ……測温接点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 注射針など生体内に挿入できる管に、加熱用
   の導線と熱電対の測温接点とを収納し、管自体の
   温度が所定の温度に保たれるように加熱電流を制
   御するよう構成した、生体内に安全に挿入できる
   熱源。